JP4118178B2 - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP4118178B2
JP4118178B2 JP2003083424A JP2003083424A JP4118178B2 JP 4118178 B2 JP4118178 B2 JP 4118178B2 JP 2003083424 A JP2003083424 A JP 2003083424A JP 2003083424 A JP2003083424 A JP 2003083424A JP 4118178 B2 JP4118178 B2 JP 4118178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
nozzle
recording head
nozzles
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003083424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004001439A (ja
Inventor
力 横内
和男 眞田
和宏 辻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2003083424A priority Critical patent/JP4118178B2/ja
Publication of JP2004001439A publication Critical patent/JP2004001439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4118178B2 publication Critical patent/JP4118178B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のプリンタに利用されるインクジェット記録方式の技術分野に属し、詳しくは、生産性や加工性を低下することなく、吐出面に対してインクを斜め方向に吐出することを実現したインクジェット記録ヘッド、および、このインクジェット記録ヘッドを利用するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒータによる加熱でインクの一部を急速に気化させ、その膨張力等によってインク液滴をノズルから吐出させ、記録媒体上に着弾させて記録するサーマルインクジェット記録方式が各種のプリンタに利用されている(特許文献1および特許文献2等参照)。
【0003】
このようなサーマルインクジェット(以下、インクジェットとする)記録方式においては、インク(インク液滴)を吐出するノズルは、通常、オリフィスプレートやノズルプレートと呼ばれる板材に穿孔され、インクは、インクの吐出面(プレート面)に対して、直交する方向にノズルから吐出される。
一方で、様々な効果を期待して、インクを吐出面に対して斜めに吐出(以下、「斜め吐出」等と称する)することも考えられている。
【0004】
例えば、受像紙の一辺を超えるノズルの配列を有するラインヘッドを、安価かつ高い歩留りで製造できる記録ヘッドとして、小型(小サイズ)の記録ヘッド(以下、短尺ヘッドとする)を複数、ノズル配列方向に並べて長尺化したインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとする)が知られている。
このような短尺ヘッドを並べてなる記録ヘッドにおいても、高画質な画像記録を行うためには、ノズル配列の全域にわたって、均一かつ適正なノズルピッチを実現する必要が有る。しかしながら、短尺ヘッドのノズル配列方向において、最端部のノズルと短尺ヘッド自体の端部との間隔は、通常は、ノズルピッチより広い。従って、単純に端部を突き合わせて短尺ヘッドを並べたのでは、各短尺ヘッドの接合部において、ノズルピッチが広くなってしまう。
【0005】
このような問題点を解決する方法として、特許文献3には、複数の短尺ヘッドを配列して長尺化した記録ヘッドにおいて、各短尺ヘッドのノズルを、吐出面に対してノズル配列方向に5°〜10°傾けて形成し、インクを斜めに吐出する記録ヘッドが開示されている。
この記録ヘッドによれば、インクを斜めに吐出することにより、短尺ヘッドの接合部におけるノズルピッチの誤差を、インク着弾位置(受像紙上)において補正することができ、すなわち、記録ヘッドのノズル配列方向の全域に渡って、所定の記録密度の画像記録を行うことができる。
【0006】
また、インクジェットプリンタにおける画質低下の一因として、筋ムラや斑が挙げられる。
このような問題点を解決するために、特許文献4には、1つのノズルに対して複数のヒータを配置して、それぞれのヒータを個別に駆動することにより、画像記録中に各ノズルからのインク吐出方向をランダムに変化させ、筋ムラや斑の発生を防止したインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が開示されている。
【0007】
さらに、インクジェットプリンタにおけるトラブルとして、記録ヘッドのノズルの詰まりや、ノズル周辺の汚れに起因する画質低下が知られている。このトラブルが発生する一因として、ノズルから吐出されて受像紙に着弾したインクの一部が、受像紙に跳ね返されてしまい、ノズルの周辺に付着し、乾燥してしまうことが挙げられる。
このような不都合を防止するために、ノズル配列と直交する方向に向かって、インクを斜めに吐出することにより、受像紙で跳ね返されたインクをノズルから離れる方向に向かわせ、ノズル周辺の汚染を防止する方法が知られている。
【0008】
このように、インクジェットにおいてインクを斜めに吐出することは、様々なメリットがある。その反面、記録ヘッドの生産性等の点では、通常の記録ヘッドよりも不利である。
【0009】
例えば、特許文献3に開示されるような、オリフィスプレートにノズルを斜め(プレート面に対して斜め)に穿孔する加工は、プレート面に対して直交する穿孔に比して、非常に手間のかかる作業で、記録ヘッドの生産性、生産コスト、得率等の点で不利である。
また、特許文献4に開示されるインクジェットプリンタでは、1つのノズルに複数のヒータを配置しなければならないので、やはり、記録ヘッドの生産性や生産コスト等の点で不利であり、また、高解像度化に伴って記録ヘッドの微細化が進む現在では、自由度も低い。さらに、複数のヒータをランダムに駆動するために、記録制御も複雑になってしまう。
【0010】
【特許文献1】
特開昭48−9622号公報
【特許文献2】
特開昭54−51837号公報
【特許文献3】
特開平7−171956号公報
【特許文献4】
特開2001−105584号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、前述の複数の短尺ヘッドを接合して長尺化した記録ヘッドにおける、短尺ヘッド接合部の記録密度の適正化、インクによるノズル周辺の汚染防止等、各種のインクジェット記録ヘッドにおける種々の目的に対応して、インク(液滴)をオリフィスプレート面等のインク吐出面に対して斜め方向に吐出、飛翔することができ、しかも、生産性や加工性も良好なインクジェット記録ヘッド、および、このインクジェット記録ヘッドを利用するインクジェットプリンタを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、一方向に配列された複数のノズルと、各ノズルに対応して形成されたインク液滴の吐出手段とを有するインクジェット記録ヘッドであって、前記複数のノズルの少なくとも1つは、前記インク液滴の吐出側に深さ方向の段差を有し、この段差を形成する両端の間でインク液面を形成することを特徴とするインクジェット記録ヘッドを提供するものである。
【0013】
ここで、前記ノズルの前記深さ方向の段差は、その始端の縁部から終端の縁部に向かって階段状に形成されるのが好ましい。
また、前記ノズルの前記深さ方向の段差は、その始端の縁部から終端の縁部に向かって連続的に形成されるのが好ましい。
また、前記ノズルの前記深さ方向の段差は、前記インク液滴の吐出側表面において、前記ノズルの周縁部の少なくとも一部に拡径する部分を設けることによって形成されるのが好ましい。
また、前記複数のノズルの少なくとも1つは、その内壁面が、前記インク液滴の吐出側において、前記ノズルの中心軸に対して非対称に親インク処理および撥インク処理されているのが好ましい。
【0014】
また、前記目的を達成するために、本発明の第2の態様は、一方向に配列された複数のノズルと、各ノズルに対応して形成されたインク液滴の吐出手段とを有するインクジェット記録ヘッドであって、前記複数のノズルの少なくとも1つは、その内壁面が、前記インク液滴の吐出側において、前記ノズルの中心軸に対して非対称に親インク処理および撥インク処理されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッドを提供するものである。より好ましくは、前記複数のノズルの少なくとも1つは、前記インク液滴の吐出面側の内壁面において、前記ノズルの中心軸に対して非対称に、前記吐出面により近い側の前記内壁面の少なくとも一部が撥インク処理され、前記残りの内壁面が親インク処理され、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域は、前記インク液滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きを調整するための、前記ノズルの深さ方向における差を有し、この差を形成する両端の間で前記インク液滴を吐出させるためのインク液面を形成し、前記吐出手段は、前記差を形成する両端の前記吐出面に対する傾きに応じて前記ノズルの中心軸方向から傾斜した吐出角度で前記インク液滴を吐出することを特徴とするインクジェット記録ヘッドを提供する。
さらに、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域と前記親インク処理された領域との境界は、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域の前記ノズルの深さ方向における差によって、前記ノズルの周縁に沿って前記ノズルの深さ方向において異なるように形成されることが好ましい。
また、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域と前記親インク処理された領域との境界は、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域の前記ノズルの深さ方向における差によって、前記ノズルの周縁の一部に形成されることが好ましい。
【0015】
なお、本発明の第1および第2の態様において、前記ノズルの前記深さ方向の段差の大きさ、前記深さ方向の段差を設ける領域の大きさおよび前記ノズルの内壁面の前記親インク処理と前記撥インク処理との組み合わせの少なくとも一つによって、前記インク滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きが調整されるのが好ましい。
さらに、前記インク液滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きを調整するための、前記吐出手段の出力調整手段を備えるのが好ましく、または、前記ノズルの前記深さ方向の段差の大きさ、前記深さ方向の段差を設ける領域の大きさおよび前記ノズル内壁面の前記親インク処理と前記撥インク処理との組み合せの少なくとも一つによって生じる前記インク滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きを調整するための、前記吐出手段の出力調整手段を備えるのが好ましい。
また、前記複数のノズルは、オリフィスプレートに形成されることが好ましく、前記オリフィスプレートは、前記インク液滴の吐出面側の表面に凹部を有し、前記複数のノズルは、前記凹部に形成されることが好ましい。
さらに、前記インクジェット記録ヘッドは、複数の短尺ヘッドを前記複数のノズルの配列方向に接合したものであり、前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルは、各短尺ヘッドの接合部の側のノズルであり、前記ノズルの中心軸方向から傾斜した吐出角度は、前記複数のノズルの配列方向に、各短尺ヘッドの接合部に向かう向きに傾斜することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の第3の態様は、上記第1および第2の態様のインクジェット記録ヘッドを用いることを特徴とするインクジェットプリンタを提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るインクジェット記録ヘッドおよびこのインクジェット記録ヘッドを利用する本発明のインクジェットプリンタを添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
【0018】
なお、本発明のインクジェット記録ヘッドは、対応する受像紙(受像媒体)の一辺の全域に対応してノズルが配列された、いわゆるラインヘッドであってもよく、受像紙の断続的な搬送と、ノズルの配列と直交する方向への走査とを組み合わせたプリンタに対応するインクジェット記録ヘッドであってもよい。
【0019】
また、以下の説明は、本発明のインクジェット記録ヘッドを、インクを急速に加熱して、気泡の成長エネルギでインク液滴を吐出する、いわゆるサーマルインクジェット記録ヘッドに利用した例で行う。
しかしながら、本発明は、これに限定はされず、例えば、特開平11−207956号、同11−309850号等の各公報に開示されるような、静電気やピエゾ素子等によって振動板を振動してインク液滴を吐出させる、静電タイプやアクチュエータタイプのインクジェットの記録ヘッドなど、各種のインクジェット記録ヘッドに好適に利用可能である。
【0020】
さらに、図示例は、基板面(ノズルへの液体供給方向)に対して略直交する方向にインクを吐出するトップシュータ型(フェイスインクジェット)のインクジェット記録ヘッドであるが、本発明は、これ以外にも、特開平11−263014号公報等に開示されるような、基板面と略平行にインクを吐出する、サイドシュータ型(エッジインクジェット)のインクジェット記録ヘッドでもよい。
【0021】
図1(A)および(B)に、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一実施例の概略構成図を示す。図1(A)は、インクジェット記録ヘッドを基板面と直交する方向(図示例においては、インクの吐出方向)から見た図(平面図)であり、図1(B)は、そのb−b線断面図である。
【0022】
図1(A)および(B)に示されるインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとする)10は、一方向(図中矢印x方向、図1(B)では、紙面に垂直方向)に配列された多数のノズル20を有し、かつ、このノズル20の列(以下、ノズル列とする)を2列有することにより、記録密度の向上を図っている。後に詳述するが、図示例においては、ノズル20は、Si基板12(隔壁15)の上に積層されるオリフィスプレート22に形成される。
このような記録ヘッド10は、通常のインクジェット記録ヘッドと、同様に、ノズル20と受像紙とを対面した状態で、ノズル列方向と直交する方向に記録ヘッド10と受像紙とを相対的に移動し、記録画像に応じて各ノズル20に対応するヒータ30(図2参照)を変調駆動してインク液滴を吐出することにより、受像紙に画像を記録する。
【0023】
なお、本発明の記録ヘッド10は、図示例のように、ノズル列を2列有するものに限定はされず、ノズル列は1列であってもよく、あるいは、3列以上のノズル列を有するものであってもよい。また、各ノズル列から吐出するインクの色およびその組み合わせも、任意である。
【0024】
図示例の記録ヘッド10は、半導体装置の製造技術を利用して、Si基板12に作製されたものであり、インクを加熱して気泡を生じさせて、そのエネルギでノズル20からインクを吐出させる、各ノズル20に対応して形成されるヒータ30(図2参照)、このヒータ30を駆動する駆動用集積回路(以下、駆動回路とする)14等が、Si基板12に形成されている。
【0025】
また、Si基板12には、各ヒータ30(ノズル20)にインクを供給するためのインク溝16、およびインク溝16にインクを供給するインク供給孔18が形成される。
インク溝16は、ノズル列方向に延在して、Si基板12の表面(インク吐出側面)を掘り下げるように形成される。他方、インク供給孔18は、裏面からインク溝16に連通するようにSi基板12を貫通して、ノズル列方向に配列されて所定の間隔で複数が穿孔される。
【0026】
Si基板12の上には、インク溝16から各ヒータ30(ノズル20)に至る個別のインク供給路を形成する隔壁15が積層される。隔壁15に関しては後に詳述する。さらに、この隔壁15の上には、Si基板12面を覆うようにして、円筒状のノズル20が形成(穿孔)されるオリフィスプレート22が積層、貼着される。
オリフィスプレート22および隔壁15の形成材料は、公知の材料が各種利用可能であり、例えば、ポリイミドが例示される。
【0027】
このようなSi基板12(Siチップ)は、支持部材となるフレーム24の所定位置に接着/固定(実装)され、さらに、このフレーム24は、図示しないインクジェットプリンタのヘッドユニット(例えば、いわゆるカートリッジ等)の所定位置に装着される。
このフレーム24およびヘッドユニットには、ヘッドユニットに装着されたインクタンクから、Si基板12に形成されたインク供給孔18にインクを供給するためのインク供給路(フレーム24では、インク流路26)が形成される。
【0028】
図2(A)および(B)に、記録ヘッド10のノズル20近傍の概略構成図を示す。なお、図2(A)は、平面図、図2(B)は、図1(B)と同断面図(ノズル列と直交方向の断面図)である。従って、図2(B)においては、ノズル列方向(矢印x方向)は、紙面に垂直方向となる。
【0029】
前述のように、記録ヘッド10において、ノズル20からインクを吐出する吐出手段であるヒータ30は、Si基板12に形成される。
ヒータ30は、インクジェットの記録ヘッドで通常に利用されるものであり、例えば、離間して配置される一対の電極対を構成する導体薄膜と、この導体薄膜を接続する薄膜の発熱抵抗体とで形成される。
【0030】
前述のように、Si基板12の上には、各ヒータ30(ノズル20)への個別のインク供給路を形成する隔壁15が形成される。
図示例において、隔壁15は、インク溝16に対してノズル列と逆側の全面をノズル20の直近まで覆う領域15aと、各ノズル20の間において、この領域15aからインク溝16に向かって突出して形成される、各ヒータ30への個別のインク供給路を形成する壁部15bとを有する。
【0031】
図示例は、Si基板12(記録ヘッドの形成基板)の表面に対して、上方に飛翔するようにインクを吐出する、いわゆるトップシュータ型の記録ヘッド10であり、この隔壁15の上には、ノズル20(ノズル列)が穿孔されたオリフィスプレート22が積層される。
【0032】
このような記録ヘッド10において、ヘッドユニットに装着されたインクタンクから所定の経路で供給されたインクは、フレーム24のインク供給路26を経て、Si基板12の裏面側からインク供給孔18に供給され、Si基板12の表面に形成されたインク溝16に導入される。
インク溝16に供給されたインクは、隔壁15の壁部15bによって各ヒータ30毎に分離された個別のインク供給路に至り、駆動回路14による駆動の下、各ヒータ30の加熱によって生じた核沸騰によって、対応するノズル20から吐出される。
【0033】
ここで、本発明の第1の態様のインクジェット記録ヘッドは、ノズルが、その深さ方向に段差、すなわち高低差を有するものであり、図示例の記録ヘッド10においては、ノズル20の周囲を半周に渡って略扇型に掘り下げて、拡径する部分を形成することにより、ノズル20に深さ方向の段差を設け、深さ方向に階段状の高低差を設けている。すなわちノズル20には、オリフィスプレート22の表面側(インク液滴の吐出側)において、深さ方向の段差が設けられている。
本発明においては、ノズルに、このような高低差を設けることにより、インク液滴を斜めに(基板面と直交する方向、またはノズルの中心軸に平行な方向に対して所定の角度で)吐出することを可能にしている。
【0034】
記録ヘッド10においては、ノズル20にインクがリフィルされた状態で、図2(B)に点線aで示されるように、ノズル20の段差の両端、すなわち上端(始端)と下端(終端)とを結ぶように、斜めにインク液面(メニスカス)が形成される。なお、インク液面の制御は、通常のインクジェット記録ヘッドで行われている、公知の方法で行えばよい。
この状態から、インク液滴の吐出(ヒータ30の加熱による気泡の成長)を行うと、図2(B)に点線bで示すように、初期段階において、ノズル20(インク液面)の低い方向に向かう斜め方向にインクが膨らみ、この膨張方向に対応する方向にインク液滴が吐出、飛翔する。すなわち、図示例においては、ノズル列(矢印x方向)と直交し、かつ、記録ヘッド10の外に向かって、インク液滴が飛翔する。
【0035】
この斜め吐出の方向、すなわち、図2(B)における、Si基板12の基板面と直交する方向、あるいはノズル20の中心軸に平行な方向に対する吐出角度(吐出傾斜角度)θは、オリフィスプレート22の表面側(インク液滴の吐出側)においてノズル20に設けられる深さ方向の段差h、すなわち、ノズル20における高さの差h、および、図2(A)または図3に示されるような段差(高低差)を設ける領域r(図2(A)では180°、図3では90°)、すなわち、拡径部分によって、調節することが可能である。通常、ノズル20の深さ方向の段差(以下、単に高さの差ともいう)hが大きいほど、また、領域(または拡径部分)rが広いほど、吐出角度θは、大きくなる。なお、高さの差hは、1μm〜15μm、特に3μm〜10μmの範囲、他方、領域rは、30°〜270°、特に90°〜180°の範囲とするのが好ましい。
さらに、この段差を設ける位置(ノズルの高低差の方向)に応じて、吐出方向を選択できるのは、当然のことである。
【0036】
すなわち、本発明によれば、ノズルの斜め穿孔や、1つのノズルに対して複数のヒータを設ける等、生産性や制御性の低下を招く構成を不要として、ノズルに深さ方向の高さの差hを設けたという、簡易かつ生産性も良好な構成で、インクの斜め吐出を実現して、例えば、受像紙から跳ね返ったインクによるノズル回りの汚れやノズル詰まりを防止できる。
また、前述のように、各ノズル毎の高さの差hや領域r、さらには高さの差hを設ける位置を選択することにより、各ノズルからのインクの吐出方向や吐出角度θを選択/設定できる。そのため、例えば、図4(A)および(B)(図4(A)は、平面図、図4(B)は、受像媒体の搬送方向から見た図(側面図))に示されるように、短尺な記録ヘッド72をノズル列方向に接合するように基台74に固定してラインヘッド70を形成する場合でも、受像紙Pに着弾するインク液滴の間隔(記録ピッチ)を全域に渡って均一にできる。
【0037】
また、従来のインク斜め吐出の構成では、記録ヘッドが完成した後は、基本的に、インク液滴の吐出角度θや吐出方向を変更することはできない。
これに対し、本発明によれば、記録ヘッド10の完成後であっても、オリフィスプレート22を加工して、容易に領域rや高さの差hを変更できる。従って、記録ヘッド10の完成後もインク液滴の吐出角度θや吐出方向を変更することができ、例えば、製造誤差の補正や用途に記録ヘッドの用途に応じた調整、ユーザに対応した特化等を行うことが可能である。
【0038】
本発明において、オリフィスプレートを掘り下げることによる、ノズルの深さ方向の高さの差の形成方法は、図示例のように、階段状に段差を形成する方法に限定はされない。例えば、図5に示されるように、傾斜面を形成するようにノズル周辺のオリフィスプレートを掘り下げ、これにより、ノズルの深さ方向に連続的に変化する高低差を設ける方法も利用可能である。
【0039】
また、図2(A)および(B)や図5に示される例では、オリフィスプレート22の表面を掘り下げることによって、ノズルの深さ方向に高さの差を設けているが、本発明はこれに限定はされず、例えば、図6(A)および(B)に示されるように、オリフィスプレート40の表面に凸部44(図示例は、半円筒状の凸部すなわち領域rが180°)を形成することにより、ノズル42の深さ方向に段差を設けてもよい。
この構成においても、図6(B)に点線で示すように、インクがリフィルされた状態では、ノズル42の段差の上端と下端とを結ぶように、斜めにインク液面が形成され、インク液滴の吐出の初期段階において、ノズル42すなわちインク液面の低い方向に向かう斜め方向にインクが膨らみ、この膨張方向に対応する方向(吐出角度θ)にインク液滴が吐出、飛翔する。
なお、この例においても、高さの差hや領域rは、先の例に準じればよい。
【0040】
このような本発明の第1の態様の記録ヘッドにおいては、リフィルされた状態でインクが存在する領域を親インク処理(通常の水性インクの場合には、親水処理)し、それ以外の領域は撥インク処理(同撥水処理)するのが好ましい。具体的には、図2(A)、(B)および図5に示される例においては、ノズルの内壁面を親インク処理して、段差部分(ノズル周囲の掘り下げた部分)を撥インク処理するのが好ましく、また、図6(A)および(B)に示される例においては、凸部を含めたノズル内壁面全面を親インク処理するのが好ましい。
これにより、インク液面(メニスカス)を、より好適に所定位置に形成することができ、インク液滴の吐出方向の安定化を測ることができる。
【0041】
以上の例は、ノズルの深さ方向に高さの差を設けることにより、インクの斜め吐出を行ったものであるが、本発明の第2の態様では、ノズルの上方の内壁面において、ノズルの中心軸に対して非対称に親インク処理および撥インク処理することにより、すなわち、ノズルの内壁面に成された親インク処理および撥インク処理の組み合わせによって、インクの斜め吐出を行う。
例えば、図7(A)に示されるように、ノズル46上方の内壁面を半周に渡って撥インク処理(網かけで示す領域46a)し、それ以外は親インク処理する。あるいは、図7(B)に示すように、ノズル48上方の内壁面を、周方向のある位置の中間部から、対向する位置の上端に向かうように撥インク処理(網かけで示す領域48a)して、それ以外の領域を親インク処理してもよい。
なお、本態様において、撥インク処理および親インク処理は、公知の方法によればよい。
【0042】
このような構成を有することにより、撥インク処理領域と親インク処理領域との境界面において、先の例と同様に、インク液面(メニスカス)を斜めに形成することができ、同様の作用で、吐出の初期段階において、インク液面の低い方向に向かって液面が膨張して、図中矢印で示す方向に、インクを斜め吐出することが可能になる。
また、ノズル深さ方向の撥インク処理領域、ノズル周方向の撥インク処理領域の広さおよび位置を、適宜、選択することにより、インクの吐出角度θ、およびインクの吐出方向を選択できるのは、先の例と同様である。
【0043】
このような本発明の記録ヘッドにおいて、ノズル内壁とインクとが接触する領域、特に、インク液面の上端となる部分は、インクの吐出方向を決める上で、非常に重要な場所である。そのため、この部分が、ワイピング(オリフィスプレートの表面洗浄)等の際に、損傷したり、また、撥インクおよび親インク性能の低下等が生じると、インクの吐出方向の安定性低減につながる。
これを防止するために、例えば、図8(A)に示すように、図2(A)および(B)に示されるノズル20において、あるいは、図8(B)に示すように、図7(A)に示されるノズル46において、オリフィスプレート(22)の表面に凹部(21、47)を設け、その中にノズル(20,46)を形成するのが好ましい。これにより、ワイピング時にワイピング部材とノズル(20,46)、特に、そのインク液面の上端となる部分(図8(A)および(B)において丸で囲んだ部分20a、46b)とが接触することを避け、損傷や撥インク性能の低下等を防ぐことができる。
また、このような点を考慮すると、オリフィスプレート表面に凸部44を有する図6(A)および(B)に示される例よりも、他の態様が有利である。
【0044】
なお、図1に示す本発明の第1の態様の記録ヘッド10においては、2列の複数のノズル20の各列の複数のノズル20のインク滴の吐出方向を互いに重ならないように外側に向くようにX方向の2列のインク滴の吐出角度を記録ヘッドの外側に傾斜させ、受像紙から跳ね返ったインクによるノズル回りの汚れやノズル詰まり等の防止を図っているが、本発明はこれに限定されず、図9に示す記録ヘッド10aのように、2列の複数のノズル20の各列の複数のノズル20のインク滴の吐出方向を内側に向け、2列の複数のノズル20のインク滴の吐出角度を内側に適切に傾斜させて、2列のインク滴が受像紙上で近接するまたは1直線となるようにすることにより、記録ヘッドの10aの記録密度を向上させる、例えば2倍に上げることができる。もちろん、3列以上のノズル列からの3列以上のインク液滴を受像紙上で近接するまたは1直線となるようにすることにより、さらに記録密度を上げることができる。
なお、図7に示す本発明の第2の態様の記録ヘッド10においても、同様にして記録密度を上げることができる。
【0045】
このような本発明の第1および第2の態様の記録ヘッドは、公知の方法で製造すればよい。
例えば、半導体装置の製造技術を利用して、Siウエハ(Si基板12)に、多数の記録ヘッド10に対応して、ヒータ30や駆動回路14、インク溝16やインク供給孔18、隔壁15等を形成する。次いで、ノズル20を形成していないオリフィスプレート22を積層/貼着し、フォトリソグラフィーによって各記録ヘッド10に対応してノズル20を形成して、記録ヘッド10となる多数のSiチップを完成する。
その後、フォトリソグラフィ等を利用してオリフィスプレート22の表面を掘り下げて、あるいは表面に凸部を形成して、段差等を形成する。もしくは、特開2000−351210号公報等に開示される、公知の処理方法を利用して、例えば、ノズル20内にマスクとなる部材を埋め込んでパターニングする方法や、指向性を有するイオンビームをノズル20に対して斜めに照射する等の方法で、ノズル20の内壁を非対称に親インク処理および撥インク処理する。
最後に、Siウエハをダイシングして各チップを切り出し、さらに、個々の記録ヘッド10毎に、フレーム24の所定位置に実装し、結線等を行う。
【0046】
図10(A)および(B)に、このような本発明に係る記録ヘッドを用いる、本発明のインクジェットプリンタの一例の概略図を示す。図10(A)は、このインクジェットプリンタの構成を示す概念図であり、図10(B)は、このインクジェットプリンタを斜め方向から見た際の概念図である。
図10(A)および(B)に示されるインクジェットプリンタ(以下、プリンタとする)80は、本発明に係る記録ヘッド110を用いる以外は、基本的に、公知のインクジェットプリンタであって、記録ヘッド110として、受像紙Pの一辺を超えて延在するノズル列を有する、いわゆるラインヘッドを用いるものである。
【0047】
図10(A)および(B)に示されるプリンタ80は、本発明の記録ヘッド110を用いる記録部82、給紙部84、プレヒート部86、および排出部88(図10(B)では省略)を有して構成される。なお、プリンタ80は、これ以外にも、記録ヘッド10の清掃や保護を行う、ワイパやキャップ等を有するメンテナンスユニットを有してもよい。
【0048】
給紙部84は、搬送ローラ対92および94と、ガイド96および98とを有するもので、受像紙Pは、給紙部84によって、横方向から上方に搬送され、プレヒート部86に供給される。
【0049】
プレヒート部86は、3本のローラおよびエンドレスベルトからなるコンベア100と、コンベア100の外方からエンドレスベルトに押圧される圧着ローラ102と、コンベア100の内方から圧着ローラ102(エンドレスベルト)に押圧されるヒータ104と、プレヒート部86内(ハウジング86a内)を排気する排気ファン106とを有する。
このようなプレヒート部86は、インクジェットによる画像記録に先立ち、受像紙Pを加熱することで、インクの乾燥を促進するためのもので、給紙部84から搬送された受像紙Pは、コンベア100と圧着ローラ102とによって挟持搬送されつつ、ヒータ104によって加熱され、記録部82に搬送される。
【0050】
記録部82は、本発明に係る記録ヘッド110と、搬送手段108とを有して構成される。
【0051】
記録ヘッド110は、本発明の記録ヘッドであり、一例として、図4に示されるような短尺ヘッドを端部で接合してなるラインヘッドであって、従って、短尺ヘッドのノズルは、前述のように、インクをノズル列方向に斜め吐出することにより、受像紙P上におけるインクの着弾位置のピッチを均一にしている。
また、記録ヘッド110は、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)およびK(クロまたは墨)の4色のインクを吐出して、フルカラー画像を記録するもので、インクタンク112(112Y,112C,112M,および112B)が装着される。なお、記録ヘッド110には、記録ヘッド110の各色の複数の各々のノズル20のインク滴吐出を画像情報(デジタル画像データ)に応じて制御するコントローラ111が接続されている。
【0052】
ここで、この記録ヘッド110は、1つの短尺ヘッドの中に、各色のインクに対応するノズル列を4つ有するものであってもよく、あるいは、図4(A)に示されるような短尺ヘッドの配列を基台に4列組み込んだものであってもよく、あるいは、図4(A)に示されるようなラインヘッド70を4台組み込んだものであってもよい。なお、各色のノズル列は、互いに平行に配置されるのは言うまでもない。
【0053】
搬送手段108は、ローラ114a,114bおよび吸引ローラ116、ならびに多孔エンドレスベルト118からなるコンベア120と、多孔エンドレスベルト118に押圧されるニップローラ122(図10(B)では省略)と、コンベア120内に配置される吸引箱124とを有して構成される。
【0054】
記録ヘッド110は、ノズル列を図中矢印x方向(図10(A)においては、紙面に垂直方向)として、ノズルを吸着ローラ116に向けて配置される。
また、搬送手段108は、記録ヘッド10のノズル列方向と直交する方向に、所定速度で連続的に受像紙Pを搬送する。従って、プレヒート部80から供給された受像紙Pは、ラインヘッドである記録ヘッド10のノズル列で全面を走査され、画像が記録される。
また、記録中は、吸引ローラ116および吸引箱124が駆動しており、受像紙Pは、多孔エンドレスベルト118に吸着された状態で搬送され、記録ヘッド10に対して所定位置に保たれた状態で搬送される。
【0055】
画像を記録された受像紙Pは、排出部88に供給され、搬送ローラ対126および排出ローラ128によって搬送されて、例えば、図示しない排出トレイに排出される。
【0056】
なお、本発明のインクジェットプリンタは、上述の例に限定はされず、公知のインクジェットプリンタが、各種利用可能であり、例えば、前述の受像紙を断続的に搬送すると共に、キャリッジによって記録ヘッド(ヘッドユニット)を走査するシリアルタイプのプリンタであってもよく、また、受像紙を自動的に供給するフィーダ等を有していてもよい。
【0057】
なお、上述した本発明の第1および第2の態様の記録ヘッドにおいては、ノズルの深さ方向の段差の大きさや、この段差を設ける領域の大きさや、親インク処理と撥インク処理の組み合せ方によって、予めインク滴の吐出角度θを制御し、設定しているが、本発明はこれに限定されず、ヒータサイズやヒータの形成位置やピエゾのサイズや配置位置や性能などのように吐出手段の形状や形成位置や配置位置や性能(能力)によって、予めインク滴の吐出角度θを制御し、設定しても良いし、さらには、記録ヘッドの吐出手段、例えば、ヒータまたはピエゾに付与する出力(パワー)を調整することにより、初めにインク滴の吐出角度θを制御し、設定しても良い。例えば、図10(A)および(B)に示すインクジェットプリンタ80の記録ヘッド110においては、コントローラ111を、ノズル20のインク滴の吐出角度θを調整するための吐出手段の出力調整手段として用いても良い。
【0058】
以上、本発明のインクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ノズルの斜め穿孔や、複数のヒータ形成等を行うことなく、小型の記録ヘッドを複数接合して長尺化してなる記録ヘッドにおける接合部における記録ピッチの補正や、受像紙に跳ね返されたインクによるノズル周辺の汚染を防止等のために、インクを吐出面に対して斜めに吐出でき、しかも、吐出角度および方向も好適に選択かつ調整でき、さらに、加工性および生産性も良好なインクジェット記録ヘッド、および、これを用いるインクジェットプリンタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一実施例の概略図で、(A)は平面図、(B)は(A)のb−b線断面図である。
【図2】 図1の部分拡大概略図で、(A)は平面図、(B)は走査方向の断面図である。
【図3】 本発明のインクジェット記録ヘッドを説明するための概略平面図である。
【図4】 (A)は本発明のインクジェット記録ヘッドの一利用例の概略平面図、(B)はその作用を説明するための概略図である。
【図5】 本発明のインクジェット記録ヘッドの別の例のオリフィスプレートの概略斜視図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録ヘッドの別の例のオリフィスプレートの概略図であって、(A)は平面図、(B)はそのb−b線断面図である。
【図7】 (A)および(B)は、本発明のインクジェット記録ヘッドの別の例のオリフィスプレートの概略断面図である。
【図8】 (A)および(B)は、本発明のインクジェット記録ヘッドの別の例のオリフィスプレートの概略断面図である。
【図9】 本発明に係るインクジェット記録ヘッドの別の実施例の概略平面図である。
【図10】 本発明のインクジェットプリンタの概略図であって、(A)は正面図、(B)は斜視図である。
【符号の説明】
10 (インクジェット)記録ヘッド
12 Si基板
14 駆動回路
15 隔壁
16 インク溝
18 インク供給孔
20,42,46,48 ノズル
22 オリフィスプレート
24 フレーム
30 ヒータ
42 凸部
72 短尺ヘッド
74 基台
80 (インクジェット)プリンタ
82 記録部
84 供給部
86 プレヒート部
88 排出部
96,98 ガイド
92,94,126 搬送ローラ対
100,120 コンベア
102 圧着ローラ
104 ヒータ
106 排気ファン
108 搬送手段
110 記録ヘッド
112 インクタンク
114a,114b ローラ
116 吸引ローラ
118 多孔エンドレスベルト
122 ニップローラ
124 吸引箱
128 排出ローラ対

Claims (9)

  1. 一方向に配列された複数のノズルと、各ノズルに対応して形成されたインク液滴の吐出手段とを有するインクジェット記録ヘッドであって、
    前記複数のノズルの少なくとも1つは、前記インク液滴の吐出面側の内壁面において、前記ノズルの中心軸に対して非対称に、前記吐出面により近い側の前記内壁面の少なくとも一部が撥インク処理され、前記残りの内壁面が親インク処理され、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域は、前記インク液滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きを調整するための、前記ノズルの深さ方向における差を有し、この差を形成する両端の間で前記インク液滴を吐出させるためのインク液面を形成し、前記吐出手段は、前記差を形成する両端の前記吐出面に対する傾きに応じて前記ノズルの中心軸方向から傾斜した吐出角度で前記インク液滴を吐出することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域と前記親インク処理された領域との境界は、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域の前記ノズルの深さ方向における差によって、前記ノズルの周縁に沿って前記ノズルの深さ方向において異なるように形成される請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域と前記親インク処理された領域との境界は、前記ノズルの前記内壁面の前記撥インク処理された領域の前記ノズルの深さ方向における差によって、前記ノズルの周縁の一部に形成される請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 記ノズルの内壁面の前記親インク処理と前記撥インク処理との組み合わせによって、前記インク滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きが調整される請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. さらに、前記インク滴の吐出方向の、前記ノズルの中心軸方向からの傾きを調整するための、前記吐出手段の出力調整手段を備える請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記複数のノズルは、オリフィスプレートに形成される請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記オリフィスプレートは、前記インク液滴の吐出面側の表面に凹部を有し、前記複数のノズルは、前記凹部に形成される請求項6に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記インクジェット記録ヘッドは、複数の短尺ヘッドを前記複数のノズルの配列方向に接合したものであり、前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルは、各短尺ヘッドの接合部の側のノズルであり、前記ノズルの中心軸方向から傾斜した吐出角度は、前記複数のノズルの配列方向に、各短尺ヘッドの接合部に向かう向きに傾斜する請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを用いることを特徴とするインクジェットプリンタ。
JP2003083424A 2002-03-28 2003-03-25 インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ Expired - Fee Related JP4118178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003083424A JP4118178B2 (ja) 2002-03-28 2003-03-25 インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092875 2002-03-28
JP2003083424A JP4118178B2 (ja) 2002-03-28 2003-03-25 インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004001439A JP2004001439A (ja) 2004-01-08
JP4118178B2 true JP4118178B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=30446283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003083424A Expired - Fee Related JP4118178B2 (ja) 2002-03-28 2003-03-25 インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4118178B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010253018A (ja) 2009-04-24 2010-11-11 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッド装置
JP6341769B2 (ja) * 2013-06-28 2018-06-13 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004001439A (ja) 2004-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4823599B2 (ja) 打滴位置誤差の調整方法、打滴制御方法、並びに画像形成装置
JP3787448B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP4350327B2 (ja) 画像記録装置及び画像記録方法
JPH07276652A (ja) インクジェット記録装置
JP2006327108A (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP2001038917A (ja) インクジェットプリンタ
US7628474B2 (en) Liquid discharging head with recess in vibration plate
JP2010005856A (ja) 液体吐出装置及びヘッドメンテナンス装置
US6773089B2 (en) Liquid discharge head, and head cartridge and image forming apparatus using such liquid discharge head
JP2002292859A (ja) 記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
US6390597B1 (en) Inkjet printing head and inkjet printer
JP4118178B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
US7946681B2 (en) Nozzle plate, ink ejection head, and image forming apparatus
JP2011018836A (ja) 圧電型アクチュエータの製造方法、及び該製造方法によって製造された圧電型アクチュエータ
JP5364286B2 (ja) 画像記録装置および画像記録方法
US6955417B2 (en) Inkjet recording head and inkjet printer
US7252372B2 (en) Liquid ejection apparatus and ejection control method
JP4587453B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP3908063B2 (ja) 液体吐出装置およびインクジェットプリンタ
JP4832325B2 (ja) ノズルプレートおよび画像形成装置
JP2004291275A (ja) 画像記録装置
JP4939665B2 (ja) ノズルプレートの製造方法
US7364278B2 (en) Inkjet recording apparatus
JP5078179B2 (ja) 打滴位置誤差の調整方法、打滴制御方法、並びに画像形成装置
JP4293621B2 (ja) 液体吐出装置およびインクジェットプリンタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050216

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees