JP2002339247A - 金属皮膜繊維及びその処理方法並びに処理液 - Google Patents

金属皮膜繊維及びその処理方法並びに処理液

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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属皮膜繊維の、塩素、亜硫酸ガス、窒素酸化
物等の腐食性ガスが原因で発生する変色等の問題を解決
すること。 【解決手段】(1)金属皮膜繊維の処理方法であって、
前記金属と反応もしくは親和性を有する有機化合物で前
記金属皮膜を処理することを特徴とする金属皮膜繊維の
処理方法、(2)金属皮膜繊維の処理方法であって、前
記金属の酸化剤と水溶性臭化物を同時にまたは酸化剤を
先に前記金属皮膜に施すことを特徴とする金属皮膜繊維
の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁波遮断性を有す
る金属皮膜繊維の塩素、亜硫酸ガス、窒素酸化物等によ
る耐腐食性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やコンピューター類等の
電子機器がオフィスや家庭へ急速に普及している。これ
に伴い電子機器から放射される電磁波の影響が心配され
ている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影
響が考えられている。特に、使用者や作業者の健康に及
ぼす影響は無視することができないものになっており、
人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、この
ような要求に対して様々の電磁波シールド性繊維構造物
が開発されている。
【0003】その例として、ステンレスファイバー、金
属皮膜ガラス繊維、炭素繊維、黄銅繊維、アルミ繊維等
の電磁波シールド性能を有する糸、及び製織後表面に
銀、ニッケル等の金属をコーティングした繊維が知られ
ている。
【0004】また、特開平5−186966号公報に
は、アクリル繊維を精練した後、塩化第一スズ及び塩酸
を含有する水溶液に浸漬、水洗し、無電解メッキに対す
る触媒性を付与した後、エチレンジアミン四酢酸四ナト
リウム、水酸化ナトリウム、ホルマリン及びアンモニア
性硝酸銀水溶液からなるメッキ液を用いて上記アクリル
繊維に銀メッキを施して得た繊維よりなる不織布が提案
されている。また、特開平5−48289号公報には、
ポリアミド、ポリエステル、アクリル等の合成繊維、ポ
ルプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル等の合成樹脂
の繊維化物、綿、羊毛等の天然繊維、アセテート、ビズ
コース等の再生繊維、あるいはガラス繊維、炭素繊維等
の無機質繊維に、ニッケル、鉄、コバルト、銀、パラジ
ウム等の金属でメッキした繊維を含む抄造液を起泡し、
気泡表面に短繊維を分散させ、これを抄造して得た不織
布が開示されている。
【0005】金属を用いた電磁波シールド繊維は、表面
にコーティングされた金属の導電性に対応した導電性を
確保することができる。また、最近では銀、銅をコーテ
ィング繊維構造物は抗菌、消臭性が確認され、衣料用途
としても期待されており、たとえば、ナイロン66繊維
のフィラメントまたはステーブルファイバーに銀をメッ
キした形態の電磁波シールド繊維等がよく知られてい
る。
【0006】上記したような金属を用いた繊維の場合、
塩素、亜硫酸ガス、窒素酸化物等による表面が変色する
というに問題がある。金属皮膜繊維の耐腐食性の向上方
法に関して、特開2000−234262号公報には、
銀を用いた銀皮膜繊維構造物の耐塩素性を向上のため、
ヨウ素での改質が提案されている。しかしながら、ヨウ
素液による繊維の染着やヨウ素溶液の強い反応性のため
に表面の改質反応にフレが生じるという問題があり、さ
らにヨウ素は規制物質のため廃液処理の問題点などが指
摘されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、金属皮膜繊維の耐腐食性の向上のための安定した処
理方法及びその処理液を提供することにある。本発明の
他の目的は、耐腐食性に優れた金属皮膜繊維を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の発明によって基本的に達成された。 (1)金属皮膜繊維の処理方法であって、前記金属と反
応もしくは親和性を有する有機化合物で前記金属皮膜を
処理することを特徴とする金属皮膜繊維の処理方法。 (2)金属皮膜繊維の処理方法であって、前記金属の酸
化剤と水溶性臭化物を同時にまたは酸化剤を先に前記金
属皮膜に施すことを特徴とする金属皮膜繊維の処理方
法。 (3)金属皮膜繊維の処理液であって、前記金属と反応
もしくは親和性を有する有機化合物を含有することを特
徴とする金属皮膜繊維の処理液。 (4)金属皮膜繊維の処理液であって、水溶性臭化物を
含有することを特徴とする金属皮膜繊維の処理液。 (5)金属皮膜繊維の金属皮膜が前記金属と反応もしく
は親和性を有する有機化合物で改質されてなることを特
徴とする金属皮膜繊維。 (6)金属皮膜繊維の金属皮膜が水溶性臭化物で改質さ
れてなることを特徴とする金属皮膜繊維。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における金属皮膜繊維は、芯成分として、素材が
綿、レーヨン、溶剤紡糸セルロース等のセルロース繊
維、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリテトラ
メチレンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエ
ート、ポリ1・4―ジメチルシクロヘキサンテレフタレ
ート等からなるポリエステル、ナイロン4、ナイロン
6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン66、ナイロン6・10、ポリメタキシレンアジパミ
ド、ポリメタキシレンデカンアミド等のポリアミド、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系ポリマ
ー、及びこれらの共重合体のフィラメントまたはこれら
をカットしたステープルファイバーを用い、これに無電
解メッキ法、スパッタリング法、金属蒸着法、等の公知
の繊維構造物金属皮膜加工法により金属皮膜を形成でき
る。
【0010】なお、獣毛繊維や絹繊維等の動物繊維は金
属と反応して導電性を低下させるため、上記の芯成分に
比べて性能はおちるが使用可能である。引張強力等の点
でポリアミド系、ポリエステル系のステープルが好まし
い。具体的にはポリアミド系でナイロン66を芯成分と
し、銀を金属皮膜として使用した米国Sanquoit Industt
ries社の商品名X-statics等が知られている。この金属
皮膜を含有する繊維単独、または他の繊維との混紡・交
織により金属繊維含有繊維構造物を形成することができ
る。
【0011】金属皮膜繊維の金属としては、電磁波を遮
断することを目的として、銀、金、ニッケル、銅、亜鉛
等の導電性のある金属を使用することができる。これら
の金属は単独で用いてもよいし、2種以上の合金として
用いてもよい。これらの金属の中でも、人体への影響、
価格及び加工性等の点から銀が好ましく用いられる。銀
と他の金属との合金も好ましく用いられる。
【0012】本発明は上記金属の改質について鋭意検討
し、金属皮膜の最も外側の部分を金属と反応もしくは親
和性のある有機化合物で処理することをによって安定で
かつ優れた耐腐食性が得られることを見い出した。以
下、金属と反応もしくは親和性を有する有機化合物(以
降、単に有機化合物という)について詳細に説明する。
【0013】上記有機化合物としては、チオン基もし
くはメルカプト基を有する化合物、及び含窒素へテロ
環化合物が挙げられる。のチオン基もしくはメルカプ
ト基を有する化合物としては、チオン基もしくはメルカ
プト基を有する含窒素ヘテロ環化合物が特に好ましく用
いられる。該化合物のチオン基もしくはメルカプト基は
2個以上有していてもよい。該化合物の含窒素ヘテロ環
としては、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、
チアゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリ
ン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾー
ル、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジ
ン、ピラジン、トリアジン等であり、これらの環は2個
以上の縮合生成した環であってもよく、またベンゼン環
やナフタリン環と縮合したものであってもよい。
【0014】係る化合物の具体例としては、2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル
−ベンズイミダゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾ
リジン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチ
アゾール、3−ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオ
ン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2
−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、3−
ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェ
ニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカ
プト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−ト
リアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4
−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5
−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプ
ト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリ
アゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4
−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル
−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル
−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−
1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5
−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メル
カプト−1−フェニル−テトラゾール、3−メルカプト
−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカ
プト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト
−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−
トリアジン、4−ジブチルアミノ−2,6−ジメルカプ
ト−1,3,5−トリアジン、4−エトキシ−2,6−
ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、4−メチル−
2,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
の中でも特に、2個のメルカプト基を有するトリアジン
化合物が好ましく用いられる。
【0015】の含窒素ヘテロ環化合物としては、イミ
ダゾール化合物、ベンツイミダゾール化合物、トリアゾ
ール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、チアジアゾー
ル化合物、オキサジアゾール化合物、テトラゾール化合
物が挙げられるが、これらの化合物は任意の置換基を有
していてもよい。
【0016】上記した有機化合物は、水と有機溶剤の混
合溶媒やアルカリ水溶液に溶解して液剤(処理液)とし
て、金属皮膜繊維を該処理液に浸漬、スプレー噴霧ある
いは塗布して処理することができる。処理液中の有機化
合物の濃度は、処理液1リットル当たり0.05〜10
g程度が適当であり、好ましくは0.5〜5gの範囲で
あり、上記有機化合物は金属皮膜繊維の金属1gに対し
て0.0001mg〜100mg、好ましくは0.01
mg〜10mg程度が金属と反応もしくは吸着している
ときにすぐれた耐腐食性を付与することが可能になる。
この範囲であれば、金属の電気導電性、色等をへの影響
を与える事がない。
【0017】本発明において、上記有機化合物の処理と
同時もそくはそれ以前に、金属の酸化剤またはチオ硫酸
塩、亜硫酸塩、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナ
トリウム、臭化アンモニウム等)のような無機塩で処理
することによって、より安定で優れた耐腐食性が得られ
る。これらの酸化剤あるいは無機塩は溶液として上記有
機化合物での処理以前に金属皮膜繊維を処理し、連続し
て上記有機化合物含有処理液で処理するか、または上記
有機化合物含有処理液に酸化剤あるいは無機塩を共存さ
せて同時に処理する。
【0018】前記した金属の酸化剤としては、有機酸第
2鉄塩が好ましく用いられる。有機酸第2鉄塩の好まし
い例としてはアミノカルボン酸第2鉄塩、ホスホン酸第
2鉄塩等が挙げられる。有機酸第2鉄塩は、錯塩の形で
使用するのが普通であるが、第2鉄塩、例えば硫酸第2
鉄、塩化第2鉄、硝酸第2鉄、硝酸第2鉄アンモニウ
ム、燐酸第2鉄などと有機酸を用いて溶液中で第2鉄イ
オン錯塩を形成させても良い。
【0019】アミノポリカルボン酸第2鉄塩は、第2鉄
イオンとアミノポリカルボン酸又は、その塩との錯体で
ある。アミノポリカルボン酸、及びその塩としては、エ
チレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、EDTAジナ
トリウム塩、EDTAジアンモニウム塩、EDTAテト
ラ(トリメチルアンモニウム)塩、EDTAテトラカリ
ウム塩、EDTAテトラナトリウム塩、EDTAトリナ
トリウム塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ジエチ
レントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリウム塩、エチレ
ンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N’,
N’−トリ酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシ
エチル)−N,N’,N’−トリ酢酸トリアンモニウム
塩、プロピレンジアミンテトラ酢酸、プロピレンジアミ
ンテトラ酢酸ジナトリウム塩、ニトロトリ酢酸トリナト
リウム塩、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、シクロ
ヘキサンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩、イミノジ
酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテルジ
アミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン
酸などが挙げられる。
【0020】ホスホン酸第2鉄塩は、第2鉄イオンとホ
スホン酸又は、その塩との錯体である。ホスホン酸又は
その塩の代表例としてはジエチレントリアミンペンタメ
チレンホスホン酸、シクロヘキサンジアミンテトラメチ
レンホスホン酸、トリエチレンテトラミンヘキサメチレ
ンホスホン酸、グリコールエーテルジアミンテトラメチ
レンホスホン酸、1,2−ジアミノプロパンテトラメチ
レンホスホン酸、メチルイミノジメチレンホスホン酸、
1,3−ジアミノプロパン−2−オールテトラメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン
酸などが挙げられる。
【0021】上記酸化剤の処理液中の濃度は、処理液1
リットル当たり1〜200g程度が適当である。
【0022】次に、本発明の別の処理方法について説明
する。該処理方法は、金属皮膜繊維に、該金属の酸化剤
と水溶性臭化物を同時に、または酸化剤を先に処理せし
めることである。金属の酸化剤としては、前記した有機
酸第2鉄塩が好ましく用いられる。水溶性臭化物として
は、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム
が好ましく用いられる。処理液中の酸化剤の濃度は、処
理液1リットル当たり1〜200g程度が適当であり、
同様に水溶性臭化物の濃度は処理液1リットル当たり1
〜100g程度が適当であり、好ましくは5〜50g程
度である。この処理方法において、金属皮膜繊維を先ず
酸化剤含有処理液に浸漬させ、次いで水溶性臭化物含有
処理液に浸漬させて別々に処理してもよいし、一つの処
理液中に前述した濃度の酸化剤と水溶性臭化物を含有さ
せて同時に処理を施してもよい。
【0023】
【実施例】実施例1 ナイロン66からなる1.4dのポリアミド繊維を無電
解メッキ法により銀で被覆せしめた後、これを繊維長3
8mmに切断し、短繊維状にした。このとき銀皮膜短繊
維における銀の重量が18%となるようにした。次いで
上記銀皮膜短繊維15%及びレギュラーポリエステル8
5%を用いて銀皮膜短繊維含有混紡糸を紡出した。更に
上記混紡糸100%を用いて、経130本/インチ、緯
63本/インチ、目付150g/m2に製織し布を作製し
た。
【0024】次に、以下の処理液を作製した。 <処理液A> ジエチレングリコール 50g 水酸化ナトリウム 4g 有機化合物 2g (4−ジブチルアミノ−2,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン) リン酸2カリ 2.5g リン酸(85%) 20g ポリアクリル酸ナトリウム 4g 水で1リットルに調整する。
【0025】この処理液Aに前記布を20秒間浸漬した
後、水洗して乾燥した。このようにして処理した布を以
下の条件下に放置して布の変色を調べた。また、処理し
なかった布を比較として同様に試験した。 <試験条件>10リットルのデシケーターを準備し、そ
の中で5gのイオウを燃やす(このときイオウは燃え残
ってもよい)。この条件下で布を16時間放置して変色
を観察する。
【0026】上記のようにして試験した結果、処理液A
で処理した布は全く変色していなかったが、処理してい
ない比較の布はグレー色に変色していた。
【0027】実施例2 実施例1の処理液Aの有機化合物を2−メルカプト−4
−フェニルイミダゾールに代えた以外は同様にして処理
液Bを作製し、実施例1と同様に試験した。その結果、
処理液Bで処理した布は全く変色していなかった。
【0028】実施例3 実施例1の処理液Aの有機化合物を3−ブチル−ベンゾ
チアゾリン−2−チオンに代えた以外は同様にして処理
液Cを作製し、実施例1と同様に試験した。その結果、
処理液Cで処理した布は全く変色していなかった。
【0029】実施例4 実施例1の処理液Aの有機化合物を5−メルカプト−1
−フェニル−テトラゾールに代えた以外は同様にして処
理液Dを作製し、実施例1と同様に試験した。その結
果、処理液Dで処理した布は全く変色していなかった。
【0030】実施例5 実施例1の処理液Aの有機化合物をベンゾトリアゾール
に代えた以外は同様にして処理液Eを作製し、実施例1
と同様に試験した。その結果、処理液Eで処理した布は
全く変色していなかった。
【0031】実施例6 実施例1の処理液Aの有機化合物をイミダゾールに代え
た以外は同様にして処理液Fを作製し、実施例1と同様
に試験した。その結果、処理液Fで処理した布は全く変
色していなかった。
【0032】実施例7 EDTA鉄塩を1リットル中に100g含有する処理液
Gを作製し、先ず布を処理液Gで処理し、続いて前記処
理液Aで処理した。このように処理した布を実施例1と
同様に試験した結果、全く変色していなかった。
【0033】実施例8 臭化カリウムを1リットル中に15g含有する処理液H
を作製し、先ず布を処理液Hで処理し、続いて前記処理
液Aで処理した。このように処理した布を実施例1と同
様に試験した結果、全く変色していなかった。
【0034】実施例9 前記処理液Aと前記処理液Gを処理直前に同量づつ混合
して処理液Iを作製し、実施例1と同様に試験した。そ
の結果、処理液Iで処理した布は全く変色していなかっ
た。
【0035】実施例10 実施例1の処理液Aで処理する代わりに、先ず前記処理
液Gで処理し、次いで前記処理液Hで処理する以外は実
施例1と同様に試験した。その結果、布は全く変色して
いなかった。
【0036】実施例11 前記処理液Gと前記処理液Hを同量づつ混合して処理液
Jを作製し、実施例1と同様に試験した。その結果、処
理液Jで処理した布は全く変色していなかった。
【0037】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本発明
の処理方法で処理された金属皮膜繊維は、塩素、亜硫酸
ガス、窒素酸化物等の腐食性ガスが原因で発生する変色
が全くなく、また、ヨウ素等の環境規制物質を含有せ
ず、高い耐腐食性が安定的に得られる処理方法及びその
処理液が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 13/35 D06M 13/35 Fターム(参考) 4K026 AA01 AA06 AA07 AA11 AA21 BA08 BB02 BB08 CA16 CA18 CA32 CA33 CA34 CA37 CA38 DA03 4L033 AA02 AA05 AA07 AA08 AA10 AB01 AC15 BA24 BA56 BA57 BA58 4L036 MA04 MA08 RA24 UA08 UA25

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属皮膜繊維の処理方法であって、前記
    金属と反応もしくは親和性を有する有機化合物で前記金
    属皮膜を処理することを特徴とする金属皮膜繊維の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記金属と反応もしくは親和性を有する
    有機化合物が、チオン基もしくはメルカプト基を有する
    有機化合物、または含窒素ヘテロ環化合物である請求項
    1に記載の金属皮膜繊維の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記金属と反応もしくは親和性を有する
    有機化合物が、チオン基もしくはメルカプト基を有する
    含窒素ヘテロ環化合物である請求項1に記載の金属皮膜
    繊維の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記含窒素へテロ環化合物が、イミダゾ
    ール化合物、ベンツイミダゾール化合物、トリアゾール
    化合物、ベンゾトリアゾール化合物、チアジアゾール化
    合物、オキサジアゾール化合物、またはテトラゾール化
    合物である請求項2に記載の金属皮膜繊維の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記金属と反応もしくは親和性を有する
    有機化合物で処理するのと同時または前に前記金属の酸
    化剤で前記金属皮膜を処理する請求項1に記載の金属皮
    膜繊維の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記金属と反応もしくは親和性を有する
    有機化合物で処理するのと同時または前にチオ硫酸塩、
    亜硫酸塩、または臭化物で前記金属皮膜を処理する請求
    項1に記載の金属皮膜繊維の処理方法。
  7. 【請求項7】 金属皮膜繊維の処理方法であって、前記
    金属の酸化剤と水溶性臭化物を同時にまたは酸化剤を先
    に前記金属皮膜に施すことを特徴とする金属皮膜繊維の
    処理方法。
  8. 【請求項8】 前記酸化剤が有機酸第2鉄塩である請求
    項5または7に記載の金属皮膜繊維の処理方法。
  9. 【請求項9】 前記金属皮膜が銀、ニッケル、銅、及び
    亜鉛の一種もしくは二種以上で構成されたものである請
    求項1〜8のいずれか1つに記載の金属皮膜繊維の処理
    方法。
  10. 【請求項10】 前記金属皮膜が少なくとも銀を含有す
    る請求項1〜8のいずれか1つに記載の金属皮膜繊維の
    処理方法。
  11. 【請求項11】 金属皮膜繊維の処理液であって、前記
    金属と反応もしくは親和性を有する有機化合物を含有す
    ることを特徴とする金属皮膜繊維の処理液。
  12. 【請求項12】 金属皮膜繊維の処理液であって、水溶
    性臭化物を含有することを特徴とする金属皮膜繊維の処
    理液。
  13. 【請求項13】 金属皮膜繊維の処理液であって、更に
    有機酸第2鉄塩を含有する請求項12に記載の金属皮膜
    繊維の処理液。
  14. 【請求項14】 金属皮膜繊維の金属皮膜が前記金属と
    反応もしくは親和性を有する有機化合物で改質されてな
    ることを特徴とする金属皮膜繊維。
  15. 【請求項15】 金属皮膜繊維の金属皮膜が水溶性臭化
    物で改質されてなることを特徴とする金属皮膜繊維。
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CN101593463B (zh) * 2009-06-26 2011-12-28 蒋菊生 一种铝质标识牌的制作方法

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