JP2002354244A - 光バランスの変化を最小としつつディジタル画像を光フォールオフについて補償する方法 - Google Patents

光バランスの変化を最小としつつディジタル画像を光フォールオフについて補償する方法

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JP2002354244A JP2002101737A JP2002101737A JP2002354244A JP 2002354244 A JP2002354244 A JP 2002354244A JP 2002101737 A JP2002101737 A JP 2002101737A JP 2002101737 A JP2002101737 A JP 2002101737A JP 2002354244 A JP2002354244 A JP 2002354244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力ディジタル画像の画素中の光フォールオ
フを補正するために個々の補償値を与えるときに、個々
の補償値はディジタル画像中のバランスの変化を生じさ
せないような、ディジタル画像の光フォールオフを補償
する画像処理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 バランス値は、ディジタル画像のバラン
スの変化を補正するために決定され、個々の補償値及び
バランス値は、光バランスに対する変化を最小にしつつ
光フォールオフについて補償した補正された画像を与え
るために、入力ディジタル画像の画素に対して適用され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概してディジタル
画像処理の分野に係り、特にディジタル画像のバランス
を保ちつつディジタル画像を光のフォールオフについて
補償するディジタル画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズは、均一に照明された面の像を結
ぶとき、焦点面に不均一な露光を生じさせる。例えば、
均一に照明された光学軸に対して垂直な灰色の壁からの
光は、レンズを通り、中心において最も明るく半径方向
に暗くなる像を形成する。レンズが理想的な薄いレンズ
である場合、像の光の強度はレンズの光学軸と像平面の
点の間の角度のcosで表わされる。この現象の可視
の効果はフォールオフ(falloff)と称される。
【0003】更に、フラッシュフォールオフ及び口径食
といった他の因子も、画像上に可視となることが多いフ
ォールオフ現象の一因となる。口径食は、光学系を通る
光線が損失したことを表わす性質である。フラッシュフ
ォールオフは、近傍の人口光源の指向性照明に固有の現
象である。
【0004】従来技術では、捕捉時に生ずるフォールオ
フについて画像を補償する方法の幾つかの例が知られて
いる。Toyoda外による米国特許第5,461,440号
では、画像が捕捉されると同時にフィルム上にカメラ識
別コードを記録する方法が開示されている。識別コード
は、レンズ情報(焦点距離、焦点、及び開口値)を特定
するものである。識別コードは、ディジタル処理中に、
ルックアップテーブルを用いて画像に適用されるべき所
望の補正レベルに変換される。
【0005】しかしながら、このような情報を写真フィ
ルム上に記録するのは必ずしも実際的はなく、また必ず
しも可能でない。従って、画像捕捉時にカメラの光学系
についてあまり知識を有さずとも捕捉されるシーン中の
レンズのフォールオフのレベルについて補償する方法が
必要とされる。
【0006】更に、共通に譲受され参照として本願に組
み入れられる同時係属中の米国特許出願第09/29
3,197号("A Method for Compensating Digital I
magesfor Light Falloff and an Apparatus Therefo
r")において、Gallagher及びGindeleは、ディジタル画
像にフォールオフ補償を適用する方法を記載している。
補償は、フォールオフ補償関数及びフォールオフ補正パ
ラメータに基づいてディジタル画像の各画素についての
個々の補償値を決定することによって行われる。しかし
ながら、Gallagher及びGindeleによって開示されたフォ
ールオフ補償方法は、ディジタル画像中のフォールオフ
を補正することに成功しているが、補正されたディジタ
ル画像は元のディジタル画像よりも明るく見えてしま
う。これは補償の望ましくない副次的な悪い効果であ
る。例えば、正しいバランスを有すると見えたディジタ
ル画像がフォールオフについて補償されると、補償され
たディジタル画像は明るすぎて見えることとなる。更
に、補正されたディジタル画像の明るさの度合いは、フ
ォールオフ補償関数及びフォールオフ補正パラメータに
依存する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、上述の欠点を
克服する必要がある。特に、補償されたディジタル画像
のバランスが元のディジタル画像のバランスと同様であ
るようディジタル画像にフォールオフ補償を適用する必
要性がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の1つ以
上の問題を克服する方法を提供することを目的とする。
概説するに、本発明の1つの面によれば、本発明は、画
素からなる入力ディジタル画像を与える段階と、1以上
の画素の光フォールオフを補正するために個々の補償値
を与え、それにより個々の補償値はディジタル画像のバ
ランスの変化を生じさせる段階と、ディジタル画像のバ
ランスの変化を補正するバランス値を決定する段階と、
光バランスの変化を最小としつつ光フォールオフについ
て補償された補正された画像を与えるために、入力ディ
ジタル画像の1以上の画素に対して個々の補償値及びバ
ランス値を適用する段階とを含む、ディジタル画像中の
光フォールオフを補償する画像処理方法である。
【0009】本発明の更なる面では、個々の補償値を与
える段階は、ディジタル画像中の位置に依存して変化す
るフォールオフ補償情報を与える段階と、1以上の画素
のための個々の補償値を発生するために上記フォールオ
フ補償情報を用いる段階とを含む。或いは、個々の補償
値を与える段階は、ディジタル画像中の位置に依存して
変化するフォールオフ補償マスクを与える段階と、1以
上の画素に対して個々の補償値を生成するためにフォー
ルオフ補償マスクを使用する段階とを含みうる。バラン
ス値を決定する段階は、バランス値を決定するためにフ
ォールオフ補償情報又はフォールオフ補償マスクのいず
れかを使用する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の上述及び他の面、対象、
特徴、及び利点については、以下の望ましい実施例の詳
細な説明を読み、添付の図面を参照することによってよ
りよくされよう。様々な形式の画像補償を用いる画像処
理の方法及びシステムが周知であるため、本願では特に
本発明による方法の一部であるかより直接的に協働する
特性について説明するものとする。本願において特に図
示しない又は詳述しない特性は、従来技術において知ら
れているものから選択されうる。以下の説明では、本発
明の望ましい実施例は通常はソフトウエアプログラムと
して実施されるが、当業者はかかるソフトウエアと同等
のものがハードウエアとして構築されうることを容易に
認識するであろう。以下に記載する本発明によるシステ
ムが与えられているとき、本発明の実施に有用であり本
願に特に図示、提案、又は説明されていないソフトウエ
アは従来通りであり、かかる技術における通常の技術で
あるとする。本発明がコンピュータプログラムとして実
施されるとき、プログラムは、例えば、磁気ディスク
(フロッピー(登録商標)ディスク又はハードドライブ
等)又は磁気テープといった磁気記憶媒体、光ディス
ク、光テープ又は機械読取り可能な光記憶媒体、ランダ
ムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ
(ROM)といった半導体電子記憶装置、又はコンピュ
ータプログラムを格納するために使用される他の物理的
装置又は媒体といった従来のコンピュータ読み取り可能
な媒体に記憶されうる。
【0011】図1は、従来技術のフォールオフ補償を実
行するための方法を示す図である。尚、本発明は一般的
に、赤、緑及び青の画素値の2次元配列又は光の強度に
対応する単色画素値の配列のディジタル画像を使用す
る。ディジタル画像は、更なる処理のために用いられる
ディジタル画像データの形式である。ディジタルカメラ
(図示せず)は、ディジタル画像のための源でありう
る。或いは、ディジタル画像は、アドバンスド・フォト
・システム(APS)(R)フィルム、35mmフィル
ム又は任意の他のフィルムフォーマット等の従来の写真
フィルムを走査することによって生成されうる。従っ
て、実際は、ディジタル画像を捕捉するために一巻きの
フィルムの少なくとも1つのフィルムフレームがディジ
タル化手段による処理を受ける。或いは、ディジタル画
像は、ハードコピー画像といった他の画像を走査するこ
とによって生成されうる。いずれの場合も、ディジタル
画像データはフォールオフ補償部へ与えられる。フォー
ルオフの補償の後、レンダリング手段は、表示又は印刷
のために使用されうる最終画像、即ち、フォールオフ補
償された画像を形成する。
【0012】本発明によって示される画像データのメト
リックは、対数露光であると想定される。入力画像の画
像データのメトリックが実際には露光に対して線形に関
連する場合は、本発明の他の実施例が実施されうる。デ
ィジタル画像の画像データが露光に対して対数的に関連
しない場合、画像は変形により対数露光に関連するメト
リックへ変換されうる。1つのメトリックから他のメト
リックへ変換するために使用されるかかる変形は画像処
理の技術において周知である。
【0013】上述のように、理想的な薄いレンズは、均
一に照明された面の像を結ぶときは焦点面において不均
一な露光を生成する。
【0014】光のフォールオフはレンズのフォールオフ
によって生ずる場合があり、撮影時にフラッシュが使用
された場合はフラッシュのフォールオフによっても生ず
る場合がある。ディジタル画像中の光のフォールオフ
は、ディジタル画像の画素値に変更を加えることによっ
て補償される。まず、ディジタル画像の少なくとも一部
に対応する複数の画素値が補償部に与えられる。上述の
ように、様々なロールフィルムの種類(アドバンスド・
フォト・システム又は35mm)又はディジタルカメラ
或いはスキャナといったディジタル画像の源が使用され
うる。
【0015】図1に示すように、公知のフォールオフ補
償部10は、ディジタル画像の各画素に対する個々の補
償値を決定し適用するためにフォールオフ補償情報20
を受信する。ディジタル画像が対数露出に比例するメト
リックであると想定すると、各補償値はディジタル画像
の各画素に加えられる値である。フォールオフ補償部1
0へのディジタル画像入力は、a(x,y)と表わすこ
とができ、但し、0<=x<r及び0<=y<cであ
り、r及びcは、ディジタル画像中の行と列の数を夫々
示す。ディジタル画像の任意の1つのサンプルa
(x0,y0)はディジタル画像の1つの画素を表わす。
個々の補償値の集合はfcm(x,y)と表わされ、フ
ォールオフ補償マスクと称される。このように、個々の
補償値はディジタル画像中の位置(x,y)によって変
化する。実際に、fcm(x,y)が定数である(位置
によっては変化しない)場合は、フォールオフ補償部1
0はディジタル画像a(x,y)をそのフォールオフに
ついては補償しない。ディジタル画像が対数露光に比例
するメトリックで表わされる場合、フォールオフ補償部
10は各補償値に対してディジタル画像中の対応する画
素を加えることが望ましい。これは、以下の式、 b(x,y)=a(x,y)+fcm(x,y) 式(1) で表わされ、ただし、b(x,y)は補正されたディジ
タル画像を示す。ディジタル画像a(x,y)が各
(x,y)画素位置において多数の色から構成される場
合、個々の補償値fcm(x,y)はディジタル画像a
(x,y)の各色と組み合わされることが望ましい。当
業者は、ディジタル画像a(x,y)が(対数露光では
なく)露光に比例するメトリックで表わされる場合、補
正されたディジタル画像をフォールオフ補償部10によ
って生成するために用いられる式は、 b(x,y)=a(x,y)*fcm(x,y) 式(2) である。
【0016】本願の詳細な説明を通じて、ディジタル画
像のメトリックは対数露光に比例すると想定されるべき
である。当業者は、上述の方法を例えば露光に比例する
メトリック又はガンマメトリックといったメトリックに
容易に変更しうる。尚、本願の詳細な説明では、ディジ
タル画像の一部はそれ自体がディジタル画像である。
【0017】フォールオフ補償部10には、フォールオ
フ補償情報20が供給され、その夫々から個々の補償値
が導出される。フォールオフ補償情報20は、幾つかの
形式をとりうる。第1の場合、フォールオフ補償情報2
0は単にディジタル画像と同じディメンションのフォー
ルオフ補償マスクである。この場合、補正されたディジ
タル画像は式1によって容易に計算されうる。フォール
オフ補償マスクは、例えば式を評価すること又はターゲ
ットを走査することといった他の任意の方法によって外
部的に作成されうる。第2の場合、フォールオフ補償マ
スクはディジタル画像とは異なるディメンションを有し
うる。これは、装置が多くの解像度の画像入力を受信し
うる場合、又は低解像度のフォールオフ補償マスクを格
納することが望ましい場合に生ずることが多い。第2の
場合は、フォールオフ補償マスクは、ディジタル画像と
同数の行及び列を含むよう補間及び/又はクロッピング
されうる。望ましい第3の場合は、フォールオフ補償部
10にフォールオフ補償関数及び適当なパラメータ値が
供給される。すると、フォールオフ補償部10は、ディ
ジタル画像中の各画素位置に対して供給されたパラメー
タ値を用いてフォールオフ補償関数を評価する。従来技
術(本願に参照として組み入れられる共通に譲渡された
同時係属中の2000年7月27日出願の米国特許出願
第09/626,882号「A Method and System for
Automatically Determining a Levelof Light Falloff
in an Image」に記載)の望ましい実施として、Gallagh
erはフォールオフ補償部へ与えられる以下のフォールオ
フ補償関数、
【0018】
【数1】 を記載しており、ただし、dはディジタル画像の中心か
らの(x,y)位置であり、cvsは露光のストップ当
たりのコード値の数(cvsは露光対数メトリックの尺
度を示し、望ましい値は188である)である。パラメ
ータfは、フォールオフ補償部がフォールオフを補正す
るレンズの焦点距離を(ピクセルで)表わす。
【0019】更に、変数fを、以下の式、
【0020】
【数2】 により計算することができ、ただし、dmaxは位置
(0,0)(又はディジタル画像の任意のコーナー)か
らディジタル画像の中心への距離をピクセルで表わした
ものである。距離d及びdmaxは以下の式、
【0021】
【数3】 により計算されうる。
【0022】すると、変数fはフォールオフ補償マス
クfcm(x,y)の単一の自由なパラメータを表わ
す。この補正パラメータfは、ディジタル画像の中心
に対するディジタル画像のコーナーの画素に適用された
補正のストップの数を示す。従って、ディジタル画像の
中心(fcm(r/2),(c/2))におけるfcm
(x,y)の値は0であり、ディジタル画像のコーナー
(例えばfcm(0,0))のコーナーにおけるfcm
の値はf*cvsである。このように、フォールオフ
補償関数(望ましくは式(3)−(6))によって示さ
れる)と適当なパラメータ値fを与えることにより、
フォールオフ補償部10は個々の補償値を決定すること
ができる。尚、補正されたディジタル画像を作成するた
めに式(1)を実施するとき、完全なフォールオフ補償
マスクは単一の時点においては存在しえない。上述の共
通に譲渡された同時係属中の米国特許出願第09/29
3,197号は、fの値を自動的に選択する方法につ
いて記載している。更に、上述の共通に譲渡された同時
係属中の米国特許出願第09/626,882号は、f
の値を自動的に選択する方法について記載している。
【0023】図2は、従来技術において知られているフ
ォールオフ補償マスクの図式的な例を示す。最小値はマ
スクの中央で生じ、最大値はマスクのコーナーのうちの
1つで生ずる。式(1)で示されるようなフォールオフ
補償マスクを適用することにより、ディジタル画像はフ
ォールオフについて補正される。
【0024】図3Aは、フォールオフのあるディジタル
画像の例を示す図である。図3Bは式(3)乃至(6)
によって示されるフォールオフ関数とf=3.5の値
と共に式(1)を用いて出力されるフォールオフ補償部
10からの補正されたディジタル画像を示す。補正され
たディジタル画像は、明らかにフォールオフがなく、均
一な照明を示す。しかしながら、図3Bの補正されたデ
ィジタル画像はバランスが明るく見える。フォールオフ
補償関数の最小値は0であるため、fcm(x,y)の
平均値は0よりも大きい。このように、補正されたディ
ジタル画像の平均値はディジタル画像の平均値よりも大
きい。言い替えれば、フォールオフ補償部10によって
フォールオフ補償マスクをディジタル画像に適用するこ
とにより、そのバランスが変更される。これはフォール
オフ補償の望ましくない性質である。
【0025】ここで図4を参照するに、上述のフォール
オフ補償は、本発明によれば上述のようなフォールオフ
補償によって生ずるバランスの問題について補正するこ
とによって変更される。更に特定的には、図4は、フォ
ールオフ補償部が、元のディジタル画像と補正されたデ
ィジタル画像との間のバランスの差を最も小さくしつつ
ディジタル画像にフォールオフ補償を適用しうる方法を
示す。
【0026】上述と同様、フォールオフ補償部40は、
フォールオフ補償を必要とするディジタル画像と、フォ
ールオフ補償情報20とを入力する。更に、フォールオ
フ補償部40は、上述のようにフォールオフ補償によっ
て引き起こされるバランスの変化に対抗するバランス値
Qを入力する。バランス値Qは、ディジタル画像a
(x,y)中の位置に依存しない。望ましい実施例で
は、フォールオフ補償部40は、(式(1)ではなく)
以下の式、 b(x,y)=a(x,y)+fcm(x,y)+Q 式(7) に従ってディジタル画像の各画素に対してバランス値及
び個々の補償値を適用することによってフォールオフ補
償を行う。画像a(x,y)が露光メトリックで表わさ
れる場合、Qは式(7)で示される加法項ではなく乗算
係数で表わされる。
【0027】バランス値Qは、フォールオフ補償情報2
0を解析することによって決定される。バランス値決定
部30は、フォールオフ補償情報20を入力として受け
取り、バランス値Qを出力する。多くの方法はフォール
オフ補償情報20からバランス値Qを決定するために使
用されうる。望ましい実施例では、バランス値Qは以下
の式、
【0028】
【数4】 によって決定される。式中、バランス値Qは、図5に示
されるフォールオフ補償マスクfcm(x,y)の中央
部分60の負である。このQの選択には幾つかの理由が
ある。まず、このQでフォールオフ補償マスクを適用す
ることにより、ディジタル画像の中央部分60の平均と
補正されたディジタル画像が等しくなることが確実とな
る。また、画像の被写体が中央に近いと想定すると、画
像の中央部分の平均を残すことはバランスの保存に対す
る理にかなった段階である。変数Sは、図5に示される
ような、中央部分60の大きさを、ディジタル画像50
全体のうち中央部分60にある画素の割合として示した
ものである。S=100のとき、Qはfcm(x,y)
の平均に等しい。
【0029】Sの望ましい値は35である。この値のS
はfの値には依存せず、バランス値決定部30によっ
て実施されるQに対する式(8)の選択が良いことを示
す。図6は、補償補正パラメータfの値の選択に対す
るバランス値Qの値を示すグラフである。尚、Qの値は
常に負である。更に、Qは単調であり、fが増加する
につれ減少する。
【0030】他の実施例として、代数の分野の当業者
は、図1に示される方法と式(1)を用いて補正された
ディジタル画像を作成することによって、同じ定数Qが
得られることを認識するであろう。Qは、ディジタル画
像の中央部分の平均とフォールオフ補償部10から出力
される補正されたディジタル画像との差をとることによ
り見つけられうる。尚、この方法は望ましい実施例より
も効率は低いが、Qについて得られる計算された値は同
じである。バランス値Qは、本発明の望ましい実施例を
用いてフォールオフ補償部40から出力されるディジタ
ル画像に等しい画像を生成するためにフォールオフ補償
部10から出力される補正されたディジタル画像出力に
対して適用されうる。このような変更は上述の本発明に
等しく、明らかに望ましい実施例と同様の効果を生じさ
せ、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0031】図7A及び図7Bは、Sの望ましい値が3
5であると決定するのに用いられた方法を示す図であ
る。2つの処理パスについて比較する。図7Aに示す第
1の処理パスは、画像バランスを識別するためにシーン
バランスアルゴリズム70に入力されるディジタル画像
a(x,y)を示す。シーンバランスアルゴリズム70
は、ディジタル画像の解析を行ない、第1の画像バラン
スBを決定する。シーンバランスアルゴリズムは、例
えば、本願に参照として組み入れられ共通に譲受された
D.Cokにより1990年7月31日発行の「Appara
tus and Accompanying Methods for Achieving Automat
ic Color Balancing in a Film to VideoTransfer Syst
em」なる名称の米国特許第4,945,406号に記載
されている。
【0032】図7Bに示す第2の処理パスでは、ディジ
タル画像はフォールオフ補償マスク40に入力され、補
正されたディジタル画像が生成される。次に、ディジタ
ル画像は、第2の画像バランスBを出力する同一のシ
ーンバランスアルゴリズム70へ入力される。フォール
オフ補償部40によって行われるフォールオフのための
補償の方法がディジタル画像のバランスを変更しなけれ
ば、BはBと略等しくなる。このように、Sの値
は、BとBの間の差が多数の画像に亘って最小とさ
れるまで変更される。更に、Sの値は、BとBの間
の差がfの多くの値に亘って最小とされるまで変更さ
れる。この分析に基づき、Sの最適値はf の種々の値
に対して35であると決定された。しかしながら、Sの
他の値、例えば画像の25%乃至45%に対応するSの
値もまた満足のいく結果を得られるものであり、本発明
はSの特定の値に限られるものではないことが理解され
るべきである。
【0033】本発明は、画像バランスを変更することな
く画像にフォールオフ補償を適用する方法を示す。本質
的には、シーンバランスアルゴリズム70がフォールオ
フ補償部40の出力に適用される最終的な結果は図7B
のパスと同様である。しかしながら、本発明は、追加的
な段階であるシーンバランスアルゴリズム70が必要と
されないという利点を有する。
【0034】最後に、本発明の有効性を示し、図3A及
び図3Bに示す画像と比較して、図8は、ディジタル画
像のバランスを維持し、少なくとも影響を最も少ないよ
うにしつつ、フォールオフ補償部40によってフォール
オフ補償が行われる本発明の方法(図4と式(7)及び
(8)に示す)によって生成される補正されたディジタ
ル画像を示す図である。例えば、図8に示される画像
は、図3Bよりもはっきりと白いシャツの細部と顔を示
す。
【0035】尚、この実施例は、ディジタル画像入力に
関して説明されたが、この実施例から実質的に逸脱する
ことなく本願の含まれる実施例に対する種々の変更がな
されうる。例えば、本願に参照として組み入れられ同時
係属中のA.Gallagher及び及びE.Gindeleにより2000
年8月22日に出願された「System and Method forLig
ht Falloff Compensation in an Optical System」なる
名称の米国特許出願第09/643,544号に記載
の、マスキングユニットとしてのLCDを含む標準的な
アナログプリンタ上で、本実施例と同様の技術を行なう
ことが可能である。
【0036】本発明の全体的な技術は上記の通りであ
り、本発明は当業者によって知られている任意の数の異
なる種類のシステム及び任意の数の異なる方法で実施さ
れうる。例えば、図9に示すように、本発明による情報
処理/コンピュータシステムの一般的なハードウエア形
態は、少なくとも1つのプロセッサ又は中央処理装置
(CPU)100を有する。CPU100は、システム
バス101を介して、ランダムアクセスメモリ(RA
M)102、読み出し専用メモリ(ROM)103、
(ディスクユニット105及びテープドライブ106と
いった周辺装置をバス101に接続するための)入力/
出力(I/O)アダプタ104、(情報処理システムを
データ処理ネットワークに接続するための)通信アダプ
タ107、(キーボード、マウス、ディジタル画像入力
ユニット(例えばスキャナ)、マイクロホンスピーカ及
び/又は他のユーザ装置といった周辺機器109、11
0、111をバス101に接続するための)ユーザイン
タフェースアダプタ108、プリンタ112、及び(バ
ス101をディスプレイ装置114に接続するための)
ディスプレイアダプタ113に相互接続される。本発明
は、例えば記憶装置105上に格納されたコンピュータ
プログラムに本発明の方法を入れることにより図9に示
す構造を用いることで実施されうる。このようなコンピ
ュータプログラムは、インタフェースアダプタ108又
はネットワーク接続107を通じて供給される、又はデ
ィスクユニット105上記格納された一連の画像フレー
ムに対して作用する。システムは、プリンタ112を通
じて又はネットワーク107へ戻ったディスプレイ11
4上に所望のフォールオフ補償されたディジタル画像を
自動的に生成する。
【0037】
【発明の効果】本発明の主な利点は、補償されたディジ
タル画像のバランスが元のディジタル画像のバランスと
同様であるようディジタル画像に対してフォールオフ補
償が適用され、従って更に満足のいく結果が得られるこ
とである。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォールオフ補償を行うための従来技術による
方法を示すブロック図である。
【図2】図1に示される公知の方法によって与えられる
種類のフォールオフ補償マスクを3次元的に示す図であ
る。
【図3A】フォールオフ補償を必要とするディジタル画
像を必要とする図である。
【図3B】従来技術の方法によって補正された不自然に
明るいディジタル画像を示す図である。
【図4】本発明によるディジタル画像のバランスの変化
を最小限としつつフォールオフ補償を行う方法を示すブ
ロック図である。
【図5】本発明によるディジタル画像のバランスの変化
を最小限としつつフォールオフ補償を行うために使用さ
れるディジタル画像全体のうちの中央部分を示す図であ
る。
【図6】本発明により計算されるバランス値Qと補償補
正パラメータfとの間の関係を示す図である。
【図7A】画像バランスB1を決定する第1のパスを示
す図である。
【図7B】画像バランスB2を決定する第2のパスを示
す図である。
【図8】本発明の方法によって生成される補正されたデ
ィジタル画像を示す図である。
【図9】本発明を実施するためのコンピュータシステム
を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 フォールオフ補償部 20 フォールオフ補償情報 30 バランス値決定部 40 フォールオフ補償部 50 ディジタル画像全体 60 中央部 70 シーンバランスアルゴリズム 100 CPU 101 バス 102 RAM 103 ROM 104 I/Oアダプタ 105 ディスクユニット 106 テープドライブ 107 通信アダプタ 108 インタフェースアダプタ 109 キーボード 110 マウス 111 ディジタル画像入力ユニット 112 プリンタ 113 ディスプレイアダプタ 114 ディスプレイ装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素からなる入力ディジタル画像を与え
    る段階と、 1以上の画素の光フォールオフを補正するために個々の
    補償値を与え、それにより個々の補償値はディジタル画
    像のバランスの変化を生じさせる段階と、 上記ディジタル画像のバランスの変化を補正するバラン
    ス値を決定する段階と、 上記光バランスの変化を最小としつつ光フォールオフに
    ついて補償された補正された画像を与えるために、上記
    入力ディジタル画像の上記1以上の画素に対して個々の
    補償値及びバランス値を適用する段階とを含む、 ディジタル画像中の光フォールオフを補償する画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】 上記個々の補償値を与える段階は、 上記ディジタル画像中の位置に依存して変化するフォー
    ルオフ補償情報を与える段階と、 上記1以上の画素のための個々の補償値を発生するため
    に上記フォールオフ補償情報を用いる段階とを含む、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記バランス値を決定する段階は、バラ
    ンス値を決定するために上記フォールオフ補償情報を用
    いる、請求項2記載の方法。
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