JP2002345264A - 寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路 - Google Patents

寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】システム内に組み込まれた圧電素子を駆動する
圧電アクチュエータ駆動回路に関し、特に圧電素子の寿
命の判定を圧電素子をシステムから取り外すことなく、
容易に判定できる圧電アクチュエータ駆動回路を提供す
る。 【解決手段】 アクチュエータとしての圧電素子2と、
前記圧電素子に可変の電圧を供給するアンプ1-1とより
なる圧電アクチュエータ駆動回路1において、前記圧電
素子に対する前記アンプからの給電と、分圧抵抗1-4を
介した試験電圧1-3の給電とを切替える切替え手段と、
前記圧電素子と分圧抵抗の分圧点の電位変化を検出する
寿命判定手段1-5と、を含むことを特徴とする寿命判定
回路付圧電アクチュエータ駆動回路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、システム内に組み
込まれた圧電素子を駆動する圧電アクチュエータ駆動回
路に関し、特に圧電素子の寿命の判定を圧電素子をシス
テムから取り外すことなく、容易に判定できる圧電アク
チュエータ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の、圧電アクチュエータ駆動回路
では、圧電素子がその寿命によって特性が劣化した場合
には、正常な動作ができなくなるので、圧電素子の寿命
を判定する必要があり、圧電素子をシステムから取り外
して、圧電素子単体での試験を行って、その寿命を評価
するのが普通であった。その場合には、判定の都度圧電
アクチュエータを含む装置(システム)全体を止め、且
つ、装置から圧電素子を取り外す必要があった。
【0003】また、圧電素子とその駆動回路との劣化状
態を、システムの稼動前に調べるものとしては、特開平
5−318780号公報に記載の圧電素子駆動回路の異
常検出方式があった。
【0004】上記公報に記載の方式は、圧電素子(M1・
・・Mn)を充電し、所定時間後、圧電素子(M1・・・M
n)の電荷を放電させることにより、圧電素子(M1・・
・Mn)を駆動する圧電素子駆動回路の異常検出方式にお
いて、圧電素子(M1・・Mn)の端子電圧を第1および第
2の基準電圧とそれぞれ比較する第1の比較器及び第2
の比較器を設け、圧電素子(M1・・・Mn)の充電終了時
の端子電圧と第1の基準電圧とを第1の比較器により比
較するとともに、圧電素子(M1・・・Mn)の放電終了時
の端子電圧と第2の基準電圧とを第2の比較器により比
較し、第1の比較器および第2の比較器の出力により圧
電素子(M1・・・Mn)および駆動回路の異常を検出する
ものである。
【0005】従来の異常の検出は、上記の構成により、
圧電素子の充電電圧が正常なこと、および、放電動作終
了時に圧電素子の電圧が所定値以下になることを、シス
テム稼動前に検出することによって、事前に圧電素子若
しくは駆動回路の劣化を検出するものである。しかし、
上記異常検出方式は、異常検出のための構成が大掛かり
になり、圧電素子の劣化の判定も複雑であるという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題(目的)
は、システム内に組み込まれた圧電素子を駆動する圧電
アクチュエータに関し、特に圧電素子の寿命の判定を、
当該圧電素子をシステムから取り外すことなく、容易に
判定できる圧電アクチュエータ駆動回路を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、アクチュエータとしての圧電素子2と、前記圧電素
子に可変の電圧を供給するアンプ1-1とよりなる圧電ア
クチュエータ駆動回路1において、前記圧電素子に対す
る前記アンプからの給電と、分圧抵抗1-4を介した試験
電圧の1-3給電とを切替える切替え手段と、前記圧電素
子と分圧抵抗の分圧点の電位変化を検出する寿命判定手
段とで、寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路を
構成することにより、圧電素子の寿命の判定を圧電素子
をシステムから取り外すことなく、システムの稼動前
に、切替スイッチの切替えを行うことにより、容易に判
定できる。(請求項1)
【0008】また、前記寿命判定手段を、前記分圧点の
電位と所定の基準電位とを比較するコンパレータで構成
することができる。また、コンパレータの前段に、増幅
器1-5-1を配置することにより、試験用のDC電源の電
圧が小さい場合にも、微小な電流を増幅して正確な圧電
素子の寿命の判定を行うことができる。(請求項2) また、前記寿命判定手段として、前記分圧点の電位をC
PUに与えて、デジタル的に判定を行うことができる。
このように、CPU1-5-4を用いることによって、寿命
判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路1の外部にデジ
タル値として出力できるので、当該出力の表示や、この
判定出力を用いた制御に有効に利用できる。(請求項
3)
【0009】また、前記寿命判定手段は、前記分圧点の
電位をフォトカプラの発光ダイオードに与えて、該発光
ダイオードに対応するフォトトランジスタの導通によっ
て判定が行ことができる。このように、コンパレータに
代えて、フォトカプラを使用することにより、判定出力
に対して、電気的な絶縁をとることができる。(請求項
4) また、前記切替手段は、前記圧電アクチュエータを含む
システムへのソフト的なコマンド或いはハード的なスイ
ッチによって切替えることができる。また、前記圧電素
子アクチュエータが用いられるシステム全体を制御する
CPUに対するコマンドと設定しておき、該コマンドに
より、システムの稼動前にスイッチ1-2を切替て、圧電
気素子の寿命判定モードを実行することも可能である。
(請求項5)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1〜4を用いて本発明の
構成およびその動作を説明する。図1は、本発明の概念
図を示す図である。図1おいて、1は、本発明の寿命判
定回路付圧電アクチュエータ駆動回路であり、該本発明
の寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路は、圧電
素子2に可変電圧を供給するアンプ1-1、切替スイッチ1
-2、DC電源1-3、分圧抵抗1-4及び判定回路1-5により構
成されている。
【0011】図1の回路で、所定期間(例えば、1日に
1回システムの稼動前等)毎に、切替スイッチ1-2を図
示の状態に切替えることによって、圧電素子2の寿命判
定モードにすることができる。本発明における、圧電素
子の寿命判定の原理は、圧電素子の寿命が、当該圧電素
子の絶縁抵抗の劣化に大きく寄因していることを利用し
ている。
【0012】即ち、圧電素子の絶縁抵抗は、通常は1G
Ω(ギガオーム)以上あるのが、その圧電素子の寿命を
経過すると、20MΩ(メガオーム)程度に低下する。
この様子を図5に示し、図示の波線で示された20MΩ
以下になった時点を、本発明では、当該圧電素子の寿命
としているが、この値は、必ずしも一律20MΩに決ま
るものではなく、装置の設計において可変することがで
きる。この現象を利用して、本発明の圧電素子の寿命判
定モードでは、図1の如く、圧電素子2と直列に分圧抵
抗1-4を接続して、試験用DC電源1-3を印加して、分圧点
aの電位変化を判定回路1-5で検出するものである。
【0013】図1の回路では、例えば、DC電源1-3と
してE(v)、分圧抵抗1-4として10MΩの抵抗を用
いた場合には、通常は、圧電素子2の絶縁抵抗が1GΩ
とすると、分圧点aの電位は、 1000E/(1000+10)≒E(v) である。しかし、圧電素子の寿命が経過して、当該圧電
素子の絶縁抵抗が、例えば20MΩに低下すると、分圧
点aの電位は、 20E/(20+10)=2E/3(v) に変化する。この変化を判定回路1-5により検出するこ
とにより、圧電素子2の寿命を判定することが可能にな
る。システムの稼動前における、圧電素子の寿命の判定
が正常である場合には、切替スイッチ1-2をアンプ側に
切替えることだけで、システムの通常の動作が可能にな
る。
【0014】図2は、本発明の第1の実施例を示す図で
ある。図2おいて、1は、本発明の寿命判定回路付圧電
アクチュエータ駆動回路であり、該本発明の寿命判定回
路付圧電アクチュエータ駆動回路は、圧電素子2に可変
電圧を供給するアンプ1-1、切替スイッチ1-2、DC電源1-
3、分圧抵抗1-4及び判定回路1-5により構成されてい
る。また、前記判定回路1-5は、増幅器1-5-1、基準電圧
1-5-2、及びコンパレータ1-5-3で構成されている。
【0015】図2の回路では、例えば、DC電源1-3と
してE(v)、分圧抵抗1-4として10MΩの抵抗を用
いた場合には、通常は、圧電素子2の絶縁抵抗が1GΩ
とすると、分圧点aの電位は、 1000E/(1000+10)≒E(v) である。しかし、圧電素子の寿命が経過して、当該圧電
素子の絶縁抵抗が、例えば20MΩに低下すると、分圧
点aの電位は、 20E/(20+10)=2E/3(v) に変化する。
【0016】この変化を判定回路1-5により検出するの
であるが、この第1の実施例では、増幅器1-5-1によ
り、微小な電流を増幅して得られた出力と、基準電圧(R
ef)1-5-2とをコンパレータ1-5-3で比較することによっ
て、圧電素子の寿命の変化に基づく絶縁抵抗の低下を容
易に検出することができる。
【0017】図3は、本発明の第2の実施例を示す図で
ある。図3において、1は、本発明の寿命判定回路付圧
電アクチュエータ駆動回路であり、該本発明の寿命判定
回路付圧電アクチュエータ駆動回路は、圧電素子2に可
変電圧を供給するアンプ1-1、切替スイッチ1-2、DC電源
1-3、分圧抵抗1-4及び判定回路1-5により構成されてい
る。また、前記判定回路1-5は、増幅器1-5-1、CPU1-
5-4で構成されている。
【0018】図3の回路では、例えば、DC電源1-3と
してE(v)、分圧抵抗1-4として10MΩの抵抗を用
いた場合には、通常は、圧電素子2の絶縁抵抗が1GΩ
とすると、分圧点aの電位は、 1000E/(1000+10)≒E(v) である。しかし、圧電素子の寿命が経過して、当該圧電
素子の絶縁抵抗が、例えば20MΩに低下すると、分圧
点aの電位は、 20E/(20+10)=2E/3(v) に変化する。
【0019】この変化を判定回路1-5により検出するの
であるが、この第2の実施例では、増幅器1-5-1によ
り、微小な電流を増幅して得られた出力をCPU1-5-4
に与えて、圧電素子の寿命の変化に基づく絶縁抵抗の低
下を、デジタル的に判定する。このように、CPU1-5-
4を用いることによって、寿命判定回路付圧電アクチュ
エータ駆動回路1の外部にデジタル値として出力できる
ので、当該出力の表示や、この判定出力を用いた制御に
有効に利用できる。
【0020】また、このCPU1-5-4は、必ずしも、圧
電素子の寿命の判定用に独自に設ける必要はなく、圧電
素子アクチュエータが用いられるシステム全体を制御す
るCPUと兼用することも可能である。また、前記圧電
素子アクチュエータが用いられるシステム全体を制御す
るCPUに対するコマンドと設定しておき、該コマンド
により、システムの稼動前にスイッチ1-2を切替て、圧
電素子の寿命判定モードを実行することも可能である。
【0021】図4は、本発明の第3の実施例を示す図で
ある。図4おいて、1は、本発明の寿命判定回路付圧電
アクチュエータ駆動回路であり、該本発明の寿命判定回
路付圧電アクチュエータ駆動回路は、圧電素子2に可変
電圧を供給するアンプ1-1、切替スイッチ1-2、DC電源1-
3、分圧抵抗1-4及び判定回路1-5により構成されてい
る。また、前記判定回路1-5は、増幅器1-5-1、フォトカ
プラ1-5-5及びプルアップ電源1-5-6で構成されている。
【0022】図4の回路では、例えば、DC電源1-3と
してE(v)、分圧抵抗1-4として10MΩの抵抗を用
いた場合には、通常は、圧電素子2の絶縁抵抗が1GΩ
とすると、分圧点aの電位は、 1000E/(1000+10)≒E(v) である。しかし、圧電素子の寿命が経過して、当該圧電
素子の絶縁抵抗が、例えば20MΩに低下すると、分圧
点aの電位は、 20E/(20+10)=2E/3(v) に変化する。
【0023】この変化を判定回路1-5により検出するの
であるが、この第2の実施例では、増幅器1-5-1によ
り、微小な電流を増幅して得られた出力をフォトカプラ
を構成する発光ダイオードに供給するようにして、所定
の電流が流れた際に対応するフォトトランジスタが導通
して、判定出力が出ることにより、圧電素子の寿命の変
化に基づく絶縁抵抗の低下を検出する。このように、コ
ンパレータに代えて、フォトカプラを使用することによ
り、判定出力に対して、電気的な絶縁をとることができ
る。
【0024】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、アクチュエ
ータとしての圧電素子2と、前記圧電素子に可変の電圧
を供給するアンプとよりなる圧電アクチュエータ駆動回
路において、前記圧電素子に対する前記アンプからの給
電と、分圧抵抗を介した試験電圧の給電とを切替える切
替え手段と、前記圧電素子と分圧抵抗の分圧点の電位変
化を検出する寿命判定手段とで、寿命判定回路付圧電ア
クチュエータ駆動回路を構成することにより、圧電素子
の寿命の判定を圧電素子をシステムから取り外すことな
く、切替スイッチの切替えを行うことにより、容易に判
定できる。したがって、本発明の圧電アクチュエータ
が、製造ライン等使用されている場合に、毎朝の製造ラ
インの稼動前等に圧電素子の寿命の判定が容易できるの
で、急な圧電素子の寿命による破壊に基づく製造ライン
の停止を回避することが可能になる。
【0025】また、請求項2に記載の発明では、前記寿
命判定手段を、前記分圧点の電位と所定の基準電位とを
比較するコンパレータで構成することができる。また、
コンパレータの前段に、増幅器1-5-1を配置することに
より、試験用のDC電源の電圧が小さい場合にも、微小
な電流を増幅して正確な圧電素子の寿命の判定を行うこ
とができる。また、請求項3に記載の発明では、前記寿
命判定手段として、前記分圧点の電位をCPUに与え
て、デジタル的に判定を行うことができる。このよう
に、CPUを用いることによって、寿命判定回路付圧電
アクチュエータ駆動回路の外部にデジタル値として出力
できるので、当該出力の表示や、この判定出力を用いた
制御に有効に利用できる。
【0026】また、請求項4に記載の発明では、前記寿
命判定手段は、前記分圧点の電位をフォトカプラの発光
ダイオードに与えて、該発光ダイオードに対応するフォ
トトランジスタの導通によって判定を行うことができ
る。このように、コンパレータに代えて、フォトカプラ
を使用することにより、判定出力に対して、電気的な絶
縁をとることができる。また、請求項5に記載の発明で
は、前記切替手段は、前記圧電アクチュエータを含むシ
ステムへのソフト的なコマンド或いはハード的なスイッ
チによって切替えることができる。また、前記圧電素子
アクチュエータが用いられるシステム全体を制御するC
PUに対するコマンドを設定しておき、該コマンドによ
り、システムの稼動前にスイッチ1-2を切替えて、圧電
素子の寿命判定モードを自動的に実行することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆
動回路の概念図である。
【図2】寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路の
第1の実施例を示す図である。
【図3】寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路の
第2の実施例を示す図である。
【図4】寿命判定回路付圧電アクチュエータ駆動回路の
第3の実施例を示す図である。
【図5】圧電素子の経年変化に伴う絶縁抵抗の劣化を示
す図である。
【符号の説明】
1 圧電アクチュエータ駆動回路 2 圧電素子 1-1 アンプ 1-2 切替スイッチ 1-3,1-5-6 DC電源 1-4 分圧抵抗 1-5 判定回路 1-5-1 増幅器 1-5-2 基準電圧(Ref) 1-5-3 コンパレータ 1-5-4 CPU 1-5-5 フォトカプラ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータとしての圧電素子と、前
    記圧電素子に可変の電圧を供給するアンプとよりなる圧
    電アクチュエータ駆動回路において、 前記圧電素子に対する前記アンプからの給電と、分圧抵
    抗を介した試験電圧の給電とを切替える切替え手段と、 前記圧電素子と分圧抵抗の分圧点の電位変化を検出する
    寿命判定手段と、 を含むことを特徴とする寿命判定回路付圧電アクチュエ
    ータ駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記寿命判定手段は、前記分圧点の電位
    と所定の基準電位とを比較するコンパレータで構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の寿命判定回路
    付圧電アクチュエータ駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記寿命判定手段は、前記分圧点の電位
    をCPUに与えて、デジタル的に判定が行われることを
    特徴とする請求項1に記載の寿命判定回路付圧電アクチ
    ュエータ駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記寿命判定手段は、前記分圧点の電位
    をフォトカプラの発光ダイオードに与えて、該発光ダイ
    オードに対応するフォトトランジスタの導通によって判
    定が行われることを特徴とする請求項1に記載の寿命判
    定回路付圧電アクチュエータ駆動回路。
  5. 【請求項5】 前記切替手段は、前記圧電アクチュエー
    タを含むシステムへのソフト的なコマンド或いはハード
    的なスイッチによって切替えられることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の寿命判定回路付圧電
    アクチュエータ駆動回路。
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