JP2002348249A - 合成甲状腺ホルモン組成物 - Google Patents

合成甲状腺ホルモン組成物

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JP2002348249A
JP2002348249A JP2002152015A JP2002152015A JP2002348249A JP 2002348249 A JP2002348249 A JP 2002348249A JP 2002152015 A JP2002152015 A JP 2002152015A JP 2002152015 A JP2002152015 A JP 2002152015A JP 2002348249 A JP2002348249 A JP 2002348249A
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thyroid hormone
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synthetic thyroid
trabecular meshwork
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Daniel M Schwartz
エム. シュワルツ,ダニエル
John D Baxter
ディー. バクスター,ジョン
Michele D Jumper
ディー. ジャンパー,マイケル
Thomas S Scanlan
エス. スキャンラン,トーマス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成甲状腺ホルモンがインビボにおいて眼内
圧を低下させるための組成物の提供。 【解決手段】 眼内圧、房水圧、水力学的伝導性、ヒア
ルロン酸分泌、及び細胞外マトリックス・アセンブリー
に対する効果を有する合成甲状腺ホルモンを含有医薬組
成物を提供する。合成甲状腺ホルモン及び組成物により
過剰の眼内圧を処置するための及び緑内障の治療のため
の組成物も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】導 入 技術分野 本発明は、合成甲状腺ホルモン、上昇した眼内圧及び緑
内障の治療のための組成物及び方法に関する。 背 景 緑内障は、米国内で約2百万人、そして全世界で約15百
万人を悩ましている。35歳を超える集団の約2%が緑内
障のいくつかの形態を患い、そしてそれは失明の全ケー
スの約12%の原因である。その容易な診断にも拘らず、
緑内障を患う患者において眼内圧(intraocular pressu
re (IOP)) を低下させる療法は、しばしば不適切なもの
である。眼内圧を低下させるための局所的及び経口的な
医薬の使用は、それらの医薬の副作用によりしばしば制
限される。他のケースにおいては、緑内障を治療するた
めの医療的処置の使用は、視神経への進行性の損傷を妨
ぐために十分な程眼内圧を低下させることにおいて成功
していない。
【0002】従って、緑内障及びその他の眼又は上皮の
医学的症状の治療のための方法、化合物及び組成物につ
いての必要性が在る。 本発明の要約 本明細書中に記載する発明の前には、甲状腺ホルモンの
レベルにおける全身的変化に因るIOP の変化は間接的で
あると推定されていたか、又は直接的な場合でも、IOP
における甲状腺ホルモン誘導変化は、眼に位置するアド
レナリン作動性のα又はβレセプターを通して仲介され
ると考えられていた。本発明の側面は、今般、眼の生理
学における甲状腺ホルモン・レセプターの重要な役割を
最初に認識した。眼の甲状腺レセプターは、眼の細胞に
おける甲状腺ホルモン効果を直接的に仲介する機会を提
供する。特に、ヒト小柱網(trabecular meshwork(“HT
M”))細胞の甲状腺レセプターは、HTM 細胞により維
持される細胞外ヒアルロン酸(“HA”)の量を潜在的に
仲介することができ、これは、次に、眼房水の流出量に
影響を及ぼすことができる。
【0003】本発明は、甲状腺ホルモン・レセプターを
含む細胞及びGAG 生産に関係する細胞過程がグリコサミ
ノグリカン(glycosaminoglycan(“GAG ”))生産を仲
介する化合物の如き、治療薬として有用である化合物を
同定するためのインビトロ又はインビボにおける有用な
成分であろうということを明確に理解する。治療薬(th
erapeutics) として有用な化合物を同定する方法は:
1)GAG を分泌する細胞、例えば小柱網細胞とある化合
物を接触させ、そして2)その化合物が10マイクロモル
以下の濃度をもつ場合に、上記細胞へのその化合物の結
合を検出する、ことを含む。
【0004】さらに、本発明は、甲状腺ホルモン及び合
成甲状腺ホルモン(synthetic thyroid hormones (SHT
s))が、細胞、例えば小柱網細胞からのGAG 生産又はH
A分泌を直接的に仲介することができるということを明
確に理解する。従って、本発明の方法は、所望の細胞又
は組織内で物質又は細胞過程の量又は活性を減少させる
化合物、特にSTHsを使用して、GAG 生産又はHA分泌を調
節することに向けられる。好ましくは、このような細胞
は、小柱網細胞、眼の毛様体細胞(ciliary cells)、眼
の内皮細胞(endothelial cells)、眼以外の内皮細胞、
並びに皮膚及び内部臓器の線維芽細胞であろう。ほとん
どの場合、STH の非全身的適用が好ましい。但し、STHs
は全身的に投与されることもできる。
【0005】本発明は、眼に対する合成甲状腺ホルモン
の眼病に有効な量を、治療の必要な眼に投与することを
含む緑内障の治療方法をも提供する。投与モードは、局
所的、眼内移植又は注射、及び全身的なものを含む。好
ましくは、眼に対するSTH の投与は、眼に許容される医
薬担体を用いた局所投与又は外科手術で移植可能な又は
注射可能なデバイスを介した非全身的投与であり、これ
は、眼内でのSTH の持続的に放出することができる生物
学的分解性の又は生物学的非分解性のポリマーを含むこ
とができる。持続放出ポリマー中にSTH を含有する眼挿
入物も使用されることができる。 特定の態様の説明 略 号 HAはヒアルロン酸を表す。
【0006】GAG はグルコサミノグリカンを表す。
【0007】HTM はヒト小柱網を表す。
【0008】IOP は眼内圧を表す。
【0009】STH は合成甲状腺ホルモンを表す。 定 義 眼内圧(“IOP ”)は、典型的には、眼内の、特に前眼
房内の水性成分に関係する圧力をいう。眼内圧は、本明
細書中に記載するように圧平(applanation) 又はSchiot
z 眼圧計(tonometry) により計測されることができる。
ヒト非緑内障集団においては、IOP は、通常分布してい
るようである。圧平眼内計により計測されるとき、IOP
平均値は、15.4(σ± 2.5* )mmHg(座って)及び16.5
(σ±2.6 )mmHg(横になって)である。Schiotz 眼圧
計により計測されるとき、IOP 平均値は、16.1(σ±2.
8 )mmHgである。非緑内障患者のIOP 値は、単に近似値
である。この集団内の眼内圧の実測頻度分布は、一般集
団内の異なるサブ集団(例えば、緑内障及び年齢)に因
りより高いレベルに向ってゆがめられることができる。
【0010】緑内障は、典型的には、視覚の働きの障害
を引き起こし又は視神経に対する損傷を作り出す個体の
眼のIOP をいう。一般的なガイドとして、21mmHg(平均
+2σ)を上廻るIOP は、一般集団の 2.5%未満に生じ
るはずであり、そして一般集団の0.15%未満内に24mmHg
(平均+3σ)を上廻る圧力が生じるはずである。21mm
Hgを上廻るIOPsは緑内障の発達を示し、そして24mmHgを
上廻るIOPsは、緑内障の強い指標である。患者の眼は、
時間にわたる視覚の障害又は上昇IOP からの視神経の損
傷に対するそれらの感受性において変化するので、上昇
IOP 値は、緑内障の診断よりもむしろ指標として考慮さ
れなければならない。視野と視神経の評価も、患者が異
常に高いIOP をもっていないということを保証するため
に好ましくは評価される。緑内障は、閉塞隅角緑内障
(closed angle glaucoma)と開放隅角緑内障(open ang
le glaucoma)の両方を含む。閉塞隅角緑内障は、虹彩へ
の小柱網の接触(apposition) をいう。開放隅角緑内障
は、小柱網内又はそれを超える眼房水流出に対する耐性
をいう。緑内障は、正常IOP における視神経損傷をいう
低眼内緑内障(low tension glaucoma) への言及をも含
む。
【0011】合成甲状腺ホルモン(“STH ”)は、甲状
腺レセプターに結合し、そして正常な甲状腺レセプター
・ホルモン機能をもつアゴニスト、部分的アゴニスト又
はアンタゴニストとして作用する分子をいう。アゴニス
トは、それがそのレセプターに結合するとき、天然の分
子の作用を真似る分子をいう。通常、STHsは、T3 機能
のアゴニスト又は部分的アゴニストであり、そして化学
的合成経路を使用して作られるであろう。STHsは、通
常、天然組織から単離されたT3 とT4 を含まない。な
ぜなら、化学的に合成されたT3 とT4 のより純粋な調
製物が容易に入手されることができるからである。細胞
からのヒアルロン酸(“HA”)分泌を減少させること、
特に眼内でのHA分泌において有用な本分野において知ら
れたSTHs又は新規STHsを、本明細書中にさらに記載す
る。好ましくは、STH は、甲状腺ホルモンの非存在又は
甲状腺ホルモンを除去された培地中でHA分泌に比較して
10μM以下の濃度で培養されたヒト小柱網細胞からのHA
分泌を減少させるであろう。STH はSTHsのエステル誘導
体を含む。
【0012】本発明の目的のためには、本明細書中で互
換使用される用語である“甲状腺ホルモン”又は“甲状
腺ホルモン様化合物”は、そのリガンド結合性ドメイン
を含む純粋又は実質的に純粋な天然又は組換え甲状腺ホ
ルモンα又はβレセプター又はラットの核のような甲状
腺ホルモン・レセプター含有調製物を使用して、(Lavi
n, T. N. Mechanisms of Thyroid Hormone action. In
the textbook of Endocrinology (De Groot, Ed.), 2nd
Editiom, W. B. Saunders, pub. (1989) 及びAprilett
i J. et al J. Biol. Chem. 263 p. 9409-9417, 1988中
に記載された)レセプター結合アッセイにおいてテスト
されるとき、1μN未満の化学親和定数(chemical aff
inity constant), KD をもって甲状腺ホルモン・レセプ
ターTR−α又はβに少なくとも部分的に結合する、ペプ
チドを含むいずれかの化学的存在物である。このような
リガンドは、それらがその天然のホルモンと同様のアゴ
ニスト効果をもつとき、ホルモンと見なされることがで
き、又はそれらの化合物がその天然のホルモンの効果に
拮抗するときアゴニストと見なされることができる。部
分的なアゴニスト/アンタゴニストも存在することがで
きる。(好適なリガンドはアゴニスト又はアンタゴニス
トであることができる。) 細胞過程を説明する文脈において使用されるとき、分泌
とは、典型的には、細胞の内側から細胞外の位置に分子
を輸送する細胞過程をいう。グリコサミノグリカン
(“GAG ”)の場合、分泌は、多数の細胞過程、例えば
翻訳後プロセッシング及び細胞からの輸送のために適切
な細胞部位へのデリバリーを含むことができるであろ
う。しかしながら、分泌は、分子の正味の輸送をいい、
そして必ずしも、分子の分泌過程における特定の段階を
いうのではない。
【0013】合成とは、細胞過程を説明する文脈におい
て使用されるとき、典型的には、分子、例えばGAG 、例
えばHAの製造に関係する細胞過程をいう。合成は、分子
を製造する細胞からのその分子の輸送を含むことができ
るので、用語合成は、本明細書中に記載する用語分泌の
言及をも含む。
【0014】製造とは、細胞過程を説明する文脈におい
て使用されるとき、典型的には、分子、例えばGAG 、例
えばHAの一定状態レベルを維持することに関係する細胞
過程をいう。従って、製造は、合成及び分泌に関する細
胞過程をいう。製造は、分子の一定状態レベルの維持、
分解系路、及び細胞に又は細胞外マトリックス内に分子
をつなぎ止める細胞外構造要素を説明する細胞及び細胞
外過程をもいう。
【0015】眼科学的有効量とは、典型的には、このよ
うな治療剤がそのような処置の必要な眼組織に組合物中
で、かつ、対応する投与技術においてデリバリーされる
とき、眼内のIOP を減少させ、又はIOP の上昇を防ぐた
めに十分な治療剤、例えばSTH の量をいう。典型的に
は、上昇したIOP は、眼高血圧(視神経の損傷を伴わな
い上昇IOP)、原発性緑内障、二次的緑内障(例えば、全
身的ステロイド処置)又は甲状腺機能低下症(hypothyr
oidism) に関連するであろう。本明細書中に記載するST
Hsは、上記の医学的症状に関連する上昇IOP を治療する
ために使用されることができる。好ましくは、眼科学的
に有効な量は、視神経損傷又は視力障害を防止するため
に十分にIOP を減少させるであろうし、そしてIOP にお
けるこのような減少は、上昇したIOP レベルの少なくと
も10%、好ましくは少なくとも30%、そして最も好まし
くは少なくとも50%であろう。予想される正常IOP は、
典型的には、(平圧眼圧計、座位により計測されると
き)、22mmHg未満、例えば15mmHg未満であろう。予想さ
れる正常IOP は、視神経損傷を防止するために十分に低
くあるべきである。IOP の減少のためのSTH 処置の成功
は、他の形式を使用して計測されることもできる。例え
ば、患者は、34mmHgの上昇IOP を、そして17mmHgの目標
IOP をもつことができる。上記患者のために視神経損傷
を防止することは、上記の目標IOP を達成するためにIO
P における50%の減少を必要とするであろう。IOP にお
けるこのようなパーセンテージの低下は、以下の式:
【0016】
【数1】
【0017】により簡単に説明されることができる。IO
P の計測は、上記の眼科学的有効量を、処置に対する異
なる患者の応答性にあつらえるために、眼のSTH 処置を
モニターし、かつ、投与量を変化させるための方法とし
て、本明細書中により十分に説明される。異なる処方及
びデリバリー技術のために推奨される眼科学的に有効な
量は、本明細書中により十分に記載される。
【0018】導 入 本願発明までは、甲状腺ホルモンが、眼内でのヒアルロ
ン酸(“HA”)合成又は眼内圧(“IOP ”)を直接調節
することができるということは認識されていなかった。
従来、眼の生理学における甲状腺ホルモンの役割は、理
解されていなかった。甲状腺ホルモンが眼内で関連の生
理学的効果を発揮するために十分な量で血液脳関門を横
切るかどうか;眼の細胞、例えば小柱網細胞が甲状腺ホ
ルモンのシグナルを特異的に仲介するために必要な甲状
腺レセプターを有しているかどうか;そして甲状腺ホル
モンが小柱網細胞によりHA分泌又は合成を直接的に仲介
し、又はIOP を調節することができるかどうか、につい
ては証明されなかった。
【0019】本明細書中に記載する発明の前には、甲状
腺ホルモンのレベルにおける全身的変化に因るIOP にお
ける変化は、間接的であると仮定されていた、又は直接
的であっても、このような甲状腺ホルモンにより誘導さ
れたIOP における変化は、眼内にあるアドレナリン作動
性のα又はβレセプターを通して仲介されると考えられ
ていた。今般、本発明の解釈は、はじめて、眼の生理学
における甲状腺ホルモン・レセプターの重要な役割を認
識せしめる。眼の甲状腺レセプターは、眼の細胞内の甲
状腺ホルモンの効果を直接的に仲介するための機会を提
供する。特に、ヒトの小柱網(“HTM ”)細胞の甲状腺
レセプターは、HTM 細胞により維持される細胞外HAの量
を潜在的に仲介することができ、これは次に、眼房水
(aqueoushumor)の流出に影響を及ぼすことができる。
【0020】通常、IOP の維持は、毛様体(ciliary bo
dy) による房水分泌と小柱網を通しての房水の排出をバ
ランスさせることを要求する。IOP の最も重要な決定要
素の中の1つは、眼房水の流出である。眼房水流出の主
要な部分は、小柱網を通して、かつ、シュレム管(Cana
l of Schlemm) 内に向けられ、これは集合管を通って上
強膜の脈管構造の管(episcleral vasculature tube)内
に排出される。液が眼を出て、そしてシュレム管に入る
前に、液は小柱網を横切る。小柱網は、とりわけ、分泌
されたグリコサミノグリカン(“GAG ”)の網状構造、
例えば、分泌されたHA、及びシュレム管に延びる蛇行状
の出口領域裏打ちする小柱網細胞、から成る。このHTM
細胞は、GAGs、例えばHAを生産し、又は分泌する。HAは
所定の距離を横切って液体を輸送するために必要な力を
増加させる溶液の水力学的抵抗を増加させることができ
るので、HAは、潜在的に、IOP の重要な決定要素、特に
上昇IOP として作用する。従って、本発明の1の態様
は、HA分泌又は合成を減少させるために、ヒト小柱網細
胞にSTH の眼科学的有効量を投与することにより、眼内
の小柱網細胞からのHA分泌を有利に調節するようにデザ
インされる。本発明の1の態様、例えば緑内障処置に向
けられた方法は、HA分泌を必ずしも阻害しない。
【0021】本発明の範囲への非限定的導入として、本
発明は、有用な方法、化合物及び組成物の少なくとも5
つのカテゴリーを提供する: 1)甲状腺ホルモン又はGAG 生産又は働きに関連する医
学的症状の処置のための治療用化合物を同定することに
向けられた方法、 2)特に、症状が眼内で生じるとき、GAG 又はヒアルロ
ン酸に関連する医学的症状におけるGAG 又はヒアルロン
酸生産又は働きの調節に向けられた方法、 3)STHsを使用した緑内障の処置に向けられた方法、 4)眼にSTHsを届けることに関係する組成物、例えば、
合成甲状腺ホルモンのエステル及びジエステル、及び 5)1〜3に記載する方法及び4に記載する化合物に関
係する組成物。
【0022】例えば、本発明の1の態様は: 1)GAGs又はHAを分泌する細胞、例えばHTM 細胞を使用
した化合物のスクリーニング、 2)上記テスト化合物の非存在に比較してテスト化合物
の存在下でのGAG 又はHA生産における変化の測定、及び 3)GAG 又はHA生産に関係する医学的症状、例えば緑内
障の治療のために有用な化合物の選択、により、治療
薬、例えば眼甲治療薬として有用な化合物の同定方法を
規定する。
【0023】本発明の他の態様は、細胞にSTH の有効量
を適用することにより、細胞、例えばHTM 細胞によるGA
Gsの生産を調節する方法を規定する。適用されたSTH が
甲状腺ホルモンのアゴニスト又は部分的アゴニストであ
るとき、GAG の生産は通常減少されるであろう。本発明
の他の態様は、適用されたSTH の全身的影響を最小化す
るために局所的に適用された後に、角膜通過を増加さ
せ、そして眼内で代謝されるエステル誘導体を使用して
眼に向けられることができるSTHsに関する。上記の方
法、化合物と組成物の組合せも企図される。他の方法、
化合物及び組成物も本明細書中により十分に記載され
る。
【0024】医薬の発見:ヒアルロン酸分泌又はIOP の
調節物質についてのスクリーニング方法 本発明は、GAG 生産に関連する甲状腺ホルモン・レセプ
ター含有細胞及び細胞過程が、治療薬として有用である
化合物、例えばGAG 生産を調節する化合物を同定するた
めのインビトロ又はインビボ方法の有用な成分であろう
ということを理解する。通常、このような同定方法は、
高処理量の自動化スクリーニングを許容するスクリーニ
ング・アッセイ系に関連するであろう。治療薬として有
用な化合物の同定方法は:1)GAG を分泌する細胞、例
えば小柱網細胞とある化合物を接触させること、及び
2)その化合物が10マイクロモル以下の濃度をもちなが
ら、上記細胞への上記化合物の結合を検出すること、を
含む。このような結合の検出は、本明細書中に記載され
又は本分野において開発されたような関連する働き(例
えば、HA生産)をアッセイする方法を含むことができ
る。
【0025】HTM 細胞は眼科学的に活性な化合物につい
てのスクリーニングのために好ましいものであるけれど
も、他の細胞タイプもHTM 細胞に代えて容易に用いられ
ることができる。特に、このような細胞が、1)内因的
に発明され又は移された遺伝子から発現された甲状腺レ
セプター、及び2)内因的に発現された又は移された遺
伝子から発現された、GAG の生産に関係するタンパク
質、例えばHAシンセターゼ、を含む場合はそうである。
例えば、皮膚線繊芽細胞は、このようなアッセイに使用
されることができ、そして皮膚内のGAG の過剰生産を阻
害するであろう化合物についてスクリーニングすると
き、又はHTM 細胞が試料から入手することができないと
きHTM 細胞の代わりの便利な代替物として、特に望まし
い選定物である。さらに、非−HTM 、GAG 生産細胞がこ
のようなスクリーニング・アッセイのために使用される
場合、GAG の生産におけるα甲状腺レセプター・サブタ
イプとβ甲状腺レセプター・サブタイプの間のいずれか
の可能な相互作用を真似るように、HTM 細胞と同一の甲
状腺レセプター・タイプをもつ細胞を、選択し、又は組
換え技術を通して作出することが望ましい。
【0026】ヒト小柱網(HTM) 細胞が化合物、例えばST
Hsをスクリーンするために使用される場合、そのHTM 細
胞は、本明細書中に又はPolansky et al., Trabecular
meshwork cell culture in glaucoma research, Ophtha
lmology, 1984 ; 91 : 580-595 ; Polansky et al., Hu
man trabecular cells I : Establishment in tissuecu
lture and growth characteristics, Invest. Ophthalm
ol. Vis. Sci. 1979;18 : 1043-1049 ; Alvarado et a
l., Human trabecular cells II : Ultrastructural ch
aracteristics of cultured trabecular cells, Inves
t. Ophthalmol.Vis. Sci., 23 : 464-478 (1982);及び
Polansky et al., Studies on human trabecular cells
propagated in vitro, Vision Res., 1981 ; 21 : 155
(これらの全てを引用により本明細書中に取り込む)中
に記載されているように調製されることができる。本明
細書中に記載するスクリーニング・アッセイのために、
第3〜第5継代のHTM カルチャーを、保温保存物から使
用し、約10,000細胞/cm 2 でプレートし、そして例え
ば、安定した内皮様単層を得るために10%子ウシ胎児血
清(FCS) を含むダルベッコ修飾イーグルズ(DME) 培地中
で7〜10日間集密後まで(post−confluency) 培養する
ことができる。GAG, HA 又はタンパク質合成、又は転写
アッセイは、例えばこれらの安定したHTM 単層培養物を
使用して行うことができる。小柱網細胞は、ウサギ、ラ
ット、マウス、ブタ、ネコ又はサルの眼から単離され
る、そして本明細書中に記載するアッセイのために使用
されることもできる。
【0027】HTM 細胞分裂に対するSTHsのアッセイは、
10% FCSを含むDME 培地を使用して培養物を培養する間
に評価されることもできる。STH 処置は、HTM 細胞を
2,500細胞/cm2 においてプレートした日の翌日に開始
されることができる。効果は、対数増殖期の間(7日
間)及びその対照培養物が集密に達した後(これは、そ
のHTM 細胞系及び培養基中の血清に依存して、3〜6週
間の間で変動する)に計測される。
【0028】上記スクリーニング・アッセイにおいて使
用される細胞、例えばHTM 細胞への化合物、例えばSTH
の結合は、さまざまな方法を使用して検出されることが
できる。細胞に結合した化合物の量を直接検出する方
法、例えばアイソトープ、分光計測的又は蛍光計測的標
識をもつ化合物を用いた結合アッセイを、使用すること
ができる。直接検出は、全細胞、単離核又はクロマチン
又はそれらの組合せを使用した、ヒト小柱網細胞内の細
胞内レセプター、例えば甲状腺レセプターへの化合物の
特異的結合の計測を含む。甲状腺ホルモンの結合又はア
ナログの結合の定量は、本分野において知られた方法を
使用して達成されることができ又は将来開発されること
ができる。これらは、Schwartz, H. L. et al., J. Bio
l. Chem. 17 : 11794-11799 (1992)(これを引用により
本明細書中に取り込む)により記載された方法を含む。
直接検出法は、そのレセプターについての合成甲状腺ホ
ルモンのアフィニティー、エステル化された又はエステ
ル化されていない誘導体が甲状腺レセプターに結合する
能力、及びSTH 取り込みの評価の認定において有用であ
ろう。
【0029】あるいは、結合する化合物の量を間接的に
検出する方法、例えば、レセプター遺伝子構築物、DNA
転写物、RNA レベル、タンパク質分解又は合成、複合糖
の分解又は合成並びにGAG 合成又は分解に対するSTH の
効果を検出する機能的アッセイを使用することもでき
る。本明細書中に記載する他の機能的計測方法も同様に
機能的アッセイのために使用されることができる。イン
ビトロ方法とインビボ方法の両者が化合物の結合性をア
ッセイするために使用されることができる。
【0030】例えば、眼の小柱網内で眼房水の抵抗を調
節する化合物、例えばSTHsを同定することが望ましい。
この場合、テストされる化合物の存在及び非存在下で、
小柱網細胞からのGAG 生産又はヒアルロン酸分泌におけ
る変化を計測することにより、小柱網細胞、例えば HTM
(ヒト小柱網)細胞への化合物の結合を検出することが
有利であろう。このような対照は本明細書中に記載する
アッセイのいずれかにおいて使用されることができる
と、及び他の対照が、例えば機能的甲状腺レセプターの
検出可能なレベルを伴わずに細胞を使用して又は添加さ
れたSTH の作用をブロッキングすることにより、特異的
検出を達成するために容易に互換されることができると
いうことが、理解されるであろう。さらに、対照値及び
対照値における変化が十分に定義されるようになるとい
うことが反復スクリーニング・アッセイにおいて理解さ
れるであろう。この場合、定常的に対照を行うことは必
要ではないであろう。なぜなら、その対照値及びその値
からの変化が確立されており、そして実験値は、対照の
非存在下で適当に測定されることができるからである。
【0031】一旦、化合物、例えばSTH が細胞、例えば
HTM 細胞に結合することが認められれば、細胞の働きの
有用な調節物質、例えばGAG 生産が選択されることがで
きる。選択基準は、通常、テストされた化合物により生
産される調節の程度に基づく。GAG 生産又はHA分泌(又
は生産)の場合、化合物は、通常、GAG の細胞生産を阻
止し又は減少させるそれらの能力に基づいて選択される
であろう。このような化合物は、不適当なGAG 生産又は
HA分泌により引き起こされる医学的症状の治療において
有用であろう。このような化合物は、眼内の減少した眼
房水流出又は緑内障の治療においても有用であろう。典
型的には、対照GAG 生産に比較して、少なくとも10%
程、好ましくは少なくとも30%程、そしてより好ましく
は少なくとも70%程、GAG 生産を抑制する化合物が、有
用な化合物として選ばれるであろう。上記パーセントの
阻害基準は、本明細書中に記載するアッセイにおいて使
用される他の計測、例えばHA分泌の検出、HA結合の検出
又はIOP の計測においても適用されることができる。
【0032】より特異的な選択基準が、細胞過程をより
特異的に調節する化合物を同定するために有利に使用さ
れることができる。そのレセプターについてのテストさ
れる化合物のアフィニティーはその化合物の特異性をし
ばしば決定することができるということが理解されるで
あろう。従って、高い見かけの又は現実のアフィニティ
ーをもってレセプターに結合し又は働きを調節する化合
物を選ぶことが望ましい。STHsの場合、甲状腺レセプタ
ーについてのT3 (生理学的条件下 0.024nM)又はT4
(生理学的条件下0.26nM)のアフィニティーに近いアフ
ィニティーが好ましい。長く持続し、かつ、選択的な効
果を作り出すSTHsのためには、その甲状腺レセプターに
ついてのさらに高いアフィニティー又は機能的アッセイ
から演繹される見かけアフィニティー、例えば性理学的
条件下 0.1nM以下をもつSTHsを選ぶことが望ましい。上
記のような望ましい結果を達成するために、新規化合物
又は知られたSTHsを合成し、そして所定の濃度において
スクリーンすることができる。典型的には、合成甲状腺
ホルモンは、 1.0マイクロモル以下、好ましくは 0.1マ
イクロモル以下、そして最も好ましくは0.01マイクロモ
ル以下の濃度でGAG生産又はヒアルロン酸分泌を減少さ
せるであろう。特にSTH がより高いED50をもつとき、よ
り高い濃度、例えば10〜75μMが使用されることもでき
る。本明細書中に討議するパーセンテージ阻害基準は、
上記の濃度選択基準に適用されることもできる。
【0033】細胞過程を調節するために有用な化合物、
例えばGAG 生産を同定することは、インビトロとインビ
ボのスクリーニング・アッセイの両者を含むことができ
る。典型的には、化合物は、まず、インビトロ・アッセ
イを使用してスクリーンされ、そして次にインビボ・ア
ッセイを使用してスクリーンされるであろう。インビボ
・アッセイ及び本明細書中に記載する計測は、有用な化
合物、例えばSTHsについてさらに選択するために使用さ
れることができる。例えば、インビトロ・アッセイは、
10nMの見かけアフィニティーをもってHA分泌の40%を阻
害するSTH を同定するであろうし、そしてSTH は、哺乳
類の眼に上記合成甲状腺ホルモンを局所的に適用するこ
とによりさらにアッセイされる。あるいは、このインビ
ボ・アッセイは、化合物を同定するために単独で使用さ
れることができる。
【0034】GAG 生産及びヒアルロン酸分泌に関連する
医学的症状及び緑内障の処置方法 本発明は、甲状腺ホルモン及びSTHsが、細胞、例えば小
柱網細胞からのGAG 生産又はHA分泌を直接調節すること
ができるということを明確に理解する。従って本発明に
係る方法は、所望の細胞又は組織内で物質又は細胞過程
の量又は活性を減少させる化合物、特にSTHsを使用し
て、GAG 生産又はHA分泌を調節することに向けられる。
好ましくは、このような細胞は、小柱網細胞、眼の毛様
体細胞、眼の内皮細胞、非眼の内皮細胞、毛包(hair f
ollicles) 並びに皮膚及び内部臓器の線繊芽細胞であろ
う。ほとんどの場合、STH の非全身的適用が好ましい。
但し、STHsは全身的に適用されることもできる。
【0035】例えば、本発明は、ヒアルロン酸分泌の阻
害方法であって、ヒアルロン酸を分泌する細胞からのヒ
アルロン酸の分泌を阻害する合成甲状腺ホルモンの有効
量を非全身的に適用することを含み、そして10マイクロ
モル以下の濃度における合成甲状腺ホルモンが、37℃で
3日間培養した後の上記合成甲状腺ホルモンの非存在下
で培養されたヒト小柱網細胞に比較して、37℃で3日間
培養後の培養ヒト小柱網細胞からの全ヒアルロン酸分泌
の少なくとも10%を阻害する、前記阻害方法を含む。好
ましくは、上記STH は、その細胞が隔離された眼組織内
にあるか又はヒト小柱網内にあるかどうかに拘らず、1
〜 0.1μMの濃度で、小柱網細胞によるHA分泌の少なく
とも10%を阻害するであろう。典型的には、このような
HA分泌阻害方法は:1)T3 の結膜下又は眼内注射、又
は2)天然組織から単離されたT 3 又はT4 の局所的適
用を含まないであろう。非全身的投与は、局所的投与と
眼内投与の両者を含む。局所的投与は、例えば、局所的
に適用されるポリマー及び眼瞼の下に挿入される眼内挿
入物を含む非外科手術的に配置された持続性放出デバイ
スからの持続性放出、軟膏又はクリームの局所的適用、
溶液、例えば眼に適した生理食塩水溶液並びに他の溶液
及び物質であって意図された細胞又は組織標的と生物学
的−、かつ、組織−適合性であるもの、並びにインプラ
ント、コンタクト、ウェハ(wafer) 又は錠剤を含む他の
眼外デリバリー・システムを含む。眼内投与は、例えば
外科手術により移植可能な又は注射可能な眼内持続性放
出デバイスであって、生物学的分解性又は非生物学的分
解性であることができる持続性放出ポリマーを含むこと
ができるものを含む。非全身的に適用された有効量の、
かつ、有効局所濃度の活性化合物及び眼適合性医薬組成
物であって担体を含むものも本明細書中に記載する。
【0036】本発明は、治療的効果を作り出すためにGA
G 生産又はHA分泌の阻害に必ずしも頼らない本発明の態
様をも含む。本発明のこのような態様は、緑内障の治
療、上昇したIOP を低下させ又は防ぐ方法、例えば鉱物
コルチコイド又はステロイド処置に関連する上昇IOP 、
並びに組織液の流れ又は排出、例えば眼内の眼房水流出
を増加させる方法、を含む。好ましくは、これらの方法
は、哺乳類、好ましくはヒト内の処置の必要な組織又は
細胞に、治療的に有効な量の活性化合物を非全身的に投
与することに頼る。
【0037】例えば、本発明は、眼に対する合成甲状腺
ホルモンの眼科学的有効量を処置の必要な眼に投与する
ことを含む緑内障の治療方法を規定する。眼への局所投
与は、通常:1)T3 又はT4 の結膜下又は眼内注射、
2)天然組織から単離されたT3 又はT4 の局所的適
用、又は3)白内障を患う眼へのT3 又はT4 の投与、
を含まない。好ましくは、眼へのSTH の投与は、眼に適
合性の医薬担体を伴う局所投与、又はSTH の眼内持続的
放出を提供するポリマーを場合により含むことができる
インプラントを使用した非全身的投与である。STH のこ
のような制御された放出は、6ヶ月〜1年続くことがで
きる。このようなインプラントは、浸透圧ポンプの生物
学的分解性のマトリックス又は眼内の持続性放出デバイ
スであることができる。インプラントは、コンタクトか
らの合成甲状腺ホルモンの拡散を許容する合成甲状腺ホ
ルモンで含浸された眼コンタクトをも含む。緑内障の治
療のためには、その有効量は、通常、0.01〜40μg/眼
/日、好ましくは10〜 1,000ng/眼/日、そしてより好
ましくは10〜50ng/眼/日である。好ましくは、局所適
用は、眼適合性の医薬担体を含む溶液の少なくとも1滴
(例えば、30〜50μl)を投与することを含む。デリバ
リー系に依頼する、他の投与量及び有効量及び濃度は、
本明細書中に十分に詳細に記載される。一般に、小柱網
の小柱網細胞中1〜50pMのSTH 濃度を達成することが望
ましい。眼内の甲状腺レセプターについてのSTH の見か
けアフィニティーが、それぞれ、10〜100nM (kd)と 100
〜1,000nM (kd)である場合、10〜1,000nM 及び 100〜1
0,000nMのより高い濃度が好ましくは達成される。
【0038】典型的には、(非全身的に又は全身的に)
眼に投与されるSTHsは、通常、インビトロ又はインビボ
・アッセイ、例えば本明細書中に記載するアッセイにお
いて活性であろう。緑内障については、10マイクロモル
以下の濃度の合成甲状腺ホルモンによる処置が、通常、
適用される合成甲状腺ホルモンの非存在下で培養された
小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌に比較して少なくと
も10%培養小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌を減少さ
せるであろう。そのように望まれる場合、局所的に適用
されたSTH の効果は、STH を局所的に適用する前及び後
に、又は本明細書中に記載するような処置への個体の応
答性に適した処置の経過及び投薬の間、眼内圧を計測す
ることによりモニターされることができる。STHsの血清
レベルは、不所望の全身的効果を回避するために計測さ
れることもできる。
【0039】緑内障処置の場合、全身的に配置された甲
状腺ホルモンの活性化又は失活に因りいずれの全身的効
果を回避するように非全身的にSTHsを投与することが好
ましいであろう。本発明は、非全身的に適用されたSTHs
により処置された組織を含む。例えば、本発明は、小柱
網細胞内の合成甲状腺ホルモンを含む組成物を規定し;
ここで、合成甲状腺ホルモンは血液−眼関門を横切って
いない。細胞の内側とは、細胞外環境と液体接触してい
ない細胞内の位置、例えば、細胞の細胞質ゾル、核又は
他のオルガネラをいう。血液−眼関門とは、眼の組織を
血液から分離することに責任を負う組織をいう。好まし
くは、角膜上皮内のSTH は、合成甲状腺ホルモンのエス
テル化された誘導体である。これらの細胞は、外植体か
らの又は生眼内の小柱網細胞、眼の毛様体細胞及び内皮
細胞又は本明細書中に言及する他の細胞又は組織のいず
れかを含む。典型的には、細胞内のSTHsの濃度は、少な
くとも0.04ng/dlであろう。細胞内のSTH の量(遊離と
結合)及び濃度は、本分野において知られ又は将来開発
される方法を使用して計測されることができる。これら
の方法は、Oppenheimer, J. H. et al., J. Clin. Inve
st., 75 : 147-154(1985) ; Schwartz, H. L., et al.,
Endocrinology, 113 : 1236 (1983)(この両者を引用
により本明細書中に取り込む)により記載された方法を
含む。通常、細胞内の遊離のSTH の濃度は、少なくとも
1pM、より好ましくは少なくとも10pM、そして最も好ま
しくは少なくとも 100pMであろう。
【0040】眼のステロイド治療及び経口ステロイドの
使用はより頻繁であるので、潜在的な副作用、例えば上
昇IOP が生じる。この副作用についての関心は、強力な
ステロイドと活性の低いステロイドの両者の長期間の眼
への使用に対する制限となっている。これは、特に、認
識されていない上昇IOP に因り不治の失明が生じた多く
のケースが報告されているからである。本発明の方法及
び組成物は、IOP の不適切な上昇が計測され、又はこの
ような上昇が予想されるとき、ステロイド療法について
患者を治療するために使用されることもできる。
【0041】上昇IOP は、他の医学的症状においても、
例えば眼内外科手術の後に、レーザー治療、又は外傷後
に、生じることもできる。IOP は、本明細書中に記載す
る方法を使用して、予防的に又は処置後又は外傷後に、
STH により調節されることができる。
【0042】IOP (mmHg におけるPo )は、眼房水の分
泌速度(μl/分におけるF)に正比例して、そして房
水流出能力(C)に反比例して変化する: Po =F/C + Pe ここで、Pe =上強膜の静脈圧(mmHg)。Pe は、上強
膜の静脈圧のためのより特別な略号としてのPv に優先
する。眼へのSTH の投与、特に、非全身的投与は、臨床
医が房水流出能力(C)を増加させ、そしてその処置の
必要な哺乳類又は患者の上昇IOP を減少させることを許
容する。このような処置、並びに本明細書中に記載する
他の処置は、例えば、緑内障の始まり、外傷、又は外科
手術に関連するかもしれないIOP における増加を防止す
るために、予防的に使用されることができる。STHsは、
他の処置について本明細書中に記載したように適用され
ることができる。
【0043】緑内障の全身的処置も企図される。このよ
うな全身的処置は、本分野において知られているように
血中T3 とT4 レベルが非毒性レベルに残存することを
保証するためにT3 とT4 血中レベル・モニタリングと
併合されることができ、そして本分野において知られた
方法、例えば、Murphy, B. P. et al., J. Lab and Cli
n. Med., 66 : 161-167 (1965)により記載された方法を
使用して監視されることができる。一般に、このような
処置は、患者が同定された上昇IOP の医学的症状を有
し、かつ、その処置が必要としていない場合、甲状腺機
能低下性−又は甲状腺−ホルモン−置換療法患者と共に
使用されないであろう。好ましくは、上昇IOP のための
STH 処置の必要な患者は甲状腺機能亢進性であろう。ST
Hsによる全身的処置の必要な患者も、上昇IOP を除去す
るために、T3 又はT4 、又はSTHsの甲状腺機能亢進様
の全身レベルの期間に耐えることができる。全身的に投
与された甲状腺ホルモンの日用量は、T3 について 0.2
μg〜 2.5μg/kg/日(好ましくは、 0.2μg〜1μ
g/kg/日)、そしてT4 について 0.1μg〜10μg/
kg/日(好ましくは、1μg〜4μg/kg/日)の範囲
にあるであろう。STHsは、T3 とT4 からの分子量にお
いて変化するであろうから、それに応じて投与されるST
H の量を調節することが適当であろう。IOP を減少させ
るSTHs’の能力は、適正な投薬養生法を確立するために
インビトロ及びインビボにおいてT3 とT4 と比較する
こともできる。より高いSTH の日用量においては、漸減
又は1日1回の日用投与量を投与することが好ましいで
あろう。
【0044】本明細書中に記載する処置は、上昇IOP 医
学的症状、例えば緑内障又は眼内高血圧を防止するため
に使用されることもできる。上昇IOPsに感受性の患者
は、予想されるIOP の上昇が生じる前に有効に処置され
ることができる。このような患者は、眼内外科手術又は
レーザー処置を経験している患者を含む。
【0045】合成甲状腺ホルモン 本発明は新規化合物の2つのクラスを含む。化合物の1
のクラスは、STHsのモノ−及びジ−エステル誘導体を含
む、知られた合成甲状腺ホルモンのエステル誘導体を含
む。化合物のこの第1のクラスは、本分野において従来
知られているSTHsのエステル誘導体を含まない。但し、
このような化合物も本発に係る方法と共に使用されるこ
とができる。化合物の第2のクラスは、新規STHs及びそ
れらのエステル誘導体を含む。典型的には、エステル誘
導体は、以下の式: X1−O−C(O)−Y {式中、X1は以下に定義するものであり、そしてYは
エステルと適合性の基及びX1の側基であり、例えば、
Yはアルキル、アルケニル又はアリール基であって2〜
20炭素原子をもつものであることができる。}中、1,
2,3又はそれ以上の位置にエステル基をもつSTH であ
る。典型的には、Y基はサイズにおいて40未満の原子、
そして通常サイズにおいて30未満の原子であり、そして
好ましくは疎水性であり、かつ、電荷をもっていない。
【0046】ジ−エステル誘導体は、典型的には、以下
の式(I): X1−O−C(O)−B−C(O)−O−X2 {式中、Bは(通常、長さにおいて6未満の炭素原子
の)リンカーであり、そしてX1とX2は以下の式
(I):
【0047】
【化1】
【0048】のSTHs{式中、R1 は、-CH2CH(NH2)CO2H
、-CH2CH[NHCOCHo2]CO2H、-CH2CH[NHCO(CH2)15CH3]CO2
H、-CH2CH[NH-FMOC]CO2H 、-CH2CH[NH-tBOC]CO2H 、-CH
2PO3H2 、-CH2CH2PO3H2、-CH2CHNH2PO3H2、-CH2CH[NHCO
CHφ2]PO3H2 、-CH2CH[NHCO(CH2)15CH3]PO3H2 、-CH2CH
[NH-FMOC]PO3H2、-CH2CH[NH-tBOC]PO3H2、-CH2SO3H2
-CH2CH2SO3H2、-CH2CHNH2SO3H2、-CH2CH[NHCOCHo2]SO3H
2 、-CH2CH[NHCO(CH2)15CH3]SO3H2 、-CH2CH[NH-FMOC]S
O3H2、-CH2CH[NH-tBOC]SO3H2であり、R2 は、-H、ハロ
ゲン、CF3 、OH、NH2 、SH、CH3 、-Et であり、R3
は、-H、ハロゲン、-CF3、-OH 、-NH2、-N3 、-SH 、-C
H3、-Et であり、R5 は、-H、ハロゲン、-CF3、-OH 、
-NH2、-N3 、-SH 、-CH3、-Et であり、R6 は、-H、ハ
ロゲン、-CF3、-OH 、-NH2、-SH 、-CH3であり、R'
2は、-H、ハロゲン、-CF3、-OH 、-NH2、-N3 、-SH 、-
CH3、-Et であり、R'3は、-H、ハロゲン、-CF3、-SH
、アルキル、アリール、5−又は6−員の複素環芳香
族、又はシアノであり、R'4は、-H、ハロゲン、-CF3
-OH 、-NH2、-SH 、-CH3、-Et 、又はアルキル、アリー
ル又は5−若しくは6−員の複素環芳香族であってウレ
ア又はカーバメート結合を通じてO又はN又はSにR'4
位で付着されているものであり、R'5は、アルキル、ア
リール、5−又は6−員の複素環芳香族、複素アルキ
ル、複素アリール、アリールアルキル、複素アリール、
アルキル、多芳香族、多複素芳香族であり、上記R'
5は、極性又は電荷基により置換されることができ、R'
6は、-H、ハロゲン、-CF3、-OH 、-NH2、-SH 、-CH3、-
Et であり、Xは、O, S, SO2, NH, NR7, CH2, CHR7, CR
7R7であり、ここで、R7 は、アルキル、アリール又は
5−若しくは6−員の複素環芳香族であり、そして、 '
1 − 'R6 基とR1 −R6 基の中のいずれか1がBへ
の結合により置き替えられることができる。}であ
る。}を有する。好ましくは、上記ジ−エステル誘導体
は、細胞内の加水分解酵素により加水分解されるときに
2つの同一な分子を作り出す。
【0049】好ましくは、STHsは、以下の構造、式(I
I):
【0050】
【化2】
【0051】{式中、Yは先に定義したものである。}
を有する。
【0052】通常、緑内障患者又は眼の治療の必要な他
のタイプの患者は、点眼薬として局所的にSTHsが投与さ
れる。しかしながら、STHsが上記のようなやり方で投与
されるとき、投与量の約 0.1〜1.0 %だけが、典型的に
はその眼に吸収され、そして上記投与量のかなりの量が
血流中に移行することができる。眼内のSTHsの低い吸収
率は、STH エステル誘導体の使用により減少されること
ができる少なくとも3つの要因により引き起こされるこ
とができる:1)点眼液が眼の表面からすぐに流れ出す
こと、2)結膜及び/又は鼻の粘膜を通って血流中にST
Hsが速く吸収されること、及び3)STHsの乏しい角膜通
過。STHsは角膜を通って眼内に吸収される。角膜内で
は、STHsは、まず、細胞膜脂質を含有する眼の表面上の
上皮層内に吸収される。電荷基をもつSTHsは、脂質溶解
性を減少させており、これは、角膜上皮を横切る拡散を
減少させることができる。STH の脂質溶解性が(例え
ば、エステル化を通じて)改善される場合、STHsの角膜
上皮通過は高められ、眼内標的組織細胞へのより大きな
デリバリーをもたらす。角膜は、角膜のストローマ及び
内皮を通してSTHsを前室の液中に及び小柱網細胞及び毛
様体細胞にデリバリーする保存部位として働くこともで
きる。さらに、細胞、例えば小柱網細胞内のSTHエステ
ル誘導体の加水分解は、それらの細胞内への非加水分解
STH エステル誘導体のための一定の拡散勾配を作り出
す。細胞内の非加水分解STH エステル誘導体の濃度が、
エステル加水分解及び医薬形成に因り低く保たれるの
で、非加水分解STH エステル誘導体は細胞内に連続的に
拡散する。一方、加水分解された形態におけるSTH はそ
の細胞内に蓄積する。従って、STHsのエステル誘導体は
STHsの透過性を高め、そして標的組織及び細胞内のSTHs
の蓄積を促進するであろう。
【0053】STH エステル誘導体の安定性は、バッファ
ー加水分解系内でテストされることができる。バッファ
ーのイオン強度(μ)は通常 0.5である。4.0, 6.0, 7.
4 及び9.0 のpH値が:37℃,50℃,60℃及び70℃を含む
温度を使用しながら、使用されることができる。半減期
(T 1/2)は、特定のpHをもつバッファー溶液中で試験
された化合物のそれぞれについて得られた分解定数kに
ついて計算されることができる(T 1/2= 0.693/k;
k=2.303 ×kk、ここで、kkは、時間の関数として残存
エステルの対数を図示するプロットの角度係数であ
る)。
【0054】異なる保存条件下のSTHsのエステル誘導体
の保存安定性を、異なる温度において上記分解定数を決
定し、そして上記分解温度を計算し、そして以下のアレ
ニウス式(1):
【0055】
【数2】
【0056】{式中、log kは〔1/T〕の関数として
与えられる。}に従って上記プロットの等式から、所望
の温度における分解定数kを計算することにより、推定
されることができる。
【0057】所望の温度において得られた分解定数
(k)から、その間に医薬の10%が分解された時間を示
す保存寿命時間t10% (t10% = 0.104/k)を計算す
ることができる。
【0058】STH エステル誘導体の親油性を、pH7.40に
おける化合物についての分配係数(P)を測定すること
により試験されることができる。計測を、HPLCにより水
性バッファー・ケースにおいて試験されるべき化合物の
濃度を測定することによりオクタノール−水性バッファ
ー混合物中で行うこともできる。しかしながら、親油性
の高い化合物の分配係数は、その保持時間から逆相(R
P)液体クロマトグラフィー(HPLC)(Beckmann 116ポ
ンプ及び 166UVディテクター;Marathon autom.サンプ
ル・フィーダー)により測定される。
【0059】新規STH エステル誘導体の酵素加水分解の
半減期を37℃で血漿/バッファーpH7.4 −混合物(80%
〜20%)中で、そして本分野において知られたように測
定されることができる。STH エステル誘導体の角膜透過
性は、デリバリー相(上皮側)から角膜を通って拡散チ
ャンバーのアクセプター側(内皮側)までの化合物の移
動をモニタリングすることにより評価されることができ
る。例えば、ウサギの眼の角膜を使用することができ
る。拡散チャンバーのアクセプター側から採取されたサ
ンプルは、HPLCにより測定されるように、プロドラッグ
と解放された医薬の濃度の両者を提供する。従って、角
膜内のプロドラッグの分解速度並びにプロドラッグの角
膜透過を測定することができる。
【0060】医薬組成物 本発明は、本明細書中に記載され、そして本分野におい
て知られた方法において使用されることができる医薬組
成物を含むこともできる。典型的には、本組成物は、ST
H 、特にSTH エステル誘導体及び医薬として許容される
担体を含むことができる。組成物は、しばしば、本明細
書中に記載され、そして本分野において知られた特定の
デリバリー・モードに適合される。本組成物中での使用
のためのSTH の正確なタイプ及び量は、例えば、選ばれ
た特定の医薬、その剤形、すなわち、標準対持続性放
出、医薬が投与されるところの症状、並びに処置される
哺乳類のサイズ及び種類に依存して、変化するであろ
う。
【0061】本発明に係る化合物は、本明細書中に記載
するように、細胞の及び生理学的な過程を調節するため
に、例えばIOP の増加を防止し又は上昇したIOP を実際
に低下させるために、選ばれることができる。好ましく
は、このような本発明の化合物は、眼の水性又は処置組
織中、1×10-7M以下の有効濃度を提供するために十分
な量、好ましくは約1×10-11 M〜約1×10-8Mの量、
そしてより好ましくは約1×10-11 M〜約1×10-9Mの
量において使用されるとき、上昇したIOP における減少
又はその防止を提供するSTHsを含む。
【0062】例えば、本発明は、好ましくは眼に適用さ
れる組成物であって、合成甲状腺ホルモン及び眼に適合
性の医薬担体を含んで成るものを含む。好ましくは、こ
のような組成物は、リポソームを用いて又は用いずに緩
衝液化生理食塩水溶液中で場合により投与されることが
できる合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体を含む。
眼に適合性の医薬担体は、生物学的分解性の合成ポリマ
ーを含むこともできる。甲状腺ホルモン及びSTHsは、生
物学的分解性のポリマーを使用して持続性の眼内放出を
もってデリバリーされることができる。ヒト用途につい
て認可された生物学的分解性の微少球組成物はポリ乳酸
類:ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、及びポリ
(乳−コグリコール)酸、を含む。追加の生物学的分解
性の配合物は、非限定的に:ポリ(無水物−コ−イミ
ド)、ポリ(乳−グリコール酸)、ポリエチル−2−シ
アノアクリレート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキ
シブチレート吉草酸、ポリオルトエステル、及びポリエ
チレンオキシド/ポリブチレン・テトラフタレート、を
含む。眼内移植又は持続性放出の甲状腺ホルモン組成物
の注射は、局所的調製物の必要性をできるだけ回避又は
減少させながら、眼内圧の(数ヶ月〜数年にわたる)長
期間のコントロールを提供するであろう。
【0063】他の態様においては、本発明に係る組成物
は、合成甲状腺ホルモン、好ましくは合成甲状腺ホルモ
ンのエステル誘導体で含浸された眼コンタクト・デバイ
ス(例えば、コンタクト・レンズ)を含む。例えば、乾
燥STHs又はそれらのエステル誘導体は、錠剤として供給
され、そしてプロドラッグ又は医薬でコンタクトを含浸
させるために、再使用可能な又は使い捨てコンタクトの
存在下溶解されることができる。好適なインキュベーシ
ョン時間、例えば1〜6時間後、上記コンタクトは、イ
ンキュベーション溶液から濯がれ、そしてSTH がそのコ
ンタクトから眼に拡散することを許容するように眼に適
用される。Ashton, P. et al., J. of Occ. Pharm. 10
: 691-701 (1994)により記載されたものを含む眼内持
続性放出デバイスを使用することも有利であろう。
【0064】一般に、局所的及び眼内投与のために好適
な配合物は、当業者に知られた技術に従って配合され、
そして投与されることができる。酸化されることができ
る配合物は、好ましくは、不活性ガス下で全ての配合物
を作ることにより無酸素性環境下で調製される。仕上げ
られた配合物は、好ましくは、露光からそれらを保護す
るため不透明又は茶色の容器内に、そして不活性雰囲気
中で保存される。
【0065】水性ポリマー溶液、水性懸濁液、軟膏、及
びゲルが、好ましくは、局所的配合物のために使用され
る。水性配合物は、溶解された治療剤のリザーバーを創
出するためにリポソームを含むこともできる。局所配合
物の中で特に好ましいのは、軟膏に関係する視力の不都
合及び障害を伴わずに角膜前の保持を強化するゲルであ
る。
【0066】局所的眼用又は他の局所配合物は、一般
に、好適なポリマー担体中、 0.001〜10重量%、好まし
くは0.05〜1重量%、そして最も好ましくは、0.05〜0.
6 重量%の治療剤を含むはずである。他の好ましい配合
物は、 0.001〜0.009 重量%の治療剤を含む。当業者に
より理解されるように、IOP 又は緑内障を低下させるた
めに必要なSTH の量は、眼により吸収されない医薬又は
プロドラッグからの全身性効果を認めうるほどに引き起
こさないであろうような量である。
【0067】好適なポリマー担体は、低度に架橋したカ
ルボキシ含有ポリマー(例えば、ポリカーボフィル(po
lycarbophil))、デキストラン、セルロース誘導体、ポ
リエチレングリコール400 及び他のポリマー粘滑薬(de
mulcents) を含む。
【0068】好ましい系は、本分野において周知であ
る、低度に架橋したアクリル酸等のポリマーを含む。好
ましい態様においては、このようなポリマーは、存在す
るモノマーの合計重量に基づき、少なくとも約90重量%
の、そして好ましくは約95重量%〜約99.9重量%の、1
以上のカルボニル含有モノエチレン性不飽和モノマーか
ら調製されたものであるが、他の不飽和、重合性カルボ
キシル含有モノマー、例えばメタクリル酸、エタクリル
酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、シス−α−
メチルクロトン酸(アンゲリカ酸)、トランス−α−メ
チルクロトン酸(チグリン酸)、α−ブチルクロトン
酸、α−フェニルアクリル酸、α−ベンジルアクリル
酸、α−シクロヘキシルアクリル酸、β−フェニルアク
リル酸(桂皮酸)、クマリン酸(o−ヒドロキシ桂皮
酸)、エンベル酸(embellic acid)(p−ヒドロキシク
マリン酸)、その他も、アクリル酸に加えて又はそれに
代えて使用されることができる。
【0069】このようなポリマーは、存在するモノマー
の合計重量に基づき、低パーセンテージの、すなわち約
0.01%〜約5%、そして好ましくは約 0.1%〜約2%
の、多官能価架橋剤を使用することにより架橋される。
上記架橋剤の中には、非ポリアレニル・ポリエーテル2
官能価架橋性モノマー、例えばジビニル・グリコール;
2,3−ジヒドロキシヘキサ−1,5−ジエン;2,5
−ジメチル−1,5−ヘキサジオン;ジビニルベンゼ
ン;N,N−ジアリルアクリルアミド;N,N−ジアリ
ルメタクリルアミド、その他が含まれる。また、分子当
り2以上のアルケニル・エーテル群、好ましくは分子当
り2以上のアルケニル・エテル群、好ましくは末端 H2C
=C<基を含むアルケニル・エーテル群を含むポリアル
ケニル・ポリエーテル架橋剤であって、少なくとも4つ
の炭素原子と少なくとも3つの水酸基を含むポリヒドロ
・アルコールを、アルケニル、例えば臭化アリルその他
でエーテル化することにより調製されたもの、例えば、
ポリアリル・スクロース、ポリアリル・ペンタエリスリ
トールその他も含まれる;例えば、米国特許第 2,798,0
53号を参照のこと。約 400〜約8,000 の分子量をもつジ
オレフィン非親水性マクロマー架橋剤、例えば不溶性ジ
−及びポリアクリレート並びにジオール及びポリオール
のメタクリレート、ジイソシアネート−ヒドロキシアル
キル・アクリレート又はメタクリレート反応生成物、及
びポリエステル・ジオール、ポリエーテル・ジオール又
はポリシラキサン・ジオールから誘導されたイソシアネ
ート末端プレポリマーとヒドロキシアルキルメタクリレ
ートとの反応生成物、その他も、架橋剤として使用され
ることができる;例えば、Mueller et al., 米国特許第
4,192,827号及び第 4,136,250号を参照のこと。低度に
架橋したポリマーは、もちろん、架橋剤と共に、存在す
る単独のモノエチレン性不飽和モノマーとしてカルボキ
シル含有モノマー(1又は複数)から作られることがで
きる。それらは、40重量%以下の、そして好ましくは約
0重量%〜約20重量%の、カルボキシル含有モノエチレ
ン性不飽和モノマー(1又は複数)が、アクリル酸エス
テル及びメタクル酸エステル、例えばメチル・メタクリ
レート、エチルアクリレート、ブチル・アクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、オクチル・メタクリ
レート、2−ヒドロキシメチル−メタクリレート、3−
ヒドロキシプロピルアクリレート、その他、酢酸ビニ
ル、N−ビニルピロリドン、その他を含む、生理学的
に、かつ、眼科学的に無害な置換基だけを含む、1以上
の非カルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマーに
より置換されているようなポリマーであることもでき
る;このような追加のモノエチレン性不飽和モノマーの
より広い列記についてはMueller et al., 米国特許第
4,548,990号を参照のこと。特に好ましいポリマーは、
低度架橋アクリル酸ポリマーであって、その架橋性モノ
マーが2,3−ジヒドロキシヘキサ−1,5−ジエン又
は2,3−ジメチルヘキサ−1,5−ジエンであるもの
である。
【0070】本発明の実施において使用される低度架橋
ポリマーは、好ましくは、例えば、サイズにおいて約1
〜約30μmの範囲にわたり、そして好ましくは相当球直
径において約3〜約20μmの範囲にわたる乾燥ポリマー
粒子を提供するために、慣用のフリー・ラジカル重合触
媒を使用して、相当球直径において約50μm以下の乾燥
粒子サイズに上記モノマーを懸濁又は乳化重合させるこ
とにより調製される。一般に、このようなポリマーは、
2,000,000 よりも大きいと推定される分子量において分
布するであろう。
【0071】その乾燥粒子サイズが相当球直径において
約50μmよりもかなり大きいところの懸濁又は乳化重合
により調製されたポリマー粒子を含む本発明に従って配
合された水性懸濁液は、眼に投与されるとき、その相当
球直径が平均で約50μm未満であるところのポリマー粒
子を含む組成物中の懸濁液よりも快適ではなく、あるい
は同一である。相当球直径において約50μmよりもかな
り大きな乾燥粒子サイズに調製され、そしてその後、例
えば、機械的粉砕又はグラインディングにより、相当球
直径において約50μm以下の乾燥粒子サイズに、サイズ
において減少された低度に架橋されたアクリル酸等のポ
リマーは、水性懸濁液から作られたポリマーと同程度に
はよく働かない。存在する唯一の粒状ポリマーとしての
このような機械的に粉砕されたポリマー粒子の差異につ
いての1つの可能な説明は、たぶん、ポリマー鎖から非
架橋枝を除去し、鋭い端又は突起をもつ粒子を作り出
し、又は満足いくデリバリー・システムの性能を与える
ためには通常あまりに広い粒子サイズ範囲を作り出すこ
とにより、50μmよりも大きな、低度に架橋したポリマ
ー粒子の空間幾何又は立体配置を、粉砕が破壊するとい
うことである。粒子サイズの広い分布は、粘度−ゲル化
の関係を損うであろう。いずれにしても、このように機
械的に減少された粒子は、懸濁又は乳化重合により適当
なサイズに調製された粒子よりも水性懸濁液中でより容
易には水和されることができず、そしてまた、涙液の影
響下で十分な程度に眼内でゲル化することができず、そ
して一旦ゲル化されれば本発明に係る水性懸濁液を使用
して眼内で製造されたゲルよりもより快適ではない。し
かしながら、存在する高度に架橋した粒子に基づき、約
40重量%以下、例えば約0重量%〜20重量%超までの、
上記粉砕ポリマー粒子が、本発明を実施するとき、約50
μm以下の乾燥粒子直径を削る、溶液又は乳化重量ポリ
マー粒子と混合されることができる。このような混合物
は、特に、このように粉砕されたポリマー粒子が乾燥形
態において約0.01〜約30μmの平均値をもち、そして好
ましくは相当球直径において約1〜約10μmの平均値を
もつとき、より容易かつ快適に眼用医薬デリバリー・シ
ステムにおいて満足できる粘度レベル、並びに眼への医
薬の満足いく持続性放出をも提供するであろう。
【0072】本発明の他の態様においては、粒子は狭い
粒子サイズ分布をもつ。単分散粒子の使用は、所定の粒
子サイズのための眼用医薬デリバリー・システムの最大
粘度及び増加した眼滞留時間を与えるであろう。30μm
以下の粒子サイズをもつ単分散粒子が最も好ましい。良
好な粒子充填は、狭い粒子サイズ分布により助けられ
る。
【0073】これらの粒子は、上記のサイズ上限に従う
だけでなく、狭い粒子サイズ分布にも従う。良好な粒子
充填を手助けする粒子の単分散の上記のような使用は、
涙と懸濁液との接触の間、最大増加粘度を作り出し、そ
して眼内滞留時間を増加させる。少なくとも約80%、よ
り好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは
少なくとも約95%の粒子は、約10μm以下のバンドの主
要粒子サイズ分布内にあるべきであり、そして全体とし
て(すなわち、このようなバンドの内側及び外側の両方
の粒子を考慮すれば)、約20%以下、好ましくは約10%
以下、そして最も好ましくは約5%以下の微細物(fine
s) (すなわち、1μm未満のサイズの粒子)が存在す
べきである。
【0074】平均粒子サイズが、50μm、より好ましく
は30μmの上限から、例えば6μmの低いサイズまで低
下されるとき、主要粒子分布のバンドも、例えば5μm
に狭められることも好ましい。主要粒子分布のバンド内
の粒子のために好ましいサイズは、約30μm未満、より
好ましくは約20μm未満、最も好ましくは約1μm〜約
5μmである。
【0075】本発明に係る水性懸濁液は、好ましくは、
その水性懸濁液の合計重量に基づき、約 0.1重量%〜約
6.5重量%、そして好ましくは約 0.5重量%〜約 4.5重
量%の範囲にわたる低度に架橋したポリマー粒子のかな
りの量を含むことができる。それらは、好ましくは、純
粋な滅菌水、好ましくは脱イオン又は蒸留した、生理学
的に又は眼科学的に有害でない成分を使用して調製され
るであろうし、そして生理学的及び眼科学的に許容され
るpH調節性の酸、塩基又はバッファー、例えば、酸、例
えば酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸、そ
の他、塩基、例えば水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナト
リウム、乳酸ナトリウム、THAM(トリスヒドロキシメチ
ルアミノ−メタン)、その他、並びに塩及びバッファ
ー、例えばクエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリ
ウム、塩化アンモニウム及び上述の酸と塩基の混合物を
使用して約 7.0〜約 7.4の中性に調製されるであろう。
しかしながら、眼は、中性範囲外のpHに耐えるであろう
し、そしてより酸性又は塩基性のpHも医薬溶解性を容易
にするために使用されることができる。
【0076】水性懸濁液は、保存料を含まない、単一投
薬量の非再密閉性容器内に充填されることができる。こ
れは、医薬の単一投与量が眼に一度に一滴でデリバリー
されることを許容し、その容器は使用後廃棄される。こ
のような容器は、特に、水銀保存料を含む眼用医薬から
生じることが観察されているように、角膜上皮の保存料
関連刺激及び増感を除去する。
【0077】多投薬容器も所望により使用されることが
できる。特に、本発明の水性懸濁液の比較的低い粘度
が、毎日必要なだけ多くの回数、一定の正確な投与量が
眼に点眼されることを許容するからである。保存料が含
まれなければならないような懸濁液中では、好適な保存
料は、クロロブタノール、ポリクワット(Polyquat) 塩
化ベンザ・ルコニウム、臭化セチル、その他である。
【0078】局所配合物中に望ましく含まれる添加物
は、塩化ナトリウム、EDTA(エデト酸2ナトリウム)、
界面活性剤、及び保存料、例えば(塩化ベンザルコニウ
ム)を含む。眼への配合物の投与は、典型的には、処理
される特定の問題に依存して、1日当り1〜4回行われ
るであろう。
【0079】眼注射のための配合物は2つのクラスに分
かれる。結膜下注射のためには、一般に、その配合物
は、0.0001〜1重量%、好ましくは 0.001〜0.1 重量%
の治療剤を含むべきである。いづれかの好適な担体、好
ましくはポリマー担体、例えばデキストラン又はポリソ
ルベート80が使用されることができる。望ましくは配合
物中に含まれることができる他の添加物は、エデト2ナ
トリウム、ナトリウム・ビスルフィット及びナトリウム
・スルフィットである。この配合物は、ホスフェート・
バッファー生理食塩水、クエン酸バッファー生理食塩
水、硫酸コンドロイチン、又はポリマー担体、例えばヒ
アルロン酸ナトリウム(又はヒアルロン酸)、精製ポリ
アクリルアミド又はポリソルベート80を含むべきであ
る。眼注射用配合物中に望ましくは含まれる他の添加物
は、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム及び塩酸であ
り、水酸化ナトリウムと塩酸がpH調整のために使用され
る。典型的には、特に溶液中にあるとき、 0.001〜1重
量%、好ましくは0.01〜1.0 重量%の上記剤を含む。
【0080】活性化合物又はプロドラッグが実質的に溶
液中にあるとき、その治療的な働きを発揮することが直
ちに可能となり、そしてそれ故、より低い濃度が組織不
耐性を引き起こさずに有効なレベルを達成するために投
与されることができる。活性化合物又はプロドラッグが
実質的に懸濁液中にあるとき、より高い濃度が、再び組
織不耐性を引き起こさずに、持続された有効レベルを達
成するために投与されることができる。これ故、溶液に
おいては、より低い濃度が局所的組織損傷を回避するた
めに使用される。懸濁液においては、より高い濃度が使
用される。なぜなら、より低く溶解された量が即時的活
性のために導入されるからである。
【0081】特定の患者の特定の処方のための処置のた
めの望ましい有効濃度を得るための投与量及び有効量
は、望ましい臨床的終点に従い、そして投薬養生法を適
当に調節することにより、容易に得られることができ
る。例えば、眼に非全身的に投与されるSTHsの場合、化
合物の生物学的利用能は、全身的効果に対して感受性が
低い。従って、1日当りの投与量及び適用当りの投与量
についての調節は、医薬の生物学的利用能を妨害する臓
器、例えば肝臓、腸及び腎臓からの低い効果を伴わず
に、変えられることができる。
【0082】臨床的終点は、容易にモニターされ、そし
て比較可能な正常被験者からの臨床的終点に、又は処置
に先立って計測された臨床的終点に、本明細書中に記載
され、そして本分野において知られたように、比較され
ることができる。例えば、正常な眼においては、房水分
泌における変化は、日周変動(diurnal fluctuations)
、加齢、内分泌撹乱、水和、医薬、眼内圧変化におけ
る、外科手術結果の如き要因に関係することができる。
しかしながら、房水分泌のこのような変化は、比較的一
定した眼内圧を維持し、そして処置の経過にわたり計測
されたIOP にほんの僅かな効果を与えるように、流出容
易性における小さな補償的調節として、通常表われる。
本明細書中に記載されるように、正常なIOP 値は、その
眼が適当なIOP レベルに戻る場合、STH の投与又はSTH
処置の軽減又は減少を保証する上昇IOP 値を示すため
に、参照点として使用されることができる。緑内障の場
合、IOP は上昇し、そして開放隅角緑内障の場合、流出
容易性が減少される。これは、IOP における上昇、及び
房水分泌における変化による眼内圧のより大きな変動を
もたらす。IOP は、それにギザギザをつけ又は平らにす
る力を、その眼に加えることにより計測されることがで
きる。臨床医は、IOP における変化を計測することによ
りSTH 処置の経過を評価することができる。
【0083】IOP は圧平眼圧計を使用して計測されるこ
とができる。好ましい圧力は、角膜の標準面積(直径3.
06mm)を平らにするために必要な力を直接計測する、液
体張力計(眼圧計)を使用して、処置前及び後に、眼内
で計測される。圧平眼圧計は多量の液体を置き替えず
(約 0.5μl)又は眼内の圧力を有意に増加させないの
で、この方法は、ほとんど眼の硬性に独立している。典
型的には、眼は、 0.5%プロパラカイン(Ophthaine)、
0.4%ベノキシネート(Dorsacaine) 、又は類似の局所
麻酔薬(テトラカイン(Pontocaine) 以外)の滴の投与
により調製され、その涙液は、等張塩化ナトリウム溶液
又は蒸留水で湿らせられた滅菌フルオレセイン・ペーパ
ー・ストリップにより蛍光にされる。次にIOP は、眼圧
計を使用して計測される。被検体は水平又は垂直である
ことができる。さまざまな他の眼圧計及び方法がIOP を
計測するために使用されることもできる。 (実施例)実施例 実施例1−材料及び方法 以下の材料及び方法が、本明細書中に記載する実施例に
おいて得れた結果を達成するために使用されることがで
きる。本分野において知られている他の材料及び方法も
類似の結果を達成するために使用されることができる。 細胞培養 3〜5継代の、一次、培養ヒト小柱網(“HTM ”)細胞
を全ての実験のために使用した。細胞を、11% CO2及び
37℃中、15% FCS(子ウシ胎児血清)、ゲンタマイシ
ン、グルタミン(2mm)、ファンジゾン(2.5μl/m
l)、ペニシリン/ストレプトマイシン(UCSF Cell Cul
ture Facility) を補った DME−H 16 1g/Lグルコ
ース(標準培地)中で培養した。外植体を、撹乱せずに
1〜2週間10%CO2加湿インキュベーター内でインキュ
ベートした。培養において第3週までに、細胞は自然に
組織から移動した。この時点で、培地を1日おきに変
え、そして線維芽成長因子(1ng/ml)を、各培地の交
換の後に、添加した。細胞マスが1000〜2000の合計数に
達したとき、この外植体を取り出し、そして細胞をSTV
(0.1%トリプシン、0.02% EDTA)によりトリプシン処理
し、そして60mm皿上にプレートした。培地を、細胞が集
密になるまで、通常、プレーティング開始後7〜8日目
までに、1日おきに交換した。集密培養物を、将来の使
用のために液体窒素中でサンプル当り1×10-6細胞にお
いて凍結され、又は実験的使用又は連続培養のための
1:32のスプリット比において継代培養した。HTM 細胞
は20継代を超える間形態を維持する。しかしながら、ほ
とんどの実験においては、3〜5継代からのHTM 細胞が
使用された。これらの細胞は、実質的に純粋であり、そ
して本分野において知られた方法、例えばAlvarado, et
al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 82 : 464-478
(1982)により調製されることができる。好ましくは、細
胞は、細胞増殖に関する影響を減少させるように実験に
おける使用前に集密まで培養される。非集密細胞は典型
的には80%以下の集密である。
【0084】10-2M保存3,3’−5−トリヨード−L
−チロニン(T3 )(Sigma, St. Louis. MO) を、10%
DMSO/90% EtoH 中で調製し、そして−20℃で保存し
た。Covalink−NHマイクロウェル・プレート(Nuna, Na
perville, IL) 、N−ヒドロキシスルホンスクシンイミ
ド(S−NHS) (Pierce, Rockford, IL) 、ヒアルロン酸
(INC, Costa Mesa, CA)、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノ−プロピル)カルボジイミド (EDC)(Sigm
a)、O−フェニレンジアミン(OPD) (Calbiochem, San
Diego, CA)、Vectastain標準ABC キット(Vector, Burl
ingame, CA) を、ヒアルロニダーゼ及びHA ELISA−様ア
ッセイのために使用した。 ヒアルロン酸についてのアッセイ HTM 細胞を、甲状腺ホルモンを除去した10%子ウシ胎児
血清培地を補った2mlDME−H 16 1g/Lグルコース
中で、そして10-7M T3 の添加を伴って又は伴わず
に、6−ウェル又は12−ウェル(Corning, Corning, N
Y) 中で培養した。培地を毎日又は特段指示するよう
に、交換し、そして採取した。上清を濃縮し、そして次
にビオチニル化ヒアルロン酸結合性タンパク質HABPを使
用した ELISA−様アッセイによりヒアルロン酸(“H
A”)について3連でアッセイした。Stern& Stern, Mat
rix, 12 (5) : 397-403 (1992)中に記載したものの如き
アッセイを使用することができる。 ヒアルロニダーゼ活性についてのアッセイ HTM 細胞を、図の凡例に示す日数にわたりインスリン−
トランスフェリン−セレニウムを補った10ml無血清 DME
−H 16 中で、10-7M T3 の添加を伴って又は伴わず
に、100mm 皿(Fisher, Pittsburgh, PA) 内で培養し
た。無血清培地を、血清中に通常あるヒアルロニダーゼ
阻害性タンパク質及びヒアルロニダーゼの妨害を防ぐた
めに使用した。上清をセントリコン(centricon (Amico
n)) 内で濃縮し、そして直接にビオチニル化されたHAを
使用して ELISA−様アッセイ(Stern & Stern, Matrix,
12 (5) : 397-403 (1992)、この方法を引用により本明
細書中に取り込む)の修飾によりpH3.7 シトレート−ホ
スフェート・バッファー中のヒアルロニダーゼ活性につ
いて3連でアッセイした。全てのサンプルを3連でアッ
セイした。
【0085】実施例2−合成甲状腺ホルモン、例えばT
3 は、細胞からのHA分泌を阻害する HA分泌が合成甲状腺ホルモンにより調節されることがで
きるかどうかを調べるために、HTM(“HTM ”)細胞を、
3 の存在下及び非存在下で培養した。T3 補給培地中
で培養されたHTM 細胞は、T3 を除去された培地中で培
養された細胞に比較して正味のヒアルロン酸分泌におい
て漸進的な減少を示した。図1を参照のこと。“除去
(Stripped) ”培地とは、Samuel et al. (Samuel H.
H., Stanley, Cananova J : Endocrinology, 1979 Jul,
105 (1) : 80-5) により記載されるようなアニオン交
換樹脂の方法を使用してT3 が除去されている培地をい
う。典型的には、除去培地中のT3 の濃度は 0.1pM未満
である。T3 補給培地と対照培地(集密細胞)中の分泌
HA濃度における差異は、図1中に示すように補給T3
(最終培地濃度10-7M)に晒して3日目に観察されるこ
とができるであろう。5日目までに、対照培養物からの
上清に比較して、T3 補給培養物からの上清中の分泌HA
濃度における2.95倍の減少があった。HAレベルにおける
差異は、培養10日目まで続いた(実験の最終日)。T3
処置された非集密(75%未満の集密)の細胞も、集密T
3 処置細胞(各ウェルは約 250,000細胞を含んでいた)
に比較して培地中のHA濃度のさらに大きな減少をも作り
出した。T3 によるHA濃度の減少のための最大値の半分
の濃度は、約5nMであった。集密細胞については図2中
の投与量応答曲線を参照のこと。
【0086】実施例3−T3 は分泌されたヒアルロニダ
ーゼの活性を高める T3 の存在下で分泌されたHAの高められた分解により、
HAの分泌量が少なくとも部分的に調節されることができ
るかどうかを調べるために、HTM 細胞による分泌された
ヒアルロニダーゼの酵素活性を、T3 の存在下及び非存
在下で計測した。HTM 細胞を、血清中にあるヒアルロニ
ダーゼ及び/又はヒアルロニダーゼ阻害性タンパク質の
混乱を取り除くためにヒアルロニダーゼ活性実験のため
に無血清培地中で培養した。分泌されたヒアルロニダー
ゼ活性は、T3 添加を欠く対照に比較してT3 補給非集
密培養からの上清中で増加した。10日目までに、無血清
条件下でのHA生産のダウンレギュレーションにも拘ら
ず、T3 補給培養物中の分泌ヒアルロニダーゼ活性にお
いて相対的に 1.9倍の増加があった。
【0087】実施例4−分泌HAレベルを調節することが
できるCD44アイソ形態はHTM 細胞上に存在する CD44レセプターがHTM 細胞により発現されるかどうかを
調べるために、4つのCD44アイソ形態を、CD44s, CD44
E, CD44−v1及びCD44−v3のためのプローブを用い
たRT−PCR 分析を使用して計測することができる。全て
のアイソ形態は、異なるスプライシング部位をもつ9つ
の外部アクソン内から生じたスプライス変異体である。
4つのアイソ形態のすべては、HTM 細胞から発現され
る。RT−PCR実験のために、細胞(1〜3×106 )を、
スクレーピングすることにより収穫し、ペレット化し、
直ちに液体窒素中で凍結し、そしてRNA 及びcDNAが作ら
れるまで保存した。RNA をRNA Track TM (Biotecx, Fri
endswood, Tx) を使用して使った。このRNA を、60μl
の全容量において、1000UのMoloney Murine LeukemiaV
irus Reverse Transcriptase (BRL, Gaithersburg, MD)
、50mMランダム・ヘキサマー・プライマー、50mM Tri
s−HCl (pH8.3) 、75mM KCl, 10mMジチオトレイトー
ル、3mM MgCl2, 0.5mM の各dGTP, dATP, dTTP及びdCTP
を含む反応混合物中でcDNAの第1ストランド合成のため
の鋳型として使用した。cDNA反応を37℃で90分間行い、
そして次にDEPCで前処理された水中で1:3又は1:7
に希釈した。オリゴヌクレオチド・プライマーを水中40
μMに希釈した。
【0088】RT−PCR のために、修飾ホット・スタート
法を使用した。3〜5μlのcDNAの量を、 0.8μモルの
各プライマー、17mMのTris−HCl (pH8.3) 及び80mM KCl
を含む30μlのマスター混合物に添加した。水を40μl
の最終容量までcDNA反応物に添加した。全ての反応物を
軽鉱物油で重層し、そして99℃まで加熱した。10分後、
この反応物を94℃まで冷却し、そして7mM MgCl2, 1mM
の各dATP, dTTP, dGTP及びdCTP、及び 1.2UのTaq Poly
merase (Perkin - Elmer Cetus, Branchburg,NJ) を含
む10μl容量を上記油の上層を通して直接添加した。サ
イクル・パラメーターは:95℃,60秒間、55〜57℃,30
秒間、72℃,30秒間、75℃において15分間の最終伸長で
あった。反応を、自動プログラムされたサーモサイクラ
ー(Perkin - Elmer Cetus, Norwalk, CT)を使用して32
〜34回繰り返した。RT−PCR 生成物を2% Low EEOアガ
ロース(Fisher Scientific, Pittburgh, PA) 上で分離
した。臭化エチジウム〔EtBr〕ゲルを 200Vで45分間走
らせ、紫外線で可視化し、そして写真撮影した。
【0089】RT−PCR のためのオリゴヌクレオチドを、
CD44アイソ形態の全ての効率的な増幅を許容するであろ
うやり方でCD44遺伝子内のエクソンに対して作った。オ
リゴヌクレオチドを前進〔F〕又は後退〔R〕として、
そしてそれが向けられるところのエクソンにより命名し
た: F5 5'-GATGATGACG TGAGCGGCTC-3(配列番号1);F12 5'
-CAGTCATAGT ACAACGCTTCA-3(配列番号2); R7 5'-GAT
AAAATCT TCATGATCATC-3(配列番号3); R 15 5' ATTCA
GATCC ATGAGTGGTAT-3'(配列番号4);β−アクチン前
進 5'-GCTCTCTTCC AGCCTTCC-3'(配列番号5); β−
アクチン後退 5'-AGAGCCACCA ACCCACACAG AG-3'(配列
番号6)。
【0090】このようなCD44アイソ形態はHAに結合し、
そして少なくとも一部、分泌HAのレセプター仲介エンド
サイト−シスを調節する。この経路において、HAは、CD
44レセプターを介して内部移行し、そしてヒアルロニダ
ーゼによる分解のためのリゾソーム内に向けられる。さ
らに、CD44s とCD44E は、エンドサイト−シスによらず
細胞表面にHA及び他のGAGsをつなぎ止めることが示され
ている。
【0091】実施例5−T3 はCD44アイソ形態の発現を
減少させる T3 がCD44レセプター遺伝子の他のスプライシングを通
してHTM による分泌HA回転率に影響を及ぼすかどうかを
決めるために、CD44発現を、本明細書中に記載されるよ
うに、RT−PCR を使用してモニターすることができる。
HTM 細胞が18時間補給されたT3 に晒されたとき、CD44
E とCD44−v3アイソ形態の発現における劇的な減少が
ある。従って、CD44発現におけるT3 誘導減少は、小柱
細胞へのHA及び他のGAGsの減少された結合と矛盾しな
い。
【0092】実施例6−ヒトの眼は房水T4 を含む ヒト眼房水がT4 を含むかどうかを調べるために、T4
を、知られた甲状腺疾患を伴わない患者に対する白内障
外科手術の間に得られた房水から直接透析技術(Cornin
g Nichols Institute, San Juan Capistrano, CA) を使
用して計測した。房水試料のプールされたサンプルは、
0.4ng/dLの遊離T4 レベルを示した。T3 は同一試料
中に全く計測されなかった。
【0093】実施例7−眼のヒトTM細胞は甲状腺ホルモ
ン・レセプターをもつ ヒトの眼、特にHTM 細胞が甲状腺ホルモン・レセプター
を含むかどうかを調べるために、甲状腺ホルモン・レセ
プターを、HTM 細胞を使用した甲状腺レセプター核酸に
ついてのRT−PCR 分析又は免疫−組織化学を用いた甲状
腺ホルモン・レセプターに対する抗体を使用して計測し
た。甲状腺ホルモン・レセプターα1,2及びβ1は両
アッセイを使用して見られ、そして非特異的結合は比較
的低かった。
【0094】実施例8−インビボにおける眼へのT3
局所的投与は角膜内及び後室内へのT3 の拡散をもたら
す 合成甲状腺ホルモンが眼の組織を通過する能力を調べる
ために、 I125 −T 3 をインビボにおいてウサギの眼
に投与し、そして放射能を房水中で計測した。簡単に言
えば、以下の手順を、眼への甲状腺ホルモンの通過を計
測するために使用することができる:1)2:1ケタミ
ン:キシラジンでウサギを麻酔し、2)1滴の局所麻酔
薬を眼に適用し、3)Balanced Salin Solution (Alco
n) で眼を濯ぎ、そして軽く叩いて乾燥させ(dab dry)
、4) 100% EtoH 溶液中I125 −T3 の30μl PBS
(ホスフェート・バッファー生理食塩水)中30% DMSO
中I12 53 の30μlを適用し、5)アルコール溶液
について30分〜1時間、そしてDMSO溶液について45分間
上記T3 溶液を吸収させ、6)対照眼において約30秒間
上記T3 溶液を吸収させ、7)使い捨てシリンジで50μ
lの眼房水を取り出す前に60mlの滅菌水で眼を濯ぎ、そ
して8)ガンマ・カウンター内で眼房水サンプルからの
放射能を計測する。オートラジオグラフィーを、局所的
125 −T3 の投与の2時間後に摘出されたウサギの眼
に対して行った。ラベルは、眼の眼房水流出チャンネル
上で濃縮されていた。これは、局所的に投与されたT3
が小柱網に結合することができるということを示してい
る。このような方法を使用すれば、適用されたT3 の約
0.125%が45〜60分後に眼房水中に拡散し、そして拡散
が、アルコール又はDMSOがT3 のための溶媒として使用
されるかどうかということから、独立している。従っ
て、T3 は角膜の拡散バリアを横切って拡散することが
でき、そしてそれ故、眼房水及び小柱網に接近すること
ができる。
【0095】実施例9−インビボにおける眼へのT3
局所的投与は眼内圧を低下させる 眼内圧(“IOP ”)に対する合成甲状腺ホルモン、例え
ばT3 の効果を調べるために、T3 をインビボにおいて
ウサギの眼に局所投与した。正常色素性のDutch ウサギ
をIOP 実験のために使用し、そしてT3 を、1日4回30
% DMSO 媒体を含むPBS の1mMのT3 滅菌溶液の30μl
としてウサギの右眼に局所投与した。30% DMSO 媒体を
対照の右眼に1日当り4回適用した。所定の時間に、IO
P を肺切開の技術を使用して計測した。臨床的状態にお
いては、より低いT3 の量が、通常、潜在的な全身毒性
又は撹乱、例えば頻脈(tachycardia) 効果を低下させる
ために投与されるであろう。
【0096】
【表1】
【0097】5ウサギが投与3週間以内にIOP における
少なくともいくらかの検出可能な低下を示し、そして1
ウサギがT3 投与の3週間後にIOP における25%低下と
同程度の低下を示した。両方の眼におけるIOP において
観察された減少は、局所的に投与されたT3 の全身的吸
収に関係付けられることができる。計測されたT3 の血
清レベルは、局所的処置の2週間後に3ウサギにおいて
上昇した(88〜160 ng/dLの正常レベルをもって、 176
〜427 ng/dLの範囲)。1ウサギが、たぶん、局所的投
与から生じた高い血清T3 濃度からのT3 毒性に因り、
死んだ。T3 の毒性は、本明細書中に記載するように、
低い活性のSTHsを使用して又は低い濃度のSTHsのプロド
ラッグ・エステル誘導体を使用して、適用された合成甲
状腺ホルモンの量を減少させることにより回避されるこ
とができる。
【0098】実施例10−培養されたヒト小柱網細胞の水
力学的伝導率:房水流出のインビトロ・モデル インビボにおいてHTM の働きを行う甲状腺ホルモンの能
力の尺度として、我々は、T3 が、インビトロにおいて
HTM 細胞の単層を横切って液体の流れを直接的に増加さ
せるために働くことができるかどうかを評価した。我々
は、水力学的伝導率を計測するためにインビトロ・モデ
ルを使用した。このモデルを、HTM 細胞の集密単層の水
力学的伝導性を計測する。
【0099】HTM 細胞の単層を、ポリスチレン・ホルダ
ー内のミリポア・フィルター上で培養した。このホルダ
ーを、液体が既知の耐性を横切って流れるとき顕出する
圧力差を計測するデバイス内に置く。2つの圧力ゲー
ジ、すなわち、既知のレジスターの上流にある1、及び
その既知のレジスターの下流にあるが、HTM 細胞を含む
フィルター・ホルダーの直上流にある1が、圧力差を計
測する。このフィルターの外表面は大気圧にあるので、
上記第2ゲージの圧力は細胞の灌流圧力である。水力学
的伝導性はQ/PA{ここで、Qは流れ、Pは灌流圧、そ
してAは単層の表面積である。}に等しい。
【0100】集密HTM 細胞を、2mMグルタミン、1nMペ
ニシリン、及び1nMストレプトマイシンを含むDMEM−H
16 中の1cm Milliporeフィルター(Millipore Corp.,
Bedford, MA) 上で4又は8日間培養した。また、この
培地は、活性炭及び混合カチオン/アニオン交換樹脂
(AG 501−X8 Resin, Bio−Rad, Hercules, CA)と共に
インキュベートすることによりホルモン除去されていた
10%子ウシ胎児血清から成っていた。集密HTM 細胞を10
-7M T3 と共に又はなしで4又は8日間培養した。対
照細胞を適当な量のエタノール媒体で処理した。各フィ
ルターの水力学的伝導性は、その中でそれらが培養され
た同一の培地でその細胞を灌流しながら30分間にわたり
計測され、そしてμl/分/mmHg/cm2 として表される
であろう。上記実験の全てを4連で行った。
【0101】4日間の処置の後、T3 と共にインキュベ
ートされたHTM 細胞は、T3 の非存在下で培養されたHT
M 細胞よりも 1.5〜2倍大きな水力学的伝導性をもって
いた(図3)。しかしながら、この差異は統計的に有意
ではなかった(Wilcoxonテスト)。8日間の処置の後、
3 と共にインキュベートされたHTM 細胞はT3 の非存
在下で培養されたHTM よりも統計的に有意な2〜3倍大
きな水力学的伝導性をもっていた(p=0.0286, Wilcox
onテスト)(図4)。従って、T3 は、HTM 細胞の集密
層に対して直接作用して、液体の流れに対するそれらの
抵抗を減少させ、そしてそれらの水力学的伝導率を増加
させる。さらに、この効果の大きさは、エピネフリン、
すなわち、眼房水の流出を増加させ、かつ、眼内圧を低
下させる抗−緑内障剤を用いた先に報告された研究に類
似している。これらの結果は有意である。なぜなら、水
力学的伝導性のインビトロ計測値がインビボにおける眼
房水流出に対する眼用医薬、例えばエピネフリン及びコ
ルチコステロイドの観察された効果とよく相関するから
である。それ故、T3 はインビトロにおいて水力学的伝
導率を増加させるので、それは、緑内障を患う患者にお
いて眼房水の流出を増加させ、そして眼圧を減少させる
ことができる。
【0102】実施例11−T3 は、培養されたヒト小柱網
細胞に対する細胞外マトリックスの付着を調節する 我々は、T3 の存在下で培養されたHTM 細胞が、T3
非存在下で培養されたHTM 細胞よりもより少いヒアルロ
ン酸を生産するということを証明した。ヒアルロン酸
(HA)は、通常、細胞表面レセプター、CD44に結合し
て、細胞外マトリックスを形成することにより細胞と相
互作用する。T3 投与が、HTM 細胞がHAに結合しそして
細胞外マトリックスを組み立てる能力を発揮するかどう
かを評価するために、我々は、培養において成長したHT
M 細胞がHAに結合し、そしてそれを目に見える細胞外マ
トリックスに組み立てる能力を評価した。このアッセイ
・システムは、その細胞の周囲の領域から、添加された
ホルマリン添加赤血球細胞を排除するその能力を利用す
ることにより、細胞の細胞外マトリックスを可視化す
る。細胞周辺マトリックスのアセンブリーを顕微鏡で観
察するとき、プロテログリカン・モノマーとHAが過剰で
細胞に添加される。小柱網細胞の周囲のマトリックス・
アセンブリーは眼房水流出に対する抵抗の重要な構成要
素であるので、このマトリックスの調節は、眼内圧の1
の決定要因であることができる。
【0103】HTM 細胞を、プレート当り1×104 細胞の
密度で35mm皿上にプレートした。細胞を、2mMグルタミ
ン、1nMペニシリン、及び1nMストレプトマイシンを含
むDMEM−H 16 中10-7M T3 と共に又はなしで2又は
6日間培養した。また、この培地は、活性炭と混合カチ
オン/アニオン交換樹脂(AG 501−X8 Resin, Bio−Ra
d, Hercules, CA)と共にインキュベートすることにより
ホルモンを除去されていた10%子ウシ胎児血清から成っ
ていた。外来性マトリックスのアセンブリーのために、
次に細胞を、 3.0mg/mlの(ラット軟骨肉腫(文献1)
から精製された)集合性プロテログリカン・モノマー及
び15μg/mlのヒアルロナン(グレード1,Sigma Chem
ical Co., St. Louis, MO)と共に37℃で3時間インキュ
ベートした。この培地を取り出し、そして 0.1%子ウシ
血清アルブミンを含むホスフェート・バッファー生理食
塩水中のホルムアルデヒド固定赤血球の懸濁液(1×10
8細胞/ml)0.75mlを細胞の各ウェルに添加した。10分
後、この細胞と細胞外マトリックス(ECMs) を位相差顕
微鏡(文献2,3)により可視化して観察した。これら
の細胞マトリックスを3つの群の中の1に分類した。コ
ースト(coasts) をもたない細胞は、見えるECM をもた
ない。小さなコーストをもつ細胞は、その細胞の形質膜
から外にその細胞の核の幅未満で延びる見えるECM をも
つ。大きなコーストをもつ細胞は、その細胞の形質膜か
ら外にその細胞の核の幅よりも大きく延びる見えるECM
をもつ。
【0104】10-7M T3 の存在下で2日間培養された
細胞は、T3 の非存在下で培養された細胞がもつよりも
約2倍多くの数のコーストをもたない細胞をもってい
た。10 -7MのT3 により処理の4日後に、この差は4倍
以上に増加した。従って、10-7MのT3 で処理されたHT
M細胞は、T3 を含まない培地中で培養された細胞が結
合するよりもより少いHAに結合し、そしてより小さなEC
Msをアセンブルする。従って、T3 は、小柱細胞からの
ECM を変位させるように働くことができるか、あるい
は、ECM アセンブリー合成を阻害することができる。い
ずれの場合においても、細胞に結合したECM の減少は、
房水の流出抵抗を減少させ、そして眼内圧を低下させる
ことができる。
【0105】実施例12−STHsの合成 多くのTR(甲状腺レセプター)リガンドであってT4
(チロキシン)、T3、T2及びTS−9を含むものが本
分野において知られている。Jorgensen, ThyroidHormon
es and Analogs, in 6 Hormonal Proteins and Peptide
s, Thyroid Hormones 107-204 (Choh Hao Li ed., 197
8)(引用により本明細書中に取り込む。)を参照のこ
と。
【0106】いくつかのTRリガンドの合成を以下に記載
する。
【0107】TS1,TS2,TS3,TS4,TS5の合成 TS1,TS2,TS3,TS4とTS5及びそれらのアナログの
全てを、T3(3,5,3’−トリヨード−L−チロニ
ン)、T4(チロキシン)及び3,5−ジヨードチロニ
ンを含む、いずれかのチロニン・アナログの窒素原子の
単なるアシル化により調製することができる。TS1とTS
2は、T3を、それぞれ、Ph2CHCO2NHS(N−ヒドロキ
シ・スクシンイミド−2,2−ジフェニルアセテート)
とC16H33CO2NHSと反応させることにより合成する。TS3
を、T3を、FMOC−Cl(フルオレニルメチルオキシカル
ボニルクロリド)と反応させることにより合成する。TS
4を、T3を、tBOC2O(tBOC無水物又はジ−t−ブチル
ジカーボネート)と反応させることにより合成する。R
3 1位における−Iの代わりに−HをもつことによりTS1
−4と異なるTS5を、3,5−ジヨードチロニンをtBOC
2Oと反応させることにより合成する。TS1,TS2,TS
3,TS4及びTS5のための一般的反応スキームを図5に
示す。この反応スキームにおいて、TS5とその前駆体の
両者がR3 1位におけるヨウ素よりもむしろ水素をもつこ
とに留意すべきである。
【0108】TS6とTS7の合成 TS6を、TS5をパラニトロフェニルイソシアネートと反
応させることにより合成する。TS7を、TS6を、tBOC基
を解裂させるTFA(トリフルオロ酢酸)と反応させること
により合成する。これらの反応は、当業者の中の誰によ
っても行われることができる簡単な有機合成反応であ
る。TS6とTS7のための合成スキームを図6に示す。
【0109】TS8の合成 TS8を、トリエチルアミン及びいずれかのアミド形成性
縮合剤、例えばTBTU(ヒドロキシベンズトリアゾールウ
ロニウム・テトラフルオロボレート)又はHBTU(ヒドロ
キシベンズトリアゾールウロニウム・ヘキサフルオロホ
スフェート)の存在下で、TS5をPh2CHNH2(ジフェニル
メチルアミン)と反応させることにより合成する。TS8
のための合成スキームを図7に表す。
【0110】3,5−ジヨード−3’−イソプロピルサ
イロニン誘導体の合成 あるクラスのアンタゴニストをデザインするためには、
その3’位において疎水性の基をもち、そしてその5’
位において伸長をもつことが重要である。その3’位に
おける好ましい疎水性基は:メチル、ベンジル、フェニ
ル、ヨード、及び複素環構造を含む。3,5−ジヨード
−3’−イソプロピル−5’−置換サイロニンの合成を
以下に記載する。提供された実施例は、TS10化合物を合
成するための特別な工段を記載するが、一般的な反応ス
キームが、その5’位で伸長をもつことを特徴とするい
ずれかの数の3,5−ジヨード−3’−イソプロピル−
5’−置換サイロニン誘導体を合成するために当業者に
より使用されることができる。このクラスの追加の化合
物も、知られた有機合成技術を使用して合成されること
ができる。
【0111】TS10の合成を以下に記載し、そして図8に
表す。各工程についての反応生成物を示すTS10のための
反応スキームにおいて使用される数は、カッコ内にあ
る。
【0112】2−ホルミル−6−イソプロピルアニソー
ル(1):2−ホルミル−6−イソプロピルアニソール
(10.0g,61mmol) 、Casiraghi, et al. JCS Perkin
I, 1862 (1980) (引用により取り込む)により作られ
たものを、丸底フラスコ内の50mL THFと50mL DMF中ナト
リウム・ヒドリド(3.7g,153mmol)の懸濁液に滴下し
た。この添加は、発熱反応及び灰色固体の形成を作り出
す。次にヨウ化メチル(26.0g,183mmol)を滴下し、そ
してその反応混合物を5時間室温で撹拌する。この反応
混合物を20mLの水でクエンチし、次に 500mLの水に注ぎ
込み、そしてエーテル(2×300mL)で抽出する。このエ
ーテル層を併合し、水で洗浄し(5×1000mL) 、硫酸マ
グネシウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して、1
0.2g(94%)の表題化合物を得る。以下の 1H NMR(C
DCl3)特性:d10.30(s,1H),7.63(d,1H,J
=3Hz),7.50(d,1H,J=3Hz),7.13(t,1
H,J=3Hz),3.81(s,3H)3.31(heptet, 1
H,J=7.5 Hz),1.19(d,6H,J=7.5 Hz)をも
つ。
【0113】2−(2−ヒドロキシノニル)−6−イソ
プロピルアニソール(スキームを図示せず):塩化オク
チルマグネシウム(8.4mL, 16.9mmol, 2.0M)を−78℃
における10mLTHF中の1の溶液(1.5g,8.4mmol)に滴下
する。この反応混合物を室温まで温めながら2時間撹拌
する。この反応混合物を50mLエーテルで希釈し、そして
50mLの水に注ぐ。エーテル層をブライン(1×50mL)で
洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で
濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカ・
ゲル、10%エーテル/ヘキサン→15%エーテル/ヘキサ
ン)により表題の化合物734mg(30%)を得る。以下の
1H NMR(CDCl3)特性:d7.33−7.10(m,3H),5.0
0(br,s,1H),3.81(s,3H),3.33(heptet,
1H,J=7Hz),1.90−1.19(m,14H),0.86
(t,3H,J=6.5 Hz);HRMS(EI)、実測:292.24
04;計算:292.2402をもつ。
【0114】2−ノニル−6−イソプロピルアニソール
(2):化合物2(663mg, 2.3mmol) を5mLエタノール
と5mL酢酸の溶液中に溶解し、そして炭素触媒上のパラ
ジウムのスパチュラ・先端を添加する。次にこの反応混
合物に(単純なバルーンと針を使用して)水素ガスを満
たし、そしてこの混合物を室温で一夜撹拌する。翌日、
この反応混合物をエーテル(100mL) 中に注ぎ、そしてこ
のエーテル層を飽和重炭酸ナトリウム(3×100mL)で抽
出する。このエーテル層を、硫酸ナトリウム上で乾燥さ
せ、そして真空中で濃縮して、 581mg(91%)の(2)
を得る。 1H NMR(CDCl3)特性:d7.14−7.00(m,3
H),3.75(s,3H),3.36(heptet, 1H,J=6.
8 Hz),2.63(t,2H,J=7.5Hz),1.68−1.15
(m,14H),0.86(t,3H,J=5.5 Hz);HRMS
(EI)、質量実測:276.2459;計算:276.2453をもつ。
【0115】サイロニン付加物(4):発煙硝酸(0.071
mL) を、−5℃に冷却した 0.184mLの無水酢酸に添加す
る。ヨウ素(66mg)をこの混合物に、その後、トリフル
オロ酢酸(0.124mL) に添加する。この混合物を、室温ま
で温めながら1時間撹拌し、この時点で、ヨウ素の全て
が溶解する。次にこの反応混合物を、真空中で濃縮して
油状の半固体材料を提供した。この残渣を、 0.7mLの無
水酢酸中に溶解し、そして−20℃に冷却した。 1.2mL無
水酢酸及び0.58mL TFA中のアニソール(2)(581mg,
2.1mmol) の溶液を滴下する。この反応混合物を1時間
−20℃で撹拌し、次に室温まで温めながら一夜撹拌す
る。この反応混合物を、水と塩化メチレンの間で分配さ
せる。この塩化メチレン層を硫酸ナトリウム上で乾燥さ
せ、そして真空中で濃縮して、油としてヨードニウム塩
(3)を得る。この材料は精製されず又は特徴付けされ
ず、そしてカップリング反応中に直接導入する。
【0116】N. Lewis and P. Wallbank, Synthesis 11
03 (1987) (引用により取り込む)の手順に従って調製
されたN−トリフルオロアセチル−3,5−ジヨードサ
イロニン・メチル・エステル(552mg, 1.0mmol) 及び上
記からの粗ヨードニウム塩(3)の全てを、5mLの無水
メタノール中に溶解する。ジアザビシクロ〔5.4.
0〕ウンデカン(DBU) (183mg, 1.2mmol) 及びスパチュ
ラ先端の銅−ブロンズを添加し、そして得られた混合物
を室温で一夜撹拌する。翌日、この反応混合物を濾過
し、そしてこの濾液を真空中で濃縮する。粗残渣をフラ
ッシュ・クロマトグラフィー(シリカ・ゲル、10%酢酸
エチル/ヘキサン)により精製して、30mg(4%)の保
護サイロニン付加物(4)を得る。
【0117】脱保護サイロニン(TS10):保護されたサ
イロニン4(30mg, 0.04mmol) を2.25mL酢酸と 2.25mL
49%臭化水素酸の混合物に溶解する。この反応混合物を
5時間還流まで加熱する。この反応混合物を室温まで冷
却し、そしてこれらの溶媒を真空中で除去する。水を上
記油状残渣を灰色固体に粉砕するために添加する。この
固体材料を濾過し、水で洗浄し、そして真空中P2O5上で
乾燥させて24mg(81%)の表題化合物、TS10を得る。 1
H NMR(CDCl3)特性:d7.57(s,1H),6.86(s,
1H),6.45(s,1H),6.34(s,1H),4.81
(m,1H),3.86(s,3H),3.71(s,3H),
3.33−3.05(m,3H),2.58−2.47(m,2H),1.
62−0.76(m,23H);MS(LSIMS):M+ =817.0 をも
つ。
【0118】上述のように、この反応スキームを、3,
5−ジヨード−3’−イソプロピルサイロニン誘導体を
特徴とする化合物の1クラスを合成するために当業者に
より修飾されることができる。ここで(1)その3’イ
ソプロピル基は、メチル、ベンジル、フェニル、ヨー
ド、及び複素環構造を含む疎水基で置換されることがで
き、そして(2)多種多様の化学構造であってアルキル
基、平面状アリール、複素環基、又は極性及び/又は電
荷基を含むものがその5’位において取り込まれること
ができる。
【0119】上記反応スキーム内のアルデヒド(1)
は、最終サイロニン誘導体の5’位へのさまざまな化学
部分の付着を許容する多用途の合成中間体である。さら
に、さまざまな化学反応が、これらの化学的部分を付着
させるために使用されることができる。これらの反応
は、本分野においてよく知られており、そして(グリニ
ヤール試薬、有機リチウム、等を含む)アルデヒドへの
有機金属の付加、第1又は第2アミンによる上記アルデ
ヒドの還元的アミノ化反応、及びリン・イリド又は安定
化されたホスホネート・アニオンとのウィッティヒ・オ
レフィン化反応を含む。他の可能性は、その5’位にお
けるエーテル化反応を許容するベンジル・アルコールへ
のアルデヒドの反応を含む。上述のように、これらの方
法は、アルキル基、平面状アリール、複素環基又は極性
及び/又は電荷基を含む、多種多様の化学構造が最終サ
イロニン誘導体の5’位に取り込まれることを許容す
る。
【0120】表1及び図9は、いくつかのTRリガンドの
構造を表す。
【0121】
【化3】
【0122】
【表2】
【0123】式中、R6 ,R2 及び 'R3 は、式1中H
を表し、そしてXはOを表す。
【0124】本明細書中に言及する全ての刊行物及び特
許出願を、あたかも個々の刊行物又は特許出願が特別
に、かつ個々に引用により取り込まれることを意図され
るのと同程度に引用により本明細書中に取り込む。
【0125】本発明をこれまで十分に記載してきたが、
当業者にとって多くの変更及び修正が添付の請求の範囲
の本質又は範囲から逸脱せずに本発明に対して行われる
ことができるということは明らかであろう。
【0126】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> The Reagents of the University of California <120> Synthetic thyroid hormone compositions <130> B <140> JP 2002- <141> 2002-05-27 <160> 6 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence. <220> <221> misc feature <223> F5 <400> 1 gatgatgacg tgagcggctc 20 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence. <220> <221> misc feature <223> F12 <400> 2 cagtcatagt acaacgcttc a 21 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence. <220> <221> misc feature <223> F7 <400> 3 gataaaatct tcatgatcat c 21 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence. <220> <221> misc feature <223> R15 <400> 4 attcagatcc atgagtggta t 21 <210> 5 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence. <220> <221> misc feature <223> beta-actin forward <400> 5 gctctcttcc agccttcc 18 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence. <220> <221> misc feature <223> beta-actin reverse <400> 6 agagccacca acccacacag ag 22
【図面の簡単な説明】
【図1】T3 −補足又はT3 −除去(T3 −stripped)
培地(Nox )中で培養されたHTM 細胞によるHA生産
を比較するグラフを示す。2日目までに、T3 −補足細
胞からのHA分泌における57%の相対的減少が在った。4
日目までに、この差は66%まで増加した。
【図2】培養されたHTM 細胞によるHA生産に対するT3
濃度の効果を示す。HA生産の最大阻害は、10-7〜10-6
の間のT3 で生じた。
【図3】10-7MのT3 と共に又はT3 を伴わずに、4日
間インキュベートされたHTM 細胞の水力学的伝導率(hy
draulic conductivity) を示すチャートである。T3
処理されなかった対照細胞を適当な量のエタノール媒体
で処理した。
【図4】10-7MのT3 と共に又はT3 を伴わないで8日
間インキュベートされたHTM 細胞の水力学的伝導率を示
すチャートである。
【図5】様々なSTHsの構造を示す。
【図6】様々なSTHsの構造を示す。
【図7】様々なSTHsの構造を示す。
【図8】様々なSTHsの構造を示す。
【図9】様々なSTHsの構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/27 A61K 47/30 47/30 A61P 27/06 A61P 27/06 43/00 111 43/00 111 A61K 37/30 (72)発明者 シュワルツ,ダニエル エム. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94143, サンフランシスコ,パーナサス アベニュ 400 (72)発明者 バクスター,ジョン ディー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94127, サンフランシスコ,サン パブロ アベニ ュ 131 (72)発明者 ジャンパー,マイケル ディー. アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27705,ダーハム,ブラウン アベニュ 2729 (72)発明者 スキャンラン,トーマス エス. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94122, サンフランシスコ,モラガ ストリート 2525 Fターム(参考) 4C076 AA19 AA51 AA94 CC10 CC29 EE09 EE20 EE23 EE24 EE30 EE45 FF02 FF31 FF68 4C084 AA02 AA14 BA31 CA59 MA17 MA24 MA34 MA58 NA10 NA12 NA14 ZA332 ZC022 4C206 AA01 AA02 FA42 FA53 HA21 HA24 KA01 MA01 MA04 MA37 MA44 MA54 MA78 NA10 NA12 NA14 ZA33 ZC02

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒアルロン酸分泌を阻害するための医薬
    組成物であって、 ヒアルロン酸を分泌する細胞からのヒアルロン酸分泌を
    阻害する合成甲状腺ホルモンを含んで成り、前記合成甲
    状腺ホルモンが10マイクロモル以下の濃度で、37℃で3
    日間前記合成甲状腺ホルモンの非存在下で培養したヒト
    小柱網細胞に比較して、37℃で3日間培養した培養ヒト
    小柱網細胞からの全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%
    を阻害することを特徴とする医薬組成物。
  2. 【請求項2】 前記合成甲状腺ホルモンが1マイクロモ
    ルの濃度で培養ヒト小柱網細胞からの全ヒアルロン酸分
    泌の少なくとも10%を阻害する、請求項1に記載の医薬
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記合成甲状腺ホルモンが 0.1マイクロ
    モルの濃度で培養ヒト小柱網細胞からの全ヒアルロン酸
    分泌の少なくとも10%を阻害する、請求項2に記載の医
    薬組成物。
  4. 【請求項4】 前記細胞がヒト小柱網細胞である、請求
    項2に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 前記ヒト小柱網細胞が小柱網内にある、
    請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 前記医薬組成物が眼に適合性の医薬担体
    を更に含んで成る、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 前記医薬担体が眼に適合性の生理食塩水
    である、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 前記合成甲状腺ホルモンがエステル誘導
    体である、請求項6に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 前記合成甲状腺ホルモンがリポソーム混
    合物中に置かれている、請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 前記合成甲状腺ホルモンが、拡散によ
    って放出することができる合成ポリマーの中に置かれて
    いる、請求項6に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 緑内障の治療用の医薬組成物であっ
    て、 眼科的有効量の合成甲状腺ホルモンを含んで成り、白内
    障を有する目には緑内障の治療に使用されないことを条
    件とする医薬組成物。
  12. 【請求項12】 眼に適合性の医薬担体を更に含んで成
    る、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 前記組成物が眼内挿入物又は眼内イン
    プラントの中に組み込まれる、請求項12に記載の医薬組
    成物。
  14. 【請求項14】 前記眼用インプラントが、コンタクト
    からの合成甲状腺ホルモンの拡散に備えて前記合成甲状
    腺ホルモンが含浸されているコンタクトである、請求項
    13に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 前記眼に適合性の医薬担体が、前記合
    成甲状腺ホルモンを持続性放出することができる生分解
    性ポリマーを含んで成る、請求項12に記載の医薬組成
    物。
  16. 【請求項16】 前記有効量が 0.1 ng 〜20 ng /片眼
    /日である、請求項11に記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】 前記合成甲状腺ホルモンが1マイクロ
    モル以下の濃度で、前記合成甲状腺ホルモンの非存在下
    で培養した前記小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌に比
    較して、前記小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌を少な
    くとも30%減少させる、請求項15に記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】 前記組成物が、前記合成甲状腺ホルモ
    ンを持続性放出することができるポリマーを含む眼内持
    続性放出デバイス又は外科インプラントの中に含められ
    る、請求項11に記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】 前記ポリマーが生分解性である、請求
    項18に記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】 小柱網細胞内の合成甲状腺ホルモンを
    含み、前記合成甲状腺ホルモンが血液−眼関門を通過し
    ないことを特徴とする医薬組成物。
  21. 【請求項21】 前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺
    ホルモンのエステル化誘導体である、請求項20に記載の
    医薬組成物。
  22. 【請求項22】 前記小柱網細胞が眼外植片からのヒト
    小柱網細胞である、請求項20に記載の医薬組成物。
  23. 【請求項23】 前記合成甲状腺ホルモンがヒト甲状腺
    レセプターに結合している、請求項20に記載の医薬組成
    物。
  24. 【請求項24】 前記合成甲状腺ホルモンが少なくとも
    0.04 ng /dlの小柱網細胞内濃度を有し、そして前記小
    柱網細胞がヒト小柱網細胞である、請求項23に記載の医
    薬組成物。
  25. 【請求項25】 合成甲状腺ホルモン及び眼に適合性の
    医薬担体を含む医薬組成物。
  26. 【請求項26】 前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺
    ホルモンのエステル化誘導体である、請求項25に記載の
    医薬組成物。
  27. 【請求項27】 前記眼に適合性の医薬担体が緩衝食塩
    溶液を含んで成る、請求項25に記載の医薬組成物。
  28. 【請求項28】 前記眼に適合性の医薬担体がリポソー
    ムを含んで成る、請求項27に記載の医薬組成物。
  29. 【請求項29】 前記眼に適合性の医薬担体が生分解性
    の合成ポリマーである、請求項25に記載の医薬組成物。
  30. 【請求項30】 合成甲状腺ホルモンが含浸されている
    眼用コンタクトを含んで成る医薬組成物。
  31. 【請求項31】 前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺
    ホルモンのエステル化誘導体である、請求項30に記載の
    医薬組成物。
  32. 【請求項32】 緑内障の治療用の医薬組成物であっ
    て、有効量の合成甲状腺ホルモンを含んで成る医薬組成
    物。
  33. 【請求項33】 眼内圧を低下させるための医薬組成物
    であって、治療有効量の合成甲状腺ホルモンを含んで成
    る医薬組成物。
  34. 【請求項34】 医薬として許容される担体を含んで成
    る、請求項33に記載の医薬組成物。
  35. 【請求項35】 局所投与用である、請求項34に記載の
    医薬組成物。
  36. 【請求項36】 眼内投与用である、請求項34に記載の
    医薬組成物。
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