JP2001500964A - 合成甲状腺ホルモン組成物を使用した眼の処置 - Google Patents

合成甲状腺ホルモン組成物を使用した眼の処置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、合成甲状腺ホルモンがインビボにおいて眼内圧を低下させるための組成物として使用されることができるという発見を含む。眼内圧、房水圧、水力学的伝導性、ヒアルロン酸分泌、及び細胞外マトリックス・アセンブリーに対する効果について合成甲状腺ホルモンをスクリーニングする方法を提供する。合成甲状腺ホルモン及び組成物により過剰の眼内圧を処置する方法及び緑内障の治療方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 合成甲状腺ホルモン組成物を使用した眼の処置 導 入 技術分野 本発明は、合成甲状腺ホルモン、上昇した眼圧及び緑内障の治療のための組成 物及び方法に関する。 背 景 緑内障は、米国内で約2百万人、そして全世界で約145百万人を悩ましている 。35歳を超える集団の約2%が緑内障のいくつかの形態を患い、そしてそれは失 明の全ケースの約12%の原因である。その容易な診断にも拘らず、緑内障を患う 患者において眼内圧(intraocular pressure(IOP))を低下させる療法は、しば しば不適切なものではない。眼内圧を低下させるための局所的及び経口的な医薬 の使用は、それらの医薬の副作用によりしばしば制限される。他のケースにおい ては、緑内障を治療するための医療的処置の使用は、視神経への進行性の損傷を 妨ぐために十分な程眼内圧を低下させることにおいて成功していない。 従って、緑内障及びその他の眼又は上皮の医学的症状の治療のための方法、化 合物及び組成物についての必要性が在る。 本発明の要約 本明細書中に記載する発明の前には、甲状腺ホルモンのレベルにおける全身的 変化に因るIOPの変化は間接的であると推定されていたか、又は直接的な場合で も、IOPにおける甲状腺ホルモン誘導変 化は、眼に位置するアドレナリン作動性のα又はβレセプターを通して仲介され ると考えられていた。本発明の側面は、今般、眼の生理学における甲状腺ホルモ ン・レセプターの重要な役割を最初に認識した。眼の甲状腺レセプターは、眼の 細胞における甲状腺ホルモン効果を直接的に仲介する機会を提供する。特に、ヒ ト小柱網(trabecular meshwork(“HTM”))細胞の甲状腺レセプターは、HTM細 胞により維持される細胞外ヒアルロン酸(“HA”)の量を潜在的に仲介すること ができ、これは、次に、眼房水の流出量に影響を及ぼすことができる。 本発明は、甲状腺ホルモン・レセプターを含む細胞及びGAG生産に関係する細 胞過程がグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan(“GAG”))生産を仲介する 化合物の如き、治療薬として有用である化合物を同定するためのインビトロ又は インビボにおける有用な成分であろうということを明確に理解する。治療薬(th erapeutics)として有用な化合物を同定する方法は:1)GAGを分泌する細胞、 例えば小柱網細胞とある化合物を接触させ、そして2)その化合物が10マイクロ モル以下の濃度をもつ場合に、上記細胞へのその化合物の結合を検出する、こと を含む。 さらに、本発明は、甲状腺ホルモン及び合成甲状腺ホルモン(synthetic thyr oid hormones(SHTs))が、細胞、例えば小柱網細胞からのGAG生産又はHA分泌を 直接的に仲介することができるということを明確に理解する。従って、本発明の 方法は、所望の細胞又は組織内で物質又は細胞過程の量又は活性を減少させる化 合物、特にSTHsを使用して、GAG生産又はHA分泌を調節することに向けられる。 好ましくは、このような細胞は、小柱網細胞、眼の毛様細胞(ciliary cells)、 眼の内皮細胞(endothelial cells)、眼以外の内皮細胞、並びに皮膚及び内部臓 器の線維芽細胞であろう。ほとんどの 場合、STHの非全身的適用が好ましい。但し、STHsは全身的に投与されることも できる。 本発明は、眼に対する合成甲状腺ホルモンの眼病に有効な量を、治療の必要な 眼に投与することを含む緑内障の治療方法をも提供する。投与モードは、局所的 、眼内移植又は注射、及び全身的なものを含む。好ましくは、眼に対するSTHの 投与は、眼に許容される医薬担体を用いた局所投与又は外科手術で移植可能な又 は注射可能なデバイスを介した非全身的投与であり、これは、眼内でのSTHの持 続的に放出することができる生物学的分解性の又は生物学的非分解性のポリマー を含むことができる。持続放出ポリマー中にSTHを含有する眼挿入物も使用され ることができる。 図面の簡単な説明 図1は、T3−補足又はT3−除去(T3−stripped)培地(Nox)中で培養 されたHTM細胞によるHA生産を比較するグラフを示す。2日目までに、T3−補足 細胞からのHA分泌における57%の相対的減少が在った。4日目までに、この差は 66%まで増加した。 図2は、培養されたHTM細胞によるHA生産に対するT3濃度の効果を示す。HA生 産の最大阻害は、10-7〜10-6Mの間のT3で生じた。 図3は、10-7MのT3と共に又はT3を伴わずに、4日間インキュベートされ たHTM細胞の水力学的導電率(hydraulic conductivity)を示すチャートである 。T3で処理されなかった対象細胞を適当な量のエタノール媒体で処理した。 図4は、10-7MのT3と共に又はT3を伴わないで8日間インキュベートされ たHTM細胞の水力学的導電率を示すチャートである。 図5〜9は、様々なSTHsの構造を示す。 特定の態様の説明 略 号 HAはヒアルロン酸を表す。 GAG はグルコサミノグリカンを表す。 HTM はヒト小柱網を表す。 IOP は眼内圧を表す。 STH は合成甲状腺ホルモンを表す。 定 義 眼内圧(“IOP”)は、典型的には、眼内の、特に前室(anterior chamber) 内の水性成分に関係する圧力をいう。眼内圧は、本明 onometry)により計測されることができる。ヒト非緑内障集団においては、IOPは 、通常分布しているようである。圧平眼内計により計測されるとき、IOP平均値 は、15.4(σ±2.5*)mmHg(座って により計測されるとき、IOP平均値は、16.1(σ±2.8)mmHgである。非緑内障患 者のIOP値は、単に近似値である。この集団内の眼内圧の現実の頻度分布は、一 般集団内の異なるサブ集団(例えば、緑内障及び年齢)に因りより高いレベルに 向ってゆがめられることができる。 緑内障は、典型的には、視覚の働きの障害を引き起こし又は視神経に対する損 傷を作り出す個体の眼のIOPをいう。一般的なガイドとして、21mmHg(平均+2 σ)を上廻るIOPは、一般集団の2.5%未満に生じるはずであり、そして一般集団 の0.15%未満内に24mmHg(平均+3σ)を上廻る圧力が生じるはずである。21mm Hgを上廻るIOPsは緑内障の発達を示し、そして24mmHgを上廻るIOPsは、緑内障の 強い指標である。患者の眼は、時間にわたる視覚の障害又は上昇 IOPからの視神経の損傷に対するそれらの感受性において変化するので、上昇IOP 値は、緑内障の診断よりもむしろ指標として考慮されなければならない。視野と 視神経の評価も、患者が異常に高いIOPをもっていないということを保証するた めに好ましくは評価される。緑内障は、閉塞隅角緑内障(closed angle glaucoma )と開放隅角緑内障(open angle glaucoma)の両方を含む。閉塞隅角緑内障は、虹 彩への小柱網の接触(apposition)をいう。開放隅角緑内障は、小柱網内又はそ れを超える眼房水流出に対する耐性をいう。緑内障は、正常IOPにおける視神経 損傷をいう低眼内緑内障(low tension glaucoma)への言及をも含む。 合成甲状腺ホルモン(“STH”)は、甲状腺レセプターに結合し、そして正常 な甲状腺レセプター・ホルモン機能をもつアゴニスト、部分的アゴニスト又はア ンタゴニストとして作用する分子をいう。アゴニストは、それがそのレセプター に結合するとき、天然の分子の作用を真似る分子をいう。通常、STHsは、T3機 能のアゴニスト又は部分的アゴニストであり、そして化学的合成経路を使用して 作られるであろう。STHsは、通常、天然組織から単離されたT3とT4を含まない 。なぜなら、化学的に合成されたT3とT4のより純粋な調製物が容易に入手され ることができるからである。細胞からのヒアルロン酸(”HA”)分泌を減少させ ること、特に眼内でのHA分泌において有用な本分野において知られたSTHs又は新 規STHsを、本明細書中にさらに記載する。好ましくは、STHは、甲状腺ホルモン の非存在又は甲状腺ホルモンを除去された培地中でHA分泌に比較して10μM以下 の濃度で培養されたヒト小柱網細胞からのHA分泌を減少させるであろう。STHはS THsのエステル誘導体を含む。 本発明の目的のためには、本明細書中で互換使用される用語である“甲状腺ホ ルモン”又は“甲状腺ホルモン様化合物”は、そのリ ガンド結合性ドメインを含む純粋又は実質的に純粋な天然又は組換え甲状腺ホル モンα又はβレセプター又はラットの核のような甲状腺ホルモン・レセプター含 有調製物を使用して、(Lavin,T.N.Mechanisms of Thyroid Hormone action .In the textbook of Endocrinology(De Groot,Ed.),2nd Editiom,W.B.Sa unders,pub.(1989)及びApriletti J.et al J.Biol.Chem.263 p.9409-9 417,1988中に記載された)レセプター結合アッセイにおいてテストされるとき 、1μN未満の化学親和定数(chemical affinity constant),KDをもって甲状腺 ホルモン・レセプターTR−α又はβに少なくとも部分的に結合する、ペプチドを 含むいずれかの化学的存在物である。このようなリガンドは、それらがその天然 のホルモンと同様のアゴニスト効果をもつとき、ホルモンと見なされることがで き、又はそれらの化合物がその天然のホルモンの効果に拮抗するときアゴニスト と見なされることができる。部分的なアゴニスト/アンタゴニストも存在するこ とができる。(好適なリガンドはアゴニスト又はアンタゴニストであることがで きる。) 細胞過程を説明する文脈において使用されるとき、分泌とは、典型的には、細 胞の内側から細胞外の位置に分子を輸送する細胞過程をいう。グリコサミノグリ カン(“GAG”)の場合、分泌は、多数の細胞過程、例えば翻訳後プロセッシン グ及び細胞からの輸送のために適切な細胞部位へのデリバリーを含むことができ るであろう。しかしながら、分泌は、分子の正味の輸送をいい、そして必ずしも 、分子の分泌過程における特定の段階をいうのではない。 合成とは、細胞過程を説明する文脈において使用されるとき、典型的には、分 子、例えばGAG、例えばHAの製造に関係する細胞過程をいう。合成は、分子を製 造する細胞からのその分子の輸送を含むことができるので、用語合成は、本明細 書中に記載する用語分泌の 言及をも含む。 製造とは、細胞過程を説明する文脈において使用されるとき、典型的には、分 子、例えばGAG、例えばHAの一定状態レベルを維持することに関係する細胞過程 をいう。従って、製造は、合成及び分泌に関する細胞過程をいう。製造は、分子 の一定状態レベルの維持、分解系路、及び細胞に又は細胞外マトリックス内に分 子をつなぎ止める細胞外構造要素を説明する細胞及び細胞外過程をもいう。 眼科学的有効量とは、典型的には、このような治療剤がそのような処置の必要 な眼組織に組合物中で、かつ、対応する投与技術においてデリバリーされるとき 、眼内のIOPを減少させ、又はIOPの上昇を防ぐために十分な治療剤、例えばSTH の量をいう。典型的には、上昇したIOPは、眼高血圧(視神経の損傷を伴わない上 昇IOP)、原発性緑内障、二次的緑内障(例えば、全身的ステロイド処置)又は甲 状腺機能低下症(hypothyroidism)に関連するであろう。本明細書中に記載する STHsは、上記の医学的症状に関連する上昇IOPを治療するために使用されること ができる。好ましくは、眼科学的に有効な量は、視神経損傷又は視力障害を防止 するために十分にIOPを減少させるであろうし、そしてIOPにおけるこのような減 少は、上昇したIOPレベルの少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、そし て最も好ましくは少なくとも50%であろう。予想される正常IOPは、典型的には 、(平圧眼圧計、座位により計測されるとき)、22mmHg未満、例えば15mmHg未満 であろう。予想される正常IOPは、視神経損傷を防止するために十分に低くある べきである。IOPの減少のためのSTH処置の成功は、他の形式を使用して計測され ることもできる。例えば、患者は、34mmHgの上昇IOPを、そして17mmHgの目標IOP をもつことができる。上記患者のために視神経損傷を防止することは、上記の目 標IOPを達成するためにIOPにおける50% の減少を必要とするであろう。IOPにおけるこのようなパーセンテージの低下は 、以下の式: により簡単に説明されることができる。IOPの計測は、上記の眼科学的有効量を 、処置に対する異なる患者の応答性にあつらえるために、眼のSTH処置をモニタ ーし、かつ、投与量を変化させるための方法として、本明細書中により十分に説 明される。異なる処方及びデリバリー技術のために推奨される眼科学的に有効な 量は、本明細書中により十分に記載される。 導 入 本願発明までは、甲状腺ホルモンが、眼内でのヒアルロン酸(“HA”)合成又 は眼内圧(“IOP”)を直接調節することができるということは認識されていな かった。従来、眼の生理学における甲状腺ホルモンの役割は、理解されていなか った。甲状腺ホルモンが眼内で関連の生理学的効果を発揮するために十分な量で 血液脳関門を横切るかどうか;眼の細胞、例えば小柱網細胞が甲状腺ホルモンの シグナルを特異的に仲介するために必要な甲状腺レセプターを有しているかどう か;そして甲状腺ホルモンが小柱網細胞によりHA分泌又は合成を直接的に仲介し 、又はIOPを調節することができるかどうか、については証明されなかった。 本明細書中に記載する発明の前には、甲状腺ホルモンのレベルにおける全身的 変化に因るIOPにおける変化は、間接的であると仮定されていた、又は直接的で あっても、このような甲状腺ホルモンにより誘導されたIOPにおける変化は、眼 内にあるアドレナリン作動性のα又はβレセプターを通して仲介されると考えら れていた。今般、本発明の解釈は、はじめて、眼の生理学における甲状腺ホルモ ン・レセプターの重要な役割を認識せしめる。眼の甲状腺レセプターは、眼の細 胞内の甲状腺ホルモンの効果を直接的に仲介するための機会を提供する。特に、 ヒトの小柱網(“HTM”)細胞の甲状腺レセプターは、HTM細胞により維持される 細胞外HAの量を潜在的に仲介することができ、これは次に、眼房水(aqueous hum or)の流出に影響を及ぼすことができる。 通常、IOPの維持は、毛様体(ciliary body)による房水分泌と小柱網を通し ての房水の排出をバランスさせることを要求する。10Pの最も重要な決定要素 の中の1つは、眼房水の流出である。眼房水流出の主要な部分は、小柱網を通し て、かつ、シュレム管(Canal of Schlemm)内に向けられ、これは集合管を通っ て上強膜の脈管構造の管(episcleral vasculature tube)内に排出される。液が 眼を出て、そしてシュレム管に入る前に、液は小柱網を横切る。小柱網は、とり わけ、分泌されたグリコサミノグリカン(“GAG”)の網状構造、例えば、分泌 されたHA、及びシュレム管に延びる蛇行状の出口領域裏打ちする小柱網細胞、か ら成る。このHTM細胞は、GAGs、例えばHAを生産し、又は分泌する。HAは所定の 距離を横切って液体を輸送するために必要な力を増加させる溶液の水力学的抵抗 を増加させることができるので、HAは、潜在的に、IOPの重要な決定要素、特に 上昇IOPとして作用する。従って、本発明の1の態様は、HA分泌又は合成を減少 させるために、ヒト小柱網細胞にSTHの眼科学的有効量を投与することにより、 眼内の小柱網細胞からのHA分泌を有利に調節するようにデザインされる。本発明 の1の態様、例えば緑内障処置に向けられた方法は、HA分泌を必ずしも阻害しな い。 本発明の範囲への非限定的導入として、本発明は、有用な方法、化合物及び組 成物の少なくとも5つのカテゴリーを提供する: 1)甲状腺ホルモン又はGAG生産又は働きに関連する医学的症状の処置のため の治療用化合物を同定することに向けられた方法、 2)特に、症状が眼内で生じるとき、GAG又はヒアルロン酸に関連する医学的 症状におけるGAG又はヒアルロン酸生産又は働きの調節に向けられた方法、 3)STHsを使用した緑内障の処置に向けられた方法、 4)眼にSTHsを届けることに関係する組成物、例えば、合成甲状腺ホルモンの エステル及びジエステル、及び 5)1〜3に記載する方法及び4に記載する化合物に関係する組成物。 例えば、本発明の1の態様は: 1)GAGs又はHAを分泌する細胞、例えばHTM細胞を使用した化合物のスクリー ニング、 2)上記テスト化合物の非存在に比較してテスト化合物の存在下でのGAG又はH A生産における変化の測定、及び 3)GAG又はHA生産に関係する医学的症状、例えば緑内障の治療のために有用 な化合物の選択、 により、治療薬、例えば眼甲治療薬として有用な化合物の同定方法を規定する。 本発明の他の態様は、細胞にSTHの有効量を適用することにより、細胞、例え ばHTM細胞によるGAGsの生産を調節する方法を規定する。適用されたSTHが甲状腺 ホルモンのアゴニスト又は部分的アゴニストであるとき、GAGの生産は通常減少 されるであろう。本発明の他の態様は、適用されたSTHの全身的影響を最小化す るために局所的に適用された後に、角膜通過を増加させ、そして眼内で代謝され るエステル誘導体を使用して眼に向けられることができるSTHsに関する。上記の 方法、化合物と組成物の組合せも企図される。他の 方法、化合物及び組成物も本明細書中により十分に記載される。 医薬の発見:ヒアルロン酸分泌又はIOPの調節物質についてのスクリーニング 方法 本発明は、GAG生産に関連する甲状腺ホルモン・レセプター含有細胞及び細胞 過程が、治療薬として有用である化合物、例えばGAG生産を調節する化合物を同 定するためのインビトロ又はインビボ方法の有用な成分であろうということを理 解する。通常、このような同定方法は、高処理量の自動化スクリーニングを許容 するスクリーニング・アッセイ系に関連するであろう。治療薬として有用な化合 物の同定方法は:1)GAGを分泌する細胞、例えば小柱網細胞とある化合物を接 触させること、及び2)その化合物が10マイクロモル以下の濃度をもちながら、 上記細胞への上記化合物の結合を検出すること、を含む。このような結合の検出 は、本明細書中に記載され又は本分野において開発されたような関連する働き( 例えば、HA生産)をアッセイする方法を含むことができる。 HTM細胞は眼科学的に活性な化合物についてのスクリーニングのために好まし いものであるけれども、他の細胞タイプもHTM細胞に代えて容易に用いられるこ とができる。特に、このような細胞が、1)内因的に発明され又は移された遺伝 子から発現された甲状腺レセプター、及び2)内因的に発現された又は移された 遺伝子から発現された、GAGの生産に関係するタンパク質、例えばHAシンセター ゼ、を含む場合はそうである。例えば、皮膚線繊芽細胞は、このようなアッセイ に使用されることができ、そして皮膚内のGAGの過剰生産を阻害するであろう化 合物についてスクリーニングするとき、又はHTM細胞が試料から入手することが できないときHTM細胞の代わりの便利な代替物として、特に望ましい選定物であ る。さらに、非−HTM、GAG生産細胞がこのようなスクリーニング・アッセイの ために使用される場合、GAGの生産におけるα甲状腺レセプター・サブタイプと β甲状腺レセプター・サブタイプの間のいずれかの可能な相互作用を真似るよう に、HTM細胞と同一の甲状腺レセプター・タイプをもつ細胞を、選択し、又は組 換え技術を通して作出することが望ましい。 ヒト小柱網(HTM)細胞が化合物、例えばSTHsをスクリーンするために使用され る場合、そのHTM細胞は、本明細書中に又はPolansky et al.,Trabecular meshw ork cell culture in glaucoma research,Ophthalmology,1984;91:580-595 ;Polansky et al.,Human trabecular cells I:Establishment in tissue cul ture and growth characteristics,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.1979;18 :1043-1049;Alvarado et al.,Human trabecular cells II:Ultrastructural characteristics of cultured trabecular cells,Invest.Ophthalmol.Vis. Sci.,23:464-478(1982);及びPolansky et al.,Studies on human trabecula r cells propagated in vitro,Vision Res.,1981;21:155(これらの全てを 引用により本明細書中に取り込む)中に記載されているように調製されることが できる。本明細書中に記載するスクリーニング・アッセイのために、第3〜第5 継代のHTMカルチャーを、保温保存物から使用し、約10,000細胞/cm2でプレート し、そして例えば、安定した内皮様単層を得るために10%子ウシ胎児血清(FCS) を含むダルベッコ修飾イーグルズ(DME)培地中で7〜10日間集密後まで(post−co nfluency)培養することができる。GAG,HA又はタンパク質合成、又は転写アッ セイは、例えばこれらの安定したHTM単層培養物を使用して行うことができる。 小柱網細胞は、ウサギ、ラット、マウス、ブタ、ネコ又はサルの眼から単離され る、そして本明細書中に記載するアッセイのために使用されることもできる。 HTM細胞分裂に対するSTHsのアッセイは、10%FCSを含むDME培地を使用して培 養物を培養する間に評価されることもできる。STH処置は、HTM細胞を2,500細胞 /cm2においてプレートした日の翌日に開始されることができる。効果は、対数 増殖期の間(7日間)及びその対照培養物が集密に達した後(これは、そのHTM 細胞系及び培養基中の血清に依存して、3〜6週間の間で変動する)に計測され る。 上記スクリーニング・アッセイにおいて使用される細胞、例えばHTM細胞への 化合物、例えばSTHの結合は、さまざまな方法を使用して検出されることができ る。細胞に結合した化合物の量を直接検出する方法、例えばアイソトープ、分光 計測的又は蛍光計測的標識をもつ化合物を用いた結合アッセイを、使用すること ができる。直接検出は、全細胞、単離核又はクロマチン又はそれらの組合せを使 用した、ヒト小柱網細胞内の細胞内レセプター、例えば甲状腺レセプターへの化 合物の特異的結合の計測を含む。甲状腺ホルモンの結合又はアナログの結合の定 量は、本分野において知られた方法を使用して達成されることができ又は将来開 発されることができる。これらは、Schwartz,H.L.et al.,J.Biol.Chem.1 7:11794-11799(1992)(これを引用により本明細書中に取り込む)により記載さ れた方法を含む。直接検出法は、そのレセプターについての合成甲状腺ホルモン のアフィニティー、エステル化された又はエステル化されていない誘導体が甲状 腺レセプターに結合する能力、及びSTH取り込みの評価の認定において有用であ ろう。 あるいは、結合する化合物の量を間接的に検出する方法、例えば、レセプター 遺伝子構築物、DNA転写物、RNAレベル、タンパク質分解又は合成、複合糖の分解 又は合成並びにGAG合成又は分解に対するSTHの効果を検出する機能的アッセイを 使用することもできる 。本明細書中に記載する他の機能的計測方法も同様に機能的アッセイのために使 用されることができる。インビトロ方法とインビボ方法の両者が化合物の結合性 をアッセイするために使用されることができる。 例えば、眼の小柱網内で眼房水の抵抗を調節する化合物、例えばSTHsを同定す ることが望ましい。この場合、テストされる化合物の存在及び非存在下で、小柱 網細胞からのGAG生産又はヒアルロン酸分泌における変化を計測することにより 、小柱網細胞、例えばHTM(ヒト小柱網)細胞への化合物の結合を検出すること が有利であろう。このような対照は本明細書中に記載するアッセイのいずれかに おいて使用されることができると、及び他の対照が、例えば機能的甲状腺レセプ ターの検出可能なレベルを伴わずに細胞を使用して又は添加されたSTHの作用を ブロッキングすることにより、特異的検出を達成するために容易に互換されるこ とができるということが、理解されるであろう。さらに、対照値及び対照値にお ける変化が十分に定義されるようになるということが反復スクリーニング・アッ セイにおいて理解されるであろう。この場合、定常的に対照を行うことは必要で はないであろう。なぜなら、その対照値及びその値からの変化が確立されており 、そして実験値は、対照の非存在下で適当に測定されることができるからである 。 一旦、化合物、例えばSTHが細胞、例えばHTM細胞に結合することが認められれ ば、細胞の働きの有用な調節物質、例えばGAG生産が選択されることができる。 選択基準は、通常、テストされた化合物により生産される調節の程度に基づく。 GAG生産又はHA分泌(又は生産)の場合、化合物は、通常、GAGの細胞生産を阻止 し又は減少させるそれらの能力に基づいて選択されるであろう。このような化合 物は、不適当なGAG生産又はHA分泌により引き起こされる医学 的症状の治療において有用であろう。このような化合物は、眼内の減少した眼房 水流出又は緑内障の治療においても有用であろう。典型的には、対照GAG生産に 比較して、少なくとも10%程、好ましくは少なくとも30%程、そしてより好まし くは少なくとも70%程、GAG生産を抑制する化合物が、有用な化合物として選ば れるであろう。上記パーセントの阻害基準は、本明細書中に記載するアッセイに おいて使用される他の計測、例えばHA分泌の検出、HA結合の検出又はIOPの計測 においても適用されることができる。 より特異的な選択基準が、細胞過程をより特異的に調節する化合物を同定する ために有利に使用されることができる。そのレセプターについてのテストされる 化合物のアフィニティーはその化合物の特異性をしばしば決定することができる ということが理解されるであろう。従って、高い見かけの又は現実のアフィニテ ィーをもってレセプターに結合し又は働きを調節する化合物を選ぶことが望まし い。STHsの場合、甲状腺レセプターについてのT3(生理学的条件下0.024nM)又 はT4(生理学的条件下0.26nM)のアフィニティーに近いアフィニティーが好ま しい。長く持続し、かつ、選択的な効果を作り出すSTHsのためには、その甲状腺 レセプターについてのさらに高いアフィニティー又は機能的アッセイから演繹さ れる見かけアフィニティー、例えば性理学的条件下0.1nM以下をもつSTHsを選ぶ ことが望ましい。上記のような望ましい結果を達成するために、新規化合物又は 知られたSTHsを合成し、そして所定の濃度においてスクリーンすることができる 。典型的には、合成甲状腺ホルモンは、1.0マイクロモル以下、好ましくは0.1マ イクロモル以下、そして最も好ましくは0.01マイクロモル以下の濃度でGAG生産 又はヒアルロン酸分泌を減少させるであろう。特にSTHがより高いED50をもつと き、より高い濃度、例えば10〜75μMが使用されることもでき る。本明細書中に討議するパーセンテージ阻害基準は、上記の濃度選択基準に適 用されることもできる。 細胞過程を調節するために有用な化合物、例えばGAG生産を同定することは、 インビトロとインビボのスクリーニング・アッセイの両者を含むことができる。 典型的には、化合物は、まず、インビトロ・アッセイを使用してスクリーンされ 、そして次にインビボ・アッセイを使用してスクリーンされるであろう。インビ ボ・アッセイ及び本明細書中に記載する計測は、有用な化合物、例えばSTHsにつ いてさらに選択するために使用されることができる。例えば、インビトロ・アッ セイは、10nMの見かけアフィニティーをもってHA分泌の40%を阻害するSTHを同 定するであろうし、そしてSTHは、哺乳類の眼に上記合成甲状腺ホルモンを局所 的に適用することによりさらにアッセイされる。あるいは、このインビボ・アッ セイは、化合物を同定するために単独で使用されることができる。 GAG生産及びヒアルロン酸分泌に関連する医学的症状及び緑内障の処置方法 本発明は、甲状腺ホルモン及びSTHsが、細胞、例えば小柱網細胞からのGAG生 産又はHA分泌を直接調節することができるということを明確に理解する。従って 本発明に係る方法は、所望の細胞又は組織内で物質又は細胞過程の量又は活性を 減少させる化合物、特にSTHsを使用して、GAG生産又はHA分泌を調節することに 向けられる。好ましくは、このような細胞は、小柱網細胞、眼の毛様体細胞、眼 の内皮細胞、非眼の内皮細胞、毛包(hair follicles)並びに皮膚及び内部臓器 の線繊芽細胞であろう。ほとんどの場合、STHの非全身的適用が好ましい。但し 、STHsは全身的に適用されることもできる。 例えば、本発明は、ヒアルロン酸分泌の阻害方法であって、ヒア ルロン酸を分泌する細胞からのヒアルロン酸の分泌を阻害する合成甲状腺ホルモ ンの有効量を非全身的に適用することを含み、そして10マイクロモル以下の濃度 における合成甲状腺ホルモンが、37℃で3日間培養した後の上記合成甲状腺ホル モンの非存在下で培養されたヒト小柱網細胞に比較して、37℃で3日間培養後の 培養ヒト小柱網細胞からの全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%を阻害する、前 記阻害方法を含む。好ましくは、上記STHは、その細胞が隔離された眼組織内に あるか又はヒト小柱網内にあるかどうかに拘らず、1〜0.1μMの濃度で、小柱 網細胞によるHA分泌の少なくとも10%を阻害するであろう。典型的には、このよ うなHA分泌阻害方法は:1)T3の結膜下又は眼内注射、又は2)天然組織から 単離されたT3又はT4の局所的適用を含まないであろう。非全身的投与は、局所 的投与と眼内投与の両者を含む。局所的投与は、例えば、局所的に適用されるポ リマー及び眼瞼の下に挿入される眼内挿入物を含む非外科手術的に配置された持 続性放出デバイスからの持続性放出、軟膏又はクリームの局所的適用、溶液、例 えば眼に適した生理食塩水溶液並びに他の溶液及び物質であって意図された細胞 又は組織標的と生物学的−、かつ、組織−適合性であるもの、並びにインプラン ト、コンタクト、ウェハ(wafer)又は錠剤を含む他の眼外デリバリー・システム を含む。眼内投与は、例えば外科手術により移植可能な又は注射可能な眼内持続 性放出デバイスであって、生物学的分解性又は非生物学的分解性であることがで きる持続性放出ポリマーを含むことができるものを含む。非全身的に適用された 有効量の、かつ、有効局所濃度の活性化合物及び眼適合性医薬組成物であって担 体を含むものも本明細書中に記載する。 本発明は、治療的効果を作り出すためにGAG生産又はHA分泌の阻害に必ずしも 頼らない本発明の態様をも含む。本発明のこのような 態様は、緑内障の治療、上昇したIOPを低下させ又は防ぐ方法、例えば鉱物コル チコイド又はステロイド処置に関連する上昇IOP、並びに組織液の流れ又は排出 、例えば眼内の眼房水流出を増加させる方法、を含む。好ましくは、これらの方 法は、哺乳類、好ましくはヒト内の処置の必要な組織又は細胞に、治療的に有効 な量の活性化合物を非全身的に投与することに頼る。 例えば、本発明は、眼に対する合成甲状腺ホルモンの眼科学的有効量を処置の 必要な眼に投与することを含む緑内障の治療方法を規定する。眼への局所投与は 、通常:1)T3又はT4の結膜下又は眼内注射、2)天然組織から単離されたT3 又はT4の局所的適用、又は3)白内障を患う眼へのT3又はT4の投与、を含ま ない。好ましくは、眼へのSTHの投与は、眼に適合性の医薬担体を伴う局所投与 、又はSTHの眼内持続的放出を提供するポリマーを場合により含むことができる インプラントを使用した非全身的投与である。STHのこのような制御された放出 は、6ヶ月〜1年続くことができる。このようなインプラントは、浸透圧ポンプ の生物学的分解性のマトリックス又は眼内の持続性放出デバイスであることがで きる。インプラントは、コンタクトからの合成甲状腺ホルモンの拡散を許容する 合成甲状腺ホルモンで含浸された眼コンタクトをも含む。緑内障の治療のために は、その有効量は、通常、0.01〜40μg/眼/日、好ましくは10〜1,000ng/眼 /日、そしてより好ましくは10〜50ng/眼/日である。好ましくは、局所適用は 、眼適合性の医薬担体を含む溶液の少なくとも1滴(例えば、30〜50μl)を投 与することを含む。デリバリー系に依頼する、他の投与量及び有効量及び濃度は 、本明細書中に十分に詳細に記載される。一般に、小柱網の小柱網細胞中1〜50 pMのSTH濃度を達成することが望ましい。眼内の甲状腺レセプターについてのSTH の見かけアフィニティーが、そ れぞれ、10〜100nM(kd)と100〜1,000nM(kd)である場合、10〜1,000nM及び100〜1 0,000nMのより高い濃度が好ましくは達成される。 典型的には、(非全身的に又は全身的に)眼に投与されるSTHsは、通常、イン ビトロ又はインビボ・アッセイ、例えば本明細書中に記載するアッセイにおいて 活性であろう。緑内障については、10マイクロモル以下の濃度の合成甲状腺ホル モンによる処置が、通常、適用される合成甲状腺ホルモンの非存在下で培養され た小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌に比較して少なくとも10%培養小柱網細胞 からのヒアルロン酸分泌を減少させるであろう。そのように望まれる場合、局所 的に適用されたSTHの効果は、STHを局所的に適用する前及び後に、又は本明細書 中に記載するような処置への個体の応答性に適した処置の経過及び投薬の間、眼 内圧を計測することによりモニターされることができる。STHsの血清レベルは、 不所望の全身的効果を回避するために計測されることもできる。 緑内障処置の場合、全身的に配置された甲状腺ホルモンの活性化又は失活に因 りいずれの全身的効果を回避するように非全身的にSTHsを投与することが好まし いであろう。本発明は、非全身的に適用されたSTHsにより処置された組織を含む 。例えば、本発明は、小柱網細胞内の合成甲状腺ホルモンを含む組成物を規定し ;ここで、合成甲状腺ホルモンは血液−眼関門を横切っていない。細胞の内側と は、細胞外環境と液体接触していない細胞内の位置、例えば、細胞の細胞質ゾル 、核又は他のオルガネラをいう。血液−眼関門とは、眼の組織を血液から分離す ることに責任を負う組織をいう。好ましくは、角膜上皮内のSTHは、合成甲状腺 ホルモンのエステル化された誘導体である。これらの細胞は、外植体からの又は 生眼内の小柱網細胞、眼の毛様体細胞及び内皮細胞又は本明細書中に言及する他 の細胞又は組織のいずれかを含む。典型的には、細胞内のSTHsの濃度は、少なく とも0.04ng/dlであろう。細胞内のSTHの量(遊離と結合)及び濃度は、本分野 において知られ又は将来開発される方法を使用して計測されることができる。こ れらの方法は、Oppenheime r,J.H.et al.,J.Clin.Invest.,75:147-154 (1985);Schwartz,H.L.,et al.,Endocrinology,113:1236(1983)(この 両者を引用により本明細書中に取り込む)により記載された方法を含む。通常、 細胞内の遊離のSTHの濃度は、少なくとも1pM、より好ましくは少なくとも10pM 、そして最も好ましくは少なくとも100pMであろう。 眼のステロイド治療及び経ロステロイドの使用はより頻繁であるので、潜在的 な副作用、例えば上昇IOPが生じる。この副作用についての関心は、強力なステ ロイドと活性の低いステロイドの両者の長期間の眼への使用に対する制限となっ ている。これは、特に、認識されていない上昇IOPに因り不治の失明が生じた多 くのケースが報告されているからである。本発明の方法及び組成物は、IOPの不 適切な上昇が計測され、又はこのような上昇が予想されるとき、ステロイド療法 について患者を治療するために使用されることもできる。 上昇IOPは、他の医学的症状においても、例えば眼内外科手術の後に、レーザ ー治療、又は外傷後に、生じることもできる。IOPは、本明細書中に記載する方 法を使用して、予防的に又は処置後又は外傷後に、STHにより調節されることが できる。 IOP(mmHgにおけるPo)は、眼房水の分泌速度(μl/分におけるF)に正比 例して、そして房水流出能力(C)に反比例して変化する: Po=F/C + Pe ここで、Pe=上強膜の静脈圧(mmHg)。Peは、上強膜の静脈圧のためのより特 別な略号としてのPvに優先する。眼へのSTHの投与、特に、非全身的投与は、臨 床医が房水流出能力(C)を増加させ、そしてその処置の必要な噛乳類又は患者 の上昇IOPを減少させることを許容する。このような処置、並びに本明細書中に 記載する他の処置は、例えば、緑内障の始まり、外傷、又は外科手術に関連する かもしれないIOPにおける増加を防止するために、予防的に使用されることがで きる。STHsは、他の処置について本明細書中に記載したように適用されることが できる。 緑内障の全身的処置も企図される。このような全身的処置は、本分野において 知られているように血中T3とT4レベルが非毒性レベルに残存することを保証す るためにT3とT4血中レベル・モニタリングと併合されることができ、そして本 分野において知られた方法、例えば、Murphy,B.P.et al.,J.Lab and Clin .Med.,66:161-167(1965)により記載された方法を使用して監視されることが できる。一般に、このような処置は、患者が同定された上昇IOPの医学的症状を 有し、かつ、その処置が必要としていない場合、甲状腺機能低下性−又は甲状腺 −ホルモン−置換療法患者と共に使用されないであろう。好ましくは、上昇IOP のためのSTH処置の必要な患者は甲状腺機能亢進性であろう。STHsによる全身的 処置の必要な患者も、上昇IOPを除去するために、T3又はT4、又はSTHsの甲状 腺機能亢進様の全身レベルの期間に耐えることができる。全身的に投与された甲 状腺ホルモンの日用量は、T3について0.2μg〜2.5μg/kg/日(好ましくは 、0.2μg〜1μg/kg/日)、そしてT4について0.1μg〜10μg/kg/日( 好ましくは、1μg〜4μg/kg/日)の範囲にあるであろう。STHsは、T3と T4からの分子量において変化するであろうから、それに応じて投与 されるSTHの量を調節することが適当であろう。IOPを減少させるSTHs’の能力は 、適正な投薬養生法を確立するためにインビトロ及びインビボにおいてT3とT4 と比較することもできる。より高いSTHの日用量においては、漸減又は1日1回 の日用投与量を投与することが好ましいであろう。 本明細書中に記載する処置は、上昇IOP医学的症状、例えば緑内障又は眼内高 血圧を防止するために使用されることもできる。上昇IOPsに感受性の患者は、予 想されるIOPの上昇が生じる前に有効に処置されることができる。このような患 者は、眼内外科手術又はレーザー処置を経験している患者を含む。 合成甲状腺ホルモン 本発明は新規化合物の2つのクラスを含む。化合物の1のクラスは、STHsのモ ノ−及びジ−エステル誘導体を含む、知られた合成甲状腺ホルモンのエステル誘 導体を含む。化合物のこの第1のクラスは、本分野において従来知られているST Hsのエステル誘導体を含まない。但し、このような化合物も本発に係る方法と共 に使用されることができる。化合物の第2のクラスは、新規STHs及びそれらのエ ステル誘導体を含む。典型的には、エステル誘導体は、以下の式: X1−O−C(O)−Y {式中、X1は以下に定義するものであり、そしてYはエステルと適合性の基及 びX1の側基であり、例えば、Yはアルキル、アルケニル又はアリール基であっ て2〜20炭素原子をもつものであることができる。}中、1,2,3又はそれ以 上の位置にエステル基をもつSTHである。典型的には、Y基はサイズにおいて40 未満の原子、そして通常サイズにおいて30未満の原子であり、そして好ましくは 疎水性であり、かつ、電荷をもっていない。 ジ−エステル誘導体は、典型的には、以下の式(I): X1−O−C(O)−B−C(O)−O−X2 {式中、Bは(通常、長さにおいて6未満の炭素原子の)リンカーであり、そし てX1とX2は以下の式(I): のSTHs{式中、 R1は、 CH3]CO2H、-CH2CH[NH-FMOC]CO2H、-CH2CH[NH-tBOC]CO2H、-CH2PO -CH2CH[NHCO(CH2)15CH3]PO3H2、-CH2CH[NH-FMOC]PO3H2、-CH2CH[NH-tBOC]PO3H2 、-CH2SO3H2、-CH2CH2SO3H2、-CH2CHNH2SO3H2、-CH2 FMOC]SO3H2、-CH2CH[NH-tBOC]SO3H2であり、 R2は、 -H、ハロゲン、CF3、OH、NH2、SH、CH3、-Etであり、 R3は、 -H、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-N3、-SH、-CH3、-Etであり、 R5は、 -H、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-N3、-SH、-CH3、-Etであり、 R6は、 -H、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-SH、-CH3であり、 R'2は、 -H、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-N3、-SH、-CH3、-Etであり、 R'3は、 -H、ハロゲン、-CF3、-SH、アルキル、アリール、5−又は6−員の複素環芳 香族、又はシアノであり、 R'4は、 -H、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-SH、-CH3、-Et、又はアルキル、アリール 又は5−若しくは6−員の複素環芳香族であってウレア又はカーバメート結合を 通じてO又はN又はSにR'4位で付着されているものであり、 R'5は、 アルキル、アリール、5−又は6−員の複素環芳香族、複素アルキル、複素ア リール、アリールアルキル、複素アリール、アルキル、多芳香族、多複素芳香族 であり、上記R'5は、極性又は電荷基により置換されることができ、 R'6は、 -H、ハロゲン、-CF3、-OH、-NH2、-SH、-CH3、-Etであり、 Xは、 O,S,SO2,NH,NR7,CH2,CHR7,CR7R7であり、ここで、R7は、アルキル、 アリール又は5−若しくは6−員の複素環芳香族であり、 そして、’R1−’R6基とR1−R6基の中のいずれか1がBへの結合により置 き替えられることができる。}である。}を有する。好ましくは、上記ジ−エス テル誘導体は、細胞内の加水分解酵素により加水分解されるときに2つの同一な 分子を作り出す。 好ましくは、STHsは、以下の構造、式(II): {式中、Yは先に定義したものである。}を有する。 通常、緑内障患者又は眼の治療の必要な他のタイプの患者は、点眼薬として局 所的にSTHsが投与される。しかしながら、STHsが上記のようなやり方で投与され るとき、投与量の約0.1〜1.0%だけが、典型的にはその眼に吸収され、そして上 記投与量のかなりの量が血流中に移行することができる。眼内のSTHsの低い吸収 率は、STHエステル誘導体の使用により減少されることができる少なくとも3つ の要因により引き起こされることができる:1)点眼液が眼の表面からすぐに流 れ出すこと、2)結膜及び/又は鼻の粘膜を通って血流中にSTHsが速く吸収され ること、及び3)STHsの乏しい角膜通過。STHsは角膜を通って眼内に吸収される 。角膜内では、STHsは、まず、細胞膜脂質を含有する眼の表面上の上皮層内に吸 収される。電荷基をもつSTHsは、脂質溶解性を減少させており、これは、角膜上 皮を横切る拡散を減少させることができる。STHの脂質溶解性が(例えば、エス テル化を通じて)改善される場合、STHsの角膜上皮通過は高められ、眼内標的組 織細胞へのより大きなデリバリーをもたらす。角膜は、角膜のストローマ及び内 皮を通してSTHsを前室の液中に及び小柱網細胞及び毛様体細胞にデリバリーする 保存部位として働くこともできる。さらに、細胞、例えば小柱網細胞内のSTHエ ステル誘導体の加水分解は、それらの細胞内への非加水分解STHエステル誘導体 のための一定の拡散勾配を作り出す。細胞内の非加水分解STHエステル誘導体の 濃度が、エステル加水分解及び医薬形 成に因り低く保たれるので、非加水分解STHエステル誘導体は細胞内に連続的に 拡散する。一方、加水分解された形態におけるSTHはその細胞内に蓄積する。従 って、STHsのエステル誘導体はSTHsの透過性を高め、そして標的組織及び細胞内 のSTHsの蓄積を促進するであろう。 STHエステル誘導体の安定性は、バッファー加水分解系内でテストされること ができる。バッファーのイオン強度(μ)は通常0.5である。4.0,6.0,7.4及び 9.0のpH値が:37℃,50℃,60℃及び70℃を含む温度を使用しながら、使用され ることができる。半減期(T1/2)は、特定のpHをもつバッファー溶液中で試験 された化合物のそれぞれについて得られた分解定数kについて計算されることが できる(T1/2=0.693/k;k=2.303×kk、ここで、kkは、時間の関数として残 存エステルの対数を図示するプロットの角度係数である)。 異なる保存条件下のSTHsのエステル誘導体の保存安定性を、異なる温度におい て上記分解定数を決定し、そして上記分解温度を計算し、そして以下のアレニウ ス式(1): {式中、log kは〔1/T〕の関数として与えられる。}に従って上記プロット の等式から、所望の温度における分解定数kを計算することにより、推定される ことができる。 所望の温度において得られた分解定数(k)から、その間に医薬の10%が分解 された時間を示す保存寿命時間t10%(t10%=0.104/k)を計算することができ る。 STHエステル誘導体の親油性を、pH7.40における化合物についての分配係数( P)を測定することにより試験されることができる。 計測を、HPLCにより水性バッファー・ケースにおいて試験されるべき化合物の濃 度を測定することによりオクタノール−水性バッファ−混合物中で行うこともで きる。しかしながら、親油性の高い化合物の分配係数は、その保持時間から逆相 (RP)液体クロマトグラフィー(HPLC)(Beckmann 116ポンプ及び166UVディテ クター;Marathon autom.サンプル・フィーダー)により測定される。 新規STHエステル誘導体の酵素加水分解の半減期を37℃で血漿/バッファーpH7 .4−混合物(80%〜20%)中で、そして本分野において知られたように測定され ることができる。STHエステル誘導体の角膜透過性は、デリバリー相(上皮側) から角膜を通って拡散チャンバーのアクセプター側(内皮側)までの化合物の移 動をモニタリングすることにより評価されることができる。例えば、ウサギの眼 の角膜を使用することができる。拡散チャンバーのアクセプター側から採取され たサンプルは、HPLCにより測定されるように、プロドラッグと解放された医薬の 濃度の両者を提供する。従って、角膜内のプロドラッグの分解速度並びにプロド ラッグの角膜透過を測定することができる。 医薬組成物 本発明は、本明細書中に記載され、そして本分野において知られた方法におい て使用されることができる医薬組成物を含むこともできる。典型的には、本組成 物は、STH、特にSTHエステル誘導体及び医薬として許容される担体を含むことが できる。組成物は、しばしば、本明細書中に記載され、そして本分野において知 られた特定のデリバリー・モードに適合される。本組成物中での使用のためのST Hの正確なタイプ及び量は、例えば、選ばれた特定の医薬、その剤形、すなわち 、標準対持続性放出、医薬が投与されるところの症状、並びに処置される哺乳類 のサイズ及び種類に依存して、変化す るであろう。 本発明に係る化合物は、本明細書中に記載するように、細胞の及び生理学的な 過程を調節するために、例えばIOPの増加を防止し又は上昇したIOPを実際に低下 させるために、選ばれることができる。好ましくは、このような本発明の化合物 は、眼の水性又は処置組織中、1×10-7M以下の有効濃度を提供するために十分 な量、好ましくは約1×10-11M〜約1×10-8Mの量、そしてより好ましくは約 1×10-11M〜約1×10-9Mの量において使用されるとき、上昇したIOPにおける 減少又はその防止を提供するSTHsを含む。 例えば、本発明は、好ましくは眼に適用される組成物であって、合成甲状腺ホ ルモン及び眼に適合性の医薬担体を含んで成るものを含む。好ましくは、このよ うな組成物は、リポソームを用いて又は用いずに緩衝液化生理食塩水溶液中で場 合により投与されることができる合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体を含む 。眼に適合性の医薬担体は、生物学的分解性の合成ポリマーを含むこともできる 。甲状腺ホルモン及びSTHsは、生物学的分解性のポリマーを使用して持続性の眼 内放出をもってデリバリーされることができる。ヒト用途について認可された生 物学的分解性の微少球組成物はポリ乳酸類:ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸 )、及びポリ(乳−コグリコール)酸、を含む。追加の生物学的分解性の配合物 は、非限定的に:ポリ(無水物−コ−イミド)、ポリ(乳−グリコール酸)、ポ リエチル−2−シアノアクリレート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチ レート吉草酸、ポリオルトエステル、及びポリエチレンオキシド/ポリブチレン ・テトラフタレート、を含む。眼内移植又は持続性放出の甲状腺ホルモン組成物 の注射は、局所的調製物の必要性をできるだけ回避又は減少させながら、眼内圧 の(数ヶ月〜数年にわたる)長期間のコントロールを提供するであろう。 他の態様においては、本発明に係る組成物は、合成甲状腺ホルモン、好ましく は合成甲状腺ホルモンのエステル誘導体で含浸された眼コンタクト・デバイス( 例えば、コンタクト・レンズ)を含む。例えば、乾燥STHs又はそれらのエステル 誘導体は、錠剤として供給され、そしてプロドラッグ又は医薬でコンタクトを含 浸させるために、再使用可能な又は使い捨てコンタクトの存在下溶解されること ができる。好適なインキュベーション時間、例えば1〜6時間後、上記コンタク トは、インキュベーション溶液から濯がれ、そしてSTHがそのコンタクトから眼 に拡散することを許容するように眼に適用される。Ashton,P.et al.,J.of O cc.Pharm.10:691-701(1994)により記載されたものを含む眼内持続性放出デバ イスを使用することも有利であろう。 一般に、局所的及び眼内投与のために好適な配合物は、当業者に知られた技術 に従って配合され、そして投与されることができる。酸化されることができる配 合物は、好ましくは、不活性ガス下で全ての配合物を作ることにより無酸素性環 境下で調製される。仕上げられた配合物は、好ましくは、露光からそれらを保護 するため不透明又は茶色の容器内に、そして不活性雰囲気中で保存される。 水性ポリマー溶液、水性懸濁液、軟膏、及びゲルが、好ましくは、局所的配合 物のために使用される。水性配合物は、溶解された治療剤のリザーバーを創出す るためにリポソームを含むこともできる。局所配合物の中で特に好ましいのは、 軟膏に関係する視力の不都合及び障害を伴わずに角膜前の保持を強化するゲルで ある。 局所的眼用又は他の局所配合物は、一般に、好適なポリマー担体中、0.001〜1 0重量%、好ましくは0.05〜1重量%、そして最も好ましくは、0.05〜0.6重量% の治療剤を含むはずである。他の好ましい配合物は、0.001〜0.009重量%の治療 剤を含む。当業者によ り理解されるように、IOP又は緑内障を低下させるために必要なSTHの量は、眼に より吸収されない医薬又はプロドラッグからの全身性効果を認めうるほどに引き 起こさないであろうような量である。 好適なポリマー担体は、低度に架橋したカルボキシ含有ポリマー(例えば、ポ リカーボフィル(polycarbophil))、デキストラン、セルロース誘導体、ポリエ チレングリコール400及び他のポリマー粘滑薬(demulcents)を含む。 好ましい系は、本分野において周知である、低度に架橋したアクリル酸等のポ リマーを含む。好ましい態様においては、このようなポリマーは、存在するモノ マーの合計重量に基づき、少なくとも約90重量%の、そして好ましくは約95重量 %〜約99.9重量%の、1以上のカルボニル含有モノエチレン性不飽和モノマーか ら調製されたものであるが、他の不飽和、重合性カルボキシル含有モノマー、例 えばメタクリル酸、エタクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、シス −α−メチルクロトン酸(アンゲリカ酸)、トランス−α−メチルクロトン酸( チグリン酸)、α−ブチルクロトン酸、α−フェニルアクリル酸、α−ベンジル アクリル酸、α−シクロヘキシルアクリル酸、β−フェニルアクリル酸(桂皮酸 )、クマリン酸(o−ヒドロキシ桂皮酸)、エンベル酸(embellic acid)(p− ヒドロキシクマリン酸)、その他も、アクリル酸に加えて又はそれに代えて使用 されることができる。 このようなポリマーは、存在するモノマーの合計重量に基づき、低パーセンテ ージの、すなわち約0.01%〜約5%、そして好ましくは約0.1%〜約2%の、多 官能価架橋剤を使用することにより架橋される。上記架橋剤の中には、非ポリア レニル・ポリエーテル2官能価架橋性モノマー、例えばジビニル・グリコール; 2,3−ジヒドロキシヘキサ−1,5−ジエン;2,5−ジメチル−1,5−ヘ キサジオン;ジビニルベンゼン;N,N−ジアリルアクリルアミド;N,N−ジ アリルメタクリルアミド、その他が含まれる。また、分子当り2以上のアルケニ ル・エーテル群、好ましくは分子当り2以上のアルケニル・エテル群、好ましく は末端H2C=C<基を含むアルケニル・エーテル群を含むポリアルケニル・ポリ エーテル架橋剤であって、少なくとも4つの炭素原子と少なくとも3つの水酸基 を含むポリヒドロ・アルコールを、アルケニル、例えば臭化アリルその他でエー テル化することにより調製されたもの、例えば、ポリアリル・スクロース、ポリ アリル・ペンタエリスリトールその他も含まれる;例えば、米国特許第2,798,05 3号を参照のこと。約400〜約8,000の分子量をもつジオレフィン非親水性マクロ マー架橋剤、例えば不溶性ジ−及びポリアクリレート並びにジオール及びポリオ ールのメタクリレート、ジイソシアネート−ヒドロキシアルキル・アクリレート 又はメタクリレート反応生成物、及びポリエステル・ジオール、ポリエーテル・ ジオール又はポリシラキサン・ジオールから誘導されたイソシアネート末端プレ ポリマーとヒドロキシアルキルメタクリレートとの反応生成物、その他も、架橋 剤として使用されることができる;例えば、Mueller et al.,米国特許第4,192, 827号及び第4,136,250号を参照のこと。低度に架橋したポリマーは、もちろん、 架橋剤と共に、存在する単独のモノエチレン性不飽和モノマーとしてカルボキシ ル含有モノマー(1又は複数)から作られることができる。それらは、40重量% 以下の、そして好ましくは約0重量%〜約20重量%の、カルボキシル含有モノエ チレン性不飽和モノマー(1又は複数)が、アクリル酸エステル及びメタクル酸 エステル、例えばメチル・メタクリレート、エチルアクリレート、ブチル・アク リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチル・メタクリレート、2− ヒドロキシメチル−メタクリレート 、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、その他、酢酸ビニル、N−ビニルピロ リドン、その他を含む、生理学的に、かつ、眼科学的に無害な置換基だけを含む 、1以上の非カルボキシル含有モノエチレン性不飽和モノマーにより置換されて いるようなポリマーであることもできる;このような追加のモノエチレン性不飽 和モノマーのより広い列記についてはMueller et al.,米国特許第4,548,990号 を参照のこと。特に好ましいポリマーは、低度架橋アクリル酸ポリマーであって 、その架橋性モノマーが2,3−ジヒドロキシヘキサ−1,5−ジエン又は2, 3−ジメチルヘキサ−1,5−ジエンであるものである。 本発明の実施において使用される低度架橋ポリマーは、好ましくは、例えば、 サイズにおいて約1〜約30μmの範囲にわたり、そして好ましくは相当球直径に おいて約3〜約20μmの範囲にわたる乾燥ポリマー粒子を提供するために、慣用 のフリー・ラジカル重合触媒を使用して、相当球直径において約50μm以下の乾 燥粒子サイズに上記モノマーを懸濁又は乳化重合させることにより調製される。 一般に、このようなポリマーは、2,000,000よりも大きいと推定される分子量に おいて分布するであろう。 その乾燥粒子サイズが相当球直径において約50μmよりもかなり大きいところ の懸濁又は乳化重合により調製されたポリマー粒子を含む本発明に従って配合さ れた水性懸濁液は、眼に投与されるとき、その相当球直径が平均で約50μm未満 であるところのポリマー粒子を含む組成物中の懸濁液よりも快適ではなく、ある いは同一である。相当球直径において約50μmよりもかなり大きな乾燥粒子サイ ズに調製され、そしてその後、例えば、機械的粉砕又はグラインディングにより 、相当球直径において約50μm以下の乾燥粒子サイズに、サイズにおいて減少さ れた低度に架橋されたアクリル酸等のポ リマーは、水性懸濁液から作られたポリマーと同程度にはよく働かない。存在す る唯一の粒状ポリマーとしてのこのような機械的に粉砕されたポリマー粒子の差 異についての1つの可能な説明は、たぶん、ポリマー鎖から非架橋枝を除去し、 鋭い端又は突起をもつ粒子を作り出し、又は満足いくデリバリー・システムの性 能を与えるためには通常あまりに広い粒子サイズ範囲を作り出すことにより、50 μmよりも大きな、低度に架橋したポリマー粒子の空間幾何又は立体配置を、粉 砕が破壊するということである。粒子サイズの広い分布は、粘度−ゲル化の関係 を損うであろう。いずれにしても、このように機械的に減少された粒子は、懸濁 又は乳化重合により適当なサイズに調製された粒子よりも水性懸濁液中でより容 易には水和されることができず、そしてまた、涙液の影響下で十分な程度に眼内 でゲル化することができず、そして一旦ゲル化されれば本発明に係る水性懸濁液 を使用して眼内で製造されたゲルよりもより快適ではない。しかしながら、存在 する高度に架橋した粒子に基づき、約40重量%以下、例えば約0重量%〜20重量 %超までの、上記粉砕ポリマー粒子が、本発明を実施するとき、約50μm以下の 乾燥粒子直径を削る、溶液又は乳化重量ポリマー粒子と混合されることができる 。このような混合物は、特に、このように粉砕されたポリマー粒子が乾燥形態に おいて約0.01〜約30μmの平均値をもち、そして好ましくは相当球直径において 約1〜約10μmの平均値をもつとき、より容易かつ快適に眼用医薬デリバリー・ システムにおいて満足できる粘度レベル、並びに眼への医薬の満足いく持続性放 出をも提供するであろう。 本発明の他の態様においては、粒子は狭い粒子サイズ分布をもつ。単分散粒子 の使用は、所定の粒子サイズのための眼用医薬デリバリー・システムの最大粘度 及び増加した眼滞留時間を与えるであろ う。30μm以下の粒子サイズをもつ単分散粒子が最も好ましい。良好な粒子充填 は、狭い粒子サイズ分布により助けられる。 これらの粒子は、上記のサイズ上限に従うだけでなく、狭い粒子サイズ分布に も従う。良好な粒子充填を手助けする粒子の単分散の上記のような使用は、涙と 懸濁液との接触の間、最大増加粘度を作り出し、そして眼内滞留時間を増加させ る。少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましく は少なくとも約95%の粒子は、約10μm以下のバンドの主要粒子サイズ分布内に あるべきであり、そして全体として(すなわち、このようなバンドの内側及び外 側の両方の粒子を考慮すれば)、約20%以下、好ましくは約10%以下、そして最 も好ましくは約5%以下の微細物(fines)(すなわち、1μm未満のサイズの粒 子)が存在すべきである。 平均粒子サイズが、50μm、より好ましくは30μmの上限から、例えば6μm の低いサイズまで低下されるとき、主要粒子分布のバンドも、例えば5μmに狭 められることも好ましい。主要粒子分布のバンド内の粒子のために好ましいサイ ズは、約30μm未満、より好ましくは約20μm未満、最も好ましくは約1μm〜 約5μmである。 本発明に係る水性懸濁液は、好ましくは、その水性懸濁液の合計重量に基づき 、約0.1重量%〜約6.5重量%、そして好ましくは約0.5重量%〜約4.5重量%の範 囲にわたる低度に架橋したポリマー粒子のかなりの量を含むことができる。それ らは、好ましくは、純粋な滅菌水、好ましくは脱イオン又は蒸留した、生理学的 に又は眼科学的に有害でない成分を使用して調製されるであろうし、そして生理 学的及び眼科学的に許容されるpH調節性の酸、塩基又はバッファー、例えば、酸 、例えば酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸、その他、塩基、例えば 水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウ ム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム 、THAM(トリスヒドロキシメチルアミノ−メタン)、その他、並びに塩及びバッ ファー、例えばクエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウム、塩化アンモニ ウム及び上述の酸と塩基の混合物を使用して約7.0〜約7.4の中性に調製されるで あろう。しかしながら、眼は、中性範囲外のpHに耐えるであろうし、そしてより 酸性又は塩基性のpHも医薬溶解性を容易にするために使用されることができる。 水性懸濁液は、保存料を含まない、単一投薬量の非再密閉性容器内に充填され ることができる。これは、医薬の単一投与量が眼に一度に一滴でデリバリーされ ることを許容し、その容器は使用後廃棄される。このような容器は、特に、水銀 保存料を含む眼用医薬から生じることが観察されているように、角膜上皮の保存 料関連刺激及び増感を除去する。 多投薬容器も所望により使用されることができる。特に、本発明の水性懸濁液 の比較的低い粘度が、毎日必要なだけ多くの回数、一定の正確な投与量が眼に点 眼されることを許容するからである。保存料が含まれなければならないような懸 濁液中では、好適な保存料は、クロロブタノール、ポリクワット(Polyquat)塩 化ベンザ・ルコニウム、臭化セチル、その他である。 局所配合物中に望ましく含まれる添加物は、塩化ナトリウム、EDTA(エデト酸 2ナトリウム)、界面活性剤、及び保存料、例えば(塩化ベンザルコニウム)を 含む。眼への配合物の投与は、典型的には、処理される特定の問題に依存して、 1日当り1〜4回行われるであろう。 眼注射のための配合物は2つのクラスに分かれる。結膜下注射のためには、一 般に、その配合物は、0.0001〜1重量%、好ましくは 0.001〜0.1重量%の治療剤を含むべきである。いづれかの好適な担体、好ましく はポリマー担体、例えばデキストラン又はポリソルベート80が使用されることが できる。望ましくは配合物中に含まれることができる他の添加物は、エデト2ナ トリウム、ナトリウム・ビスルフィット及びナトリウム・スルフィットである。 この配合物は、ホスフェート・バッファー生理食塩水、クエン酸バッファー生理 食塩水、硫酸コンドロイチン、又はポリマー担体、例えばヒアルロン酸ナトリウ ム(又はヒアルロン酸)、精製ポリアクリルアミド又はポリソルベート80を含む べきである。眼注射用配合物中に望ましくは含まれる他の添加物は、塩化ナトリ ウム、水酸化ナトリウム及び塩酸であり、水酸化ナトリウムと塩酸がpH調整のた めに使用される。典型的には、特に溶液中にあるとき、0.001〜1重量%、好ま しくは0.01〜1.0重量%の上記剤を含む。 活性化合物又はプロドラッグが実質的に溶液中にあるとき、その治療的な働き を発揮することが直ちに可能となり、そしてそれ故、より低い濃度が組織不耐性 を引き起こさずに有効なレベルを達成するために投与されることができる。活性 化合物又はプロドラッグが実質的に懸濁液中にあるとき、より高い濃度が、再び 組織不耐性を引き起こさずに、持続された有効レベルを達成するために投与され ることができる。これ故、溶液においては、より低い濃度が局所的組織損傷を回 避するために使用される。懸濁液においては、より高い濃度が使用される。なぜ なら、より低く溶解された量が即時的活性のために導入されるからである。 特定の患者の特定の処方のための処置のための望ましい有効濃度を得るための 投与量及び有効量は、望ましい臨床的終点に従い、そして投薬養生法を適当に調 節することにより、容易に得られることができる。例えば、眼に非全身的に投与 されるSTHsの場合、化合物 の生物学的利用能は、全身的効果に対して感受性が低い。従って、1日当りの投 与量及び適用当りの投与量についての調節は、医薬の生物学的利用能を妨害する 臓器、例えば肝臓、腸及び腎臓からの低い効果を伴わずに、変えられることがで きる。 臨床的終点は、容易にモニターされ、そして比較可能な正常被験者からの臨床 的終点に、又は処置に先立って計測された臨床的終点に、本明細書中に記載され 、そして本分野において知られたように、比較されることができる。例えば、正 常な眼においては、房水分泌における変化は、日周変動(diurnal fluctuations )、加齢、内分泌撹乱、水和、医薬、眼内圧変化における、外科手術結果の如き 要因に関係することができる。しかしながら、房水分泌のこのような変化は、比 較的一定した眼内圧を維持し、そして処置の経過にわたり計測されたIOPにほん の僅かな効果を与えるように、流出容易性における小さな補償的調節として、通 常表われる。本明細書中に記載されるように、正常なIOP値は、その眼が適当なI OPレベルに戻る場合、STHの投与又はSTH処置の軽減又は減少を保証する上昇IOP 値を示すために、参照点として使用されることができる。緑内障の場合、IOPは 上昇し、そして開放隅角緑内障の場合、流出容易性が減少される。これは、IOP における上昇、及び房水分泌における変化による眼内圧のより大きな変動をもた らす。IOPは、それにギザギザをつけ又は平らにする力を、その眼に加えること により計測されることができる。臨床医は、IOPにおける変化を計測することに よりSTH処置の経過を評価することができる。 IOPは圧平眼圧計を使用して計測されることができる。好ましい圧力は、角膜 の標準面積(直径3.06mm)を平らにするために必要な力を直接計測する、液体張 力計(眼圧計)を使用して、処置前及び後に、眼内で計測される。圧平眼圧計は 多量の液体を置き替えず( 約0.5μl)又は眼内の圧力を有意に増加させないので、この方法は、ほとんど 眼の硬性に独立している。典型的には、眼は、0.5%プロパラカイン(Ophthaine) 、0.4%ベノキシネート(Dorsacaine)、又は類似の局所麻酔薬(テトラカイン (Pontocaine)以外)の滴の投与により調製され、その涙液は、等張塩化ナトリ ウム溶液又は蒸留水で湿らせられた滅菌フルオレセイン・ペーパー・ストリップ により蛍光にされる。次にIOPは、眼圧計を使用して計測される。被検体は水平 又は垂直であることができる。さまざまな他の眼圧計及び方法がIOPを計測する ために使用されることもできる。実施例 実施例1−材料及び方法 以下の材料及び方法が、本明細書中に記載する実施例において得れた結果を達 成するために使用されることができる。本分野において知られている他の材料及 び方法も類似の結果を達成するために使用されることができる。 細胞培養 3〜5継代の、一次、培養ヒト小柱網(“HTM”)細胞を全ての実験のために 使用した。細胞を、11% CO2及び37℃中、15% FCS(子ウシ胎児血清)、ゲンタ マイシン、グルタミン(2mm)、ファンジゾン(2.5μl/ml)、ペニシリン/ス トレプトマイシン(UCSF Cell Culture Facility)を補ったDME−H 16 1g/ Lグルコース(標準培地)中で培養した。外植体を、撹乱せずに1〜2週間10% CO2加湿インキュベーター内でインキュベートした。培養において第3週までに 、細胞は自然に組織から移動した。この時点で、培地を1日おきに変え、そして 線維芽成長因子(1ng/ml)を、各培地の交換の後に、添加した。細胞マスが10 00〜2000の合計数に達した とき、この外植体を取り出し、そして細胞をSTV(0.1%トリプシン、0.02% EDTA )によりトリプシン処理し、そして60mm皿上にプレートした。培地を、細胞が集 密になるまで、通常、プレーティング開始後7〜8日目までに、1日おきに交換 した。集密培養物を、将来の使用のために液体窒素中でサンプル当り1×10-6 細胞において凍結され、又は実験的使用又は連続培養のための1:32のスプリッ ト比において継代培養した。HTM細胞は20継代を超える間形態を維持する。しか しながら、ほとんどの実験においては、3〜5継代からのHTM細胞が使用された 。これらの細胞は、実質的に純粋であり、そして本分野において知られた方法、 例えばAlvarado,et al.,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,82:464-478(1982) により調製されることができる。好ましくは、細胞は、細胞増殖に関する影響を 減少させるように実験における使用前に集密まで培養される。非集密細胞は典型 的には80%以下の集密である。 10-2M保存3,3’−5−トリヨード−L−チロニン(T3)(Sigma,St.Lo uis.MO)を、10% DMSO/90% EtoH中で調製し、そして−20℃で保存した。Co valink−NHマイクロウェル・プレート(Nuna,Naperville,IL)、N−ヒドロキ シスルホンスクシンイミド(S−NHS)(Pierce,Rockford,IL)、ヒアルロン 酸(INC,Costa Mesa,CA)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル )カルボジイミド(EDC)(Sigma)、O−フェニレンジアミン(OPD)(Calbiochem ,San Diego,CA)、Vectastain標準ABCキット(Vector,Burlingame,CA)を、 ヒアルロニダーゼ及びHA ELISA−様アッセイのために使用した。 ヒアルロン酸についてのアッセイ HTM細胞を、甲状腺ホルモンを除去した10%子ウシ胎児血清培地を補った2ml DME−H 16 1g/Lグルコース中で、そして10-7M T3の添加を伴って又は伴わずに、6−ウェル又は12−ウェル(Corning,Corn ing,NY)中で培養した。培地を毎日又は特段指示するように、交換し、そして 採取した。上清を濃縮し、そして次にビオチニル化ヒアルロン酸結合性タンパク 質HABPを使用したELISA−様アッセイによりヒアルロン酸(“HA”)について3 連でアッセイした。Stern & Stern,Matrix,12(5):397-403(1992)中に記載 したものの如きアッセイを使用することができる。 ヒアルロニダーゼ活性についてのアッセイ HTM細胞を、図の凡例に示す日数にわたりインスリン−トランスフェリン−セ レニウムを補った10ml無血清DME−H 16中で、10-7M T3の添加を伴って又は 伴わずに、100mm皿(Fisher,Pittsburgh,PA)内で培養した。無血清培地を、 血清中に通常あるヒアルロニダーゼ阻害性タンパク質及びヒアルロニダーゼの妨 害を防ぐために使用した。上清をセントリコン(centricon(Amicon))内で濃縮 し、そして直接にビオチニル化されたHAを使用してELISA−様アッセイ(Stern & Stern,Matrix,12(5):397-403(1992)、この方法を引用により本明細書中に 取り込む)の修飾によりpH3.7シトレート−ホスフェート・バッファー中のヒア ルロニダーゼ活性について3連でアッセイした。全てのサンプルを3連でアッセ イした。 実施例2−合成甲状腺ホルモン、例えばT3は、細胞からのHA分泌を阻害する HA分泌が合成甲状腺ホルモンにより調節されることができるかどうかを調べる ために、HTM(“HTM”)細胞を、T3の存在下及び非存在下で培養した。T3補給培 地中で培養されたHTM細胞は、T3を除去された培地中で培養された細胞に比較し て正味のヒアルロン酸分泌において漸進的な減少を示した。図1を参照のこと。 “除去(Stripped)”培地とは、Samuel et al.(Samuel H.H.,Stanley ,Cananova J:Endocrinology,1979 Jul,105(1):80-5)により記載される ようなアニオン交換樹脂の方法を使用してT3が除去されている培地をいう。典 型的には、除去培地中のT3の濃度は0.1pM未満である。T3補給培地と対照培地 (集密細胞)中の分泌HA濃度における差異は、図1中に示すように補給T3(最 終培地濃度10-7M)に晒して3日目に観察されることができるであろう。5日目 までに、対照培養物からの上清に比較して、T3補給培養物からの上清中の分泌H A濃度における2.95倍の減少があった。HAレベルにおける差異は、培養10日目ま で続いた(実験の最終日)。T3処置された非集密(75%未満の集密)の細胞も 、集密T3処置細胞(各ウェルは約250,000細胞を含んでいた)に比較して培地中 のHA濃度のさらに大きな減少をも作り出した。T3によるHA濃度の減少のための 最大値の半分の濃度は、約5nMであった。集密細胞については図2中の投与量応 答曲線を参照のこと。 実施例3−T3は分泌されたヒアルロニダーゼの活性を高める T3の存在下で分泌されたHAの高められた分解により、HAの分泌量が少なくと も部分的に調節されることができるかどうかを調べるために、HTM細胞による分 泌されたヒアルロニダーゼの酵素活性を、T3の存在下及び非存在下で計測した 。HTM細胞を、血清中にあるヒアルロニダーゼ及び/又はヒアルロニダーゼ阻害 性タンパク質の混乱を取り除くためにヒアルロニダーゼ活性実験のために無血清 培地中で培養した。分泌されたヒアルロニダーゼ活性は、T3添加を欠く対照に 比較してT3補給非集密培養からの上清中で増加した。10日目までに、無血清条 件下でのHA生産のダウンレギュレーションにも拘らず、T3補給培養物中の分泌 ヒアルロニダーゼ活性において相対的に1.9倍の増加があった。 実施例4−分泌HAレベルを調節することができるCD44アイソ形態 はHTM細胞上に存在する CD44レセプターがHTM細胞により発現されるかどうかを調べるために、4つのC D44アイソ形態を、CD44s,CD44E,CD44−v1及びCD44−v3のためのプローブ を用いたRT−PCR分析を使用して計測することができる。全てのアイソ形態は、 異なるスプライシング部位をもつ9つの外部アクソン内から生じたスプライス変 異体である。4つのアイソ形態のすべては、HTM細胞から発現される。RT−PCR実 験のために、細胞(1〜3×106)を、スクレーピングすることにより収穫し、 ペレット化し、直ちに液体窒素中で凍結し、そしてRNA及びcDNAが作られるまで 保存した。RNAをRNA Track TM(Biotecx,Friendswood,Tx)を使用して使った 。このRNAを、60μlの全容量において、I000UのMoloney Murine Leukemia Vir us Reverse Transcriptase(BRL,Gaithersburg,MD)、50mMランダム・ヘキサ マー・プライマー、50mM Tris−HCl(pH8.3)、75mM KCl,10mMジチオトレイト ール、3mM MgCl2,0.5mMの各dGTP,dATP,dTTP及びdCTPを含む反応混合物中でc DNAの第1ストランド合成のための鋳型として使用した。cDNA反応を37℃で90分 間行い、そして次にDEPCで前処理された水中で1:3又は1:7に希釈した。オ リゴヌクレオチド・プライマーを水中40μMに希釈した。 RT−PCRのために、修飾ホット・スタート法を使用した。3〜5μlのcDNAの 量を、0.8μモルの各プライマー、17mMのTris−HCl(pH8.3)及び80mM KClを含 む30μlのマスター混合物に添加した。水を40μlの最終容量までcDNA反応物に 添加した。全ての反応物を軽鉱物油で重層し、そして99℃まで加熱した。10分後 、この反応物を94℃まで冷却し、そして7mM MgCl2,1mMの各dATP,dTTP,dGTP 及びdCTP、及び1.2UのTaq Polymerase(Perkin‐Elmer Cetus,Branchburg,NJ )を含む10μl容量を上記油の上層を通して直接添 加した。サイクル・パラメーターは:95℃,60秒間、55〜57℃,30秒間、72℃, 30秒間、75℃において15分間の最終伸長であった。反応を、自動プログラムされ たサーモサイクラー(Perkin‐Elmer Cetus,Norwalk,CT)を使用して32〜34回繰 り返した。RT−PCR生成物を2% Low EEOアガロース(Fisher Scientific,Pitt burgh,PA)上で分離した。臭化エチジウム〔EtBr〕ゲルを200Vで45分間走らせ 、紫外線で可視化し、そして写真撮影した。 RT−PCRのためのオリゴヌクレオチドを、CD44アイソ形態の全ての効率的な増 幅を許容するであろうやり方でCD44遺伝子内のエクソンに対して作った。オリゴ ヌクレオチドを前進〔F〕又は後退〔R〕として、そしてそれが向けられるとこ ろのエクソンにより命名した: このようなCD44アイソ形態はHAに結合し、そして少なくとも一部、分泌HAのレ セプター仲介エンドサイト−シスを調節する。この経路において、HAは、CD44レ セプターを介して内部移行し、そしてヒアルロニダーゼによる分解のためのリゾ ソーム内に向けられる。さらに、CD44sとCD44Eは、エンドサイト−シスによらず 細胞表面にHA及び他のGAGsをつなぎ止めることが示されている。 実施例5−T3はCD44アイソ形態の発現を減少させる T3がCD44レセプター遺伝子の他のスプライシングを通してHTMによる分泌HA回 転率に影響を及ぼすかどうかを決めるために、CD44発現を、本明細書中に記載さ れるように、RT−PCRを使用してモニ ターすることができる。HTM細胞が18時間補給されたT3に晒されたとき、CD44E とCD44−v3アイソ形態の発現における劇的な減少がある。従って、CD44発現に おけるT3誘導減少は、小柱細胞へのHA及び他のGAGsの減少された結合と矛盾し ない。 実施例6−ヒトの眼は房水T4を含む ヒト眼房水がT4を含むかどうかを調べるために、T4を、知られた甲状腺疾患 を伴わない患者に対する白内障外科手術の間に得られた房水から直接透析技術( Corning Nichols Institute,San Juan Capistrano,CA)を使用して計測した。 房水試料のプールされたサンプルは、0.4ng/dLの遊離T4レベルを示した。T3 は同一試料中に全く計測されなかった。 実施例7−眼のヒトTM細胞は甲状腺ホルモン・レセプターをもつ ヒトの眼、特にHTM細胞が甲状腺ホルモン・レセプターを含むかどうかを調べ るために、甲状腺ホルモン・レセプターを、HTM細胞を使用した甲状腺レセプタ ー核酸についてのRT−PCR分析又は免疫−組織化学を用いた甲状腺ホルモン・レ セプターに対する抗体を使用して計測した。甲状腺ホルモン・レセプターα1, 2及びβ1は両アッセイを使用して見られ、そして非特異的結合は比較的低かっ た。 実施例8−インビボにおける眼へのT3の局所的投与は角膜内及び後室内への T3の拡散をもたらす 合成甲状腺ホルモンが眼の組織を通過する能力を調べるために、 I125−T3 をインビボにおいてウサギの眼に投与し、そして放射能を房水中で計測した。簡 単に言えば、以下の手順を、眼への甲状腺ホルモンの通過を計測するために使用 することができる:1)2:1ケタミン:キシラジンでウサギを麻酔し、2)1 滴の局所麻酔薬を眼に適用し、3)Balanced Salin Solution(Alcon)で眼を 濯ぎ、そして軽く叩いて乾燥させ(dab dry)、4)100% EtoH溶液中I125−T3 の30μl PBS(ホスフェート・バッファー生理食塩水)中30% DMSO中I1253 の30μlを適用し、5)アルコール溶液について30分〜1時間、そしてDMSO溶 液について45分間上記T3溶液を吸収させ、6)対照眼において約30秒間上記T3 溶液を吸収させ、7)使い捨てシリンジで50μlの眼房水を取り出す前に60mlの 滅菌水で眼を濯ぎ、そして8)ガンマ・カウンター内で眼房水サンプルからの放 射能を計測する。オートラジオグラフィーを、局所的I125−T3の投与の2時間 後に摘出されたウサギの眼に対して行った。ラベルは、眼の眼房水流出チャンネ ル上で濃縮されていた。これは、局所的に投与されたT3が小柱網に結合するこ とができるということを示している。このような方法を使用すれば、適用された T3の約0.125%が45〜60分後に眼房水中に拡散し、そして拡散が、アルコール又 はDMSOがT3のための溶媒として使用されるかどうかということから、独立して いる。従って、T3は角膜の拡散バリアを横切って拡散することができ、そして それ故、眼房水及び小柱網に接近することができる。 実施例9−インビボにおける眼へのT3の局所的投与は眼内圧を低下させる 眼内圧(“IOP”)に対する合成甲状腺ホルモン、例えばT3の効果を調べるた めに、T3をインビボにおいてウサギの眼に局所投与した。正常色素性のDutchウ サギをIOP実験のために使用し、そしてT3を、1日4回30% DMSO媒体を含むPBS の1mMのT3滅菌溶液の30μlとしてウサギの右眼に局所投与した。30% DMSO媒 体を対照の右眼に1日当り4回適用した。所定の時間に、IOPを肺切開の技術を 使用して計測した。臨床的状態においては、より低いT3の量が、通常、潜在的 な全身毒性又は撹乱、例えば頻脈(tachyca rdia)効果を低下させるために投与されるであろう。 5ウサギが投与3週間以内にIOPにおける少なくともいくらかの検出可能な低 下を示し、そして1ウサギがT3投与の3週間後に10Pにおける25%低下と同程度 の低下を示した。両方の眼における10Pにおいて観察された減少は、局所的に投 与されたT3の全身的吸収に関係付けられることができる。計測されたT3の血清 レベルは、局所的処置の2週間後に3ウサギにおいて上昇した(88〜160ng/dL の正常レベルをもって、176〜427ng/dLの範囲)。1ウサギが、たぶん、局所的 投与から生じた高い血清T3濃度からのT3毒性に因り、死んだ。T3の毒性は、 本明細書中に記載するように、低い活性のSTHsを使用して又は低い濃度のSTHsの プロドラッグ・エステル誘導体を使用して、適用された合成甲状腺ホルモンの量 を減少させることにより回避されることができる。 実施例10−培養されたヒト小柱網細胞の水力学的導電率:房水流出のインビト ロ・モデル インビボにおいてHTMの働きを行う甲状腺ホルモンの能力の尺度として、我々 は、T3が、インビトロにおいてHTM細胞の単層を横 切って液体の流れを直接的に増加させるために働くことができるかどうかを評価 した。我々は、水力学的導電率を計測するためにインビトロ・モデルを使用した 。このモデルを、HTM細胞の集密単層の水力学的伝導性を計測する。 HTM細胞の単層を、ポリスチレン・ホルダー内のミリポア・フィルター上で培 養した。このホルダーを、液体が既知の耐性を横切って流れるとき顕出する圧力 差を計測するデバイス内に置く。2つの圧力ゲージ、すなわち、既知のレジスタ ーの上流にある1、及びその既知のレジスターの下流にあるが、HTM細胞を含む フィルター・ホルダーの直上流にある1が、圧力差を計測する。このフィルター の外表面は大気圧にあるので、上記第2ゲージの圧力は細胞の灌流圧力である。 水力学的伝導性はQ/PA{ここで、Qは流れ、Pは灌流圧、そしてAは単層の表 面積である。}に等しい。 集密HTM細胞を、2mMグルタミン、1nMペニシリン、及び1nMストレプトマイ シンを含むDMEM−H 16中の1cm Milliporeフィルター(Millipore Corp.,Bedf ord,MA)上で4又は8日間培養した。また、この培地は、活性炭及び混合カチ オン/アニオン交換樹脂(AG 501−X8 Resin,Bio−Rad,Hercules,CA)と共に インキュベートすることによりホルモン除去されていた10%子ウシ胎児血清から 成っていた。集密HTM細胞を10-7M T3と共に又はなしで4又は8日間培養した 。対照細胞を適当な量のエタノール媒体で処理した。各フィルターの水力学的伝 導性は、その中でそれらが培養された同一の培地でその細胞を灌流しながら30分 間にわたり計測され、そしてμl/分/mmHg/cm2として表されるであろう。上 記実験の全てを4連で行った。 4日間の処置の後、T3と共にインキュベートされたHTM細胞は、T3の非存在 下で培養されたHTM細胞よりも1.5〜2倍大きな水 力学的伝導性をもっていた(図3)。しかしながら、この差異は統計的に有意で はなかった(Wilcoxonテスト)。8日間の処置の後、T3と共にインキュベート されたHTM細胞はT3の非存在下で培養されたHTMよりも統計的に有意な2〜3倍 大きな水力学的伝導性をもっていた(p=0.0286,Wilcoxonテスト)(図4)。 従って、T3は、HTM細胞の集密層に対して直接作用して、液体の流れに対するそ れらの抵抗を減少させ、そしてそれらの水力学的導電率を増加させる。さらに、 この効果の大きさは、エピネフリン、すなわち、眼房水の流出を増加させ、かつ 、眼内圧を低下させる抗−緑内障剤を用いた先に報告された研究に類似している 。これらの結果は有意である。なぜなら、水力学的伝導性のインビトロ計測値が インビボにおける眼房水流出に対する眼用医薬、例えばエピネフリン及びコルチ コステロイドの観察された効果とよく相関するからである。それ故、T3はイン ビトロにおいて水力学的導電率を増加させるので、それは、緑内障を患う患者に おいて眼房水の流出を増加させ、そして眼圧を減少させることができる。 実施例11−T3は、培養されたヒト小柱網細胞に対する細胞外マトリックスの 付着を調節する 我々は、T3の存在下で培養されたHTM細胞が、T3の非存在下で培養されたHTM 細胞よりもより少いヒアルロン酸を生産するということを証明した。ヒアルロン 酸(HA)は、通常、細胞表面レセプター、CD44に結合して、細胞外マトリックス を形成することにより細胞と相互作用する。T3投与が、HTM細胞がHAに結合しそ して細胞外マトリックスを組み立てる能力を発揮するかどうかを評価するために 、我々は、培養において成長したHTM細胞がHAに結合し、そしてそれを目に見え る細胞外マトリックスに組み立てる能力を評価した。このアッセイ・システムは 、その細胞の周囲の領域から、添 加されたホルマリン添加赤血球細胞を排除するその能力を利用することにより、 細胞の細胞外マトリックスを可視化する。細胞周辺マトリックスのアセンブリー を顕微鏡で観察するとき、プロテログリカン・モノマーとHAが過剰で細胞に添加 される。小柱網細胞の周囲のマトリックス・アセンブリーは眼房水流出に対する 抵抗の重要な構成要素であるので、このマトリックスの調節は、眼内圧の1の決 定要因であることができる。 HTM細胞を、プレート当り1×104細胞の密度で35mm皿上にプレートした。細胞 を、2mMグルタミン、1nMペニシリン、及び1nMストレプトマイシンを含むDMEM −H 16中10-7M T3と共に又はなしで2又は6日間培養した。また、この培地 は、活性炭と混合カチオン/アニオン交換樹脂(AG 501−X8 Resin,Bio−Rad, Hercules,CA)と共にインキュベートすることによりホルモンを除去されていた1 0%子ウシ胎児血清から成っていた。外来性マトリックスのアセンブリーのため に、次に細胞を、3.0mg/mlの(ラット軟骨肉腫(文献1)から精製された)集 合性プロテログリカン・モノマー及び15μg/mlのヒアルロナン(グレード1,S igma Chemical Co.,St.Louis,MO)と共に37℃で3時間インキュベートした。 この培地を取り出し、そして0.1%子ウシ血清アルブミンを含むホスフェート・ バッファー生理食塩水中のホルムアルデヒド固定赤血球の懸濁液(1×108細胞 /ml)0.75mlを細胞の各ウェルに添加した。10分後、この細胞と細胞外マトリッ クス(ECMs)を位相差顕微鏡(文献2,3)により可視化して観察した。これら の細胞マトリックスを3つの群の中の1に分類した。コースト(coasts)をもた ない細胞は、見えるECMをもたない。小さなコーストをもつ細胞は、その細胞の 形質膜から外にその細胞の核の幅未満で延びる見えるECMをもつ。大きなコース トをもつ細胞は、その細胞の形質膜から外にその 細胞の核の幅よりも大きく延びる見えるECMをもつ。 10-7M T3の存在下で2日間培養された細胞は、T3の非存在下で培養された 細胞がもつよりも約2倍多くの数のコーストをもたない細胞をもっていた。10-7 MのT3により処理の4日後に、この差は4倍以上に増加した。従って、10-7M のT3で処理されたHTM細胞は、T3を含まない培地中で培養された細胞が結合す るよりもより少いHAに結合し、そしてより小さなECMsをアセンブルする。従って 、T3は、小柱細胞からのECMを変位させるように働くことができるか、あるいは 、ECMアセンブリー合成を阻害することができる。いずれの場合においても、細 胞に結合したECMの減少は、房水の流出抵抗を減少させ、そして眼内圧を低下さ せることができる。 実施例12−STHsの合成 多くのTR(甲状腺レセプター)リガンドであってT4(チロキシン)、T3、 T2及びTS−9を含むものが本分野において知られている。Jorgensen,Thyroid Hormones and Analogs,in 6 Hormonal Proteins and Peptides,Thyroid Horm ones 107-204(Choh Hao Li ed.,1978)(引用により本明細書中に取り込む。) を参照のこと。 いくつかのTRリガンドの合成を以下に記載する。 TS1,TS2,TS3,TS4,TS5の合成 TS1,TS2,TS3,TS4とTS5及びそれらのアナログの全てを、T3(3,5 ,3’−トリヨード−L−チロニン)、T4(チロキシン)及び3,5−ジヨー ドチロニンを含む、いずれかのチロニン・アナログの窒素原子の単なるアシル化 により調製することができる。TS1とTS2は、T3を、それぞれ、Ph2CHCO2NHS (N−ヒドロキシ・スクシンイミド−2,2−ジフェニルアセテート)とC16H33 CO2NHSと反応させることにより合成する。TS3を、T3を、FMOC− Cl(フルオレニルメチルオキシカルボニルクロリド)と反応させることにより合 成する。TS4を、T3を、tBOC2O(tBOC無水物又はジ−t−ブチルジカーボネー ト)と反応させることにより合成する。R3 1位における−Iの代わりに−Hをも つことによりTS1−4と異なるTS5を、3,5−ジヨードチロニンをtBOC2Oと反 応させることにより合成する。TS1,TS2,TS3,TS4及びTS5のための一般的 反応スキームを図3中に示す。この反応スキームにおいて、TS5とその前駆体の 両者がR3 1位におけるヨウ素よりもむしろ水素をもつことに留意すべきである。 TS6とTS7の合成 TS6を、TS5をパラニトロフェニルイソシアネートと反応させることにより合 成する。TS7を、TS6を、tBOC基を解裂させるTFA(トリフルオロ酢酸)と反応さ せることにより合成する。これらの反応は、当業者の中の誰によっても行われる ことができる簡単な有機合成反応である。TS6とTS7のための合成スキームを図 4に示す。 TS8の合成 TS8を、トリエチルアミン及びいずれかのアミド形成性縮合剤、例えばTBTU( ヒドロキシベンズトリアゾールウロニウム・テトラフルオロボレート)又はHBTU (ヒドロキシベンズトリアゾールウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート)の 存在下で、TS5をPh2CHNH2(ジフェニルメチルアミン)と反応させることにより 合成する。TS8のための合成スキームを図5に表す。 3,5−ジヨード−3’−イソプロピルサイロニン誘導体の合成 あるクラスのアンタゴニストをデザインするためには、その3’位において疎 水性の基をもち、そしてその5’位において伸長をもつことが重要である。その 3’位における好ましい疎水性基は:メチル、ベンジル、フェニル、ヨード、及 び複素環構造を含む。3, 5−ジヨード−3’−イソプロピル−5’−置換サイロニンの合成を以下に記載 する。提供された実施例は、TS10化合物を合成するための特別な工段を記載する が、一般的な反応スキームが、その5’位で伸長をもつことを特徴とするいずれ かの数の3,5−ジヨード−3’−イソプロピル−5’−置換サイロニン誘導体 を合成するために当業者により使用されることができる。このクラスの追加の化 合物も、知られた有機合成技術を使用して合成されることができる。 TS10の合成を以下に記載し、そして図6に表す。各工程についての反応生成物 を示すTS10のための反応スキームにおいて使用される数は、カッコ内にある。 2−ホルミル−6−イソプロピルアニソール(1):2−ホルミル−6−イソ プロピルアニソール(10.0g,61mmol)、Casiraghi,et al.JCS Perkin I,18 62(1980)(引用により取り込む)により作られたものを、丸底フラスコ内の50 mL THFと50mL DMF中ナトリウム・ヒドリド(3.7g,153mmol)の懸濁液に滴下した 。この添加は、発熱反応及び灰色固体の形成を作り出す。次にヨウ化メチル(26. 0g,183mmol)を滴下し、そしてその反応混合物を5時間室温で撹拌する。この反 応混合物を20mLの水でクエンチし、次に500mLの水に注ぎ込み、そしてエーテル( 2×300mL)で抽出する。このエーテル層を併合し、水で洗浄し(5×1000mL)、 硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して、10.2g(94%)の表 題化合物を得る。以下の をもつ。 2−(2−ヒドロキシノニル)−6−イソプロピルアニソール( スキームを図示せず): 塩化オクチルマグネシウム(8.4mL,16.9mmol,2.0M)を−78℃における10mL THF中の1の溶液(1.5g,8.4mmol)に滴下する。この反応混合物を室温まで温め ながら2時間撹拌する。この反応混合物を50mLエーテルで希釈し、そして50mLの 水に注ぐ。エーテル層をブライン(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾 燥させ、そして真空中で濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカ・ ゲル、10%エーテル/ヘキサン→15%エーテル/ヘキサン)により表題の化合物 734mg(30%)を得る。以下の 実測:292.2404;計算:292.2402をもつ。 2−ノニル−6−イソプロピルアニソール(2): 化合物2(663mg,2.3mmol)を5mLエタノールと5mL酢酸の溶液中に溶解し、 そして炭素触媒上のパラジウムのスパチュラ・先端を添加する。次にこの反応混 合物に(単純なバルーンと針を使用して)水素ガスを満たし、そしてこの混合物 を室温で一夜撹拌する。翌日、この反応混合物をエーテル(100mL)中に注ぎ、そ してこのエーテル層を飽和重炭酸ナトリウム(3×100mL)で抽出する。このエー テル層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して、581mg(91 %)の(2)を得る。 質量実測:276.2459;計算:276.2453をもつ。 サイロニン付加物(4): 発煙硝酸(0.071mL)を、−5℃に冷却した0.184mLの無水酢酸に添加する。ヨウ 素(66mg)をこの混合物に、その後、トリフルオロ酢酸(0.124mL)に添加する。 この混合物を、室温まで温めながら1時間撹拌し、この時点で、ヨウ素の全てが 溶解する。次にこの反応混合物を、真空中で濃縮して油状の半固体材料を提供し た。この残渣を、0.7mLの無水酢酸中に溶解し、そして−20℃に冷却した。1.2mL 無水酢酸及び0.58mL TFA中のアニソール(2)(581mg,2.1mmol)の溶液を滴下 する。この反応混合物を1時間−20℃で撹拌し、次に室温まで温めながら一夜撹 拌する。この反応混合物を、水と塩化メチレンの間で分配させる。この塩化メチ レン層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して、油としてヨー ドニウム塩(3)を得る。この材料は精製されず又は特徴付けされず、そしてカ ップリング反応中に直接導入する。 N.Lewis and P.Wallbank,Synthesis 1103(1987)(引用により取り込む) の手順に従って調製されたN−トリフルオロアセチル−3,5−ジヨードサイロ ニン・メチル・エステル(552mg,1.0mmol)及び上記からの粗ヨードニウム塩( 3)の全てを、5mLの無水メタノール中に溶解する。ジアザビシクロ〔5.4. 0〕ウンデカン(DBU)(183mg,1.2mmol)及びスパチュラ先端の銅−ブロンズ を添加し、そして得られた混合物を室温で一夜撹拌する。翌日、この反応混合物 を濾過し、そしてこの濾液を真空中で濃縮する。粗残渣をフラッシュ・クロマト グラフィー(シリカ・ゲル、10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、30mg (4%)の保護サイロニン付加物(4)を得る。 脱保護サイロニン(TS10):保護されたサイロニン4(30mg,0.04mmol)を2.2 5mL酢酸と2.25mL 49%臭化水素酸の混合物に溶解する。この反応混合物を5時間 還流まで加熱する。この反応混合物を 室温まで冷却し、そしてこれらの溶媒を真空中で除去する。水を上記油状残渣を 灰色固体に粉砕するために添加する。この固体材料を濾過し、水で洗浄し、そし て真空中P2O5上で乾燥させて24mg(81%)の表題化合物、TS10を得る。 をもつ。 上述のように、この反応スキームを、3,5−ジヨード−3’−イソプロピル サイロニン誘導体を特徴とする化合物の1クラスを合成するために当業者により 修飾されることができる。ここで(1)その3’イソプロピル基は、メチル、ベ ンジル、フェニル、ヨード、及び複素環構造を含む疎水基で置換されることがで き、そして(2)多種多様の化学構造であってアルキル基、平面状アリール、複 素環基、又は極性及び/又は電荷基を含むものがその5’位において取り込まれ ることができる。 上記反応スキーム内のアルデヒド(1)は、最終サイロニン誘導体の5’位へ のさまざまな化学部分の付着を許容する多用途の合成中間体である。さらに、さ まざまな化学反応が、これらの化学的部分を付着させるために使用されることが できる。これらの反応は、本分野においてよく知られており、そして(グリニヤ ール試薬、有機リチウム、等を含む)アルデヒドへの有機金属の付加、第1又は 第2アミンによる上記アルデヒドの還元的アミノ化反応、及びリン・イリド又は 安定化されたホスホネート・アニオンとのウィッティヒ・オレフィン化反応を含 む。他の可能性は、その5’位におけるエーテル化反応を許容するベンジル・ア ルコールへのアルデヒドの反応を含む。上述のように、これらの方法は、アルキ ル基、平面状 アリール、複素環基又は極性及び/又は電荷基を含む、多種多様の化学構造が最 終サイロニン誘導体の5’位に取り込まれることを許容する。 表1及び図6は、いくつかのTRリガンドの構造を表す。 式中、R6,R2及び’R3は、式1中Hを表し、そしてXはOを表す。 本明細書中に言及する全ての刊行物及び特許出願を、あたかも個々の刊行物又 は特許出願が特別に、かつ個々に引用により取り込まれることを意図されるのと 同程度に引用により本明細書中に取り込む。 本発明をこれまで十分に記載してきたが、当業者にとって多くの変更及び修正 が添付の請求の範囲の本質又は範囲から逸脱せずに本発明に対して行われること ができるということは明らかであろう。
【手続補正書】 【提出日】平成11年12月24日(1999.12.24) 【補正内容】 請求の範囲 1.治療薬として有用な化合物の同定方法であって、 化合物を小柱網細胞と接触させる工程;及び 前記小柱網細胞への前記化合物の結合を検出する工程 を含み、前記化合物が10マイクロモル以下の濃度を有することを特徴とする同定 方法。 2.前記検出工程がヒト小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌の減少を測定する ことを含み、そしてグリコサミノグリカン生産を調節するのに有用な化合物を選 択することを更に含む、請求項1に記載の方法。 3.前記検出工程が、ヒト小柱網細胞内の細胞内レセプターへの前記化合物の 結合を測定することを含む、請求項1に記載の方法。 4.前記化合物が合成甲状腺ホルモンである、請求項2に記載の方法。 5.前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体ではな い、請求項4に記載の方法。 6.前記合成甲状腺ホルモンが、TS1,TS2,TS3,TS4,TS5, TS6,TS7,TS8,TS9及びTS10から成る群から又はそのエステル化 誘導体から選ばれる、請求項4に記載の方法。 7.前記合成甲状腺ホルモンがエステル誘導体ではない、請求項6に記載の方 法。 8.前記合成甲状腺ホルモンを合成する工程を更に含み、そして1.0マイクロ モル以下の濃度の前記合成甲状腺ホルモンが、前記合成甲状腺ホルモンの非存在 下で培養された前記小柱網細胞からの前記ヒアルロン酸分泌に比較して、前記ヒ アルロン酸分泌を少なくとも30%減少させる、請求項4に記載の方法。 9.ヒトを除く哺乳類の眼に前記合成甲状腺ホルモンを局所的に投与する工程 を更に含み、そして前記小柱網細胞がウサギ、ラット、マウス、ブタ、ネコ又は サルの眼から単離される、請求項1に記載の方法。 10.前記検出工程が、前記小柱網細胞への前記化合物の結合を測定するための 機能アッセイを用いて、前記化合物の存在下と非存在下で前記化合物の結合を間 接的に測定することを更に含む、請求項1に記載の方法。 11.ヒアルロン酸分泌を阻害するための医薬組成物であって、 ヒアルロン酸を分泌する細胞からのヒアルロン酸分泌を阻害する合成甲状腺ホ ルモンを含んで成り、前記合成甲状腺ホルモンが10マイクロモル以下の濃度で、 37℃で3日間前記合成甲状腺ホルモンの非存在下で培養したヒト小柱網細胞に比 較して、37℃で3日間培養した培養ヒト小柱網細胞からの全ヒアルロン酸分泌の 少なくとも10%を阻害することを特徴とする医薬組成物。 12.前記合成甲状腺ホルモンが1マイクロモルの濃度で培養ヒト小柱網細胞か らの全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%を阻害する、請求項11に記載の医薬組 成物。 13.前記合成甲状腺ホルモンが0.1マイクロモルの濃度で培養ヒト小柱網細胞 からの全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%を阻害する、請求項12に記載の医薬 組成物。 14.前記細胞がヒト小柱網細胞である、請求項12に記載の医薬組成物。 15.前記ヒト小柱網細胞が小柱網内にある、請求項14に記載の医薬組成物。 16.前記医薬組成物が眼に適合性の医薬担体を更に含んで成る、請求項14に記 載の医薬組成物。 17.前記医薬担体が眼に適合性の生理食塩水である、請求項16に記載の医薬組 成物。 18.前記合成甲状腺ホルモンがエステル誘導体である、請求項16に記載の医薬 組成物。 19.前記合成甲状腺ホルモンがリポソーム混合物中に置かれている、請求項16 に記載の医薬組成物。 20.前記合成甲状腺ホルモンが、拡散によって放出することができる合成ポリ マーの中に置かれている、請求項16に記載の医薬組成物。 21.緑内障の治療用の医薬組成物であって、 眼科的有効量の合成甲状腺ホルモンを含んで成り、白内障を有する目には緑内 障の治療に使用されないことを条件とする医薬組成物。 22.眼に適合性の医薬担体を更に含んで成る、請求項21に記載の医薬組成物。 23.前記組成物が眼内挿入物又は眼内インプラントの中に組み込まれる、請求 項22に記載の医薬組成物。 24.前記眼用インプラントが、コンタクトからの合成甲状腺ホルモンの拡散に 備えて前記合成甲状腺ホルモンが含浸されているコンタクトである、請求項23に 記載の医薬組成物。 25.前記眼に適合性の医薬担体が、前記合成甲状腺ホルモンを持続性放出する ことができる生分解性ポリマーを含んで成る、請求項22に記載の医薬組成物。 26.前記有効量が0.1ng〜20ng/片眼/日である、請求項21に記載の医薬組成 物。 27.前記合成甲状腺ホルモンが1マイクロモル以下の濃度で、前記合成甲状腺 ホルモンの非存在下で培養した前記小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌に比較し て、前記小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌を少なくとも30%減少させる、請求 項25に記載の医薬組成物。 28.前記組成物が、前記合成甲状腺ホルモンを持続性放出することができるポ リマーを含む眼内持続性放出デバイス又は外科インプラントの中に含められる、 請求項21に記載の医薬組成物。 29.前記ポリマーが生分解性である、請求項28に記載の医薬組成物。 30.小柱網細胞内の合成甲状腺ホルモンを含み、前記合成甲状腺ホルモンが血 液−眼関門を通過しないことを特徴とする医薬組成物。 31.前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体である 、請求項30に記載の医薬組成物。 32.前記小柱網細胞が眼外植片からのヒト小柱網細胞である、請求項30に記載 の医薬組成物。 33.前記合成甲状腺ホルモンがヒト甲状腺レセプターに結合している、請求項 30に記載の医薬組成物。 34.前記合成甲状腺ホルモンが少なくとも0.04ng/dlの小柱網細胞内濃度を有 し、そして前記小柱網細胞がヒト小柱網細胞である、請求項33に記載の医薬組成 物。 35.合成甲状腺ホルモン及び眼に適合性の医薬担体を含む医薬組成物。 36.前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体である 、請求項35に記載の医薬組成物。 37.前記眼に適合性の医薬担体が緩衝食塩溶液を含んで成る、請求項35に記載 の医薬組成物。 38.前記眼に適合性の医薬担体がリポソームを含んで成る、請求項37に記載の 医薬組成物。 39.前記眼に適合性の医薬担体が生分解性の合成ポリマーである、請求項35に 記載の医薬組成物。 40.合成甲状腺ホルモンが含浸されている眼用コンタクトを含んで成る医薬組 成物。 41.前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体である 、請求項40に記載の医薬組成物。 42.緑内障の治療用の医薬組成物であって、有効量の合成甲状腺ホルモンを含 んで成る医薬組成物。 43.眼房水流出及び眼内圧の低下に対する効果について合成甲状腺ホルモンを スクリーニングするためのキットであって、 a)10マイクロモル以下の濃度で小柱網細胞と接触させるための合成甲状腺ホ ルモン;及び b)前記合成甲状腺ホルモンとの接触後に前記小柱網細胞の水硬伝導率を測定 するための手段 を含んで成るキット。 44.前記合成甲状腺ホルモンが下式I:(式中、 R1であり、 R2は-H,ハロゲン,CF3,OH,NH2,SH,CH3又は-Etであり、 R3は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-N3,-SH,-CH3又は-Etであり、 R5は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-N3,-SH,-CH3又は-Etであり、 R6は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-SH又は-CH3であり、 R'2は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-N3,-SH,-CH3又は-Etであり、 R'3は-H,ハロゲン,-CF3,-SH,アルキル、アリール、5員もしくは6員の 複素環式芳香族基、又はシアノであり、 R'4は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-SH,-CH3,-Et、アルキル、アリー ル、又は5員もしくは6員の複素環式芳香族基であってウレア又はカルバメート 結合を通じてR'4位でO又はN又はSに付着されている複素環式芳香族基であり 、 R'5はアルキル、アリール、5員もしくは6員の複素環式芳香族基、複素環式 アルキル、複素環式アリール、アリールアルキル、複素環式アリールアルキル、 多芳香族基、多複素環式芳香族基であり、前記R'5は極性基又は帯電基により置 換されてもよく、 R'6は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-SH,-CH3又は-Etであり、 XはO,S,SO2,NH,NR7,CH2,CHR7又はCR7R7であり、ここでR7はアルキル 、アリール又は5員もしくは6員の複素環式芳香族基であり、そして ’R1−’R6基とR1−R6基のうちのいずれか1つをBへの結合によって置き替 えることができる) により定義される、請求項43に記載のキット。 45.前記合成甲状腺ホルモンが下式II: (上式中、Yはエステルと適合する基である) により定義される、請求項43に記載のキット。 46.細胞外マトリックス構築に対する合成甲状腺ホルモンの効果をアッセイす るためのキットであって、 a)ヒアルロン酸とプロテオグリカンモノマーの存在下で10マイクロモル以下 の濃度で小柱網細胞と接触させるための合成甲状腺ホルモン;及び b)前記小柱網細胞に結合した細胞外マトリックスの量を測定するための手段 を含んで成るキット。 47.前記合成甲状腺ホルモンが下式I: (式中、 R1であり、 R2は-H,ハロゲン,CF3,OH,NH2,SH,CH3又は-Etであり、 R3は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-N3,-SH,-CH3又は-Etであり、 R5は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-N3,-SH,-CH3又は-Etであり、 R6は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-SH又は-CH3であり、 R'2は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-N3,-SH,-CH3又は-Etであり、 R'3は-H,ハロゲン,-CF3,-SH,アルキル、アリール、5員もしくは6員の 複素環式芳香族基、又はシアノであり、 R'4は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-SH,-CH3,-Et、アルキル、アリー ル、又は5員もしくは6員の複素環式芳香族基であってウレア又はカルバメート 結合を通じてR'4位でO又はN又はSに付着されている複素環式芳香族基であり 、 R'5はアルキル、アリール、5員もしくは6員の複素環式芳香族基、複素環式 アルキル、複素環式アリール、アリールアルキル、複素環式アリールアルキル、 多芳香族基、多複素環式芳香族基であり、前記R'5は極性基又は帯電基により置 換されてもよく、 R'6は-H,ハロゲン,-CF3,-OH,-NH2,-SH,-CH3又は-Etであり、 XはO,S,SO2,NH,NR7,CH2,CHR7又はCR7R7であり、ここでR7はアルキル 、アリール又は5員もしくは6員の複素環式芳香族基であり、そして ’R1−’R6基とR1−R6基のうちのいずれか1つをBへの結合によって置き替 えることができる) により定義される、請求項46に記載のキット。 48.前記合成甲状腺ホルモンが下式II: (上式中、Yはエステルと適合する基である) により定義される、請求項46に記載のキット。 49.眼内圧を低下させるための医薬組成物であって、治療有効量の合成甲状腺 ホルモンを含んで成る医薬組成物。 50.医薬として許容される担体を含んで成る、請求項49に記載の医薬組成物。 51.局所投与用である、請求項50に記載の医薬組成物。 52.眼内投与用である、請求項50に記載の医薬組成物。 【手続補正書】 【提出日】平成12年1月17日(2000.1.17) 【補正内容】 明細書第51頁7行目の「図3」を『図5』に補正します。 明細書第51頁15行目の「図4」を『図6』に補正します。 明細書第51頁下から6行目の「図5」を『図7』に補正します。 明細書第52頁9行目の「図6」を『図8』に補正します。 明細書第56頁4行目の「図6」を『図9』に補正します。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 バクスター,ジョン ディー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94127, サンフランシスコ,サン パブロ アベニ ュ 131 (72)発明者 ジャンパー,マイケル ディー. アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27705,ダーハム,ブラウン アベニュ 2729 (72)発明者 スキャンラン,トーマス エス. アメリカ合衆国,カリフォルニア 94122, サンフランシスコ,モラガ ストリート 2525

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.治療薬として有用な化合物の同定方法であって: 化合物を小柱網細胞と接触させる工程、及び 上記小柱網細胞への上記化合物の結合を検出する工程、 を含み、ここで上記化合物が10マイクロモル以下の濃度をもつ、前記同定方法。 2.前記検出工程が、ヒト小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌における減少を 計測することを含み、そしてさらにGAG生産を調節するために有用な化合物を選 択することを含む、請求項1に記載の方法。 3.前記検出工程が、ヒト小柱網細胞内の細胞内レセプターへの前記化合物の 結合を計測することを含む、請求項1に記載の方法。 4.前記化合物が、合成甲状腺ホルモンである、請求項2に記載の方法。 5.前記合成甲状腺ホルモンが合成甲状腺ホルモンのエステル化された誘導体 である、請求項4に記載の方法。 6.前記合成甲状腺ホルモンが、TS1,TS2,TS3,TS4,TS5,TS6,TS7 ,TS8,TS9及びTS10から成る群から又はそのエステル化誘導体から選ばれる、 請求項4に記載の方法。 7.前記合成甲状腺ホルモンがエステル誘導体である、請求項6に記載の方法 。 8.前記合成甲状腺ホルモンを合成する工程をさらに含み、そして1.0マイク ロモル以下の濃度における前記合成甲状腺ホルモンが、前記合成甲状腺ホルモン の非存在下で培養された前記小柱網細胞からの前記ヒアルロン酸分泌に比較して 少なくとも30%前記ヒアルロン酸分泌を減少させる、請求項4に記載の方法。 9.哺乳類の眼に前記合成甲状腺ホルモンを局所的に適用する工程をさらに含 み、そして前記小柱網細胞がウサギ、ラット、マウス、ブタ、ネコ又はサルの眼 から単離された、請求項1に記載の方法。 10.前記検出工程が、前記小柱網細胞への前記化合物の結合を測定するための 機能アッセイにより前記化合物の存在下及び非存在下、前記化合物の結合性を間 接的に計測することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 11.ヒアルロン酸分泌の阻害方法であって: ヒアルロン酸を分泌する細胞からのヒアルロン酸分泌を阻害する合成甲状腺ホ ルモンの一定量を非全身的に適用することを含み、ここで、10マイクロモル以下 の濃度における上記合成甲状腺ホルモンが、37℃で3日間培養後の上記合成甲状 腺ホルモンの非存在下で培養されたヒト小柱網細胞に比較して37℃で3日間培養 後の培養ヒト小柱網細胞からの全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%を阻害し、 但し、上記非全身的適用が、1)T3の結膜下注射、又は2)天然組織から単離 されたT3又はT4の局所的適用、を含まない、前記方法。 12.1マイクロモルの濃度における前記合成甲状腺ホルモンが、培養されたヒ ト小柱網細胞内の全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%を阻害する、請求項11に 記載の方法。 13.0.1マイクロモルの濃度における前記合成甲状腺ホルモンが、培養された ヒト小柱網細胞内の全ヒアルロン酸分泌の少なくとも10%を阻害する、請求項12 に記載の方法。 14.前記細胞が、ヒト小柱網細胞である、請求項12に記載の方法。 15.前記ヒト小柱網細胞が、小柱網内にある、請求項14に記載の 方法。 16.前記合成甲状腺ホルモンが、眼に適合性の医薬担体と共に適用される、請 求項14に記載の方法。 17.前記医薬担体が、眼に適合性の生理食塩水である、請求項16に記載の方法 。 18.前記合成甲状腺ホルモンが、エステル誘導体である、請求項16に記載の方 法。 19.前記合成甲状腺ホルモンが、リポソーム混合物中にある、請求項16に記載 の方法。 20.前記合成甲状腺ホルモンが、拡散による前記合成ポリマーを放出すること ができる合成ポリマー中に配置された、請求項16に記載の方法。 21.緑内障の治療方法であって: 眼に対する合成甲状腺ホルモンの眼科学的有効量をその治療の必要な眼に投与 する工程、 を含み、但し、上記投与量が、1)T3又はT4の結膜下注射、2)天然組織から 単離されたT3又はT4の局所的適用、又は3)白内障を患う眼へのT3又はT4の 投与、を含まない、前記方法。 22.前記投与が、眼適合性の医薬担体中の眼に対する前記合成甲状腺ホルモン を局所的に適用することを含む、請求項21に記載の方法。 23.前記局所的適用が、眼挿入物又は眼インプラントから前記合成甲状腺ホル モンの拡散を含む、請求項22に記載の方法。 24.前記眼インプラントが、コンタクトからの合成甲状腺ホルモンの拡散を許 容するようにその合成甲状腺ホルモンで含浸された眼コンタクトである、請求項 23に記載の方法。 25.前記局所的適用が、眼適合性の医薬担体と共に前記合成甲状 腺ホルモンを適用することを含む、請求項22に記載の方法。 26.前記眼適合性医薬担体が、前記STHを持続性放出することができる生物学 的分解性のポリマーを含む、請求項25に記載の方法。 27.前記有効量が、0.1ng〜20ng/眼/日である、請求項26に記載の方法。 28.哺乳類の眼に合成甲状腺ホルモンを局所的に適用し、そして上記局所的適 用工程の前及び後に眼内圧を計測することにより、1マイクロモル以下の濃度に おける合成甲状腺ホルモンが、その合成甲状腺ホルモンの非存在下で培養された 前記小柱網細胞からのヒアルロン酸分泌に比較して少なくとも30%前記小柱網細 胞からのヒアルロン酸分泌を減少させる、請求項26に記載の方法。 29.前記投与が、前記STHを持続性放出することができるポリマーを含む眼内 持続性放出デバイスを外科手術により移植し又は注射することを含む、請求項21 に記載の方法。 30.前記ポリマーが生物学的分解性である、請求項29に記載の方法。 31.小柱網細胞内の合成甲状腺ホルモンを含み;ここで、その合成甲状腺ホル モンが血液−眼関門を通過しない、組成物。 32.前記合成甲状腺ホルモンが、合成甲状腺ホルモンのエステル化された誘導 体である、請求項31に記載の組成物。 33.前記小柱網細胞が、眼外植体からのヒト小柱網細胞である、請求項31に記 載の組成物。 34.前記合成甲状腺ホルモンが、ヒト甲状腺レセプターに結合している、請求 項31に記載の組成物。 35.前記合成甲状腺ホルモンが、少なくとも0.04ng/dlの前記小柱網細胞内濃 度をもち、そして前記小柱網細胞がヒト小柱網細胞である、請求項34に記載の組 成物。 36.合成甲状腺ホルモン及び眼適合性医薬担体を含む組成物。 37.前記合成甲状腺ホルモンが、合成甲状腺ホルモンのエステル化された誘導 体である、請求項36に記載の組成物。 38.前記眼適合性医薬担体が、バッファー生理食塩水溶液である、請求項36に 記載の組成物。 39.前記眼適合性医薬担体がリポソームである、請求項38に記載の組成物。 40.前記眼適合性医薬担体が生物学的分解性の合成ポリマーである、請求項36 に記載の組成物。 41.合成甲状腺ホルモンで含浸された眼コンタクトを含む組成物。 42.前記合成甲状腺ホルモンが、合成甲状腺ホルモンのエステル化誘導体であ る、請求項41に記載の組成物。 43.緑内障の治療方法であって: 合成甲状腺ホルモンの有効量をその治療の必要な患者に全身的に投与する、 ことを含む方法。 44.眼房水流出及びIOPの低下に対する効果についてSTHをスクリーニングする 方法であって: a)10マイクロモル以下の濃度において小柱網細胞を上記STHと接触させ; b)上記STHとの接触後に上記小柱網細胞の水力学的伝導性を計測する、 ことを含む方法。 45.前記STHが式(I)により定義される、請求項44に記載の方法。 46.前記STHが式(II)により定義される、請求項44に記載の方 法。 47.細胞外マトリックス・アセンブリーに対するSTHの効果をアッセイする方 法であって: a)HAとプロテオグリカン・モノマーの存在下10マイクロモル以下の濃度にお けるSTHと小柱網細胞を接触させ; b)上記小柱網細胞に結合した細胞外マトリックスの量を測定する、 ことを含む、前記方法。 48.前記化合物が式(I)により定義される、請求項47に記載の方法。 49.前記化合物が式(II)により定義される、請求項47に記載の方法。 50.眼内圧の低下のための組成物中に治療的有効量における知られた甲状腺ホ ルモンを使用する方法。 51.前記組成物が医薬として許容される担体を含む、請求項50に記載の方法。 52.前記組成物が局所的に投与される、請求項51に記載の方法。 53.前記組成物が眼内に投与される、請求項51に記載の方法。
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