JP2002348510A - 樹脂微粒子分散液及びその製造方法 - Google Patents
樹脂微粒子分散液及びその製造方法Info
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Abstract
の製造方法を提供する。 【解決手段】 体積平均粒径(DV)が5nm以上70
nm以下であり、且つ、体積平均粒径(DV)と個数平
均粒径(DN)との関係が、1≦DV/DN≦1.3であ
る樹脂微粒子が、界面活性剤の存在下、水または水を主
体とする液中に分散してなる樹脂微粒子分散液。
Description
及びその製造方法に関する。更に詳しくは、水性インク
に用いることができる、紙を透過しない樹脂微粒子分散
液及びその製造方法に関する。
剤、表面処理剤、トナーその他の用途として広く利用さ
れている。また、樹脂微粒子の製造方法としては、樹脂
を粉砕して分級する方法と、単量体を分散液の状態で重
合させて得る方法に大別される。このうち、重合によっ
て樹脂微粒子を得る方法は、円形度(球形度)が高く、
粒度分布のシャープな樹脂微粒子が得られる。
懸濁重合法と乳化重合法に分けることができる。懸濁重
合法も乳化重合法も、水または水を主体とする液中に、
界面活性剤の存在下、モノマーを分散させてこれを重合
させるものであるが、懸濁重合法では、油溶性の重合開
始剤を使用するので、分散液中のモノマーからなる油滴
が、その大きさと形状のまま重合反応が起こる。従っ
て、懸濁重合法では、樹脂微粒子の粒径の制御は、モノ
マー分散液を作成するときの機械的な力が主な要素とな
る。
開始剤を使用するので、モノマーからなる油滴から僅か
に水に溶けだしたモノマーが重合し、これが、付近に存
在する界面活性剤によってできたミセルに順次入り込む
ことによって樹脂微粒子が形成する。従って、樹脂微粒
子の粒径は、主にミセルの数(即ち、界面活性剤の種類
と量)により制御される。
粒径の樹脂微粒子を作成するのに用いられていた。しか
しながら、粒径を機械的な力によって制御しているた
め、粒度分布がシャープな樹脂微粒子を作成するのは困
難であった。一方、乳化重合法は、ミセルに順次重合物
が入る形で樹脂微粒子が形成されるが、確率的に、どの
ミセルにも均等に重合物が入ることとなるので、樹脂微
粒子の粒御分布は、懸濁重合法による場合よりもシャー
プなものが得られる。例えば、特開平8−160660
号公報には、ビニル単量体等を乳化して粒度分布がシャ
ープなエマルジョンを得て、これを重合して樹脂微粒子
を得ることが開示されているが、具体的には全て体積平
均粒径90nm以上の粒子しか得られていなかった。
用インク等の着色水性インクは特別な処理をしていない
紙にのせたときに滲んだり、紙を通過していた。水、界
面活性剤および着色剤が紙を拡散及び浸透するために生
ずる現象である。鮮明な画像や文字を得るためには、水
性インキを紙にのせたときに、滲まず、かつ紙を透過し
ない様にすることが必要である。これまでは、その問題
を充分に解決する技術が知られておらず、開発が求めら
れていた。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、粒径が小さく
かつ粒度分布のシャープな樹脂微粒子により水性分散液
が紙を透過しないことを見出して、本発明に至った。即
ち本発明の要旨は、体積平均粒径(DV)が5nm以上
70nm以下であり、且つ、体積平均粒径(DV)と個
数平均粒径(DN)との関係が、1≦DV/DN≦1.3
である樹脂微粒子が、界面活性剤の存在下、水または水
を主体とする液中に分散してなる樹脂微粒子分散液に存
する。
(DV)が5nm以上70nm以下であり、且つ、1≦
DV/DN≦1.3である樹脂微粒子が界面活性剤の存在
下、水または水を主体とする液中に分散してなる樹脂微
粒子分散液であって、厚さ約60μmの再生紙(コクヨ
(株) 品番「ヒ-501N」)の上に該樹脂微粒子分散液
0.5mlを滴下し、5分間経過した後の該再生紙を透
過した水分量が1mg以下であることを特徴とする樹脂
微粒子分散液に存する。
を界面活性剤の存在下に水または水を主体とする液中に
分散、乳化し、これに水溶性重合開始剤を混合し、加熱
して乳化重合を行う樹脂微粒子の製造方法において、界
面活性剤が炭素数6〜20の直鎖アルキル基を有するベ
ンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩を含む前述の樹脂微
粒子分散液の製造方法に存する。
発明の樹脂微粒子分散液は、体積平均粒径(DV)が5
nm以上70nm以下であり、且つ、体積平均粒径(D
V)と個数平均粒径(DN)との関係が、1≦DV/DN≦
1.3である樹脂微粒子が、界面活性剤の存在下、水ま
たは水を主体とする液中に分散してなることを特徴とし
ている。
在状態の模式図を示す。樹脂微粒子の体積平均粒径は、
樹脂の周りに存在する界面活性剤の層を含めて70nm
以下であり、好ましくは60nm以下である。体積平均
粒径が上記範囲より大きいと自己組織化が発現しにくく
なる。樹脂微粒子の体積平均粒径の下限は、界面活性剤
の層が存在することから考えて通常5nmであるが、体
積平均粒径が著しく小さいと、分散液中の樹脂を使用す
る目的の場合に樹脂の割合が少なくなりすぎるので、1
0nm以上が好ましい。なお、平均粒径は、樹脂微粒子
を透過型電子顕微鏡(TEM)(例えば、日立Hー90
00NA)で撮影し、その写真を画像解析することによ
り測定することができる。
には、粒度分布が小さく、かつ粒子の形が同じであるこ
とが好ましいので、樹脂微粒子の体積平均粒径(DV)
と個数平均粒径(DN)との関係が、1≦DV/DN≦
1.25であることが好ましく、1≦DV/DN≦1.2
であることが更に好ましい。また、樹脂微粒子の円形度
は0.95〜1であることが好ましく、0.96〜1で
あることが更に好ましく、0.97〜1であることが特
に好ましい。
法、懸濁重合法等の分散重合法により製造することがで
きるが、粒度分布の制御の容易さから乳化重合法で製造
する方が好ましい。乳化重合法で本発明の樹脂微粒子分
散液を製造するには、典型的には、モノマー(混合物で
もよい)を界面活性剤の存在下、水または水を主体とす
る液中に分散し、これに水溶性の重合開始剤を加えて重
合を行う。
ックス樹脂は、従来より乳化重合で得られた樹脂が使用
できるが、好ましいものとしては、スチレン、パラクロ
ロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独
重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基
を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル
系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
ビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系
樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体
(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチル
ケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン
類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィ
ン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等
の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹
脂とビニル系単量体とのグラフト重合体などが挙げられ
る。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂が
好ましく、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体、
アクリル酸ブチル、ビスフェノールA・フマル酸共重合
体、スチレンとオレフィンとの共重合体が特に好まし
い。本発明の樹脂微粒子を製造するにあたっては、上記
樹脂を構成するモノマーを、乳化剤の存在下で乳化し、
重合開始剤を添加して、定法に従って重合する。
ニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤の中から選ば
れ、2種以上を併用してもよい。カチオン界面活性剤の
具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ド
デシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルア
ンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライ
ド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルト
リメチルアンモニウムブロマイド、等があげられる。
は、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、
等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等があげられる。さらに、ノニオン界面活性剤の具体
例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘ
キサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニ
ルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエ
チレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシ
エチレンエーテル、モノデカノイルショ糖、等があげら
れる。これらのうち、炭素数6〜20のアルキル基を有
するベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
さらに好ましくは、アルキル基が直鎖のものである。ま
たアルカリ金属の中ではナトリウムが好ましい。最も好
ましいものはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムで
ある。
して、5〜50重量%が好ましく、10〜40重量%が
更に好ましく、15〜35重量%が最も好ましい。上記
範囲であれば5〜70nmのサイズになるよう制御し易
くなる。重合開始剤は、乳化重合を行う場合には、水溶
性のものを用いる。例えば、アスコルビン酸と過酸化水
素を組み合わせたレドックス系の重合開始剤が好まし
い。
溶解させることにより、着色された樹脂微粒子を得るこ
とができる。ここで油溶性とは、樹脂微粒子を構成する
モノマーに対する溶解度のほうが水に対する溶解度より
も大きいことを意味する。着色剤の含有量は、用いる油
溶性着色剤の色の濃さにもよるが、バインダー樹脂10
0重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3
〜50重量部となるように用いられる。これらの着色剤
は、乳化重合の工程において乳化剤の存在下で水中に分
散させたモノマーの油滴中に溶解して用いることによ
り、乳化重合により生成した重合体一次粒子に溶解され
る。
とともにミセル内へ移動することを考慮すると、僅かに
水に対して溶解した方が良いので、着色剤の水に対する
溶解度は0.0001〜10g/lが好ましく、0.0
01〜5g/lが更に好ましい。また、乳化重合工程に
おいて、着色剤はモノマーの油滴中に溶解したほうが良
いので、スチレンに対する溶解度は10〜無限g/lが
好ましく、20〜1000g/lが更に好ましく、30
〜300g/lが特に好ましい。
ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは10〜
40重量%である。上記範囲であれば分散液中の樹脂微
粒子の自己組織化が発現し易く、また、分散液の安定性
が高い。本発明における樹脂微粒子の自己組織化現象の
メカニズムは明らかではないが、再生紙上で樹脂微粒子
分散液がにじむこともなく、再生紙を通過して下方へ漏
れたりすることもないことには自己組織化現象が深く関
係していると推定している。再生紙の繊維の隙間は本微
粒子より大きいので、通常は水とともに微粒子は拡散や
浸透するはずである。しかし、本分散液では、その過程
で多くの微粒子による自己組織化がおきて、長距離秩序
を有する微粒子集合体が再生紙繊維表面上に発生し、こ
れが再生紙内部への拡散、浸透を防止しているものと推
定している。
(肉眼で観察しやすいように、樹脂微粒子を油溶性着色
剤で着色したもの)は、ガラス製のサンプル瓶中では、
均一な分散液の状態を保っているが、数mlの樹脂微粒
子分散液をパルプ紙上に載せ、これをスパチュラ等でい
くつかの方向に散在せしめると、分散液中の樹脂微粒子
同士が集まってくる様子が観測できることからも推定さ
れる。
μmの再生紙(コクヨ(株) 品番「ヒ-501N」)の上
に、樹脂微粒子分散液を0.5mlを滴下し、5分間経
過した後の透過する水分量が1mg以下であることが好
ましい。本発明の樹脂微粒子分散液は、樹脂微粒子中に
油溶性染料を含有させると、プリンター用、水系塗料用
等のインク、微小構造物のコーティング等に使用するこ
とができる。含有させる油溶性染料は、重合禁止作用を
示さないものを使用することが好ましい。すなわち、油
溶性染料を含有させて本発明の樹脂微粒子分散液を製造
するにあたっては、油溶性染料を重合性単量体に溶解せ
しめた状態で重合反応を進行させるが、重合反応進行を
顕著に阻害しうるほど油溶性染料が重合反応の反応性部
位を補足しうる電子構造を有することは望ましくない。
具体的には、油溶性染料としては、実際に用いる比率で
混合した、重合性単量体と該染料の混合物に重合開始剤
を用いて150℃で90分加熱重合して得られた固形物
の重量が、重合性単量体単独を加熱重合した場合の重量
を100として、理論的には100が最善であるが、3
0以上となるものを用いることが好ましく、45以上が
更に好ましく、60以上が特に好ましい。なお、後述す
る実施例で用いた油溶性染料は、全て固形物の重量が7
0以上となるものである。その他本発明の分散液は微粒
子の粒度分布がシャープであるため、顔料分散剤、塗料
添加剤、酵素用担体、化粧品基材等への利用が可能であ
る。また、本発明の樹脂微粒子分散液は、微粒子中に種
々の物質を含有させることにより種々の用途に用いるこ
とが可能となり、例えば、薬剤を含有させる利用や、発
光物質、蛍光物質、放射性同位体等を含有させた診断薬
や検査薬、各種添加剤を含有させたコーティング材等へ
の利用が考えられる。更に、分散液中の樹脂微粒子の自
己組織化現象を利用して、凝集剤、紙処理剤、微小構造
体(ナノマシン、マイクロマシン等)の構成部品製造等
への応用が考えられる。
濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えたガラス
製反応器に以下の量の10%N−ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム(S−DBS)水溶液12部、脱塩水
385部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
に分散した。そして、90℃に昇温した乳化液に重合開
始剤を添加し、6.5時間乳化重合を行った。 (モノマー類) スチレン 79部 アクリル酸ブチル 21部 アクリル酸 3部 トリクロロブロモメタン(TCBM) 0.5部 メルカプトエタノール(MPE) 0.01部 (乳化剤水溶液) ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液 8部 脱塩水 18部 (重合開始剤) 8%過酸化水素水溶液 10.6部 8%アスコルビン酸水溶液 10.6部 重合反応終了後冷却し、白色の重合体分散液を得た。固
形分濃度は19%であり、収率は95%であった。得ら
れた樹脂微粒子の重量平均分子量は約5万だった。この
樹脂微粒子を透過型電子顕微鏡(日立Hー9000N
A)で直接倍率51000倍にて12視野撮影した後、
その写真をスキャナーから入力、画像処理ソフトMIN
S(登録商標)を使用し、微粒子を輝度に従い2値化し
たのちに球形粒子の分離処理を行った。
V/DN=1.1であった。 この樹脂微粒子分散液0.
5mlを6枚重ねた再生紙(コクヨ(株) 品番「ヒ-5
01N」)上にピペットで置き、5分間放置したが、滲む
こともなく、樹脂微粒子中の水はパルプ紙を透過しなか
った。 実施例2 (染料内包樹脂微粒子分散液の作製)攪拌装置、加熱冷
却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備え
たガラス製反応器に以下の量の10%N−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(S−DBS)水溶液 12
部、脱塩水 383部を仕込み、窒素気流下で90℃に
昇温した。
(ダイアレジン Yellow L3G(三菱化学製))を溶解し、
乳化剤水溶液に分散した。そして、90℃に昇温した乳
化液に重合開始剤を添加し、6.5時間乳化重合を行っ
た。 (モノマー類) スチレン 79部 アクリル酸ブチル 21部 アクリル酸 3部 トリクロロブロモメタン(TCBM) 0.5部 メルカプトエタノール(MPE) 0.01部 (油溶性染料) Yellow L3G 下記化合物 2部 (乳化剤水溶液) ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液 8部 脱塩水 18部 (重合開始剤) 8%過酸化水素水溶液 10.6部 8%アスコルビン酸水溶液 10.6部
られた重合体分散液の固形分濃度は19%であり、収率
は95%であった。得られた樹脂微粒子の重量平均分子
量は約5万だった。この樹脂微粒子を透過型電子顕微鏡
(日立Hー9000NA)で直接倍率51,000倍に
て12視野撮影した後、その写真をスキャナーから入
力、画像処理ソフトMINSを使用し、微粒子を輝度に
従い2値化したのちに球形粒子の分離処理を行った。図
2に、画像処理した樹脂微粒子の写真を示す。樹脂微粒
子の直径は、ほぼ30〜40nmの範囲に分布してお
り、その形状もほぼ球形(円形)であることがわかる。
V/DN=1.1であった。 この樹脂微粒子分散液0.
5mlを6枚重ねた再生紙(コクヨ(株) 品番「ヒ-5
01N」)上にピペットで置き、5分間放置したが、滲む
こともなく、かつ上から2枚目の紙に黄色が着色するこ
ともなく、樹脂微粒子中の水は再生紙を透過しなかっ
た。
ゼンスルホン酸ナトリウムをそれぞれが0.4重量%と
0.1重量%になるように脱塩水に溶解し、黒色の水溶
液を調整した。この水溶液0.5mlを6枚重ねた再生
紙(コクヨ(株) 品番「ヒ-501N」)上にピペットで
置き、5分間放置した。本水溶液は紙上を滲み、上から
2枚目以降の紙に黒色が激しく着色した。2枚目以降の
5枚分の再生紙の重量は0.14g増加した。
却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備え
たガラス製反応器に以下の量の10%n−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(S−DBS)水溶液12
部、脱塩水383部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇
温した。
(Solvent Blue 63(三菱化学製))を溶解し、乳化剤
水溶液に分散した。そして、90℃に昇温した乳化液に
重合開始剤を添加し、6.5時間乳化重合を行った。 (モノマー類) スチレン 79部 アクリル酸ブチル 21部 アクリル酸 3部 トリクロロブロモメタン(TCBM) 0.5部 メルカプトエタノール(MPE) 0.01部 (油溶性染料) Solvent Blue 63(下記化合物) 6部 (乳化剤水溶液) ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液 8部 脱塩水 18部 (重合開始剤) 8%過酸化水素水溶液 10.6部 8%アスコルビン酸水溶液 10.6部
られた重合体分散液の固形分濃度は17%であり、収率
は85%であった。得られた樹脂微粒子の重量平均分子
量は約5万だった。この結果、体積平均粒子径は20n
m、DV/DN=1.2であった。この樹脂微粒子分散
液0.5mlを6枚重ねた再生紙(コクヨ(株) 品番
「ヒ−501N」)上にピペットで置き、5分間放置し
たが、滲むこともなく、かつ上から2枚目の紙に青色が
着色することもなく、樹脂微粒子中の水は再生紙を透過
しなかった。 実施例4 (染料内包樹脂微粒子分散液の作成)攪拌装置、加熱冷
却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備え
たガラス製反応器に以下の量の10%n−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(S−DBS)水溶液12
部、脱塩水383部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇
温した。
(PTR−63(三菱化学製))を溶解し、乳化剤水溶液
に分散した。そして、90℃に昇温した乳化液に重合開
始剤を添加し、6.5時間乳化重合を行った。 (モノマー類) スチレン 79部 アクリル酸ブチル 21部 アクリル酸 3部 トリクロロブロモメタン(TCBM) 0.5部 メルカプトエタノール(MPE) 0.01部 (油溶性染料) PTR−63(下記化合物) 10部 (乳化剤水溶液) ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液 8部 脱塩水 18部 (重合開始剤) 8%過酸化水素水溶液 10.6部 8%アスコルビン酸水溶液 10.6部
られた重合体分散液の固形分濃度は18%であり、収率
は90%であった。得られた樹脂微粒子の重量平均分子
量は約5万だった。この結果、体積平均粒子径は20n
m、DV/DN=1.3であった。この樹脂微粒子分散
液0.5mlを6枚重ねた再生紙(コクヨ(株) 品番
「ヒ−501N」)上にピペットで置き、5分間放置し
たが、滲むこともなく、かつ上から2枚目の紙の赤色が
着色することもなく、樹脂微粒子中の水は再生紙を透過
しなかった。
微粒子分散液及びその製造方法を提供することができ
る。本発明の樹脂微粒子分散液は、紙上で滲まず、かつ
紙を透過しないので、水性インク、その他種々の用途に
用いることができる。
式図である。
散液中の樹脂微粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
Claims (11)
- 【請求項1】 体積平均粒径(DV)が5nm以上70
nm以下であり、且つ、体積平均粒径(DV)と個数平
均粒径(DN)との関係が、1≦DV/DN≦1.3であ
る樹脂微粒子が、界面活性剤の存在下、水または水を主
体とする液中に分散してなる樹脂微粒子分散液。 - 【請求項2】 体積平均粒径(DV)が5nm以上70
nm以下であり、且つ、体積平均粒径(DV)と個数平
均粒径(DN)との関係が、1≦DV/DN≦1.3であ
る樹樹脂微粒子が、界面活性剤の存在下、水または水を
主体とする液中に分散してなる樹脂微粒子分散液であっ
て、厚さ約60μmの再生紙(コクヨ(株) 品番「ヒ-5
01N」)の上に該樹脂微粒子分散液0.5mlを滴下
し、5分間経過した後の該再生紙を透過した水分量が1
mg以下であることを特徴とする樹脂微粒子分散液。 - 【請求項3】 樹脂微粒子の50%円形度が0.95〜
1である請求項1又は2に記載の樹脂微粒子分散液。 - 【請求項4】 固形分濃度が1〜50%である請求項1
乃至3のいずれかに記載の樹脂微粒子分散液。 - 【請求項5】 界面活性剤が炭素数6〜20の直鎖アル
キル基を有するベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩を
含む請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂微粒子分散
液。 - 【請求項6】 樹脂微粒子が油溶性染料を含有する請求
項1乃至5のいずれかに記載の樹脂微粒子分散液。 - 【請求項7】 単量体混合物を、界面活性剤の存在下
に、水または水を主体とする液中に分散、乳化し、これ
に水溶性重合開始剤を混合し、加熱して乳化重合を行う
樹脂微粒子の製造方法において、界面活性剤が炭素数6
〜20の直鎖アルキル基を有するベンゼンスルホン酸の
アルカリ金属塩を含む請求項1乃至6のいずれかに記載
の樹脂微粒子分散液の製造方法。 - 【請求項8】 単量体混合物100重量部に対して、界
面活性剤の量が5〜50重量部である請求項7に記載の
樹脂微粒子分散液の製造方法。 - 【請求項9】 界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムである請求項7又は8に記載の樹脂微粒子
分散液の製造方法。 - 【請求項10】 単量体混合物と油溶性染料を界面活性
剤の存在下に水または水を主体とする液中に分散、乳化
する請求項7乃至9のいずれかに記載の樹脂微粒子分散
液の製造方法。 - 【請求項11】 油溶性染料が重合禁止作用を示さない
油溶性染料である請求項10に記載の樹脂微粒子分散液
の製造方法。
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JP2001360438A JP2002348510A (ja) | 2000-11-28 | 2001-11-27 | 樹脂微粒子分散液及びその製造方法 |
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JP2000-360747 | 2001-03-23 | ||
JP2001-84164 | 2001-03-23 | ||
JP2001084164 | 2001-03-23 | ||
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008120860A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Fujifilm Corp | 顔料分散組成物、それを含有する着色感光性樹脂組成物及び感光性樹脂転写材料、並びにそれらを用いたカラーフィルタ及び液晶表示装置 |
JP2010503741A (ja) * | 2006-09-15 | 2010-02-04 | ヴィデオジェット テクノロジーズ インコーポレイテッド | 溶媒系インク組成物 |
-
2001
- 2001-11-27 JP JP2001360438A patent/JP2002348510A/ja active Pending
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JP2008007773A (ja) * | 2006-06-02 | 2008-01-17 | Fujifilm Corp | 有機ナノ粒子及びその分散組成物、並びにそれらを含有する着色感光性樹脂組成物、インクジェットインク、感光性樹脂転写材料、それらを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置、及びccdデバイス |
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JP2008120860A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Fujifilm Corp | 顔料分散組成物、それを含有する着色感光性樹脂組成物及び感光性樹脂転写材料、並びにそれらを用いたカラーフィルタ及び液晶表示装置 |
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