JP2753998B2 - 浸炭異常層の少ない浸炭用鋼 - Google Patents

浸炭異常層の少ない浸炭用鋼

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は浸炭異常層の少ない浸炭用鋼に係り、特にガ
ス浸炭処理時に発生する表面の浸炭異常層の発生を防止
できる浸炭用鋼に関し、鋼の表面処理分野で利用され
る。 〔従来の技術〕 浸炭処理は軸、歯車、軸受など動力伝達用の耐摩耗
性、耐疲労性の向上を目的として行われ、近年、生産性
および経済性の観点から浸炭性ガス雰囲気炉内で行われ
るいわゆるガス浸炭法が主流である。 ガス浸炭法は主としてプロパンまたはブタンなどのガ
スと空気を混合し変成することによつて、浸炭ガスであ
るCOを製造しこれを浸炭炉に供給する。また、小規模の
場合はメタノールやイソプロパノールなどの有機剤を熱
分解してCOガスを発生し利用する。従つて、このガス組
成を調整することによつて容易に被熱処理品の炭素量を
調整できる利点を有する。 しかし、ガス浸炭法では浸炭ガス中に微量ながら酸化
性のCO2やH2Oを含むことが多く、浸炭処理中に被処理材
の表面部に酸化層が形成される。この酸化層が形成され
たまま、焼入、焼戻処理が施されると浸炭層の最外表面
部のみC量が低下するため焼入性が低下し十分な硬さが
得られない。 この現象は、特に鋼中のCr、Mn、Siなどが浸炭処理時
点でのオーステナイト粒界で優先的に酸化される粒界酸
化層にもとずくものと考えられる。この粒界酸化層は一
般には異常層と呼ばれており、硬さの低下および粒界酸
化に起因して耐摩耗性、耐疲労性の低下をまねき浸炭本
来の性能を著しく阻害する。これを防止する目的で酸化
性ガスを含まない真空浸炭処理や、浸炭処理後異常層を
除去する目的でシヨツトピーニングや研磨等が行われ
る。しかしこれらはコストアツプを招くと共に生産性を
低下させることから改善が強く望まれている。 これに対して鋼材自体で解決しようとする試みとして
特開昭57−70261が提案されている。この技術は浸炭異
常層形成の原因であるSi、Mn、Crを調整し、高価なMoを
添加しないか、または低く抑え、Bを微量添加して高い
焼入性を保持するものである。 しかし、このようにSi、Mn、Cr、Mo、Bの添加量の調
整のみでは多様化する要求品質に対して焼入性、強度、
靭性、ミクロ組織、加工性等を十分に満足することは困
難であるばかりでなく、B添加に起因するγ粒粗大化な
どの問題も無視できない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、浸
炭時における浸炭異常層の発生を抑制できる浸炭異常層
の少ない浸炭用鋼を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明の上記の目的は次の2発明によつて達成され
る。第1発明の要旨とするところは次の如くである。す
なわち、 重量比にて C :0.08〜0.55%、 Si:0.15〜0.85% Mn:0.10〜5.0%、 Al:0.002〜0.100% を含有し、かつBi、Se、Te、As、Sb、In、Cd、Mg、W、
Rhの内から選ばれた1種または2種以上を0.0010〜0.01
50%含み、残部がFeおよび不可避的不純物より成ること
を特徴とする浸炭異常層の少ない浸炭用鋼である。 第2発明の要旨とするところは次の如くである。すな
わち、第1発明と同一の基本成分のほかに、更にNi:0.0
2〜1.5%、Cr:0.02〜2.0%、Mo:0.02〜1.0%の内から選
ばれた1種または2種以上を含み、残部がFeおよび不可
避的不純物より成ることを特徴とする浸炭異常層の少な
い浸炭用鋼である。 本発明者らは従来技術の問題点に対して広範な研究を
行いBi、Se、Te、As、Sb、In、Cd、Mg、W、Rhを微量添
加することにより浸炭異常層の生成を防止できることを
見い出した。この結果、浸炭鋼に要求される本来の性能
を低下せしめることなく浸炭異常層の生じないガス浸炭
溶鋼を得ることが可能となつた。 本発明における成分限定理由は次のとおりである。 C: Cは焼入性および強度レベルを維持する上で基本的な
元素であり、浸炭を増進する上でも有用であり、積極的
に添加する。しかし、0.55%を越えて添加すると非浸炭
層である内部の硬さが高くなり、耐衝撃性が劣化すると
共に切削性も低下し好ましくない。更に焼入時の歪が著
大となり部品精度の低下を招く。これらの理由から上限
を0.55%とした。 他方、0.08%を下回ると鋼全体の硬さが低下し十分な
硬さを確保することが困難となると共に、浸炭性が低下
し浸炭時間が増大することから0.08%を下限とした。 Si: Siは脱酸を促進し強度を上昇させるのに有効な元素で
あるが、0.15%未満ではこの寄与が期待できないので0.
15%を下限とした。他方、Siの大量の添加は浸炭時のC
の拡散を著しく阻害し、浸炭性を低下させると共に焼入
性も低下させる。更にSiの固溶は冷間鍛造時の変形抵抗
を増大させると共に変形能を低下させる。これらの点か
らSiの添加は極力抑える必要があるのでSiの上限は0.85
%とした。 Mn: Mnは焼入性を向上し、強度ならびに靭性を高め更に浸
炭性を向上する効果があるので積極的に添加する。この
効果は0.10%以上で顕著になり、5.0%でほぼ飽和す
る。更に、5.0%を越える添加は切削性を阻害すること
から上限を5.0%とし、下限を0.10%とした。 Al: Alは周知のとおり、製鋼過程において脱酸剤として作
用し、このほか窒化物を形成して組織を細粒化する。こ
の結果は0.002%以上で顕著となるのでAlの下限を0.002
%とした。しかし、0.100%を越えると介在物が増加す
るので0.100%を上限とした。 Bi、Se、Te、As、Sb、In、Cd、Mg、W、Rh: これらの元素は本発明において最も重要な元素であり
積極的に添加する。本発明者らは種々の微量元素の浸炭
異常層の生成への影響について研究の結果、これらの元
素は鋼表面およびγ粒界に偏析し易く、浸炭ガス中の酸
化性ガスに対して反発的で浸炭性ガスであるCOに対して
吸着性の強い作用のあることを見い出した。 一般に浸炭異常層の生成は鋼中のCr、Mn、Siなどが浸
炭処理時にオーステナイト粒界で酸化性ガスにより優先
的に酸化されることによつて形成されると考えられてい
ることは上記のとおりである。従つて、本発明で見い出
したこれらの元素はこの酸化性ガスとCr、Mn、Siなどと
の反応を抑制することにより浸炭異常層の形成を防止す
ると考えられる。そして浸炭性ガスに対しては親和性を
有することから浸炭反応には何ら影響を与えないものと
考えられる。これらの作用はいずれの元素についても0.
0010%以上で顕著となることからこれらの元素の下限は
0.0010%に限定した。これらの元素の効果は添加量の増
大に伴つて増加するが、0.0150%を越すと効果が飽和す
ることおよび逆に熱間加工性、延性、靭性の低下が大き
くなることから、0.0150%を上限とした。 上記C、Si、Mn、Al、Bi、Se、Te、As、Sb、In、Cd、
Mg、W、Rh、の各限定量をもつて本発明の浸炭用鋼の基
本成分とするが、更に下記限定量のNi、Cr、Moを含有す
れば本発明の目的をより有効に達成することができる。
その限定理由は次のとおりである。 Ni: Niは焼入性を向上させると共に地鉄を強化し靭性を増
すのに有効な元素であり、浸炭性にはあまり影響を与え
ないことから焼入性と機械的性質のみを変化させる場合
に有効である。この効果は0.02%以上で有効になるので
下限を0.02%とし、添加量の増加に伴つて効果は増加す
るが、Niは高価であるので1.5%を上限とした。 Cr: Crは鋼の焼入性、耐摩耗性を向上させると共に浸炭性
を増大させるのに有効であり、浸炭用鋼では広く使用さ
れる。この効果は0.02%未満では十分でないので下限を
0.02%とした。Crの効果は添加量の増大に伴つて増加す
るが、2.0%を越えるとCr炭化物の生成により浸炭性が
逆に低下すると共に靭性の劣化をまねくので上限を2.0
%とした。 Mo: Moは焼入性の向上に有用であるが高価であるため多量
の添加は経済性を損うばかりでなく1.0%を越すと効果
が飽和し、0.02%未満では効果がないので、0.02〜1.0
%の範囲に限定した。 〔実施例〕 第1表に化学成分を示した供試鋼を常法にて溶製し15
0mm角ビレツトに分塊圧延した後、30mm径の棒鋼に常温
にて熱間圧延し、この棒鋼を25mm径に切削加工し試料と
した。各試料を次の如くガス浸炭を行つた。すなわち、
930℃×4hr→850℃×30min→120℃油冷→180℃×1hr焼戻しを行いカ
ーボンポテンシヤルは0.8%の処理を実施した。これら
の試料断面の表面部の異常浸炭層の深さを走査型電子顕
微鏡にて測定し、また断面硬さ分布をJIS−G0557に準拠
して測定し有効効果深さを求め、これらの結果を第2表
に示した。 第2表において、次の化学成分が本発明の条件を満足
しない比較例、すなわち、SeのNo.1鋼、SbのNo.15鋼、
CのNo.19鋼、SiのNo.21鋼およびMnのNo.22鋼では浸炭
異常層厚さが10〜17μmと極めて厚く浸炭異常層の発生
を防止できない。また、比較例のSbが成分外れのNo.16
鋼、Wが成分外れのNo.17鋼、B、Se、Wの合計が成分
外れのNo.18鋼およびCが成分外れのNo.20鋼はいずれも
浸炭異常層は2μmと薄いが焼割れを発生し実用上問題
が多い。 これに対して本発明例であるNo.2〜14鋼およびNo.23
〜25鋼は異常浸炭層も1〜2μmと極めて薄く、かつ有
効硬化深さも従来鋼と同等である。 また、本発明例に示す如く、Bi等の微量添加元素およ
びNi、Cr、Mo等の添加元素は単独あるいは複合添加の効
果はいずれの場合も同等で自由な組合わせを行うことが
できる。 〔発明の効果〕 本発明は上記実施例から明らかな如く、浸炭用鋼の成
分組成を限定することによりガス浸炭時の浸炭異常層の
発生を防止し、従来は浸炭時の厚い浸炭異常層の発生に
より耐摩耗性の低下および疲労寿命の低下を招いてお
り、この異常層の除去のためシヨツトピーニングや研磨
工程を必要とし多大なコスト増と生産性の低下をまねい
ていたのに比較して、これらの工程の省略を可能としコ
ストの低減と生産性の向上を図ることができた。 また、脱炭異常層発生防止の観点から添加量が制限さ
れていたCr、Si、Mnについても、本発明により特に制約
されないことから、焼入性の制御を柔軟に行うことがで
き、よりユーザーの要望に合致し得る成分系をとり得る
ようになつた。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.重量比にて C:0.08〜0.55%、Si:0.15〜0.85% Mn:0.10〜5.0%、Al:0.002〜0.100% を含有し、かつBi、Se、Te、As、Sb、In、Cd、Mg、W、
    Rhの内から選ばれた1種または2種以上を0.0010〜0.01
    50%含み、残部がFeおよび不可避的不純物より成ること
    を特徴とする浸炭異常層の少ない浸炭用鋼。 2.重量比にて C:0.08〜0.55%、Si:0.15〜0.85% Mn:0.10〜5.0%、Al:0.002〜0.100% を含有し、かつBi、Se、Te、As、Sb、In、Cd、Mg、W、
    Rhの内から選ばれた1種または2種以上を0.0010〜0.01
    50%含み、更に、Ni:0.02〜1.5%、Cr:0.02〜2.0%、M
    o:0.02〜1.0%の内から選ばれた1種または2種以上を
    含み、残部がFeおよび不可避的不純物より成ることを特
    徴とする浸炭位異常層の少ない浸炭用鋼。
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