JP2002337048A - ワークの研磨方法 - Google Patents

ワークの研磨方法

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JP2002337048A
JP2002337048A JP2001145603A JP2001145603A JP2002337048A JP 2002337048 A JP2002337048 A JP 2002337048A JP 2001145603 A JP2001145603 A JP 2001145603A JP 2001145603 A JP2001145603 A JP 2001145603A JP 2002337048 A JP2002337048 A JP 2002337048A
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polishing
work
pressure
workpiece
vacuum suction
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JP2001145603A
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English (en)
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Teruaki Fukami
輝明 深見
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水貼り方式を上回る生産性を得つつ、水貼り
方式と同等の平坦度を得るためのワックスフリー方式の
研磨方法を提供すること。 【解決手段】 ワーク106に当接する非線形弾性体部
材104を介し、真空吸着によりワーク106を保持し
て、研磨装置の定位置まで搬送するステップと、非線形
弾性体部材104にワーク106を保持し、研磨装置の
研磨部材107に圧接、相対的に摺動して研磨するステ
ップとを有するワーク106の研磨方法において、ワー
ク106を保持する真空吸着圧力が、ワーク106を研
磨部材107に圧接する圧力より低い条件で操作するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、半導体基板材料
として用いられる半導体ウェーハなどのワークを研磨す
る研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板材料として用いられる
半導体ウェーハ、特にシリコンウェーハの製造方法は、
一般にチョクラルスキー(CZochralski;C
Z)法や浮遊帯域溶融(Floating Zone;
FZ)法を使用して単結晶インゴットを製造する結晶成
長工程と、この単結晶インゴットをスライスし、少なく
とも一主面が鏡面状に加工されるウェーハ加工工程を経
る。更に詳しくその工程を示すと、ウェーハ加工工程
は、単結晶インゴットをスライスして薄円板状のウェー
ハを得るスライス工程と、該スライス工程によって得ら
れたウェーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部
を面取りする面取り工程と、このウェーハを平坦化する
ラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウェー
ハに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、そ
のウェーハ表面を鏡面化する研磨(ポリッシング)工程
と、研磨されたウェーハを洗浄して、これに付着した研
磨剤や異物を除去する洗浄工程を有している。上記ウェ
ーハ加工工程は、主な工程を示したもので、他に熱処理
工程等の工程が加わったり、同じ工程を多段で行なった
り、工程順が入れ換えられたりする。
【0003】これらの工程のうち、研磨(ポリッシン
グ)工程では現在のところガラスやセラミック等のプレ
ートにウェーハをワックスで貼り付けて片面を研磨する
ワックスマウント式片面研磨装置を使用する方法が主流
である。即ち、ウェーハの保持されたプレートを、研磨
布などの研磨部材が貼布された定盤上に置き、研磨布上
に研磨液(研磨剤)を供給しながら、上部トップリング
に荷重を掛け、定盤およびトップリングを回転させて研
磨を行う。この他にもいろいろな形態の研磨装置があ
る。例えば、ラッピング加工のように両面を同時に鏡面
化する両面研磨方式や、ウェーハをプレートに真空吸着
保持して研磨する真空吸着方式、ウェーハをワックス等
の接着剤を使用しないで、バッキングパッドとテンプレ
ートで保持しつつ研磨するワックスフリー研磨方式など
様々な方式がある。
【0004】バッキングパッドとテンプレートを用いる
ワックスフリー研磨方式でウェーハを搬送する方法とし
ては、バッキングパッド表面を水で濡らし、水の表面張
力によってウェーハを保持する、いわゆる水貼り方式
と、バッキングパッドに孔を開けておき、別途の吸気手
段によってウェーハを真空保持する真空吸着方式があ
る。後者は前者よりも確実にウェーハを搬送できる上、
研磨後のウェーハの脱離も、孔から流体を噴出させるこ
とにより容易に行うことができるため、生産性の観点か
ら有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真空吸
着方式で搬送を行った場合、例え研磨中に真空吸着を解
除し、真空ラインを大気開放しても、水貼り方式に比べ
てウェーハの平坦度が悪いという問題点があることが判
った。したがって、これまでは生産性を犠牲にしても水
貼り方式を採用せざるを得なかった。
【0006】本発明は、上記事情を鑑みなされたもので
あって、上記の様な水貼り方式を上回る生産性を得つ
つ、水貼り方式と同等の平坦度を得るためのワックスフ
リー方式の研磨方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のワークの研磨方
法は、ワークに当接する非線形弾性体部材を介し真空吸
着によりワークを保持し、該ワークを研磨部材に圧接、
相対的に摺動して研磨する方法において、ワークを保持
する真空吸着圧力が、研磨部材に圧接する圧力より常に
低い条件で操作することを特徴とする。特にワークに当
接する非線形弾性体部材を介し、真空吸着によりワーク
を保持して、研磨装置の定位置まで搬送する搬送ステッ
プと、該非線形弾性体部材にワークを保持し、該研磨装
置の研磨部材に圧接、相対的に摺動して研磨する研磨ス
テップとを有するワークの研磨方法において、前記搬送
ステップのワークを保持する真空吸着圧力が、研磨する
ステップのワークを研磨部材に圧接する圧力より低い条
件で操作することを特徴とする。
【0008】ここに言うワークとは、通常薄板状の被研
磨材料であって、材質は限定しないが、例えば半導体ウ
ェーハ、特にシリコンウェーハなどを例として挙げるこ
とができる。そして本発明の方法は前記して説明したワ
ックスフリー研磨方式に適用される。即ち、例えばワー
クの保持手段としての研磨ヘッドにワークを保持する方
法において、回転可能なヘッド基板の下面には、真空吸
着用の複数の貫通孔を設けたキャリアープレートを具
え、該キャリアープレート下面には、該貫通孔と連通す
る複数貫通孔を有するシート状非線形弾性体部材が固定
され、更に、該シート状非線形弾性体部材の下面には環
状のテンプレートが固定され、このテンプレートの環状
内部の円内に、例えば円板状ワークが挿入されて、前記
シート状非線形弾性体部材にワークが当接される。而し
て、ワーク搬送の際は、別途の吸気手段によって、前記
貫通孔を通じて、ワークが吸着されて保持される。
【0009】研磨装置には、通常、管理単位の複数のワ
ークを保有するワーク保有手段を含む設備を備えてい
て、ここから、前記保持方法でワークを研磨ヘッドに保
持し、即ち、ワークに当接する非線形弾性体部材を介
し、真空吸着によりワークを保持して、研磨装置の定位
置まで搬送する搬送手段により、搬送を行う(搬送ステ
ップ)。次に、研磨装置には、研磨部材が固定された回
転可能な定盤を備えていて、研磨装置の定位置まで搬送
されたワークを該研磨装置の研磨部材に圧接、相対的に
摺動して研磨を行う(研磨ステップ)。その際通常研磨
液(研磨剤)を研磨部材面に供給しながら行う。
【0010】ここに言う非線形弾性体部材とは、応力・
歪曲線が完全にフックの法則に従うような線形挙動を示
さず、応力の増加時と除去時で同一歪を示さない所謂履
歴現象を呈したり、復元に時間的要素を必要としたり、
応力を取除いても、永久歪を残したりする弾性体部材を
いう。いずれも高度に歪を与えた場合、応力が取り払わ
れても、少なくとも暫時、残留歪を残す性格を有する。
合成高分子化合物や天然高分子化合物から作られる弾性
体部材は、程度の差はあるものの殆どこの種の物理特性
を持つ。
【0011】そこでこのような非線形弾性体部材を介し
て、ワークが吸着されるときの現象を図5を参照して説
明すると、キャリアプレート102に固定された非線形
弾性体部材104にワーク106を当接させ、貫通孔1
03より吸引して、強い真空吸着圧力によりワーク10
6を保持すると、図5の(A)のように、大気圧側から
(大気圧−内圧)分の圧力Pが働き、ワーク106の
厚さ方向に歪が生じ、貫通孔を中心に凹状に変形し、同
時に、非線形弾性体部材104部分もこの圧力で変形
し、変位dを与える。そしてワーク及び非線形弾性体部
材104の復元力(内部応力)と釣り合った状態で留ま
る。搬送ステップではこのような状態でワークが保持さ
れる。
【0012】この状態で、例えば移送などのために、時
間経過があると、図5の(B)のように研磨ステップに
おいて、吸着圧力Pを低減若しくは取除いても非線形
弾性体部材104の変位は残留し、更に、ワークを研磨
部材に圧接する圧力(研磨圧力)Pがかかり、非線形弾
性体部材104及びワーク106全体を圧縮して変位が
復元するような状況がもたらされるが、P>Pの場
合、非線形弾性体部材104の変位の残留dによって、
却ってワーク106が該非線形弾性体部材変位形状に押
しつけられて、ワーク106の貫通孔部分の凹状変形は
残ることになる。
【0013】一方、図6の概念図を参照して説明する
と、本発明の如く前記搬送ステップの真空吸着圧力P
及び研磨ステップの真空吸着圧力Pが、ワークを研磨
部材に圧接する圧力(研磨圧力)Pより低い条件P
<Pで操作するとき、前記のような搬送時の吸着圧
力Pによる、変位dは図6(A)のように搬送時の変
位は最小限に留まり、研磨圧力Pがかかり、キャリアプ
レート102に固定された非線形弾性体部材104及び
ワーク106全体を圧縮して変位が復元するような状況
がもたらされたとき、残留した変位dは図6(B)のよ
うに解消されて殆どワークの貫通孔部分の凹状変形は残
らないことになる。従って、このような状態で研磨を進
めた時は水貼り方式と同程度の平坦度を得ることができ
る。
【0014】更に本発明のワークの研磨方法は前記研磨
ステップのワークを保持する真空吸着圧力Pも、研磨
ステップのワークを研磨部材に圧接する圧力(研磨圧
力)より常に低い条件で操作することが好ましい。特に
研磨ステップのワークを保持する真空吸着圧力はゼロ
(P=0)にすることを特徴とする。
【0015】真空吸着圧力がゼロということは、貫通孔
側の圧力が大気開放であって、ワークの裏面、表面が共
に大気圧で、吸気手段で吸気していないことを言う。し
かし、このような状態でも、ワークの上面が非線形弾性
体部材で、側面がテンプレートで、下面が研磨部材で囲
まれた薄板状空間に、閉じ込められたワークは、研磨操
作に伴う回転時点でも、充分に保持される。ワークの凹
状変形を極限的に減少させるには、真空吸着圧力をゼロ
とするのが好ましい。
【0016】更に、本発明のワークの研磨方法は、ワー
クに当接する非線形弾性体部材の少なくともワークに接
する面が無発泡体であることを特徴とする。
【0017】図4は、キャリアプレート102に固定さ
れた非線形弾性体部材が発泡体バッキングパッド401
で、含有する気泡402の開口が直接ワーク面に接して
いる場合、即ちワーク106に接する面が無発泡体でな
い場合の現象を説明する概念図である。図4(A)にお
いて、ワーク106を圧力Pで真空吸着した際に貫通
孔103周辺の気泡402部分が圧縮され、気泡402
内の空気が貫通孔103から排出される。通常バッキン
グパッド表面は湿潤状態で使用されることから、一つ一
つの気泡402が吸盤のような役割を果たし、貫通孔1
03を大気開放状態(P=0)にしても、一つ一つの
気泡402が大気開放状態にはならないことがある。し
たがって、図4(B)のように貫通孔103付近のワー
ク106は凹状態となり、研磨速度が低下、平坦度に悪
影響を及ぼす。一方、少なくともワーク106に接する
面が無発泡体である弾性体部材を使用した場合、発泡体
を使用した際に見られるような吸盤効果を回避できるこ
とから、水貼り方式に匹敵する平坦度を得ることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照しながら、例示的に説明する。但し本実施の形態に
記載される製品の寸法、形状、材質、その相対配置等は
特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれの
みに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0019】図1は本発明の研磨方法に用いる研磨装置
の一例の概念図である。図1に示すように、ワーク10
6を保持する回転可能な研磨ヘッド101と上面に研磨
部材107が固定された回転可能な定盤108からな
る。研磨ヘッド101には真空吸着用の複数の貫通孔1
03を設けたキャリアプレート102を具え、その下面
にはシート状の非線形弾性体部材104が固定されてい
る。該シート状の非線形弾性体部材104の下面には環
状のテンプレート105が固定されており、該環の内部
の窪みに、ワーク106が保持される。
【0020】研磨ヘッド101は、真空ライン109、
エアーブローライン110、大気開放ライン111に接
続されており、これらのラインは電磁弁112、11
3、114によって開閉可能となっている。前記ワーク
106を非線形弾性体部材104に保持させるときは電
磁弁112を開くことによって貫通孔103内部を真空
ポンプ等により減圧状態にしてワーク106を吸着する
(吸気手段)。また、ワーク106を脱離する場合には
電磁弁113を開くことによって貫通孔103内部を加
圧状態にし、ウェーハを脱離する。更に、電磁弁114
を開くと貫通孔103内部を大気圧にすることができ
る。
【0021】研磨ヘッド101は、上下及び、左右前後
方向に可動であって、研磨ヘッド101は定盤108に
押し当てられ、ワーク106と研磨部材が接触できるよ
うに構成され、更に、前記研磨ヘッド101には一定の
研磨圧をかけることができるようになっている。このよ
うな状態で、研磨ヘッド101も定盤108も回転して
相互の摺動作用で研磨が進行する。図示はしてないが、
通常さらに研磨液の供給装置が具えられていて、研磨液
を供給しながら、研磨を進める。
【0022】図2は本発明の研磨方法に用いるワーク保
有手段、搬送手段を含む研磨装置の一例の概念図であ
る。通常、前述した研磨装置202には、ウェーハカセ
ット204などのワーク保有手段、ローダ・アンローダ
203などの搬送手段を含んでいる。品質管理単位の複
数のワークを保有するウェーハカセット204からは、
1枚ずつ、ウェーハコンベア205によってローダ・ア
ンローダ203のステージに搬送され静置される。次い
で、該ステージのワーク106までヘッド101を移動
してワーク106を吸着、保持する。ワーク106を保
持したヘッドは詳細は図示してない吸着搬送機構201
によって、搬送されて前記した研磨装置の研磨体勢に移
行する。
【0023】図3は本発明の研磨方法に用いる研磨ヘッ
ドの構造を示す概要図である。テンプレート105の内
部に納まった、図示していないワークを真空吸着する貫
通孔103はバッキングパッド(非線形弾性体部材)1
04とそれを担持するセラミック製キャリアプレート1
02を貫通して真空室304に通じる。該真空室304
は真空、ブロー、大気開放ライン303により、減圧若
しくは大気圧開放可能となっている。セラミック製キャ
リアプレート102は環状のゴムシート302によって
外枠305に張られ、上下移動自在且つ加圧エリア30
1が気密に保たれるように固定されている。加圧エリア
301に圧力を附加することにより、研磨圧力を付勢す
る。
【0024】真空吸着によりワークを保持する場合、ワ
ークを保持する吸着力を、常にワークを研磨する研磨圧
力に比べ小さくする。特にワークを吸着搬送する時の吸
着力を研磨圧力以下にすることが好ましい。
【0025】吸着力(真空圧)を研磨圧力より大きくす
ると、吸着エリアに相当する部分で研磨速度が低下し、
ワークの平坦度が大幅に悪化するが、真空圧を研磨圧力
よりも小さくすると平坦度の悪化が防止できる。この要
因について明確な理由は明らかでないが、非線形弾性体
部材のうちワークを保持する部分、特に吸着孔付近で変
位が発生し、真空を遮断しても変位が残留し、この変位
量が研磨圧力印加時の弾性体部材の変位量を上回るため
と考えられる。また、非線形弾性体部材が市販されてい
るバッキングパッドの様な場合、独立気泡の一つ一つが
吸盤のような挙動を示すため、無発泡の非線形弾性体部
材を使用した場合より変位の残留は大きくなる。したが
って、ワーク搬送時の真空圧力の影響は、無発泡弾性体
部材の場合よりも更に大きくなる。これに対して、ワー
クを保持する吸着力を研磨圧力より小さくすると、非線
形弾性体部材が無発泡か発泡体かに拘わらず、吸着によ
って生じた局所的な残留変位の影響が小さくなり、それ
に伴って平坦度に与える影響も小さくなると考えられ
る。
【0026】このような条件で保持することで、現状用
いられているバッキングパッドでも、吸着保持する時の
真空圧(吸着力)に注意し研磨することで高平坦度なワ
ークを研磨することができる。
【0027】そして研磨開始時には真空ラインを完全に
OFFして大気開放し研磨することが好ましい。大気開
放することによって真空吸着によって与えられた非線形
弾性体部材の変位を最大限に回復させることが可能とな
り、水貼り方式と同等の平坦度のワークを得ることがで
きる。
【0028】次に参考として、従来の水貼り方式と共
に、本発明の実施例を試験データを示して説明する。実
施例及び比較例の共通条件として、エッチング工程を経
た8インチのシリコンウェーハを、研磨部材としてロデ
ール・ニッタ社製商品名SUBA600の研磨布を用い
目標研磨代10μmで研磨した。
【0029】(実施例1及び比較例1、2)非線形弾性
体部材として、無発泡ウレタンシートを用いた。この無
発泡ウレタンシートの厚さは0.5mm、圧縮率は30
%である。
【0030】この無発泡ウレタンシートを図1に示す研
磨装置のバッキングパッド(非線形弾性体部材)に使用
して研磨を行った。ローダよりウェーハを搬送する際の
真空吸着力(搬送時の真空吸着圧力)、を実施例1とし
て研磨圧力以下の15kPa、比較例1として研磨圧力
と同等の30kPa、比較例2として研磨圧力以上の4
5kPaで実施した。搬送後、研磨圧力30kPaの条
件下で研磨した。研磨時の真空吸着の圧力は0kPa
(開放)とした。
【0031】(実施例2及び比較例3、4)更に別な非
線形弾性体部材として、発泡ウレタンシートを用いた。
この発泡ウレタンシートはロデール・ニッタ社から市販
されている商品名R201を用いた。この発泡ウレタン
シートの厚さは0.5mm、圧縮率は30%である。
【0032】この発泡ウレタンシートを同様にして図1
に示す研磨装置のバッキングパッドに使用して研磨を行
った。ローダよりウェーハを搬送する際の真空吸着力
(搬送時の真空吸着圧力)、を実施例2として研磨圧力
以下の15kPa、比較例3として研磨圧力と同等の3
0kPa、比較例4として研磨圧力以上の45kPaで
実施した。搬送後、研磨圧力30kPaの条件下で研磨
した。研磨時の真空吸着の圧力は0kPa(開放)とし
た。
【0033】なお、参考としてバッキングパッドに実施
例2とおなじロデール・ニッタ社製商品名R201を用
い水貼り方式で搬送、研磨した。つまりこの場合、バッ
キングパッドには真空吸着用の貫通孔が形成されておら
ず、真空吸着による保持ではなく、水による表面張力
(水貼り方式)で保持し、搬送及び研磨したものであ
る。
【0034】前記各条件で10枚ずつのウェーハを研磨
し、研磨後サンプルにつき、静電容量式平坦度測定器に
よりウェーハの平坦度を測定した。セルサイズ25mm
×25mmのSBIRmax(各セルにおける背面基準
の平坦度のウェーハ面内における最大値)の平均値で比
較した。そのデータを表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1のデータから判るように、真空圧力が
大きいほど真空吸着孔に相当する部分で突起状の形状が
形成され平坦度が悪化した。真空圧力を研磨圧力よりも
大きくすると、この条件のように研磨中の真空圧を0k
Paにしても、真空吸着の影響が残るためと考えられ
る。また、無発泡ウレタンの方が発泡ウレタンよりも良
好な結果が得られた。発泡ウレタンでは吸盤効果が発生
する為、真空吸着の影響が残りやすいと考えられる。
【0037】(実施例3〜6、比較例5、6)次に、非
線形弾性体部材として、前記と同じ無発泡ウレタンシー
ト若しくは発泡ウレタンシートを用い、搬送時の真空吸
着圧力は15kPa、研磨圧力は30kPaと共通にし
て、研磨中の真空圧を前記実施例1及び2以外に3水
準、即ち、5、10、40kPaと変化させて研磨中の
真空圧の平坦度に及ぼす影響を見た。この無発泡ウレタ
ンシート又は発泡ウレタンシートの厚さは0.5mm、
圧縮率は30%である。用いた研磨装置、研磨布は前記
と同様である。
【0038】前記同様に各条件で10枚ずつのウェーハ
を研磨し、研磨後サンプルにつき、静電容量式平坦度測
定器によりウェーハの平坦度を測定した。そのデータを
表2に、実施例1、2及び水貼りの参考値と共に比較表
示する。
【0039】
【表2】
【0040】表2から判るように、研磨中にウェーハを
真空吸着する場合でも、平坦度に影響する。特に真空吸
着圧力を研磨圧力以上に大きくした状態で保持し、研磨
を続けると平坦度は悪化した。従って、搬送時及び研磨
時でもウェーハを保持する圧力を研磨圧力より低く設定
することが好ましい。特に研磨時のウェーハを保持する
真空吸着圧力を0kPa(開放)した場合に良好であっ
た。このように本発明により水貼り方式とほぼ同程度の
平坦度が得られ、更に真空吸着方式であるので、ウェー
ハの剥離等も容易となり生産性が向上した。また、無発
砲ウレタンと発砲ウレタンの影響についても搬送時と同
じく無発砲ウレタンの非線形弾性体部材を用いたほうが
良好な平坦度が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりウェ
ーハの搬送時の真空圧力を研磨圧力よりも小さくし、更
に、研磨中は真空ラインを大気開放することにより、水
貼り方式と同等の平坦度が得られる。生産性の観点か
ら、真空方式の方が優れているので、本発明により、高
平坦度かつ高生産性のワックスフリー方式研磨法が実現
できた。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の研磨方法に用いる研磨装置の一例の
概念図
【図2】 本発明の研磨方法に用いるワーク保持手段、
搬送手段を含む研磨装置の一例の概念図
【図3】 本発明の研磨方法に用いる研磨ヘッドの構造
を示す概要図
【図4】 バッキングパッドが発泡体の例を説明する概
念図
【図5】 研磨圧力(P)より高い吸着圧力(P)に
よって搬送、研磨圧力より低い吸着圧力(P)によっ
て研磨する時のウェーハの変形状況を説明する概念図
【図6】 研磨圧力(P)より低い吸着圧力(P)に
よって搬送、研磨する時のワークの変形状況を説明する
概念図
【符号の説明】
101 研磨ヘッド 102 セラミック(キャリアプレート) 103 貫通孔 104 バッキングパッド(非線形弾性体部材) 105 テンプレート 106 ワーク(ウェーハ) 107 研磨布(研磨部材) 108 定盤 109 真空ライン 110 エアブローライン 111 大気開放ライン 112 電磁弁 113 電磁弁 114 電磁弁 201 吸着搬送 202 研磨装置 203 ローダ・アンローダ 204 ウェーハカセット 205 ウェーハコンベア 301 加圧エリア 302 ゴムシート 303 真空、ブロー、大気開放ライン 304 真空室 305 外枠 401 発泡体バッキングパッド 402 発泡体中の気泡 d 変位 P 研磨圧力 P 搬送時真空吸着圧力 P 研磨時真空吸着圧力

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに当接する非線形弾性体部材を介
    し真空吸着によりワークを保持し、該ワークを研磨部材
    に圧接、相対的に摺動して研磨する方法において、ワー
    クを保持する真空吸着圧力が、研磨部材に圧接する圧力
    より常に低い条件で操作することを特徴とするワークの
    研磨方法。
  2. 【請求項2】 ワークに当接する非線形弾性体部材を介
    し、真空吸着によりワークを保持して、研磨装置の定位
    置まで搬送する搬送ステップと、該非線形弾性体部材に
    ワークを保持し、該研磨装置の研磨部材に圧接、相対的
    に摺動して研磨する研磨ステップとを有するワークの研
    磨方法において、前記搬送ステップでワークを保持する
    真空吸着圧力が、前記研磨ステップのワークを研磨部材
    に圧接する圧力より低い条件で操作することを特徴とす
    るワークの研磨方法。
  3. 【請求項3】 前記研磨ステップのワークを保持する真
    空吸着圧力が、前記研磨ステップのワークを研磨部材に
    圧接する圧力より低い条件で操作することを特徴とする
    請求項2記載のワークの研磨方法。
  4. 【請求項4】 前記研磨ステップの真空吸着圧力がゼロ
    であることを特徴とする請求項3記載のワークの研磨方
    法。
  5. 【請求項5】 ワークに当接する非線形弾性体部材の少
    なくともワークに接する面が無発泡体であることを特徴
    とする請求項1〜4いずれかの項記載のワークの研磨方
    法。
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