JP2002337363A - 液体吐出装置およびインクジェットプリンタ - Google Patents

液体吐出装置およびインクジェットプリンタ

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JP2002337363A
JP2002337363A JP2002069676A JP2002069676A JP2002337363A JP 2002337363 A JP2002337363 A JP 2002337363A JP 2002069676 A JP2002069676 A JP 2002069676A JP 2002069676 A JP2002069676 A JP 2002069676A JP 2002337363 A JP2002337363 A JP 2002337363A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保管時におけるインクの析出等によるノズルの
詰まりを好適に防止することができ、長寿命なインクジ
ェット記録ヘッド等を実現することができる液体吐出装
置およびこれを利用するインクジェットプリンタを提供
する。 【解決手段】複数のノズルが形成された部材と、複数の
ノズルの各々に対応して形成され、ノズルから液滴を吐
出する複数の吐出手段と、この複数の吐出手段にそれぞ
れ液体を供給する複数の供給路とを有し、駆動時と保管
時とで、ノズルおよびこのノズルに対応する供給路から
なる液体流路において異なる位置に液面位置を設定する
ことにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッド等に利用されるインク液滴など液滴を吐出する
液体吐出装置の技術分野に属し、詳しくは、インクの析
出等によるノズルの詰まりを長期間に渡って防止でき
る、寿命の長い液体吐出装置、ならびに、この液体吐出
装置をインクジェット記録ヘッドとして利用するインク
ジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒータによる加熱でインクの一部を急速
に気化させ、その膨張力等によってインク液滴をノズル
から吐出させる、サーマルインクジェットが各種のプリ
ンタに利用されている(特開昭48−9622号、同5
4−51837号等の各公報参照)。また、静電気を利
用するMEM(Micro Erectronic Machine)や、ピエゾ素
子等の駆動手段で振動板を振動して、そのエネルギによ
ってインク液滴をノズルから吐出させるインクジェット
を利用するプリンタも知られている(特開平11−20
7956号、同11−309850号等の各公報等参
照)。
【0003】このようなインクジェットプリンタにおい
ては、保管時、例えば、プリンタの電源をオフ(of
f)した際などに、そのままの状態でインクジェット記
録ヘッド(以下、記録ヘッドとする)を放置しておく
と、インクの水分等の溶媒が蒸発し、色素や顔料などの
インクの固形成分(溶質)が凝集して析出し、ノズルが
詰まってしまう。詰まったノズルは、インクの吐出量が
低減(変動)し、さらには閉塞してインクを吐出できな
くなり、その結果、プリンタは、所定の性能を発揮でき
なくなってしまう。そのため、通常のインクジェットプ
リンタでは、保管時に、ノズルをキャッピング(密栓)
することにより、ノズルの詰まりを防止している。図9
に、その一例を模式的に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9に示される例にお
いて、駆動時(電源オン(on))には、ノズルをキャ
ッピングするキャップ152は、記録ヘッド150(ヘ
ッドユニット)とは離間して、画像記録の妨げにならな
い場所に位置している。電源がオフ(off)される
と、図示しないワイパー等によって、記録ヘッド150
のノズルが形成(紙面に垂直方向に多数のノズルが配列
される)された面(以下、ノズル面150aとする)を
清掃した後に、キャップ152を記録ヘッド150側に
移動して、ノズル面150aを気密状態で覆い、全ノズ
ルをキャッピングする。また、キャップ152には、吸
引手段が接続される場合も多く、ノズル面150aを閉
塞した後、必要に応じて、キャップ152内を吸引する
ことにより、より確実なキャッピングを可能にしてい
る。
【0005】このような記録ヘッド150のノズルのキ
ャッピングにおいては、キャップ152内が飽和蒸気圧
となった段階で平衡状態となり、以降、ノズル周辺が安
定化して、インクの析出等によるノズルの詰まりを防止
できる。ところが、キャップ152によるキャッピング
が不完全であったり、少量の閑散処理を頻繁に繰り返す
ことによりノズル周辺にインクが残存してしまうと、ノ
ズル周辺でインクが徐々に蒸発/析出して堆積し、結果
的に、ノズルが詰まってしまう。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、保管時におけるインクの析出等に
よるノズルの詰まりを好適に防止することができ、か
つ、保管時にインクが析出しても、ノズルからのインク
液滴の吐出に与える影響が小さく、従って、長寿命なイ
ンクジェット記録ヘッド等を実現することができる液体
吐出装置、ならびに、この液体吐出装置を利用するイン
クジェットプリンタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様は、複数のノズルが形成された
部材と、前記複数のノズルの各々に対応して形成され、
前記ノズルから液滴を吐出する複数の吐出手段と、この
複数の吐出手段にそれぞれ液体を供給する複数の供給路
とを有する液体吐出装置であって、駆動時と保管時と
で、前記ノズルおよびこのノズルに対応する供給路から
なる液体流路において異なる位置に液面位置を設定した
ことを特徴とする液体吐出装置を提供するものである。
【0008】ここで、前記駆動時および前記保管時にお
ける前記液面位置の調整を、前記液体の圧力を調整する
圧力調整手段で行うのが好ましい。また、前記駆動時と
前記保管時とで、前記液面位置における前記液体流路の
内壁面と前記液体との接触角が異なるのが好ましい。ま
た、前記保管時の前記液面位置における前記液体流路の
断面サイズが、前記駆動時の前記液面位置におけるもの
よりも大きいのが好ましい。また、前記保管時における
前記液面位置が、前記駆動時における前記液面位置より
も液体吐出方向の下流側に設定されるのが好ましい。
【0009】また、前記駆動時の前記液面位置から前記
保管時の前記液面位置に至る前記液体流路の内壁面に、
前記液体吐出方向に延在する溝が形成されるのが好まし
い。また、前記保管時における前記液体の供給を、前記
供給路および別途設定された液体供給手段の少なくとも
一方で行うのが好ましい。また、前記圧力調整手段は、
前記供給路の途中に設けられるのが好ましい。さらに、
前記液体が、インクであり、前記液滴が、インク液滴で
あり、前記液体吐出装置が、インクジェット記録ヘッド
であるのが好ましい。
【0010】また、本発明の第2の態様は、本発明の第
1の態様の種々の液体吐出装置をインク液滴の吐出装置
として用いることを特徴とするインクジェットプリンタ
を提供するものである。すなわち、本態様は、複数のノ
ズルが形成された部材と、前記複数のノズルの各々に対
応して形成され、前記ノズルからインク液滴を吐出する
複数の吐出手段と、この複数の吐出手段にそれぞれイン
クを供給する複数の供給路とを有し、駆動時と保管時と
で、前記ノズルおよびこのノズルに対応する供給路から
なる液体流路において異なる位置に液面位置を設定した
インク液滴の吐出装置をインクジェット記録ヘッドとし
て備えることを特徴とするインクジェットプリンタを提
供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る液体吐出装置および
この液体吐出装置を用いる本発明に係るインクジェット
プリンタを添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下
に詳細に説明する。
【0012】なお、以下の説明は、本発明の液体吐出装
置を、ヒータによる加熱によってインクの核沸騰を発生
し、その膨張力ならびに破裂力によってノズルからイン
クを吐出する、いわゆるサーマルインクジェットのイン
クジェット記録ヘッドに利用した実施例で行う。
【0013】しかしながら、本発明は、これに限定はさ
れず、ノズルと、このノズルから液滴を吐出させる液体
の吐出手段と、この液体の吐出手段およびノズルに液体
を供給する供給路とを有するものであれば、インクジェ
ット記録ヘッド以外にも、処理液塗工装置、スプレー塗
工装置等に、好適に利用可能である。液体の吐出手段
も、ヒータのみならず、振動板と、振動板を振動させる
MEM(Micro Erectronic Machine)やピエゾ素子等とを
利用する手段等、各種の液体吐出手段が利用可能であ
る。
【0014】また、図示例のように、本発明の液体吐出
装置をインクジェット記録ヘッドに利用する際には、図
示例のサーマルインクジェット以外にも、各種のインク
ジェット記録ヘッドに利用可能である。例えば、特開平
5−50601号、同11−207956号、同11−
309850号等の各公報に開示されるような、ノズル
が形成されたインク室を有し、かつ、このインク室の1
壁面が振動板となっており、MEMやピエゾ素子等によ
って振動板を振動して、その振動エネルギによって、ノ
ズルからインクを吐出させ、かつ、インク室にインクを
流入させる方式のインクジェット記録ヘッドにも、好適
に利用可能である。
【0015】さらに、図示例は、Si基板面(ノズルへ
の液体供給方向)に対して略直交する方向にインクを吐
出する、いわゆるトップシュータ型(フェイスインクジ
ェット)のインクジェット記録ヘッドであるが、本発明
は、これ以外にも、特開平11−263014号公報等
に開示されるような、Si基板面と略平行にインクを吐
出する、サイドシュータ型(エッジインクジェット)の
インクジェット記録ヘッドでもよい。
【0016】また、本発明にかかるインクジェット記録
ヘッドは、インクジェット記録用紙または受像紙(以
下、総称して記録用紙という)の断続的な搬送に組み合
わされて、キャリッジによってノズル列と直交する方向
に走査される、キャリッジタイプのプリンタに対応する
小型のインクジェット記録ヘッドであってもよく、ある
いは、記録用紙の一辺の全域(あるいは、それを超える
領域)に対応してノズル列が延在する、いわゆるライン
ヘッドであってもよい。
【0017】図1に、本発明に係るインクジェット記録
ヘッドの一実施例の概略図を示す。図1において、
(A)は、インクジェット記録ヘッドをインクの吐出
(飛翔)側から見た図(平面図)であり、(B)は、そ
のI−I線断面図である。
【0018】図1に示すインクジェット記録ヘッド(以
下、記録ヘッドとする)10は、一方向(図1(B)で
は紙面に垂直方向)に配列された多数のノズル20を有
し、かつ、このノズル20の列(以下、ノズル列とす
る)を2列有することにより、記録密度の向上を図って
いる。後述するが、図示例においては、ノズル20は、
Si基板14の上方(隔壁15の上)に積層されるオリ
フィスプレート22に形成される。
【0019】なお、本発明に係る記録ヘッド10は、ノ
ズル列を2列有するのに限定はされず、ノズル列は1列
であってもよく、あるいは、3列以上のノズル列を有す
るものであってもよい。また、各ノズル列から吐出する
インクの色およびその組み合わせも、任意である。
【0020】図示例の記録ヘッド10は、半導体装置の
製造技術を利用して、Si基板12に作製されたもので
あり、各ノズル20に対応して形成されるインク吐出手
段としてのヒータ30(図2参照)や、このヒータ30
を駆動する駆動用LSI14等が、Si基板12に形成
されている。
【0021】また、Si基板12には、各ヒータ30
(およびノズル20)にインクを供給するためのインク
溝16、およびインク溝16にインクを供給するインク
供給孔18が形成される。インク溝16は、ノズル列方
向に延在して、Si基板12の表面(インク吐出側面)
を掘り下げるように形成される。他方、インク供給孔1
8は、裏面からインク溝16に連通するようにSi基板
12を貫通して、ノズル列方向に配列されて所定の間隔
で複数が穿孔される。
【0022】Si基板12の上には、各ヒータ30毎の
個別のインク供給路を形成する隔壁15が積層される。
隔壁15に関しては、後に詳述する。この隔壁15の上
(Si基板12の上方)には、ノズル20が形成(穿
孔)されるオリフィスプレート22が積層、貼着され
る。なお、オリフィスプレート22および隔壁15の形
成材料は、公知の材料が各種利用可能であり、例えば、
ポリイミドが例示される。
【0023】このようなSi基板(Siチップ)12
は、支持部材となるフレーム24の所定位置に接着/固
定(実装)され、さらに、このフレーム24は、図示し
ないインクジェットプリンタのヘッドユニット(例え
ば、いわゆるカートリッジ等)の所定位置に装着され
る。このフレーム24およびヘッドユニットには、ヘッ
ドユニットに装着されたインクタンクから、Si基板1
2に形成されたインク供給孔18にインクを供給するた
めのインク供給路(フレーム24では、インク流路2
6)が形成される。
【0024】図2(A)および(B)に、記録ヘッド1
0のノズル20近傍の概略断面図を示す。前述のよう
に、記録ヘッド10においては、インクを吐出するため
のヒータ30がSi基板12に形成される。また、前述
のように、Si基板12の上には、各ヒータ30(ノズ
ル20)への個別のインク供給路28を形成する隔壁1
5が積層される。図示例において、隔壁15は、インク
溝16に対してノズル20と逆側の全面覆う領域、すな
わち図示例ではインク溝16の前端を閉塞する前壁部1
5aと、隣接するノズル20を隔離するべく、各ノズル
20の間においてこの前壁部15aからインク溝16に
向かって突出して形成される、各ヒータ30(およびこ
れに対応するノズル20)への個別のインク供給路28
を形成する横壁部15bとを有する。さらに、この隔壁
15の上には、ノズル20(ノズル列)が形成されたオ
リフィスプレート22が積層される。
【0025】このような記録ヘッド10において、ヘッ
ドユニットに装着されたインクタンクから所定の経路で
供給されたインクは、フレーム24のインク供給路26
を経て、Si基板12の裏面側からインク供給孔18に
供給され、Si基板12の表面に形成されたインク溝1
6に導入される。インク溝16に供給されたインクは、
隔壁15の壁部15bによって各ヒータ30毎に分離
された個別のインク供給路28に至り、駆動用LSI1
4による駆動の下、各ヒータ30の加熱によって生じた
核沸騰によって、対応するノズル20からインク液滴2
9として吐出される。
【0026】なお、このような構成を有する記録ヘッド
10については、特開平6−71888号、同6−29
7714号、同7−227967号、同8−20110
号、同8−207291号、同10−16242号等の
各公報に詳述されている。
【0027】ここで、図示例においては、ノズル20
は、直管(ストレート)状ではなく、好ましい態様とし
て、インク吐出方向(インク移動(吐出)方向)の上流
側(以下、下方とする)の直管領域20aと、この直管
領域20aの上方(下流側)に形成される、上方に向か
って漸次拡径する拡径領域20bとを有する。本発明の
液体吐出装置は、駆動時と保管時とで、異なる位置に液
面が設定される。図示例の記録ヘッド10においては、
駆動時は、図2(A)に点線で示すように直管領域20
aの上端部にインク液面が設定され、保管時は、図2
(B)に点線で示すように拡径領域20bの上端部にイ
ンク液面が設定される。
【0028】なお、本発明において、駆動時と保管時と
は、例えば、インクジェットプリンタ(液体吐出装置)
の電源がオン(on)の時を駆動時とし、電源がオフ
(off)の時を保管時としてもよく、プリント動作中
(複数枚の連続的なプリント作成におけるプリント間も
含む)を駆動時として、それ以外を保管時としてもよ
い。また、駆動時と保管時とを、インクジェットプリン
タの使用者が選択できるようにしてもよく、これらの方
法を併用/選択できるようにしてもよい。これらは、イ
ンクジェットプリンタに要求される性能(画質や寿
命)、インクの特性(析出性等)、インクジェットプリ
ンタに設置されるクリーニング手段等の性能等に応じ
て、適宜、決定すればよい。
【0029】前述のように、インクジェットプリンタで
は、保管時にはノズルのキャッピングを行って、蒸発/
凝集によるインク(固形成分)の析出でノズルが詰まる
ことを防止している。しかしながら、キャッピングが不
完全であったり、少量の閑散処理を頻繁に繰り返してノ
ズル周辺にインクが残存してしまうと、ノズル周辺で析
出したインクが堆積して、ノズルの詰まりが発生してし
まう。
【0030】これに対し、本発明に係る記録ヘッド10
においては、保管時と駆動時とで異なる位置にインクの
液面を設定する。そのため、仮に、保管時の液面でイン
クが析出しても、ノズル20の吐出に大きく影響する吐
出時液面の内壁にインクが析出することはなく、すなわ
ち、ノズル20の詰まりによるインク吐出量の変動等を
好適に防止して、長寿命な記録ヘッド10を実現でき
る。
【0031】また、図示例においては、好ましい態様と
して、保管時の液面位置の方が、駆動時の液面位置より
も大きい径を有する(管路のサイズが大きい)。このよ
うな構成とすることにより、保管時液面にインクが析出
しても、ノズル20の詰まりによるインク吐出量の変動
やノズル20の閉塞をより確実に防止できる。特に、図
示例のように、各液面におけるノズル20の径の違いに
加え、保管時液面を駆動時液面よりも上方に位置して、
いわゆる液栓によってノズルをキャッピングする態様
は、より好ましい。これにより、上記効果は一層顕著に
なり、しかも、駆動時の液面位置となる内壁は、常にイ
ンクで濡れているので、インクの吐出動作も安定する。
【0032】本発明において、保管時と駆動時とにおけ
るインク(液体)液面の制御方法には、特に限定はな
く、各種の方法が利用可能である。一般的に、液体管路
中における液面は、液体と管路内壁との接触角(濡れ
性)、管の形状、および管路内にかかる圧力等に応じて
決定されるので、これらを利用して、各種の方法で液面
を制御すればよい。
【0033】例えば、ヘッドユニット(図7の符号11
0参照)に装着されたインクタンク(図7の符号112
参照)からSi基板12に形成されたインク供給孔18
に至るまでのインク供給路の一部または途中にインクの
圧力を調整する圧力調整手段(図7の符号111参照)
を設けて、ノズル20におけるインク液面を制御する方
法等が例示される。すなわち、インクタンクからインク
供給孔18に至るまでのインク供給路の一部に、膨張
性、収縮性または弾性を有する領域を設けると共に、こ
の領域を押圧(あるいは拡張)する手段を設けて、押圧
の有無でインクにかかる圧力(インク内圧)を調整し、
インク液面を制御しても良い。また、ヘッドユニットに
装着されたインクタンクからヒータ30に至るインク流
路の途中に、インク流路に連通する閉空間のインク溜め
を設置し、このインク溜めの容積の変更等によって、イ
ンクの圧力を調整し、インク液面を制御してもよい。さ
らに、ヘッドユニットに装着されたインクタンクの高さ
を調整(例えば、高位置と低位置等)することにより、
インク供給路内のインクの圧力を調整して、インク液面
を調整する方法も好適である。
【0034】駆動時液面と保管時液面とで、内壁とイン
クとの接触角を変えて、インク液面の制御を行う方法
も、好適である。例えば、図2に示される例において、
ノズル20の直管領域20aの内壁面を親水性(接触角
小)とし、拡径領域20bを疎水性(接触角大)とする
方法が例示される。この際においては、さらに、ノズル
列が形成されたオリフィスプレート22の表面(すなわ
ち、前記ノズル面)を、より疎水性にするのが好まし
い。なお、接触角は、材料の選択、公知の親水化処理や
疎水化処理によって調整すれば良い。本発明において
は、液面制御のために、このような圧力制御と接触角の
選択等を併用するのは、より好ましい。
【0035】ところで、液面制御を行う際の圧力と接触
角やノズル形状との関係を図3(A)に模式的に示すノ
ズルの右半分の断面を用いて説明する。同図において、
ノズル20の中心線に平行にその下端から吐出方向にz
軸を取り、ノズル20の中心線から半径方向にr(半
径)軸を取り、インク(液体)の表面張力をT、インク
側の内圧をPl、大気圧をPa、インクとノズル20の
内壁面との接触角をα(z)、ノズル20の形状変化を
β(z)、ノズル20の半径をr(z)で表す時、下記
式(1)および(2)が成り立つ。 {2Tcos(α(z)+β(z))}/r(z)=Pt …(1) Pa−Pt=Pl …(2) ここで、Ptは、インクの表面張力による見かけ上の圧
力であり、大気圧とインク内圧との圧力差を表す。な
お、z軸の原点は、ノズル20の下端(上流側の端部)
であり、zの値は、ノズル20の下端からの高さを表
す。ちなみに、r軸の原点は、ノズル20の中心であ
る。
【0036】従って、下記式(3)が成り立つ。 {2Tcos(α(z)+β(z))}/r(z)=Pa−Pl…(3) この式(3)で求められる位置zで、インクの液面は落
ち着こうとするここで、z1が吐出時のインク液面の位
置であり、z2が保管時のインク液面の位置であるとす
ると、上記式(3)がz=z1と、z=z2とで成り立
つように、接触角α、形状変化βおよびインク内圧Pl
の組み合せを2種類設定しておけば良い。例えば、図3
(A)に示すノズル20の場合、ノズル20の形状変化
β(z)のグラフは、図3(B)に、ノズル20の半径
r(z)のグラフは、図3(C)に、インク側の内圧P
l(z)のグラフは、図3(D)に示される。従って、
図3(D)に示されるように、z1およびz2において
形成される2つの段差部において、インク液面は、上記
式(3)を満たすので、安定化する。例えば、インク内
圧Plが図3(D)に示すグラフより下側にある(負圧
(絶対値)が大きい)時には、インク液面が移動して、
インク内圧がz=z1における段差部において安定す
る。逆に、インク内圧Plが僅かな負圧の(絶対値が小
さい)または正圧時には、インク液面が移動して、イン
ク内圧がz=z2における段差部において安定する。
【0037】もちろん、上記式(1)および(3)に照
らし、インクとノズル20の内壁面との接触角α(z)
とノズル20の形状変化β(z)とは、同様の効果を有
し、結果として、圧力差Ptが図3(D)に示す段差部
内に入れば、そこで圧力保持が可能である。従って、本
発明においては、接触角αおよび形状変化βのいずれに
依存した構成としても良いし、両者に依存する構成とし
ても良い。また、インク内圧Plに対して、接触角α
(z)または形状変化β(z)を吐出時位置z1と保管
時位置z2とでそれぞれ設定しても良いし、接触角α
(z)および形状変化β(z)に対して、インク内圧P
lを吐出時位置z1と保管時位置z2とで調整しても良
い。
【0038】また、図示例のように、保管時の方が駆動
時よりも液面が上方に位置する場合には、図2(C)の
平面図に示されるように、ノズル20の内壁に、駆動時
の液面から保管時の液面に向かって延在するような、溝
20cを形成するのが好ましい。このような構成とする
ことにより、駆動時と保管時との間におけるインク液面
の移動を、より円滑かつ確実に行うことができ、すなわ
ち、駆動時と保管時におけるインク液面の制御を、より
好適に行うことができる。
【0039】また、同様に保管時の液面の方が駆動時よ
りも上方に位置する場合には、ノズル20へのインク供
給手段を設定してもよい。例えば、図4(A)および
(B)に示されるように、オリフィスプレート22の表
面にノズル20に連通する供給溝32を形成し、保管時
には、この供給溝32からインクを供給してもよい。こ
の際には、保管時のインク液面は、ノズル20の上端で
もよく、ノズル20が完全にインクに沈む位置に保管時
の液面を設定してもよい。あるいは、後述するように、
インクジェットプリンタのキャップ132をインク供給
手段としてもよい。
【0040】図示例の記録ヘッド10においては、ノズ
ル20は、直管領域20aと拡径領域20bとを有して
いるが、本発明は、これに限定はされず、例えばノズル
は、拡径領域のない直管のみからなるものであっても良
いし、直管領域を有さない、下端から上端まで上方に向
かって漸次拡径する形状であってもよい。あるいは、逆
に、図5(A)のノズル34に示すように、ノズル形状
を、上方に向かって漸次縮径する形状とし、例えば、実
線で示すようにノズル34の上端部に駆動時のインク液
面を設定し、点線で示すように、それよりも下方(すな
わち、駆動時液面よりも上流側の径の広い部分)に保管
時のインク液面を設定するのも、好ましい。また、この
実施例においては、ノズル34の内壁は、保管時の液面
よりも上方は疎水性(接触角αを大)にし、それよりも
下方は親水性(接触角αを小)にするのが好ましい。こ
の場合に、オリフィスプレート22の外表面のノズル3
4の周辺領域を、ノズル34の内壁の上方領域よりも、
さらに疎水性にしておくのが好ましい。なお、ノズル3
4の内壁の親水性にする下方領域は、直管領域としても
よい。また、ノズルの拡径領域および縮径領域は、共
に、図示例のような直線状に限定はされず、例えば、図
5(B)および(C)に示されるような湾曲形状であっ
てもよく、あるいは、図5(D)および(E)に示され
るような段を有する形状であってもよい。
【0041】さらに、本発明にかかる記録ヘッドにおい
ては、図2や図6に示される例のように、保管時と駆動
時とで液面位置の径(流路管のサイズ)が異なるのに限
定はされず、両液面の径を同じにしてもよい。例えば、
図6のノズル36に示されるように、ノズル形状を直管
状にして、実線で示す管の上端と点線で示す管の途中と
に液面を設定してもよい。あるいは、管の途中と管の下
端、もしくは、管の途中2箇所に液面を設定してもよ
い。この構成においては、上下のいずれの液面位置が保
管時液面でも駆動時液面でもよいが、好ましくは、ノズ
ル36の内壁面は、下方の液面よりも下は親水性(接触
角αを小)にし、同液面よりも上は疎水性(接触角αを
大)にするのが好ましく、より好ましくは、さらにオリ
フィスプレート22の表面を、より疎水性(接触角αを
大)にする。これにより、インクの析出をより好適に抑
制して、記録ヘッドの長寿命化を図ることができる。
【0042】このような記録ヘッド10は、公知の方法
で製造すればよい。例えば、半導体装置の製造技術を利
用して、Siウエハ(Si基板12)に、多数の記録ヘ
ッド10に対応して、ヒータ30や駆動用LSI14、
インク溝16やインク供給孔18、隔壁15等を形成す
る。次いで、ノズル20を形成していないオリフィスプ
レート22を積層/貼着し、フォトリソグラフィーによ
って各記録ヘッド10に対応してノズル20を形成し
て、記録ヘッド10となる多数のSiチップを完成す
る。その後、Siウエハをダイシングして各チップを切
り出し、さらに、個々の記録ヘッド10毎に、フレーム
24の所定位置に実装し、結線等を行う。
【0043】図7に、本発明の記録ヘッド10を用い
る、本発明のインクジェットプリンタの一例を示す。な
お、図7において、(A)は、このインクジェットプリ
ンタの構成を示すノズル列方向から見た概念図(側面
図)であり、(B)は、このインクジェットプリンタを
斜め方向から見た際の概念図(斜視図)である。図7に
示されるインクジェットプリンタ(以下、プリンタとす
る)80は、対応する記録用紙Pの一方向を超えて延在
するノズル列を有する、ラインヘッドを記録ヘッド10
として用いるものである。このプリンタ80は、本発明
にかかる記録ヘッド10を用いる以外は、基本的に、公
知のインクジェットプリンタである。
【0044】図7に示すプリンタ80は、本発明の記録
ヘッド10を用いる記録部82、給紙部84、プレヒー
ト部86、排出部88(図7(B)では省略)、および
メンテナンスユニット90を有する。
【0045】給紙部84は、搬送ローラ対92および9
4と、ガイド96および98とを有するもので、記録用
紙Pは、給紙部84によって、横方向から上方に搬送さ
れ、プレヒート部86に供給される。
【0046】プレヒート部86は、3本のローラおよび
エンドレスベルトからなるコンベア100と、コンベア
100の外方からエンドレスベルトに押圧される圧着ロ
ーラ102と、コンベア100の内方から圧着ローラ1
02(エンドレスベルト)に押圧されるヒータ104
と、プレヒート部86内(ハウジング86a内)を排気
する排気ファン106とを有する。このようなプレヒー
ト部86は、インクジェットによる画像の記録に先立
ち、記録用紙Pを加熱することで、インクの乾燥を促進
するためのものであって、給紙部84から搬送された記
録用紙Pは、コンベア100と圧着ローラ102とによ
って挟持搬送されつつ、ヒータ104によって加熱さ
れ、記録部82に搬送される。
【0047】記録部82は、本発明に係る記録ヘッド1
0が実装されたヘッドユニット110と、記録搬送手段
108とを有する。また、ヘッドユニット110には、
インクタンク112(112Y,112C,112M,
および112B)が、装着され、各インクタンク112
とヘッドユニット110との間には、本発明に用いられ
るインクの圧力を調整する圧力調整手段111が設けら
れる。記録搬送手段108は、ローラ114a,114
bおよび吸着ローラ116,ならびに多孔エンドレスベ
ルト118からなるコンベア120と、多孔エンドレス
ベルト118(ローラ114a)に押圧されるニップロ
ーラ122(図7(B)では省略)と、コンベア120
内に配置される吸着箱124とを有する。
【0048】記録ヘッド10は、ノズル20を吸着ロー
ラ116に向けてヘッドユニット110の下端(図中下
方の記録用紙P側)に装着される。また、記録搬送手段
108は、ノズル列方向と直交する方向に、所定速度で
連続的に記録用紙Pを搬送する。従って、プレヒート部
80から供給された記録用紙Pは、ラインヘッドである
記録ヘッド10のノズル列で全面を走査され、画像が記
録される。なお、画像記録時においては、本発明に係る
記録ヘッド10のノズル20のインク液面位置は、例え
ば、上述の圧力調整手段111によるインク内圧の調整
によって予め設定されている吐出時のインク液面の位置
に保持される。また、コンベア120は、多孔エンドレ
スベルト118で構成され、さらに吸着ローラ116お
よび吸着箱124を有する。そのため、記録用紙Pは、
多孔エンドレスベルト118に吸着された状態で搬送さ
れ、記録ヘッド10に対して、適正に所定位置に保たれ
た状態で画像が記録される。
【0049】画像を記録された記録用紙Pは、排出部8
8に供給され、搬送ローラ対126および排出ローラ1
28によって搬送されて、例えば、図示しない排出トレ
イに排出される。
【0050】メンテナンスユニット90は、プリンタ8
0の電源がオフ(off)された際等に、記録ヘッド1
0の清掃およびキャッピングを行うもので、図8に概念
的に示されるように、ワイパー130とキャップ132
とを有する。なお、図8において、(A)はメンテナン
スユニット90をノズル列方向から見た図(側面図)、
(B)はノズル列方向と直交する方向から見た図(正面
図)である。
【0051】図示例のプリンタ80において、コンベア
120、ニップローラ122、吸着箱124および搬送
ローラ対126は、一体的にユニット化されている。こ
のユニットは、公知の方法で、コンベア120のローラ
114aの回転軸を中心に90°回転して(図中矢印
a)、ユニット化されたコンベア120等を図7(A)
中に点線で示す位置に移動可能に構成される。また、メ
ンテナンスユニット90は、ヘッドユニット110の下
方に位置しており、公知の方法で、昇降可能に構成され
る(図中矢印b)。
【0052】プリンタ80の電源がオフ(off)され
ると、まず、コンベア120等の前記ユニットを前記点
線位置に移動する。次いで、図8(A)および(B)に
示されるように、待機位置(図7(A)参照)に位置す
るメンテナンスユニット90を所定の位置(点線で示す
位置)まで上昇させて、さらにワイパー130のみをさ
らに上昇させて、記録ヘッド10のノズル列方向に移動
させて、ノズル20の清掃を行う(図8(B)点線参
照)。なお、プリンタ80においては、電源オフ(of
f)時に限らず、必要に応じて記録ヘッド10の清掃を
行ってもよい。
【0053】清掃を終了したら、ワイパー130を降下
させ、次いで、キャップ132を上昇させて、ノズル列
を完全に覆った状態でオリフィスプレート22の表面に
当接させる(図8(B)では点線で示す)。これによ
り、オリフィスプレート22の表面を気密に閉塞して、
全てのノズル20をキャッピングする。また、キャップ
132には、サクションポンプが接続されており、必要
に応じて、キャップ132内を吸引する。本発明に係る
記録ヘッド10においては、これで待機(保管)時とな
り、例えば、前述の圧力調整手段111によるインク供
給路の圧力調整によって、図2(B)に示されるように
インク液面を待機(保管)時の液面まで上昇させる。
【0054】なお、本発明の記録ヘッド10において
は、待機(保管)時の方が上方(下流側)にインク液面
が設定される場合には、待機(保管)時におけるノズル
20へのインク供給手段を設定してもよいのは、前述の
とおりであり、このキャップ132を、インクの供給手
段として利用してもよい。例えば、図8に示されるよう
に、キャップ132に、キャップ内部にインクを供給す
る供給管134を接続し、前記吸引等を終了したら、こ
の供給管134からキャップ132内にインクを供給し
て、内部をインクで満たし、待機(保管)時の状態とし
てもよい。この態様においては、前記圧力等を利用する
液面制御は不要である。また、キャップ132内の吸引
管とインク供給管とを併用してもよい。
【0055】本発明のインクジェットプリンタは、上述
の例に限定はされず、公知のインクジェットプリンタ
が、各種利用可能である。例えば、前述の記録用紙を断
続的に搬送すると共に、キャリッジによって記録ヘッド
(ヘッドユニット)を走査するキャリッジタイプのプリ
ンタであってもよく、また、記録用紙を自動的に供給す
るフィーダ等を有していてもよい。
【0056】以上、本発明の液体吐出装置、およびイン
クジェットプリンタについて詳細に説明したが、本発明
は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいの
は、もちろんである。例えば、図示例においては、イン
ク液滴を吐出するノズルの途中に駆動時および保管時に
おけるインク液面を設定しているが、本発明はこれに限
定はされず、保管時の液面をノズルよりも上流のインク
供給路に設定してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の第
1の態様の液体吐出装置によれば、ノズルから液滴を吐
出する吐出装置において、駆動時と保管時とで異なる位
置に液面を設定することにより、ノズルの詰まりを好適
に防止することができ、例えばインクジェット記録ヘッ
ドに利用することにより、ノズルにインクが析出するこ
とによる、インク吐出量の低下やノズルの閉塞を長期に
わたって防止して、長寿命なインクジェット記録ヘッド
を実現することができる。また、本発明の第2の態様の
インクジェットプリンタによれば、本発明の第1の態様
の液体吐出装置を利用したものであり、長寿命なインク
ジェットプリンタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一
実施例の概略図で、(A)は平面図、(B)は(A)の
I−I線断面図である。
【図2】 (A)および(B)は、それぞれ図1(B)
の部分拡大断面図であり、(C)は、本発明に係るイン
クジェット記録ヘッドの別の実施例の概略平面図であ
る。
【図3】 (A)は、図1に示すインクジェット記録ヘ
ッドのノズルの液面制御を行う際の圧力と接触角やノズ
ル形状との関係を説明するためのノズルの右半分の断面
による説明図であり、(B)、(C)および(D)は、
それぞれ(A)に示すノズルの形状変化のグラフ、半径
のグラフおよびインク側の内圧のグラフである。
【図4】 本発明のインクジェット記録ヘッドの別の実
施例の概略図で、(A)は平面図、(B)は(A)のII
−II線断面図である。
【図5】 (A),(B),(C),(D)および
(E)は、それぞれ本発明のインクジェット記録ヘッド
の別の実施例のノズル形状を示す概略図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録ヘッドの別の実
施例のノズル形状を示す概略図である。
【図7】 本発明のインクジェットプリンタの一実施例
の概念図で、(A)は側面図を、(B)は斜視図を、そ
れぞれ示す。
【図8】 図7に示されるインクジェットプリンタのメ
ンテナンスユニットの概念図で、(A)は側面図を、
(B)は正面図を、それぞれ示す。
【図9】 従来のインクジェットプリンタにおけるキャ
ッピングの一例を示す概念図である。
【符号の説明】
10 (インクジェット)記録ヘッド 12 Si基板 14 駆動用LSI 16 インク溝 18 インク供給孔 20,34,36 ノズル 22 オリフィスプレート 24 フレーム 28 個別のインク供給路 30 ヒータ 32 溝 80 (インクジェット)プリンタ 82 記録部 84 供給部 86 プレヒート部 88 排出部 90 メンテナンスユニット 96,98 ガイド 92,94,126 搬送ローラ対 100,120 コンベア 102 圧着ローラ 104 ヒータ 106 排気ファン 108 記録搬送手段 110 ヘッドユニット 112 インクタンク 114a,114b ローラ 116 吸引ローラ 118 多孔エンドレスベルト 122 ニップローラ 124 吸引箱 128 排出ローラ対 130 ワイパ 132 キャップ 134 インク供給管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のノズルが形成された部材と、 前記複数のノズルの各々に対応して形成され、前記ノズ
    ルから液滴を吐出する複数の吐出手段と、この複数の吐
    出手段にそれぞれ液体を供給する複数の供給路とを有す
    る液体吐出装置であって、 駆動時と保管時とで、前記ノズルおよびこのノズルに対
    応する供給路からなる液体流路において異なる位置に液
    面位置を設定したことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 【請求項2】前記駆動時および保管時における液面位置
    の調整を、圧力を調整する圧力調整手段で行う請求項1
    に記載の液体吐出装置。
  3. 【請求項3】前記駆動時と保管時とで、前記液面位置に
    おける前記液体流路の内壁面と前記液体との接触角が異
    なる請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 【請求項4】前記保管時の液面位置における前記液体流
    路の断面サイズが、前記駆動時の液面位置におけるもの
    よりも大きい請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出
    装置。
  5. 【請求項5】前記保管時における液面位置が、前記駆動
    時における液面位置よりも液体吐出方向の下流側に設定
    される請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出装置。
  6. 【請求項6】前記駆動時の液面位置から前記保管時の液
    面位置に至る前記液体流路の内壁面に、液体吐出方向に
    延在する溝が形成される請求項5に記載の液体吐出装
    置。
  7. 【請求項7】前記保管時における液体の供給を、前記供
    給路および別途設定された液体供給手段の少なくとも一
    方で行う請求項5または6に記載の液体吐出装置。
  8. 【請求項8】前記液体が、インクであり、前記液滴が、
    インク液滴であり、前記液体吐出装置が、インクジェッ
    ト記録ヘッドである請求項1〜7のいずれかに記載の液
    体吐出装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出
    装置をインク液滴の吐出装置として用いることを特徴と
    するインクジェットプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016083824A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 エスアイアイ・プリンテック株式会社 ノズルプレート、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

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