JP2002354711A - 非接触給電装置 - Google Patents
非接触給電装置Info
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Abstract
素子が故障して無制御状態になっても、出力電圧が過大
にならないようにする。 【解決手段】 高周波電源1により1次給電線2に高周
波電流を流すと、給電トランス3の2次巻線3sに発生
した誘導起電力が整流部5で直流に変換され、定電圧制
御部6で定電圧に制御されて負荷7に供給される。ま
た、給電トランス3のインダクタンスと2次巻線3sに
直列のコンデンサ4とにより直列共振回路8を構成して
いる。直列共振回路8の共振周波数は、高周波電源1よ
り供給される1次給電線2の電流周波数と等しくなるよ
うに調整され、1次給電線2から給電トランス3の2次
側への電力伝送効率は最大となる。定電圧制御部6がオ
ープン故障してもコンデンサ4には電流が流れないの
で、直列共振回路8は無負荷共振を起こすことはなく出
力電圧は異常上昇しない。
Description
する走行体に対して、その使用電力を非接触で給電する
非接触給電装置に関する。
内レール等の軌道に沿って搬送車を走行させ、この搬送
車によって被搬送物(積荷)を搬送する搬送システムが
広く利用されている。この搬送車には、リニアモータな
どの走行モータが搭載されていて、この走行モータの駆
動によって搬送車が走行する。そして、走行モータヘの
給電方法として、搬送車側に設けた集電子を給電線に接
触させて電力を給電する方法に替えて、ピックアップト
ランスと称される給電トランスを用いて非接触で電力を
給電する方法が広く用いられている。即ち、搬送車の側
にピックアップトランスを設け、ピックアップコイルと
称される2次巻線を1次給電線の近傍に配置して、いわ
ゆるトランスの電磁誘導作用によって、ピックアップコ
イル(2次巻線)に誘導起電力を発生させて非接触で給
電する方法が実施されている。
の構成例を示す回路図である。この非接触給電装置は、
移動体600およびこれに配置された各種の装置と、移
動体600の移動経路に沿って敷設された給電線を主要
な構成要索とする給電線部500と、地上側に固定配置
され、給電線に対して高周波電流を流す高周波電源40
0とにより構成されている。図8に示すように、高周波
電源400は、チョッパ410とインバータ420と同
調フィルタ430とを有している。
は、直流電圧Eが与えられる。この入力端子PおよびN
間には、トランジスタQcとダイオードDcとが直列に
介挿されている。また、トランジスタQcのエミッタと
ダイオードDcのカソードとの接続点と、インバータ4
20との間には、インダクタンスLIが介挿されてい
る。ここで、トランジスタQcがON状態であるときに
は、入力端子PおよびN間の直流電圧Eにより、入力端
子P→トランジスタQc→インダクタンスL1→インバ
ータ420およひ入力端子Nという経路を介して電流が
流れる。一方、トランジスタQcがON状態から0FF
状態になると、その時点においてインダクタンスL1に
蓄積された電気エネルギーにより、インダクタンスL1
→インバータ420→ダイオードDcという循環経路を
介して電流が流れる。インバータ420に供給される平
均的な電流の量は、トランジスタQcのON/OFFデ
ューティ比に比例して増減する。
状態とするパルスを周期的に出力するとともに、このパ
ルスの幅を変調することによりインバータ420に対す
る出力電流を制御する装置である。インバータ420
は、トランジスタQA、QB、QCおよびQDと、ダイ
オードDA、DB、DCおよびDDとを図示のように接
続してなるブリッジ回路である。このような構成におい
て、トランジスタQAおよびQDをON状態とし、トラ
ンジスタQBおよびQCをOFF状態とする動作と、ト
ランジスタQAおよびQDをOFF状態とし、トランジ
スタQBおよびQCをON状態とする動作とが交互に繰
り返される。
ンジスタQAおよびQBの接続点とトランジスタQCお
よびQDの接続点との間に介挿された同調フィルタ43
0に矩形波交流電流が通電される。同調フィルタ430
は、矩形波交流電流の基本波成分を共振増幅するフィル
タであり、インダクタンスL2とコンデンサC2とによ
り構成されている。同調フィルタ430の出力電流は正
弦波となり、給電線部500の給電線に流れる。上述し
たチョッパ410内の制御部411は、この給電線に流
れる電流を電流センサCTにより検知し、その電流値が
目標値となるようにトランジスタQcをON状態とする
パルス幅の制御を行うものである。
動体600の移動経路に沿って敷設された給電線を主要
な構成要素とするものである。図9には、この給電線部
500の給電線500Lが図示されている。この給電線
500Lには、図8における同調フィルタ430を介し
て正弦波電流が流される。図8におけるインダクタンス
L3は、図9に示す給電線500Lのインダクタンスで
ある。また、この給電線500Lに接近し、且つ、非接
触状態を保ってピックアップ610が位置して、図8の
ようなピックアップ610の回路を構成している。尚、
ピックアップ610は、移動体600とともに給電線5
00Lに沿って移動可能である。
のI−I’線断面図である。図10に示すように、ピッ
クアップ610は、給電線500Lによって発生される
磁界の磁路をなすコア611と、このコア611の中央
脚に巻回された2次巻線612とを有している。この2
次巻線612と、図9に示す給電線500Lとが磁気的
に結合して、図8に示すような給電トランスT4が構成
されている。また、図8に示すように、移動体600に
は、このピックアップ610と昇圧チョッパ620とが
設けられている。図8に示すピックアップ610におい
て、給電トランスT4の2次巻線612にはヒューズ6
13が直列接続されており、2次巻線612およびヒュ
ーズ613にはコンデンサC4が並列接続されている。
て説明する。ピックアップ610における給電トランス
T4の2次巻線612とコンデンサC4は、インバータ
420が出力する矩形波の基本波周波数に相当する周波
数で並列共振する。この場合、ピックアップ610の等
価回路は、図11(a)〜(c)に示すように単純化さ
れる。ここで、iは1次巻線(給電線500L)に流れ
る電流、M4は1次巻線(給電線500L)および2次
巻線612間の相互インダクタンス、L4は2次巻線6
12の漏洩インダクタンス、M4+L4は2次巻線61
2の等価インダクタンス、ωはインバータ420が出力
する矩形波の基本波角周波数、Rは移動体600上の給
電対象である負荷抵抗である。したがって、ピックアッ
プ610の出力特性は、 出力電圧 Vt=R’×i ……(1) 出力電力 P=Vt×i ……(2) となる。ただし、R’は、上記の単純化に伴って、負荷
抵抗Rと、インダクタンスM4およびL4とコンデンサ
C4とに基づいて作成された合成インピーダンスであ
る。
4及び漏洩インダクタンスL4と、2次巻線612に並
列に接続されたコンデンサC4とによって共振回路が構
成され、この共振回路によって、非接触給電時における
無効電力を少なくして電力伝送効率を高めている。つま
り、この共振回路の共振周波数(fo)は、トランスT
4のインダクタンス(つまり、相互インダクタンスM4
と漏洩インダクタンスL4との和)を(L)とし、コン
デンサC4の静電容量を(C)とした場合には、〔fo
≒(1/2π)×(L×C)-(1/2)〕で表わされ、1次
側の給電線に流れる電流の周波数と等しい場合(つま
り、共振周波数の場合)に、1次側から2次側への電力
伝送効率が最大となることが知られている。つまり、共
振回路による共振周波数は、1次側の給電線に供給され
る電流の周波数とほぼ等しくなるように調整されてい
る。
高周波電源400によって、基準値に一定制御されてい
るので、図12に示すように、ピックアップ610の出
力電圧Vtは出力電力Pに比例して増加する。つまり、
ピックアップ610の出力特性は、電流源(一定電流を
出力する電源)と等価となる。しかし、一般的に移動体
600上の負荷Rには、その負荷変動によらず、一定電
圧を供給する必要があるから、ピックアップ610の出
力特性を定電圧の出力特性に変換する必要がある。そこ
で、図8に示す非接触給電装置では、昇圧チョッパ62
0を用いて定電圧制御して負荷Rに電力を供給してい
る。
全波整流回路621は、ピックアップ610の出力交流
電圧を全波整流する。インダクタンスL5、ダイオード
D5およびコンデンサC5は、全波整流回路部621か
ら得られる全波整流波形からリップルを除去する平滑回
路を構成している。この平滑回路におけるコンデンサC
5から負荷Rへ定電圧制御された直流電圧が供給され
る。全波整流回路部621およびインダクタンスL5に
は、チョッパ制御のためのトランジスタQ5が並列に接
統されている。すなわち、電圧制御部622は、トラン
ジスタQ5をPWM制御するためのパルス信号を発生す
るとともに、負荷Rに対する供給電圧が基準値になるよ
うに、トランジスタQ5に供給するパルス幅のデューテ
ィ制御を行っている。また、スイッチSWは、負荷側が
オープンになって無負荷状態になったときに過電圧が発
生するのを防止するためのスイッチである。
Nしたときには、出力電圧は、ほぼ0Vとなる。スイッ
チSWに流れる電流は、1次と2次の巻数比に比例した
電流となる。トランスの2次側が共振状態とならないた
め、トランス、回路への電流は少ない。ヒューズ613
は、例えば、ピックアップ610−昇圧チョッパ620
間の断線や昇圧チョッパ620のトランジスタQ5がオ
ープン状態となる故障、あるいは昇圧チョッパ620の
制御回路の故障などにより、ピックアップ610のみの
無負荷共振となった時に、電流が増えて溶断する。この
時、コンデンサC4、トランス2次側が、大電流、大電
圧となって危険なため、ヒューズ613により保護して
いる。
接触給電装置の回路を簡略化したブロック図である。図
13において、高周波電源81より1次給電線82に高
周波電流を流すと、給電トランス83の2次巻線83s
に発生した誘導起電力が、整流部85で直流に変換され
た後に、昇圧チョッパから成る定電圧制御部86によっ
て一定電圧に制御されて負荷87である走行モータに供
給され、この走行モータ28によって搬送車が軌道に沿
って走行する。
クタンス及び漏洩インダクタンスと、2次巻線83aに
並列に接続されたコンデンサ84とによって共振回路8
8が構成され、この共振回路88によって、非接触給電
時における無効電力を少なくして電力伝送効率を高めて
いる。さらに、出力電圧の定電圧制御は、定電圧制御部
86のスイッチング素子Q5のPWM制御によって行っ
ているが、そのスイッチング周波数は、高周波電源81
の周波数(つまり、共振回路88の共振周波数)よりも
数倍以上高く設定してある。すなわち、スイッチング素
子Q5のスイッチング周波数が高いので共振回路88は
高インピーダンスとなっている。したがって、電源側か
ら見て、負荷側は負荷抵抗Rのみとみなすことができ
る。
の回路において、トランジスタなどのスイッチング素子
Q5をPWM制御する制御部(図示せず)が故障したり
してスイッチング素子Q5が開放状態になると、定電圧
制御部86は定電圧機能を停止してしまう。この場合
は、定電圧制御部86を用いないで給電トランス83の
整流電圧をそのまま負荷に接続したのと同じことにな
り、負荷87に与えられる出力電圧Vは、負荷抵抗Rに
よって決まり、 V=R×i ……(3) となる。ここで、iは給電トランス83の出力電流で、
負荷抵抗の大きさに関わりなく、常に一定の値になる。
したがって、Rが大きいと出力電圧Vも大きくなる。
路88のインピーダンスは高い値であるので、出力電圧
Vは過電圧となって回路の構成部品が過電圧で破損して
焼損に至る虞がある。このように、スイッチング素子Q
5のオープンモードでの故障や制御部の故障によりスイ
ッチング動作をしなくなると、無負荷時などのように負
荷が軽い時には、共振回路88が並列共振のみの無負荷
共振に近い形となり、極めて高いインピーダンスとなる
ために出力電圧が過大になってしまい、回路部品や負荷
側の機器が壊れる虞がある。
示す従来の非接触給電装置では、過電圧保護回路として
スイッチSWを設けている。この過電圧保護回路は、過
電圧を検出してスイッチSWをONにすることによっ
て、ピックアップ610の端子間インピーダンスをほぼ
0Ωにして過電圧を防止している。しかし、このような
過電圧保護回路は、過電圧を検出する回路を必要とし、
多数の部品から構成されているので、装置の故障確率を
上昇させる要因となる。さらには、前述したように、ピ
ックアップ610−昇圧チョッパ620間の断線等によ
りピックアップ610が無負荷共振状態となった時の過
電流防止用回路として、ピックアップ610にヒューズ
613が設けられている。つまり、図13に示すよう
な、並列共振型の共振回路88を有する非接触給電装置
においては、無負荷時の過電圧保護対策として、過電圧
保護回路や過電流保護回路を設けなければならないの
で、非接触給電装置全体の故障率が高くなったり、コス
トが高くなる。
ものであり、その目的は、定電圧制御部のPWM制御用
のスイッチング素子が故障して無制御状態に陥っても、
出力電圧が過大にならず、過電圧保護回路を省略するこ
とができる非接触給電装置を提供することにある。
めに、本発明の非接触給電装置は、1次給電線に供給さ
れる電力を非接触で負荷へ伝達する非接触給電装置にお
いて、1次給電線と2次巻線とを磁気結合して電力の伝
達を行う給電トランスと、給電トランスのインダクタン
スと給電トランスの2次巻線に直列に接続されたコンデ
ンサとによって形成された直列共振回路と、直列共振回
路から出力される電圧を整流する整流手段とを備えたこ
とを特徴とする。
接触給電装置では、無負荷時の過電圧保護対策として過
電圧保護回路や過電流保護回路を設けなければならなか
った。しかし、本発明の非接触給電装置によれば、直列
共振回路を用いることによって、出力段がオープン故障
して無負荷状態となったときには共振回路が形成されな
いので、出力電圧が過電圧となることはない。したがっ
て、過電圧保護回路や過電流保護回路を設ける必要がな
いので、非接触給電装置全体の故障率も低くくなり、装
置のコストを低減することができる。
電線に供給される電力を非接触で負荷へ伝達する非接触
給電装置において、1次給電線と2次巻線とを磁気結合
して電力の伝達を行う給電トランスと、給電トランスの
インダクタンスと給電トランスの2次巻線に直列及び並
列に接続された各コンデンサとによって形成された直並
列共振回路と、直並列共振回路から出力される電圧を整
流する整流手段とを備えたことを特徴とする。
接触給電装置では、無負荷時の過電圧保護対策として過
電圧保護回路や過電流保護回路を設けなければならなか
った。しかし、本発明の非接触給電装置によれば、直並
列共振回路を用いることによって、出力段がオープン故
障して無負荷状態となったときには並列共振回路が形成
されるが、その共振周波数は1次給電線の電流周波数と
は異なる値となるので、出力電圧が過電圧となることは
ない。したがって、過電圧保護回路や過電流保護回路を
設ける必要がないので、非接触給電装置全体の故障率も
低くくなり、装置のコストを低減することができる。
発明において、整流手段の出力側には出力電圧を定電圧
に制御するための定電圧制御手段が設けられていること
を特徴とする。すなわち、本発明の非接触給電装置によ
れば、出力段に定電圧制御手段を設けることによって、
負荷の変動に対して一定の電圧を出力することができ
る。このような回路構成の場合において、定電圧制御手
段がオープン故障して無負荷状態となっても出力電圧が
過電圧となることはない。
は、整流手段は、全波整流器または倍電圧整流器または
コッククロフト昇圧回路の何れかを用いることができ
る。特に、給電トランスの出力電圧が所定の電圧より低
い場合は、倍電圧整流器を用いて2倍の電圧にしたり、
コッククロフト昇圧回路を用いて所望の電圧に昇圧する
ことができる。このような回路を適用しても、入力段に
は直列共振回路または直並列共振回路が形成されている
ので、出力側が無負荷状態となっても出力電圧が過電圧
となることはない。
発明において、定電圧制御手段は昇圧チョッパ回路であ
ることを特徴とする。つまり、整流部から入力される電
圧が低くて所望の出力電圧が得られないような場合に、
昇圧チョッパを用いて昇圧作用を行うと共に定電圧制御
を行い、負荷側へ精度の高い一定電圧を供給することが
できる。尚、昇圧を行わないで定電圧制御をする場合に
は、回路に直列にスイッチング素子を用いたチョッパ回
路やドロッパ回路などを用いてもよいし、その他一般に
知られている入力部が電圧源の定電圧制御回路を用いて
もよい。このような回路を適用しても、入力段には直列
共振回路または直並列共振回路が形成されているので、
出力側が無負荷状態となっても出力電圧が過電圧となる
ことはない。
発明において、直並列共振回路及び直列共振回路の共振
周波数は1次給電線に流れる高周波電流とほぼ同一の周
波数であることを特徴とする。即ち、通常の動作状態に
おいては、直列共振回路または直並列共振回路によっ
て、高周波電源から供給される高周波電流と同じ周波数
となる共振周波数の電力が出力側へ伝送される。これに
より、非接触給電時における無効電力を最小限にして電
力伝送効率を高めて電力供給を行うことができる。そし
て、出力側がオープン故障した場合には、共振点がずれ
て出力側が過電圧となることを防止することができる。
尚、好適な実施形態としては、移動体を走行するモータ
への電力供給用に本発明の非接触給電装置を用いること
ができる。
ける非接触給電装置の実施の形態を詳細に説明する。図
1は、本発明の第1の実施の形態における非接触給電装
置の回路構成を示すブロック図である。すなわち、この
実施の形態における回路構成の特徴は、給電トランス3
の共振回路として直列共振回路8を構成しているところ
である。この直列共振回路8の共振周波数は、1次給電
線2に流れる電流の周波数(つまり、高周波電源1の周
波数)と等しくなるように調整されている。したがっ
て、1次給電線2から給電トランス3の2次側への電力
伝送効率は最大となっている。
高周波電源1と1次給電線2と給電トランス3と直列共
振回路8と整流部5と定電圧制御部6とによって構成さ
れ、定電圧制御部6よって定電圧制御されて負荷7に電
力が供給される。つまり、高周波電源1によって1次給
電線2に高周波電流を流すと、給電トランス3の2次巻
線3sに発生した誘導起電力が整流部5で直流に変換さ
れ、さらに、定電圧制御部6で定電圧に制御されて負荷
7である走行モータに供給される。
ス及び漏洩インダクタンスと2次巻線3sに直列に接続
されたコンデンサ4とによって直列共振回路8が構成さ
れている。したがって、この直列共振回路8によって、
高周波電源1から供給される高周波電流と同じ周波数と
なる共振周波数の電力が給電トランス3の2次側へ伝送
される。これにより、非接触給電時における無効電力を
最小限にして電力伝送効率を高め、給電トランス3の2
次側へ電力供給が行われる。また、整流部5の出力電圧
は定電圧制御部6によって定電圧に制御されて負荷7へ
供給される。
よれば、負荷7が変動しても給電トランス3の起電力は
ほぼ一定であるので、定電圧制御部6が故障して負荷側
がオープンになっても、出力電圧は既定値以上に上昇す
ることはない。つまり、負荷7がオープンになったとき
は、共振用のコンデンサ4に電流が流れないので、直列
共振回路8は無負荷共振を起こすことはなくなり、した
がって出力電圧が上昇することはない。一方、負荷側が
短絡した場合は、出力電圧はゼロボルトとなる。このと
き、給電トランス3の2次巻線3sの電流や直列共振用
のコンデンサ4の電流及び電圧は上昇するが、これらの
保護は、例えばコンデンサ4に直列にヒューズなどを設
けて回路を遮断すればよい。
る非接触給電装置の回路構成を示すブロック図である。
すなわち、この実施の形態における回路構成の特徴は、
給電トランス13の共振回路として直並列共振回路18
を構成しているところである。この直並列共振回路18
の共振周波数は、1次給電線12に流れる電流の周波数
(つまり、高周波電源11の周波数)と等しくなるよう
に調整されている。したがって、1次給電線12から給
電トランス13の2次側への電力伝送効率は最大となっ
ている。
高周波電源11と1次給電線12と給電トランス13と
直並列共振回路18と整流部15と定電圧制御部16と
によって構成され、定電圧制御部16よって定電圧制御
されて負荷17に電力が供給される。つまり、高周波電
源11によって1次給電線12に高周波電流を流すと、
給電トランス13の2次巻線13sに発生した誘導起電
力が整流部15で直流に変換され、さらに、定電圧制御
部16で定電圧に制御されて負荷17である走行モータ
に供給される。
ンス及び漏洩インダクタンスと、2次巻線13sに並列
/直列に接続されたコンデンサ14a/14bとによっ
て直並列共振回路18が構成されている。したがって、
この直並列共振回路18によって、高周波電源11から
供給される高周波電流と同じ周波数となる共振周波数の
電力が給電トランス13の2次側へ伝送される。これに
より、非接触給電時における無効電力を最小限にして電
力伝送効率を高め、給電トランス13の2次側へ電力供
給が行われる。また、整流部15の出力電圧は定電圧制
御部16によって定電圧に制御されて負荷17へ供給さ
れる。
スは、負荷(つまり、走行モータ)が必要とする電圧値
に比べて発生電圧が低いので昇圧をする必要がある。そ
のため、図2に示すような直並列共振回路18を用いて
整流部15の入力電圧を昇圧している。つまり、2次巻
線13sに並列のコンデンサ14aの容量をC1、2次
巻線13sに直列のコンデンサ14bの容量をC2とす
ると、整流部15の入力電圧は、(給電トランス13の
2次巻線13sの発生電圧)×(C1+C2)/C2と
なる。
デンサ14a,14bのキャパシタンスの和(C1+C
2)と、給電トランス13の相互インダクタンスMと漏
洩インダクタンスLとの和のインダクタンス(M+L)
とによって、共振周波数が1次給電線12の電流の周波
数と同じ周波数になるように調整を行う。これによって
給電トランス13は最大の伝送効率で電力伝送を行うこ
とができる。
荷側がオープンとなった場合は、給電トランスのインダ
クタンス(M+L)と、2次巻線13sに並列なコンデ
ンサ14aのキャパシタC1とによって無負荷共振とな
る。しかし、その共振周波数は、直並列コンデンサ14
a,14bのキャパシタンスの和(C1+C2)で1次
給電線12の電流周波数となるように調整されているた
め、キャパシタンスC1による共振周波数は1次給電線
12の周波数とは異なった値となっている。つまり、共
振点がずれているので出力側の電圧が過大になることは
ない。また、負荷側が短絡した場合には出力電圧はゼロ
ボルトとなる。このとき、給電トランス3の2次巻線3
sの電流や直列共振用のコンデンサ14bの電流及び電
圧は上昇するが、これらの保護は、例えばコンデンサ1
4bに直列にヒューズなどを設けて回路を遮断すればよ
い。
列共振回路または直並列共振回路とした場合について、
整流部や定電圧制御部を種々のバリエーションで組み合
わせた場合の実施例を説明する。図3は、本発明の非接
触給電装置において、整流部を全波整流器とした場合の
回路構成を示すブロック図である。図3の実施例では、
共振回路28は、図1の直列共振回路または図2の直並
列共振回路の何れかを適用する。そして、整流部はダイ
オードブリッジなどによる全波整流器25を適用し、そ
の出力段に電圧を一定にするための定電圧制御部26を
設けて負荷27に接続する。これによって、前述の図
1、図2と同様に、無負荷時の故障モードにおいて出力
電圧が過電圧になることはない。また、出力側が短絡し
た場合は、回路に直列にヒューズなどを設けて回路を遮
断して保護すればよい。
て、整流部を倍電圧整流器とした場合の回路構成を示す
ブロック図である。図4の実施例では、共振回路38
は、図1の直列共振回路または図2の直並列共振回路の
何れかを適用する。そして、整流部はダイオードとコン
デンサによる倍電圧整流器35を適用し、その出力段に
電圧を一定にするための定電圧制御部36を設けて負荷
37に接続する。つまり、一般的に、移動体に用いる給
電トランスは、必要とする出力電圧に比べて2次側に発
生する起電力が小さいので昇圧を行う必要がある。した
がって、整流部の入力電圧を2倍にしたい場合は倍電圧
整流器35を用いる。これによって、給電トランス33
の出力電圧を2倍に昇圧して定電圧制御部36に入力す
ることができる。また、この回路構成においても、前述
の図1、図2と同様に、無負荷時の故障モードにおいて
出力電圧が過電圧になることはない。また、出力側が短
絡した場合は、回路に直列にヒューズなどを設けて回路
を遮断して保護すればよい。
て、整流部をコッククロフト昇圧回路とした場合の回路
構成を示すブロック図である。図5の実施例では、共振
回路48は、図1の直列共振回路または図2の直並列共
振回路の何れかを適用する。そして、整流部はダイオー
ドとコンデンサを複数段組み合わせたコッククロフト昇
圧回路45を適用する。つまり、一般的に、移動体に用
いる給電トランスは、必要とする出力電圧に比べて2次
側に発生する起電力が小さいので昇圧を行う必要があ
る。そこで、必要とする電圧まで昇圧する必要がある場
合は、コッククロフト昇圧回路45によって昇圧を行
う。コッククロフト昇圧回路45は、図5中のコンデン
サの段数(C1、C2…Cn)によって整流部の入力電
圧をほぼn倍に昇圧して、定電圧制御部46に入力する
ことができる。また、この回路構成においても、前述の
図1、図2と同様に、無負荷時の故障モードにおいて出
力電圧が過電圧になることはない。また、出力側が短絡
した場合は、回路に直列にヒューズなどを設けて回路を
遮断して保護すればよい。
て、定電圧制御部を昇圧チョッパとした場合の回路構成
を示すブロック図である。図6の実施例では、共振回路
58は、図1の直列共振回路または図2の直並列共振回
路の何れかを適用する。また、整流部55は、図3の全
波整流器または図4の倍電圧整流器または図5のコック
クロフト昇圧回路の何れかを適用する。そして、定電圧
制御部には昇圧チョッパ56を用いている。
とダイオードD5とスイッチング素子Q5とコンデンサ
C5とによって構成されている。このうち、インダクタ
ンスL5とダイオードD5とコンデンサC5によって整
流部55から得られる全波整流波形からリップルを除去
するための平滑回路を構成している。そして、スイッチ
ング素子Q5がPWM制御を行うことにより、インダク
タンスL5に蓄えられた電力がスイッチング制御され、
さらに、コンデンサC5で平滑された後に負荷57へ一
定電圧として供給される。
力される電圧が低くて所望の出力電圧が得られないよう
な場合に、昇圧作用を行うと共に定電圧制御を行い、負
荷57へ精度の高い一定電圧を供給している。つまり、
スイッチング素子Q5の0N/0FFデューティ比を制
御することにより、負荷の変動に拘わらず一定電圧を出
力するような制御を行っている。例えば、軽負荷の時は
デューティ比を小さくし、重負荷のときはデューティ比
を大きくするような制御を行って常に一定電圧を出力し
ている。また、昇圧作用については、スイッチング素子
Q5がONのときにインダクタンスL5にエネルギーを
蓄え、スイッチング素子Q5がOFFのときにインダク
タンスL5のエネルギーを負荷57側へ放出するという
作用、つまり、リンギングチョーク作用によって行われ
ている。このようなリンギングチョーク作用によれば、
整流部55の出力電圧にインダクタンスL5の電圧が加
算された電圧に昇圧することができる。
ング素子Q5のデューティ比を、負荷変動に応じて制御
させることにより、出力電圧を精度よくほぼ一定とする
ことができる。しかし、出力電圧の変動が許容されるよ
うな負荷の場合は、スイッチング素子Q5を無制御とし
て一定のデューティ比で動作させてもよい。あるいは、
出力電圧の変動が許容されるような負荷の場合には、給
電トランス53や共振回路58や整流部55で所望の出
力電圧になるようにしておけば、定電圧制御回路を設け
ないで、直接、整流部55から負荷57へ電力を供給し
てもよい。
路構成において、スイッチング素子Q5や制御回路が故
障して回路がオープンとなった場合は、昇圧が行われな
いため出力電圧は過電圧となることはない。すなわち、
共振回路58を直列共振回路または直並列共振回路にす
れば、無負荷状態となった故障モードの場合でも、前述
の図1、図2と同様に出力電圧が過電圧になることはな
い。また、昇圧チョッパ56の回路が短絡した場合に
は、出力電圧はほぼ0Vとなるが、過電流保護について
は、回路に直列にヒューズなどを設けて回路を遮断すれ
ばよい。
れる回路構成を組み合わせた図表である。つまり、前述
の図1から図6の各回路を組み合わせた場合の回路構成
の一覧表である。基本となる構成要素は、共振回路を図
1のように直列共振回路にした場合と、図2のように直
並列共振回路にした場合である。その上で、整流部を、
全波整流器/倍電圧整流器/コッククロフト昇圧回路の
何れかとし、定電圧制御部を、設けない/昇圧チョッパ
とする、の何れかとした場合の組み合わせを行ってい
る。
振回路を用いた場合であり、組み合わせNo7〜No12が
図2に示す直並列共振回路を用いた場合である。組み合
わせNo1は、図1の直列共振回路と図3の全波整流器を
用い、定電圧制御部を用いない場合である。このような
回路構成は、負荷の変動に応じて出力電圧の変動が許容
される場合に適用される。組み合わせNo2は、図1の直
列共振回路と図4の倍電圧整流器を用い、定電圧制御部
として図6の昇圧チョッパを用いた場合である。このよ
うな回路構成は、給電トランスの電圧を2倍の電圧値に
昇圧し、且つ、負荷の変動に対して一定の出力電圧を得
る場合に適用される。
図5のコッククロフト昇圧回路を用い、定電圧制御部を
用いない場合である。このような回路構成は、給電トラ
ンスの電圧を所望の電圧値に昇圧し、且つ、負荷の変動
に応じて出力電圧の変動が許容される場合に適用され
る。組み合わせNo4は、図1の直列共振回路と図3の全
波整流器を用い、定電圧制御部として図6の昇圧チョッ
パを用いた場合である。このような回路構成は、負荷の
変動に対して一定の出力電圧を得る場合に適用される。
図4の倍電圧整流器を用い、定電圧制御部を用いない場
合である。このような回路構成は、給電トランスの電圧
を2倍の電圧値に昇圧し、且つ、負荷の変動に応じて出
力電圧の変動が許容される場合に適用される。組み合わ
せNo6は、図1の直列共振回路と図5のコッククロフト
昇圧回路を用い、定電圧制御部として図6の昇圧チョッ
パを用いた場合である。このような回路構成は、給電ト
ランスの電圧を所望の電圧値に昇圧し、且つ、負荷の変
動に対して一定の出力電圧を得る場合に適用される。
と図3の全波整流器を用い、定電圧制御部を用いない場
合である。このような回路構成は、負荷の変動に応じて
出力電圧の変動が許容される場合に適用される。組み合
わせNo8は、図2の直並列共振回路と図4の倍電圧整流
器を用い、定電圧制御部として図6の昇圧チョッパを用
いた場合である。このような回路構成は、給電トランス
の電圧を2倍の電圧値に昇圧し、且つ、負荷の変動に対
して一定の出力電圧を得る場合に適用される。
と図5のコッククロフト昇圧回路を用い、定電圧制御部
を用いない場合である。このような回路構成は、給電ト
ランスの電圧を所望の電圧値に昇圧し、且つ、負荷の変
動に応じて出力電圧の変動が許容される場合に適用され
る。組み合わせNo10は、図2の直並列共振回路と図3
の全波整流器を用い、定電圧制御部として図6の昇圧チ
ョッパを用いた場合である。このような回路構成は、負
荷の変動に対して一定の出力電圧を得る場合に適用され
る。
路と図4の倍電圧整流器を用い、定電圧制御部を用いな
い場合である。このような回路構成は、給電トランスの
電圧を2倍の電圧値に昇圧し、且つ、負荷の変動に応じ
て出力電圧の変動が許容される場合に適用される。組み
合わせNo12は、図2の直並列共振回路と図5のコック
クロフト昇圧回路を用い、定電圧制御部として図6の昇
圧チョッパを用いた場合である。このような回路構成
は、給電トランスの電圧を所望の電圧値に昇圧し、且
つ、負荷の変動に対して一定の出力電圧を得る場合に適
用される。
ための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が
可能である。例えば、整流器を電圧源とした定電圧制御
回路の構成は、上述のような昇圧チョッパに限ることは
なく、例えは、回路に直列にスイッチング素子を用いた
チョッパ回路やドロッパ回路などを用いてもよい。尚、
このような回路構成の場合は、昇圧作用は行わないが定
電圧制御については行うことはできる。その他、一般に
知られている入力部が電圧源の定電圧制御回路ならどの
ような制御回路を用いてもよい。
電装置によれば、直列共振回路または直並列共振回路を
用いることによって、出力段の定電圧制御部がオープン
故障して無負荷状態となっても、出力電圧が過電圧とな
ることはない。したがって、過電圧保護回路や過電流保
護回路を設ける必要がないので、非接触給電装置全体の
故障率も低下し、且つ、装置のコストを低減することが
できる。
電装置の回路構成を示すブロック図である。
電装置の回路構成を示すブロック図である。
全波整流器とした場合の回路構成を示すブロック図であ
る。
倍電圧整流器とした場合の回路構成を示すブロック図で
ある。
コッククロフト昇圧回路とした場合の回路構成を示すブ
ロック図である。
御部を昇圧チョッパとした場合の回路構成を示すブロッ
ク図である。
成を組み合わせた図表である。
ある。
プを示す斜視図である。
である。
ある。
る。
簡略化したブロック図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 1次給電線に供給される電力を非接触で
負荷へ伝達する非接触給電装置において、 前記1次給電線と2次巻線とを磁気結合して電力の伝達
を行う給電トランスと、 前記給電トランスのインダクタンスと該給電トランスの
2次巻線に直列に接続されたコンデンサとによって形成
された直列共振回路と、 前記直列共振回路から出力される電圧を整流する整流手
段とを備えたことを特徴とする非接触給電装置。 - 【請求項2】 1次給電線に供給される電力を非接触で
負荷へ伝達する非接触給電装置において、 前記1次給電線と2次巻線とを磁気結合して電力の伝達
を行う給電トランスと、 前記給電トランスのインダクタンスと該給電トランスの
2次巻線に直列及び並列に接続された各コンデンサとに
よって形成された直並列共振回路と、 前記直並列共振回路から出力される電圧を整流する整流
手段とを備えたことを特徴とする非接触給電装置。 - 【請求項3】 前記整流手段の出力側には、出力電圧を
定電圧に制御するための定電圧制御手段が設けられてい
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非
接触給電装置。 - 【請求項4】 前記整流手段は、全波整流器または倍電
圧整流器またはコッククロフト昇圧回路の何れかである
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の
非接触給電装置。 - 【請求項5】 前記定電圧制御手段は昇圧チョッパ回路
であることを特徴とする請求項3または請求項4の何れ
かに記載の非接触給電装置。 - 【請求項6】 前記直並列共振回路及び前記直列共振回
路の共振周波数は前記1次給電線に流れる高周波電流と
ほぼ同一の周波数であることを特徴とする請求項1〜請
求項5の何れかに記載の非接触給電装置。
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