JP2002345616A - 断熱容器およびその製造方法 - Google Patents

断熱容器およびその製造方法

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JP2002345616A
JP2002345616A JP2001159551A JP2001159551A JP2002345616A JP 2002345616 A JP2002345616 A JP 2002345616A JP 2001159551 A JP2001159551 A JP 2001159551A JP 2001159551 A JP2001159551 A JP 2001159551A JP 2002345616 A JP2002345616 A JP 2002345616A
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ceramic
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heat insulating
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Kunio Matsuda
州央 松田
Eiji Otsuka
栄二 大塚
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭一般に使用されている陶磁器を用いた保
温性能に優れた断熱容器の提供。 【解決手段】 本発明は、陶磁器製の外容器2内に、陶
磁器製の内容器3を、空隙部4を介して一体化した陶磁
器製の断熱容器1において、内外容器の空隙部側、また
は内外容器の大気側の少なくとも一方にガラス層を配し
たことを特徴とする陶磁器製断熱容器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湯飲み、茶碗等に
関し、詳しくは陶磁器製の二重壁体構造の壁間に断熱空
間層を有した陶磁器製断熱容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の断熱機能を有した湯飲み等に関し
ては、例えば特開平10−316481号に開示された
二重構造の焼物容器が知られている。前記湯飲みは、陶
磁器製の外側容器に、陶磁器製の内側容器を空隙部を介
して口元部にて一体化し、該空隙部を減圧状態にした断
熱容器である。該断熱容器は、小径の空気流出孔が焼物
容器の高台の表面に穿設され、内側容器と外側容器とが
非接着状態の二重構造の焼物容器の生地を造り、内側容
器と外側容器とが非接着状態で素焼きを経た後に上記空
気流出孔に孔密閉剤を注入し、その後に高台の表面に釉
薬付着防止用のはっ水剤を塗布し、内側容器と外側容器
との接着溝及び二重構造の焼物容器に釉薬を塗布した後
に、焼物容器の上端開口周縁を上向きにし、表面に微小
な凹凸が形成された棚板上面に、二重構造の焼物容器の
高台の表面を下向きにして接地して載せて本焼きを行
い、高温で溶解する接着溝内の釉薬で内側容器と外側容
器とを接着すると共に高温でガラス化した孔密閉剤によ
り上記空気流出孔を密閉して製造される。
【0003】断熱容器の別な形態として、本出願人は、
合成樹脂製の断熱容器に関する開発を実施しており、特
開平11−267044号中に開示されている通り、合
成樹脂製の外容器に、合成樹脂製の内容器を、空隙部を
介して口元部で一体化し、空隙部に空気よりも熱伝導率
が小さい低熱伝導率ガスを封入した断熱容器を開示して
いる。該断熱容器は、合成樹脂製の内容器と、合成樹脂
製の外容器の少なくとも一方の断熱層側に輻射防止用の
アルミ箔等を配し、内容器と外容器との口元部を振動溶
着等により一体化した後、外容器の底部に設けられた開
口部を介して空気を低熱伝導率ガスに置換し、該開口部
を封止板で接着剤を用いて封止して製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記合成樹脂製の断熱
容器は、軽量ではあるが、材質が合成樹脂であり、見た
目に暖かみがなく、馴染みがたいという問題が有った。
一方陶磁器製の容器は、家庭一般に使用されており、受
け入れやすい材質ではあるが、断熱容器となると、陶磁
器はミクロ的には多孔質であるため、製造時に空隙部が
減圧状態になっていたとしても、徐々に壁面を通して空
気が空隙部に流入してしまい、また、本焼きは高温で行
うため、輻射熱防止膜を断熱空間層に配することができ
ず、性能的に満足がいくものではないという問題が有っ
た。本発明の目的は、家庭一般に使用されている陶磁器
を用い、保温性能に優れた断熱容器を提供することに有
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、陶磁器製の外容器内に、陶磁器製の内容
器を、空隙部を介して一体化した陶磁器製の断熱容器に
おいて、内外容器の空隙部側全面、または内外容器の大
気側全面の少なくとも一方にガラス層を配したことを特
徴とする陶磁器製断熱容器を提供する。この断熱容器に
おいて、内外容器の空隙部に空気よりも熱伝導率が小さ
い低熱伝導率ガスを封入した構成として良い。或いは、
内容器の空隙部が真空封止された構成としても良い。こ
の断熱容器において、内容器の外面と外容器の内面の少
なくとも一方、または該空隙部内に輻射熱防止膜層を設
けた構成とするのが好ましい。
【0006】また本発明は、陶磁器製の内容器と、底部
に開口部を有した陶磁器製の外容器とをそれぞれ素焼き
し、次いで前記内容器の内外面と外容器の内外面のうち
の少なくとも内容器の外面および外容器の内面に釉薬を
塗布し、または、前記内容器の内外面と外容器の内外面
のうち内容器の内面、外容器の外面および内外容器の断
熱層面の少なくとも一方に釉薬を塗布し次いで外容器と
内容器とを空隙部を介して一体化した後、本焼きを行
い、次いで内外容器の少なくとも一方に輻射熱防止膜層
を設け、次いで空隙部の空気を低熱伝導率ガスに置換す
るか、或いは真空とした後、開口部を封止することを特
徴とする断熱容器の製造方法を提供する。
【0007】さらに本発明は、底部に開口部を有した陶
磁器製の外容器に、陶磁器製の内容器を空隙部を介して
一体化した後、素焼きを行い、次いで前記内容器の内外
面と外容器の内外面のうちの少なくとも内容器の外面お
よび外容器の内面に釉薬を塗布した後、本焼きを行い、
次いで内外容器の少なくとも一方に輻射熱防止膜層を設
け、次いで空隙部の空気を低熱伝導率ガスに置換する
か、或いは真空とした後、開口部を封止することを特徴
とする断熱容器の製造方法を提供する。
【0008】また本発明は、陶磁器製の内容器と、底部
に開口部を有した陶磁器製の外容器とをそれぞれ素焼き
し、次いで前記内容器の内外面と外容器の内外面のうち
の少なくとも内容器の外面および外容器の内面に釉薬を
塗布した後、または前記内容器の内外面と外容器の内外
面のうち内容器の内面、外容器の外面および内外容器の
断熱層面の少なくとも一方に釉薬を塗布した後、本焼き
を行い、次いで内外容器の少なくとも一方、または空隙
部内に輻射熱防止膜層を設け、次いで外容器と内容器と
を空隙部を配して一体化し、次いで空隙部の空気を低熱
伝導率ガスに置換するか、或いは真空とした後、開口部
を封止することを特徴とする断熱容器の製造方法を提供
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による陶磁器製の断熱容器
の一実施形態を図1に示す。この断熱容器1は、陶磁器
製の外容器2と、陶磁器製の内容器3とを空隙部4を介
して一体化した構造になっている。内容器3の外面と外
容器2の内面には、図2に示すように、釉薬が溶融固着
されて形成されたガラス質層9が形成されている。さら
に内容器3のガラス質層9には、金属膜からなる輻射熱
防止膜層5が設けられている。また、外容器2の底部に
は、断熱容器1を安定に置くための脚部10がリング状
に設けられ、且つ該脚部10のリング中央には、凹部8
と、該凹部の中央に穿設された開口6と、凹部8を封じ
る封止板7とを有する封止部が形成されている。
【0010】内外容器2,3間に設けられた空隙部4
は、空気(0℃の熱伝導率=2.41×10-2W・m-1
・K-1)よりも熱伝導率が小さいガス、好ましくは毒性
が無く、不活性であるガス、より好ましくはクリプトン
ガス、キセノンガスおよびアルゴンガス、又はそれらの
混合ガスから選択される低熱伝導率ガスが、ほぼ大気圧
で封入された断熱層4aか、或いは空隙部4を10To
rr以下、好ましくは10-2Torr以下に真空封止さ
れた断熱層4bになっている。
【0011】内容器3および外容器2は、粘土を主原料
とし、これにアルカリ金属、アルカリ土類金属などの酸
化鉱物を配合した原料を焼結した陶磁器からなり、好ま
しくは焼締まりが大きく、吸水性がほとんどない陶器、
石器或いは磁器が用いられる。内容器3と外容器4の肉
厚は、1〜7mm程度、好ましくは2〜5mm程度とさ
れる。これらの内容器3と外容器2の材料は、陶磁器原
料として周知の粘土等を用いることができ、またその成
形法も従来周知の陶磁器製造法を適用することができ
る。さらに、ガラス質層9を形成するための釉薬も、従
来より陶磁器製食器の製造に用いられている釉薬を用い
ることができる。
【0012】外容器2の底部に形成される開口6の大き
さや形状は特に限定されないが、直径約1〜3mmの丸
穴状とすることが好ましい。この開口6を塞ぐ封止板7
は、陶磁器板、ガラス板、或いは金属板(琺瑯板を含
む)を用いることができる。この封止板7は、釉薬のよ
うな外容器底面に焼結される接着剤、あるいは外容器底
面と封止板7の両者に接着可能な封止ガラス、金属ろ
う、合成樹脂製接着剤を用いて気密に接着されている。
なお、この封止板7は、図1に示す如く、外容器2底部
に封止板配置用の凹部8を形成し、この凹部8に封止板
7を挿入し、接着剤で気密に接着して開口6を封止する
構成としたが、凹部8は設けなくとも良いし、或いは脚
部10を凹部8の代用とし、大きめの封止板7を用いて
開口6を封止することもできる。
【0013】内容器3の外面に設けられた輻射熱防止膜
層5は、熱の反射率の高い金属、例えば銀(Ag)やア
ルミニウム(Al)および銅(Cu)の薄膜からなって
いる。この輻射熱防止膜層5は、例えば銀の無電解(化
学)メッキ法、スパッタ法、アルミニウムの真空蒸着
法、或いはアルミ箔の接着等の方法によって形成可能で
ある。
【0014】この断熱容器1は、内外容器2,3を熱伝
導率の小さい陶磁器で形成し、これら内外容器2,3間
の空隙部4を、低熱伝導率ガスを封入した断熱層4a、
或いは真空断熱層4bとし、且つ空隙部4に面する内容
器3の外面に輻射熱防止膜層5を設けたことによって、
従来の空気断熱層を有する断熱容器に比べて断熱性能を
格段に向上させることができ、内容器3に入れた飲料や
食物を長時間保温することができる。また、この断熱容
器1は、内外容器2,3を陶磁器で形成したので、見栄
えが良く、手触りや口触りが良いことから、合成樹脂製
容器と比べて容器の使用感を向上させることができる。
【0015】上記陶磁器製の断熱容器1は、以下の3つ
の方法のいずれかで製造可能である。 (第1の製造方法)まず、内外容器2,3の原型となる
成形体を、例えば粘土で成形加工した型に流し込み作
る。この時、外容器2の底部には焼き上がり後、直径約
1〜3mmとなるような丸穴状の開口6を設けておく。
次に、製作した内外容器2,3を乾燥し、800〜11
00℃、好ましくは850〜1000℃程度の温度で3
〜15時間、好ましくは5〜8時間素焼きを行う。
【0016】次に素焼きを行った内外容器2,3の空隙
部4に接する面全体に釉薬を塗布し、一体化した形状に
して本焼きを行う。釉薬は約900℃で溶けてガラス化
する釉薬を使用する。本焼きの処理条件は内外容器2,
3の材料によって異なるが、通常1000〜1400℃
で10〜30時間焼くことにより、前記釉薬が接着剤と
して機能し、内外容器2,3の口元部は気密に一体化す
るとともに、釉薬が内外容器2,3の空隙部4側の面に
ガラス化して固着する。
【0017】次に、無電解メッキ(化学メッキ)法によ
って輻射熱防止膜層5を形成する。外容器3底面に設け
た開口6を介してアンモニア性硝酸銀液と、ブドウ糖等
の還元剤と水酸化ナトリウムとの混合液を混合し空隙部
4に入れる。入れると同時に銀境反応が進み、空隙部に
輻射熱防止膜層5として作用する銀の膜を生成すること
ができる。反応後、空隙部4の残液を取り出し、一定時
間加熱放置して、空隙部4を乾燥状態とする。
【0018】次に開口6に真空ポンプ及び低熱伝導率ガ
スを導入する導入部を接続する。空隙部4の空気を排気
した後、低熱伝導率ガス導入部に切替え、該空隙部4に
低熱伝導率ガスをほぼ大気圧で導入する。導入部を取外
し、開口部周辺に接着剤を塗布し、封止板を配置し、低
熱伝導率ガスを空隙部に保持することにより、空隙部に
低熱伝導率ガスを封じた断熱容器を製造することができ
る。ここで使用する封止板7は、内外容器2,3と同様
の陶磁器でもよいが、金属製、樹脂製の封止板でもよ
い。
【0019】この様に、空隙部4に釉薬を配し、ガラス
化する温度で焼くことにより、空隙部4はガラス質層9
に包囲され、空隙部4を気密状態とすることができる。
また細かな凹凸を有する陶磁器の表面の空隙部4の表面
は、平滑なガラス層で覆われているので、銀境反応によ
る銀膜を容易に形成することができるとともに輻射効率
を上げることができ、保温性能を上げることができる。
開口6の径は、液の注入、取出しを考慮すると約10m
mほど有ることが望ましいが、特に液の取出しに、管を
空隙部4に挿入し、吸い込みで取り出す場合には、管が
出し入れできる程度の径(約1〜3mm)を有しておけ
ばよい。
【0020】なお、この第1の製造方法では内外容器
2,3の断熱層4a側に釉薬を塗布したが、内外容器
2,3の大気側に釉薬を塗布するのであれば、空隙部4
の気密性を維持することができるので、断熱層4a側の
釉薬は内容器3の外面、または外容器2の内面の一方の
みに塗布すればよい。また空隙部4側の面に加え、大気
に面する側にもガラス層を設けることにより、二重の気
密壁を設けることができ、空隙部に封入した低熱伝導率
ガスを一層外部に漏れにくくすることができる。
【0021】この第1の製造方法において、低熱伝導率
のガスを封入した断熱層4aに代えて、該空隙部4を1
0Torr以下、好ましくは10-2Torr以下に真空
封止した断熱層4bを形成することもできる。この真空
断熱層4bを形成するには、本焼き、及び銀膜の形成を
終えた容器を底部を上向きに真空加熱炉内に置き、釉薬
や低融点ガラス、金属ろう材などの接着剤を開口6の周
囲に置き、その上に封止板7を置いて、真空加熱炉内を
真空排気すると共に容器を加熱して接着剤を溶かし、真
空排気完了後に冷やして接着剤を固化させることによっ
て作製できる。
【0022】(第2の製造方法)次に断熱容器1の第2
の製造方法を説明する。まず、内外容器2,3の原型と
なる成形体を、例えば石膏で成形加工した型に流し込み
作る。この時、外容器2の底部には底部には焼き上がり
後、直径約1〜3mmとなるような開口6を設けてお
く。製作した内外容器2,3の口元部を、内外容器と同
じ材質の粘土を溶解して作る接着剤を塗布し、一体化
し、800〜1100℃、好ましくは850〜1000
℃程度の温度で3〜15時間、好ましくは5〜8時間素
焼きを行う。
【0023】次に、一体化して形成された内外容器間の
空隙部4に釉薬を注入する。ここで使用する釉薬は、9
00℃程度で溶けてガラス化する釉薬を使用する。空隙
部全体に釉薬を付着させ、1000〜1400℃で10
〜30時間本焼きを行うことにより、釉薬が内外容器の
空隙部側表面にガラス質層9となって固着する。次に外
容器底面に設けた開口6を介してアンモニア性硝酸銀液
と、ブドウ糖と水酸化ナトリウムとの混合液を混合し、
空隙部4にいれる。入れると同時に銀境反応が進み、空
隙部に輻射熱防止膜層5として作用する銀の膜を生成す
ることができる。反応後空隙部に入れた液を取り出し、
一定時間加熱放置して、空隙部4を乾燥状態とする。
【0024】次に開口6に真空ポンプ及び低熱伝導率ガ
スを導入する導入部を接続する。空隙部4の空気を排気
した後、低熱伝導率ガス導入部に切替え、該空隙部4に
低熱伝導率ガスをほぼ大気圧で導入する。導入部を取外
し、開口部周辺にUV接着剤を塗布し、これを固着させ
る。これにより、空隙部に低熱伝導率ガスを封じた断熱
容器1を製造することができる。空隙部4に釉薬を配
し、ガラス化する温度で焼くことにより、空隙部4はガ
ラス質層9に包囲され、空隙部4を気密状態とすること
ができできる。また細かな凹凸を有する陶磁器の表面の
空隙部4の表面は、平滑なガラス層で覆われているの
で、銀境反応による銀膜を容易に形成することができる
とともに輻射効率を上げることができ、保温性能を上げ
ることができる。
【0025】なお、この第2の製造方法に於いては、釉
薬を塗布する面は、空隙部4側のみとして記載したが、
大気に面する側にも釉薬は塗布することに何ら問題はな
い。大気に面する側にもガラス層ができることにより、
空隙部に封入した低熱伝導率ガスは一層外部に漏れにく
くすることができる。
【0026】この第2の製造方法において、低熱伝導率
のガスを封入した断熱層4aに代えて、該空隙部4を1
0Torr以下、好ましくは10-2Torr以下に真空
封止した断熱層4bを形成することもできる。この真空
断熱層4bを形成するには、本焼き、及び銀膜の形成を
終えた容器を底部を上向きに真空加熱炉内に置き、釉薬
や低融点ガラス、金属ろう材などの接着剤を開口6の周
囲に置き、その上に封止板7を置いて、真空加熱炉内を
真空排気すると共に容器を加熱して接着剤を溶かし、真
空排気完了後に冷やして接着剤を固化させることによっ
て作製できる。
【0027】(第3の製造方法)次に断熱容器1の第3
の製造方法を説明する。まず、内外容器の原型となる成
形体を、例えば石膏で成形加工した型に流し込み作る。
この時、外容器の底部には焼き上がり後、直径約1〜3
mmとなるような開口6を設けておく。製作した内外容
器はそれぞれ800〜1100℃、好ましくは850〜
1000℃程度の温度で3〜15時間、好ましくは5〜
8時間素焼きを行う。
【0028】次に素焼きを行った内外容器2,3の空隙
部4と接する面全体に釉薬を塗布し、それぞれ本焼きを
行う。釉薬は900℃程度で溶けてガラス化する釉薬を
使用する。1000〜1400℃で10〜30時間焼く
ことにより、釉薬が内外容器の空隙部4側にガラス化し
て固着し、ガラス質層9が形成される。次いで内容器3
に輻射防止膜層5としてアルミ箔を接着した後、空隙部
4側にガラス層を有する内外容器の開口部の少なくとも
一方に接着剤を塗布し、固着させることにより気密に一
体化する。
【0029】次に開口6に真空ポンプ及び低熱伝導率ガ
スを導入する導入部を接続する。空隙部の空気を排気し
た後、低熱伝導率ガス導入部に切替え、該空隙部4に低
熱伝導率ガスをほぼ大気圧で導入する。最後に導入部を
取外し、開口部周辺に接着剤を塗布し、封止板7を配置
し、低熱伝導率ガスを空隙部4に保持することにより、
空隙部4に低熱伝導率ガスを封じた断熱容器1を製造す
ることができる。ここで使用する封止板7は、内外容器
と同様の陶磁器でもよいが、金属製、樹脂製の封止板で
もよい。
【0030】この様に、空隙部4に釉薬を配し、ガラス
化する温度で焼くことにより、空隙部4はガラス質層9
に包囲され、空隙部4を気密状態とすることができる。
また細かな凹凸を有する陶磁器の表面の空隙部4の表面
は、平滑なガラス層で覆われているので、銀境反応によ
る銀膜を容易に形成することができるとともに輻射効率
を上げることができ、保温性能を上げることができる。
また輻射熱防止膜層5としてアルミ箔を設けてもよい。
アルミ箔は内容器の外面、または外容器の内面の面して
貼付する必要はなく、内外容器が構成する空隙部に浮い
た状態で設けてもよい。開口部の径は、液の注入、取出
しを考慮すると約10mmほど有ることが望ましいが、
特に液の取出しに、管を空隙部に挿入し、吸い込みで取
り出す場合には、管が出し入れできる程度の径(1〜3
mm程度)を有しておけばよい。
【0031】なお、この第3の製造方法では内外容器
2,3の断熱層側に釉薬を塗布したが、内外容器2,3
の大気側に釉薬を塗布するのであれば、空隙部の気密性
を維持することができるので、断熱層側の釉薬は内容器
3の外面、または外容器2の内面の一方のみに塗布すれ
ばよい。また空隙部4側の面に加え、大気に面する側に
もガラス層を設けることにより、二重の気密壁を設ける
ことができ、空隙部に封入した低熱伝導率ガスは一層外
部に漏れにくくすることができる。
【0032】この第3の製造方法において、低熱伝導率
のガスを封入した断熱層4aに代えて、該空隙部4を1
0Torr以下、好ましくは10-2Torr以下に真空
封止した断熱層4bを形成することもできる。この真空
断熱層4bを形成するには、本焼き、及び銀膜の形成を
終えた容器を底部を上向きに真空加熱炉内に置き、釉薬
や低融点ガラス、金属ろう材などの接着剤を開口6の周
囲に置き、その上に封止板7を置いて、真空加熱炉内を
真空排気すると共に容器を加熱して接着剤を溶かし、真
空排気完了後に冷やして接着剤を固化させることによっ
て作製できる。
【0033】上記した第1〜3の製造方法において、内
外容器2,3の肉厚は、容器の使用用途に応じ、適宜選
択すればよいが、1から7mmが強度、応力の点から望
ましい。また、外面に加飾し、釉薬を塗布することによ
り、意匠性を向上させることが可能になる。空隙部4の
距離については、断熱構造上、2〜10mm程度が良
い。
【0034】
【実施例】第1の製造方法に従い、空隙部にクリプトン
ガスを封入した開口部が直径140mmの断熱容器が得
られた。また第2の製造方法に従い、空隙部を真空とし
た開口部が直径140mmの断熱容器が得られた。これ
らの断熱容器1、断熱容器2の断熱性能を、内容器に9
5℃の湯を入れて、蓋をし、20℃一定の恒温室に放置
し、1時間後の温度を測定した。比較のため空隙部が空
気のままであり、輻射膜層を設けていない同形状の比較
容器を製造した。1時間後の本発明にかかる断熱容器1
の湯温は61℃であり、断熱容器2の湯温は64℃であ
った。一方比較容器の湯温は56℃であり、断熱容器
1,断熱容器2ともに、比較容器と比べてよい性能を得
られることが実証された。今回は図1の形状のもので結
果を比較したが、開口部を狭くし、魔法瓶形容にした
り、マグカップ形状で比較すると、更に差が付く結果と
なった。
【0035】
【発明の効果】本発明の陶磁器製の断熱容器は、ガラス
質層によって気密性を持たせることにより、内外容器間
の空隙部に熱伝導率が小さい低熱伝導率ガスを封入する
こと、或いは真空封止することができ、さらに従来の陶
磁器製の断熱容器に配置することができなかった輻射熱
防止膜層を設けることも可能となり、優れた保温性能を
有した断熱容器とすることが可能となった。また、内外
容器の空隙部側および大気側全面にガラス層を設けるこ
とにより、気密性をより一層向上させることができる。
さらに、馴染みのある陶磁器製で、しかも断熱性能が優
れた断熱容器とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の断熱容器の一例を示す断面図であ
る。
【図2】 図1の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1……断熱容器、2……外容器、3……内容器、4……
空隙部、5……輻射熱防止膜層、6……開口、7……封
止板、9……ガラス質層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B001 AA01 AA04 BB10 CC07 CC11 DA02 DB07 4B002 AA01 AA12 AA21 BA22 BA53 CA32 CA43

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶磁器製の外容器内に、陶磁器製の内容
    器を、空隙部を介して一体化した陶磁器製の断熱容器に
    おいて、 内外容器の空隙部側全面、または内外容器の大気側全面
    の少なくとも一方にガラス質層を配したことを特徴とす
    る陶磁器製断熱容器。
  2. 【請求項2】 内外容器の空隙部に空気よりも熱伝導率
    が小さい低熱伝導率ガスを封入したことを特徴とする請
    求項1に記載の陶磁器製断熱容器。
  3. 【請求項3】 内容器の空隙部が真空封止されたことを
    特徴とする請求項1に記載の陶磁器製断熱容器。
  4. 【請求項4】 内容器の外面と外容器の内面の少なくと
    も一方、または該空隙部内に輻射熱防止膜層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の陶磁器製断熱容器。
  5. 【請求項5】 陶磁器製の内容器と、底部に開口部を有
    した陶磁器製の外容器とをそれぞれ素焼きし、 次いで前記内容器の内外面と外容器の内外面のうちの少
    なくとも内容器の外面および外容器の内面に釉薬を塗布
    し、または、前記内容器の内外面と外容器の内外面のう
    ち内容器の内面、外容器の外面および内外容器の断熱層
    面の少なくとも一方に釉薬を塗布し、 次いで外容器と内容器とを空隙部を介して一体化した
    後、本焼きを行い、 次いで内外容器の少なくとも一方に輻射熱防止膜層を設
    け、 次いで空隙部の空気を低熱伝導率ガスに置換するか、或
    いは真空とした後、開口部を封止することを特徴とする
    断熱容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 底部に開口部を有した陶磁器製の外容器
    に、陶磁器製の内容器を空隙部を介して一体化した後、
    素焼きを行い、 次いで前記内容器の内外面と外容器の内外面のうちの少
    なくとも内容器の外面および外容器の内面に釉薬を塗布
    した後、本焼きを行い、 次いで内外容器の少なくとも一方に輻射熱防止膜層を設
    け、 次いで空隙部の空気を低熱伝導率ガスに置換するか、或
    いは真空とした後、開口部を封止することを特徴とする
    断熱容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 陶磁器製の内容器と、底部に開口部を有
    した陶磁器製の外容器とをそれぞれ素焼きし、 次いで前記内容器の内外面と外容器の内外面のうちの少
    なくとも内容器の外面および外容器の内面に釉薬を塗布
    した後、または前記内容器の内外面と外容器の内外面の
    うち内容器の内面、外容器の外面および内外容器の断熱
    層面の少なくとも一方に釉薬を塗布した後、本焼きを行
    い、 次いで内外容器の少なくとも一方、または空隙部内に輻
    射熱防止膜層を設け、 次いで外容器と内容器とを空隙部を配して一体化し、 次いで空隙部の空気を低熱伝導率ガスに置換するか、或
    いは真空とした後、開口部を封止することを特徴とする
    断熱容器の製造方法。
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