JP2002345270A - リニアステージ装置 - Google Patents

リニアステージ装置

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JP2002345270A
JP2002345270A JP2001148784A JP2001148784A JP2002345270A JP 2002345270 A JP2002345270 A JP 2002345270A JP 2001148784 A JP2001148784 A JP 2001148784A JP 2001148784 A JP2001148784 A JP 2001148784A JP 2002345270 A JP2002345270 A JP 2002345270A
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ultrasonic
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JP2001148784A
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Yasuyuki Ozawa
靖之 小沢
Tadashi Sato
規 佐藤
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波モータモータを用いて装置全体の小型
化を図りながら、低速での高精度駆動と高速駆動とを両
立させることが可能なリニアステージ装置を提供する。 【解決手段】 固定側に対して一次元方向に移動可能な
可動部21と、可動部21の可動スライド面22に接触
するモータ先端部25,26を有し固定側に固定された
複数の超音波モータ23,24とを備え、モータ先端部
25,26が、可動スライド面22に平行な方向の振動
と垂直な方向の振動との合成動作である円運動又は楕円
運動を行うことにより可動部21が固定側に対して移動
するリニアステージ装置において、第1及び第2の超音
波モータ23,24のモータ先端部25,26の円運動
又は楕円運動の方向を同一方向とすることにより可動部
21を高速で移動させると共に、逆方向とすることによ
り可動部21を低速で移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームを用い
て光ディスク原盤を露光するマスタリング装置(原盤露
光装置)等に使用されるリニアステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マスタリング装置において、リニアステ
ージ装置は原盤を搭載したステージを直線状(例えば半
径方向)に変位させるために用いられ、従来は電動モー
タとボール螺子を用いた螺子送り機構によって精密な変
位を実現していた。
【0003】図6は、従来のリニアステージ装置を用い
たマスタリング装置の概略構造を示す断面図である。こ
のマスタリング装置は、電子ビームによって光ディスク
原盤を露光(パターン形成)する装置である。マスタリ
ング装置は、Xθ機構系50と電子光学系60に分かれ
ている。
【0004】Xθ機構系50は、レジストを塗布した原
盤51をスピンドルモータ52により回転(θ軸駆動)さ
せながら、スピンドルモータ52を載置したX軸ステー
ジ53を原盤の半径方向(X軸方向)に移動させる(X
軸駆動)。X軸ステージ53は、電動モータ54とボー
ル螺子55を用いた螺子送り機構によってX軸方向に直
線駆動される。
【0005】電子光学系60は電子銃61、ブランカ6
2、偏向器63、対物レンズ64等から構成され、断続
する電子ビームを原盤51のレジスト面に収束するよう
に照射することにより、レジスト面に情報ピット列を露
光形成する。レーザビームを使用する光学式マスタリン
グ装置に比べて、電子ビームを使用する電子ビーム式マ
スタリング装置は、より微小なスポット(直径100ナ
ノメートル以下)の形成が可能である。また、Xθ機構
系50に起因する位置誤差を偏向器63で補正すること
により微小スポットの位置を高精度に制御できるので、
高密度記録が可能である。
【0006】一方、電子ビームによる露光は真空容器
(チャンバ)内で、かつ、磁場の小さい雰囲気中で行う
必要があるために、装置全体が大型化する欠点がある。
また、原盤51を回転させるためのスピンドルモータ5
2は、必要な回転精度を得るためにエアスピンドルや電
動モータを使用せざるを得ない。これらを厳重な真空シ
ールや磁気シールドで保護した状態で真空チャンバ内に
入れると、X軸ステージ53にかかる質量は100kg
近くにもなる。
【0007】近年、X軸ステージ53の駆動方法とし
て、電動モータ54とボール螺子55を用いた螺子送り
機構に代えて、超音波モータの採用が検討されている。
超音波モータは磁場を発生しないので電子ビームに影響
を与えない。したがって、真空チャンバ内に収容するこ
とができ、マスタリング装置全体の小型化に寄与する。
【0008】図7に超音波モータの動作原理を示す。駆
動対象である可動部71の可動スライド面72にモータ
先端部73を押し当て、このモータ先端部73がピエゾ
アクチュエータを動力源として図示のように円運動又は
楕円運動することにより、可動部71をX軸方向に摩擦
駆動する。モータ先端部73の円運動又は楕円運動は、
超音波モータ本体(固定部)74に対して横方向に振動
する横振動子75と縦方向に振動する縦振動子76との
合成動作によって得られる。
【0009】横振動子75と縦振動子76には互いに9
0度位相の異なる正弦波電圧が印加される。また、縦振
動に対して横振動を90度進めるか遅らせるかを切り替
えることにより、モータ先端部73の円運動又は楕円運
動の回転方向が逆転し、可動部71の駆動方向が逆転す
る。更に、印加電圧の振幅又は周波数を変えることによ
り、駆動速度が変化する。
【0010】但し、図7は超音波モータの原理をわかり
やすく説明するために、ピエゾアクチュエータ(振動
子)75,76の変位がそのままモータ先端部73の変
位となる非共振型の超音波モータを示している。実際に
は、図8に示すような共振型の超音波モータのほうが普
及している。
【0011】この共振型の超音波モータでは、一対のピ
エゾアクチュエータ(振動子)78の振動によって共振
体79に機械的な共振を発生させ、振動子78の変位よ
り大きな変位をモータ先端部80に得ることができる。
この場合、小型の超音波モータで大出力が得られる。駆
動方向の逆転は、図7に示した非共振型の超音波モータ
と同様に、一対の振動子78に印加する2つの正弦波電
圧の位相関係を切り替えることによって可能である。し
かし、印加電圧の周波数は共振体79の共振周波数に合
わせなければならず、駆動速度の制御はもっぱら印加電
圧の振幅制御によって行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のような超音波モ
ータをマスタリング装置のX軸ステージ53の駆動系
(すなわちリニアステージ装置)に使用する場合の課題
の一つとして、駆動速度の可変範囲をいかにして広げる
かということがある。
【0013】原盤51の露光中は、X軸ステージ53を
数ミクロン/秒の低速度で、しかもナノメートルオーダ
の精度で移動させる必要がある。この精度は、原盤のト
ラック間ピッチの精度に影響する。一方、X軸ステージ
53を原盤着脱用の位置、あるいは露光開始位置まで移
動させる際には、できるだけ高速移動できることが好ま
しい。少なくとも数ミリメートル/秒の移動速度が得ら
れなければ、X軸ステージ53の位置移動に時間がかか
りすぎることになり、マスタリング装置としての使い勝
手が悪くなってしまう。
【0014】しかしながら、超音波モータは駆動速度の
可変範囲を広げることが難しい。特に、一般的な共振型
の超音波モータの場合は、上述のように印加電圧の振幅
制御によってしか駆動速度を変えることができないが、
低印加電圧の範囲では電圧を印加しても可動スライド面
の変位が始まらない不感帯が存在する。変位が始まるか
否かはモータ先端部と可動スライド面との摩擦状態や摩
擦力に大きく依存し、これらの接触状態や摩擦力はステ
ージ位置(ストローク)によって変化してしまうため、
変位が始まる印加電圧にばらつきが生ずる。このこと
は、制御回路から見るとオフセット電圧を加えて補正す
ることができないことになり、変位開始電圧近傍の低速
制御を高精度で実現することが困難なことを意味する。
【0015】本発明は、上記のような課題を解決し、超
音波モータを用いて装置全体の小型化を図りながら、低
速での高精度駆動と高速駆動とを両立させることが可能
なリニアステージ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によるリニアステ
ージ装置は、固定側に対して一次元方向に移動可能なス
テージと、前記ステージの可動スライド面に接触するモ
ータ先端部を有し前記固定側に固定された複数の超音波
モータとを備え、前記モータ先端部が、前記可動スライ
ド面に平行な方向の振動と垂直な方向の振動との合成動
作である円運動又は楕円運動を行うことにより前記ステ
ージが前記固定側に対して移動するリニアステージ装置
であって、第1及び第2の超音波モータのモータ先端部
の円運動又は楕円運動の方向を同一方向とすることによ
り前記ステージを高速で移動させると共に、逆方向とす
ることにより前記ステージを低速で移動させることを特
徴とする。
【0017】このような構成によれば、第1及び第2の
超音波モータの両方を安定な制御可能領域で駆動しなが
ら、両方の超音波モータの駆動速度(発生速度)の合成
速度によってステージの高速移動と精密な低速移動とを
両立させることができる。例えば、両方の超音波モータ
をミリメータ/秒オーダの安定した速度で制御し、同一
方向に駆動することにより略2倍の合成速度を得る一
方、逆方向に駆動することにより絶対値が両方の超音波
モータの速度の差に相当する低速の合成速度を得ること
ができる。
【0018】好ましくは、第1及び第2の超音波モータ
のモータ先端部の前記可動スライド面に垂直な方向の振
動の位相が互いに逆位相である。こうすることにより、
一方の超音波モータのモータ先端部が可動スライド面を
押圧しているときは、他方の超音波モータのモータ先端
部は可動スライドから離間している。これにより、モー
タ先端部と可動スライド面との磨耗を抑えることができ
る。
【0019】また、前記可動スライド面を有する可動ス
ライド面部材が、前記ステージに対して弾性的に支持さ
れ、かつ、その弾性支持部材を含む前記可動スライド面
部材の固有振動数が、前記超音波モータの駆動周波数と
その制御帯域周波数との間にあることが好ましい。可動
スライド面部材がステージに対して弾性的に支持される
ことにより(その積分効果により)、超音波モータに固
有の脈動が平滑化され、ステージの移動が円滑になる。
支持部材を含む可動スライド面部材の固有振動数が、超
音波モータの駆動周波数とその制御帯域周波数との間に
あることは、上記の積分効果(平滑作用が)有効に働
き、かつ、制御性能を損なわないための必要条件であ
る。
【0020】また、第1の超音波モータのモータ先端部
に接触する第1可動スライド面を有する第1可動スライ
ド面部材と、第2の超音波モータのモータ先端部に接触
する第2可動スライド面を有する第2可動スライド面部
材とが前記ステージに対して個別に、かつ、弾性的に支
持され、その弾性支持部材を含む第1及び第2の可動ス
ライド面部材の固有振動数が共に、前記超音波モータの
駆動周波数とその制御帯域周波数との間にあることが更
に好ましい。
【0021】この構成によれば、共振型の超音波モータ
を用いた場合に、共振周波数のずれにより、第1及び第
2の超音波モータのモータ先端部の可動スライド面に垂
直な方向の振動の位相を互いに逆位相に維持することが
困難な場合でも、各超音波モータの駆動力が有効にステ
ージに伝達される。
【0022】上記の各構成では、リニアステージ装置の
固定側に超音波モータが固定され、超音波モータが可動
スライド面部材を介してフレームを移動させる。しか
し、逆に、超音波モータをステージに固定し、超音波モ
ータのモータ先端部に接触するスライド面をリニアステ
ージ装置の固定側に設ける構造も可能である。つまり、
本発明によるリニアステージ装置の別の構成は、一次元
方向に移動可能なステージに対して複数の超音波モータ
が弾性的に支持され、前記超音波モータのモータ先端部
が接触するスライド面が固定側に設けられ、前記モータ
先端部が、前記スライド面に平行な方向の振動と垂直な
方向の振動との合成動作である円運動又は楕円運動を行
うことにより前記ステージが固定側に対して移動するリ
ニアステージ装置であって、第1及び第2の超音波モー
タのモータ先端部の円運動又は楕円運動の方向を同一方
向とすることにより前記ステージを高速移動させると共
に、逆方向とすることにより前記ステージを低速移動さ
せることを特徴とする。
【0023】このような構成は、ステージの移動ストロ
ークが長い場合に適切である。ステージの移動ストロー
クが長い場合は、超音波モータによって駆動される(可
動)スライド面部材の長さも長くなり、重量が増加す
る。このようなスライド面部材を弾性的に支持する代わ
りに、超音波モータをステージに対して弾性的に支持
し、スライド面部材を固定側に設けるようにすれば、設
計の困難さを回避できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。この実施形態は、図6を参照して説
明した従来例と同様に、マスタリング装置(原盤露光装
置)のX軸ステージ53に本発明のリニアステージ装置
を用いた場合の例である。
【0025】図1は、本実施形態のリニアステージ装置
に使用される一般的な制御回路を用いた場合の超音波モ
ータの制御電圧(印加電圧)と発生速度(駆動速度)と
の関係を示すグラフである。この超音波モータは、いわ
ゆる共振型の超音波モータであり、制御電圧の極性を変
えることにより、発生速度の極性が逆転すると共に、制
御電圧(ボルト)を変化することにより、発生速度(ミ
リメータ/秒)が変化する。
【0026】図1において、領域11が安定した正の発
生速度が得られる制御可能領域であり、領域12が安定
した負の発生速度が得られる制御可能領域である。領域
11と領域12との間の入力電圧領域13は、電圧を変
化させても発生速度がゼロである不感帯領域と、発生速
度がゼロから変化し始める不安定領域とを含む。不安定
領域では、安定した発生速度の制御が困難である。図1
に示す特性の共振型超音波モータは、±1〜3(ミリメ
ータ/秒)付近の安定した発生速度が得られ、これより
低速になると高精度の速度制御が困難になる。
【0027】図2は、本実施形態のリニアステージ装置
における超音波モータを用いた駆動方法の原理を示す平
面図である。図2(a)は高速駆動時、図2(b)は低
速駆動時をそれぞれ示している。
【0028】本実施形態では、図1に示した特性を有す
る2つの共振型超音波モータ23,24を使用し、それ
らが可動部21(図6のX軸ステージ53)の可動スラ
イド面22(図6のX軸ステージ53の一側面)の移動
方向に沿って一直線上に配置されている。そして、高速
移動時は、図2(a)に示すように、第1及び第2の超
音波モータ23及び24の駆動方向を同一方向とし、低
速移動時は、図2(b)に示すように、第1及び第2の
超音波モータ23及び24の駆動方向を逆方向とする。
【0029】また、第1及び第2の超音波モータ23及
び24のモータ先端部25及び26の可動スライド面2
2に垂直な方向の振動の位相が互いに逆位相となるよう
に、各超音波モータ23及び24の印加電圧が調整され
ている。その結果、図2(a)及び(b)に示すよう
に、第1の超音波モータ23のモータ先端部25が可動
スライド面22に押し付けられているときは、第2の超
音波モータ24のモータ先端部26は可動スライド面2
2から離間している。逆に、第2の超音波モータ24の
モータ先端部26が可動スライド面22に押し付けられ
るときは、第1の超音波モータ23のモータ先端部25
が可動スライド面22から離間する。
【0030】この結果、第1及び第2の超音波モータ2
3及び24の両方を安定な制御可能領域で駆動しなが
ら、両方の超音波モータの駆動速度(発生速度)の合成
速度によって可動部21の高速移動と精密な低速移動と
を両立させることができる。高速移動時は、第1及び第
2の超音波モータ23及び24が共に、例えば図1に示
した特性の領域11における適切な駆動速度となるよう
に、制御電圧(印加電圧)を決定する。これにより、各
超音波モータ23及び24の駆動速度の略2倍の合成速
度を得ることができる。
【0031】一方、低速駆動時は、第1の超音波モータ
23を例えば図1に示した特性の領域11における適切
な駆動速度となるように制御し、第2の超音波モータ2
4を図1に示した特性の領域12における駆動速度とな
るように制御する。そして、第2の超音波モータ24の
駆動速度の絶対値を第1の超音波モータ23の駆動速度
の絶対値より少し小さくする。この場合、図2(b)に
示すように、第1及び第2の超音波モータ23及び24
の駆動速度の差に相当する低速の合成移動速度が得られ
る。
【0032】なお、超音波モータ23及び24のモータ
先端部25及び26と、可動スライド面22を有する可
動スライド面部材27は、いずれもセラミックのような
剛性及び耐磨耗性が高い材料で作られる。これにより、
接触面の磨耗をできるだけ抑えながら、高精度の駆動を
可能にしている。
【0033】図3は、上記の実施形態の第1変形例を示
す図である。但し、図2(b)に対応する図のみを示
し、図2(a)に対応する図は省略している。後述する
他の変形例及び別実施形態の図についても同様である。
【0034】図3の変形例では、可動スライド面22を
有する可動スライド面部材27が、可動部21に直接固
着されるのではなく、弾性支持部材(エラストマー材又
はスプリング部材)28を介して弾性的に支持されてい
る。こうすることにより、超音波モータ23及び24に
固有の脈動(駆動周波数の振動)が平滑化され、ステー
ジの移動が円滑になる。
【0035】可動スライド面部材27の質量と弾性支持
部材28の弾性係数によって決まる固有振動数を低くす
るほど上記の平滑作用が高まり、脈動が緩和されるが、
超音波モータ23及び24のフィードバック制御系を構
成したときの制御帯域を十分確保することが困難にな
る。したがって、弾性支持部材28を含む可動スライド
面部材27の固有振動数を超音波モータ23及び24の
駆動周波数とその制御帯域周波数との間に設定する必要
がある。通常、実現可能な制御帯域周波数は100Hz
程度であり、超音波モータ23及び24の駆動周波数は
20〜40kHz程度である。したがって、弾性支持部
材28を含む可動スライド面部材27の固有振動数を超
音波モータ23及び24の駆動周波数とその制御帯域周
波数との間に設定することは容易である。
【0036】図4は、上記の実施形態の第2変形例を示
す図である。この変形例では、可動スライド面部材が2
つに分かれている。つまり、第1の超音波モータ23の
モータ先端部25に接触する第1可動スライド面22A
を有する第1可動スライド面部材27Aと、第2の超音
波モータ24のモータ先端部26に接触する第2可動ス
ライド面22Bを有する第2可動スライド面部材27B
とに分かれている。そして、第1可動スライド面部材2
7A及び第2可動スライド面部材27Bが可動部21に
対して弾性支持部材28A又は28Bを介して独立に、
かつ、弾性的に支持されている。
【0037】このような構造とすることにより、共振周
波数のずれに起因して、第1及び第2の超音波モータ2
3及び24のモータ先端部25及び26の可動スライド
面に垂直な方向の振動の位相を互いに逆位相に維持する
ことが困難な場合でも、各超音波モータ23及び24の
駆動力が有効にステージに伝達される。また、モータ先
端部25及び26と可動スライド面との磨耗を抑えるこ
とができる。特に、第1及び第2の超音波モータ23及
び24の駆動方向を逆方向とする場合に有効である。第
1可動スライド面部材27A及び第2可動スライド面部
材27Bが可動部21に対して独立に弾性支持されてい
るので、それぞれの可動スライド面22A及び22B
が、対峙する超音波モータ23及び24のモータ先端部
25及び26に対して滑ることなく追従することができ
る。
【0038】図5は、別実施形態のリニアステージ装置
における超音波モータを用いた駆動方法の原理を示す平
面図である。既述の実施形態及び変形例では、超音波モ
ータ23及び24がリニアステージ装置(マスタリング
装置)の固定側に固定され、超音波モータ23及び24
のモータ先端部25及び26に接触して駆動される可動
スライド面が可動部21に設けられている。これに対し
て、図5に示す実施形態では超音波モータ23及び24
が弾性支持部材30及び31を介して可動部21に弾性
的に支持され、超音波モータ23及び24のモータ先端
部25及び26に接触して駆動されるスライド面32を
有するスライド面部材33がリニアステージ装置(マス
タリング装置)の固定側34に固着されている。
【0039】前述のように、超音波モータ23及び24
のモータ先端部25及び26に接触して駆動されるスラ
イド面を有するスライド面部材は、セラミックのような
剛性及び耐磨耗性が高い材料で作られる。また、可動部
21の移動ストロークが長い場合はスライド面を長くと
る必要があり、スライド面部材の質量が増加する。この
ようなスライド面部材を既述の実施形態の変形例のよう
に可動部21側に弾性的に支持する場合は、不要な高次
振動を引き起こす可能性があり、それを回避する設計が
困難となる。
【0040】このような場合は、図5に示すように、ス
ライド面部材33を固定側34に設け、超音波モータ2
3及び24を可動部21に弾性支持したほうが、弾性支
持される質量が小さくなる。これにより、設計が容易に
なる。
【0041】以上、いくつかの実施形態と変形例を用い
て本発明を説明したが、本発明は、これらの実施形態及
び変形例に限らず、種々の形態で実施することが可能で
ある。例えば、リニアステージ装置に使用される超音波
モータの数は2個に限らず、3個以上であってもよい。
あるいは、第1及び第2の超音波モータがそれぞれ複数
の超音波モータ素子を含む構成としてもよい。
【0042】また、本発明のリニアステージ装置は、マ
スタリング装置(原盤露光装置)に適用することによっ
て大きな効果を上げることができるが、マスタリング装
置に限らず、半導体露光装置等、他の種々の装置に適用
することができる。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のリニア
ステージ装置によれば、複数の超音波モータを用い、そ
の合成駆動力によってステージを直線駆動することによ
り、装置全体の小型化を図りながら、低速での高精度駆
動と高速駆動とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るリニアステージ装置に
使用される超音波モータシステムの制御電圧(印加電
圧)と発生速度(駆動速度)との関係を示すグラフであ
る。
【図2】本実施形態のリニアステージ装置における超音
波モータを用いた駆動方法の原理を示す平面図であり、
(a)は高速駆動時、(b)は低速駆動時をそれぞれ示
している。
【図3】図2(b)に示した駆動方法の第1変形例を示
す図である。
【図4】図2(b)に示した駆動方法の第2変形例を示
す図である。
【図5】本発明の別実施形態に係るリニアステージ装置
における超音波モータを用いた駆動方法の原理を示す平
面図であり、低速駆動時を示している。
【図6】従来のリニアステージ装置を用いたマスタリン
グ装置の概略構造を示す断面図である。
【図7】非共振型の超音波モータの動作原理を示す図で
ある。
【図8】共振型の超音波モータの動作原理を示す図であ
る。
【符号の説明】
21 可動部(ステージ) 22,22A,22B 可動スライド面 23,24 超音波モータ 25,26 モータ先端部 27,27A,27B 可動スライド面部材 28,28A,28B 弾性支持部材 32 スライド面 34 固定側
フロントページの続き Fターム(参考) 2F078 CA02 CA08 CB09 CB12 CB14 CC15 5D117 EE07 GG06 5D121 BB21 BB38 5H680 AA19 BB02 BB13 BC10 CC02 DD02 DD12 DD23 DD65 DD82 FF26 FF36 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定側に対して一次元方向に移動可能なス
    テージと、前記ステージの可動スライド面に接触するモ
    ータ先端部を有し前記固定側に固定された複数の超音波
    モータとを備え、前記モータ先端部が、前記可動スライ
    ド面に平行な方向の振動と垂直な方向の振動との合成動
    作である円運動又は楕円運動を行うことにより前記ステ
    ージが前記固定側に対して移動するリニアステージ装置
    であって、 第1及び第2の超音波モータのモータ先端部の円運動又
    は楕円運動の方向を同一方向とすることにより前記ステ
    ージを高速で移動させると共に、逆方向とすることによ
    り前記ステージを低速で移動させることを特徴とするリ
    ニアステージ装置。
  2. 【請求項2】第1及び第2の超音波モータのモータ先端
    部の前記可動スライド面に垂直な方向の振動の位相が互
    いに逆位相であることを特徴とする請求項1記載のリニ
    アステージ装置。
  3. 【請求項3】前記可動スライド面を有する可動スライド
    面部材が、前記ステージに対して弾性的に支持され、か
    つ、その弾性支持部材を含む前記可動スライド面部材の
    固有振動数が、前記超音波モータの駆動周波数とその制
    御帯域周波数との間にあることを特徴とする請求項1又
    は2記載のリニアステージ装置。
  4. 【請求項4】第1の超音波モータのモータ先端部に接触
    する第1可動スライド面を有する第1可動スライド面部
    材と、第2の超音波モータのモータ先端部に接触する第
    2可動スライド面を有する第2可動スライド面部材とが
    前記ステージに対して個別に、かつ、弾性的に支持さ
    れ、その弾性支持部材を含む第1及び第2の可動スライ
    ド面部材の固有振動数が共に、前記超音波モータの駆動
    周波数とその制御帯域周波数との間にあることを特徴と
    する請求項1又は2記載のリニアステージ装置。
  5. 【請求項5】一次元方向に移動可能なステージに対して
    複数の超音波モータが弾性的に支持され、前記超音波モ
    ータのモータ先端部が接触するスライド面が固定側に設
    けられ、前記モータ先端部が、前記スライド面に平行な
    方向の振動と垂直な方向の振動との合成動作である円運
    動又は楕円運動を行うことにより前記ステージが固定側
    に対して移動するリニアステージ装置であって、 第1及び第2の超音波モータのモータ先端部の円運動又
    は楕円運動の方向を、同一方向とすることにより前記ス
    テージを高速移動させると共に、逆方向とすることによ
    り前記ステージを低速移動させることを特徴とするリニ
    アステージ装置。
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