JP2022116601A - モーターおよびロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】モーターのステーターを複数の磁気回路部材から構成する際の位置決めを容易にし、かつ磁束の形成を阻害しない。
【解決手段】複数の磁気回路部材をステーターの周方向に組み合わせて、ステーターを形成する。この磁気回路部材は、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の各端部に形成され、コアの一部を形成する第1,第2部分コアと備える。この磁気回路部材を、部分ヨークの端部位置に対応する位置に位置決め用の凸部を備えるケースに配置する。このとき、磁気回路部材の第1部分コアを、隣接する磁気回路部材の第2部分コアに当接するよう、周方向に組み合わせてステーターを形成し、その際、ケース上の凸部に、部分ヨークの周方向の端部に設けられた凹部を組み付けて、ケースに対する磁気回路部材の位置決めを行なう。
【選択図】図5
【解決手段】複数の磁気回路部材をステーターの周方向に組み合わせて、ステーターを形成する。この磁気回路部材は、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の各端部に形成され、コアの一部を形成する第1,第2部分コアと備える。この磁気回路部材を、部分ヨークの端部位置に対応する位置に位置決め用の凸部を備えるケースに配置する。このとき、磁気回路部材の第1部分コアを、隣接する磁気回路部材の第2部分コアに当接するよう、周方向に組み合わせてステーターを形成し、その際、ケース上の凸部に、部分ヨークの周方向の端部に設けられた凹部を組み付けて、ケースに対する磁気回路部材の位置決めを行なう。
【選択図】図5
Description
本開示は、モーターやこのモーターを用いたロボットおよびモーターに用いられる磁気回路部材の位置決め方法に関する。
モーターは、回転するローターと、このローターに所定のギャップを挟んで配置されるステーターとを備える。モーターでは、回転磁界を作り出すことでローターを回転するが、この回転磁界は、通常、ステーター側に設けられたコア(ティースとも言う)にコイルを装着し、コイルへの通電タイミングを制御することで形成される。ステーターにコアを設ける場合、全てを一体に形成するのではなく、何らかの形状に分割して組み立ていることが行なわれる。例えば、下記特許文献1に示すアキシャルギャップモーターでは、ステーターを、磁気回路部材である分割コアを複数組み合わせて構成している。ここで、各分割コアは、コアの右半分と左半分とをヨークで繋いだ形状とし、これを複数接続して、ステーターを形成している。
しかしながら、こうした分割コアを組み合わせてステーターを形成する場合、各分割コアを接合する際に、位置決めするための凹凸形状をコアに設けると、回転磁界のための磁束の流れが妨げられ、モーターの特性を十分に高めることができない場合がある。
本開示は、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
(1)本開示の第1の態様はモーターとしての態様である。このモーターは、複数の磁石を備え、回転軸の回りに回転するローターと、前記回転軸回りの周方向に沿って配列された複数のコアと前記コアを磁気的に接続するヨークとを備えるステーターと、前記ステーターを固定し、前記ローターに対して所定のギャップを隔てて配置するケースと、を備え、前記ステーターにおいて、前記複数のコアと前記ヨークとは、前記ステーターを分割した複数個の磁気回路部材を、前記周方向に組み合わせて形成されており、前記磁気回路部材は、ヨークを形成する部分ヨークと、前記部分ヨークの前記周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、前記部分ヨークの前記周方向の他方の端部に形成され、前記周方向に隣接する磁気回路部材の前記第1部分コアと組み合わされて前記コアを形成する第2部分コアと、を備え、前記部分ヨークの前記周方向の端部と前記端部に対応する前記ケース上の位置とに、組み合わされて前記磁気回路部材の位置決めを行なう位置決め構造を有する。
(1)本開示の第1の態様はモーターとしての態様である。このモーターは、複数の磁石を備え、回転軸の回りに回転するローターと、前記回転軸回りの周方向に沿って配列された複数のコアと前記コアを磁気的に接続するヨークとを備えるステーターと、前記ステーターを固定し、前記ローターに対して所定のギャップを隔てて配置するケースと、を備え、前記ステーターにおいて、前記複数のコアと前記ヨークとは、前記ステーターを分割した複数個の磁気回路部材を、前記周方向に組み合わせて形成されており、前記磁気回路部材は、ヨークを形成する部分ヨークと、前記部分ヨークの前記周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、前記部分ヨークの前記周方向の他方の端部に形成され、前記周方向に隣接する磁気回路部材の前記第1部分コアと組み合わされて前記コアを形成する第2部分コアと、を備え、前記部分ヨークの前記周方向の端部と前記端部に対応する前記ケース上の位置とに、組み合わされて前記磁気回路部材の位置決めを行なう位置決め構造を有する。
(2)本開示の他の態様は、モーターにおける磁気回路部材の位置決め方法としての態様である。この方法は、モーターの回転軸に対する周方向に組み合わされてコアとヨークからなるステーターを形成する磁気回路部材であって、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、部分ヨークの周方向の他方の端部に形成され、周方向に隣接する磁気回路部材の第1部分コアと組み合わされてコアを形成する第2部分コアと、を備える磁気回路部材を複数用意し、ステーターを搭載するケースであって、磁気回路部材毎に、部分ヨークの端部位置に対応する位置に位置決め用の凸部を備えるケースを用意し、磁気回路部材の第1部分コアを隣接する磁気回路部材の第2部分コアに当接するよう、周方向に組み合わせてステーターを形成する際、ケース上の凸部に、部分ヨークの周方向の端部に設けられた凹部を組み付けて、ケースに対する磁気回路部材の位置決めを行なう。
A.第1実施形態:
(A1)アキシャルギャップモーターとしての全体構成:
図1は、後述する幾つかの実施形態に共通のアキシャルギャップモーター20の概略構成を模式的に説明図である。このアキシャルギャップモーター20は、回転軸121の軸方向中心に、ローター140を備え、このローター140の軸方向に両側にステーター100,200を配置した、いわゆるダブルステーター構造を備える。図示するように、回転軸121の軸方向上向きを符号A、この回転軸121に対する径方向外側向きを符号R、として各々示す。この符号A、Rで示す方向は、他の図でも同様に示した。符号Aの方向を軸方向、符号Rの方向を径方向と呼ぶことがある。説明において、軸方向と呼ぶ場合は、上向き下向きを問わず、回転軸121に沿った方向を言う。方向を限定する場合には、図示した符号A方向を上、反対方向を下として、上向き、下向きのように呼ぶ。同様に、径方向(R方向)と呼ぶ場合は、回転軸121から外側に向かう方向と内側に向かう方向を問わない。両者を区別する場合は、径方向の外向き、内向きと呼ぶ。これらの方向に加えて、ローター140やステーター100,200の周方向を、符号Cとして、図示する。この場合の周方向も同様であり、方向を区別する場合は、アキシャルギャップモーター20を上方から見た平面視において、時計回りCW、反時計回りCCWと呼ぶ。
(A1)アキシャルギャップモーターとしての全体構成:
図1は、後述する幾つかの実施形態に共通のアキシャルギャップモーター20の概略構成を模式的に説明図である。このアキシャルギャップモーター20は、回転軸121の軸方向中心に、ローター140を備え、このローター140の軸方向に両側にステーター100,200を配置した、いわゆるダブルステーター構造を備える。図示するように、回転軸121の軸方向上向きを符号A、この回転軸121に対する径方向外側向きを符号R、として各々示す。この符号A、Rで示す方向は、他の図でも同様に示した。符号Aの方向を軸方向、符号Rの方向を径方向と呼ぶことがある。説明において、軸方向と呼ぶ場合は、上向き下向きを問わず、回転軸121に沿った方向を言う。方向を限定する場合には、図示した符号A方向を上、反対方向を下として、上向き、下向きのように呼ぶ。同様に、径方向(R方向)と呼ぶ場合は、回転軸121から外側に向かう方向と内側に向かう方向を問わない。両者を区別する場合は、径方向の外向き、内向きと呼ぶ。これらの方向に加えて、ローター140やステーター100,200の周方向を、符号Cとして、図示する。この場合の周方向も同様であり、方向を区別する場合は、アキシャルギャップモーター20を上方から見た平面視において、時計回りCW、反時計回りCCWと呼ぶ。
回転軸121は、図1では、円柱体として示したが、中空の回転軸としてもよい。アキシャルギャップモーター20では、回転軸方向Aの厚みが薄くなり、径方向Rの寸法が大きくなる傾向にあるため、回転軸121の径を大きくし、中空軸として、内部にアキシャルギャップモーター20への配線を通すといった構成を取ることも望ましい。
この回転軸121と共に回転するローター140は、回転軸121の軸方向の略中心に接合部145により固定された回転板141を備え、回転板141の径方向Rの外周端近くに、周方向に均等に、永久磁石143を複数個、第1実施形態では12個配置している。永久磁石143の個数と配置は、アキシャルギャップモーター20の相数とスロット数とにより定められる。また、永久磁石143の個数は、極数と一致する。本実施形態では、回転軸121は、接合部145に圧入されて、固定される。もとより、キーとキー溝とにより両者を結合してもよい。接着剤等の固定部材を用いてもよい。
回転板141の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金のような金属材料、アルミナ、ジルコニアのようなセラミックス材料、エンジニアリングプラスチックのような樹脂材料、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)のような各種繊維強化プラスチック、FRC(Fiber Reinforced Ceramics)、FRM(Fiber Reinforced Metallics)のような繊維強化複合材料等が挙げられる。回転板141の構成材料は、非磁性材料であるのが好ましい。これにより、回転板141が磁束の影響を受けにくくなり、トルクの低下等の問題が発生しにくくなる。なお、非磁性材料とは、比透磁率が0.9以上3.0以下程度となる材料のことをいう。
回転板141には、周方向外周に均等に12個の貫通孔が設けられており、永久磁石143は、この貫通孔に挿入されている。永久磁石143の数は、アキシャルギャップモーター20の相数とスロット数とにより決められるが、本実施形態では一例として8個である。つまり極数は8極となる。永久磁石143としては、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石等が挙げられるが、これらには限定されない。
永久磁石143は、例えば、接着剤、締結具、緊縛具等を用いて、回転板141に固定される。また、接着剤とその他の手段とを併用するようにしてもよい。さらに、永久磁石143を直接回転板141に接着剤で接着するようにしてもよいし、永久磁石143を覆うように接着剤やモールド樹脂を配置して、固定してもよい。
ローター140の接合部145には、軸受け123,124を介して、ステーター100,200が取り付けられる。ステーター100,200は、それぞれ下面ケース105、上面ケース205に固定されており、下面ケース105および上面ケース205は、側面ケース305により結合されている。このため、ステーター100,200を各ケース105,205,305で結合したモーターケースに対して、回転軸121およびローター140は、軸受け123,124により、回転可能に保持される。ステーター100,200は、ローター140の永久磁石143に対向するように、複数個のステーターコア(以下、単にコアという)115が設けられている。ステーター100の概略構成を、図2の斜視図に示した。このアキシャルギャップモーター20は、8極12スロットの構成を備えることから、ステーター100当りのコア115の数は、上述した通り、12個である。なお、ステーター200は、ステーター100とほぼ同一の構成を備え、ローター140を挟んでステーター100と対称的に組み付けられている。このため、以下、ステーター100の構造について説明し、ステーター200についての詳しい説明は省略する。なお、本実施形態では、アキシャルギャップモーター20は、ローター140の両側にステーター100,200を配置するダブルステーター構造としたが、1つのローター140に対して1つのステーター100を配置したシングルステーター構造としてもよい。
ステーター100は、図2に示したよう、12個の磁気回路部材110を周方向Cに配列し、互いに隣接するよう組み合わせて構成される。1つの磁気回路部材110は、ヨークを形成する部分ヨーク113と、この部分ヨーク113において周方向の一方の端部に形成された第1部分コア111と、部分ヨーク113の周方向の他方の端部に形成された第2部分コア112とを備える。隣り合った磁気回路部材110の第1部分コア111と第2部分コア112とは、隙間無く接合し、コア115を構成する。この結果、ステーター100は、12個のコア115と、これらのコア115に共通に設けられたバックヨーク(以下単にヨークという)とを備えたものとなる。
図3は、磁気回路部材110が組み合わされたステーター100の平面図である。図示するように、ステーター100は、外周形状がコア115の数に合わせた正12角形であり、各磁気回路部材110の中心角は30度となるように、形成されている。各磁気回路部材110は、電磁鋼板を複数枚積層して構成されている。磁性体の板材である電磁鋼板の表面には、絶縁皮膜が形成されており、積層後、各電磁鋼板は絶縁被膜を溶融させて固着される。なお、接着剤の塗布や溶接、あるいは半カシメによって、積層後の電磁鋼板を接合してもよい。半カシメとは、各電磁鋼板の一部を厚み方向に、板厚の半分程度プレスにより押しだし、これを複数枚重ねて、押し出した部分を隣接する電磁鋼板の窪みに圧入して固定する手法である。
実施形態において、電磁鋼板の積層方向は、ステーター100として構成された際に径方向Rとなる方向である。この場合、各電磁鋼板は形状が異なるが、形状の異なる電磁鋼板を用意し、これを積層して各磁気回路部材110としてもよいし、同一形状の電磁鋼板を積層してから、後工程で、両端が傾斜した形状に加工してもよい。実施形態では、第1部分コア111の端部と第2部分コア112の端部が磁気回路部材110の外周面に対してなす角度を、共に75度として、正12角形の形状を実現しているが、正12角形の場合は、両端部がなす角度の和が150度なるのであれば、両端部の一方を例えば90度、他方を60度としても差し支えない。この場合、後工程で加工する端部を片側にでき、加工が容易となる。また、回転方向が一方向であるようなモーターの場合に有利な条件となる場合もあり得る。
この程度の角度に後加工する場合には、放電加工やレーザー加工などが用いられる。コア115の数が大きくなると、中心角は小さくなり、端部角度は90度に近づく。一般に、三相モーターでは、コア115の数は3の倍数になり、例えば3M(Mは1以上の整数)個のコア115を有するステーター100では、中心角α、端部角度βは、それぞれ、
α=360/3M=120/M
β=(180-120/M)/2=90-60/M
96スロットのモーターの場合、コア115は96個となり、端部角度βは89度より大きい。こうした場合には、放電加工ではなく、研削加工により後加工してもよい。なお、磁気回路部材110は、こうした電磁鋼板の積層により形成する以外に、磁性体の粉末を加熱・加圧して形成してもよい。
α=360/3M=120/M
β=(180-120/M)/2=90-60/M
96スロットのモーターの場合、コア115は96個となり、端部角度βは89度より大きい。こうした場合には、放電加工ではなく、研削加工により後加工してもよい。なお、磁気回路部材110は、こうした電磁鋼板の積層により形成する以外に、磁性体の粉末を加熱・加圧して形成してもよい。
図3に示したように、12個の磁気回路部材110を区別する場合には、周方向Cに沿った時計回りに磁気回路部材110a,110b・・・110lようにサフィックスを付けて、各磁気回路部材110を呼称する。また、第1部分コア111,第2部分コア112,部分ヨーク113も、それぞれサフィックスa,b・・・lを付けて呼称する。磁気回路部材110aと磁気回路部材110bとを例として、隣接する磁気回路部材110の関係ついて補足する。
図4に示すよう、隣接する磁気回路部材110aと磁気回路部材110bとは、磁気回路部材110aの第2部分コア112aと磁気回路部材110bの第1部分コア111bとが密着し、コア115を形成する。同様に、隣接する磁気回路部材110bと磁気回路部材110cとは、磁気回路部材110bの第2部分コア112bと磁気回路部材110cの第1部分コア111cとが密着し、コア115を形成する。以下、磁気回路部材110dから110lについても同様である。こうして形成されたコア115の外周には、コイル130が配置される。コイル130は、被覆された導線を、コア115の形状に合わせて予め巻線として形成したものであってもよいし、合成樹脂性のボビンに収容された形態で用意してもよい。図4では、コイル130は、図示の都合上、一層分しか示していないが、コイル130は、図1に例示したように、複数層に亘って重ね巻きされ、第1部分コア111と第2部分コア112との間の空間を埋める。コイル130に通電することにより、コア115を通る界磁が形成される。アキシャルギャップモーター20では、通電するコイル130を順次切り替えることで、この界磁を回転させ、ローター140上の永久磁石143との相互作用により、ローター140を回転する。
(A2)第1実施形態の位置決め構造:
ステーター100を構成する磁気回路部材110は、下面ケース105に固定されている。この固定の様子を、図5,図6に示す。図6では、理解の便を図って、後述する凹部と凸部の関係を直接的に示した。これは他の実施形態の説明図においても同様である。実施形態のアキシャルギャップモーター20のステーター100では、磁気回路部材110の両端下面には、周方向に対称の位置に、凹部161~164が設けられている。凹部161,162は、磁気回路部材110の反時計回りCCW方向端部に設けられて、凹部161が径方向Rの内側に、凹部162が外側に、それぞれ設けられている。また、凹部163,164は、磁気回路部材110の時計回りCW方向端部に設けられて、凹部163が径方向Rの内側に、凹部164が外側に、それぞれ設けられている。位置決めは、1つの磁気回路部材110あたり3箇所で行なうので、磁気回路部材110aについては、凹部162,163,164に対応する下面ケース105上の位置に、位置決め用の凸部153,151,152が圧入により立設されており、これに隣接する磁気回路部材110bについては、凹部161,162,164に対応する下面ケース105上の位置に、位置決め用の凸部151,152,153が圧入により立設されている。この実施形態では、全ての磁気回路部材110を同一形状としているので、凹部は4箇所に設け、それぞれ3箇所で位置決めするため、1箇所の凹部は位置決めに寄与しないが、磁気回路部材110の凹部を3箇所とし、その配置が鏡像関係である2種類の磁気回路部材110を製作して、位置決めするようにしてもよい。
ステーター100を構成する磁気回路部材110は、下面ケース105に固定されている。この固定の様子を、図5,図6に示す。図6では、理解の便を図って、後述する凹部と凸部の関係を直接的に示した。これは他の実施形態の説明図においても同様である。実施形態のアキシャルギャップモーター20のステーター100では、磁気回路部材110の両端下面には、周方向に対称の位置に、凹部161~164が設けられている。凹部161,162は、磁気回路部材110の反時計回りCCW方向端部に設けられて、凹部161が径方向Rの内側に、凹部162が外側に、それぞれ設けられている。また、凹部163,164は、磁気回路部材110の時計回りCW方向端部に設けられて、凹部163が径方向Rの内側に、凹部164が外側に、それぞれ設けられている。位置決めは、1つの磁気回路部材110あたり3箇所で行なうので、磁気回路部材110aについては、凹部162,163,164に対応する下面ケース105上の位置に、位置決め用の凸部153,151,152が圧入により立設されており、これに隣接する磁気回路部材110bについては、凹部161,162,164に対応する下面ケース105上の位置に、位置決め用の凸部151,152,153が圧入により立設されている。この実施形態では、全ての磁気回路部材110を同一形状としているので、凹部は4箇所に設け、それぞれ3箇所で位置決めするため、1箇所の凹部は位置決めに寄与しないが、磁気回路部材110の凹部を3箇所とし、その配置が鏡像関係である2種類の磁気回路部材110を製作して、位置決めするようにしてもよい。
各凸部151~153の直径は、各凹部161~164の周方向Cの奥行きの2倍となっている。このため、隣接する2つの磁気回路部材110が下面ケース105上に配置されると、磁気回路部材110aの凹部163と磁気回路部材110bの凹部161とは、共に凸部151により位置決めされ、磁気回路部材110aの凹部164と磁気回路部材110bの凹部162とは、共に凸部152により位置決めされる。同時に、磁気回路部材110aの凹部162は、磁気回路部材110bとは反対側の磁気回路部材110lの凹部164と共に、凸部153により位置決めされ、磁気回路部材110bの凹部164は、磁気回路部材110aとは反対側の磁気回路部材110cの凹部162と共に、凸部153により位置決めされる。この関係は、他の磁気回路部材110c~110lについても同様である。この結果、全ての磁気回路部材110は、3本の凸部151~153により、下面ケース105上に位置決めされる。なお、位置決めされた各磁気回路部材110は、接着剤により固定される。接着剤に代えて、溶接やかしめに拠って固定してもよい。各磁気回路部材110の固定は、他の実施形態でも同様に行なわれる。
磁気回路部材110aと磁気回路部材110bとの接合箇所における凸部151の状態を、図7に拡大して示す。図示するように、隣接する2つの磁気回路部材110a,110bは、磁気回路部材110aの第2部分コア112aと磁気回路部材110bの第1部分コア111bとが接合することで、コア115を形成し、この接合箇所の下面で、凸部151により位置決めされることが分かる。このとき、コイル130に通電したことにより発生する磁界によって、コア115内を通る磁力線MPa,MPbは、図示するように、第2部分コア112aから部分ヨーク113側へと通り、あるいは第1部分コア111bから部分ヨーク113側へと通る。このため、凸部151とこれに嵌まり合う凹部付近の磁束密度は、他の部位と比べて小さい。
以上説明した第1実施形態のアキシャルギャップモーター20では、ステーター100を複数の磁気回路部材110a~110lにより構成し、かつ各コア115を、隣接する磁気回路部材110の第1部分コア111と第2部分コア112とにより形成する。この複数の磁気回路部材110からなるステーター100は下面ケース105に固定されるが、その際、ステーター100を構成する各磁気回路部材110a~110lは、部分ヨーク113の周方向の端部とこの端部に対応する下面ケース105上の位置とに、組み合わされて磁気回路部材110の位置決めを行なう位置決め構造である凹部161~164と凸部151~153を有するので、組み合わされる磁気回路部材110の位置決めを容易に行なうことができる。各磁気回路部材110は、それぞれ3箇所で位置決めされるので、位置決めを高い精度で実現できる。図7に示したように、ステーター100において各コア115に生じる磁界は、各コア115を構成する第1部分コア111および第2部分コア112の接合部付近、つまり各磁気回路部材110の下面端部において、その磁束密度は比較的小さい。このため、各磁気回路部材110の下面端部に設けられた凹部161~164が、コイル130への通電により生じ磁界に与える影響は限定的なものに留まり、凹部161~164を設けることによるアキシャルギャップモーター20の出力トルクの低下を抑制できる。
また、第1実施形態では、凸部151~153は、下面ケース105に圧入されるピンとしているので、その製造や位置決めが容易である。下面ケース105に、各磁気回路部材110あたり3箇所に設けられる凸部151は、隣接する各磁気回路部材110同士では、各磁気回路部材110の接合面に面対称の位置に設けられており、隣接する各磁気回路部材110において共有されている。つまり第1実施形態のアキシャルギャップモーター20では、ステーター100を構成する12個の磁気回路部材110a~110lに対して、凸部は、12×3=36個ではなく、6組、つまり18個で足りる。
B.第2実施形態:
次に、アキシャルギャップモーター20の第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態のアキシャルギャップモーター20のステーター100Bの位置決め構造を平面視により示す説明図である。図示するように、第2実施形態のステーター100Bでは、各磁気回路部材110には、第1実施形態の磁気回路部材110における4つの凹部161~164のうち、径方向内側の凹部161,163が設けられ、径方向外側の凹部162,164は設けられていない。また、凸部169として、断面円形のピンではなく、断面矩形のピンが用いられている。凸部169は、凸部151~153同様、下面ケース105に圧入により立設されている。
次に、アキシャルギャップモーター20の第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態のアキシャルギャップモーター20のステーター100Bの位置決め構造を平面視により示す説明図である。図示するように、第2実施形態のステーター100Bでは、各磁気回路部材110には、第1実施形態の磁気回路部材110における4つの凹部161~164のうち、径方向内側の凹部161,163が設けられ、径方向外側の凹部162,164は設けられていない。また、凸部169として、断面円形のピンではなく、断面矩形のピンが用いられている。凸部169は、凸部151~153同様、下面ケース105に圧入により立設されている。
この凸部169と凹部161とによる位置決めの様子を、図8におけるIX部の拡大図である図9に示す。図示するよう、凸部169は断面矩形形状をしているので、その周方向側面169Cは凹部161の周方向端面161Cに当たって周方向Cにおける位置を決め、径方向側面169Rは凹部161の径方向端面161Rに当たって径方向Rにおける位置を決める。この関係は、隣接する磁気回路部材110における凹部163に対しても同様である。このため、第2実施形態のアキシャルギャップモーター20では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、更に、ステーター100Bを構成する各磁気回路部材110の位置決めを、2箇所の位置決め構造により実現できる。また、第2実施形態では、径方向Rの位置決めを、凹部161の径方向外側の端面161Cにより行なったが、径方向内側の端面により行なってもよい。
C.第3実施形態:
第3実施形態のアキシャルギャップモーター20におけるステーター100Cの位置決め構造を、図10に示す。このステーター100Cでは、第2実施形態と同様、各磁気回路部材110に設けられた凹部161,163と、下面ケース105側に立設された断面矩形の凸部169とにより、各磁気回路部材110の位置決めが行なわれる。位置決め構造の詳細は、IX部分の拡大図である図9に示したものと同様である。この実施形態では、凸部169による位置決めは、各磁気回路部材110あたり1箇所とし、磁気回路部材110aには凹部163のみが、磁気回路部材110bには凹部161のみが設けられている。他の各磁気回路部材110c~110lにおいても同様である。もとより、各磁気回路部材110に2つの凹部161,163を設けてもよい。
第3実施形態のアキシャルギャップモーター20におけるステーター100Cの位置決め構造を、図10に示す。このステーター100Cでは、第2実施形態と同様、各磁気回路部材110に設けられた凹部161,163と、下面ケース105側に立設された断面矩形の凸部169とにより、各磁気回路部材110の位置決めが行なわれる。位置決め構造の詳細は、IX部分の拡大図である図9に示したものと同様である。この実施形態では、凸部169による位置決めは、各磁気回路部材110あたり1箇所とし、磁気回路部材110aには凹部163のみが、磁気回路部材110bには凹部161のみが設けられている。他の各磁気回路部材110c~110lにおいても同様である。もとより、各磁気回路部材110に2つの凹部161,163を設けてもよい。
第3実施形態では、更に、各磁気回路部材110の径方向外側端部に接するように、突部180が、磁気回路部材110のそれぞれに対応して、下面ケース105に立設されている。つまり、磁気回路部材110aに対しては突部180aが、磁気回路部材110bに対しては突部180bが、というように突部が設けられている。この突部180a,180b・・は、凹部161,163と凸部169とによる位置決め構造と共に、磁気回路部材110a,110b・・・の位置決めを実現する。この実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、更に、以下の作用効果を奏する。第3実施形態では、突部180は、下面ケース105に立設され、磁気回路部材110を下面ケース105に配置するとき、磁気回路部材110により覆われることがない。このため、磁気回路部材110を下面ケース105に配置するとき、配設箇所を容易に認識することができる。
第3実施形態では、突部180が、磁気回路部材110の径方向外側の端面を周方向に所定の長さに亘って位置決めするので、凸部169による位置決めを1箇所としたが、第2実施形態と同様、凸部169による位置決めを2箇所で行なってもよい。また、凹部161,163と嵌まり合う凸部169は、断面円形のピンとしてもよい。
D.第4実施形態:
第4実施形態のアキシャルギャップモーター20におけるステーター100Dの位置決め構造を、図11に示す。このステーター100Dでは、第1実施形態と同様、各磁気回路部材110には4箇所の凹部が設けられている。このうち凹部161,163は第1実施形態と同様、各磁気回路部材110の両端下面、かつ径方向内側よりに設けられているが、他の2つの凹部181,182は、各磁気回路部材110の両端下面、かつ径方向外側隅部に設けられている。これらの凹部161,163,181,182は、下面ケース105側に立設された断面円形の凸部151,152および凸部158と嵌まり合って、各磁気回路部材110を位置決めする。
第4実施形態のアキシャルギャップモーター20におけるステーター100Dの位置決め構造を、図11に示す。このステーター100Dでは、第1実施形態と同様、各磁気回路部材110には4箇所の凹部が設けられている。このうち凹部161,163は第1実施形態と同様、各磁気回路部材110の両端下面、かつ径方向内側よりに設けられているが、他の2つの凹部181,182は、各磁気回路部材110の両端下面、かつ径方向外側隅部に設けられている。これらの凹部161,163,181,182は、下面ケース105側に立設された断面円形の凸部151,152および凸部158と嵌まり合って、各磁気回路部材110を位置決めする。
第4実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、更に、各磁気回路部材110に設けられる凹部のうちの2つを、各磁気回路部材110の両端の隅部に設けているので、凹部の大きさを小さくすることができ、各コア115に形成される磁束への影響を一層低減できる。
E.第5実施形態:
第5実施形態のアキシャルギャップモーターにおけるステーター100Eの位置決め構造を、図12に示す。このステーター100Eでは、第4実施形態と同様、各磁気回路部材110には4箇所の凹部が設けられている。このうち凹部161,163は第4実施形態と同様である。他の2つの凹部183,184は、各磁気回路部材110の両端、かつ径方向外側隅部を、斜めにカットすることで形成されている。凹部161,163は、下面ケース105側に立設された断面円形の凸部151,152と嵌まり合っており、凹部183,184には、大径のピン185が押し当てられており、各磁気回路部材110を位置決めしている。
第5実施形態のアキシャルギャップモーターにおけるステーター100Eの位置決め構造を、図12に示す。このステーター100Eでは、第4実施形態と同様、各磁気回路部材110には4箇所の凹部が設けられている。このうち凹部161,163は第4実施形態と同様である。他の2つの凹部183,184は、各磁気回路部材110の両端、かつ径方向外側隅部を、斜めにカットすることで形成されている。凹部161,163は、下面ケース105側に立設された断面円形の凸部151,152と嵌まり合っており、凹部183,184には、大径のピン185が押し当てられており、各磁気回路部材110を位置決めしている。
第5実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、更に、各磁気回路部材110に設けられる凹部のうちの2つを、各磁気回路部材110の両端の隅部を斜めにカットすることで設けているので、凹部の大きさを、一層小さくすることができ、各コア115に形成される磁束への影響を更に低減できる。しかも、第5実施形態では、ピン185は、各磁気回路部材110によって覆われることがないので、各磁気回路部材110を下面ケース105上に配置する際、位置決めしやすい。
F.第6実施形態:
第6実施形態のアキシャルギャップモーター20Fについて、図13,図14を用いて説明する。図13は、ステーター100Fを示す斜視図である。また、図14は、1つの磁気回路部材54の径方向の略中心を通る円弧を含む回転軸Aに平行な曲面で切断した断面を、回転軸A側から見た断面図である。図示するステーター100Fは、環状に並べられた12のスロットを有し、3つの磁気回路部材54の集合体として構成されている。磁気回路部材54は、互いに同じ形状であり、周方向Cに沿って組み合わされ、全体として環状になるように、3つの磁気回路部材54が配置され、これによりステーター100Fが構成されている。上述した第1~第5実施形態では、各磁気回路部材110は、組み合わされて1つ分のコア115となる第1部分コア111および第2部分コア112と、両者を接続する部分ヨーク113とを備えていたが、第6実施形態では、各磁気回路部材54は、3のコア56aと、組み合わされて1つ分のコアを形成する2つの部分コア56bと、これらを磁気的に結合する部分ヨーク55とを備える。2つの部分コア56bは、磁気回路部材54の両端に設けられている。
第6実施形態のアキシャルギャップモーター20Fについて、図13,図14を用いて説明する。図13は、ステーター100Fを示す斜視図である。また、図14は、1つの磁気回路部材54の径方向の略中心を通る円弧を含む回転軸Aに平行な曲面で切断した断面を、回転軸A側から見た断面図である。図示するステーター100Fは、環状に並べられた12のスロットを有し、3つの磁気回路部材54の集合体として構成されている。磁気回路部材54は、互いに同じ形状であり、周方向Cに沿って組み合わされ、全体として環状になるように、3つの磁気回路部材54が配置され、これによりステーター100Fが構成されている。上述した第1~第5実施形態では、各磁気回路部材110は、組み合わされて1つ分のコア115となる第1部分コア111および第2部分コア112と、両者を接続する部分ヨーク113とを備えていたが、第6実施形態では、各磁気回路部材54は、3のコア56aと、組み合わされて1つ分のコアを形成する2つの部分コア56bと、これらを磁気的に結合する部分ヨーク55とを備える。2つの部分コア56bは、磁気回路部材54の両端に設けられている。
ステーター100Fとして磁気回路部材54の集合体を用いることにより、ステーター100F全体を一続きの部材で構成する場合に比べて、ステーター100Fの製造を容易にできる。つまり、ステーター100Fは大きいため、これを、例えば圧粉成形により成形する場合、大型の金型が必要になる。このため、製造難易度が高く、製造コストが高くなる。これに対し、磁気回路部材54は、一続きの部材で構成されたステーター100Fに比べて小さいため、金型も小さくすることができる。これにより、製造容易性を高めるとともに、製造コストを削減することができる。
各磁気回路部材54の両端の部分コア56bは、1つのコア56aの半分の大きさを有し、図示するように、隣接する磁気回路部材54と接合して、1つのコア56a相当の体積を有するコアを形成する。3つの磁気回路部材54を組み合わせて環状に配置した場合、隣り合う2つの磁気回路部材54の境界では、部分コア56b同士が隣接することになる。その結果、隣接した2つの部分コア56bによって、磁気回路の観点からは、1つのコア56aと同等の部位が形成される。
部分コア56bの両端の外周側端部は、斜めにカットされており、凹部193を形成する。ケース105には、断面円形のピン191が立設されており、2つの部分コア56bの凹部193が形成する窪みに、ピン191が当たり、磁気回路部材54の位置決めを行なう。磁気回路部材54には、もう一つ、底部に位置決め用の凹部196が設けられており、図14に示すように、ケース105に立設された断面矩形の凸部192と組み合わされる。なお、図示の都合上、ピン191と凸部192とは、1つずつしか示していないが、ピン191は、磁気回路部材54が互いに接合する3箇所に設けられ、凸部192は、3つの磁気回路部材54の略中央に対応する3箇所に設けられている。
磁気回路部材54は、円環状をなすステーター100Fを、周方向Cで3等分してなる部材に相当する。このため、磁気回路部材54は、図14に示すように、部分ヨーク55と、部分ヨーク55から軸方向Aに沿った方向に突出する3個のコア56aと2個の部分コア56bと、を含む。このうち、部分ヨーク55は、円環分割形状をなす板状体である。また、コア56aは、底面が台形状をなす柱状体である。コア56aと接合された隣接する2つの部分コア56bとには、それぞれ図示しないコイルが取り付けられることは、他の実施形態と同様である。この結果、1つの磁気回路部材54には4個分のコアが設けられることになる。
図14に例示した磁気回路部材54では、両端の部分コア56bに挟まれた3個のコア56aが、周方向時計回りCW方向に沿って順に、V相のコア56V、W相のコア56W、U相のコア56Uに割り当てられており、V相のコア56Vに隣接する部分コア56bがU相のコアの一部に、またU相のコア56Uに隣接する部分コア56bがV相のコアの一部に、それぞれ割り当てられている。図示した磁気回路部材54の周方向右や左に隣接する磁気回路部材54でも、同様にUVW相に割り当てられたコアが並び、12スロット構成のステーター100Fを構成する。
磁気回路部材54を圧粉成形により製造する場合、凹部193,196は、磁気回路部材54の成形時に併せて形成してもよいし、後加工によって形成してもよい。もとより、凹部193,196は同じ方法で形成する必要はなく、その形状や大きさに適した手法で形成すればよい。
第6実施形態のステーター100Fでは、4つ分のコアを搭載した磁気回路部材54を3個組み合わせており、かつ各磁気回路部材54を、底部略中央に設けられた凹部196とこれに組み合わされるケース105側の凸部192、および両端の外周側端部をカットして形成された凹部193とこの凹部に組み合わされるピン191とにより位置決めしている。従って、ステーター100Fの製造を容易にすると共に、ステーター100Fを構成する各磁気回路部材54の位置決めを容易にし、ステーター100Fの製造コスト、延いてはアキシャルギャップモーター20F全体のコストを削減する、という効果が得られる。しかも、位置決め用の凹部は、磁気回路における磁束密度の低い部位に設けているので、位置決めのための構造が磁気回路に及ぼす悪影響を抑制できる。
G.第7実施形態:
次に、第7実施形態のモーターについて説明する。図15は、第7実施形態に係るモーターであるラジアルギャップモーター20Gの概略構成を示す。図15は、回転軸AXに直交する平面による断面図である。第7実施形態のラジアルギャップモーター20Gは、外周を区画するケース5に収納されており、このケース5に固定されたステーター52と、ステーター52とはギャップを介して対向し、回転可能なローター3とを備える。すなわち、ラジアルギャップモーター20Gでは、ギャップは、回転軸AXに対する径方向(ラジアル方向)に設けられており、この点で、第1~第6実施形態のアキシャルギャップモーター20と相違するが、モーターとしての動作原理などは、第1~第6実施形態に係るアキシャルギャップモーターと同様である。
次に、第7実施形態のモーターについて説明する。図15は、第7実施形態に係るモーターであるラジアルギャップモーター20Gの概略構成を示す。図15は、回転軸AXに直交する平面による断面図である。第7実施形態のラジアルギャップモーター20Gは、外周を区画するケース5に収納されており、このケース5に固定されたステーター52と、ステーター52とはギャップを介して対向し、回転可能なローター3とを備える。すなわち、ラジアルギャップモーター20Gでは、ギャップは、回転軸AXに対する径方向(ラジアル方向)に設けられており、この点で、第1~第6実施形態のアキシャルギャップモーター20と相違するが、モーターとしての動作原理などは、第1~第6実施形態に係るアキシャルギャップモーターと同様である。
図15に示すラジアルギャップモーター20Gは、4極6スロット構成を備える。ローター3は、回転軸AXの周りに回転可能な回転板30とその外周に設けられた複数の永久磁石6と備える。このローター3の外周側に位置するステーター52は、3つの磁気回路部材54Eが、周方向に沿って配置され、組み合わされて形成される。各磁気回路部材54Eには、同じ形状をなしており、1個のコア56aと、組み合わされて1つ分のコアを形成する2つの部分コア56bと、これらを磁気的に結合する部分ヨーク55とを備える。2つの部分コア56bは、磁気回路部材54Eの両端に設けられている。
本実施形態のラジアルギャップモーター20Gにおける磁気回路部材54Eは、電磁鋼板を積層する手法によって形成してもよいし、磁性粉体を過圧加熱する圧粉成形によって形成してもよい。
各磁気回路部材54Eの両端の部分コア56bは、1つのコア56aの半分の大きさを有し、図示するように、隣接する磁気回路部材54Eと接合して、1つのコア56a相当の体積を有するコアを形成する。3つの磁気回路部材54Eを組み合わせて環状に配置した場合、隣り合う2つの磁気回路部材54Eの境界では、部分コア56b同士が、隣接することになる。その結果、隣接した2つの部分コア56bによって、磁気回路の観点からは、1つのコア56aと略同等の部位が形成される。コア56aおよび隣接する54Eの2つの部分コア56bから形成されたコアには、コイル53が装着される。コア56b同士が隣接している部分を、分割部Pと呼ぶ。
6個のコアのうち、3つのコア56aがそれぞれUVWの各相用コア56U,56V,56Wに割り当てられ、同様に3組のコア56bがそれぞれUVWの各相用コア56U,56V,56Wに割り当てられる。
このステーター52において、磁気回路部材54Eの両端の外周側端部は共に切り欠かれ、併せて1つの凹部を構成している。また、磁気回路部材54Eの周方向中央の外周側には、同様の凹部が単独で形成されている。そしてこの凹部には、ケース5に設けられた断面矩形の凸部41~46が組み合わされている。これらの凹部と凸部とは、位置決めに用いられる。
このような構成によれば、ステーター52の製造を容易にすると共に、ステーター52を構成する各磁気回路部材54の位置決めを容易にし、ステーター52の製造コスト、延いてはラジアルギャップモーター20G全体のコストを削減する、という効果が得られる。しかも、位置決め用の凹部は、磁気回路における磁束密度の低い部位に設けているので、位置決めのための構造が磁気回路に及ぼす悪影響を抑制できる。しかも組み合わされる磁気回路部材54E同士の隙間である分割部Pが、特定の相のコアに偏るのを防止することができる。本実施形態のように三相交流を用いた場合、分割部PをU相用のコア56U、V相用のコア56VおよびW相用のコア56Wの3つに振り分けることができる。その結果、分割部Pに起因する出力低下の幅を抑制し、ラジアルギャップモーター20Gのトルク変動を小さく抑えることができる。
H.第8実施形態:
次に、第8実施形態として、上述した各種モーターを用いたロボットについて説明する。図16は、第3実施形態に係るロボットを示す斜視図である。図示するロボット1000は、例えば、各種ワーク(対象物)の搬送、組立、検査等の各作業で用いられる。
次に、第8実施形態として、上述した各種モーターを用いたロボットについて説明する。図16は、第3実施形態に係るロボットを示す斜視図である。図示するロボット1000は、例えば、各種ワーク(対象物)の搬送、組立、検査等の各作業で用いられる。
ロボット1000は、基台400、ロボットアーム1010、駆動部401~406と、を有する。基台400は、水平な床101に載置されている。なお、基台400は、床101ではなく、壁、天井、架台等に載置されていてもよい。
ロボットアーム1010は、モーターにより駆動される被駆動部材である第1アーム11、第2アーム12、第3アーム13、第4アーム14、第5アーム15および第6アーム16を備えている。第6アーム16の先端には、図示しないエンドエフェクターを着脱可能に取り付けることができ、そのエンドエフェクターでワークを把持等することができる。エンドエフェクターで把持等するワークとしては、特に限定されず、例えば、電子部品、電子機器等が挙げられる。なお、本明細書では、第6アーム16を基準にしたときの基台400側を「基端側」とし、基台400を基準にしたときの第6アーム16側を「先端側」とする。エンドエフェクターとしては、特に限定されないが、ワークを把持するハンド、ワークを吸着する吸着ヘッド等が挙げられる。
ロボット1000は、基台400と、各種アーム、つまり第1アーム11と、第2アーム12と、第3アーム13と、第4アーム14と、第5アーム15と、第6アーム16とが、基端側から先端側に向ってこの順に連結された単腕の6軸垂直多関節ロボットである。以下では、第1アーム11、第2アーム12、第3アーム13、第4アーム14、第5アーム15および第6アーム16をそれぞれ「アーム」とも言う。アーム11~16の長さは、それぞれ、特に限定されず、適宜設定可能である。なお、ロボットアーム1010が有するアームの数は、1~5本または7本以上であってもよい。また、ロボット1000は、スカラロボットであってもよく、2つまたはそれ以上のロボットアーム1010を備える双腕ロボットであってもよい。
基台400と第1アーム11とは、関節171を介して連結されている。第1アーム11は、基台400に対し、鉛直軸と平行な第1回動軸O1を回動中心として回動可能となっている。第1アーム11は、モーター401Mおよび図示しない減速機を有する駆動部401の駆動により回動する。モーター401Mは、第1アーム11を回動させる駆動力を発生する。
第1アーム11と第2アーム12とは、関節172を介して連結されている。第2アーム12は、第1アーム11に対し、水平面と平行な第2回動軸O2を回動中心として回動可能となっている。第2アーム12は、モーター402Mおよび図示しない減速機を有する駆動部402の駆動により回動する。モーター402Mは、第2アーム12を回動させる駆動力を発生する。
第2アーム12と第3アーム13とは、関節173を介して連結されている。第3アーム13は、第2アーム12に対し、水平面と平行な第3回動軸O3を回動中心として回動可能となっている。第3アーム13は、モーター403Mおよび図示しない減速機を有する駆動部403の駆動により回動する。モーター403Mは、第3アーム13を回動させる駆動力を発生する。
第3アーム13と第4アーム14とは、関節174を介して連結されている。第4アーム14は、第3アーム13に対し、第3アーム13の中心軸と平行な第4回動軸O4を回動中心として回動可能となっている。第4アーム14は、モーター404Mおよび図示しない減速機を有する駆動部404の駆動により回動する。モーター404Mは、第4アーム14を回動させる駆動力を発生する。
第4アーム14と第5アーム15とは、関節175を介して連結されている。第5アーム15は、第4アーム14に対し、第4アーム14の中心軸と直交する第5回動軸O5を回動中心として回動可能となっている。第5アーム15は、モーター405Mおよび図示しない減速機を有する駆動部405の駆動により回動する。モーター405Mは、第5アーム15を回動させる駆動力を発生する。
第5アーム15と第6アーム16とは、関節176を介して連結されている。第6アーム16は、第5アーム15に対し、第5アーム15の先端部の中心軸と平行な第6回動軸O6を回動中心として回動可能となっている。第6アーム16は、モーター406Mおよび図示しない減速機を有する駆動部406の駆動により回動する。モーター406Mは、第6アーム16を回動させる駆動力を発生する。
これらのモーター401M~406Mのうちの少なくとも1つに、前述した各実施形態に係るアキシャルギャップモーターまたはラジアルギャップモーターが用いられる。すなわち、ロボット1000は、前述した各実施形態に係るモーターを備える。
各実施形態に係るモーターは、トルク変動が少なく、高効率で制御性の高いものとなる。このため、ロボット1000は、ロボットアーム1010の制御性に優れ、使い勝手に優れたものとなる。また、回転モーターがアキシャルギャップモーターである場合には、ロボットアーム1010の小型化および設計自由度の向上を容易に図ることができる。さらに、各実施形態に係る回転モーターを用いることにより、モーター401M~406Mの高トルク化を図り、減速機を省略して、駆動部401~406のダイレクトドライブ駆動を可能にすることができる。
駆動部401~406には、図示しない角度センサーが設けられる。これらの角度センサーとしては、例えば、ロータリーエンコーダー等の各種エンコーダーが挙げられる。角度センサーは、駆動部401~406のモーターまたは減速機の出力軸の回動角度を検出する。駆動部401~406および角度センサーは、それぞれ、図示しないロボット制御装置と電気的に接続されている。ロボット制御装置は、駆動部401~406の動作を独立して制御する。
以上、各種モーターおよびロボットを図示の実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、本開示のモーターおよびロボットは、それぞれ、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成物に置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
I.その他の態様:
(1)本開示の他の態様として、次のモーターを構成可能である。このモーターは、複数の磁石を備え、回転軸の回りに回転するローターと、回転軸回りの周方向に沿って配列された複数のコアとコアを磁気的に接続するヨークとを備えるステーターと、ステーターを固定し、ステーターをローターに対して所定のギャップを隔てて配置するケースと、を備え、ステーターにおいて、複数のコアとヨークとは、ステーターを分割した複数個の磁気回路部材を、周方向に組み合わせて形成されており、磁気回路部材は、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、部分ヨークの周方向の他方の端部に形成され、周方向に隣り合う磁気回路部材の第1部分コアと組み合わされてコアを形成する第2部分コアと、を備え、部分ヨークの周方向の端部と部分ヨークの端部に対応するケースの位置とに設けられ、磁気回路部材の位置決めを行なう位置決め構造を有する。
(1)本開示の他の態様として、次のモーターを構成可能である。このモーターは、複数の磁石を備え、回転軸の回りに回転するローターと、回転軸回りの周方向に沿って配列された複数のコアとコアを磁気的に接続するヨークとを備えるステーターと、ステーターを固定し、ステーターをローターに対して所定のギャップを隔てて配置するケースと、を備え、ステーターにおいて、複数のコアとヨークとは、ステーターを分割した複数個の磁気回路部材を、周方向に組み合わせて形成されており、磁気回路部材は、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、部分ヨークの周方向の他方の端部に形成され、周方向に隣り合う磁気回路部材の第1部分コアと組み合わされてコアを形成する第2部分コアと、を備え、部分ヨークの周方向の端部と部分ヨークの端部に対応するケースの位置とに設けられ、磁気回路部材の位置決めを行なう位置決め構造を有する。
このモーターは、ステーターを複数の磁気回路部材により構成し、かつ各コアを、隣接する磁気回路部材の第1部分コアと第2部分コアとにより形成する。この複数の磁気回路部材からなるステーターはケースに固定されるが、その際、ステーターを構成する各磁気回路部材は、部分ヨークの周方向の端部とこの端部に対応するケース上の位置とに、組み合わされて磁気回路部材の位置決めを行なう位置決め構造を有するので、組み合わされる磁気回路部材の位置決めを容易に行なうことができる。
(2)こうした構成において、位置決め構造は、部分ヨークの端部に形成された凹部と、ケースの位置に設けられ、凹部が嵌まり合う凸部であるものとしてよい。こうすれば、磁気回路部材側における位置決め構造が凹部になるので、磁気回路部材の製造が容易となる。凹部は、磁気回路部材の底面に設けてもよいし、側面に設けてもよい。凸部は、凹部の形態に合わせて用意すればよい。もとより、ケース側を凹部として磁気回路部材に凸部を設けても差し支えない。磁気回路部材側に凹部を設けると、磁気回路部材の加工は、凸部を設ける場合より容易であり、また加工による無駄が少ない。
(3)こうした構成において、位置決め構造の凹部は、部分ヨークの端部に形成された窪みであり、位置決め構造の凸部は、ケース上の位置に立設されたピンであるものとしてよい。こうすれば両者の製造は一層容易となる。ピンは、圧入により立設してもよいし、溶接により立設してもよい。あるいはプレスにより形成してもよい。切削により形成してもよい。
(4)こうした構成において、凸部は、回転軸方向に交差する方向の断面が、円形形状、矩形形状、多角形形状のいずれかであるものとしてよい。こうすれば、形状に応じた利点を得ることができる。回転軸方向に交差する方向の断面を、例えば、円形形状とすれば製造時に凸部の向きを整える必要がない。また同じ強度を実現する際の断面積を小さくできる。矩形形状とすれば、矩形形状の2つ以上に面を利用して、1つの凸部で2方向の位置決めを行なうことができる。多角形形状、例えば5角形以上とすれば、ケースに圧入した際の周り止めが容易となる。
(5)こうした構成において、位置決め構造は、1つの磁気回路部材当たり2箇所以上に設けられたものとしてよい。こうすれば、位置決めの精度を高めることができる。もとより3箇所以上としかつ3箇所を直線上に配置しない構成とすれば平面上の位置決めとしては十分な精度を実現できる。4箇所以上として、位置決め精度に冗長度を持たせてもよい。2箇所とした場合には、少ない構成要素および少ない製造工数で、位置決めを行なうことができる。
(6)こうした構成において、位置決め構造は、更に、ケースに設けられる突部を備え、この突部は、磁気回路部材よりも回転軸の径方向の外側から、磁気回路部材に当接するものとしてよい。こうすれば内周側より長い外周側に突部を設けることができるので、製造が容易となり、また位置決めのための突部の強度を高めることができる。こうした突部はなくてもよく、また磁気回路部材の一部に対して設けるものとしてもよい。あるいは1つの突部を、複数の磁気回路部材に跨がった位置するものとしてもよく、逆に複数の突部を、1つの磁気回路部材に対して配置するものとしてもよい。
(7)こうした構成において、位置決め構造は、更に、ケースに立設されピンを備え、このピンは、磁気回路部材よりも回転軸の径方向の外側から、磁気回路部材に当接するものとしてよい。こうすれば磁気回路部材の径方向外側における位置決めを容易に実現できる。ピンは、隣接する2つの磁気回路部材の接合に対応する位置に設け、両磁気回路部材の接合部をピンに嵌まり合う形状にカットすることも好適である。こうすれば1つのピンで複数の磁気回路部材の位置決めを行なうことができる。
(8)こうした構成において、磁気回路部材は、部分ヨークの端部に形成された第1部分コアと第2部分コアとの間に、少なくとも1つのコアを備えるものとしてよい。こうすれば、ステーターを構成する磁気回路部材の数を減らすことができる。もとより、最小の磁気回路部材は、各端に第1部分コアと第2部分コアを備えるだけの構造である。この間に設けるコアの数は1以上であれば、いくつでもよく、2つ以上でもよい。一般に、N(Nは1以上の整数)個のコアを設けるものとすれば、1つの磁気回路部材あたり、N+1個のコアが存在することになり、三相M極もモーターにおいて、3M個のコアが存在するとすれば、磁気回路部材の数Pは、
3M=(N+1)×P
を満たすようにすればよい。もとよりモーターは三相モーターに限る必要はなく、5相以上のモーターであっても差し支えない。
3M=(N+1)×P
を満たすようにすればよい。もとよりモーターは三相モーターに限る必要はなく、5相以上のモーターであっても差し支えない。
(9)こうした構成において、磁気回路部材は、複数の電磁鋼板を、回転軸の径方向に沿って積層してなるものとしてよい。こうすれば磁気回路部材を効率の高いものとして実現できる。
(10)こうした構成において、磁気回路部材は、磁性体の粉末を加熱および加圧して形成してなるものとしてよい。こうすれば磁気回路部材の形状の自由度を高めることができる。
(11)こうした構成において、モーターは、ステーターとローターとの間のギャップが、回転軸方向に沿って形成されたアキシャルギャップ型であるものとしてよい。こうすれば回転軸方向の厚みが薄いモーターを容易に実現できる。
(12)こうした構成において、モーターは、ステーターとローターとの間のギャップが、回転軸の径方向に沿って形成されたラジアルギャップ型であるものとしてよい。こうすれば径方向の小型化を容易に図ることができる。
(13)本開示の他の態様として、ロボットを提供可能である。このロボットは、前記モーターと、前記モーターによって駆動される被駆動部材とを備える。こうすれば、ロボットの被駆動部材を駆動するモーターをトルク変動が少なく、高効率で制御性の高いもとにできるので、ロボットを、被駆動部材の制御性に優れ、使い勝手に優れたものにできる。また、モーターをアキシャルギャップモーターとすれば、被駆動部材の小型化および設計自由度の向上を容易に図ることができる。さらに、モーターの高トルク化の実現が容易であり、減速機を省略して、モーターによる被駆動部材のダイレクトドライブ駆動を可能にすることができる。
(14)本開示の更に他の態様として、モーターにおける磁気回路部材の位置決め方法を提供できる。この方法は、図17に示すように、
工程T201:複数個の磁気回路部材を用意する。この磁気回路部材は、モーターの回転軸に対する周方向に組み合わされてコアとヨークからなるステーターを形成する磁気回路部材であって、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、部分ヨークの周方向の他方の端部に形成され、周方向に隣接する磁気回路部材の第1部分コアと組み合わされてコアを形成する第2部分コアと、を備える。
工程T202:ステーターを搭載するケースを用意する。このケースは、磁気回路部材毎に、部分ヨークの端部位置に対応する位置に位置決め用の凸部を備える。
工程T203:磁気回路部材の第1部分コアを隣接する磁気回路部材の第2部分コアに当接するよう、周方向に組み合わせてステーターを形成する際、ケース上の凸部に、部分ヨークの周方向の端部に設けられた凹部を組み付けて、ケースに対する磁気回路部材の位置決めを行なう。
工程T201:複数個の磁気回路部材を用意する。この磁気回路部材は、モーターの回転軸に対する周方向に組み合わされてコアとヨークからなるステーターを形成する磁気回路部材であって、ヨークを形成する部分ヨークと、部分ヨークの周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、部分ヨークの周方向の他方の端部に形成され、周方向に隣接する磁気回路部材の第1部分コアと組み合わされてコアを形成する第2部分コアと、を備える。
工程T202:ステーターを搭載するケースを用意する。このケースは、磁気回路部材毎に、部分ヨークの端部位置に対応する位置に位置決め用の凸部を備える。
工程T203:磁気回路部材の第1部分コアを隣接する磁気回路部材の第2部分コアに当接するよう、周方向に組み合わせてステーターを形成する際、ケース上の凸部に、部分ヨークの周方向の端部に設けられた凹部を組み付けて、ケースに対する磁気回路部材の位置決めを行なう。
こうすれば、ステーターを複数の磁気回路部材により構成し、かつ各コアを、隣接する磁気回路部材の第1部分コアと第2部分コアとにより形成するタイプのモーターにおいて、この磁気回路部材の位置決めを容易に行なうことができる。
(15)上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。ソフトウェアによって実現されていた構成の少なくとも一部は、ディスクリートな回路構成により実現することも可能である。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、上記実施形態においてハードウェアにより実現した構成の一部は、ソフトウェアにより実現することができる。
3…ローター、5…ケース、6…永久磁石、20,20F…アキシャルギャップモーター、20G…ラジアルギャップモーター、30…回転板、41…凸部、52…ステーター、53…コイル、54,54E…磁気回路部材、55…部分ヨーク、56U…U相用コア、56V…V相用コア、56W…W相用コア、56a…コア、56b…部分コア、100,100B~100F…ステーター、105…下面ケース、110,110a~110l…磁気回路部材、111,111b,111c…第1部分コア、112,112a,112b…第2部分コア、113…部分ヨーク、115…コア、121…回転軸、130…コイル、140…ローター、141…回転板、143…永久磁石、145…接合部、151,152,153,158…凸部、161C…周方向端面、161R…径方向端面、161,162,163,164…凹部、169…凸部、169C…周方向側面、169R…径方向側面、180,180a,180b…突部、181,183…凹部、185,191…ピン、192…凸部、193,196…凹部、200…ステーター、205…上面ケース、305…側面ケース、1000…ロボット
Claims (13)
- 複数の磁石を備え、回転軸の回りに回転するローターと、
前記回転軸回りの周方向に沿って配列された複数のコアと前記コアを磁気的に接続するヨークとを備えるステーターと、
前記ステーターを固定し、前記ステーターを前記ローターに対して所定のギャップを隔てて配置するケースと、
を備え、
前記ステーターにおいて、前記複数のコアと前記ヨークとは、前記ステーターを分割した複数個の磁気回路部材を、前記周方向に組み合わせて形成されており、
前記磁気回路部材は、
ヨークを形成する部分ヨークと、
前記部分ヨークの前記周方向の一方の端部に形成された第1部分コアと、
前記部分ヨークの前記周方向の他方の端部に形成され、前記周方向に隣り合う磁気回路部材の前記第1部分コアと組み合わされて前記コアを形成する第2部分コアと、
を備え、
前記部分ヨークの前記周方向の端部と前記部分ヨークの前記端部に対応する前記ケースの位置とに設けられ、前記磁気回路部材の位置決めを行なう位置決め構造を有する、
モーター。 - 前記位置決め構造は、前記部分ヨークの前記端部に形成された凹部と、前記ケースの前記位置に設けられ、前記凹部が嵌まり合う凸部である、請求項1に記載のモーター。
- 前記位置決め構造の前記凹部は、前記部分ヨークの前記端部に形成された窪みであり、前記位置決め構造の前記凸部は、前記ケースの前記位置に立設されたピンである、請求項2記載のモーター。
- 前記凸部は、前記回転軸方向に交差する方向の断面が、円形形状、矩形形状、多角形形状のいずれかである、請求項2または請求項3に記載のモーター。
- 前記位置決め構造は、1つの磁気回路部材当たり2箇所以上に設けられた、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモーター。
- 前記位置決め構造は、更に、前記ケースに設けられる突部を備え、
前記突部は、前記磁気回路部材よりも前記回転軸の径方向の外側から、前記磁気回路部材に当接する、請求項5記載のモーター。 - 前記位置決め構造は、更に、前記ケースに立設されるピンを備え、
前記ピンは、前記磁気回路部材よりも前記回転軸の径方向の外側から、前記磁気回路部材に当接する、請求項5記載のモーター。 - 前記磁気回路部材は、前記部分ヨークの端部に形成された前記第1部分コアと前記第2部分コアとの間に、少なくとも1つの前記コアを備える、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモーター。
- 前記磁気回路部材は、複数の電磁鋼板を、前記回転軸の径方向に沿って積層してなる、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のモーター。
- 前記磁気回路部材は、磁性体の粉末を加熱および加圧して形成してなる、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のモーター。
- 前記モーターは、前記ステーターと前記ローターとの間の前記ギャップが、前記回転軸方向に沿って形成されたアキシャルギャップ型である、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のモーター。
- 前記モーターは、前記ステーターと前記ローターとの間の前記ギャップが、前記回転軸の径方向に沿って形成されたラジアルギャップ型である、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のモーター。
- 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のモーターと、
前記モーターによって駆動される被駆動部材と
を備えるロボット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021012854A JP2022116601A (ja) | 2021-01-29 | 2021-01-29 | モーターおよびロボット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021012854A JP2022116601A (ja) | 2021-01-29 | 2021-01-29 | モーターおよびロボット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2022116601A true JP2022116601A (ja) | 2022-08-10 |
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JP2021012854A Pending JP2022116601A (ja) | 2021-01-29 | 2021-01-29 | モーターおよびロボット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022116601A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115632501A (zh) * | 2022-12-21 | 2023-01-20 | 广东安承动力科技有限公司 | 一种定子冲片、定子铁芯以及电机 |
-
2021
- 2021-01-29 JP JP2021012854A patent/JP2022116601A/ja active Pending
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CN115632501A (zh) * | 2022-12-21 | 2023-01-20 | 广东安承动力科技有限公司 | 一种定子冲片、定子铁芯以及电机 |
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