JP2002354750A - モータ装置 - Google Patents

モータ装置

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JP2002354750A
JP2002354750A JP2001162342A JP2001162342A JP2002354750A JP 2002354750 A JP2002354750 A JP 2002354750A JP 2001162342 A JP2001162342 A JP 2001162342A JP 2001162342 A JP2001162342 A JP 2001162342A JP 2002354750 A JP2002354750 A JP 2002354750A
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rotor
motor device
stator
outer casing
motor
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JP2001162342A
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English (en)
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Masanori Okazaki
昌紀 岡崎
Tetsuji Fukushima
哲治 福島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御回路を内蔵した小型・高性能サーボ・モ
ータのための優れた放熱装置を提供する。 【解決手段】 小型・高出力のサーボ・モータ内部に発生
する多大な熱をより効率的に外部に放出するために、筐
体内部の空き空間に収容可能な大きさの羽根を回転子に
取り付ける。モータ駆動時の回転子の回転によって、羽
根が内部の空気を攪拌して、筐体の中心に穿設された吸
気口から空気を内部に取り込むとともに、側面に穿設さ
れた排気口から内部の空気を送り出すような流れを生じ
させて、熱を外部に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械装置の駆動に
用いられるモータ装置に係り、特に、脚式移動ロボット
のような多関節型ロボットの関節駆動に用いられるモー
タ装置に関する。
【0002】更に詳しくは、小型・高出力に構成された
ロボットの関節アクチュエータ用のモータ装置のために
放熱技術に係り、特に、制御回路を内蔵したモータ装置
のための放熱技術に関する。
【0003】
【従来の技術】電気的若しくは磁気的な作用を用いて人
間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボッ
ト」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBO
TA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国で
は、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からで
あるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・
無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボット
などの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】アーム式ロボットのように、ある特定の場
所に植設して用いるような据置きタイプのロボットは、
部品の組立・選別作業など固定的・局所的な作業空間で
のみ活動する。これに対し、移動式のロボットは、作業
空間は非限定的であり、所定の経路上または無経路上を
自在に移動して、所定の若しくは任意の人的作業を代行
したり、ヒトやイヌあるいはその他の生命体に置き換わ
る種々の幅広いサービスを提供することができる。なか
でも脚式の移動ロボットは、クローラ式やタイヤ式のロ
ボットに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなる
が、階段や梯子の昇降や障害物の乗り越えや、整地・不
整地の区別を問わない柔軟な歩行・走行動作を実現でき
るという点で優れている。
【0005】最近では、イヌやネコのように4足歩行の
動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボ
ット、あるいは、ヒトのような2足直立歩行を行う動物
の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた
「人間形」若しくは「人間型」と呼ばれるロボット(hu
manoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開
発が進展し、実用化への期待も高まってきている。例え
ば、ソニー株式会社は、平成12年11月21日に2足
歩行を行う人間型ロボット"SDR−3X"を公表した。
【0006】この種の脚式移動ロボットは、一般に、多
数の関節自由度を備え、関節の動きをアクチュエータ・
モータで実現するようになっている。また、各モータの
回転位置、回転量などを取り出して、サーボ制御を行う
ことにより、所望の動作パターンを再現するとともに、
姿勢制御を行うようになっている。
【0007】サーボ・モータは、取扱いが容易で、小型
・高トルクで、しかも応答性に優れているからである。
特に、ACサーボ・モータは、ブラシがなく、メンテナ
ンス・フリーであることから、無人化された作業空間で
稼動することが望まれるような自動機械、例えば自由歩
行を行う脚式ロボットの関節アクチュエータなどに適用
することができる。ACサーボ・モータは、回転子(ロ
ータ)側に永久磁石を、固定子(ステータ)側にコイル
を配置して、正弦波磁束分布と正弦波電流により回転子
に対して回転トルクを発生させるようになっている。
【0008】脚式移動ロボットは一般に、多数の関節で
構成されている。したがって、関節自由度を構成するサ
ーボ・モータを小型且つ高性能に設計・製作しなければな
らない。例えば、本出願人に既に譲渡されている特願平
11−33386号明細書には、脚式移動ロボットの関
節アクチュエータとして適用することができる、ギア直
結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユ
ニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエ
ータについて開示されている。
【0009】ところで、モータのように高速動作する機
械を小型に構成すると、駆動中に熱を発生し易い。サー
ボ制御系をモータ本体に内蔵して構成される上述のよう
な小型アクチュエータにおいて温度上昇の問題を無視す
ると、内部の異常な温度上昇により駆動回路の暴走を招
来し、ロボットが予期しない動作を行う危険がある。自
由度の高いロボットの暴走は、オペレータの負傷などの
大惨事に発展することさえある。また、エンターティン
メント性の高いロボットのように、人間の住空間で共存
することが期待されている製品においては、温度上昇
は、機体に触れるユーザにやけどを負わせる危険があ
る。
【0010】例えば、サーボ・アクチュエータの回転位
置を検出するためには、正弦波着磁処理が施されたセン
サ・マグネットの回転位置を、着磁面と対向する部位に
該回転軸回りに略90度の位相差を以って配設された各
ホール素子からの検出信号を基に測定するタイプの位置
検出装置が一般に使用される。ところが、センサ・マグ
ネットの磁束密度は最大着磁と回転位置で定まるが、最
大着磁の大きさは温度の影響を受け易い(一般には、最
大着磁は温度に反比例して変化する)。また、ホール素
子における感度も、温度の影響を受け易い。
【0011】サーボ・モータの小型化・高性能化ととも
に、温度上昇の抑制を図ることが肝要であるが、小型化
・高性能化と温度上昇の低減とは、相矛盾する問題であ
る。何故ならば、小型化により、制御回路はサーボ・モ
ータの混雑したユニット内に収容されるため、ますます
温度上昇の影響を受け易くなるからである。
【0012】例えば、高性能化のために回転子に磁束密
度の高いマグネットを使用したり、固定子の巻線密度を
向上すると、大量の熱が発生する。さらに、小型化しよ
うとすると、外筐の表面積が少なくなる分、発生した熱
がモータ・ユニット内部にこもり易くなる。また、高出
力を得るために大きな駆動電流を流すことにより、モー
タからは大量の熱が発生することになる。
【0013】小型サーボ・モータに関し、一般的に採用
されている熱対策として、以下の事柄を挙げることがで
きる。
【0014】(1)外筐表面からより効率的に放熱させ
るために、表面積を増すように放熱フィンを設ける。 (2)モータ内部の熱が外界に放出し易くするために、
外筐に放熱穴を穿設する。 (3)冷却ファン・モータを取り付けて、モータ内部の
空気を強制的に外部に排出する。
【0015】しかしながら、上述したいずれの方法も、
小型に構成されたサーボ・モータに対しては有効な手段
とは言い難い。上記の対策は、例えば、以下のような欠
点を包含する。
【0016】(1)放熱フィンを設けると、その分だけ
外形寸法が拡張してしまい、小型化の障害になる。 (2)小型化のため、外筐を薄肉設計しているので、穿
設された穴により筐体の機械強度が著しく劣化してしま
う。 (3)小型設計されているので、ファン・モータを取り
付ける収容場所がもはやない。
【0017】サーボ・モータの超小型化・高出力化によ
り、さらに内部に熱がこもり易くなる傾向にあるため、
新しい放熱対策が必要であると思料される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小型
・高出力に構成されたロボットの関節アクチュエータ用
のサーボ・モータのための優れた放熱機構を提供するこ
とにある。
【0019】本発明の更なる目的は、制御回路を内蔵し
た小型・高性能サーボ・モータのための優れた放熱機構
を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、回転力を出力するモータ装置であって、回転可能に
軸支された回転子と、前記回転子に回転トルクを印加す
る固定子と、前記回転子及び固定子を収容する外筐と、
前記回転子に一体的に取り付けられた冷却ファンと、前
記冷却ファンの回転作用により外気を前記外筐の内部に
取り込むために穿設された吸気口と、前記冷却ファンの
回転作用により前記外筐内の空気を外部に排出するため
に穿設された排気口と、を具備することを特徴とするモ
ータ装置である。
【0021】本発明によれば、小型・高出力のサーボ・モ
ータ内部に発生する多大な熱をより効率的に外部に放出
するために、筐体内部の空き空間に収容可能な大きさの
羽根からなる冷却を回転子に取り付けられる。
【0022】したがって、モータ駆動時の回転子の回転
によって、羽根が内部の空気を攪拌して、筐体の中心に
穿設された吸気口から空気を内部に取り込むとともに、
側面に穿設された排気口から内部の空気を送り出すよう
な流れを生じさせて、熱を外部に排出することができ
る。
【0023】冷却ファンを構成する羽根の枚数は、奇数
枚にすることで回転時の振動を抑制することが、より好
ましい。
【0024】また、冷却ファンを構成する各羽根は、回
転方向に対して略対称的な形状を備えることによって、
モータが正回転又は逆回転いずれの方向に回転する場合
であっても、均一な冷却効果をあげることができる。
【0025】前記吸気口は、例えば、前記外筐の一端面
の回転軸近傍に配設されている。また、前記排気口は、
前記外筐の外周に配設されている。
【0026】前記固定子による前記回転子に回転トルク
を印加する作用を制御する制御回路チップなどを搭載し
た回路基板を前記外筐内に収容することによって、モー
タ・ユニットを小型に構成することができる。
【0027】このような場合、制御回路は、モータ・ユ
ニット内での温度上昇の影響を受け易くなる。
【0028】そこで、本発明においては、前記回路基板
は、回路チップを電気接続する配線部に、伝熱性に優れ
たアルミ基板などからなる伝熱部を積層することで構成
した。したがって、回路チップから発生される熱をアル
ミ基板を介して放熱することができる。
【0029】また、前記配線部に搭載された回路チップ
の上面に、伝熱性に優れた銅板などからなる放熱シート
を押し当てることによって、放熱シートを介して回路チ
ップで発生した熱を奪うことができる。
【0030】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳
細な説明によって明らかになるであろう。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例を詳解する。
【0032】図1には、本発明の実施に供されるサーボ
・モータ1の軸方向の断面構成を模式的に図解してい
る。
【0033】同図に示すように、ケース11内には、複
数のスロットを持つ固定子(ステータ)鉄心12が収容
されている。また、この固定子(ステータ)鉄心12の
中空部には、回転子(ロータ)13が固定子(ステー
タ)鉄心12と同軸状となるように配置されている。こ
の回転子(ロータ)13の両端は、それぞれベアリング
14によって回転可能に軸支されている。
【0034】多関節型ロボットの関節アクチュエータと
して適用されるサーボ・モータの場合、小型化、高出力
化、高速化、並びに安定した回転制御が要求される。回
転子(ロータ)側に磁束密度の高いマグネットを使用す
ることにより、サーボ・モータの小型化、高出力化を達
成することができる(周知)。成形時に磁界を印加する
と、マグネット内での磁場には配向すなわち異方性が与
えられて、マグネットは小型でも高い磁束密度を得るこ
とができる。特に、極異方性マグネットは、磁束密度が
高いので、高出力化の点で優れている。
【0035】例えば、本出願人に既に譲渡されている特
願2000−128409号明細書には、分割された各
リング型極異方性マグネットの磁極を、磁極数と固定子
側の鉄心のスロット数とによって決まる回転子1回転当
たりに発生するトルク・リップル数によって定まるスキ
ュー角度θに対して各マグネット間の磁気的干渉を考慮
した値を加算した角度θ'だけずらして設置することに
よって、マグネットと固定子側鉄心との間で発生するコ
ギング・トルクを低減して、小型・高出力で且つ高精度
制御可能に構成されたサーボ・モータについて開示され
ている。
【0036】また、回転子(ロータ)側に磁束密度の高
いマグネットを使用する(上述)以外に、固定子側を分
割コア方式により高密度巻き線により構成することによ
り、サーボ・モータの小型化、高出力化を達成すること
ができる(周知)。固定子側の巻線密度を高密度化する
ために、分割コア方式が採用されることが多い。この分
割コア方式とは、鉄心すなわちコアをその周方向に分割
するとともに、巻線を外部で整列状に巻き込んだ後、各
鉄心を組み立てることによって固定子を構成するもので
あり、コアへの高密度な巻線とアクチュエータの省スペ
ース化を可能にしている。
【0037】また、図2には、本実施形態に係るサーボ
・モータ1に使用される固定子(ステータ)20を抜き
出して描写している。本実施例に係る固定子20は、鉄
心を円周方向に略等分に分割するとともに、それぞれの
分割されたコアに対して巻線を外部で整列状に巻き込ん
だ後、各鉄心を組み立てることによって、巻線密度が高
密度化することを可能とした分割コア方式の固定子であ
る。
【0038】図2に示すように、固定子20は、極歯単
位毎に出力軸方向に12個に略均等に分割された分割コ
ア21からなる。各々の分割コア21は、図示の通りの
略T字形状に打ち抜きなどのプレス成形された鉄片を極
歯単位ごとに積層化した後、極歯部毎に絶縁部23を形
成して、巻線機(図示しない)などを用いて極歯部に対
して直交するように整列状に高密度に巻線部24を形成
することによって、完成する。
【0039】本出願人に既に譲渡されている特願200
0−281072号明細書に開示されたサーボ・モータ
用の固定子コアによれば、各接合面における面方向の自
由度が一致しないので、ガタを減らすことができるとと
もに、熱収縮に伴う変形量を少なくすることができる。
すなわち、分割コアの嵌合部の形状を工夫することによ
り、分割コアどうしを組み立てる際にガタを減らすこと
ができるとともに、分割面の外周端部を積層方向に溶着
する際に所定の形状を維持することが可能であり、さら
に溶接強度(剛性)を持たせることができる。この結
果、高品質なサーボ・モータ用の固定子を構成すること
ができる。
【0040】本実施形態に係るサーボ・モータ1は、ギ
ア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ
・ユニットに内蔵して構成される。図3には、本実施形
態に係るモータ・ユニット1全体の断面構成を示してい
る。
【0041】図3に示すように、このモータ・ユニット
1は、回転駆動するモータ本体110と、モータの駆動
を制御する制御回路部120と、モータ本体110にお
ける回転を減速する減速部130とが、所定の略円筒形
状の外筐内に収容して構成されている。
【0042】モータ本体110は、極異方性マグネット
などの永久磁石で構成された回転子と、巻線を高密度に
巻設して正弦波磁束分布と正弦波電流により回転子にト
ルクを発生させる固定子とからなる(上述)。モータの
高出力トルクを得るために高密度の巻線に対して大きな
電流を流すことにより、サーボ・モータ1内部の発熱の
原因となる。
【0043】制御回路部120は、固定子の巻線に対し
て供給する正弦波電流を制御することによって、回転子
の所望の回転駆動に必要な正弦波磁束分布を発生させ
る。制御回路部120における回路駆動により、サーボ
・モータ1内部の発熱の原因となる。
【0044】減速部130は、モータ本体110におけ
る回転子の回転を関節駆動に適したトルクや回転速度に
変換する。本実施形態では、減速部130は回転子の回
転シャフトに直結された減速ギアで構成される。
【0045】本実施形態に係るサーボ・モータ1では、
上述したように、複数の分割コアで構成することによ
り、固定子12には巻線が高密度で巻設されている。し
たがって、巻線の折り返しのために、固定子12の端縁
部分には比較的広いデッド・スペースが存在する。図3
中では、矢印Aによりデッド・スペースの所在を示して
いる。また、図4には、分割コア1ブロック毎に巻線が
高密度に巻設され、多数の巻線の折り返しによって生成
されるデッド・スペースの様子をさらに詳細に図解して
いる。
【0046】ここで、回転子13の軸方向の回転子13
と固定子12との位置関係を考えてみる。回転子13の
マグネット表面と固定子側の鉄芯コア内径部はアイタイ
するように略同一の長さに構成されている。図4に示す
ように、固定子12の鉄芯に巻線を巻設するときに、略
楕円状に巻き付けていくことになる。巻線を180度折
り返すときに盛り上がる曲線のために、固定子12と回
転子13の両端には、回転子13の面積と巻線の折り返
し高さとの積で定まるデッド・スペースが生じる。
【0047】本実施形態では、このような高密度巻線構
造により形成されたこのようなデッド・スペースを利用
して、回転子13に対して羽根38を取り付けた。この
羽根15は、回転子13と一体的に回転することによっ
て、モータ・ユニット1内部の空気を攪拌したり、加熱
された内部の空気をモータ・ユニット1外部に吐き出す
ような空気の流れを生じさせることができる。
【0048】図5には、羽根38が取り付けられた回転
子13の断面構成を示している。また、図6には、羽根
38が取り付けられた回転子13を斜視した様子を示し
ている。また、図7には、羽根38を上面から眺めた様
子を示している。
【0049】回転子13は、回転シャフト31にバック
・ヨーク32を接着固定し、その上にリング型極異方性
マグネット33を2個、互いに所定のスキュー角だけず
らした位相に接着固定することにより形成される(上
述)。
【0050】回転子13の一端には、回転を検出するセ
ンサ・マグネット34が取り付けられている。センサ・マ
グネット34は、バック・ヨーク35並びに32に接着
されることで、回転子13に固定される。このセンサ・
マグネット34に対向する固定側にはホール素子を搭載
した回路基板(図5には図示しない)が配設されてお
り、センサ・マグネット34から得られる磁気信号を検
出することによって回転子13の回転を検出することが
できる。
【0051】参照番号36並びに37はスリーブであ
り、図示しないバネを介してベアリング14の内輪を受
ける。回転子13の他端には、羽根38がスリーブ37
を介して回転シャフト31に一体的に取り付けられてい
る。
【0052】図7に示すように、羽根38は、回転対称
な形状とし、それぞれのブレードは半径方向に角度を持
たないように構成した。これは、サーボ・モータ1が正
回転・逆回転の両方を行うことを想定したもので、いず
れの回転方向においても羽根38の回転により、モータ
・ユニット1内部の空気を攪拌したり、内部の空気をユ
ニット外部に吐き出すような空気の流れを発生すること
を確保する。また、奇数枚のブレード(図示の例では7
枚)で羽根38を構成することにした。これは、奇数枚
にすることで回転時の振動を抑制するという経験則に基
づくものである。
【0053】図8には、羽根38の回転により得られる
モータ・ユニット1内部の空気の流れを模式的に図解し
ている。
【0054】図8に示すように、モータ・ユニット1の
外筐の一方の端面略中央に吸気口が穿設されており、羽
根38の回転により軸方向から外気を効率的に取り込む
ことができる。
【0055】また、モータ・ユニット1の外筐の外周面
には排気口が穿設されており、羽根38の回転により、
内部の空気を外界に円周方向に向かって効率的に送り出
すことができる。
【0056】このように、羽根38をモータ・ユニット
1内に取り付けることにより、いわゆる遠心ポンプの羽
根の原理から、送り出される流体は中心部で吸い込まれ
(図8中の矢印aを参照のこと)、羽根38の中を通過
して、外周部で吐き出されることになる(図8中の矢印
bを参照のこと)。すなわち、モータ自身の回転によっ
て羽根38を回して、モータ・ユニット1内部を通過す
る空気の流れを作ることができる。この結果、モータ・
ユニット1内部で大量に発生する熱(特に固定子12の
巻線部分や、制御回路部120で発生する熱)を積極的
且つ効率的に外部に排出することができる。
【0057】図9には、制御回路部120に用いられる
回路基板121の構成例を図解している。
【0058】同図に示すように、この回路基板121に
は、第1面(表面)に4個、第2面(裏面)に2個、合
計で6個の駆動回路チップが搭載されている。回路基板
121の略中央には、回転子13の回転シャフトを挿通
させるための開口が穿設されており、回路基板121の
各面上には、この開口を囲うように駆動回路チップが略
均等に配置されている。これら駆動回路チップは、モー
タ・ユニット1内での主要な発熱源である。
【0059】回路チップを支持する基板は、一般にはポ
リカーボネイト(PC)などの樹脂素材で構成されてい
る。この種の回路基板は、熱伝導性が低く、回路チップ
の駆動により発生する熱をモータ・ユニット1内にこも
らせる1つの要因となっている。
【0060】そこで、本実施形態では、アルミニウム製
の板材を回路チップの支持基板として用いることとし
た。より具体的には、A6083のように、熱伝導性が
高く、且つ、重量密度が低い素材を選択することが好ま
しい。
【0061】現実の基板設計では、図9に示すように、
フレキシブル基板のような薄型の配線基板上に駆動回路
チップを搭載した後、アルミニウム製の基板上に、数個
の螺子で螺着する。
【0062】願わくば、アルミニウム基板設計の際に、
駆動回路チップを搭載する場所に、回路を放熱するため
の厚いパターンを形設して、このようなパターンを踏み
付けるようにして螺着するようにすれば、さらに放熱効
果が向上する。
【0063】アルミニウム基板は、モータ・ユニット1
の外筐の端面を構成するので、常時外気に触れること
で、放熱効果を確保することができる。
【0064】また、発熱源としての回路チップと放熱部
材との間の熱伝導性を向上させるために、両者の間隙に
放熱シートを挿設することが一般的である。
【0065】本実施形態では、熱伝導性が高い銅板を放
熱シートに採用することにした。
【0066】図10には、回路基板121の第1面(表
面)並びに第2面(裏面)それぞれのために構成された
放熱シートを示している。
【0067】同図に示すように、放熱シートの略中央に
は回転子13の回転シャフトを挿通させるための開口が
穿設されているとともに、駆動回路チップに対向する部
位には、駆動回路チップの上面に当接するように平坦状
の突起がプレス加工などにより成形されている。
【0068】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示とい
う形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈
されるべきではない。本発明の要旨を判断するために
は、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきで
ある。
【0069】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
小型・高出力に構成されたロボットの関節アクチュエー
タ用のサーボ・モータのための優れた放熱技術を提供す
ることができる。
【0070】また、本発明によれば、制御回路を内蔵し
た小型・高性能サーボ・モータのための優れた放熱技術
を提供することができる。
【0071】本発明によれば、サーボ・モータの筐体内
で、回転子の巻線の折り返しによって生じたデッド・ス
ペース部に羽根という1つの部品を追加するだけで、放
熱効果を向上させることができる。
【0072】また、本発明によれば、モータ自身の回転
によって羽根を回して冷却するので、言い換えれば他に
駆動装置を追加する必要がなく、装置構成が簡素で安価
に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供されるサーボ・モータ1の軸
方向の断面構成を模式的に示した図である。
【図2】本実施形態に係るサーボ・モータ1に使用され
る固定子(ステータ)20を抜き出して描写した図であ
る。
【図3】本実施形態に係るモータ・ユニット1全体の断
面構成を示した図である。
【図4】分割コア1ブロックに巻線が高密度に巻設さ
れ、多数の巻線の折り返しにより生成されるデッド・ス
ペースの様子を示した図である。
【図5】羽根38が取り付けられた回転子13の断面構
成を示した図である。
【図6】羽根38が取り付けられた回転子13を斜視し
た様子を示した図である。
【図7】羽根38の上面図である。
【図8】羽根38の回転により得られるモータ・ユニッ
ト1内部の空気の流れを模式的に示した図である。
【図9】制御回路部120に用いられる回路基板の構成
例を示した図である。
【図10】10回路基板121の第1面(表面)並びに
第2面(裏面)それぞれのために構成された放熱シート
を示した図である。
【符号の説明】 1…サーボ・モータ(モータ・ユニット) 11…ケース 12…固定子(ステータ)鉄心 13…回転子(ロータ) 14…ベアリング 20…固定子 21…分割コア 22…溶接部 23…絶縁部 24…巻線部 31…回転シャフト 32,35…バック・ヨーク 33…リング型極異方性マグネット 34…センサ・マグネット 36,37…スリーブ 110…モータ本体 120…制御回路部 130…減速部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 11/00 H02K 11/00 X Fターム(参考) 3C007 AS36 CS08 CY34 HS27 JS06 5H609 BB03 BB18 PP02 PP16 QQ02 QQ12 QQ13 QQ23 RR03 RR07 RR10 RR16 RR27 RR67 RR69 5H611 AA09 BB01 BB06 TT01 UA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転力を出力するモータ装置であって、 回転可能に軸支された回転子と、 前記回転子に回転トルクを印加する固定子と、 前記回転子及び固定子を収容する外筐と、 前記回転子に一体的に取り付けられた冷却ファンと、 前記冷却ファンの回転作用により外気を前記外筐の内部
    に取り込むために穿設された吸気口と、 前記冷却ファンの回転作用により前記外筐内の空気を外
    部に排出するために穿設された排気口と、を具備するこ
    とを特徴とするモータ装置。
  2. 【請求項2】前記冷却ファンは、奇数個の羽根が前記回
    転子の回転方向に略均等に配置されて構成される、こと
    を特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
  3. 【請求項3】前記冷却ファンの各羽根は、回転方向に対
    して略対称的な形状を備えている、ことを特徴とする請
    求項2に記載のモータ装置。
  4. 【請求項4】前記吸気口は、前記外筐の一端面の回転軸
    近傍に配設されている、ことを特徴とする請求項1に記
    載のモータ装置。
  5. 【請求項5】前記排気口は、前記外筐の外周に配設され
    ている、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ装
    置。
  6. 【請求項6】前記固定子による前記回転子に回転トルク
    を印加する作用を制御する制御回路チップなどを搭載し
    た回路基板を前記外筐内に収容している、ことを特徴と
    する請求項1に記載のモータ装置。
  7. 【請求項7】前記回路基板は、回路チップを電気接続す
    る配線部と、前記配線部に積層された伝熱部で構成され
    る、ことを特徴とする請求項6に記載のモータ装置。
  8. 【請求項8】前記配線部に搭載された回路チップの上面
    に当接する放熱シートをさらに備える、ことを特徴とす
    る請求項1に記載のモータ装置。
  9. 【請求項9】回転可能に軸支された回転子と、前記回転
    子に回転トルクを印加する固定子とで構成されるモータ
    装置の外筐に収容された回路基板であって、 回路チップを電気接続する配線部と、 前記配線部に積層された伝熱部と、を具備することを特
    徴とするモータ装置の外筐に収容された回路基板。
  10. 【請求項10】前記配線部に搭載された回路チップの上
    面に当接する放熱シートをさらに備える、ことを特徴と
    する請求項9に記載のモータ装置の外筐に収容された回
    路基板。
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