JP2002348331A - 水性樹脂分散体及びその製造方法 - Google Patents

水性樹脂分散体及びその製造方法

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JP2002348331A
JP2002348331A JP2001159713A JP2001159713A JP2002348331A JP 2002348331 A JP2002348331 A JP 2002348331A JP 2001159713 A JP2001159713 A JP 2001159713A JP 2001159713 A JP2001159713 A JP 2001159713A JP 2002348331 A JP2002348331 A JP 2002348331A
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aqueous
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JP2001159713A
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Mitsutaka Hasegawa
三高 長谷川
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性に優れ、長期間にわたり耐水性及び耐汚
染性に優れる皮膜を形成し得る水性樹脂分散体とその製
造方法の提供。 【解決手段】マレイミド基を有するエチレン性不飽和単
量体(A)、加水分解性シリル基を含有するエチレン性不
飽和単量体とシラン化合物の縮合体(B)及びその他のエ
チレン性不飽和単量体(C)を構成単量体単位とする共重
合体が水性媒体中に分散しなる水性樹脂分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂分散体及
びその製造方法に関するものであり、本発明の分散体
は、被覆剤、繊維用の硬化仕上げ剤、溌水剤、シーリン
グ剤、バインダー、接着剤及び粘着剤等の種々の用途に
使用可能なもので、耐候性及び耐水性に優れた皮膜を与
えるため、特に屋外塗料として好適に使用可能なもの
で、これら技術分野で賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に塗料、コーティング
剤等に用いられる、皮膜形成性のエマルションについて
の研究から、マレイミド基を有するエチレン性不飽和単
量体を構成単量体とする共重合体が、得られる皮膜が耐
候性に優れたものであり、塗料原料として有効であるこ
とを見出し、特許出願を行った(特願平11−3442
75号、特願平11−362080号)。
【0003】前記出願の明細書で述べたことであるが、
それら特定の共重合体から得られた皮膜ないし塗膜は、
耐候性に優れていることが知られている重合体であるフ
ルオロオレフィン−ビニルエーテル系共重合体からなる
フッ素樹脂や、アクリルシリコン樹脂から得られた皮膜
が有する皮膜光沢が不十分、皮膜と基材との密着性が満
足できるレベルにないという問題点を解決するものであ
った。
【0004】一方、塗料等の用途においては、近年の環
境問題への対応や、作業環境改善の要求から、塗料等の
水性化への試みがなされており、特に屋外塗料において
は、皮膜に耐汚染性、耐水性及び耐候性等の性能が要求
されているが、溶剤系の被覆剤と比較すると、耐汚染
性、耐水性及び耐候性等のすべての点において不十分な
ものであった。
【0005】本発明者らは、環境問題に適応し、かつ、
溶剤系被覆剤と同等の性能を有する被覆剤について鋭意
検討した結果、エマルション等の水性分散体において
も、マレイミド基を有するエチレン性不飽和単量体及び
特定のラジカル重合性界面活性剤を共重合する(特願平
2000−270766)か、又はマレイミド基を有す
るエチレン性不飽和単量体及びシクロアルキル基を有す
るエチレン性不飽和単量体を共重合すること(特願平2
000−270767)で、耐水性、耐汚染性に優れた
水性樹脂分散体が得られることを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記水
性樹脂分散体より得られる塗膜は、汚染物の除去は容易
であるものの、汚染物が付着するため洗浄作業が必要に
なったり、より過酷な条件における耐候性は不十分であ
る場合があった。本発明の目的はさらに耐候性に優れ、
長期間にわたり耐水性及び耐汚染性に優れる皮膜を形成
し得る水性樹脂分散体とその製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐候性に
優れ、長期間にわたり耐水性及び耐汚染性に優れる皮膜
を形成し得る水性樹脂分散体を製造するため、鋭意検討
した結果、加水分解性シリル基を含有するエチレン性不
飽和単量体とシラン化合物の縮合体をさらに重合体成分
として導入することにより、耐候性及び耐汚染性が著し
く改善できることを見出し、本発明を完成した。以下、
本発明を詳細に説明する。尚、この明細書においては、
アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリ
ロイル基と表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メ
タ)アクリル酸と表し、アクリレート又はメタクリレー
トを(メタ)アクリレートと表す。
【0008】
【発明の実施の形態】1.共重合体 1-1.マレイミド基を有するエチレン性不飽和単量体(A) 本発明における共重合体は、マレイミド基を有するエチ
レン性不飽和単量体を構成単量体単位の一つとするもの
である。(A)成分としては、下記一般式(1)で表されるマ
レイミド基を有するものが好ましい。
【0009】
【化2】
【0010】式(1)において、R1及びR2は、それぞれ
独立した水素原子、アルキル基、若しくはどちらか一方
が水素原子で他方がアルキル基であるか、又はそれぞれ
が結合して炭素環を形成する基である。
【0011】R1及びR2としては、それ自身の重合性又
はエチレン性不飽和基含有単量体との共重合性に優れて
いる点で、それぞれ独立したアルキル基、又はそれぞれ
が結合して炭素環を形成する基が好ましい。アルキル基
としては、炭素数4以下のものが好ましい。さらに、
(A)成分の製造が容易で、収率に優れ、又得られる共重
合体が耐水性に優れたものとなる点で、それぞれが結合
して炭素環を形成する基が好ましく、より好ましくは、
基−CH2CH2CH2−、又は基−CH2CH2CH2CH
2−が好ましく、特に好ましくは基−CH2CH2CH2
2−である。
【0012】(A)成分における、エチレン性不飽和基と
しては、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げ
られ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
【0013】(A)成分としては、下記式(2)で表されるイ
ミド(メタ)アクリレートが好ましい。
【0014】
【化3】
【0015】但し、式(2)中、R1及びR2は、前記と同
様の基である。又、R3はアルキレン基で、R4は水素原
子又はメチル基であり、nは1〜6の整数である。
【0016】式(2)の中でも、nが1〜2のものが好ま
しく、より好ましいものは、1のものである。R3とし
ては、炭素数1〜6のものが好ましく、より好ましくは
エチレン基及びプロピレン基が挙げられる。
【0017】イミド(メタ)アクリレートの好ましい例
としては、下記式(3)及び(4)で表される化合物を挙げる
ことができる。
【0018】
【化4】
【0019】但し、式(3)中、R4及びR5は水素原子又
はメチル基である。nは1〜6の整数である。
【0020】
【化5】
【0021】但し、式(4)中、R4及びR5は水素原子又
はメチル基である。R6及びR7は炭素数4以下のアルキ
ル基である。nは1〜6の整数である。
【0022】イミド(メタ)アクリレートは、以下の文
献、及び特許に記載のある方法により、酸無水物、アミ
ノアルコール及び(メタ)アクリル酸より製造すること
ができる。 ・加藤清ら、有機合成化学協会誌30(10),89
7,(1972) ・Javier de Abajo ら、Polymer,vol33
(5),(1992) ・特開昭56−53119号公報、特開平1−2425
69号公報
【0023】1-2.加水分解性シリル基を含有するエチレ
ン性不飽和単量体とシラン化合物の縮合体(B) 本発明における共重合体は、(B)成分の加水分解性シリ
ル基を含有するエチレン性不飽和単量体とシラン化合物
の縮合体を構成単量体単位とするものである。(B)成分
としては、種々のものが使用でき、水の存在下に、加水
分解性シリル基を含有するエチレン性不飽和単量体(以
下加水分解性シリル単量体という)とシラン化合物とを
縮合して製造されたものが好ましい。以下に加水分解性
シリル単量体とシラン化合物について説明する。
【0024】1-2-1.加水分解性シリル単量体 本発明で使用される加水分解性シリル単量体としては、
種々の化合物があり、下記式(5)で表される化合物が好
ましい。
【0025】
【化6】
【0026】〔式(5)において、R8は炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれる
一価の炭化水素基、R9はエチレン性不飽和性基、Xは
加水分解性基、aは0〜2までの整数である。Siに結
合するX及びR8がそれぞれ二個以上の場合、それらは
同一の基であっても異なる基であっても良い。)R8
炭素数1〜10のアルキル基、アリール基及びアラルキ
ル基である。アリール基としてはフェニル基等が挙げら
れ、アラルキル基としてはベンジル基等が挙げられる。
8としては、炭素数1〜10のアルキル基が好まし
い。R9のエチレン性不飽和基としては、(メタ)アク
リロイル基、スチリル基、ビニルエステル基及びビニル
エーテル基等のラジカル重合性の高い官能基がより好ま
しい。Xの加水分解性基としては、アルコキシ基、ヒド
ロキシル基、ハロゲン原子及びアセトキシ基等が挙げら
れる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンタノキシ基
及びヘキサノキシ基等が挙げられ。反応性と安定性のバ
ランスから、Xとしては炭素数4以下のアルコキシ基が
好ましい。
【0027】加水分解性シリル単量体の具体例として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジ
プロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルメチル
ジプロポキシシラン等が挙げられる。当該単量体は、二
種以上を併用してもよい。
【0028】1-2-2.シラン化合物 本発明におけるシラン化合物としては、下記一般式(6)
で表されるエチレン性不飽和基を有さないシラン化合物
の単量体、二量体、三量体又はそのオリゴマー(以下単
にこれらをシラン化合物という)が好ましい。
【0029】
【化7】R10 nSi(R114-n ・・・・(6)
【0030】〔式(6)において、R10は安定な疎水性基
であり、R11は加水分解性基であり、nは0〜2までの
整数である。R10及びR11がそれぞれ二個以上の場合、
それらは同一の基であっても異なる基であっても良
い。〕
【0031】nは0〜2までの整数であり、好ましくは
1又は0であり、より好ましくは1である。R10は安定
な疎水性基であり、アルキル基及びアリール基等の炭化
水素系の置換基等が挙げられる。アルキル基の例として
は、メチル基、エチル基、プロプル基、ヘキシル基及び
オクチル基等が挙げられる。アリール基の例としては、
フェニル基等が挙げられる。R11は加水分解性の基であ
り、メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基、ヒド
ロキシル基、ハロゲン原子並びにアセトキシ基等が挙げ
られる。本発明においては、貯蔵安定性、取扱いの容易
さからアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基が好まし
い。尚、R10及びR11とも、複数個ある場合には、それ
ぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0032】本発明において有用であるシラン化合物の
具体例としては、次のものを挙げることができる。上記
一般式において、n=0の化合物の例としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシラン及びテトラブトキシシラン等が挙げられる。
n=1の化合物の例としては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキ
シシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリ
メトキシシラン、オクチルトリイソプロポキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びフェニル
トリエトキシシラン等が挙げられる。n=2の化合物の
例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン及びジフェ
ニルジエトキシシラン等が挙げられる。又、これら化合
物の二量体、三量体又はオリゴマー、並びにこれらの混
合物等が挙げられる。
【0033】本発明においては、シラン化合物として、
上記一般式において、nが0又は1の整数であり、R10
がアルキル基であり、R11がアルコキシ基である化合物
が、塗膜の耐汚染性に優れるため好ましい。さらにnが
1である化合物が硬化性エマルションの安定性に優れる
ためより好ましい。これらの化合物の具体例としては、
n=0の化合物の例としては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテ
トラブトキシシラン等が挙げられる。n=1の化合物の
例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシ
ルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、
オクチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン及びフェニルトリエトキシシラン等が挙げら
れる。シラン化合物は、2種以上を併用することもでき
る。
【0034】1-2-3.(B)成分の製造方法 (B)成分の好ましい製造方法としては、水分の存在下
に、加水分解性シリル単量体とシラン化合物を加熱・攪
拌し、加水分解性シリル単量体のシリル基にシラン化合
物を縮合させる方法が挙げられる。
【0035】加水分解性シリル単量体とシラン化合物の
割合は、加水分解性シリル単量体:シラン化合物=1:
99〜80:20(質量比)が好ましく、より好ましく
は10:90〜50:50である。加水分解性シリル単
量体の割合が1未満では、得られるエマルションの耐候
性が不十分となる場合があり、他方加水分解性シリル単
量体の割合が80を越えると、重合中にゲル化する場合
がある。
【0036】縮合反応で添加する水は、使用する加水分
解性シリル単量体とシラン化合物中に存在するアルコキ
シ基の合計モル数に対して、0.05〜0.45モルの
範囲が好ましく、より好ましくは0.15〜0.35モ
ルの範囲である。水の添加量が0.05未満では、加水
分解反応が不十分で、得られるエマルションの安定性が
不十分となる場合があり、又0.45モルを越えると、
縮合反応中にゲル化が起こり易くなることがある。
【0037】本反応は、触媒の存在下で行うことが好ま
しい。触媒としては酸性触媒が好ましく、パラトルエン
スルホン酸等の有機酸、並びに塩酸、硝酸、硫酸及びリ
ン酸等の無機酸が挙げられる。触媒の使用量としては、
添加する水に対して0.05〜10質量%が好ましい。
又、反応温度は、目的に応じて適宜設定すれば良いが、
好ましくは室温〜80℃である。縮合体の安定性のため
縮合反応終了後、触媒は除去するのが好ましい。
【0038】加水分解性シリル単量体とシラン化合物の
混合物は水と混合し難いため、水を溶解する有機溶媒中
で、反応を行うことが好ましい。当該有機溶剤としては
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メ
チルエチルケトン、エチレングリコールモノブチルエー
テル及びエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙
げられる。縮合完了後は使用した有機溶剤、加水分解に
より留出したアルコールは蒸留などのより除去するのが
好ましい。
【0039】1-3.その他のエチレン性不飽和単量体(C) 本発明における、(C)その他のエチレン性不飽和単量体
としては、前記(A)成分及び(B)成分以外の(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニト
リル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α
−メチルスチレン、並びにビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シ、プロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシ
リル基を有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられ
る。
【0040】(メタ)アクリレートとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、nブチル(メタ)アク
リレート、iso ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸アルキル、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アク
リレート等の脂環式(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及び2−
エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシア
ルキル(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリ
シジル(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリル
酸N,N−ジエチルアミノエチルを挙げることができ
る。
【0041】これらの中でも、共重合性、皮膜物性等の
面から好ましい単量体としては、炭素数が1〜8のアル
キル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸、スチレン、炭素数が2〜3のアルキレ
ン基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
及びグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、耐
候性等の面から好ましい単量体としては、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0042】2.製造方法 本発明の水性樹脂分散体は、前記(A)〜(C)成分の共重合
体が水性媒体中に分散してなるものである。水性樹脂分
散体の製造方法としては、種々の方法が採用でき、界面
活性剤の存在下に水性媒体中で前記(A)〜(C)成分を共重
合する方法が好ましい。
【0043】(A)〜(C)成分の好ましい共重合割合は、
(A)1〜50質量%、(B)1〜80重合%、及び(C)1〜
98質量%であり、より好ましくは、(A)5〜40質量
%、(B)10〜50重合%及び(C)10〜85質量%であ
る。成分(A)の割合が1質量%に満たない場合は、硬化
性が不足して耐候性が劣ることがある。他方50質量%
を越えると、架橋密度が上がりすぎて塗膜が脆くなるこ
とがある。成分(B)の割合が1質量%に満たないとシリ
コン成分が不足して耐候性、耐汚染性が不足する。他方
80重合%を越えると樹脂成分が不足して塗膜が脆くな
ることがある。
【0044】界面活性剤としては、通常の乳化重合にお
いて汎用されるアニオン系、ノニオン系及びカチオン系
等の各種界面活性剤を用いることができ、具体例として
は、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、並びにポリオ
キシエチレン高級アルコールエーテル及びポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活
性剤等が挙げられるが、得られるエマルションが安定な
ものとなり、又塗膜の耐水性及び耐候性に優れるため、
ラジカル重合性界面活性剤を用いることが好ましい。
【0045】当該ラジカル重合性界面活性剤としては、
下記一般式(7)で表されるポリオキシアルキレン基とイ
オン解離性基を含有するものが好ましい。
【0046】
【化8】Z−(AO)n−Y ・・・・(7)
【0047】(式中、Zは、上記成分(a)と共重合可能
なラジカル重合性二重結合を有する有機基、AOはオキ
シアルキレン基、nは2以上の整数、Yはイオン解離性
基を示す。)前記一般式(7)における好ましいZは、芳
香族炭化水素基、アルキル置換芳香族炭化水素基、高級
アルキル基又は脂環式炭化水素基等の疎水性基とラジカ
ル重合性二重結合とが組み合わされた構造単位である。
さらに、Zにおけるラジカル重合性二重結合としては、
(メタ)アリル基、プロペニル基又はブテニル基等が好
ましい。
【0048】重合性界面活性剤の好ましいイオン性はア
ニオンであり、従ってYとしては、基(AO)nとアニ
オン性の基で結合可能であり、当該アニオン性の基にカ
チオンがイオン結合した塩が好ましい。好ましいYの具
体例としては、−SO3Na、−SO3NH4、−COO
Na、−COONH4、−PO3Na2及び−PO3(NH
42等が挙げられ、さらに好ましくは−SO3Na又は
−SO3NH4である。基(AO)nにおけるnは2以上
の整数である。nが1の場合は、単量体(a)中の加水分
解性シリル基が不安定になり分解しやすくなってしま
う。好ましいnとしては、300以下であり、より好ま
しくは5〜50である。nが5未満であると、前記単量
体(a) 中の加水分解性シリル基の安定性が不足し易くな
る場合があり、一方nが300を越えると得られる硬化
性エマルションから形成される塗膜の物性が低下する傾
向を示すことがある。又、基(AO)n における単位
A、すなわちアルキレン基としては、エチレン基又はプ
ロピレン基が好ましい。
【0049】重合性界面活性剤の好ましい具体例として
は、例えば下記式(8)〜(10)で表される化合物が挙げら
れる。式(8)及び(9)において、R12及びR13としては、
炭素数6〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基が好まし
い。式(10)において、R14としては、水素原子又はメチ
ル基であり、R15としては、炭素数8〜24のアルキル
基が好ましい。又、式(8)〜(10)において、A1、A2
3は、アルキレン基を示し、又いずれの化合物におい
てもnは2以上の整数である。又、式(8)〜(10)におい
て、Y1、Y2及Y3は、イオン性解離基を示し、その具
体例としては、前記Yと同様のものを挙げることができ
る。
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】界面活性剤の好ましい使用量は、前記(A)
〜(C)成分の合計量100質量部当たり、0.5〜20
質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。
【0054】(A)〜(C)成分の重合方法としては、界面活
性剤及びラジカル重合性開始剤の存在下に、水性媒体中
で加熱攪拌するといった常法に従えば良い。
【0055】本発明では、種々の重合方法の中でも、界
面活性剤の存在下に、(A)〜(C)成分を水性媒体中に乳化
分散させる工程1と、工程1で得られた水性乳化分散体
を加熱された水性媒体中に滴下して(A)〜(C)成分を共重
合させる工程2からなる製造方法が好ましい。
【0056】工程1において(A)〜(C)成分を水性媒体中
に乳化分散させる方法としては、通常の回転式ホモミキ
サー等により、当該混合物と水性媒体との混合物を攪拌
する方法、又は水性媒体中に当該混合物を添加する方法
等で十分に乳化分散させた後、高圧式乳化分散機(ホモ
ジナイザー)、タービン型ミキサー等高度の剪断エネル
ギーを有する分散装置を用いて粒子径を微細化すること
が望ましい。界面活性剤は (A)〜(C)成分の混合物に混
合しておいても、水性媒体中に添加しておいても良い。
【0057】(A)〜(C)成分、界面活性剤及び水からなる
乳化分散体は微粒子であることが好ましく、好ましい粒
径としては5μm以下であり、より好ましくは1.0μ
m以下である。この様な粒子径の水性乳化分散体とする
ことにより、安定に重合が可能となる他、、重合後に得
られる水性エマルションの粒子径を小さくすることがで
き、得られる各重合体の組成が均一となり、塗膜が耐水
性、耐候性に優れるものとなる。
【0058】使用するラジカル重合性界面活性剤として
は、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等水溶性の
ラジカル重合開始剤、油溶性のラジカル重合性開始剤の
どちらも使用可能であるが、塗膜の耐水性などの面で油
溶性のラジカル重合性界面活性剤が好ましい。油溶性ラ
ジカル重合開始剤としては、油溶性のものであれば種々
のものが使用可能であり、20℃の水に対する溶解度が
10質量%以下のものが好ましく、反応温度において単
量体混合物中に溶解するものが好ましい。例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス−2,4ジメチルバレロニトリル、1−アゾビス−1
−シクロヘキサンカルボニトリル及びジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、ラウ
ロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジクミ
ルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドジ−n
−プロピルパーオキシジカルボネート及びt−ブチルパ
ーオキシピバレート等の有機過酸化物が好適に用いられ
る。油溶性ラジカル重合開始剤は(A)〜(C)成分からなる
混合溶液に溶解して使用する方法が好ましい。これら重
合開始剤の量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して、0.
1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜3
質量%の範囲に設定される。
【0059】(A)〜(C)成分の合計量と水性媒体との好ま
しい比率は、(A)〜(C)成分の合計量100質量部当た
り、水性媒体20〜150質量部である。
【0060】当該製造方法は、(A)〜(C)成分からなる水
性乳化分散体の粒子を微細化して重合を行うため、(B)
成分のような分子量の大きな縮合物も安定に重合可能と
なる。一般的な乳化重合により(B)成分のような分子量
の大きな縮合物を共重合しようとすると、(B)成分はエ
マルション粒子の中に留まることはできず、(B)成分が
重合後に析出してしまうことがある。さらに油溶性のラ
ジカル重合開始剤を使用することにより重合はいっそう
安定に行うことが可能となり、塗膜の耐水性も向上する
ためより好ましい。
【0061】本発明では、成分(B)における加水分解性
シリル基の安定化のため、pH緩衝剤を配合することが
好ましい。pH緩衝剤の配合は、(A)〜(C)成分の水性媒
体中への分散操作において、事前に水性媒体に溶解させ
ておくことも、(A)〜(C)成分と一緒に水性媒体中に添加
しても良い。pH緩衝剤としては、水性媒体のpHを6
〜10に保持するのに適した緩衝剤が好ましく、有機
酸、無機酸、塩基及びそれらの塩類が挙げられ、具体的
な化合物としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、ほう酸ナトリウム、リン酸ナト
リウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモ
ニウム、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、アニ
リン及びケイ酸ナトリウム等が挙げられる。中でも、安
全性、低価格等の面から、炭酸水素ナトリウムが最も好
ましい。緩衝剤は単独又は2種以上を併用することがで
きる。使用量は一般的には水性乳化分散体中の濃度が
0.01〜5質量%であるのが好ましい。
【0062】次に、工程1で得られた水性乳化分散体
を、加熱された水性媒体中に滴下し、(A)〜(C)成分を共
重合させる工程2を行う。具体的には、水性媒体が少量
仕込まれ、かつ、重合開始剤の分解温度以上に加熱され
た撹拌下の反応器内に、工程1で得られた水性乳化分散
体を滴下する。反応器へ仕込んでおく水性媒体の好まし
い量は、反応器に滴下する水性乳化分散体100質量部
当たり、10〜50質量部程度である。水性分散体は滴
下ロートから反応器内に徐々に滴下することが好まし
く、又重合温度は、通常40〜100℃が好ましい。
【0063】3.その他の成分 本発明で得られる水性樹脂分散体には、塗料、コーティ
ング剤、繊維・不織布用バインダー、粘・接着剤及び防
錆剤等の用途に常用される各種の添加剤、例えばクレ
ー、タルク、炭酸カルシウム及びチタンホワイト等の充
填剤、顔料、染料、成膜助剤、可塑剤、湿潤・分散・消
泡等に用いられる各種界面活性剤、帯電防止剤、増粘
剤、チクソトロピー性付与剤、凍結防止剤、各種架橋
剤、防曇剤、滑剤、金属粉末、酸化防止剤、紫外線防止
剤、抗菌剤、抗かび剤、粘着付与剤、並びに防錆剤等を
必要に応じて適量添加することができる。本発明では、
水系の塗料に使用される成膜助剤を配合することが好ま
しい。成膜助剤としては、ブチルセルソルブ等のセルソ
ルブ、カルビトール及びトリプロピレングリコール−n
−ブチルエーテル等のグリコールエーテル等が挙げられ
る。
【0064】又、本発明の水性樹脂分散体は、二個以上
の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、例えば、ア
ルキレングリコールジ(メタ)アクリレートやポリアル
レキングリコールポリ(メタ)アクリレート等のアクリ
ル系のモノマー及びウレタン(メタ)アクリレート、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)ア
クリレート及びポリエーテルポリオール等の化合物と併
用されて活性エネルギー線硬化型水性エマルションとし
て用いることにより、さらに応用範囲が広がるものであ
る。
【0065】4.用途 本発明で得られる水性樹脂分散体は、被覆材として好適
である。適用可能な基材としては、例えばガラス、スレ
ート、金属、木材、プラスチック及びコンクリート等が
挙げられる。被覆剤の用途を更に具体的に示すと、土木
・建築を目的とした、塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗
料及び溌水剤、電気電子部品の防湿コーティング剤、磁
気テープのバックコート剤等が挙げられ、これら以外の
用途としては、シーリング剤、繊維処理剤、繊維・不織
布用バインダー、インキ用バインダー及び粘着剤等が挙
げられるが、耐候性、耐水性耐汚染性に優れることか
ら、屋外塗料用途が最も好ましい。
【0066】本発明で得られる水性樹脂分散体の使用方
法としては、種々の基材に塗工し、常温又は加熱下に水
分を揮発させれば塗膜が得られる。形成した皮膜は太陽
光や紫外線の元に曝すと、架橋反応が進行し、より強靭
な塗膜を形成するので好ましい。
【0067】
【作用】本発明の組成物は、共重合体中の(A)成分に由
来するマレイミド基同士が太陽光により光二量化して三
次元架橋し、又(B)成分に由来するアルコキシシリル基
又はシラノール基同士が加水分解縮合して三次元架橋す
るため、より強靭な塗膜を形成する。(A)成分に由来す
るマレイミド基は、太陽光を効率良く吸収し、架橋する
ため、耐水性、耐候性及び耐汚染等に優れた架橋皮膜を
形成するとともに、(C)成分と共に塗膜に柔軟性を付与
する。一方、(B)成分に由来するアルコキシシリル基又
はシラノール基は過酷な条件において非常に安定なシロ
キサン結合を形成し、抜群な耐候性を誇る他、残存する
シラノール基により塗膜表面を親水化して耐汚染性も付
与する。従って、本発明者らが見出した水性樹脂分散体
では、過酷な条件下においても長期間にわたり耐候性、
耐汚染性が優れた塗膜を形成することができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。尚、各例における「部」は、全て
質量部を意味する。尚、実施例で使用されたイミドアク
リレートは下記(11)で表わされ、同じく界面活性剤の
「アクアロンHS20」〔第一工業製薬(株)製〕は下
記(12)で表されるラジカル重合性界面活性剤である。
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】○製造例1〔(B)成分の製造〕 表1に示す各成分を、表1に示す割合で使用した。加水
分解性シリル単量体、シラン化合物及びイソプロピルア
ルコールを、表1に示す配合量で混合し、攪拌機、温度
計及び冷却器を備えたフラスコに仕込んだ。液温を60
℃に昇温した後、撹拌下に塩化水素水溶液と水の混合液
を約30分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、更
に1時間保持して反応を完了した。この場合、計算上、
約半分の加水分解性シリル基が加水分解、縮合したこと
になる。その後、反応液を蒸留して、溶媒として使用し
たイソプロピルアルコール、加水分解により生成したエ
タノール、触媒として使用した塩化水素を除去した。得
られた液状の縮合体(以下縮合体1という)は、透明で
長期間保存後も粘度が増加することはなかった。
【0072】
【表1】
【0073】○製造例2及び同3〔(B)成分の製造〕 表1に示す成分及び割合に変更した以外は、全て製造例
1と同様に反応を行い(B)成分を製造した。得られた(B)
成分の液状の縮合体2及び縮合体3は、いずれも透明で
長期間保存後も粘度が増加することはなかった。
【0074】○実施例1 (1)水性乳化分散体の製造工程(工程1) 表2に示す量のイミドアクリレート〔(A)成分〕、縮合
体1〔(B)成分〕、シクロヘキシルメタクリレート(以
下CHMAという)、メチルメタクリレート(以下MM
Aという)及びn−ブチルアクリレート(以下BAとい
う)〔以上(C)成分〕の混合物に、油溶性ラジカル重合
開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
(以下AIBNという)を1部溶解し、アクアロンHS
20の1部、重曹0.2部および水80部とともに、ホ
モミキサー、さらに高圧乳化分散機(APVゴーリン社
製)で乳化分散処理を施して、水性乳化分散体を調製し
た。尚、水性乳化分散体の粒径は、およそ0.2μmで
あった。
【0075】
【表2】
【0076】(2)重合工程(工程2) 攪拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに水性媒体
として脱イオン水40部を仕込み、液温を85℃に昇温
したのち、撹拌下で上記の水性乳化分散体を3時間かけ
て滴下した。滴下終了後内液を90℃に昇温し、更に1
時間保持して重合を完了した。重合中に液分離及びブロ
ッキングは起こらず、重合は安定に行われた。得られた
水性樹脂分散体において、共重合体の平均粒径は0.2
3μmであった。
【0077】得られた水性樹脂分散体の固形分100部
に対して、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテ
ル(以下DPNBと略す)を10部配合し、水性組成物
を製造した。得られた組成物を、アルミ板にバーコータ
ーを使用し、室温で50μmの膜厚で塗布した2枚の試
験片を作成した。1つの試験片は塗装後に屋外(晴天時
の南面)に7日間時間暴露した(試験片A)。もう一方
の試験片は塗装後に屋外(晴天時の南面)に7日間時間
曝露した後、促進耐候性試験機であるメタルウェザーメ
ーターKU−R4(大日本プラスチック製)を用いて、
1200時間の促進耐候性試験(照射6時間/結露2時
間の150サイクル)を行った(試験片B)。得られた
2種類の試験体について、下記の評価試験を行った。そ
れらの結果を表3に示す。
【0078】○評価 耐水性 試験体を温度40℃の温水に1日間浸漬し、皮膜の浸
漬中の白化レベルと、水中から取り出して室温で1日
間放置した後の白化のレベルを目視で評価した。 ○:白化せず、白化はなく艶のある塗膜 △:僅かに白化、白化はないが艶が減少 ×:白化した、白化したまま
【0079】カーボン汚染性 カーボン粉末(MA100)の灯油5%分散液を作成
し、塗膜上に塗布し24時間放置後ペーパータオルでの
拭き取り性を評価した。 ○:完全に除去 △:痕跡が残る程度 ×:ほとんど除去できず
【0080】屋外汚染性 名古屋市南部工業地帯において、作成した塗膜を45゜
の角度で暴露試験を行い、試験前後のL値の変化である
ΔLを測定した。ΔL値の絶対値が小さい程、耐汚染性
が良好であることを示す。6ケ月暴露後の値を耐汚染性
を耐汚染性△Lと示した。
【0081】○実施例2〜同4 実施例1において、使用する単量体の種類及び割合を表
2に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様の
方法により水性樹脂分散体を製造した。得られた水性樹
脂分散体を使用し、実施例1と同様にしてDPNBを配
合して組成物を製造し、実施例1と同様に評価した。そ
れらの結果を表3に示す。
【0082】○実施例5 実施例1において、AIBNを使用せず、4,4’−ア
ズビス(4−シアノペンタン酸)〔和光純薬(株)製V
−501〕を1部使用したこと以外は、すべて実施例1
と同様の方法により水性樹脂分散体を製造した。尚、V
−501は当量のアンモニアで中和した水溶液としてフ
ラスコに仕込んで使用した。得られた水性樹脂分散体を
使用し、実施例1と同様にしてDPNBを配合して組成
物を製造し、実施例1と同様に評価した。それらの結果
を表3に示す。
【0083】○比較例1〜同3 実施例1において、使用する単量体の種類及び割合を表
2に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様の
方法により水性樹脂分散体を製造した。得られた水性樹
脂分散体を使用し、実施例1と同様にしてDPNBを配
合して組成物を製造し、実施例1と同様に評価した。そ
れらの結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】本発明の水性樹脂分散体は、得られる塗
膜が長期間にわたり耐候性、耐水性及び耐汚染性に優れ
るものであり、屋外用での塗料、シーリング剤及びコー
ティング剤等の各種用途に有用であり、特に屋外塗料と
して有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 KA01 KA12 KA21 KA30 KB14 KB29 4J100 AL03Q AL04Q AL05Q AL08P AL08Q AL10Q AP16Q BA03Q BA05Q BA31Q BA77Q BB18Q BC04Q BC07Q BC43Q BC66P CA05 EA06 FA03 FA20 FA30 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マレイミド基を有するエチレン性不飽和単
    量体(A)、加水分解性シリル基を含有するエチレン性不
    飽和単量体とシラン化合物の縮合体(B)及びその他のエ
    チレン性不飽和単量体(C)を構成単量体単位とする共重
    合体が水性媒体中に分散しなる水性樹脂分散体。
  2. 【請求項2】前記(B)成分が、水の存在下に、加水分解
    性シリル基を含有するエチレン性不飽和単量体と下記シ
    ラン化合物とを縮合して製造されたものである請求項1
    記載の水性樹脂分散体。 シラン化合物;下記一般式(6)で表される化合物の単量
    体、二量体、三量体及び/又はオリゴマー 【化1】R10 nSi(R114-n ・・・・(6) 〔式(6)において、R10は安定な疎水性基であり、R11
    は加水分解性基であり、nは0〜2までの整数である。
    10及びR11がそれぞれ二個以上の場合、それらは同一
    の基であっても異なる基であっても良い。〕
  3. 【請求項3】下記工程1及び工程2からなる請求項1又
    請求項2記載の水性樹脂分散体の製造方法。 工程1:界面活性剤の存在下に、前記(A)〜(C)成分を水
    性媒体中で微細粒子に乳化分散させる工程 工程2:重合開始剤の存在下、工程1で得られた水性乳
    化分散体を、加熱された水性媒体中に滴下して前記(A)
    〜(C)成分を共重合させる工程
  4. 【請求項4】前記(A)〜(C)成分の混合物に油溶性ラジカ
    ル重合開始剤を溶解させることを特徴とする請求項3記
    載の水性樹脂分散体の製造方法。
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