JP2002347574A - シートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
容器を破壊する圧力に達する前に、当該圧力保持容器内
の圧力を低下させることができるリトラクタを備えたシ
ートベルト装置を提供する。 【解決手段】 圧力保持容器であるL型パイプ70内に
移動可能に配置される押出し部材42と、L型パイプ7
0に取付けられ、押出し部材42を一方向に押出す高圧
力を発生するガス発生装置32と、を備え、L型パイプ
70は、一方向に押出された押出し部材42がその初期
の位置に戻る際に変形して、L型パイプ70の外部に連
通する隙間52を形成するシートベルト装置である。
Description
エビングによって座席に拘束し、衝突の際等の安全を図
るシートベルト装置に関し、特に、緊急の際にウエビン
グを強制的に巻取る機能を備えるリトラクタの改良に関
する。
ートベルト装置が使用される。このシートベルト装置に
は、例えば、引出されたウエビング(ベルト)を巻戻す
と共に緊急の際にウエビングの引出しを阻止(巻取りは
可能)するロック機構を備えたリトラクタが設けられて
いる。また、このリトラクタに、更に、プリテンショナ
と捻れ軸(トーションバー)とを組合わせたものもあ
る。プリテンショナは、衝突の際にウエビングを強制的
にリールに巻取ってウエビングの弛みを除去する。捻れ
軸はリールの回転軸に用いられており、衝突後に生ずる
乗員の前方移動によってウエビングに所定値を超える力
が作用すると、一端側がロック機構によってロックさ
れ、他端側がリールに結合された回転軸が塑性(捻れ)
変形してリールを回転させてウエビング引出しを可能と
し、乗員に加わる力を抑制するようにしている。
等の圧力保持容器内に移動可能に配置されるピストン
と、前記圧力保持容器に取付けられ、前記ピストンを一
方向に押出す高圧力を発生するガス発生装置を備えてお
り、このプリテンショナが作動した際には、前記ガス発
生装置から生じるガス圧によってピストンを一方向に移
動させてウエビングを巻き込み、プリテンショナの作動
が終了した後には、フォースリミッタが作動して当該プ
リテンショナを逆作動し、前記ピストンが逆方向に押し
戻されて、圧力保持容器内のガスをさらに圧縮し、フォ
ースリミッタの作動する荷重が、フォースリミッタ単体
で設定している荷重よりも高くなってしまう。
り圧縮されたガスを圧力保持容器内から開放する工夫が
提案されており、例えば、特開平9−188223号公
報には、そのような例が記載されている。この公報に記
載されたベルト緊急引締め装置用リニア駆動装置は、圧
力保持容器(円筒チューブ)に、外部と連通する開口を
形成し、この開口に吹抜けパッチを取り付けた構成を備
えている。このリニア駆動装置では、前記圧力保持容器
内の圧力が高くなった際に、当該圧力によって吹抜けパ
ッチを破るあるいは吹抜けパッチごと外すことで、圧力
保持容器内で圧縮されたガスを外部に開放している。あ
るいは、さらに吹抜けパッチに細管を設け、この細管に
よって、圧力の調整を行っている。
ば、特開平9−188223号公報に記載されているよ
うな構造では、圧力保持容器内の圧力を外部に、必ずし
も十分に開放することができない場合がある虞れがあ
る。
改良することを課題とするものであり、圧力保持容器内
が、ガス圧によって圧力が大きく上昇する前に、当該圧
力保持容器内の圧力を低下させることができるリトラク
タを備えたシートベルト装置を提供することを目的とす
る。
に本発明は、圧力保持容器内に移動可能に配置される移
動体と、前記圧力保持容器に取付けられ、前記移動体を
一方向に押出す高圧力を発生するガス発生装置と、を備
え、前記圧力保持容器は、前記一方向に押出された移動
体がその初期の位置に戻る際に変形して、当該圧力保持
容器外部に連通する隙間を形成するシートベルト装置を
提供するものである。
方向に押出された移動体がその初期の位置に戻ることに
より圧力保持容器内のガスを圧縮すると、この時に生じ
る圧力によって、当該圧力保持容器が変形して外部に連
通する隙間を形成することができる。したがって、圧力
保持容器内のガスが当該隙間から外部に放出される(開
放される)ため、圧力保持容器内の圧力を低下させるこ
とができる。
向に対し略垂直な断面形状が四角形を有し、前記一方向
に押出された移動体がその初期の位置に戻る際に当該圧
力保持容器の平面部が変形し、前記移動体との間に前記
隙間を形成するよう構成することができる。
一部が、他の部分の厚みより薄く形成された薄肉部から
なり、前記一方向に押出された移動体がその初期の位置
に戻る際に当該薄肉部が変形し、前記移動体との間に前
記隙間を形成するよう構成することもできる。
方向に押出された移動体がその初期の位置に戻る際に、
当該圧力保持容器の内容積が増加するよう変形させるこ
ともできる。この構成により、前記圧力容器内のガスが
前記隙間から放出されることによる圧力低下と、当該圧
力保持容器の内容積の増加による圧力低下の両方を達成
することができる。したがって、圧力保持容器内の圧力
をより効率よく低下させることができる。
一部が伸縮可能に構成され、前記一方向に押出された移
動体がその初期の位置に戻る際に、その初期の状態より
伸び、当該圧力保持容器の内容積を増加させるよう構成
することもできる。
動可能に配置される移動体と、前記圧力保持容器に取付
けられ、前記移動体を一方向に押出す高圧力を発生する
ガス発生装置と、を備え、前記圧力保持容器は、前記一
方向に押出された移動体がその初期の位置に戻る際に、
当該圧力保持容器の内容積が増加するよう変形するシー
トベルト装置を提供するものである。
方向に押出された移動体がその初期の位置に戻ることに
より圧力保持容器内のガスを圧縮すると、この時に生じ
る圧力によって、当該圧力保持容器の内容積が増加する
よう変形するため、圧力保持容器内の圧力を低下させる
ことができる。
伸縮可能に構成され、前記一方向に押出された移動体が
その初期の位置に戻る際に、その初期の状態より伸び、
当該圧力保持容器の内容積を増加させるよう構成するこ
とができる。
は、前記圧力保持容器を固定するケースと、リトラクタ
シャフトと同軸に配置されて、外周が一方向に回転する
と、前記リトラクタシャフトと連結するクラッチ部と、
前記クラッチ部の外周に一端側が巻回され、他端側が前
記移動体を経由して前記ケースに形成された収納部内に
て係止されるワイヤと、をさらに備え、前記移動体がそ
の初期の配置位置から他方向に移動したときに、前記ワ
イヤの他端側の係止が解除されるよう構成することもで
きる。
圧力保持容器に潜り込んだときワイヤの一端が外れるの
で、部材を破断せずとも、ワイヤがリトラクタシャフト
の回転を妨げない構造を得ることが可能となる。
ついて図面を参照して説明する。なお、各図において、
対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略す
る。 (実施の形態1)図1は、プリテンショナを備えたシー
トベルト装置用リトラクタをその軸方向側面から見た状
態で示す説明図であり、図2に示すI−I線に沿った
(プリテンショナ部における)一部断面図にて示してい
る。図2は、図1に示すリトラクタのII−II線に沿った
(プリテンショナ部における)断面図である。図3は、
クラッチ部の構成を説明する説明図である。図4及び図
5は、クラッチの動作を説明する説明図、図6及び図7
は、図2に示す角筒状部付近を拡大して示す断面図であ
る。
装置のリトラクタ10は、ウエビング2を巻き取るリト
ラクタ本体13と、このリトラクタ本体13の右端側部
に設けられた緊急ロック機構14と、左端側に設けられ
たプリテンショナ12及び巻き取りばね装置11を備え
る。
き取りまたは引き出し自在な巻き取りリール22を備え
る。リール22は後述のスリーブ44aを介して巻取軸
であるリトラクタシャフト24に連結される。リール2
2はリトラクタシャフト24の左端側に連結された巻取
りバネ装置11によりウエビング2が巻き取られる方向
に常時付勢されている。リトラクタシャフト24の右端
側に設けられた緊急ロック機構14は、加速度センサが
所定値を超える減速度を検出したとき、あるいはウエビ
ング2が所定値以上の加速度で引き出されるときに作動
し、リトラクタシャフト24のベルト引出し方向の回転
を阻止する。それにより、リール22からウエビング2
が引出されることを防止し、乗員の前方移動を阻止す
る。
なった場合でもリトラクタシャフト24のウエビング巻
取り方向の回転を許容し、衝突の際のプリテンショナ1
2によるウエビング巻取り(弛み除去)を可能としてい
る。
22内に収納された部分は捻れシャフト24aとされて
いる。捻れシャフト(トーションバー)をリトラクタに
用いる例は、例えば、特開昭46−7710号公報や特
開平9−286302号公報に示されている。緊急ロッ
ク機構14の作動後にウエビング2に過大な引出し力が
加わると、リール22に回転力が作用する。右端側がロ
ックされ、左端側がスリーブを介して相対回転不能にリ
ールに結合された捻れシャフト24aは、ねじられて塑
性変形し、ウエビング2の引出しを可能とする。
円筒部72と角筒状部74によって構成される圧力保持
容器としてのL型パイプ70と、L型パイプ70に取付
けられ、ロッド36を一方向(図1でいう上方)に押出
す高圧力を発生するガス発生装置32と、ロッド36
と、ロッド36の下端に設けられた押出し部材42と、
ワイヤ40、クラッチ機構44などによって構成され
る。
出し部材42とで、本発明でいう移動体を構成してい
る。
円筒部72と角筒状部74とが連結されて形成されてい
る。くびれ部76は、上部側が深くくびれ、その下部側
は緩やかなテーパ部となっている。角筒状部74の下端
側の平面部51は、特に図6に示すように、ロッド36
が押し下げられてL型パイプ70内の圧力が所定以上に
なった際に変形可能となっており、この変形によって押
出し部材42と角筒状部74との間に隙間52を形成す
る。そして、この隙間52からL型パイプ70内のガス
を外部に逃がし、L型パイプ70内の圧力を低下させ
る。
に嵌挿され、該開口部をかしめて取付けられる。ガス発
生装置32は、図示しない、電極と、点火装置と、高圧
ガス発生剤とを備える。電極には、車両の衝突時に発生
する急激な加速度を検出する図示しないショックセンサ
からの信号を伝える点火信号伝達用ハーネスが接続され
ている。ショックセンサから点火信号が電極に伝えられ
ると、点火装置が高圧ガス発生剤を発火させて高圧ガス
を瞬時に発生させる。なお、ガス発生装置32の取付け
は螺合やキャップによる取付けであってもよい。
し部材42と移動体としてのロッド36が収納配置され
る。押出し部材42は、特に図7に拡大して示すよう
に、シール機能(ガス漏れ防止)を有する耐熱性の弾性
体であり、発生ガスの圧力によって角筒状部74内を移
動し、ロッド36の後端を押上げる。
形の角筒状部74(シリンダ)に対応して四角形のピス
トン42b及びシール部材42cによって構成すること
ができる。ピストン42bの中央には穴42aが形成さ
れている。この穴42aは、急激に膨張するガス(例え
ば、ガス発生装置32から発生するガス)に対しては比
較的に通し難いが、ロッド36が下る際にはL型パイプ
70内のガス抜き(圧力抜き)穴として機能する。この
穴42aは、例えば、内径1mm、長さ3〜6mm程度
に形成される。シール部材42cは、ゴム、樹脂等の可
塑性のものが使用される。ピストン42bは、鉄、硬質
プラスチック等のシール部材42cよりも堅いもの(剛
体)が選択される。
(配置位置)は、押出し部材42と角筒状部74の内壁
との間の摩擦により、あるいは、角筒状部74内壁の複
数の小突起(図示せず)などによって保持される。
れており、その上部にワイヤ40と滑り可能に接するロ
ーラ36aが配設されている。ワイヤ40は、その一端
部にかしめ玉46が取付けられ、他端側はクラッチ機構
44のプーリ44cに巻回され、このプーリ44cにフ
ック、溶接、ねじ止などによって固定される。かしめ玉
46は、ケース26のストッパ部26b、ロアケース部
26d、角筒状部74及びロッド36によって画定され
る空間(かしめ玉収納空間)26aに収納配置される。
プリテンショナ作動前の初期状態では、ロッド36によ
って、かしめ玉収納空間26aとケース26内部空間と
の連通口(出口)26eが閉じられており、かしめ玉4
6は、ストッパ部26bに突き当って係止されている。
断面図であり、かしめ玉46は、ストッパ部26bの壁
に形成された「U」字状の溝にワイヤ40を通し、かし
め玉46の端部をストッパ部26bの壁に当てて係止し
ている。このような、一部がケース26の内部空間側に
開放した「U」字溝を使用することによってかしめ玉4
6が容易に外れるようにしている。
ような構成となっており、同心に配置される、スリーブ
44aと、プレート44bと、プーリ44cと、を備え
ている。プレート44bには、軸方向に折曲げられた複
数の突起(爪)44bbが形成される。
うに、リトラクタシャフト24の左端側に取付けられか
つリール22と相対回転不能に連結されている。スリー
ブ44aのプーリ44cと対向する面には軸(リトラク
タシャフト24)を一周する多数の溝山(ローレット
目)44aaが軸方向に形成され、プレート44bの突
起44bbが接触すると噛合力を発生する。
が取付けられ、内周面にカム面が形成される。このカム
面は、プレート44bの突起44bbを介してスリーブ4
4aの溝山部と対向する。プーリ44cは剪断ピン26
caが孔44caに嵌合するによってケース26に保持
される。
を説明する説明図である。図4に示す初期状態におい
て、ロッド36が移動してワイヤ40を押上げると、プ
ーリ44cが反時計方向に回転する。それにより、プー
リ44cを保持する剪断ピン26caが折られる。この
とき、プレート44bは自身の慣性により、プーリ44
cの回転に追従できず、プーリ44cとプレート44b
との間に回転位相差が生ずる。このため、プーリ44c
のカム面により突起44bbが軸心側に曲げられてスリー
ブ44aの溝山44aaに突き当る。そして、図5に示
すように、プーリ44cの内面とスリーブ44aの溝山
との間にプレート44bの突起44bbが介在することと
なり、クラッチの結合状態となる。プーリ44cの回転
が、突起44bb及びスリーブ44aを介してリトラクタ
シャフト24に伝達される。それにより、リール22が
回転してウエビング2の巻取りが可能となる。
リール22の外径よりも小径となっている。プーリ44
cには、ワイヤ40がほぼ2回巻き付けられており、ワ
イヤとブーリ22によって、いわゆる「つるべ方式」に
よる増速機構が構成される。
備えたシートベルト装置の動作について、図面を参照し
て説明する。
ング2を装着した初期状態では、プリテンショナ12
は、図2及び図4に示す初期状態にある。この初期状態
の場合、両図に示すように、プレート44bの突起部4
4bbとスリーブ44aは離間しているので、クラッチ機
構44はプリテンショナ12には何ら関与せず(非結合
状態)、リトラクタシャフト24は、ウエビング引出し
方向に回動自在である。
急激な速度減が生じたとする。これにより、緊急ロック
機構14が作動してリトラクタシャフト24のウエビン
グ引出し方向の回転を阻止する。また、ガス発生装置3
2は、瞬時に加圧ガスを発生し、この加圧ガスが圧力室
(円筒部72内)に放出される。これにより、押出し部
材42に下方から急激な押圧力が作用し、図9に示すよ
うに、角筒状部74に収納されたロッド36全体が上方
に向かって瞬時のうちに押し出される。
ッド36の先端を押えているワイヤ40の力に優るの
で、ロッド36は、ワイヤ40の中間部を押しながら上
方に移動する。
チ機構44のプーリ44cの外周に固定され、他端はプ
ーリ44cに1回以上巻回した上でストッパ部26bに
係止されている。このため、ロッド36によって押出さ
れたワイヤ40は、引出された分、すなわちロッドの移
動距離の2倍の長さ分だけクラッチ機構44のプーリ4
4cに巻回されたワイヤ部分を引出す。これにより、プ
ーリ44cがその引出し量に対応した角度だけ回転す
る。つまり、前述したように、ワイヤ40は、いわゆる
「つるべ」方式で2倍の増速作用を発揮し、クラッチ外
周となるプーリ44cをその増速状態で図9でいう反時
計回りに回転する。なお、この時点では、プーリ44c
とプレート44bは、剪断ピン26caで固定されてい
る。
bとにズレが生じ、プーリ44c内周の複数のカム面が
それぞれプレート44bの複数の突起44bbを変形して
内方に押出し、突起44bbはスリーブ44aに噛込ま
れ、クラッチ機構44が噛み合う(図5参照)。これに
より、ワイヤ40、プーリ44cで代表される増速機構
とリトラクタシャフト24とが結合し、プリテンショナ
12によって駆動されるクラッチ機構44の回転と一体
にリトラクタシャフト24も反時計回りに回転する。リ
トラクタシャフト24の回転に伴ってリール22はウエ
ビング2の巻取り方向に回転し、ウエビング2の弛みを
除去するように作用して、乗員を座席に拘束する。ウエ
ビング2は極めて短時間の内にリール22に巻き取られ
る。
ョナ12の作動終了)、その後、衝突時の乗員の慣性移
動によりウエビング2に引出し力が加わる。この引出し
力は、ウエビング2、巻取りリール22、スリーブ44
aを介してリトラクタシャフト24に伝達される。前述
したように、緊急ロック機構14がリトラクタシャフト
24の右端側でリトラクタシャフト24のウエビング引
出し方向の回転を阻止しているので、引出し力が所定値
を超えると、リトラクタシャフト(捻れ軸)24aが塑
性変形し、捻れて回転する(エネルギー吸収開始)その
分、リール22からウエビング2の引出しが許容され
る。
し方向に回転すると、リトラクタシャフト24に結合し
ているプーリ44cが逆方向に回転して、ワイヤ40を
プーリ44cの外周に巻上げ(巻付け)、図10に示す
ように、ワイヤ40を介してロッド36を初期位置方向
に向けて押戻す。この時、ロッド36がL型パイプ70
内に戻ることにより、L型パイプ70内のガスが圧縮さ
れ、圧力が上昇する。この圧力によって、角筒状部74
の下端側の平面部51が、図6に示すように外側に向け
て膨らむように変形し、押出し部材42と角筒状部74
との間に隙間52を形成する。圧縮されたガスは、この
隙間52を介して、ロッド36と角筒状部74との間の
間から外部に放出される。これと同時に、押出し部材の
穴42aからもガスが抜ける。これによって、L型パイ
プ70内の圧力を低下させることができると共に、ロッ
ド36が円滑に戻る。
るように、その初期位置よりも更に押戻されると、ロッ
ド36によって閉じられていたかしめ玉収納空間26a
の連通口26eが開き、かしめ玉46がケースの内部空
間に移動可能となる。クラッチ機構44の回転によって
ワイヤ40が更に巻取られ、かしめ玉46がかしめ玉収
納空間26aから引出される。かしめ玉46がストッパ
部26bから外れ、ワイヤ40の係止状態の解除とな
る。
と、クラッチ機構44の回転を制限するものがなくな
り、クラッチ機構44に結合したリトラクタシャフト2
4の更なる捻れ回転が許容される。
加速度が検出されると、ウエビングを短時間で締め上げ
て乗員を座席に拘束し、その後、乗員の慣性移動によっ
て乗員に所定値を超える荷重が加わると軸の捻れによっ
てウエビングの引出しを許容し、乗員に加わる荷重を抑
制することが可能となる。また、この際に、プリテンシ
ョナは捻れ軸の作動を妨げない。
の上部を、断面四角形の角筒状部74から構成した場合
について説明したが、これに限らず、断面形状は円形、
楕円形、多角形等、所望により決定してよい。
してのL型パイプ70を、円筒部72と角筒状部74に
よって構成した場合について説明したが、これに限ら
ず、圧力保持容器は、一本のパイプ等によって構成して
もよい。
プ70の平面部51を変形可能にし、この変形によっ
て、押出し部材42との間に隙間52を形成すること
で、L型パイプ70内のガスを外部に放出する場合につ
いて説明したが、これに限らず、L型パイプ70は、ロ
ッド36がその初期の位置に戻る際に変形して、外部に
連通する隙間を形成することが可能であれば、他の構成
を備えていてもよい。
装置について、ウエビングにかかる張力と、時間との関
係について調査した。また、比較として、角筒状部が変
形しない以外は、実施の形態1と同様の構成を備えた従
来のシートベルト装置についても同様の調査を行った。
この結果を図18に示す。
ベルト装置は、従来のシートベルト装置に比べ、エネル
ギー吸収機構作動範囲において、ウエビングにかかる張
力が滑らかになっていることが判る。この結果から、実
施の形態1にかかるシートベルト装置はエネルギー吸収
荷重(フォースリミッタの作動する荷重)の安定化を図
ることができることが立証された。 (実施の形態2)図13〜図15は、実施の形態2にか
かるシートベルト装置の角筒状部付近を示す拡大図断面
図であり、図13は、プリテンショナ作動時を、図14
は、プリテンショナ作動完了時を、図15は、ロッドが
初期位置方向に向けて押戻される時を示している。
説明した部材に対応する部材には、同一の符号を付し、
重複説明を省略する。
2にかかるシートベルト装置の、実施の形態1にかかる
シートベルト装置との異なる点は、角筒状部74の側壁
部の一部が、他の部分の厚みより薄く形成された薄肉部
151から構成され、L型パイプ70の内の圧力が所定
値以上高くなった際に、この薄肉部151が外部に膨張
するように変形し、押出し部材42と角筒状部74との
間に、L型パイプ70の内部と外部を連通させる隙間5
2を形成するよう構成されている点である。
備えたシートベルト装置の動作について説明する。
り、着座してウエビングを装着した初期状態では、プリ
テンショナ12は、図2及び図4に示す初期状態にあ
る。
急激な速度減が生じると、実施の形態1と同様にロッド
36全体が上方に向かって瞬時のうちに押し出される
(図13参照)。これにより、ウエビング2の弛みが除
去されて、乗員を座席に拘束する。
員の慣性移動によりウエビング2に引出し力が加わった
後、実施の形態1と同様にリトラクタシャフト24がウ
エビング引出し方向に回転すると、ワイヤ40を介して
ロッド36を初期位置方向に向けて押戻す。この時、ロ
ッド36がL型パイプ70内に戻ることにより、L型パ
イプ70内のガスが圧縮され、圧力が上昇する。この圧
力によって、角筒状部74の薄肉部151が、図14に
示すように外側に向けて膨らむように変形し始める。
5に示すように、薄肉部151の変形により押出し部材
42と角筒状部74との間に隙間52が形成される。圧
縮されたガスは、この隙間52を介して、ロッド36と
角筒状部74との間の間から外部に放出される。これと
同時に、押出し部材の穴42aからもガスが抜ける。こ
れによって、L型パイプ70内の圧力を低下させること
ができると共に、ロッド36の戻りの円滑が図られる。
46がストッパ部26bから外れ、ワイヤ40の係止状
態の解除となり、クラッチ機構44の回転を制限するも
のがなくなり、クラッチ機構44に結合したリトラクタ
シャフト24の更なる捻れ回転が許容される。
装置について、実施の形態1と同様に、ウエビングにか
かる張力と、時間との関係について調査したところ、図
18に示す結果と同様の結果が得られた。これより、実
施の形態2にかかるシートベルト装置も、実施の形態1
にかかるシートベルト装置と同様に、エネルギー吸収荷
重の安定化を測ることができることが立証された。 (実施の形態3)図16及び図17は、実施の形態3に
かかるシートベルト装置の角筒状部付近を示す拡大図断
面図であり、図16は、プリテンショナ作動時を、図1
7は、ロッドが初期位置方向に向けて押戻される時を示
している。
説明した部材に対応する部材には、同一の符号を付し、
重複説明を省略する。
態3にかかるシートベルト装置の、実施の形態1にかか
るシートベルト装置との異なる点は、角筒状部74の側
壁部の一部が、伸縮可能な蛇腹部251から構成され、
L型パイプ70の内の圧力が所定値以上高くなった際
に、蛇腹部251が初期の状態より伸び、L型パイプ7
0内容積を増加させるよう構成されている点である。
備えたシートベルト装置の動作について説明する。
り、着座してウエビング2を装着した初期状態におい
て、車両に衝突時等の急激な速度減が生じると、ロッド
36全体が上方に向かって瞬時のうちに押し出される
(図16参照)。これにより、ウエビング2の弛みが除
去されて、乗員を座席に拘束する。
1と同様にリトラクタシャフト24がウエビング引出し
方向に回転すると、ワイヤ40を介してロッド36を初
期位置方向に向けて押戻す。この時、ロッド36がL型
パイプ70内に戻ることにより、L型パイプ70内のガ
スが圧縮され、圧力が上昇する。この圧力によって、角
筒状部74の蛇腹部251が、図170に示すように伸
びて変形し、L型パイプ70内の内容積を増加させる。
これと同時に、押出し部材の穴42aからもガスが抜け
る。これによって、L型パイプ70内の圧力を低下させ
ることができると共に、ロッド36の戻りの円滑が図ら
れる。
46がストッパ部26bから外れ、ワイヤ40の係止状
態の解除となり、クラッチ機構44の回転を制限するも
のがなくなり、クラッチ機構44に結合したリトラクタ
シャフト24の更なる捻れ回転が許容される。
装置について、実施の形態1と同様に、ウエビングにか
かる張力と、時間との関係について調査したところ、図
18に示す結果と同様の結果が得られた。これより、実
施の形態3にかかるシートベルト装置も、実施の形態1
にかかるシートベルト装置と同様に、エネルギー吸収荷
重の安定化を測ることができることが立証された。
伸びることにより、L型パイプ70内の内容積を増大さ
せてL型パイプ70内の圧力を低下させる場合について
説明したが、これに限らず、押出された押出し部材42
が、その初期の位置に戻る際に、L型パイプ70の内容
積が増加するよう変形可能であれば、他の構成を備えて
いてもよいことは勿論である。
の形態1及び2で説明した構成と組み合わせることもで
きる。
ートベルト装置は、圧力保持容器内の圧力がガス圧によ
って大きく上昇する前に、該圧力保持容器内の圧力を低
下させることができるリトラクタを備えているため、移
動体を円滑に元の位置に戻すことができる。また、フォ
ースリミッタ作動時におけるプリテンショナの逆作動力
の影響を削減することができる。
を備えたシートベルト装置用リトラクタをその軸方向側
面から見た状態で示す説明図であり、図2に示すI−I
線に沿った(プリテンショナ部における)一部断面図で
ある。
リテンショナ部における)断面図である。
を備えたシートベルト装置用リトラクタのクラッチ部の
構成を説明する説明図である。
を備えたシートベルト装置用リトラクタのクラッチの動
作を説明する説明図である。
を備えたシートベルト装置用リトラクタのクラッチの動
作を説明する説明図である。
である。
である。
る。
を備えたシートベルト装置用リトラクタの動作を説明す
る図である。
ナを備えたシートベルト装置用リトラクタの動作を説明
する図である。
ナを備えたシートベルト装置用リトラクタの動作を説明
する図である。
ナを備えたシートベルト装置用リトラクタの動作を説明
する図である。
装置の角筒状部付近を示す拡大図断面図であり、プリテ
ンショナ作動時を示す図である。
装置の角筒状部付近を示す拡大図断面図であり、プリテ
ンショナ作動完了時を示す図である。
装置の角筒状部付近を示す拡大図断面図であり、ロッド
が初期位置方向に向けて押戻される時を示す図である。
装置の角筒状部付近を示す拡大図断面図であり、プリテ
ンショナ作動時を示す図である。
装置の角筒状部付近を示す拡大図断面図であり、ロッド
が初期位置方向に向けて押戻される時を示す図である。
装置について、ウエビングにかかる張力と、時間との関
係を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 圧力保持容器内に移動可能に配置される
移動体と、 前記圧力保持容器に取付けられ、前記移動体を一方向に
押出す高圧力を発生するガス発生装置と、を備え、 前記圧力保持容器は、前記一方向に押出された移動体が
その初期の位置に戻る際に変形して、当該圧力保持容器
外部に連通する隙間を形成するシートベルト装置。 - 【請求項2】 前記圧力保持容器は、前記移動体の移動
方向に対し略垂直な断面形状が略四角形を有し、前記一
方向に押出された移動体がその初期の位置に戻る際に当
該圧力保持容器の平面部が変形し、前記移動体との間に
前記隙間を形成する請求項1記載のシートベルト装置。 - 【請求項3】 前記圧力保持容器は、その側壁部の一部
が、他の部分の厚みより薄く形成された薄肉部からな
り、前記一方向に押出された移動体がその初期の位置に
戻る際に当該薄肉部が変形し、前記移動体との間に前記
隙間を形成する請求項1または請求項2記載のシートベ
ルト装置。 - 【請求項4】 前記圧力保持容器は、前記一方向に押出
された移動体がその初期の位置に戻る際に、当該圧力保
持容器の内容積が増加するよう変形する請求項1ないし
請求項3のいずれか一項に記載のシートベルト装置。 - 【請求項5】 前記圧力保持容器は、その側壁部の一部
が伸縮可能に構成され、前記一方向に押出された移動体
がその初期の位置に戻る際に、その初期の状態より伸
び、当該圧力保持容器の内容積を増加させる請求項4記
載のシートベルト装置。 - 【請求項6】 圧力保持容器内に移動可能に配置される
移動体と、 前記圧力保持容器に取付けられ、前記移動体を一方向に
押出す高圧力を発生するガス発生装置と、を備え、 前記圧力保持容器は、前記一方向に押出された移動体が
その初期の位置に戻る際に、当該圧力保持容器の内容積
が増加するよう変形するシートベルト装置。 - 【請求項7】 前記圧力保持容器は、その側壁部の一部
が伸縮可能に構成され、前記一方向に押出された移動体
がその初期の位置に戻る際に、その初期の状態より伸
び、当該圧力保持容器の内容積を増加させる請求項6記
載のシートベルト装置。 - 【請求項8】 前記圧力保持容器を固定するケースと、 リトラクタシャフトと同軸に配置されて、外周が一方向
に回転すると、前記リトラクタシャフトと連結するクラ
ッチ部と、 前記クラッチ部の外周に一端側が巻回され、他端側が前
記移動体を経由して前記ケースに形成された収納部内に
て係止されるワイヤと、をさらに備え、 前記移動体がその初期の配置位置から他方向に移動した
ときに、前記ワイヤの他端側の係止が解除される請求項
1ないし請求項7のいずれか一項に記載のシートベルト
装置。
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JP2001159170A JP4680421B2 (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | シートベルト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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ID=19002799
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010064606A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Ashimori Ind Co Ltd | シートベルト用リトラクタ |
US8678509B2 (en) | 2009-12-15 | 2014-03-25 | Takata Corporation | Seat belt retractor and seat belt apparatus including the same |
JP2017512154A (ja) * | 2014-03-11 | 2017-05-18 | フォン、チートー デイビッドFENG, Zhide David | シートベルトプリテンショナー |
KR20190100949A (ko) * | 2017-01-23 | 2019-08-29 | 폭스바겐 악티엔 게젤샤프트 | 차량용 안전 벨트 장치 |
Citations (1)
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- 2001-05-28 JP JP2001159170A patent/JP4680421B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR102241047B1 (ko) | 2017-01-23 | 2021-04-16 | 폭스바겐 악티엔게젤샤프트 | 차량용 안전 벨트 장치 |
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