JP2002348636A - 浸炭用鋼 - Google Patents

浸炭用鋼

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 準高温から高温(100〜300℃程度)の
温度域で、かつ水素が発生する環境下で使用されても高
い面疲労強度を維持することができる動力伝達部品など
の用途に適した浸炭用鋼を提供すること。 【解決手段】 重量%で、C:0.15〜0.40%、
Si:0.50超〜1.50%、Mn:0.20〜1.
50%、Ni:0.40〜4.50%、Cr:1.50
〜3.0%およびMo:0.50〜2.0%を含有し、
更にV:0.05〜0.40%、Ti:0.03〜0.
20%、Nb:0.03〜0.15%、Al:0.01
〜0.10%およびB:0.0005〜0.0030%
のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよ
び不可避的不純物からなる動力伝達部品などの用途に適
した浸炭用鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い面疲労強度な
どを必要とする動力伝達部品などの製造に適した浸炭用
鋼、詳細には、歯車、ベアリング転動体などの準高温〜
高温で、かつ水素発生の環境下において使用され、高い
面疲労強度を必要とする動力伝達部品の製造に適した浸
炭用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車、ベアリング転動体のような動力伝
達部品は、高い面圧強度が要求されているため、浸炭あ
るいは浸炭窒化により表面硬化されているが、小型・軽
量化が求められており、そのため接触面圧の増加を招
き、部品の表面温度が準高温から高温(100〜300
℃程度)にまで上昇し、面疲労強度が劣化するという問
題が生じている。また、近年、トロイダルCVT(無断
変速機)などの新機構の動力伝達部品がトラクション油
中で使用されるようになってきた。この油中で動力伝達
部品を使用すると、温度が上昇して上記油成分の分解が
促進されることがあり、分解した水素の一部が部品に侵
入して面疲労強度を劣化させ、脆化型剥離が発生しやす
くなることも懸念されている。
【0003】従来、歯車、ベアリング転動体のような動
力伝達部品のうち高い面疲労強度などを必要とするもの
は、機械構造用鋼、例えばJIS SCM420H(C:
0.17〜0.23%、Si:0.15〜0.35%、
Mn:0.55〜0.90%、P:0.030%以下、
S:0.030%以下、Cr:0.85〜1.25%お
よびMo:0.15〜0.35%を含有し、残部が実質
的にFe)、SNC415H、SNCM420Hを鍛
造、機械加工などによって成形し、その後高い面疲労強
度にするために浸炭または浸炭窒化し、更に焼入れ焼戻
しをして製造されている。
【0004】しかし、上記動力伝達部品は、小型・軽量
化すると接触面圧が増加して表面温度が準高温から高温
にまで上昇し、面疲労強度が劣化するという問題があ
る。そこで、面疲労強度を高めるため、Si,Crまた
はMoを増量して硬化層の軟化を抑える浸炭用鋼も開発
されているが、水素が侵入した場合には高い面疲労強度
を維持することができなかった。
【0005】また、水素による疲労強度の劣化を防止す
る浸炭用鋼として、C:0.10〜0.40%、Si:
0.05〜0.50%、Mn:0.2〜2.Ti:0.
05〜0.20%、Al:0.010〜0.50%、
N:0.0120%以下、O:12ppm以下を含有
し、更に必要に応じてNi:0.1〜2.0%、Cr:
0.20〜2.0%およびMo:0.05〜1.0%の
うちの1種ないし2種以上を含有し、残部Feおよび不
可避不純物からなり、大きさ70nm以下のTi炭化
物、Ti炭窒化物を鋼中に微細分散させ、これらの析出
物に水素をトラップさせて耐遅れ破壊性を改善するもの
が特開平11−293392号公報に開示されている。
しかし、この浸炭用鋼は、準高温から高温の温度域で
は、面疲労強度の低下を十分に回避することができない
という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、準高温から
高温の温度域で、かつ水素が発生する環境下で使用され
ても高い面疲労強度を維持することができる動力伝達部
品などの製造に適した浸炭用鋼を提供することを課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは、準高温から高温の温度域で、かつ水
素が発生する環境下で使用されても高い面疲労強度を維
持することができる動力伝達部品などの製造に適した浸
炭用鋼について鋭意研究していたところ、準高温から高
温下で、かつ水素が発生する環境下で使用された場合、
水素をV、Ti、Nbなどの炭化物または炭窒化物でト
ラップすることが有効であること、準高温から高温下で
安定で硬度低下を抑制し、内部組織変化を遅延するM23
6 型炭化物を多くするには、Cr、Moなどの含有量
を多くすればよいこと、水素の侵入経路となる粒界を強
化する、すなわち脆化し難くするにはPおよびSの含有
量を低く抑えることが有効であること、SiおよびNi
の含有量を多くすると準高温から高温下でも基地の疲労
強度を維持することができることなどの知見を得た。本
発明は、これらの知見に基づいて発明をされたものであ
る。
【0008】すなわち、本発明の動力伝達部品、トロイ
ダルCVTなどの製造に適した浸炭用鋼においては、
C:0.15〜0.40%、Si:0.50超〜1.5
0%、Mn:0.20〜1.50%、Ni:0.40〜
4.50%、Cr:1.50〜3.0%およびMo:
0.50〜2.0%を含有し、更にV:0.05〜0.
40%、Ti:0.03〜0.20%、Nb:0.03
〜0.15%、Al:0.01〜0.10%およびB:
0.0005〜0.0030%のうちの1種または2種
以上を含有し、必要に応じてSi+Ni:1.50〜
5.0%およびCr+Mo:2.50〜4.0%の条件
を満たすようにし、更に必要に応じてSおよび/または
Pを0.01%以下にし、残部がFeおよび不可避不純
物からなるものとすることである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の浸炭用鋼において
成分組成を上記のように特定した理由を説明する。 C:0.15〜0.40% Cは、基地に固溶して強度を高くすると共に、焼入性を
高めるので、これらのために含有させる元素である。こ
れらの作用効果を得るためには0.15%以上、好まし
くは0.16%以上含有させる必要があるが、0.40
%、好ましくは0.34%を超えると硬くなり過ぎて被
削性が低下するので、その含有量を0.15〜0.40
%にする。好ましい含有量は0.16〜0.34%であ
る。
【0010】Si:0.50超〜1.50% Siは、鋼溶製時の脱酸剤であり、焼入れ性を向上させ
ると共に、準高温から高温環境下での基地の疲労強度を
維持するために必要であり、また焼戻し軟化抵抗を高め
る(焼戻しによる硬さの低下を阻止することによって疲
労強度を向上させる)ので、これらのために含有させる
元素である。これらの作用効果を得るためには0.50
%より多く、好ましくは0.52%以上含有させる必要
があるが、1.50%、好ましくは1.24%を超える
と硬くなり過ぎて加工性を低下させるので、その含有量
を0.50超〜1.50%にする。好まし含有量は0.
52〜1.24%である。
【0011】Mn:0.20〜1.50% Mnは、Siと同様に鋼溶製時の脱酸剤であり、また焼
入れ性を向上させるので、これらのために含有させる元
素である。これらの作用効果を得るためには0.20%
以上、好ましくは0.31%以上含有させる必要がある
が、1.50%、好ましくは1.31%を超えると硬く
なり過ぎて加工性が低下すると共に、焼なまし処理によ
る変態終了時間が長くなって経済的でないので、その含
有量を0.20〜1.50%にする。好ましい含有量は
0.31〜1.31%である。
【0012】Ni:0.40〜4.50% Niは、基地の疲労強度、靱性および焼入性を向上させ
るので、これらのために含有させる元素である。これら
の作用効果を得るためには0.40%以上、好ましくは
0.61%以上含有させる必要があるが、4.50%、
好ましくは3.55%を超えると硬くなり過ぎて加工性
を低下させると共にコストを高くするので、その含有量
を0.40〜4.50%とする。好ましい含有量は0.
61〜3.55%である。また、準高温から高温下で基
地の疲労強度を維持するには、Si+Niの含有量を
1.50〜5.0%にするのが好ましい。1.5%以下
ではこの効果が少ないからであり、また5.0%より多
く含有させると、硬くなり過ぎて加工性が低下すると共
に、コストを高くするからである。
【0013】Cr:1.50〜3.0% Crは、M236 型炭化物を形成して上記理由により面
疲労強度(転動疲労寿命)を向上させると共に、靱性お
よび焼入性を向上させるので、これらのために含有させ
る元素である。これらの作用効果を得るためには1.5
0%、好ましくは1.61%以上含有させる必要がある
が、3.0%、好ましくは2.59%より多くなると粗
大な炭化物が多くなって面疲労強度(転動疲労寿命)を
低下させるので、その含有量を1.50〜3.0%とす
る。好ましい含有量は1.61〜2.59%である。
【0014】Mo:0.50〜2.0% Moは、M236 型炭化物を析出して上記理由により面
疲労強度(転動疲労寿命)を向上させるので、このため
に含有させる元素である。0.50%、好ましくは0.
75%より少ないとM236 型炭化物が安定して析出せ
ず、また2.0%、好ましくは1.25%を超えると切
削性が低下するので、その含有量を0.50〜2.0%
とする。好ましい含有量は0.75〜1.25%であ
る。また、準高温から高温下での硬度低下を抑制するだ
けのM236 型炭化物を析出させるためには、Cr+M
oを2.50%以上にするのが好ましい。2.50%よ
り少ないと、上記M236 型炭化物が必要なだけ析出し
ないからである。また4.0%を超えるとM236 型炭
化物が安定して析出しなくなるので、4.0%以下にす
るのが好ましい。
【0015】V:0.05〜0.40%、Ti:0.0
3〜0.20%、Nb:0.03〜0.15%、Al:
0.01〜0.10% V、Ti、NbおよびAlは、水素トラップサイトにな
る炭化物または炭窒化物を析出するので、このために含
有させる元素である。これらの含有量がVにおいて0.
05%、TiおよびNbにおいて0.03%、Alにお
いて0.01%より少ないと水素トラップサイトになる
析出物の必要量が確保されず、またVにおいて0.40
%、Tiにおいて0.20%、Nbおいて0.15%、
Alにおいて0.10%を超えると粗大な析出物の生成
を招き、加工性を低下させるので、その含有量を上記の
とおりにする。
【0016】B:0.0005〜0.0030% Bは、水素による粒界割れを防止するので、そのために
含有させる元素である。この作用効果を得るには0.0
005%以上含有させる必要があるが、0.0030%
を超えると焼入性が不安定になるので、その含有量を
0.0005〜0.0030%とする。
【0017】P:0.01%以下、S:0.01%以下 PおよびSは、不純物元素として粒界に偏析しやすく脆
化を招きやすい元素である。これらの元素が偏析した粒
界には侵入してきた水素が溜まりやすく、比較的短寿命
な脆性型の転動疲労剥離を起こしやすくなる。Pおよび
Sの含有量を低減することで、粒界での水素のトラップ
量が低減し、脆化型転動剥離を発生し難くするので、
0.01%以下にするのが好ましい。
【0018】N:0.015%以下、O:0.0010
%以下、Cu:0.30%以下 Nは、多くなると粗大なV、Tiなどの窒化物になって
微細に分散されなくなるので、0.015%以下にする
のが好ましい。Oは、不純物であり、多くなると粗大な
酸化物となって析出して疲労強度を低下させるので、
0.0010%以下にするのが好ましい。Cuは、不純
物であり、多くなると熱間加工性を低下させるので、
0.30%以下にするのが好ましい。
【0019】
【作用】本発明の浸炭用鋼は、Siを0.50超〜1.
50%をすると共にNiを0.40〜4.50%、好ま
しくはSi+Niの含有量を1.50〜5.0%にして
いるので、準高温から高温環境下における基地の疲労強
度の劣化を防止することができる。またCrを1.50
〜3.0%およびMoを0.50〜2.0%、好ましく
はCr+Moを2.50〜4.0%にして準高温から高
温下での硬度低下を抑制するM236 型炭化物を十分析
出させているので、優れた転動疲労強度を有し、かつ水
素をV,Tiなどのトラップサイトに捕捉し、なおかつ
水素の侵入経路となる粒界を強化し、すなわち脆化し難
くするため、面疲労強度の劣化を防止することができ
る。
【0020】本発明の浸炭用鋼の使用方法の一例は、8
50〜1050℃において浸炭処理または浸炭窒化処理
を行い、830〜920℃から油中に焼入れるか、上記
の処理後、焼入れずに次の熱処理を行うことである。上
記次の熱処理の一例は、630〜700℃で3〜6時間
加熱保持してM23 6 型炭化物を析出させ、更に820
〜900℃で30〜80分間加熱保持して窒化処理を施
してから、あるいは直接150〜140℃に加熱した油
中に入れて焼入れをし、続いて150〜200℃で1.
5〜3時間保持した後焼戻しをすることである。また、
本発明の浸炭用鋼の用途は、歯車、ベアリング転動体、
ころ、トロイダルCVT(無断変速機)のパワーローラ
または入出力ディスクなどの動力伝達部品などであり、
特にトロイダルCVT(無断変速機)のパワーローラま
たは入出力ディスクに適している。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。下
記表1に示す成分組成の本発明例および比較例の鋼を真
空誘導加熱炉を用いて溶製し、通常の鋳造方法で鋳造し
てインゴットを得た。これらのインゴットを熱間鍛造を
してφ65mmの鍛造素材とした。この鍛造素材から径
60mm厚さ5mmのスラスト転動試験用の円板型試験
片を削り出し、下記方法で浸炭または浸炭窒化処理をし
た後、図1に示す条件でM236 型炭化物を析出させか
ら油中に入れて焼入れをし、続いて170℃で2時間保
持した後冷却して焼戻しをした。その後各試験片の表面
を0.1mm研削仕上げをし、表面の炭素または炭素お
よび窒素の濃度を測定すると共に、表面から50μmの
深さの硬さを測定し、その結果を下記表3に示す。ま
た、準高温から高温の温度域で、かつ水素が発生する環
境下における面疲労強度を求める試験として、図2に示
す方法により下記表2に示す条件下で、剥離が発生する
までのn=10における累積破損確率10%寿命(L1
0)を求める転動寿命試験をした。その結果も下記表3
に示す。
【0022】浸炭処理 真空炉に試験片を入れ、真空下で920℃に加熱し、こ
の状態で浸炭ガスのC 3 8 (プロパンガス)を入れ、
浸炭層が1〜1.5mmになるまで浸炭処理をした。 浸炭窒化処理 熱処理炉に試験片および浸炭ガスのプロパンガスにアン
モニアガスを添加した浸炭窒化ガスを入れ、880℃で
浸炭層が1〜1.5mmになるまで浸炭窒化処理をし
た。この時の窒素侵入深さは0.2〜0.5mmであ
る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表3の結果によると、本発明例は、浸炭処
理のものでは表面の炭素濃度が0.70〜1.00%で
あり、浸炭窒化処理をしたものでは炭素の富化とともに
窒素濃度が0.12〜0.42%であり、硬さが712
〜769HV、面疲労強度を表す転動寿命(L10) が7
70×104 以上であった。また、SおよびP含有量を
0.01%以下にした本発明例16は、粒界の偏析が低
減し、脆性型の剥離が発生し難くなるため面疲労強度を
表す転動寿命(L10) が1000×104 以上であっ
た。
【0027】これに対して、Si,CrおよびMoの含
有量が本発明より少ない比較例1は、表面の炭素濃度お
よび窒素濃度が本発明例のものと同程度であるが、硬さ
が本発明例のものよりやや低い707HVであり、転動
寿命(L10) が本発明例のものの約1/6.5以下の1
10×104 であった。さらに、NiおよびSi+Ni
が本発明より少ない比較例2は、表面の炭素濃度および
硬さが本発明例のものと同程度であるが、転動寿命(L
10) が本発明例のものの約1/3.4以下の210×1
4 であった。また、V、Ti、NbおよびAlが入っ
ていないかまたは本発明より少ない比較例3は、表面の
炭素濃度および硬さが本発明例のものと同程度である
が、転動寿命(L10) が本発明例のものの約1/1.7
以下の460×104 であった。
【0028】また、VまたはNb含有量が本発明より多
い比較例4または6は、表面の炭素濃度および硬さが本
発明例のものと同程度であるが、転動寿命(L10) が本
発明例のものの約1/2.4以下または約1/4以下の
310×104 または190×104 であった。また、
Ti含有量が本発明より多い比較例5は、表面の炭素濃
度および窒素濃度と硬さが本発明例のものと同程度であ
るが、転動寿命(L10) が本発明例のものの約1/2.
3以下の330×104 であった。また、B含有量が本
発明より多い比較例7は、表面の炭素濃度および硬さが
本発明例のものと同程度であるが、転動寿命(L10) が
本発明例のものの約1/7.7以下の100×104
あった。
【0029】
【発明の効果】本発明の浸炭用鋼は、上記成分組成にす
ることにより、準高温から高温の温度域で、かつ水素が
発生する環境下で使用しても、上記従来のものに類似し
ている比較例3、上記公報に記載されているものに類似
している比較例2のものなどの比較例のものと比較して
転動寿命(L10) が大幅に長くなる、すなわち面疲労強
度が高くなるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における熱処理条件を示す説明図であ
る。
【図2】実施例における転動寿命試験方法を示す概念図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 拓郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 木野 伸郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 尾谷 敬造 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 木村 利光 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下同じ)、C:0.15〜
    0.40%、Si:0.50超〜1.50%、Mn:
    0.20〜1.50%、Ni:0.40〜4.50%、
    Cr:1.50〜3.0%およびMo:0.50〜2.
    0%を含有し、更にV:0.05〜0.40%、Ti:
    0.03〜0.20%、Nb:0.03〜0.15%、
    Al:0.01〜0.10%およびB:0.0005〜
    0.0030%のうちの1種または2種以上を含有し、
    残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とす
    る浸炭用鋼。
  2. 【請求項2】 C:0.15〜0.40%、Si:0.
    50超〜1.50%、Mn:0.20〜1.50%、N
    i:0.40〜4.50%、Cr:1.50〜3.0%
    およびMo:0.50〜2.0%を含有し、更にV:
    0.05〜0.40%、Ti:0.03〜0.20%、
    Nb:0.03〜0.15%、Al:0.01〜0.1
    0%およびB:0.0005〜0.0030%のうちの
    1種または2種以上を含有し、かつSi+Ni:1.5
    0〜5.0%およびCr+Mo:2.50〜4.0%の
    条件を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなる
    ことを特徴とする浸炭用鋼。
  3. 【請求項3】 上記浸炭用鋼の不純物のS含有量が0.
    01%以下であることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の浸炭用鋼。
  4. 【請求項4】 上記浸炭用鋼の不純物のP含有量が0.
    01%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のうちのいずれか1項記載の浸炭用鋼。
  5. 【請求項5】 上記浸炭用鋼の用途が動力伝達部品であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちのい
    ずれか1項記載の浸炭用鋼。
  6. 【請求項6】 上記浸炭用鋼の用途がトロイダルCVT
    部品であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の
    うちのいずれか1項記載の浸炭用鋼。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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