JP2002357749A - 光ファイバ心線及びそれを用いたコネクタ付き光ファイバ心線とその製造方法。 - Google Patents

光ファイバ心線及びそれを用いたコネクタ付き光ファイバ心線とその製造方法。

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JP2002357749A
JP2002357749A JP2002091107A JP2002091107A JP2002357749A JP 2002357749 A JP2002357749 A JP 2002357749A JP 2002091107 A JP2002091107 A JP 2002091107A JP 2002091107 A JP2002091107 A JP 2002091107A JP 2002357749 A JP2002357749 A JP 2002357749A
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JP2002091107A
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Kiyoaki Moriuchi
清晃 森内
Hiroshi Hayami
宏 早味
Kaoru Okuno
薫 奥野
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時に有毒ガスを出すなどの、環境対策上
での問題がなく、かつ、伝送特性が、温度による変化を
受け難く、長期信頼性の高い光ファイバ心線及びコネク
タ付き光ファイバ心線を提供する。 【解決手段】 光ファイバの二次被覆に、高密度ポリエ
チレン等の結晶性ポリオレフィン10〜80重量部とエ
チレン−αオレフィン等の非晶性ポリオレフィン90〜
20重量部を混合してなる、密度0.90以上のポリオ
レフィン樹脂100重量部に対し、無機フィラーが30
〜200重量部からなり、破断伸びが100%以上有す
る材料を用いる。その光ファイバ心線を被覆除去具で被
覆を除去したときに形成されるヒゲ状突起が0.5mm
以内にとどまるため、フェルールに接続した光ファイバ
心線は接続による伝送損失が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ心線と
それを用いてなるコネクタ付き光ファイバ心線およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石英ガラスを主成分とする外径0.12
5mmの光ファイバ上に紫外線硬化型樹脂からなる外径
0.25mmの一次被覆及び塩化ビニル樹脂からなる外
径0.9mmの二次被覆を設けた光ファイバ心線が、光
コード用等に使用する光ファイバ心線として知られてい
る。なお、光コードは、この光ファイバ心線の上に抗張
力繊維を沿わせてその外側に塩化ビニル樹脂等からなる
外部被覆を設けたもので、光通信機器等の配線に用いら
れている。また、上記の光ファイバ心線は光コードに加
工されずに、そのままで光通信機器等の配線に用いられ
ることもある。
【0003】また、石英ガラスを主成分とする外径0.
125mmの光ファイバ上に紫外線硬化型樹脂からなる
外径0.25mmの一次被覆を設けたものは光ファイバ
素線とも呼ばれて、光ケーブルの主要部材であるテープ
状光ファイバ心線用等に多量に用いられているため、生
産コストも比較的安価である。この光ファイバ素線に
は、識別性を高めるために最外層に着色インクの薄層を
設けているものもある。
【0004】光ファイバ素線上に二次被覆を設けた光フ
ァイバ心線について、二次被覆の外径は、光ファイバ心
線の上に更に設けられる外部保護層の構成その他からの
要求によって種々のものがあるが、通常、その外径は
0.4mm〜1.0mm程度のものが多い。光コードと
して用いる場合、光ファイバ心線の端部には、通常、コ
ネクタが取り付けられるが、コネクタを取り付けるに
は、まず、後に述べる被覆除去具を用いて、心線端部の
ガラスが、10〜20mm程度むき出しとなるように心線
被覆を除去する必要がある。
【0005】図2は、光ファイバ心線の被覆除去に使用
する被覆除去具を示す図であって、図2(A)は被覆除
去具の側面図、図2(B)はX方向断面図、図2(C)
は板状レバー部材の内面の一部を示す斜視図である。図
2において、20は被覆除去具、21a、21bは板状
レバー部材、22は刃、22aは窪み、23はガイド
板、23aはV溝、24は光ファイバ心線である。
【0006】被覆除去具20は、片方の端部が枢軸して
連結された板状レバー部材21a、21bのそれぞれの
開閉側の端部近傍内側に、二対のガイド板23と一対の
刃22が内側に向かって垂直に固定されており、光ファ
イバ心線24の端末から40mm程度離れた箇所を挟ん
で板状レバー部材21a、21bを閉じることによっ
て、二対のガイド板23のそれぞれのV溝23a内に光
ファイバ心線24を保持して、一対の刃22でもって光
ファイバ心線24の被覆に切り込みを入れる。刃22
は、刃先に半円状の窪み22aを有しているので、光フ
ァイバ心線24の中にある光ファイバの表面にまで刃先
が至らず、光ファイバを傷つけることがない。そして、
板状レバー部材21a、21bを閉じたままで、被覆除
去具20を光ファイバ心線24の端末側に移動させるこ
とによって、光ファイバ心線24の被覆の端末側部分を
端末方向に引抜き、光ファイバ心線端末部分の光ファイ
バを露出させる。この時、光ファイバの表面と刃先の間
及び刃先同士の間にはわずかな隙間があるので、その隙
間部分の被覆は、刃先の切り込みでは切れないで刃先の
移動によって引き千切られる。この時に引き伸ばされた
部分をヒゲ状突起という。
【0007】光ファイバ心線の形態として、外径0.1
25mmの光ファイバ上に熱硬化型シリコーン樹脂から
なる外径0.40mmの一次被覆を設けたものにナイロ
ンからなる二次被覆を施した外径0.90mmの光ファ
イバ心線があるが、本構造は、熱硬化型シリコーン樹脂
とナイロンが共に高価であるため、近年は、上記の塩化
ビニル樹脂からなる二次被覆を設けた光ファイバ心線に
置き換わっている。ところが、光ファイバ上に紫外線硬
化型樹脂からなる一次被覆及び塩化ビニル樹脂からなる
二次被覆を設けた光ファイバ心線は、二次被覆層の塩化
ビニル樹脂が燃焼時に塩素ガスを発生したり、あるいは
ダイオキシン等の発生原因となるとされ、環境対策上、
二次被覆材料の転換が求められている。そのため、代替
えとして、エチレン・エチル・アクリレート樹脂(EE
A)、エチレン・ビニル・アセテート樹脂(EVA)、
低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチ
レン樹脂(HDPE)等のポリオレフィン系樹脂を主成
分とし、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
難燃剤等を添加した難燃性ポリオレフィン系樹脂などが
検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】二次被覆材料として、
塩化ビニル樹脂に代えて、ポリオレフィン樹脂を使用す
れば、燃焼時に有毒ガスを出すなどの、環境対策上での
問題はないが、本願発明者等の検討によると、ポリオレ
フィン樹脂を二次被覆材料として使用した光ファイバ心
線に、コネクタを取り付けて光コードとして使用した場
合、被覆の切断面の端面が、長さ方向に垂直な面でシャ
ープに奇麗になるように切れたものは、被覆端面をフェ
ルールに突き当てて、コネクタを取り付けても、光ファ
イバの伝送特性が、温度による変化を受け難く、長期信
頼性も高いが、引き千切られる際、被覆の一部がヒゲ状
に伸びて、その後に引き千切られると、伝送特性が、温
度による変化を受け易くなったり、長期間、安定した特
性を維持することができなくなるケースがあることがわ
かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、このような
従来技術の問題点を解消して、燃焼時に有毒ガスを出す
などの、環境対策上での問題がなく、かつ、伝送特性
が、温度による変化を受け難く、長期信頼性の高いコネ
クタ付き光ファイバ心線を提供することを目的とするも
ので、結晶性ポリオレフィンと非晶性ポリオレフィンを
混合してなる、密度0.90g/cm以上のポリオレ
フィン樹脂に無機フィラー30〜200重量部添加した
樹脂組成物で二次被覆した光ファイバ心線である。ま
た、被覆するポリオレフィン樹脂が、高密度ポリエチレ
ンとEVAやEEAのようなエチレン−αオレフィン共
重合体から構成され、高密度ポリエチレンの比率が10
〜80重量部、エチレン−αオレフィン共重合体の比率
が90〜20重量部で構成されるのが好ましい。
【0010】このような組成を特徴とする光ファイバ心
線を用いて、配線する際に端部をコネクタ接続する。接
続時には端末の一部を図2のような被覆除去具で一次及
び二次被覆を同時に除去し、露出した光ファイバをコネ
クタを構成するフェルールの穴部に通し、一次及び二次
被覆の切り口を該フェルールの端面に突き当てて接続す
ることにより、コネクタ付き光ファイバ心線が得られ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1(A)は、光ファイバ心線の
横断面図であって、図1(B)は、ヒゲ状の突起がない
被覆端面をフェルール端面に突き当てたようすを示す断
面図で、図1(C)は、露出したガラス部分をフェルー
ル内へ挿入する時に、ヒゲ状の突起が先にフェルール端
面に当たるようすを示す断面図である。図1(B)のよ
うに、被覆端面6が、長さ方向に垂直な面でシャープに
奇麗になるように切れたものは、この被覆端面6をフェ
ルール7の端面に突き当てて、コネクタを取り付けて
も、光ファイバの伝送特性が、温度による変化を受け難
く、長期信頼性も高いが、引き千切られる際、被覆の一
部がヒゲ状に伸びて、その後に引き千切られると、コネ
クタ取り付けによる不具合を生じることがわかった。す
なわち、ヒゲ状に伸びる長さが0.5mm以下であれ
ば、コネクタを取り付けても、光ファイバの伝送特性
が、温度による変化を受け難く、長期信頼性も高いが、
ヒゲ状に伸びる長さが0.5mm以上だと、コネクタ取
り付けによる不具合が生じた。
【0012】前記のような現象が起きるのは、次のよう
な理由によると推定される。光ファイバ被覆心線5へコ
ネクタ7を取り付けるために、10〜20mm程度むき出
しとなるように被覆が除去された光ファイバ被覆心線の
ガラス部分1をフェルール内に挿入していき、心線の被
覆端面6がフェルール端面に突き当たった所で挿入を止
めると言う方式が取られている。すなわち、心線の被覆
端面6が、フェルール内への挿入時の光ファイバの位置
決めに利用されている。心線被覆端部に、前記のヒゲ状
の突起8が存在すると、露出したガラス部分をフェルー
ル内へ挿入する時に、図1(C)に示したように、ヒゲ
状の突起8が先にフェルール端面に当たるが、そこで挿
入を止めるわけではなく、心線被覆端部がフェルール端
面に突き当たるまで挿入するので、ヒゲ状の突起8が押
しつぶされる。このとき、ガラスに不均一な応力がかか
って、ガラスに微細な歪ができ、その結果、光ファイバ
の伝送特性が、温度による変化を受け易くなったり、長
期間、安定した特性を維持することができなくなると推
定される。
【0013】また、露出したガラス部分をフェルール内
に挿入した後、接着剤を流し込んで、ガラス部分をフェ
ルール内に固定する工程で、ヒゲ状の突起8が原因とな
ってフェルール端面部に気泡が残り、その結果、やは
り、光ファイバの伝送特性が、温度による変化を受け易
くなったり、長期間、安定した特性を維持することがで
きなくなると推定される。
【0014】上記のようなヒゲ状の突起を低減させるた
めには、被覆材料であるポリオレフィンの破断伸びを低
減させることにより、刃が入った時の隙間部分の被覆が
引き千切れる長さを短くする手段が考えられる。実際、
ポリオレフィンの破断伸びを低減させる手段として、例
えば、被覆材料に架橋助剤等を加え、電子線照射等で架
橋させる方法や、無機充填剤を添加する方法などが知ら
れていて、実現可能と思われる。
【0015】しかし、一部の用途については、被覆に高
い信頼性が要求され、そのために被覆の破断伸びを高く
保つことが要求される場合がある。破断伸びの値は、大
きい方が、一般に被覆のひび割れ等が発生しにくくな
り、信頼性が高い。一般に電子機器用途の電線に適用さ
れるUL規格では、被覆の破断伸びは100%以上と規
定されている。したがって、被覆の破断伸びが100%
以上で有れば信頼性が確保されると考えられる。
【0016】高破断伸びとヒゲ状の突起の低減を両立さ
せる手段として、発明者らは種々検討の結果、結晶性の
ポリオレフィンと非晶性のポリオレフィンを混合してな
るポリオレフィン樹脂を使用するのが良いことを見出し
た。特に、結晶性の高い高密度ポリエチレンと非晶性の
EVAもしくはEEA等のエチレン−αオレフィン共重
合体と、無機フィラーを配合させることが大きな効果を
得られ、好ましいことを見出した。結晶性のポリオレフ
ィンだけでは、無機フィラーを配合するとヒゲ状突起は
0.5mm以内になるが、被覆のひび割れが発生しやす
くなり好ましくない。また、非晶性ポリオレフィンだけ
であると、無機フィラーを配合してもヒゲ状突起は確実
に0.5mm以内とすることができない。両者を混合し
て用いることで双方の長所が得られ、その限度は混合さ
れたポリオレフィンの密度が0.9g/cm 以上であ
ると良い結果をもたらす。このような配合によって高破
断伸びとヒゲ状の突起の低減が両立できる理由として
は、以下のようなメカニズムを考えている。
【0017】EVAのようなエチレン−αオレフィン共
重合体は明瞭な降伏点を持たず、降伏伸びが非常に大き
い。一方、結晶性の高い高密度ポリエチレンは降伏点が
明確で降伏強度高いが降伏伸びが小さい。高密度ポリエ
チレンはEVAやEEAとの相溶性が良いので、単純に
引張り応力がかかった時は内部破断の核とならず、EV
A領域の伸びの大きさを損なうことがないが、被覆除去
時に、刃による切り込みが入った時には、高密度ポリエ
チレンの結晶性が高いために、この部分から割れが生
じ、ここを起点として被覆の破断を促進させる効果が生
じる。そのために単純に引張った時の高破断伸びと、刃
を入れた時のヒゲ状の突起の低減(被覆の引き千切れが
早い)が両立できるものと思われる。
【0018】また、無機フィラーは、添加によって単純
に伸びを低減させる効果、即ち、破断伸びとヒゲ状の突
起を両方低減させる効果を持つ。通常、無機フィラーを
含まない高密度ポリエチレンとエチレン−αオレフィン
共重合体だけの構成では破断伸びが不必要に高くなりす
ぎるので、無機フィラーを加えることで、破断伸びをP
VC程度に調整し、かつヒゲ状の突起を十分に低減させ
るよう、全体を最適調整させる機能をこれにより持たせ
ることができる。無機フィラーとしては、珪酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、シリカ、黒鉛等もあるが、ポリオ
レフィン系樹脂の難燃性を改善させる効果がある水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を
選択することもできる。光ファイバ心線に難燃性が要求
される場合は、本選択は難燃性の付与を兼ねることがで
きるので非常に有用である。また、アミノシラン、アク
リルシラン、ビニルシランなどを用いて、表面処理をし
た無機フィラーも好ましく使用できる。
【0019】
【実施例】(実施例1〜12)外径0.125mmの石
英ガラスを主成分とするシングルモード型光ファイバ上
に、一次被覆としてウレタンアクリレート系の紫外線硬
化型樹脂を塗布して、それに紫外線を照射して硬化させ
て、外径0.25mmの光ファイバ素線とした。その光
ファイバ素線の上に、二次被覆として、高密度ポリエチ
レンが10,50,80重量部にそれぞれEVAを9
0,50,20重量部ブレンドした樹脂、そして高密度
ポリエチレンが50重量部に超低密度ポリエチレンVL
DPEを50重量部ブレンドした樹脂に無機フィラーと
して表面をビニル系シランカップリング剤で処理した水
酸化マグネシウム、あるいは表面未処理の水酸化マグネ
シウムを30〜200重量部添加した被覆材料を押出し
て、外径0.9mmの光ファイバ心線とした。なお、そ
れぞれの被覆材料には、共通に酸化防止剤を2重量部添
加した。配合の詳細を表1で示す。表1に示したポリオ
レフィン樹脂すなわち高密度ポリエチレンとEVAの所
定比率のブレンド樹脂の密度をJIS K7112に準
拠したD法の密度こうばい管法で調べたところ、0.9
12〜0.952g/cmであった。前記の光ファイ
バ心線を長さ約1mづつに切断し、前述した図2に示す
被覆除去具を使って、光ファイバ心線の端末部の長さ4
0mm部分の一次被覆及び二次被覆を一括除去し、ヒゲ
状の突起の長さを測定したところ、表1に示すように0
〜0.5mmであった。測定後、コネクタ付けをして、
長さ1mの両端SCコネクタ付き光ファイバ心線を作製
した。
【0020】作製したコネクタ付き光ファイバ心線につ
いて、信頼性試験を行った。試験条件は、−40℃と+
70℃各1時間、昇降温各1時間、なお昇温、降温の間
に23℃、1時間の1サイクル6時間を21サイクル曝
露した後、伝送損失を測定した。その結果、最大伝送損
失量は表1に付記するように0〜0.03dBと低く、
優れることがわかった。伸びも100%以上有し、信頼
性が高い。
【0021】
【表1】
【0022】(比較例1〜7)外径0.125mmの石
英ガラスを主成分とするシングルモード型光ファイバ上
に、一次被覆としてウレタンアクリレート系の紫外線硬
化型樹脂を塗布して、それに紫外線を照射して硬化させ
て、外径0.25mmの光ファイバ素線とした。その光
ファイバ素線の上に、二次被覆として、密度0.870
の超低密度ポリエチレンが100,90,70重量部に
それぞれ密度0.953の高密度ポリエチレンを0,1
0,30重量部ブレンドしたポリオレフィン樹脂に無機
フィラーとして表面をアミン系シランカップリング剤で
処理した水酸化マグネシウム、あるいは表面未処理の水
酸化マグネシウムを30〜200重量部添加した被覆材
料を押出して、外径0.9mmの光ファイバ心線とし
た。なお、それぞれの被覆材料には、共通に酸化防止剤
を2重量部添加した。配合の詳細を表2で示す。表2に
示したポリオレフィン樹脂すなわち超低密度ポリエチレ
ンと高密度ポリエチレンの所定比率のブレンド樹脂の密
度をJISK7112に準拠したD法の密度こうばい管
法で調べたところ、0.870〜0.898g/cm
であった。前記の光ファイバ心線を長さ約1mづつに切
断し、前述した図2に示す被覆除去具を使って、光ファ
イバ心線の端末部の長さ40mm部分の一次被覆及び二
次被覆を一括除去し、ヒゲ状の突起の長さを測定したと
ころ、表2に示すように0.6〜1.2mmであった。
測定後、コネクタ付けをして、長さ1mの両端SCコネ
クタ付けの光ファイバ心線を作製した。
【0023】作製したコネクタ付き光ファイバ心線につ
いて、信頼性試験を行った。試験条件は、−40℃と+
70℃各1時間、昇降温各1時間、なお昇温、降温の間
に23℃、1時間の1サイクル6時間を21サイクル曝
露した後、伝送損失を測定した。その結果、伸びは10
0%以上あり問題はないが、最大伝送損失量は表2に付
記するように0.12〜0.16dBと高く、伝送特性
が劣ることがわかった。
【0024】
【表2】
【0025】(比較例8〜13)外径0.125mmの
石英ガラスを主成分とするシングルモード型光ファイバ
上に、一次被覆としてウレタンアクリレート系の紫外線
硬化型樹脂を塗布して、それに紫外線を照射して硬化さ
せて、外径0.25mmの光ファイバ素線とした。その
光ファイバ素線の上に、二次被覆として、高密度ポリエ
チレンが10,50,80重量部にそれぞれEEAを9
0,50,20重量部ブレンドした樹脂に無機フィラー
として表面をアクリル系シランカップリング剤で処理し
た水酸化マグネシウム、あるいは表面未処理の水酸化マ
グネシウムを25,220重量部添加した被覆材料を押
出して、外径0.9mmの光ファイバ心線とした。な
お、それぞれの被覆材料には、共通に酸化防止剤を2重
量部添加した。これらの配合詳細は表3に示す。前記被
覆材料で、水酸化マグネシウムの添加量が25重量部の
比較例8,10,12の光ファイバ心線を長さ約1mづ
つに切断し、前述した図2に示す被覆除去具を使って、
光ファイバ心線の端末部の長さ40mm部分の一次被覆
及び二次被覆を一括除去し、ヒゲ状の突起の長さを測定
したところ、表3に示すように0.7〜1.0mmであ
った。測定後、コネクタ付けをして、長さ1mの両端S
Cコネクタ付けの光ファイバ心線を作製した。
【0026】作製したコネクタ付き光ファイバ心線につ
いて、信頼性試験を行った。試験条件は、−40℃と+
70℃各1時間、昇降温各1時間、なお昇温、降温の間
に23℃、1時間の1サイクル6時間を21サイクル曝
露した後、伝送損失を測定した。その結果、最大伝送損
失量は表3のように0.14〜0.15dBと大きくロ
スすることがわかった。
【0027】一方、前記被覆材料で、水酸化マグネシウ
ムの添加量が220重量部の比較例9,11,13の光
ファイバ心線を長さ約1mづつに切断し、前述した図2
に示す被覆除去具を使って、光ファイバ心線の端末部の
長さ40mm部分の一次被覆及び二次被覆を一括除去
し、ヒゲ状の突起の長さを測定したところ、表3のよう
に0〜0.2mmであった。測定後、コネクタ付けをし
て、長さ1mの両端SCコネクタ付けの光ファイバ心線
を作製した。
【0028】作製したコネクタ付き光ファイバ心線につ
いて、信頼性試験を行った。試験条件は、−40℃と+
70℃各1時間、昇降温各1時間、なお昇温、降温の間
に23℃、1時間の1サイクル6時間を21サイクル曝
露した後、伝送損失を測定した。その結果、最大伝送損
失量は表2のように0〜0.2dBと低く優れることが
わかった。しかし、被覆材料の破断伸びは表3のように
100%以下であり、信頼性が劣る。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明になるポリオレフィンで二次被覆
した光ファイバ心線は、その端部の被覆を、被覆除去具
で除去し、このときに形成される被覆端面に、ヒゲ状の
突起がないか、形成されていても0.5mm以下のもの
となるようにし、この被覆端面をフェルール端面に突き
当てて、コネクタ付けをすることにより、燃焼時に有毒
ガスを出すなどの、環境対策上での問題がなく、かつ、
伝送特性の信頼性が高いコネクタ付き光ファイバ心線を
得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、光ファイバ心線の横断面図であっ
て、(B)は、ヒゲ状の突起がない被覆端面をフェルー
ル端面に突き当てたようすを示す断面図で、(C)は、
露出したガラス部分をフェルール内へ挿入する時に、ヒ
ゲ状の突起が先にフェルール端面に当たるようすを示す
断面図である。
【図2】被覆除去具を示す図であって、図2(A)は被
覆除去具の側面図、図2(B)はX方向断面図、図2
(C)は板状レバー部材の内面の一部を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:光ファイバ 2:一次被覆 3:光ファイバ素線 4:二次被覆 5:光ファイバ心線 6:被覆端面 7:フェルール 8:ヒゲ状の突起 20:被覆除去具 21a:板状レバー部材 21b:板状レバー部材 22:刃 22a:窪み 23:ガイド板 23a:V溝 24:光ファイバ心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 薫 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 細谷 俊史 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 KA02 QA11 2H038 AA21 CA02 2H050 BB09S BB19S

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線の二次被覆が、結晶性ポ
    リオレフィンと非晶性ポリオレフィンを混合してなる、
    密度0.90g/cm以上のポリオレフィン樹脂10
    0重量部に対し、無機フィラーが30〜200重量部か
    らなり、該被覆の破断伸びが100%以上有することを
    特徴とする光ファイバ心線。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン樹脂が、高密度ポリ
    エチレンとエチレン−αオレフィン共重合体から構成さ
    れ、高密度ポリエチレンの比率が10〜80重量部、エ
    チレン−αオレフィン共重合体の比率が90〜20重量
    部であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ
    心線。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光ファイバ心線
    を用い、これにフェルールを含むコネクタを接続してな
    るコネクタ付き光ファイバ心線。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の光ファイバ心線
    の端末を、被覆除去具で該光ファイバ心線の一次および
    二次被覆を同時に除去し、露出した光ファイバをコネク
    タを構成するフェルールの穴部に通し、前記一次及び二
    次被覆の切り口を該フェルールの端面に突き当てて接続
    することを特徴とするコネクタ付き光ファイバ心線の製
    造方法。
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