JP2002348764A - 伸縮性不織布の製造方法 - Google Patents

伸縮性不織布の製造方法

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JP2002348764A
JP2002348764A JP2001157101A JP2001157101A JP2002348764A JP 2002348764 A JP2002348764 A JP 2002348764A JP 2001157101 A JP2001157101 A JP 2001157101A JP 2001157101 A JP2001157101 A JP 2001157101A JP 2002348764 A JP2002348764 A JP 2002348764A
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Hideyuki Tsujimura
英之 辻村
Nobuhiro Matsunaga
伸洋 松永
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Unitika Fibers Ltd
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Unitika Fibers Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低目付、低コストでかつ優れた伸縮性を有す
る短繊維不織布の製造方法を提供する。 【解決手段】 170℃の自由収縮熱処理により30ケ
/2.5cm以上のスパイラル捲縮を発現する潜在捲縮
能を有し、かつ2次元の機械捲縮を有する短繊維を含有
するウェブに熱エンボス処理を施すことにより、部分的
熱圧着部を形成させて不織布化するとともに潜在捲縮を
顕在化させることを特徴とする伸縮性不織布の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自由収縮熱処理に
より捲縮を発現しうる潜在捲縮能を有する繊維を含有す
る伸縮性短繊維不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、伸縮性短繊維不織布としては、医
薬用の貼布材の基布に使用されている伸縮性短繊維不織
布が知られており、これは、潜在捲縮能を有する短繊維
を使用して、通常のカーディングによりウエブを得た
後、ニードルパンチあるいはスパンレース処理を施して
繊維同士を交絡させ、次いで、熱処理を行って、潜在捲
縮を顕在化させるものである。
【0003】最近、このような伸縮性を有する短繊維不
織布の分野において、より目付を小さくして厚みを規制
し、かつ強力を向上させたものが望まれてきている。
【0004】強力を向上させる方法としては、ニードル
パンチのパンチ密度を上げて、繊維の交絡度合いを上げ
ることが考えられる。しかし、ニードルパンチ処理は、
目付100g/m2程度以上の高目付のウエブを作成す
るには適しているが、100g/m2未満の低目付のウ
エブには適さず、パンチ密度を上げても繊維同士の交絡
度合いは向上しない。
【0005】また、スパンレース処理においても、高圧
液体流の水圧を向上させることにより繊維の交絡度合い
を向上させることが考えられるが、水圧が高くなりすぎ
ると、繊維が受けるダメージが大きくなり、逆に繊維自
体の強度が落ちて、不織布強力が向上しない。
【0006】また、バインダー繊維を混綿して、潜在捲
縮能を顕在化する際の熱処理時に熱融着させて、不織布
強力を向上させる方法も考えられる。しかし、この方法
では、溶融したバインダー繊維が繊維同士を接着して、
交絡構造が固定されるため、潜在捲縮能を有する繊維
は、十分に収縮することができず、目的とする優れた伸
縮性が得られない。また、コストがかかるという問題が
生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
を鑑み、低目付、低コストでかつ優れた伸縮性と実用的
な強力を有する伸縮性短繊維不織布の製造方法を提供す
ることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明は、自由収縮熱処理によ
りスパイラル捲縮を発現しうる潜在捲縮能を有し、かつ
2次元の機械捲縮してなる短繊維を含有するウェブに熱
エンボス処理を施すことにより、部分的熱圧着部を形成
させて不織布化するとともに潜在捲縮を顕在化させるこ
とを特徴とする伸縮性不織布の製造方法を要旨とするも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明においては、自由収縮熱処理により
スパイラル捲縮を発現する潜在捲縮能を有する短繊維を
原料として使用する。発現する捲縮については、170
℃の自由収縮熱処理により30ケ/2.5cm以上のス
パイラル捲縮、すなわち、コイル状の三次元的な捲縮を
発現することが好ましい。
【0012】この値は、通常の捲縮数に較べ数倍以上に
多いもので、非常に細かい捲縮が数多く発現し、微細捲
縮繊維ともいえるものである。本発明においては、この
値を30ケ/2.5cm以上とすることにより、熱処理
を施した際に十分な捲縮を発現させることを可能とし、
また、このような繊維を使用した不織布に優れた伸縮性
や風合いを具備させることができる。
【0013】本発明において、上記潜在捲縮能を有する
繊維としては、熱収縮特性の異なる2種の重合体成分
が、偏芯的またはサイドバイサイドに接合した複合繊維
が挙げられ、その2種の重合体成分の種類および重合
度、粘度等の組合せを適宜選択することにより、本発明
が目的とするスパイラル捲縮を有する繊維を得ることが
できる。
【0014】潜在捲縮能を有する繊維を構成する重合体
としては、ポリエステル系重合体を用いることが好まし
い。潜在捲縮能を有する繊維を構成する2種のポリエス
テル系重合体としては、例えば、複合繊維の一方を構成
するポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを
好ましく用いることができる。一方、複合繊維の他方を
構成するポリエステルとしてはエチレンテレフタレート
単位を主体とし、イソフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコールなどの共重合成分を単独あるいは2種
以上を組み合わせて2〜20モル%共重合したものを好
ましく用いることができる。
【0015】また、潜在捲縮能を有するポリエステル繊
維の断面形態は、丸断面であっても異型断面であっても
よく、また、中空部を有する中空断面であってもよい。
【0016】潜在捲縮能を有する繊維の単糸繊度は、特
に限定されるものではなく、用途による要求特性により
適宜選択すればよい。一般には、1〜20デシテックス
のものが用いられる。
【0017】本発明の潜在捲縮能を有する繊維は、2次
元の機械捲縮を有するものである。機械捲縮を有する繊
維は、捲縮を伸ばした状態の繊維長と、見かけの繊維長
(捲縮により縮れた状態の繊維の長さ)とに差がある。
このような機械捲縮してなる短繊維を、後述するよう
に、堆積してウエブ化し、熱エンボス処理を施して部分
的熱圧着部により、繊維を固定した場合に、図1の熱エ
ンボス処理してなる不織布の拡大模式図に示すように、
熱圧着部間の距離Dよりも、捲縮を伸ばした状態の繊維
の長さが長くなる。これは、熱圧着部に固定された短繊
維は、熱圧着部間において、機械捲縮を有することによ
り、いわゆる「たるみ」を有する状態となっている。
【0018】潜在捲縮能が顕在化する際に、短繊維は、
コイル状の微細捲縮が発現することによって、見かけの
繊維長がより小さくなる。本発明においては、熱圧着部
間において、短繊維は、機械捲縮による「たるみ」が存
在することによって長さに十分な余裕があるため、部分
的熱圧着部による固定により制限されることなく、自由
に収縮することができ、本発明が目的とするコイル状の
微細捲縮を発現し、不織布に十分な伸縮性を付与するこ
とができる。
【0019】本発明が目的とする潜在捲縮能を十分に顕
在化させて、優れた伸縮性の不織布を得るためには、機
械捲縮を引き伸ばした状態の繊維長L0と見かけの繊維
長L1との比が、L0/L1が1.1以上であることが好
ましい。より好ましくは、1.15以上である。
【0020】また、潜在捲縮能を有する繊維は、着色剤
を含有してなる、いわゆる原着繊維であってもよい。こ
こで使用される着色剤は特に制限はなく、その添加方法
はポリマーの合成中あるいはチップ化するまでの段階、
あるいはチップ化したあとに再度溶融混和して再チップ
化することによって得られる。着色剤としてはアゾ系あ
るいはアンスラキノン系などの有機顔料、あるいはカー
ボンブラック、チタン系の無機顔料または染料のいずれ
でもよく、また、その混合物であってもよい。所望する
色彩、使用するポリマーの種類、目標とする耐光性のレ
ベル(変腿色堅牢性)、および製糸安定性を考慮して適
宜選択することができる。該着色剤は、慣用の量で用い
ることができる。
【0021】本発明に用いる潜在捲縮能を有する繊維
は、概ね従来技術を踏襲した方法によって製造すること
ができる。
【0022】まず、汎用の複合溶融紡糸装置を用いて紡
糸する。紡糸に際し、安定剤、蛍光剤、強化剤などを共
存させてもよい。着色剤を含有させた原着繊維とする場
合は、紡糸する前に着色剤をそのまま供給してもよく、
また未着色のポリマーで希釈して使用する、いわゆるマ
スターチップとして使用してもよい。マスターチップと
して使用する場合は、1種または2種以上の原着マスタ
ーチップと未着色のレギュラーチップを混合装置で混合
してもよく、また1種または2種以上の原着マスターチ
ップと未着色のレギュラーチップを別々に溶融した後、
エクストルーダーなどの混練装置またはスタティクミキ
サーなどの混練装置により混合してもよい。ポリエステ
ル繊維を構成する2種の成分において、原着ポリエステ
ルを用いる成分は特に限定するものではなく、一方ある
いは両方に着色剤を添加してもよい。
【0023】紡出された繊維は、必要に応じて連続的ま
たは別工程で延伸、熱処理されるが延伸、熱処理条件に
よっても繊維の潜在捲縮能の度合いをコントロールする
ことができる。
【0024】次いで、潜在捲縮繊維に、油剤を付与し
て、クリンパーにて機械捲縮を付与する。油剤として
は、用途等に応じて適宜選択すればよいが、得られる不
織布のファスナー現象(不織布同士が面的に接合して離
れにくくなる現象)を抑制し、取扱い性が良好となるよ
うに、繊維/繊維間の静摩擦係数を小さくする、好まし
くは静摩擦係数が0.2以下にするような油剤を付与す
ることが好ましい。このような油剤としては、シリコー
ン系油剤やポリエーテル系油剤が挙げられる。
【0025】クリンパーにて付与する機械捲縮数は、5
〜20ケ/2.5cm程度とすることが好ましい。な
お、機械捲縮の大きさにもよるが、上述したL0/L
1(機械捲縮を伸ばした状態の繊維長L0と見かけの繊維
長L1との比)が、1.1以上となるように機械捲縮を
付与することが好ましい。
【0026】機械捲縮を付与した後、所望の長さに、好
ましくは30〜100mmの長さにカットして、潜在捲
縮能を有する繊維を得ることができる。
【0027】本発明においては、上記した機械捲縮して
なり、かつ特定の潜在捲縮能を有する短繊維を含有する
ウエブを作成する。ウエブ作成においては、通常の梳毛
機によりカーディングを行ってウエブを作成すればよ
い。
【0028】ウエブは、潜在捲縮能を有する短繊維のみ
からなるものであることが最も好ましいが、ウエブ中に
潜在捲縮能を有する短繊維を20質量%以上の混率で混
綿することにより、本発明が期待する効果を奏すること
ができる。
【0029】ウエブに含有させる潜在捲縮能を有する短
繊維以外の他の繊維としては、バインダー性能を有する
低融点バインダー繊維、あるいは通常の合成繊維、もし
くは天然繊維、再生繊維等いずれのものであってもよ
い。
【0030】ウエブの目付としては、70g/m2以下
が好ましい。70g/m2を超えると、ウエブの厚みが
大きくなるため、熱エンボス処理を施した際に熱圧着部
においてウエブの内層部まで繊維同士が十分に接着され
にくく、不織布の形態保持性が劣る傾向となる。
【0031】次いで、得られたウェブに、熱エンボス処
理を施す。熱エンボス処理は、一対のエンボスロールか
らなるエンボス装置、またはエンボスロールと平滑ロー
ルとからなるエンボス装置にウエブを通布することによ
って行うことができる。エンボスロールおよび平滑ロー
ル共に金属からなるものが好ましく、両ロールとも、加
熱してなることが好ましい。エンボスロールの彫刻模様
については、円形、四角形、十字等が散点状に形成され
たものであっても、ストライプ状、格子状のものであっ
てもよい。
【0032】ロールの設定温度としては、ウエブを構成
している繊維の重合体の融点や、潜在捲縮の発現性等を
考慮して、適宜選択すればよいが、ウエブを構成する繊
維の重合体のうち、最も融点(融点がないものについて
は軟化点)が低い重合体の融点をTm℃としてときに、
(Tm−80)℃〜Tm℃の範囲とすることが好まし
い。
【0033】本発明においては、ウエブに熱エンボス処
理を施すことによって、部分的熱圧着部を形成させて不
織布化するとともに潜在捲縮能を顕在化させる。
【0034】ウエブを熱エンボス装置に通布した際に、
エンボスロールの凸部に当接する部位の繊維が溶融また
は軟化して、部分的熱圧着部を形成する。部分的熱圧着
部により、短繊維同士が固定され、形態保持することが
可能となり、不織布化される。
【0035】また、ウエブが熱エンボス装置のロール間
に導入する寸前のロールの余熱により、繊維の潜在捲縮
能が顕在化し始め、エンボスロールの凸部以外の部分
(凹部に相当する部分)に相当する繊維は、凹部からの
放射熱が与えられることにより、スパイラル捲縮を発現
する。
【0036】エンボスロールの凹部に相当する部位の繊
維ウエブは、エンボスロールによって固定されていな
い。そして、潜在捲縮能を有する短繊維は、エンボスロ
ールの凸部により固定されながらも、凹部においては、
機械捲縮を有しているため、潜在捲縮を顕在化させて自
由に収縮できるだけの自由度を保持しており、十分にス
パイラル捲縮を発現することができる。
【0037】また、熱エンボス装置により熱圧着処理さ
れた直後の不織布を、巾方向および長さ方向(機械方
向)共に、張力のかからない弛緩状態にすることが好ま
しい。熱エンボス処理直後の不織布の部分的熱圧着部以
外の部位においては、エンボスロールの凹部の反射熱に
よる余熱によって、潜在捲縮が顕在化し続けている。し
たがって、熱エンボス処理直後の不織布を弛緩状態にす
ることにより、不織布全体により均一にスパイラル捲縮
を発現させることができ、縦方向、横方向共に優れた伸
縮性を有する不織布を得ることができる。
【0038】熱エンボス処理直後の不織布を弛緩状態に
する方法としては、熱エンボス装置への導入速度(導入
ロールの速度)と、処理後の不織布を引取るための引取
り速度(引取ロールの速度)を適宜選択することが挙げ
られる。
【0039】また、本発明においては、熱エンボス処理
を施した後、得られた伸縮性不織布を一対の平滑ロール
からなる熱圧接装置に通布し、熱圧接処理を施すことが
できる。不織布全面を熱により圧接する熱圧接処理によ
り、得られる不織布の両面をより平滑に仕上げることが
でき、ファスナー現象を生じにくくし、不織布強力を向
上させることができる。
【0040】ここで、好適に用いることができる熱圧接
装置としては、一対の金属ロールからなるカレンダー処
理機あるいは、金属ロール/ゴムロールあるいは金属ロ
ール/コットンロールからなる熱ロールプレス機が挙げ
られる。伸縮性を充分に残すという点では金属ロール/
ゴムロールからなる熱ロールプレス機を使用することが
好ましい。
【0041】また、上記の方法により得られた伸縮性不
織布を、さらに弛緩熱処理を施して、潜在捲縮を顕在化
させてもよい。
【0042】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値の測定法は、次のとおりである。 (1) 相対粘度:フエノールと四塩化エタンの等重量
混合物を溶媒とし、試料濃度0.5g/デシリットル、
温度20℃で測定した。 (2) 潜在捲縮能(ケ/2.5cm):繊維を170
℃×5分間、自由に収縮しうる状態で熱処理した後、J
IS L−1015 7・12・1の方法に準じて捲縮
数を測定した。 (3)機械捲縮を引き伸ばした状態の繊維長L0(m
m):試料15本を用意し、JIS L 1015
7.12.2 けん縮率および残留けん縮率 記載の方
法における荷重(1テックス当たり4.41mN)をか
けたときの長さを測定し、その平均値を求め、機械捲縮
を引き伸ばした状態の繊維長L0とした。 (4)見かけの繊維長L1(mm):試料15本を用意
し、JIS L 1015 7.12.1 けん縮数
記載の方法における荷重(1テックス当たり0.18m
N)をかけたときの長さを測定し、その平均値を求め、
見かけの繊維長L 1とした。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート(相対粘度1.38、融点
256℃)からなるチップと、エチレンテレフタレート
にイソフタル酸を4モル%とビスフェノールAのエチレ
ンオキシド2モル付加物3モル%とを共重合してなるエ
チレンテレフタレート系共重合ポリエステル(相対粘度
1.45、融点 238℃)からなるチップとを減圧乾
燥した後、溶融させ、通常の複合溶融紡糸装置を使用し
て、2種の成分がサイドバイサイドに複合(質量比1:
1)するように紡糸温度285℃で複合溶融紡糸した。
【0043】紡出糸条を冷却した後、引取速度1000
m/分で引き取って未延伸糸条を得た。得られた糸条を
収束し、延伸倍率3.4倍、延伸温度75℃で延伸し、
110℃のヒートドラムで熱処理してから、押し込み式
クリンパを使用して12ケ/2.5cmの機械捲縮を付
与した後、ジメチルポリシロキサンを主成分とするシリ
コーン系油剤(竹本油脂)を噴霧器で均一に付着させ、
乾燥後、長さ51mmに切断して、単糸繊度2.2dt
ex、単糸強度4.6cN/dtex、単糸伸度40
%、潜在捲縮能が70個/25mm、L0が51mm、
1が40mmの潜在捲縮能を有する短繊維を得た。
【0044】得られた潜在捲縮能を有する短繊維を梳綿
機に通した後、得られたウエブをエンボスロールと平滑
ロールとからなるエンボス処理機(ロール表面温度15
0℃、線圧490N/cm)に通し、厚さ0.7mm、目
付20g/m2の実施例1の不織布を得た。
【0045】得られた不織布は、散点状に存在する部分
的熱圧着部により形態を保持し、部分的熱圧着部以外の
領域では、短繊維が均一に潜在捲縮を発現し、不織布全
体として均一に伸縮し、かつ実用に耐えうる不織布強力
を有する伸縮性不織布であった。また、不織布同士が面
的に接合して外れ難くなるというファスナー現象の少な
いものであった。 実施例2 実施例1において、共重合ポリエステルとして、エチレ
ンテレフタレートにイソフタル酸5モル%とビスフェノ
ールAのエチレンオキシド付加物5モル%を共重合して
なるエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル(相
対粘度1.46、融点230℃)を用いたこと、着色剤
として銅フタロシアニンを使用して、顔料濃度が糸中に
0.2%となるようにしたこと、仕上げ油剤としてアル
キルホスフェートカリウム塩を主成分とする油剤を使用
したこと以外は、実施例1と同様にして潜在捲縮能を有
する短繊維を得た。得られた短繊維は、繊度2.2dt
ex、単糸強度4.5cN/dtex、単糸伸度45
%、潜在捲縮能が72ケ/25mm、L0が51mm、
1が43mmであった。
【0046】また、得られた短繊維を用いて、実施例1
と同様にして、ウエブを作成後、熱エンボス処理を施し
た。その後、熱ロール処理機(鉄ロール/ゴムロール、
鉄ロールの表面温度150℃、線圧392N/cm)に
通して、厚さ0.4mm、目付25g/m2の実施例2の
伸縮性不織布を得た。
【0047】得られた不織布は、散点状の部分的熱圧着
部により形態を保持し、部分的熱圧着部以外の領域で
は、短繊維が均一に潜在捲縮を発現し、不織布全体とし
て均一に伸縮し、かつ実用に耐えうる不織布強力を有す
る伸縮性不織布であった。また、ファスナー現象の少な
いものであった。 実施例3 実施例2において、顔料を用いなかったこと以外は、実
施例2と同様にして潜在捲縮能を有する短繊維を得た。
得られた短繊維は、繊度2.2dtex、単糸強度4.
5cN/dtex、単糸伸度45%、潜在捲縮能が72
ケ/25mm、L0が51mm、L1が41mmであっ
た。
【0048】次いで、得られた潜在捲縮能を有する短繊
維と、コンジュゲート繊維(ユニチカファイバー社製<
38F> 2.2dtex×51mm、単糸強度3.5
cN/dtex、単糸伸度60%)とを、混合比が90
/10(質量%)となるように混綿して梳綿機に通し
た。その後、得られたウエブを実施例1で用いたのと同
様のエンボス処理機(ロール表面温度150℃、線圧4
90N/cm)に通して、厚さ0.5mm、目付25g/
2の実施例3の伸縮性不織布を得た。
【0049】得られた不織布は、散点状の部分的熱圧着
部により形態保持し、部分的熱圧着部以外の領域では、
短繊維が均一に潜在捲縮を発現し、不織布全体として均
一に伸縮し、かつ実用に耐えうる不織布強力を有する伸
縮性不織布であった。また、ファスナー現象の少ないも
のであった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、自由収縮熱処理により
スパイラル捲縮を発現しうる潜在捲縮能を有し、かつ2
次元の機械捲縮を有する短繊維を含有するウェブに熱エ
ンボス処理を施すことにより、部分的熱圧着部を形成さ
せて不織布化するとともに潜在捲縮を顕在化させるた
め、得られた伸縮性不織布は、部分熱圧着部を有してい
るため、実用的な強力を有するものである。
【0051】また、熱エンボス処理によって、不織布化
(部分熱圧着部の形成)すると同時に、潜在捲縮を顕在
化させる処理を行うことができるため、工程数が減り、
コストを抑えて、優れた伸縮性不織布を得ることができ
る。
【0052】また、潜在捲縮能を有する繊維は、2次元
の機械捲縮を有しているので、部分的熱圧着部により固
定されていながら、十分に収縮して潜在捲縮能を顕在化
し、スパイラル捲縮を発現することができる。
【0053】本発明の製造方法により得られる伸縮性不
織布は、自動車シート表面材や裏打ち材、その他の内装
材、あるいは家具や家庭用資材における表面材等、また
医療用の貼付剤の基布にも好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱エンボス処理してなる不織布の拡大模式図を
示す。
【符号の説明】
D:熱圧着部間の距離 1:熱圧着部 2:短繊維

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由収縮熱処理によりスパイラル捲縮を
    発現する潜在捲縮能を有し、かつ2次元の機械捲縮を有
    する短繊維を含有するウェブに熱エンボス処理を施すこ
    とにより、部分的熱圧着部を形成させて不織布化すると
    ともに潜在捲縮を顕在化させることを特徴とする伸縮性
    不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 潜在捲縮能を有する繊維が、170℃の
    自由収縮熱処理により30ケ/2.5cm以上のスパイ
    ラル捲縮を発現することを特徴とする請求項1記載の伸
    縮性不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱エンボス処理を施した後に、熱圧接処
    理を施すことを特徴とする請求項1または2記載の伸縮
    性不織布の製造方法。
  4. 【請求項4】 潜在捲縮能を有する繊維の混率が20質
    量%以上であることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の伸縮性不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 ウエブの目付が70g/m2以下である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の伸
    縮性不織布の製造方法。
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