JP2002341041A - 放射線検出光伝送装置 - Google Patents
放射線検出光伝送装置Info
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Abstract
導雑音等の影響を受けずに効率的な波長変換と光伝送を
実現する。 【構成】本発明の放射線検出光伝送装置によれば、透光
性光学部材29で内包され、放射線の入射により発光する
シンチレータ22と、シンチレータ22の中心部にその一端
が差し込み配設され、シンチレータ22からの受光により
波長を変換して発光する蛍光性光ファイバ23と、蛍光性
光ファイバ23の他端に接続された光コネクタ28と、シン
チレータ22と蛍光性光ファイバ23とを覆う遮光ケーシン
グ24,26を有する放射線感応発光波長変換器20を有して
いる。更に、放射線感応発光波長変換器20の光コネクタ
28を介して蛍光性光ファイバ23の他端部に接続され、蛍
光性光ファイバ23での発光を外部に伝送する光伝送用フ
ァイバ30とを有している。
Description
や放射線医療などの放射線や放射性物質を取り扱う施設
で使用される放射線検出光伝送装置に関する。
検査、加速器施設、放射光施設などの放射性物質を取り
扱う施設などにおいて、放射線の有無や程度の計測を行
なうためにシンチレーション検出器や半導体検出器など
が使われている。ここで、放射線とは、α線、β線、γ
線、中性子線、X線を言う。
ンチレータと光電子増倍管を一体化して検出部を形成
し、あるいは半導体検出器は半導体センサと高圧電源回
路と信号回路を一体化して検出部を形成している。検出
信号は、信号回路を介して計数部へ電送され、シングル
チャンネル分析器を用いて計数率として解析されたり、
マルチチャンネル波高分析器でスペクトル解析される。
は、一般に電源ケーブルと電気信号ケーブルが用いられ
る。また、電気信号ケーブルの代替えとして、最近では
検出部で電気信号を一度光信号に変換した後、光ファイ
バケーブルで伝送する方法も提案されている。
を有するためにノイズ対策を施す必要があった。これを
改良する方法として、通常は一体で使用されているシン
チレータと光電子増倍管を切り離し、光伝送ファイバ束
または光パイプで結び、検出部からは電源系を無くし、
シンチレータの光を直接光伝送する試みがなされている
が、現状では実用化には至っていない。
1−336296号「放射線検出装置及び放射線検出光
伝送装置」(出願日:平成1年12月27日)において
は、放射線感応発光波長変換器内の蛍光性光ファイバ端
部と光伝送ファイバの接続にマイクロレンズを用い、こ
のマイクロレンズで複数本または1本の蛍光性光ファイ
バの端部と1本の光伝送ファイバとを光学的に接続して
いる。そして、シンチレータの発光が蛍光性光ファイバ
で波長変換され、その出力光を離隔した計数部へ長距離
光伝送ができるようにしている。
術において、シンチレーション検出器や半導体検出器で
は、検出部に電源を有し、電気的な信号変換を行なって
いるため、高温や強磁界など条件の悪い環境下において
は、光電子増倍管や半導体が正常に作動せず、測定に支
障を生じることがある。
ケーブルで離して充分な距離をとる方法も考えられる
が、信号線が長くなるために、周辺の電磁場や誘導雑音
への対策が必要になる。
高圧電源を有するために厳重な防水対策を施す必要があ
り、取扱いはきわめて慎重を要するものであった。した
がって、こうした防水対策や長い電気ケーブルを必要と
せず、検出部に電源が不要な検出器が望まれていた。
前述の「放射線検出装置及び放射線検出光伝送装置」に
おいては、図12に示すように放射線感応発光波長変換
器10内の、放射線の入射により発光する円柱状のシンチ
レータ11の上下底面に反射体12a,12bを張設し、その
外周面には透光性部材13を張設する。
チレータ11の外周面上に蛍光性光ファイバ14a〜14cを
巻回し、これら全体を反射材付ケーシング17で被覆す
る。さらに上記蛍光性光ファイバ14a〜14cそれぞれの
一端部と伝送路としての光伝送ファイバ15a〜15cとを
マイクロレンズ16a〜16cを用いて接続する。
バ14a〜14cを巻回したのは、蛍光性光ファイバ14a〜
14cへの入射光量が入射面積に比例するので、巻数を多
くして入射面積すなわち入射光量を増やすことをねらっ
たものである。
蛍光性光ファイバ14a〜14cを巻き付けるために該蛍光
性光ファイバ14a〜14cのクラッドの屈折率に対して悪
影響を及ぼし、蛍光性光ファイバ14a〜14cの屈曲部と
マイクロレンズ16a〜16cの接続部からの漏光が大き
い、マイクロレンズ16a〜16cの焦点と光伝送ファイバ
15a〜15cの光軸にズレを生じる、等の固有の構造によ
り伝送損失を生ずるばかりではなく、シンチレータ11で
の発光は蛍光性光ファイバ14a〜14cのシンチレータ11
に巻回された内面側の半面からしか入射せず、蛍光性光
ファイバ14a〜14cでの効率的な波長変換の実現が不充
分であり、充分な光量が得られないという問題があっ
た。
く巻き付けるためにはシンチレータ11自体の構造を大き
くしなければならないという問題も生じていた。さら
に、マイクロレンズ16a〜16cを使用する方法では、マ
イクロレンズ16a〜16cの焦点を光伝送ファイバ15a〜
15cの光軸に完全に合わせることがほぼ不可能であるば
かりか、放射線感応発光波長変換器10と伝送路としての
光伝送ファイバ15a〜15cとを着脱することがきわめて
困難であった。
たもので、その目的とするところは、電源を必要とする
ことなく、周辺の電磁場、誘導雑音等の影響を受けずに
効率的な波長変換と光伝送を実現する小型軽量な放射線
検出光伝送装置を提供することにある。
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
伝送装置は、透光性光学部材で内包され、放射線の入射
により発光するシンチレータと、シンチレータの中心部
にその一端が差し込み配設され、シンチレータからの受
光により波長を変換して発光する蛍光性光ファイバと、
蛍光性光ファイバの他端に接続された光コネクタと、シ
ンチレータと蛍光性光ファイバとを覆う遮光ケーシング
を有する放射線感応発光波長変換器を有している。更
に、放射線感応発光波長変換器の光コネクタを介して蛍
光性光ファイバの他端部に接続され、蛍光性光ファイバ
での発光を外部に伝送する光伝送用ファイバとを有して
いる。
中心部に蛍光性光ファイバを配置することで蛍光性光フ
ァイバの周方向すべてからシンチレータの光の入射を受
けることができ、またシンチレータの周囲の光反射材か
ら反射してくる光も中心部に集まるので蛍光性光ファイ
バが効率良くシンチレータの光を受光することができ
る。そのため、効率的な波長変換と光信号発信とが実現
可能となり、したがって光コネクタを介して光伝送ファ
イバに効率良く光信号を送り出すことができ、後段の計
数部での感度向上を実現できる。
装置は、透光性光学部材で内包され、放射線の入射によ
り発光するシンチレータと、シンチレータからの受光に
より波長を変換して発光する蛍光性光ファイバと、蛍光
性光ファイバの他端に接続された光コネクタと、シンチ
レータと蛍光性光ファイバとを覆う密封機能を備えた遮
光ケーシングを有する放射線感応発光波長変換器と、放
射線感応発光波長変換器の光コネクタを介して蛍光性光
ファイバの他端部に接続され、蛍光性光ファイバでの発
光を外部に伝送する光伝送用ファイバとを備えてなり、
水中において放射線を検出する。これによって、この放
射線検出光伝送装置を、水中で使用することが可能とな
り、例えば、原子力発電所の水プールにおける放射線検
出が可能となる。
装置は、請求項1または請求項2の発明の放射性検出光
伝送装置において、シンチレータの外周面にマグネシア
(MgO)を光反射材として塗布するか、または、シン
チレータの周囲に、光反射機能及び遮光機能を有すゴム
を巻き付けるようにする。
バによって、シンチレータ内での発光を外部を漏らすこ
となく、効率的に受光することができる。
施例を説明する。
の断面構造を示すもので、放射線感応発光波長変換器20
は端栓部21、外周面に例えばフッ素樹脂による反射材を
塗布したケーシングに内包された円筒状のシンチレータ
22、このシンチレータ22の中心部に一端が挿入された蛍
光性光ファイバ23、上記シンチレータ22の外周面を被覆
してその一端に上記端栓部21を配設したシンチレータハ
ウジング24、ジョイント25、光コネクタハウジング26、
リアパネル27及び光コネクタ28等から構成される。
ム(Tl)をドーピングしたヨウ化ナトリウム(Na
I)であり、中心部に半径0.5ミリ程度の半円柱状の
溝を有する一対の半円筒状体のそれぞれ周面が例えば石
英ガラスのような透光性部材29で内包されているもの
で、この一対を組み合わせることにより中心部に約直径
1ミリの孔を有する円筒状構造となり、この中心部には
1本の蛍光性光ファイバ23の一端が差し込まれて配設さ
れるものである。
機シンチレータ、有機シンチレータあるいは液体シンチ
レータなどを使用することができるもので、シンチレー
タ22の発光波長スペクトルと蛍光性光ファイバ23の励起
波長スペクトルが合致していればよく、検出対象となる
放射線の種類とシンチレータの発光特性によってさまざ
まな組合わせを設定することができる。
しての光伝送ファイバ30に接続されるので、シンチレー
タ22及び蛍光性光ファイバ23の組合わせを最適化するこ
とにより光伝送ファイバ30の伝送損失の低い波長帯を選
択設定することができる。
としてガイドチューブ31及び外部スリーブ32から構成さ
れる。ガイドチューブ31は、中央部外側のフランジ31
a、該フランジ31aを挟んでシンチレータ22側に位置す
る、孔径が約2mmの円筒体31d、光伝送ファイバ30側
に位置する、孔径が約2mmから約1mmにまで細くな
る円筒状で外側にネジ山とさらに細いファイバスリーブ
31cを有する円筒体31bが一体的に構成されるものであ
る。
の円筒体31b上に螺合されるよう、外周面にもネジ山を
形成した構造となっており、この外周面のネジ山に対し
てワッシャ33を介してナット34で螺合することにより、
ガイドチューブ31及び外部スリーブ32をリアパネル27に
対して固定配設するものである。
の端面に反射材を塗布した状態で上記シンチレータ22に
挿入され、その他端がガイドチューブ31に差し込まれて
いる。すなわち、ガイドチューブ31内における蛍光性光
ファイバ23は、円筒体31dの内径約2mmの孔入口部で
間隙に例えばゴムによる緩衝材35が差し込まれ固定され
ている。
衝材35及びガイドチューブ31の円筒体31d入口部は、例
えばシリコンゴムなどの遮光材36,36により遮光され
る。
は、光コネクタ28を構成するガイドチューブ31のファイ
バスリーブ31cの先端よりわずかに突出する適正な位置
に設置されるもので、該端面は発光角を小さくするため
に例えば熱処理研磨される。ガイドチューブ31と外部ス
リーブ32は、螺合により一体構造にされるもので、この
ときに蛍光性光ファイバ23の他端の端面の光軸中心が外
部スリーブ32のほぼ中央に位置するよう予めネジ山を合
わせてある。
に内包されたシンチレータ22は、上述した如くその一対
を組合わせることで中心部に約1mmの孔を形成した円
筒構造となるもので、この中心部に蛍光性光ファイバ23
の一端が差し込まれ、光コネクタ28のガイドチューブ31
からシンチレータ22の入口部までに至る間の周面には遮
光材チューブ37が配設される。
の外周面には、例えばマグネシア(MgO)を光反射材
として塗布するかまたは、反射及び遮光の機能をもった
ゴムを周囲に巻き付け、かつ同材料を透光性部材29の両
端にも接着する。これは、シンチレータ22内での発光を
反射して外部へもらさないためである。
光学的な接続部には例えばシリコングリスによる光学糊
を用いてできるだけ光の散乱を抑制し、直線的な透光性
をよくする工夫を用いるが、本発明においては蛍光性光
ファイバ23のクラッド面の周方向から直角または適当な
入射角をもってシンチレータ22の発光が可能な限り多く
入射することが好ましく、むしろ反射光及び散乱光をい
ろいろな角度から入射することを助長するためにシンチ
レータ22と蛍光性光ファイバ23の間隙には光学糊は用い
ない。
のケーシングは、例えばそれぞれアルミ製でなる端栓部
21、シンチレータハウジング24、ジョイント25、光コネ
クタハウジング26、リアパネル27、ワッシャ33及びナッ
ト34から構成される。
一端を遮光、密閉するためのキャップであり、内側にネ
ジ面を有し、シンチレータハウジング24とは螺合により
接合される。
し、その一端に端栓部21、他端にジョイント25と螺合接
続するためのネジ面をそれぞれ形成する。ジョイント25
は、シンチレータハウジング24と光コネクタハウジング
26とを螺合接続するためのもので、アルミ製の円筒形状
を有しており、その内面及び外面にシンチレータハウジ
ング24及び光コネクタハウジング26をそれぞれ接続する
ためのネジ山を有する。
イバ23のシンチレータ22から光コネクタ28へ至る間を覆
うもので、リアパネル27と一体にして有底筒状の形状を
有し、リアパネル27とは反対側にはネジ面が形成され、
ジョイント25と螺合接続される。
の遮光材チューブ37が光反射材を介して接する部分は、
例えばエポキシ樹脂で固定され、さらに遮光材36が図示
の如く配設される。そして、この図示する蛍光性光ファ
イバ23を納めた状態では光コネクタ28の外部スリーブ32
の外周面側のネジ山の一部が、光コネクタハウジング26
のリアパネル27中央の孔から突出した状態となる。
ガイドチューブ31と外部スリーブ32で構成され、この光
コネクタ28に受け側光コネクタ41とファイバスリーブ42
とで構成される受け側のコネクタ部43を介して伝送路と
しての上記光伝送ファイバ30が接続される。
部43は、市販の光コネクタを用いることができる。この
種の光コネクタは、通常光伝送ファイバの接続に一般的
に用いられるもので、着脱が容易であり、同径のファイ
バを接続する場合はきわめて容易である。
イバ自体30aとその外部被覆30bとから構成される。そ
こで、受け側光コネクタ41及びファイバスリーブ42に接
続するためには、先端の外部被覆30bを剥いで内部の光
ファイバ30aをむき出しにし、外部被覆30bが被覆スリ
ーブ内に入って止まるまでファイバスリーブ42に差し込
む。すると内部光伝送ファイバ30aの先端面がファイバ
スリーブ42の先から突出する。そこで、一旦光伝送ファ
イバの接続面近くで切断し、該端面を発光角を小さくす
るために例えば熱処理研磨する。そして、光伝送ファイ
バ30の外部被覆30bが挿入された部位の被覆スリーブ30
bの中央を外側から軽くつぶして固定する。
ァイバ30の他端の端点も図示しないアダプタに接続する
べく、上記と同様に処理される。
続構造は、光コネクタ28の外部スリーブ32に受け側光コ
ネクタ41を螺合して固定するものである。このとき、ガ
イドチューブ31側のファイバスリーブ31cからわずかに
突出した蛍光性光ファイバ23の端面と受け側のコネクタ
部43のファイバスリーブ42の光伝送ファイバの端面が可
能な限り接近し、非接触で光軸が一致するように対面す
る。
光出力が効率よく光伝送ファイバ30に入射される。蛍光
性光ファイバ23と光伝送ファイバ30は、可能な限り同径
のものが望ましいが、光ファイバ相互の開口数(NUMERI
CAL APERTURE)や発光角が異なる場合は光伝送ファイバ
30の方の径が大きくなるように設定するのが肝要であ
る。
20は、アルミ製のケーシングで全体が囲繞され、密封遮
光されているのに加え、遮光材チューブ37及び遮光材36
などで外部から漏入する光を遮断しているので、ノイズ
を大幅に削減できる。
ンチレータ22を円柱形状とすることによりその中心部で
発光する光が円筒状の周面の内側で反射材により反射
し、散乱を繰り返しながらシンチレータ22の中心部で集
光されるため、効率よく蛍光性光ファイバ23に光を集め
て入射させることができる。
22が発光すると、その光は蛍光性光ファイバ23の側周の
クラッド面からコアに向かって入射し、蛍光性光ファイ
バ23の有する発光励起、波長変換機能により効率良く長
波長側に変換され、蛍光性光ファイバ23の光ファイバと
しての作用により集光され、光コネクタ28のある出力端
側へ出力される。
ァイバ23の出力光が効率良く光伝送ファイバ30側に入射
されるため、電源を使用することなく光伝送ファイバ30
の反対側に設けられる図示しない計数部の光パワーメー
タまたは光電子増倍管のセンサ部等への信号伝送が可能
となる。
端に接続される計数部の光パワーメータまたは光電子増
倍管のセンサ部と光伝送ファイバの接続の構造の詳細に
ついて述べる。計数部のセンサ部は、市販の光電子増倍
管を用いる入射光に比例した電気パルス数の計測による
もの、あるいは光半導体を利用した光量を計測する光パ
ワーメータを利用する方法がある。
増倍管または光パワーメータ)と光伝送ファイバ30の出
力端との接続構造に図2に示すような工夫が必要とな
る。すなわち、光伝送ファイバ30の出力側の端部はファ
イバスリーブ52、受け側光コネクタ53からなり、構造は
前述の放射線感応発光波長変換器20の光コネクタ28に接
続された入力側の端部の構造と同じである。
クタ53が接続されるアダプタ55の形状は有底円筒状であ
り、その有底側には受け側光コネクタ53を接続するため
のネジ面を外周面に形成した円筒状の接続チューブ54が
中央に一体にして構成される。
を螺合接続することで、接続チューブ54の内部からから
アダプタ55の開放端側に突出したファイバスリーブ52の
端面が、センサ部56の入力窓部分に可能な限り接近し、
非接触の状態で対面するようになっている。
について説明する。
で、シンチレータ22に放射線が照射されることで、シン
チレータ22が蛍光を発光する。この蛍光は蛍光性光ファ
イバ23の側部、すなわちクラッド23bに垂直方向乃至は
傾斜角をもって入射し、コア23a内で蛍光体を励起して
発光させ、この発光した光を集光しファイバ端まで伝送
して光出力させる。
入射光に対する出射光は、伝送し易い波長の光に変換さ
れ、相対的に出力密度が高められるものである。
ルを例示するものである。図示するような発光波長スペ
クトルを有するタリウム(Tl)をドーピングしたヨウ
化ナトリウム(NaI)(図では「NaI(Tl)」と
称する)で構成したシンチレータ22にγ線が入射する
と、波長410nmをピークとして発光が行なわれる。
スペクトルを例示するものである。図からもわかるよう
に、シンチレータ22は波長410nmをピークとして発
光するものである。
範囲と発光波長範囲の関係を示すものである。図4で示
したシンチレータ22の例では、発光波長範囲が300n
mから550nmでピーク波長は410nmであるの
で、蛍光性光ファイバの励起光波長範囲でいえば400
nmから460nmである品番F201の蛍光性光ファ
イバが適することがわかる。そのときの蛍光発光波長
は、495nmから550nmの発光波長範囲で、ピー
ク波長を約520nmとする緑色の光となり、長波長側
に変換される。シンチレータには、発光波長の異なるも
のがあり、シンチレータの発光波長に合致する蛍光性光
ファイバを選択することでもできる。
ファイバの波長と伝送損失の関係を例示する図である。
波長410nm近傍では伝送損失が400dB/kmと
高い値になっているが、蛍光性光ファイバ23の発光波長
520nm近傍では伝送損失が150dB/km程度で
あり、伝送損失が小さい波長域で信号伝送が実現可能で
あることを示している。
長がシンチレータ22で発光される放射線強度検出信号と
しての光信号そのものよりも信号伝送に適していること
がわかる。
長と光伝送損失の関係を示す図である。蛍光性光ファイ
バ23の発光波長520nm近傍では伝送損失が10dB
/km程度であり、非常に伝送損失が少ない波長域で信
号伝送が実現可能であることを示している。したがっ
て、上記プラスチック光伝送ファイバに比して長距離の
信号伝送に適していることがわかる。
ることは、電気信号ケーブルのように電気的なノイズの
影響を受けることもなく、また、放射線感応発光波長変
換器20の出力が光そのものであるために信号増幅あるい
は伝送のための電源を必要としないという点で有利とな
る。
変換器20は、製作の上できわめて容易になると共に、放
射線感応発光波長変換器20と光伝送ファイバ30との着脱
が容易で、且つ、電気的なノイズを増幅することなく、
信号伝送を行なうことができるという利点を有する。
応発光波長変換器20から一旦取り外し、狭い場所や壁の
細い貫通孔を通した後に再び放射線感応発光波長変換器
20に装着することで、電気などの環境ノイズの影響を受
け易い計数部を計測対象から大きく隔離することができ
る。
あった電磁気環境下、あるいは水中での放射線計測を簡
便に実現することができるようになる。
光ファイバ23の伝送損失が大きく、光伝送に適していな
いために光コネクタを介して接続されるもので、短距離
であれば安価なプラスチック光伝送ファイバを、長距離
であれば高価ではあるが石英系光伝送ファイバを用いる
ようにすればよい。
試験機器としての光電変換処理部61の概要構成を示すも
のであり、光電変換処理部61は光伝送ファイバ30から伝
送されてくる光信号を電気信号に変換する光電変換部6
2、この光電変換部62で得られた電気信号の電力値を信
号処理によって算出し、その電力値を数値化する処理部
63、この処理部63で得られた電力値を表示出力する表示
部64から構成される。
器で試験を行なった結果を示すもので、放射線感応発光
波長変換器20の円筒状シンチレータ22の長さは20c
m、外径は0.8cmであり、蛍光性光ファイバ23は1
mm径である。光伝送ファイバ30を10mとした場合の
コバルト60(60Co)によるγ線照射試験結果を示す。
グラフの横軸は線量当量率で、縦軸は計数率(カウント
/分)であり、線量当量率の増加と共に検出器のカウン
ト数が比例して増加している。このことから、放射線の
カウンタとして使用可能であることがわかる。
において本発明の装置を用いた水中プールの原子燃料集
合体頂部付近での放射線計測状況および結果を例示す
る。
さを2cm、外径を0.8cmとし、蛍光性光ファイバ
23の直径を1mmとする。使用済みの原子燃料は水プー
ル70中で高い放射線を発している。
器(以下「検出器」と略称する)20は円筒容器71内の円
柱状の鉛コリメータ75の中央部の貫通孔上部に固定さ
れ、光伝送ファイバ30は円筒容器71外に導出されてここ
では図示しない計数部につながる。計数部では、光電子
増倍管を用いて電気パルスを計数する。
るために用いられるもので、放射線源対象を弁別したい
場合に通常放射線計測で使用されるものである。ここで
は、水プール70中の原子燃料集合体を弁別するために検
出器20直下への指向性を高めるために用いられる。
より水プール70の水面上から水中の燃料頂部近くまで吊
り下げられる。
容器71を水プール70に吊り下げた状態を示す。円筒容器
71は、水中に配置される原子燃料集合体頂部から50c
m離れた位置と30cm離れた位置の計2箇所に配置し
て計測を実行した。
内に鉛コリメータ75と共に納め、鉛コリメータ75の中心
軸部の孔に配設した状態の円筒容器71の断面構造を示す
図である。
原子燃料集合体の配列状態を示している。具体的には、
原子燃料集合体はそれぞれ個別のラックに納められてお
り、同図(c)はA〜Fで表わすラック配列の一部を示
すものである。この例では、ラックB,C,D及びFに
原子燃料集合体が納められ、ラックGは原子燃料集合体
ではない放射化した物体が納められ、ラックA,Eは空
である。
適当な時間間隔で順次水平方向に移動しながらデータを
採取した結果を示している。同図で横軸は水平距離、縦
軸は計数率規格値(規格化カウント数/時間)を示して
いる。
0cm離れた水平位置での計測結果であり、図11
(b)は、原子燃料集合体頂部から30cm離れた水平
位置での計測結果である。
でピーク値を示しており、原子燃料集合体に近付けばピ
ーク値が高くなることから、原子燃料集合体の放射線を
正確に計測していることがわかる。図11(a)と同図
(b)は縦軸の目盛りが異なっており、より原子燃料集
合体頂部に近い水平距離で計測を行なった図11(b)
の計測値の方がピークが高くなっていることがわかる。
発光波長変換器20が実用的な放射線計測システムとして
成立することがわかる。また、同放射線感応発光波長変
換器20はきわめて軽量でコンパクトな構造としながら
も、水中や電磁場などの周囲の状況に悪影響を受けるこ
となく、環境に強いものとすることができる。
変換器20は形式器としてのシンチレータ22を1本のみ用
いたものを例示したが、その構造をより細くして多数本
の集合体として使用することもできる。
ムをドーピングしたヨウ化ナトリウム(NaI:Tl)
を用いたものに代えて、例えば内径1mm、外径2mm
程度のプラスチックシンチレータ・チューブを用いる。
チューブの外周面に光反射材が配設される。該シンチレ
ータ・チューブの中心軸部に一端が挿入された蛍光性光
ファイバ及び他端に接続された光コネクタからなる放射
線感応発光波長変換器と、20×20個のマトリックス
状に貫通空孔を有する直方体のコリメータと、該貫通空
孔それぞれに挿入された20×20個の上記放射線感応
発光波長変換器を覆う遮光ケーシングと、この20×2
0個の放射線感応発光波長変換器の光コネクタを介し
て、該蛍光性光ファイバでの発光を外部に伝送する20
×20本の光伝送用ファイバを備えたので、それぞれの
放射線感応発光波長変換器の放射線検出信号を独立した
信号として送出でき、2次元的な放射線量率分布などの
情報を遠隔地点へ無電源で伝送できる。
電源を必要とすることなく、周辺の電磁場、誘導雑音等
の影響を受けずに効率的な波長変換と光伝送を実現する
小型軽量な放射線検出光伝送装置を実現することができ
る。
換器の構造を示す図。
る図。
ァイバによる放射線検出でのプロセスを示す図。
トルを例示する図。
ペクトルを例示する図。
スペクトル特性を例示する図。
び石英系光伝送ファイバの波長と伝送損失の関係を示す
図。
続した計測機器の構成を例示するブロック図。
を示す図。
測概念を例示する図。
図。
示する図。
Claims (3)
- 【請求項1】 透光性光学部材で内包され、放射線の入
射により発光するシンチレータと、前記シンチレータの
中心部にその一端が差し込み配設され、前記シンチレー
タからの受光により波長を変換して発光する蛍光性光フ
ァイバと、前記蛍光性光ファイバの他端に接続された光
コネクタと、前記シンチレータと蛍光性光ファイバとを
覆う遮光ケーシングを有する放射線感応発光波長変換器
と、 前記放射線感応発光波長変換器の光コネクタを介して前
記蛍光性光ファイバの他端部に接続され、前記蛍光性光
ファイバでの発光を外部に伝送する光伝送用ファイバと
を備えた放射線検出光伝送装置。 - 【請求項2】 透光性光学部材で内包され、放射線の入
射により発光するシンチレータと、前記シンチレータか
らの受光により波長を変換して発光する蛍光性光ファイ
バと、前記蛍光性光ファイバの他端に接続された光コネ
クタと、前記シンチレータと蛍光性光ファイバとを覆う
密封機能を備えた遮光ケーシングを有する放射線感応発
光波長変換器と、 前記放射線感応発光波長変換器の光コネクタを介して前
記蛍光性光ファイバの他端部に接続され、前記蛍光性光
ファイバでの発光を外部に伝送する光伝送用ファイバと
を備えてなり、水中において放射線を検出するようにし
た放射線検出光伝送装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の放射性
検出光伝送装置において、 前記シンチレータの外周面にマグネシア(MgO)を光
反射材として塗布するか、または、前記シンチレータの
周囲に、光反射機能及び遮光機能を有するゴムを巻き付
けた放射性検出光伝送装置。
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