JP2002339254A - シート材 - Google Patents

シート材

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JP2002339254A
JP2002339254A JP2001150746A JP2001150746A JP2002339254A JP 2002339254 A JP2002339254 A JP 2002339254A JP 2001150746 A JP2001150746 A JP 2001150746A JP 2001150746 A JP2001150746 A JP 2001150746A JP 2002339254 A JP2002339254 A JP 2002339254A
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resin
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Hidemoto Okada
英基 岡田
Tadao Sugawara
忠雄 菅原
Masaki Ishii
正樹 石井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な吸湿発熱による保温性と、着臭防止性、
抗菌性を兼ね備え、快適性に優れたシート材を提供する
こと。 【解決手段】ビニルカルボン酸および/またはビニルス
ルホン酸と、特定のジビニルモノマーとを重量比1:2
〜1:20で含む処理液が、繊維材料の表面上に付与さ
れ重合されてなる繊維構造物が、吸湿による発熱エネル
ギーが5以上30以下であることを特徴とするシート
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、快適性に優れた吸
湿発熱性と着臭防止性、抗菌性を兼ね備えたシート材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】椅子、ソファ、車両の座席などのシート
材は、通常繊維積層体などの表面に、織編物あるいは不
織布を貼り合わせたものが主として使用されている。そ
のうち不織布としてはポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレンなどが用いられている。
【0003】これらの材料では、椅子の快適性という観
点からは不十分である。すなわち通常のポリエステルや
ポリプロピレンなどの合成繊維は、優れた物理的および
化学的特性を有しているため広く利用されているが、そ
の反面、吸放湿性がないため、イスに座ったときに快適
な座り心地が得られず、特に冬場、通常のシート材では
臀部から冷えてくることも多く、椅子のシート材として
用いる場合、強く改善が望まれている。また通常の合成
繊維不織布の場合、長時間の着用によって蒸れと暑さが
増大し、椅子内の菌の増殖により、臭気を発生する欠点
もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、椅子
に座ったとき、特に冬場、座った部分の温度を上げ、快
適な座り心地を与えるシート材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】シート材に対して、ビニ
ルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸モノマー
と一般式[I]および/または一般式[II]で示されるビニ
ルモノマーとを重量比1:2〜1:20で繊維構造物の
表面に付与され重合させることにより、吸湿発熱効果に
より、快適な保温効果を与え、特にポリプロピレン不織
布を用いることにより、座り心地に優れたシート材を提
供できることを見出した。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】さらに、チタンとケイ素からなる複合酸化
物と、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂お
よびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバイン
ダーを付与することにより、臭気の発生源である菌の増
殖を押さえ、椅子内の着臭防止性に優れたシート材を提
供できることを見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で言う発熱エネルギー係数
とは、幅約3.5cmの試料3gを、温度計あるいは熱
電対の測定部に巻き、摂氏30度×湿度30%RHの環
境下に12時間以上放置後の温度を測定する。次に摂氏
30度×湿度90%RHの環境まで、湿度3%/分の速
度で変化させ、この間1分毎に4時間後まで温度を測定
するものである。該測定後、上昇温度を積分したものを
発熱エネルギー量として求め、次の式によって表す。
【0010】発熱エネルギー係数=試料の発熱エネルギ
ー量/ポリエステルタフタ(JIS標準布)の発熱エネ
ルギー量 発熱エネルギー係数が5以上30以下の範囲において、
吸湿発熱による保温効果が高く、シート材として快適な
座り心地が得られる。5より小さい場合は、発熱エネル
ギーが低すぎて、十分な保温効果が得られず、30より
大きい場合は、逆に温度が高くなりすぎて、椅子内で蒸
れが生じ、快適な着用感が得られない。
【0011】本発明は、シート材に対して、吸湿による
発熱エネルギーを生じさせる手段として、ビニルカルボ
ン酸および/またはビニルスルホン酸(以下、「モノマ
ーA」という。)、一般式[I]および/または一般式[I
I]で示されるジビニルモノマー(以下、「モノマーB」
という。)ならびに重合開始剤からなり、モノマーAと
モノマーBの重量比が20:1〜1:2で含む処理液
を、繊維材料に付与した後、繊維材料表面上で重合させ
る方法を用いている。
【0012】本発明に用いるモノマーAとしては、ビニ
ルカルボン酸および/またはビニルスルホン酸が選ばれ
る。ビニルカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸などが挙げられる。ビニルス
ルホン酸の具体例としては、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」とい
う。)、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンス
ルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げら
れる。本発明では、これらのモノマー2種類以上用いる
ことも何ら差し支えない。特に重合効率と吸湿性の面か
ら、アクリル酸、メタクリル酸、AMPS、スチレンス
ルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0013】本発明に用いるモノマーBの一種は、一般
式[I]で表され、n=9〜23であるものである。nが
9より小さくても23より大きくても十分な耐久性が得
られない。またモノマーBの他の種は、一般式[II]で表
され、m+n=10〜30であるものである。モノマー
Bとして、一般式[I]、[II]のモノマーをそれぞれ単独
でも用いることができ、また一般式[I]および一般式[I
I]のものを併用してもよく、さらに、一般式[I]、[II]
で表されるものに含まれる2種以上のものを用いても何
ら差し支えない。またXについては安全の面からX=C
3を用いることが好ましい。
【0014】モノマーAとモノマーBの混合比は、重量
比で1:2〜1:20とする。この重量比が1:20を
超える場合には、大きな吸湿特性の向上はなく、効率的
ではない。また、1:2に満たない場合には、重合体の
網目構造化が十分進まず耐久性が悪くなり、また発熱エ
ネルギーも十分に得られない。
【0015】本発明に用いる重合開始剤としては、通常
のラジカル開始剤を使用できる。例えば、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素など無機系重合開
始剤や、2,2−アゾビス(2−アミディノプロパン)
ジハイドロクロライド、2,2−アゾビス(N、N−ジ
メチレンイソブチラミディン)ジハイドロクロライド、
2−(カルバモイラゾ)イソブチロニトリルなどの有機
系重合開始剤が挙げられる。また、過酸化ベンゾイル、
アゾビスイソブチロニトリルなどの水不溶性重合開始剤
をアニオン、ノニオン等の界面活性剤で乳化させて用い
てもよい。コスト、取り扱いに容易さの点からは、過硫
酸アンモニウムが好ましく用いられる。
【0016】さらに、重合効率を高めるために、重合開
始剤としての過酸化物と還元性物質を併用するいわゆる
レドックス開始剤を用いてもよい。この過酸化物として
は、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム、還
元性物質としては、例えば、スルホキシル酸ナトリウム
とホルマリンとの反応物やハイドロサルファイトなどが
挙げられる。重合開始剤の使用濃度は、使用するモノマ
ー濃度や処理条件にもよるが、0.1〜3%が好まし
い。
【0017】本発明に用いる処理液には、必要に応じて
適宜の仕上げ加工剤、例えば、撥水剤、柔軟剤、難燃
剤、抗菌防臭加工剤などを添加してもよい。また、架橋
促進のために、風合いをあまり粗硬にしない程度に、メ
チロール基を有するビニルモノマー、例えば、N−メチ
ロールアクリルアミドやN−メチロールメタクリルアミ
ドなどを添加してもよい。
【0018】処理液を繊維材料に付与する方法として
は、通常用いられる手段が適用可能である。例えば、パ
ディング法、スプレー法、キスロールコータ、スリット
コータなどが挙げられる。これらの方法で処理液を付与
後、例えば真空脱水機で処理するなどして付与量を調整
することも好ましく行われる。
【0019】本発明において、モノマーAとモノマーB
を重合させる方法としては、ラジカル重合に用いられる
あらゆる手段が適用可能である。例えば、乾熱処理、ス
チーム処理、コールドバッチ法、マイクロ波処理、紫外
線処理などが挙げられる。マイクロ波処理とは、245
0MHzまたは920MHzの波長の高周波を被加熱物
に当てることで発熱させるものである。これらの処理手
段は、単独で適用してもよいし、加熱効率を高めるため
に、例えば、スチーム処理または乾熱処理時にマイクロ
波処理または紫外線処理を併用するなどしてもよい。な
お、空気中の酸素が存在すると重合が進みにくくなるの
で、乾熱処理、マイクロ波処理、紫外線処理の場合に
は、不活性ガス雰囲気下で処理するのが好ましく、コー
ルドバッチ法の場合にも、シール材で密封するのが好ま
しい。
【0020】これらの重合法のなかでは、スチーム処理
が重合効率および処理の安定性の観点から好適である。
スチーム処理は、常圧スチーム、加熱スチーム、高圧ス
チームのいずれでもよいが、コスト面からは、常圧スチ
ームまたは加熱スチームが好ましい。スチーム処理温度
は、好ましくは80〜180℃、さらにはより好ましく
は100〜160℃の範囲内である。スチーム処理時間
は1〜10分程度でよい。
【0021】なお、本発明において、繊維材料に処理液
を付与した後、モノマーAとモノマーBを重合させる前
に、風乾あるいは乾燥機などで予備乾燥することも好ま
しく行われる。
【0022】本発明の上記処理液による重合物の付着量
は、発熱エネルギー量を5以上を有し、吸湿性能を優
れ、尚かつ風合いを良好なものにするための観点から、
繊維材料に対して1〜20wt%とするのが好ましい。
【0023】本発明に用いうる繊維材料としては、ポリ
エチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレ
ートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル
系繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系
繊維、ポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル系
繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、セルロース系繊
維、たんぱく質系繊維などが挙げられ、これらを混紡混
織、交織、交編した混用素材も含まれる。特にポリプロ
ピレン不織布に対して本発明を適用した場合、他の繊維
材料対比、発熱エネルギー量、吸湿発熱効果が高く、シ
ート材用繊維材料として優れた性能を発揮する。
【0024】本発明において、光触媒半導体とは、紫外
線により励起された強い酸化力によって、有機物を酸化
分解する特性を有するものであり、具体的には、アナタ
ーゼ型、ルチル型、ブルカイト型と呼ばれる結晶型の構
造をもつものが含まれる。
【0025】本発明は、かかる光触媒半導体が、消臭
性、着色物分解除去性、殺菌性(抗菌、防カビ)を有す
るという事実に着目し、ビニルカルボン酸および/また
はビニルスルホン酸モノマーを付与した後、消臭性、着
臭防止性および殺菌性機能を同時に付与することに成功
したものである。
【0026】また、本発明の光触媒半導体は、これまで
困難とされてきたシート材中の臭いをバランスよく消臭
し、しかも、かかる臭気を酸化分解する機能も有するの
で、着臭防止という、これまでにない非常に優れた効果
も達成するものである。さらに、本発明の光触媒半導体
は、その酸化力により、MRSA菌、大腸菌、黄色ブド
ウ状球菌などに対する殺菌力をも有するので、抗菌、防
カビ加工の効果も発揮するものである。
【0027】かかる光触媒半導体の粒子径は、大きすぎ
たり、比表面積が小さすぎたりすると、有機物、特に細
菌に対する分解速度が低下する傾向がある。また消臭反
応は、悪臭成分が、該光触媒半導体に吸着されて、その
後、紫外線により該光触媒半導体が励起されて惹起した
酸化力により分解を受けるものであるが、その場合、悪
臭成分の吸着の良し悪しが、消臭効率に大きく影響を与
えるので、一次粒子径としては、好ましくは20nm以
下で比表面積が100〜300m 2 /gであるものが好
ましく使用される。かかる光触媒半導体の繊維構造物に
対する付着量は、少なすぎると悪臭成分などの有機物の
分解速度が低下し、十分な性能が得られないし、逆に多
すぎると、繊維布帛の光触媒半導体の酸化による劣化を
起こしたり、風合いの硬いものになり実用的なものでな
くなったり、さらに光触媒半導体の酸化分解による繊維
自体やバインダー等の分解によって発生する悪臭が問題
となるため繊維構造物に対する光触媒半導体の付着量は
0.05〜30重量%が好ましく、0.05〜20重量
%がより好ましく、0.08〜10重量%が特に好まし
い。
【0028】本発明の光触媒半導体としては、好ましく
はチタンとケイ素の複合酸化物を使用するのがよい。か
かる複合酸化物は、特公平5−55184号公報に記載
された方法で製造されたものを用いることができる。一
般に、チタンとケイ素からなる二元系複合酸化物は、例
えば、「触媒」(第17巻、No.3、第72頁197
5年)に記載されているように、固体酸として知られ、
構成するおのおの単独の酸化物には見られない顕著な酸
性を示し、また、高表面積を有するものである。すなわ
ち、チタンとケイ素の複合酸化物は、酸化チタンと酸化
ケイ素を単に混合したものではなく、チタンとケイ素
が、いわゆる二元系酸化物を形成することにより、その
特異な特性が発現するものである。さらに、上記複合酸
化物は、X線回析による分析の結果、非晶質、もしくは
ほぼ非晶質に近い微細構造を有しているものであり、チ
タンとケイ素の割合は、酸化物に換算して、酸化チタン
が好ましくは20〜95モル%、酸化ケイ素が5〜80
モル%の範囲にあるものが使用される。なお、酸化ケイ
素の割合が多くなると酸化チタンの光触媒活性力が弱ま
る傾向があるので、使用目的により最適割合を決めるの
が好ましい。
【0029】本発明においては、かかるチタンとケイ素
の複合酸化物を含めた各種光触媒半導体を、セルロース
系繊維含有布帛に付着させるため、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、セルロース系樹脂などの様々なバインダーを
用いることができるが、好ましくはアルキルシリケート
系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ば
れた少なくとも1種のバインダーを用いることにより、
有機系樹脂特有の光触媒半導体の酸化による分解、着
色、臭気の発生を防止することができる。このような組
合せであれば、繊維と光触媒半導体を含むバインダーと
の間に、過酸化チタン等の無機物の中間層は不要とな
り、光触媒半導体を洗濯耐久性および風合い、さらにコ
ストをも飛躍的に改善することができる。
【0030】かかるアルキルシリケート系樹脂は、主に
Si−Oの結合部分と直鎖または分岐のある飽和アルキ
ルから成り、その両端にOH基をもつことを特徴とする
ものである。すなわち下記に示される構造を含むもので
ある。
【0031】OH−(Si−O)n −R−OH 式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のある飽
和アルキル基であり、nは1以上の整数を意味し、好ま
しくは無機性を高めるために1000〜10000の範
囲である。
【0032】かかるアルキル基は、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル等直鎖または分岐のある飽和アル
キルである。これらアルキルシリケート系樹脂は1種、
2種の混合物でもよい。これらの化合物は、熱の存在下
で容易に脱水反応を起こして、ポリシロキサン被膜を形
成する特徴がある。アルキルシリケート系樹脂は、水溶
性であり、繊維構造物を、これらの水溶液に含浸させた
後、マングルロールで絞り200℃以下で処理すると、
繊維表面上に薄い被膜を形成するものである。かかるア
ルキルシリケート系樹脂と、チタンとケイ素からなる複
合酸化物とを直接、繊維構造物の表面上に付着させるこ
とも可能である。
【0033】また、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂の
バインダーを混合させて、付着させてもよい。これらの
バインダーは、上記したように、耐熱性、耐光性、耐薬
品性に優れており、光触媒半導体による酸化力に対して
も優れた耐久性を有する。
【0034】ここでいうシリコーン系樹脂としては、シ
リコーンレジンもしくはシリコーンワニスという分類に
属する縮合架橋型樹脂を使用することができ、かかる樹
脂は、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ンなどの縮合架橋型樹脂を、単独または数種の配合物を
縮合して得ることができるものが含まれる。これらは、
3次元構造の樹脂を形成し、シリコーン系樹脂の中で
も、最も耐熱性や耐薬品性に優れたものである。また、
テトライソプロポキシシランやテトラエトキシシラン
を、アルコール/水混合溶剤中で、強酸による加水分解
で得られる酸化ケイ素のゾルを乾燥すると、ガラス質の
被膜ができるという特徴がある。このようなゾル/ゲル
法で得られる被膜は、無機質に近く好ましく使用され
る。
【0035】また、フッ素系樹脂としては、ビニルエー
テルおよび/またはビニルエステルとフルオロオレフィ
ン重合性化合物が、非常に優れた特性を持っていて好ま
しく使用される。例えば、ポリフッ化ビニルやポリ四フ
ッ化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエステルやビニルエステル−フルオロオレフィ
ンなどが分解、劣化が少ないので好ましく使用される。
【0036】かかるシリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂
と、通常よく使用されるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂などの有機樹脂との違いは、熱や薬品の作
用で分解されやすい炭化水素基をほとんど含まず、シリ
コーン系樹脂は、Si−O結合、フッ素系樹脂は、F−
C結合を主体に構成されており、末端基や側鎖に少量の
メチル基やフェニル基が炭化水素として含まれる程度で
あるところにある。
【0037】かかるバインダーには、さらにカップリン
グ剤を添加することができ、それにより、無機物と有機
物の接着力を向上することができ、かくすることによ
り、繊維、バインダーおよび光触媒半導体の相互間に化
学的結合力を働かせることができ、その結果、洗濯耐久
性を向上させることができる。
【0038】また、かかるバインダーには、さらにゼオ
ライトを添加することができ、かくすることにより、臭
い成分の吸着力の向上と、構造物中の無機系成分比を増
加させることができ、その結果、光触媒による分解を抑
制する効果を奏させることができる。また、かかるゼオ
ライトとして、金、白金、銀、パラジウム等の貴金属を
好ましくは0.01〜5重量%の範囲で含有するものを
用いると、更に抗菌効果を奏するものを提供することが
できる。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
さらに具体的に説明する。
【0040】なお、実施例中に記載した各種性能は以下
の方法により評価した。 [洗濯]自動反転渦巻き式電気洗濯機((株)東芝製;V
H−1150と同性能のもの)に、45cm×45cm
の試験布500gと、40±2℃の0.2%弱アルカリ
性合成洗剤(JIS K−3371弱アルカリ性・第1
種)液25lとを入れ、強条件で25分間洗濯した。次
いで、遠心脱水機で30秒間脱水後、常温水をオーバー
フローさせながら10分間すすぎを行った。その後、再
度30秒間脱水し、同条件で10分間すすいだ前記方法
を洗濯5回とする。表1では、これを4回繰り返し洗濯
20回と表示した。 [吸湿性(ΔMR)] ΔMR(%)=MR2 −MR1 ここで、MR1 とは絶乾状態から20℃×65%RH雰
囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)をいい、
洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環
境に相当する。また、MR2 とは絶乾状態から30℃×
90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率
(%)をいい、運動状態における衣服内の環境にほぼ相
当する。
【0041】ΔMRは、MR2 からMR1 の値を差し引
いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動
したときに、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当
し、ΔMR値が高いほど快適であるといえる。一般に、
ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で
4%、ウールで6%といわれる。 [イソ吉草酸臭による着臭防止性の臭覚評価]0.01
%のイソ吉草酸水溶液をマイクロシリンジにて25μl
秤量し、これを10cm×10cmの大きさに切り取っ
た布帛中央部に5μlを5点滴下する。滴下の方法は布
帛中央部に1点、続いて中央部の1点を取り囲むように
ちょうどサイコロの五の目を成すがごとく4点滴下す
る。この布帛を蛍光灯下に3時間放置後、10人の人に
布帛の臭いを嗅いで官能評価した。
【0042】そのときの臭気を下記評価点数で評価し平
均値を出した。
【0043】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる 2:何の臭いかわかる弱い臭い 1:やっと感知できる臭い 0:無臭 [抗菌評価方法]評価方法は、JIS L 1902
(統一試験法)を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌
臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試
験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌
数に対する菌数を求め、次の基準にしたがった。
【0044】log(B/A)>1.5の条件下、lo
g(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格と
した。
【0045】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収
した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した
菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
表す。
【0046】実施例1 ポリプロピレン不織布(目付35g/m2 )を下記組成
の処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマ
ングルで絞り、乾燥機で100℃、2分乾燥させた。
【0047】 AMPS 20g/l 一般式[I]においてX:−CH3、n=23のモノマー 40g/l 過硫酸アンモニウム 2g/l 乾燥後直ちに105℃の加熱スチーマーで5分間処理
し、湯水洗し、乾燥した。
【0048】次いで、乾燥機で170℃、1分でセット
した。
【0049】さらに、平均一次粒子径が7nm、平均比
表面積が150m2 /gであるチタンとケイ素の複合酸
化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmと
したものをチタンとケイ素の複合酸化物(濃度20%)
を光触媒として用いた下記配合からなる水溶液に浸浸
後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、
乾燥機で120℃、2分乾燥させ、試料を作成した。
【0050】 アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 1.0重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.5重量% シランカップリング剤(濃度100%) 0.2重量% 貴金属担持型ゼオライト(濃度20%) 0.3重量% チタンとケイ素の複合酸化物(濃度20%) 1.0重量% 実施例2 ポリプロピレン不織布(目付35g/m2 )を下記組成
の処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマ
ングルで絞り、乾燥機で100℃、2分乾燥させた。
【0051】 AMPS 20g/l 一般式[II]においてX:−CH3、m+n=30のモノマー 60g/l 過硫酸アンモニウム 2g/l 乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理
し、湯水洗、乾燥した。 次いで、乾燥機で170℃、
1分でセットした。
【0052】さらに実施例1と同じ処方で、光触媒を付
与し試料を作成した。
【0053】比較例1 実施例と同じポリプロピレン不織布(目付35g/
2 )に対して、何も処理しない生地を比較例1とし
た。評価結果を表1に示す。
【0054】比較例2 実施例2で使用した、ポリエステル不織布(目付40g
/m2 )に対し、実施例2と同様に光触媒を付与し試料
を作成した。評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、快適性に優れた吸湿保
温性と着臭防止性、抗菌性を兼ね備えたシート材を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L031 AA14 AB34 BA09 BA19 DA08 DA12 DA13 4L033 AA05 AB07 AB09 AC07 AC15 CA17 CA18 CA22 CA59 DA03 DA06 4L047 AA14 CB10 CC09 CC16 DA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸湿による発熱エネルギー係数が5以上3
    0以下である繊維構造物を使用してなることを特徴とす
    るシート材。
  2. 【請求項2】ビニルカルボン酸および/またはビニルス
    ルホン酸モノマーと、一般式[I]および/または一般式
    [II]で示されるビニルモノマーとが重量比1:2〜1:
    20の比率で繊維構造物の表面に付与され重合されたポ
    リマーを有してなることを特徴とする請求項1記載のシ
    ート材。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】繊維構造物が不織布であることを特徴とす
    る請求項1または2記載のシート材。
  4. 【請求項4】不織布がポリプロピレンからなることを特
    徴とする請求項3記載のシート材。
  5. 【請求項5】繊維構造物上に、さらにチタンとケイ素か
    らなる複合酸化物と、アルキルシリケート系樹脂、シリ
    コーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくと
    も1種のバインダーを有することを特徴とする請求項1
    〜4項のいずれかに記載のシート材。
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