JP2002340898A - 被検物質の検出方法及び検出装置 - Google Patents

被検物質の検出方法及び検出装置

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JP2002340898A
JP2002340898A JP2001152205A JP2001152205A JP2002340898A JP 2002340898 A JP2002340898 A JP 2002340898A JP 2001152205 A JP2001152205 A JP 2001152205A JP 2001152205 A JP2001152205 A JP 2001152205A JP 2002340898 A JP2002340898 A JP 2002340898A
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Fumihiko Hoshino
文彦 星野
Takashi Shimamura
隆 嶋村
Osamu Asami
修 浅見
Yukio Yamada
幸生 山田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫クロマトグラフィーの原理に過酸化水素
電極を組合わせることにより、簡易かつ迅速に被検物質
の検出を可能とした検出方法及び検出装置を提供する。 【解決手段】 被検液中の被検物質Aを酸化還元酵素標
識付きの特異的結合対形成物質B−酵素と反応させてA
−B−酵素を形成させ、被検液中に残存する遊離のB−
酵素を特異的結合対形成反応を利用して固定・除外し、
被検液中のA−B−酵素を多孔性支持体の検出部におい
て酵素基質に接触させて過酸化水素発生量を検出し、被
検物質Aを検出する、被検物質の検出方法。多孔性支持
体に、酸化還元酵素の酵素基質を保持させると共に過酸
化水素電極を接触させた検出部を設けた被検物質の検出
装置。検出部には小面積で薄い多孔性材料からなり酵素
基質を保持した検出シートを付設し、これに過酸化水素
電極を接触させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検物質の検出方
法及び検出装置に関する。更に詳しくは、本発明は、被
検液中の被検物質が抗原,抗体,受容体,該受容体に対
するリガンド等である場合において、いわゆる免疫クロ
マトグラフィーの原理に過酸化水素電極を組合わせるこ
とにより、簡易かつ迅速に被検物質の検出を可能とした
検出方法及び検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】抗原と抗体、あるいは受容体と該受容体
に対するリガンド等のように、特異的な結合対を形成し
得る物質を免疫クロマトグラフィーの原理を利用して検
出する方法は、従来より種々に提案されている。
【0003】これらの方法では、特異的結合対の一方の
構成物質を被検物質とする。いずれの方法でも、この被
検物質を特異的結合対の他方の構成物質と特異的に結合
させる等の過程を通じて、被検物質量を酵素等の標識の
結合量に反映させる。そして、結合標識又は未結合標識
の存否又は量を測定することにより、被検物質を検出し
ている。
【0004】使用される標識としては、酵素標識、蛍光
等の化学発光標識、放射能標識等が例示される。酵素標
識としては、グルコースオキシダーゼ等の酸化還元酵素
が代表的に例示される。酸化還元酵素を利用する際は、
酸化還元反応を発色や酸素電極又は過酸化水素電極によ
り検出する方法が知られている。例えば、特開平5−7
2173号公報には、抗原−抗体反応の反応液を電極と
接触させ、該反応液を攪拌しながら検出を行う方法が開
示されている。
【0005】一方、免疫クロマトグラフィーに関して
は、例えば特開平4−16745号公報に開示された方
法を例示できる。この方法では、体液の吸収,反応溶質
の可溶化,免疫反応及び発色反応等を、繊維質の積層体
中において毛細管現象を利用することにより連続的にか
つ迅速に行わせる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特開平
5−72173号公報に開示された方法では、多量の反
応液を必要とする。又、被検物質の検出に当たり反応液
を攪拌すると言う面倒な操作を要する点等、全般に操作
が複雑であって迅速に測定できない。更に、例えば家庭
用等に好適な安価,簡便なディスポーザブル装置を構成
することが困難であった。
【0007】免疫クロマトグラフィーを利用した特開平
4−16745号公報の方法は簡易、迅速な検出法であ
り、家庭用等に好適なディスポーザブル装置を構成する
こともできる。従って、種々の病気の診断の目安となる
尿や唾液等の体液中の被検物質を安価,簡便,迅速に検
出することを期待できる。しかしこの方法は、被検物質
を定性的に検出できるが、定量的には検出できない。
【0008】以上のような従来技術の問題に鑑み、本件
出願人は既に、免疫クロマトグラフィーの原理に酸素電
極を組合わせた好ましい検出方法及び検出装置を提案し
ている(特願平10−328403号,特開2000−
155122号公報)。この検出方法及び検出装置によ
れば、上記従来技術の諸問題を解決できる。
【0009】しかし、酸素電極ではなく過酸化水素電極
を免疫クロマトグラフィーに組合わせることにより、更
に検出部に到達した酵素量に比例した電流量が得られる
と言う利点を期待できる。
【0010】又、上記特開2000−155122号に
係る検出方法及び検出装置では、多孔性支持体そのもの
に酵素基質を保持させ、多孔性支持体中で酵素反応を起
こさせている。ところが、多孔性支持体は、測定時の操
作上の必要から、実際には一定以上の厚さと面積とを必
要とする。従って、免疫クロマトグラフィーにおいて求
められる被検液量の低減や、酸素電極の機能上酵素反応
部分に求められる空気中酸素の十分な供給には、一定の
限界があった。
【0011】そこで本発明は、本件出願人の出願に係る
前記検出方法及び検出装置の発明の好ましい諸効果を確
保しつつ、上記した被検液量の低減や酸素供給の問題を
更に徹底して改良することを、解決すべき課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、被検液中の被検物質Aを定性的又は定
量的に検出するための検出方法であって、以下の第1工
程〜第3工程を含む、被検物質の検出方法である。
【0013】第1工程:被検液中の被検物質Aを、酸化
還元酵素で標識された特異的結合対形成物質B(B−酵
素)と反応させて、酵素標識された特異的結合対(A−
B−酵素)を形成させる工程。
【0014】第2工程:第1工程後の被検液中に残存す
る遊離のB−酵素を特異的結合対形成反応を利用して固
定することにより除外する工程。
【0015】第3工程:被検液中のA−B−酵素を多孔
性支持体の検出部において酵素基質に接触させ、その際
の過酸化水素発生量を過酸化水素電極により検出して、
被検液中における被検物質Aを定性的又は定量的に検出
する工程。
【0016】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る第3工程において、多孔性支持体の
検出部には小面積で薄い多孔性材料からなり前記酵素基
質を保持した検出シートを付設し、被検液の一部を毛細
管現象により検出シートに移動させて過酸化水素を発生
させ、その発生量を検出シートに接触した過酸化水素電
極により検出する、被検物質の検出方法である。
【0017】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第2発明に係る検出シートの面積が5平方mm以下
であり、その厚さが0.5mm以下である、被検物質の
検出方法である。
【0018】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る検出方法において、予め
被検液にB−酵素を添加して第1工程を行い、次に特異
的結合対形成反応を利用した任意の分離手段により第2
工程を行い、次にこの被検液を多孔性支持体の検出部に
供給して第3工程を行う、被検物質の検出方法である。
【0019】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る検出方法において、予め
被検液にB−酵素を添加して第1工程を行い、次に被検
液を多孔性支持体の分離部(被検物質Aと同様の特異的
結合対形成能力を有する第3物質A’を固定した部分)
に供給して第2工程を行い、次にこの被検液を毛細管現
象により多孔性支持体の検出部に移動させて第3工程を
行う、被検物質の検出方法である。
【0020】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る検出方法において、被検
液を多孔性支持体の結合対形成部(B−酵素を可溶に保
持した部分)に供給して第1工程を行い、次に被検液を
毛細管現象により多孔性支持体の分離部(B−酵素に対
する特異的結合対形成能力を有する第3物質A’を固定
した部分)に供給して第2工程を行い、次にこの被検液
を毛細管現象により多孔性支持体の検出部に移動させて
第3工程を行う、被検物質の検出方法である。
【0021】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
被検液中の被検物質Aを定性的又は定量的に検出するた
めの検出装置であって、以下〜のいずれかの構成を
有する、被検物質の検出装置である。
【0022】毛細管現象による液体の移動を許す多孔
性支持体に、酸化還元酵素の酵素基質を保持させると共
に過酸化水素電極を接触させた検出部を設けた検出装
置。
【0023】毛細管現象による液体の移動を許す多孔
性支持体に、請求項5に記載の第3物質A’を固定した
分離部と、酸化還元酵素の酵素基質を保持させると共に
過酸化水素電極を接触させた検出部とを設けた検出装
置。
【0024】毛細管現象による液体の移動を許す多孔
性支持体に、被検液の移動方向に沿って順に、請求項1
に記載のB−酵素を可溶に保持した結合対形成部と、請
求項5に記載の第3物質A’を固定した分離部と、酸化
還元酵素の酵素基質を保持させると共に過酸化水素電極
を接触させた検出部とを設けた検出装置。
【0025】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第7発明に係る検出部が、多孔性支持体と、これに
付設された、小面積で薄い多孔性材料からなり酵素基質
を保持した検出シートと、この検出シートに接触させた
過酸化水素電極からなる、被検物質の検出装置である。
【0026】(第9発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第9発明(請求項9に記載の発明)の構成は、
前記第7発明又は第8発明に係る多孔性支持体の所要部
分には、被検液を多孔性支持体に供給するための試料供
給部、及び/又は、被検液の毛細管現象による移動を促
進するための試料吸引部を設けた、被検物質の検出装置
である。
【0027】なお、「所要部分」とは、通常は、試料供
給部については多孔性支持体における被検液移動方向に
対する最上流部であり、試料吸引部については多孔性支
持体における被検液移動方向に対する最下流部である。
【0028】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明の被検物質の検出方法は、免疫クロマトグラフィーの
原理を利用し、かつ酵素標識を利用して電極により検出
するので、例えば種々の病気の診断の目安となる血液,
尿,唾液等の体液中の被検物質を、安価,簡便,迅速に
検出でき、しかも被検物質を定性的にも定量的にも検出
できる。そして例えば、家庭用等に好適なディスポーザ
ブル装置を構成することも容易である。
【0029】被検液を過酸化水素電極に接触させると、
被検液中に夾雑する還元物質により電極は少量のベース
ライン電流を出力する。この系に酸化還元酵素と酵素基
質が加わると、酸化反応により被検液中の酸素が消費さ
れ、その酸素濃度の低下が過酸化水素電極からの電流の
増大として出力される。この場合、電流変化の初速度、
又は酵素−基質反応開始より一定時間後(例えば、3〜
5分後)の電流値を測定することにより、酸化還元酵素
の濃度を知ることができる。電流変化の初速度を測定す
るには、0.5〜2分間(例えば約1分間)にわたって
電流を測定すれば良い。
【0030】このように非常に短時間に測定可能である
ため、酵素反応による酸素消費量は、検出部に到達した
被検液中への空気中酸素の溶解量に比較して極めて少な
い。更に、測定中における空気中酸素の被検液中への溶
解も期待できる。そのため、開放系で測定することは、
むしろ有利であると考えられる。
【0031】又、酵素標識として酸化還元酵素を用い、
かつ過酸化水素電極により検出するので、例えば酸素電
極により検出する場合に比較して、更に検出部に到達し
た酵素量に比例した電流量が得られると言う利点を期待
できる。
【0032】(第2発明の作用・効果)第2発明の被検
物質の検出方法においては、小面積で薄い多孔性材料か
らなる検出シートにおいて酵素反応を行わせて過酸化水
素を発生させるので、多孔性支持体そのものは、測定時
の操作等に不便を来さない程度の厚さと面積に設計して
も支障がない。そして、被検液量を例えば200μL以
下と言うレベルに低減させることができる。もちろん、
被検物質の検出に当たり被検液を攪拌する必要はない。
更に、小面積で薄い検出シートには、空気中酸素の十分
な供給を確保することができる。
【0033】(第3発明の作用・効果)第3発明のよう
に、上記検出シートの面積は5平方mm以下とし、その
厚さを0.5mm以下とすることが、被検液量の低減の
ために特に好ましい。又、検出部に到達した被検液中へ
の空気中酸素の溶解量に比較して、酵素反応による酸素
消費量を極めて少なくできることにより、安定的に定性
あるいは定量することができる等の点からも、特に好ま
しい。
【0034】(第4発明の作用・効果)第4発明によっ
て、第1発明〜第3発明に係る被検物質の検出方法の一
つの有力な実施形態が提供される。この実施形態におい
ては、後述する第7発明のの検出装置を利用すること
ができる。
【0035】(第5発明の作用・効果)第5発明によっ
て、第1発明〜第3発明に係る被検物質の検出方法の一
つの有力な実施形態が提供される。この実施形態におい
ては、後述する第7発明のの検出装置を利用すること
ができる。
【0036】(第6発明の作用・効果)第6発明によっ
て、第1発明〜第3発明に係る被検物質の検出方法の一
つの有力な実施形態が提供される。この実施形態におい
ては、後述する第7発明のの検出装置を利用すること
ができる。
【0037】(第7発明の作用・効果)第7発明の〜
のいずれかに係る被検物質の検出装置によって、第1
発明〜第6発明に係る被検物質の検出方法の具体的な実
施手段が提供される。これらの被検物質の検出装置は、
いずれも簡便な構成であり、非常に安価に提供できる。
従って、家庭用等に好適なディスポーザブル装置として
利用できる。しかも、定性的にも定量的にも、迅速に被
検物質を検出することができる。
【0038】(第8発明の作用・効果)第8発明の被検
物質の検出装置は、上記第7発明の作用・効果に加え、
例えば200μL以下と言う非常に微量の被検液によっ
ても、被検物質を正確に検出することができる。
【0039】(第9発明の作用・効果)多孔性支持体が
試料供給部を備える場合には、検出装置に対する被検液
の供給操作が便利であり、多孔性支持体が試料吸引部備
える場合には、検出装置に供給した被検液の移動が迅速
になって更に迅速に被検物質を検出できる。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第9発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第9発明を一括して指してい
る。
【0041】〔被検物質の検出方法及び検出装置〕本発
明における被検物質の検出方法は、少なくとも以下の第
1工程〜第3工程を含む。他の任意の前工程、後工程あ
るいは中間工程を含んでも構わない。
【0042】第1工程:被検液中の被検物質Aを、酸化
還元酵素で標識された特異的結合対形成物質B(B−酵
素)と反応させて、酵素標識された特異的結合対(A−
B−酵素)を形成させる工程。第2工程:第1工程後の
被検液中に残存する遊離のB−酵素を特異的結合対形成
反応を利用して固定することにより除外する工程。第3
工程:被検液中のA−B−酵素を多孔性支持体の検出部
において酵素基質に接触させ、その際の過酸化水素発生
量を過酸化水素電極により検出して、被検液中における
被検物質Aを定性的又は定量的に検出する工程。
【0043】上記の第1工程〜第3工程のうち、少なく
とも第3工程は本発明の検出装置を用いて、即ち多孔性
支持体の検出部において行う。第1工程のみ、あるいは
第1工程及び第2工程は、本発明の検出装置を利用して
行うこともできるが、本発明の検出装置を利用せずに前
処理として行うこともできる。
【0044】即ち、上記の第1工程〜第3工程は、例え
ば次の三通りの実施形態のいずれかとして行うことがで
きる。
【0045】第1の実施形態:予め被検液にB−酵素を
添加して第1工程を行い、次に特異的結合対形成反応を
利用した任意の分離手段により第2工程を行い、次にこ
の被検液を多孔性支持体の検出部に供給して第3工程を
行う。この実施形態において、第1工程は例えば適宜な
小容量空間中で被検液にB−酵素を添加・混合して行う
ことができる。第2工程における「分離手段」として
は、例えばA−B−酵素を通過させると共に遊離のB−
酵素を固定するカラムクロマトグラフィーを利用でき
る。
【0046】この第1の実施形態においては、第3工程
を行うために、前記第7発明のに係る検出装置を用い
ることができる。この検出装置は、毛細管現象による液
体の移動を許す多孔性支持体に酸化還元酵素の酵素基質
を保持させると共に過酸化水素電極を接触させた検出部
を設けた検出装置である。
【0047】第2の実施形態:予め被検液にB−酵素を
添加して第1工程を行い、次に被検液を多孔性支持体の
分離部(被検物質Aと同様の特異的結合対形成能力を有
する第3物質A’を固定した部分)に供給して第2工程
を行い、次にこの被検液を毛細管現象により多孔性支持
体の検出部に移動させて第3工程を行う。この実施形態
において、第1工程は第1の実施形態の場合と同様に行
うことができる。
【0048】この第2の実施形態においては、第2工程
及び第3工程を行うために、前記第7発明のに係る検
出装置を用いることができる。この検出装置は、毛細管
現象による液体の移動を許す多孔性支持体に、上記第3
物質A’を固定した分離部と、酸化還元酵素の酵素基質
を保持させると共に過酸化水素電極を接触させた検出部
とを設けた検出装置である。
【0049】第3の実施形態:被検液を多孔性支持体の
結合対形成部(B−酵素を可溶に保持した部分)に供給
して第1工程を行い、次に被検液を毛細管現象により多
孔性支持体の分離部(B−酵素に対する特異的結合対形
成能力を有する第3物質A’を固定した部分)に供給し
て第2工程を行い、次にこの被検液を毛細管現象により
多孔性支持体の検出部に移動させて第3工程を行う。
【0050】この第3の実施形態においては、第1工程
〜第3工程を行うために、前記第7発明のに係る検出
装置を用いることができる。この検出装置は、毛細管現
象による液体の移動を許す多孔性支持体に、被検液の移
動方向に沿って順に、上記B−酵素を可溶に保持した結
合対形成部と、上記第3物質A’を固定した分離部と、
酸化還元酵素の酵素基質を保持させると共に過酸化水素
電極を接触させた検出部とを設けた検出装置である。
【0051】〔多孔性支持体〕多孔性支持体は、本発明
に係る検出装置の本体部分を構成するものであって、毛
細管現象によって液体の移動を許す多孔性材料からなる
限りにおいて、使用する材料の種類は限定されない。例
えば、有機又は無機の適当な材料からなる粉粒体又は繊
維を柱状,板状等に成形したり、又はこのような形状を
有するハウジングに充填して多孔性支持体を構成するこ
ともできる。有機又は無機のポーラスな剛体材料を柱
状,板状等に成形して多孔性支持体を構成することもで
きる。
【0052】特に好ましい多孔性支持体は、各種の合成
繊維又は天然繊維を用いてシート状に形成した濾紙であ
る。これらの濾紙は、安価であり、薄くかつ小面積に形
成し易く、しかも毛細管現象による液体の移動が容易・
迅速である。ニトロセルロース繊維,酢酸セルロース繊
維,セルロース繊維等の親水性の繊維からなる濾紙が好
ましい。
【0053】他の好ましい多孔性支持体として、ガラス
繊維フィルター,ポリアミドフィルター,ポリスルホン
フィルター,ポリプロピレンフィルター,ポリ塩化ビニ
ルフィルター,多孔性セラミック,カーボンファイバ
ー,金属ウール等を例示することができる。
【0054】多孔性支持体の形状及びサイズは限定され
ない。濾紙等を用いて多孔性支持体をシート状に形成す
る場合、好ましくは、全体として細長い矩形に形成し、
その長さを30〜150mm程度、その幅を2〜5mm
程度、その厚さを0.2〜2mm程度とする。
【0055】多孔性支持体が軟弱な場合は、これをポリ
エチレンテレフタレート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビ
ニル等のプラスチック基板上に構成することもできる。
【0056】多孔性支持体には、少なくとも、酵素基質
を保持すると共に過酸化水素電極を接触させた検出部を
設ける。多孔性支持体にはその他にも、前記した検出方
法の実施形態に対応して、前記第3物質A’を固定した
分離部や、前記B−酵素を可溶に保持した結合対形成部
を設けることができる。多孔性支持体には更に、被検液
を多孔性支持体に供給するための試料供給部、及び/又
は、被検液の毛細管現象による移動を促進するための試
料吸引部を設けることもできる。
【0057】上記した多孔性支持体の各部は、それが設
けられる場合には、毛細管現象による被検液の移動方向
に沿い、上流側から加硫側へ向かい、試料供給部/結合
対形成部/分離部/検出部/試料吸引部、の順序で設定
される。これら多孔性支持体の各部の境界は互いに区画
される必要はないが、着色等により視覚的に区画しても
良い。
【0058】〔検出部、検出シート、過酸化水素電極〕
上記した多孔性支持体の検出部は、多孔性支持体におけ
る検出部区域に酵素基質を保持させて過酸化水素電極を
接触させる実施形態であっても良い。より好ましくは、
多孔性支持体における検出部区域に検出シートを付設
し、この検出シートに過酸化水素電極を接触させる実施
形態とする。
【0059】検出シートは、多孔性支持体の検出部区域
に比較して小面積の(更に好ましくは、小面積で薄い)
濾紙等の多孔性材料からなる。検出シートの構成材料と
して、例えばニトロセルロース濾紙等が好ましく例示さ
れる。検出シートのサイズは、十分に小面積で薄い限り
において限定されないが、その面積が5平方mm以下で
あり、その厚さが0.5mm以下であることが特に好ま
しい。
【0060】過酸化水素電極としては、この種の目的で
慣用されている通常の構成のものを使用すれば良い。特
に、小型に構成され、その感知表面が検出シートに対応
して小面積(例えば、4平方mm以下)のものを好まし
く利用できる。
【0061】〔被検物質A、特異的結合対形成物質B、
第3物質A’〕被検物質Aとしては、抗原,抗体、受容
体,該受容体に対するリガンド等のように、抗原−抗体
又は受容体−リガンド等のような特異的な結合対を形成
し得る物質を、限定なく対象とすることができる。特に
有用な被検物質Aとして、各種疾患や心身状態の判定指
標となる体液成分、例えば、糖尿病性腎症の初期マーカ
ーとして有用な尿中アルブミン等を例示することができ
る。被検物質Aを含む被検液の種類は限定されないが、
ヒト又は動物の唾液,血液(血清や血漿を含む),尿等
の体液が代表的である。
【0062】特異的結合対形成物質Bとは、被検物質A
に対して特異的に結合対を形成することができる物質で
ある。即ち、被検物質Aが抗原であればその抗体を、被
検物質Aが抗体であればその抗原を、被検物質Aが受容
体であればそれに対するリガンドを、被検物質Aが特定
受容体に対するリガンドであれば当該受容体を、それぞ
れ特異的結合対形成物質Bとして利用できる。
【0063】本発明の一定の実施形態においては、第3
物質A’が使用される。この第3物質A’は、特異的結
合対形成物質Bに対して被検物質Aと同様の特異的結合
対形成能力を有する物質であれば良い。被検物質Aと同
一物質であっても良い。
【0064】〔酸化還元酵素〕本発明において、酸化還
元酵素は特異的結合対形成物質Bに結合させて用いら
れ、結果的に酵素標識された特異的結合対(A−B−酵
素)を形成する。そして検出部における酵素基質との接
触によって特定量の過酸化水素を発生させ、これを過酸
化水素電極に検出させる。
【0065】使用される酸化還元酵素の種類は限定され
ない。好ましい例として、グルコースオキシダーゼ,キ
サンチンオキシダーゼ,アミノ酸オキシダーゼ,アスコ
ルビン酸オキシダーゼ,アシル−CoAオキシダーゼ,
コレステロールオキシダーゼ,ガラクトースオキシダー
ゼ,シュウ酸オキシダーゼ,ザルコシンオキシダーゼ等
を挙げることができる。
【0066】〔酵素基質〕本発明において、酵素基質は
多孔性支持体における検出部の部分に保持され、あるい
はこの部分に付設した検出シートに保持される。被検液
に対して可溶に保持されている限りにおいて保持の形態
は限定されない。好ましくは、多孔性支持体の検出部又
は検出シートを酵素基質溶液に浸漬した後、溶媒を乾燥
させることにより酵素基質を保持させる。
【0067】酵素基質の種類は、酸化還元酵素の種類の
種類に従って決まる。例えば、グルコースオキシダーゼ
に対してはグルコースを用いる。キサンチンオキシダー
ゼに対してはキサンチンを用いる。アミノ酸オキシダー
ゼに対してはアミノ酸を用いる。アスコルビン酸オキシ
ダーゼに対してはアスコルビン酸を用いる。アシル−C
oAオキシダーゼに対してはアシルCoAを用いる。コ
レステロールオキシダーゼに対してはコレステロールを
用いる。ガラクトースオキシダーゼに対してはガラクト
ースを用いる。シュウ酸オキシダーゼに対してはシュウ
酸を用いる。ザルコシンオキシダーゼに対してはザルコ
シンを用いる。
【0068】
【発明の有益な実施態様】本発明は、以下のような有益
な態様において実施することができる。以下の各番号に
係る実施態様において「上記」と言う時は、該当する内
容を含む各先行番号に係る実施態様のすべてを、それぞ
れ択一的に指している。
【0069】1)被検液中の被検物質Aを酸化還元酵素
標識付きの酵素特異的結合対形成物質B−酵素と反応さ
せてA−B−酵素を形成させる工程、この工程後の被検
液中に残存する遊離のB−酵素を特異的結合対形成反応
を利用して固定することにより除外する工程、及び、被
検液中のA−B−酵素を多孔性支持体の検出部において
酵素基質に接触させ、その際の過酸化水素発生量を過酸
化水素電極により検出して、被検液中における被検物質
Aを定性的又は定量的に検出する工程、を含む被検物質
の検出方法。
【0070】2)上記多孔性支持体が、濾紙、とりわけ
ニトロセルロース繊維からなる濾紙である。
【0071】3)上記濾紙からなる多孔性支持体が細長
い矩形であり、長さ30〜150mm程度、幅2〜5m
m程度、厚さ0.2〜2mm程度である。
【0072】4)上記多孔性支持体の検出部では、多孔
性支持体そのものに酵素基質を保持させ、これに過酸化
水素電極を接触させる。
【0073】5)上記多孔性支持体の検出部では、小面
積で薄い多孔性材料からなり酵素基質を保持した検出シ
ートを付設し、これに過酸化水素電極を接触させる。
【0074】6)上記検出シートの面積が5平方mm以
下で、厚さが0.5mm以下である。
【0075】7)上記検出シートが、濾紙、とりわけニ
トロセルロース繊維からなる濾紙である。
【0076】8)上記1)の検出方法において、予め被
検液にB−酵素を添加して第1工程を行い、特異的結合
対形成反応を利用した任意の分離手段により第2工程を
行い、この被検液を多孔性支持体の検出部に供給して第
3工程を行う。
【0077】9)上記1)の検出方法において、予め被
検液にB−酵素を添加して第1工程を行い、被検液を多
孔性支持体の分離部に供給して第2工程を行い、この被
検液を毛細管現象により多孔性支持体の検出部に移動さ
せて第3工程を行う。
【0078】10)上記1)の検出方法において、被検
液を多孔性支持体の結合対形成部に供給して第1工程を
行い、被検液を毛細管現象により多孔性支持体の分離部
に供給して第2工程を行い、この被検液を毛細管現象に
より多孔性支持体の検出部に移動させて第3工程を行
う。
【0079】11)上記被検物質A,酵素特異的結合対
形成物質Bが、抗原,抗体,受容体又は該受容体に対す
るリガンドである。
【0080】12)上記酸化還元酵素が、グルコースオ
キシダーゼ,キサンチンオキシダーゼ,アミノ酸オキシ
ダーゼ,アスコルビン酸オキシダーゼ,アシル−CoA
オキシダーゼ,コレステロールオキシダーゼ,ガラクト
ースオキシダーゼ,シュウ酸オキシダーゼ又はザルコシ
ンオキシダーゼである。
【0081】13)上記酵素基質が、グルコース,キサ
ンチン,アミノ酸,アスコルビン酸,アシルCoA,コ
レステロール,ガラクトース,シュウ酸又はザルコシン
である。
【0082】14)上記過酸化水素電極が、小型で、そ
の感知表面が検出シートに対応して小面積(例えば、4
平方mm以下)のものである。
【0083】15)毛細管現象による液体の移動を許す
多孔性支持体に、酸化還元酵素の酵素基質を保持させる
と共に過酸化水素電極を接触させた検出部を設けた被検
物質の検出装置。
【0084】16)毛細管現象による液体の移動を許す
多孔性支持体に、第3物質A’を固定した分離部と、酸
化還元酵素の酵素基質を保持させると共に過酸化水素電
極を接触させた検出部とを設けた被検物質の検出装置。
【0085】17)毛細管現象による液体の移動を許す
多孔性支持体に、被検液の移動方向に沿って順に、B−
酵素を可溶に保持した結合対形成部と、第3物質A’を
固定した分離部と、酸化還元酵素の酵素基質を保持させ
ると共に過酸化水素電極を接触させた検出部とを設けた
被検物質の検出装置。
【0086】18)上記被検物質の検出装置において、
検出部が、多孔性支持体と、これに付設された、小面積
で薄い多孔性材料からなり酵素基質を保持した検出シー
トと、この検出シートに接触させた過酸化水素電極から
なる。
【0087】19)上記多孔性支持体の所要部分には、
被検液を多孔性支持体に供給するための試料供給部を設
けた。
【0088】20)上記多孔性支持体の所要部分には、
被検液の毛細管現象による移動を促進するための試料吸
引部を設けた。
【0089】
【実施例】〔抗体の作製〕Balb/Cマウスにヒトアルブ
ミンを感作させ、その脾臓を摘出し、マウスミエローマ
細胞と融合させて抗アルブミン抗体を産生するハイブリ
ドーマを得た。ハイブリドーマの内、アフィニティの高
い抗体を産生するものを選択してモノクローン化した。
このハイブリドーマ細胞をマウス腹腔内に注入して、数
週間後に腹水を採取した。この腹水から、ProteinA固定
カラムにより抗ヒトアルブミンマウスモノクローナル抗
体(以下、「モノクローナル抗体」と言う)を精製し
た。
【0090】〔酵素標識抗体の作製〕上記により得たモ
ノクローナル抗体のグルコースオキシダーゼによる標識
を次のようにして行った。即ち、2mgのグルコースオ
キシダーゼを含む0.8mLの水溶液に100μLの
0.1モルNaIOを添加し、25°Cにて30分間
反応させた。これに50μLのエチレングリコールを添
加して25°Cにて5分間インキュベートした後に、2
mモル酢酸ナトリウム(pH4.4)で脱塩ゲル濾過を
行って、アルデヒド化グルコースオキシダーゼを得た。
【0091】2mgのアルデヒド化グルコースオキシダ
ーゼに対して、10mgの前記モノクローナル抗体を2
mLのPBS(Phosphate buffered saline )に溶解さ
せた溶液と、100μLの1モル炭酸ナトリウム溶液
(pH9.5)とを添加し、25°Cにて2時間反応さ
せた。
【0092】次に、4mg/mLのNaBH水溶液4
0μLを加えて4°Cにて2時間反応させた後に濃縮
し、ゲル濾過を行って、グルコースオキシダーゼによっ
て標識された抗ヒトアルブミンマウスモノクローナル抗
体(以下、「酵素標識抗体」と言う)を得た。
【0093】〔測定1〕緩衝液(例えば、10mMリン
酸ナトリウム、pH7.0)液中に0〜200mg/m
Lにわたる種々の濃度にアルブミンを溶解させた溶液
を、上記により得た酵素標識抗体と反応させた。次にこ
の反応液をヒトアルブミンを固定化したカラムに通すこ
とにより、遊離の酵素標識抗体を除去し、アルブミンと
酵素標識抗体との結合対(以下、「酵素標識結合対」と
言う)を含有する溶液を得た。
【0094】この「測定1」で使用した検出装置を図1
に示す。この測定装置1は、電極感知面積が0.04平
方mmである過酸化水素電極2上に、グルコース溶液を
吸収させた後に乾燥させた小濾紙片である検出シート3
を重ね、更にセルロース繊維製の濾紙からなる多孔材料
4で覆った小型チップ状のものである。検出シート3は
ポリカーボネートからなり、その厚さは0.1mmで、
その面積が4平方mmである。多孔材料4の幅は約5m
mである。
【0095】上記多孔材料4上に前記の酵素標識結合対
を含有する溶液を滴下し、その前後にわたって過酸化水
素電極2の出力電流を経時的に記録した。又、緩衝液の
みを滴下した場合の同様な出力電流を経時的に記録し、
これをベースラインとした。その結果を図4に示す。図
4の右欄外の数値は溶液中のアルブミン濃度を示す。電
流変化の初速度、及び一定時間後の電流変化量のいずれ
も、アルブミンの濃度に依存してグラフが上昇すること
を確認した。
【0096】〔測定2〕上記した「測定1」の場合と同
様に種々の濃度にアルブミンを緩衝液に溶解させた溶液
を準備し、酵素標識抗体と反応させて反応液を得た。
【0097】この「測定2」で使用した検出装置を図2
に示す。この測定装置1’は、長さ38mm、幅8m
m、厚さ1mmの長方形の濾紙からなる多孔性支持体5
の一端側を試料供給部6とし、その下流側(図の右方
側)を分離部7とし、多孔性支持体5の他端側を検出部
8としたものである。分離部7においてはアルブミンが
固定され、遊離の酵素標識抗体を固定できるようになっ
ている。又、検出部8には、前記図1に示す検出シート
3と過酸化水素電極2が設けられている。
【0098】上記多孔性支持体5の試料供給部6上に前
記の反応液を滴下し、その前後にわたって過酸化水素電
極2の出力電流を経時的に記録した。又、緩衝液のみを
滴下した場合の同様な出力電流を経時的に記録し、これ
をベースラインとした。その結果を図5に示す。図5の
右欄外の数値は溶液中のアルブミン濃度を示す。電流変
化の初速度、及び一定時間後の電流変化量のいずれも、
アルブミンの濃度に依存してグラフが上昇することを確
認した。
【0099】〔測定3〕上記した「測定1」の場合と同
様に種々の濃度にアルブミンを緩衝液に溶解させた溶液
を準備した。
【0100】この「測定3」で使用した検出装置を図3
に示す。この測定装置1”は、長さ43mm、幅8m
m、厚さ1mmの長方形の濾紙からなる多孔性支持体5
の一端側を前記と同様の試料供給部6とし、その下流側
(図の右方側)に酵素標識抗体を可溶に保持した結合対
形成部9を設定し、更にその下流側を前記と同様の分離
部7とし、多孔性支持体5の他端側を検出部8としたも
のである。検出部8には、前記図1に示す検出シート3
と過酸化水素電極2が設けられている。
【0101】上記多孔性支持体5の試料供給部6上に前
記のアルブミン溶液を滴下し、その前後にわたって過酸
化水素電極2の出力電流を経時的に記録した。又、緩衝
液のみを滴下した場合の同様な出力電流を経時的に記録
し、これをベースラインとした。その結果を図6に示
す。図6の右欄外の数値は溶液中のアルブミン濃度を示
す。電流変化の初速度、及び一定時間後の電流変化量の
いずれも、アルブミンの濃度に依存してグラフが上昇す
ることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被検物質の検出装置の一実施例を
簡略化して示す図である。
【図2】本発明に係る被検物質の検出装置の一実施例を
簡略化して示す図である。
【図3】本発明に係る被検物質の検出装置の一実施例を
簡略化して示す図である。
【図4】本発明に係る被検物質の検出方法の一実施例の
結果を示すグラフ図である。
【図5】本発明に係る被検物質の検出方法の一実施例の
結果を示すグラフ図である。
【図6】本発明に係る被検物質の検出方法の一実施例の
結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1,1’,1” 測定装置 2 過酸化水素電極 3 検出シート 4 多孔材料 5 多孔性支持体 6 試料供給部 7 分離部 8 検出部 9 結合対形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅見 修 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 幸生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2G045 FB01 FB03 FB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検液中の被検物質Aを定性的又は定量
    的に検出するための検出方法であって、以下の第1工程
    〜第3工程を含むことを特徴とする被検物質の検出方
    法。 第1工程:被検液中の被検物質Aを、酸化還元酵素で標
    識された特異的結合対形成物質B(B−酵素)と反応さ
    せて、酵素標識された特異的結合対(A−B−酵素)を
    形成させる工程。 第2工程:第1工程後の被検液中に残存する遊離のB−
    酵素を、特異的結合対形成反応を利用して固定すること
    により除外する工程。 第3工程:被検液中のA−B−酵素を多孔性支持体の検
    出部において酵素基質に接触させ、その際の過酸化水素
    発生量を過酸化水素電極により検出して、被検液中にお
    ける被検物質Aを定性的又は定量的に検出する工程。
  2. 【請求項2】 前記第3工程において、多孔性支持体の
    検出部には小面積で薄い多孔性材料からなり前記酵素基
    質を保持した検出シートを付設し、被検液の一部を毛細
    管現象により検出シートに移動させて過酸化水素を発生
    させ、その発生量を検出シートに接触した過酸化水素電
    極により検出することを特徴とする請求項1に記載の被
    検物質の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記検出シートの面積が5平方mm以下
    であり、その厚さが0.5mm以下であることを特徴と
    する請求項2に記載の被検物質の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記検出方法において、予め被検液にB
    −酵素を添加して第1工程を行い、次に特異的結合対形
    成反応を利用した任意の分離手段により第2工程を行
    い、次にこの被検液を多孔性支持体の検出部に供給して
    第3工程を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の被検物質の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記検出方法において、予め被検液にB
    −酵素を添加して第1工程を行い、次に被検液を多孔性
    支持体の分離部(被検物質Aと同様の特異的結合対形成
    能力を有する第3物質A’を固定した部分)に供給して
    第2工程を行い、次にこの被検液を毛細管現象により多
    孔性支持体の検出部に移動させて第3工程を行うことを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の被検
    物質の検出方法。
  6. 【請求項6】 前記検出方法において、被検液を多孔性
    支持体の結合対形成部(B−酵素を可溶に保持した部
    分)に供給して第1工程を行い、次に被検液を毛細管現
    象により多孔性支持体の分離部(B−酵素に対する特異
    的結合対形成能力を有する第3物質A’を固定した部
    分)に供給して第2工程を行い、次にこの被検液を毛細
    管現象により多孔性支持体の検出部に移動させて第3工
    程を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の被検物質の検出方法。
  7. 【請求項7】 被検液中の被検物質Aを定性的又は定量
    的に検出するための検出装置であって、以下〜のい
    ずれかの構成を有することを特徴とする被検物質の検出
    装置。 毛細管現象による液体の移動を許す多孔性支持体に、
    酸化還元酵素の酵素基質を保持させると共に過酸化水素
    電極を接触させた検出部を設けた検出装置。 毛細管現象による液体の移動を許す多孔性支持体に、
    請求項5に記載の第3物質A’を固定した分離部と、酸
    化還元酵素の酵素基質を保持させると共に過酸化水素電
    極を接触させた検出部とを設けた検出装置。 毛細管現象による液体の移動を許す多孔性支持体に、
    被検液の移動方向に沿って順に、請求項1に記載のB−
    酵素を可溶に保持した結合対形成部と、請求項5に記載
    の第3物質A’を固定した分離部と、酸化還元酵素の酵
    素基質を保持させると共に過酸化水素電極を接触させた
    検出部とを設けた検出装置。
  8. 【請求項8】 前記検出部が、多孔性支持体と、これに
    付設された、小面積で薄い多孔性材料からなり酵素基質
    を保持した検出シートと、この検出シートに接触させた
    過酸化水素電極からなることを特徴とする請求項7に記
    載の被検物質の検出装置。
  9. 【請求項9】 前記多孔性支持体の所要部分には、被検
    液を多孔性支持体に供給するための試料供給部、及び/
    又は、被検液の毛細管現象による移動を促進するための
    試料吸引部を設けたことを特徴とする請求項7又は請求
    項8に記載の被検物質の検出装置。
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