JP2002336646A - 排煙処理剤および使用済み排煙処理剤の処理方法 - Google Patents

排煙処理剤および使用済み排煙処理剤の処理方法

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JP2002336646A JP2001145754A JP2001145754A JP2002336646A JP 2002336646 A JP2002336646 A JP 2002336646A JP 2001145754 A JP2001145754 A JP 2001145754A JP 2001145754 A JP2001145754 A JP 2001145754A JP 2002336646 A JP2002336646 A JP 2002336646A
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gas treating
cement
chlorine
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Yasuhiro Uchiyama
康広 内山
Osamu Yamaguchi
修 山口
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済みとなった後に、煩雑な水洗処理や成
分調整を行うことなく、セメント原料の一部として再資
源化できる排煙処理剤を提供し、また、使用済み排煙処
理剤を効率良く再資源化する処理方法を提供する。 【解決手段】 酸化物質量基準でCaOを60〜70%、SiO2
を10〜17%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉
体とアルカリ金属の炭酸塩とを含む排煙処理剤、および
塩素バイパス装置を付設したセメント製造装置を用いた
使用済み排煙処理剤の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉等の排煙中
に含まれる塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスやダイオ
キシン等の有害物質を除去するための排煙処理剤、およ
び使用済み排煙処理剤の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉やボイラー等の燃焼設備から
排出される排煙は、塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガス
やダイオキシン等の有害物質を含み、環境汚染の主因の
一つになっている。かかる環境汚染物質を除去するため
の材料として、種々の物質が使用されている。なかで
も、酸性ガス吸収剤としては消石灰が使用されることが
多く、これにダイオキシン類や水銀を吸着するために活
性炭が添加されることが多い。さらに、燃焼設備に設置
されたバグフィルターでの排煙の濾過性を向上するた
め、珪藻土が添加されることもある。
【0003】これらの排煙処理剤は通常、排煙の煙道に
乾式または湿式で吹き込まれ、煙道および/またはバグ
フィルター上で種々の有害物質と反応し、排煙から有害
物質を吸着・除去する。有害物質を吸着した排煙処理剤
は、バグフィルターや電気集塵機によって捕集され、使
用済み排煙処理剤として排出される。このようにして発
生した使用済み排煙処理剤は、セメント固化、薬剤処
理、酸洗浄あるいは溶融などの方法で中間処分された
後、最終処分場に埋め立てられるが、近年最終処分場の
残余容量が逼迫しており、使用済み排煙処理剤の再資源
化が望まれている。
【0004】一方、セメントの製造工程は、高温で原料
を焼成する工程を有し、焼成工程に投入される原料が所
定の化学組成になっていれば、セメントを製造すること
ができる。このような特徴を生かし、セメント製造にお
いては、廃棄物処理に貢献するために、また、廃棄物を
原料の一部として使用することでセメント製造のコスト
ダウンも図れることから、近年、積極的に廃棄物をセメ
ント原燃料に使用されてきた。有害物質を吸着・除去し
て使用済みとなった排煙処理剤についても、前述したよ
うな社会的要請もあって、セメント製造で原料の一部と
して使用されてきた。
【0005】ところが、使用済み排煙処理剤は、通常、
セメント原料と化学組成が大きく異なり、また塩素など
のセメント製造上の支障となる成分を含んでいる。その
ため使用済み排煙処理剤をセメント原料の一部に使用し
て処理する場合、使用済み排煙処理剤の投入量を、セメ
ント製造に影響ない程度の少量に制限しなければならな
いとの問題があった。そこで、使用済み排煙処理剤をセ
メント原料の一部に使用する際に、複雑な原料調合計算
を行い、さらに使用済み排煙処理剤中に塩素が多い場合
には、使用済み排煙処理剤を水洗した後、セメント原料
として使用する方法がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、使用済み排煙
処理剤中に塩素が多い場合に、使用済み排煙処理剤を水
洗した後、セメント原料に使用してセメントを製造する
方法では、セメント製造プラントの他に使用済み排煙処
理剤の水洗設備や、そこから発生する排水を浄化する設
備が必要となり、また、水洗後の使用済み排煙処理剤の
脱水ケーキをセメント焼成工程に投入するため、脱水ケ
ーキに含まれる水分を蒸発させるための余分な燃料を必
要とするなどの問題点があった。しかも前述の通り、排
煙処理剤には活性炭が含まれることが多く、この活性炭
が、使用済み排煙処理剤の水洗処理において、濾過工程
を困難なものにするという問題があった。そのため、水
洗処理を必要としない、使用済み排煙処理剤の再資源化
処理方法が望まれていた。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するために鋭
意検討してなされたものであり、使用後に複雑な原料調
合計算や水洗処理を行うことなく、セメント原料の一部
として再資源化できる排煙処理剤を提供し、また、使用
済み排煙処理剤を効率良く再資源化する処理方法を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、酸化物質量基準でCaOを60〜70%、SiO2を10〜17
%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉体とアル
カリ金属の炭酸塩とを含む排煙処理剤、および塩素バイ
パス装置を付設したセメント製造装置を用いた使用済み
排煙処理剤の処理方法によって達成される。
【0009】具体的には、本発明の排煙処理剤は、
(1)酸化物質量基準でCaOを60〜70%、SiO2を10〜17
%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉体100重
量部と、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ
リウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた1種以上の
アルカリ金属の炭酸塩15〜50重量部とを含む排煙処理
剤、または、(2)酸化物質量基準でCaOを60〜70%、S
iO2を10〜17%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無
機粉体75〜99質量%と活性炭1〜25質量%とからなる粉
体100重量部と、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた
1種以上のアルカリ金属の炭酸塩15〜50重量部とを含む
排煙処理剤である。また本発明の排煙処理剤は、(3)
上記(1)または(2)に記載の無機粉体が、プレヒー
ターを含むセメント焼成工程のうち700〜1100℃の温度
域から抽出されたものを含む。本発明の使用済み排煙処
理剤の処理方法は、(4)上記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の排煙処理剤を、排煙処理に使用した後に回収
し、プレヒーターを含むセメント焼成工程のうち700〜1
100℃の温度域の位置から該使用済み排煙処理剤を投入
し、セメント製造原料の一部として資源化する使用済み
排煙処理剤の処理方法である。また、本発明の使用済み
排煙処理剤の処理方法は、(5)塩素バイパス装置を付
設したセメント製造装置の、プレヒーターを含むセメン
ト焼成工程のうち、700〜1100℃の温度域の位置から使
用済み排煙処理剤を投入し、該使用済み排煙処理剤に含
まれるアルカリ金属および塩素を塩素バイパス装置によ
って除去しながら、該使用済み排煙処理剤をセメント製
造原料の一部として資源化する使用済み排煙処理剤の処
理方法を含む。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、使用後に水洗処理を行
うことなく、セメント原料の一部として再資源化できる
排煙処理剤、および塩素バイパス装置を付設したセメン
ト製造装置を用いて使用済み排煙処理剤を効率良く再資
源化する処理方法を提供するものである。セメントクリ
ンカの焼成工程において、原料中に含まれる塩素は、焼
成炉の安定運転に支障を及ぼす原因となる。すなわち、
原料に含まれる塩素は、プレヒーターを介してロータリ
ーキルンに達すると、この位置で揮発して熱ガスととも
にプレヒーターへと逆流する。プレヒーター内は、ロー
タリーキルンから離れるほど温度が低くなっているた
め、熱ガスとともに運ばれたガス状の塩類は固体として
析出し、プレヒーター内壁に付着する。この付着物が大
きくなると焼成中の原料粉体や熱ガスの流れを妨げ、時
には閉塞を起こして操業を停止せざるを得ない状況にな
ることもある。塩素バイパス装置とは、このような支障
を防ぐために開発されたもので、原料の一部に塩素含有
量の多い廃棄物等を用いてセメントクリンカを焼成する
際などに、焼成に伴って発生する熱ガスから塩素を除去
する機能を有する。塩素バイパス装置では、プレヒータ
ー下部より熱ガスの一部を抽気し、熱ガスとともに取り
出された焼成中の原料粉体をサイクロン等で除去した
後、ガス状であった塩類を冷却して粒子として析出させ
て捕集することにより、塩素が除去される。したがっ
て、塩素バイパス装置によって塩素を除去するために
は、熱ガス中に塩素と対になって塩を生成し、しかもそ
の塩がロータリーキルン出口付近からプレヒーター下部
の温度域(700〜1100℃)でガス状となるような元素が
塩素とともに存在する必要がある。
【0011】本発明の排煙処理剤は、使用後に上記塩素
バイパス装置を活用して塩素を除去しながら、セメント
原料の一部として再資源化するために好適な成分組成と
なるように予め調整したものである。本発明の排煙処理
剤は、酸化物質量基準でCaOを60〜70%、SiO2を10〜17
%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉体100重
量部と、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ
リウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた1種以上の
アルカリ金属塩15〜50重量部を含む排煙処理剤である。
CaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3は、セメントクリンカの主成
分である。セメント製造においては、石灰石、粘土、鉄
原料等が、酸化物質量基準でCaOが60〜70%、SiO2が10
〜17%、Al2O3が1〜5%、Fe2O3が1〜3%の範囲内になる
ように粉砕・混合され、セメント焼成炉へ供給される。
焼成炉内では、CaO、SiO2、Al2O3、Fe2O 3を含む混合物
に、ロータリーキルンのバーナーへと供給される燃料中
の灰分が加わり、セメントクリンカを形成するために最
適な成分組成となる。本発明では、排煙処理剤の成分の
うちCaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3を含む無機成分を、セメ
ント製造工程で石灰石、粘土、鉄原料等が粉砕・混合さ
れて焼成炉へ供給される際の組成とほぼ同じ範囲になる
ようにする。これにより、排煙処理剤にごみ焼却等の煤
塵が加わって使用済みとなった際、セメントクリンカを
形成するのに好適な成分組成になるという効果を奏す
る。排煙処理剤中のCaOは、消石灰または生石灰の形態
であれば、排煙中の塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガス
との反応性が高い。したがって、本発明の排煙処理剤の
成分のうちCaOは、少なくともその半分以上が消石灰ま
たは生石灰の形態、もしくはそれらの混合物であること
が好ましい。炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素カリウムは、その成分であるナト
リウムまたはカリウムが、排煙処理の際に吸収した塩素
と対になり、塩素を塩素バイパス装置にて捕集する効果
を高める作用を有する。本発明に使用する炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウムの形状は、特に限定されるものではなく、通常市販
されている粉末状または顆粒状のもので良いが、その平
均粒径は、排煙中に噴霧する目的に適するものであるこ
とが好ましい。平均粒径は50μm以下であることが好ま
しく、特に30μm以下であることがより好ましい。排煙
処理剤中の炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた1種以上
のアルカリ金属の炭酸塩がCaO、SiO2、Al2O 3、Fe2O3
含む無機成分100重量部に対し、15重量部に満たないと
該排煙処理剤に吸収される塩素よりもアルカリ金属が少
なすぎて、塩素バイパス装置を付設したセメント製造装
置を用いて使用済み排煙処理剤を再資源化処理しようと
した時に、塩素バイパス装置による塩素の除去が不十分
になり、セメントクリンカに残存する塩素量が多くなっ
てセメントの品質低下を引き起こしたり、前述の通りセ
メント製造装置の安定運転に支障を及ぼす原因となり好
ましくない。また、50重量部を越えるとアルカリ金属が
多すぎて、アルカリ金属がセメントクリンカに残留し、
アルカリ骨材反応の原因となることがあり好ましくな
い。
【0012】本発明の排煙処理剤は、排煙中のダイオキ
シン類や水銀等の有害物質を吸着・除去するために活性
炭を添加することができる。この場合には、酸化物質量
基準でCaOを60〜70%、SiO2を10〜17%、Al2O3を1〜5
%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉体75〜99質量%と活性炭1
〜25質量%とからなる粉体100重量部に対し、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸
水素カリウムから選ばれた1種以上のアルカリ金属の炭
酸塩を15〜50重量部とすることが好ましい。CaO、Si
O2、Al2O3、Fe2O3を含む無機成分と活性炭との混合物の
うち、活性炭が1重量%に満たない時は、ダイオキシン
類を除去する能力が十分でなく、一方25重量%を超える
時には、CaOが少なくなり、酸性ガスの除去能力が低く
なるため好ましくない。本発明に使用する活性炭の種類
は特に限定されず、植物系、鉱物系いずれのものでも良
い。また、比表面積は大きいものほどダイオキシン類の
吸着能力が高く500m2/g以上が好ましい。特に1000m2/g
以上であることがより好ましい。
【0013】上記排煙処理剤中のCaO、SiO2、Al2O3、Fe
2O3を含む無機成分として、プレヒーターを含むセメン
ト焼成工程のうち700〜1100℃の温度域から抽出された
焼成途中の無機粉体を用いることが好適である。プレヒ
ーターを含むセメント焼成工程のうち、700〜1100℃の
温度域から抽出された無機粉体は、酸化物質量基準でCa
Oを60〜70%、SiO2を10〜17%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3
を1〜3%含むのみならず、CaO分が、排煙中の塩化水
素、硫黄酸化物等の酸性ガスとの反応性が高い生石灰の
形態となっており、排煙処理剤の原料として好適であ
る。焼成途中の無機粉体を抽出する位置は、例えば、プ
レヒーターの最下段サイクロンの下部があげられる。抽
出方法は、抽出位置に開口部を設け、開口部に粉体搬送
装置、例えばスクリューコンベア、あるいは外付けの吸
引ポンプで吸引できる仕組みを備えたチューブなどを挿
入し、落下してくるセメント中間生成物を粉体搬送装置
で受けてセメント製造系外に搬出するなどの方法を例と
してあげることができる。
【0014】本発明の排煙処理剤は、ごみ焼却場等にお
いて従来の排煙処理剤の吹き込み装置をそのまま用いて
吹き込むことができる。該排煙処理剤の煙道への吹き込
み量は、多いほど有害物質の吸着量が多く、排煙の浄化
効果が高いが、吹き込み量が多すぎれば、浄化効果の割
に余計な排煙処理剤を吹き込むことになり、また使用済
み排煙処理剤の処理量も増加し不経済となる。したがっ
て、該排煙処理剤の吹き込み量は、ごみ焼却等によって
発生する排煙の成分組成にもよるが、概ね排煙中の煤塵
量の等量〜10倍程度が好ましく、特に等量〜5倍がより
好ましい。本発明の排煙処理剤に含まれるSiO2、Al
2O3、Fe2O3分は、排煙処理に使用した時に、バグフィル
ター上で濾過助材として働く。したがって、該排煙処理
剤の使用に際しては、珪藻土等の濾過助材を添加する必
要はないが、その効果を高めるために濾過助材を併用し
てもかまわない。煙道に吹き込まれ、排煙中の塩化水
素、硫黄酸化物等の酸性ガスやダイオキシン等の有害物
質を吸着した使用済み排煙処理剤は、バグフィルターや
電気集塵機等の従来法によって煤塵とともに回収すれば
良い。
【0015】本発明の使用済み排煙処理剤の処理方法
は、プレヒーターを含むセメント焼成工程のうち700〜1
100℃の温度域の位置に使用済み排煙処理剤を投入し、
セメント製造原料の一部として資源化する方法である。
使用済みとなった排煙処理剤は、セメント製造工程にお
いて調合原料に混合し、調合原料とともにセメント焼成
炉へと投入することも可能である。しかし、近年、排煙
とともに排出されるダイオキシン類の量が規制され、そ
のため活性炭を混合した排煙処理剤を用いてダイオキシ
ン類を排煙から吸着除去する技術が用いられるようにな
った。このような方法による排煙処理剤は、ダイオキシ
ン類を含有しており、そのため、調合原料とともにセメ
ント焼成炉へと投入すると、焼成炉上流部(プレヒータ
ー)の比較的低温(200〜400℃)の位置でダイオキシン
類が揮発し、セメント製造設備からダイオキシン類が排
出されてしまう懸念がある。廃棄物を再資源化する上
で、ダイオキシン類を発生させてはならないことは周知
である。本発明では、プレヒーターを含むセメント焼成
工程のうち、700〜1100℃の位置に使用済み排煙処理剤
を投入する。使用済み排煙処理剤とともに投入されたダ
イオキシン類は直ちに700〜1100℃の高温にさらされ、
さらに高温のロータリーキルンへと導かれるため、瞬時
に分解する。したがって、二次的な汚染を発生すること
なく、使用済み排煙処理剤をセメント原料の一部として
再資源化することができる。使用済み排煙処理剤の投入
位置は、例えば、仮焼炉、ロータリーキルン入口(窯
尻)などがあげられる。それらの位置に開口部を設け、
適当な粉体搬送装置、例えばスクリューコンベア、ポン
プ等を用いて使用済み排煙処理剤を投入すればよい。
【0016】本発明の使用済み排煙処理剤の処理方法
は、塩素バイパス装置を付設したセメント製造装置の、
プレヒーターを含むセメント焼成工程のうち、700〜110
0℃の温度域の位置から使用済み排煙処理剤を投入し、
該使用済み排煙処理剤に含まれるアルカリ金属および塩
素を塩素バイパス装置によって除去しながら、該使用済
み排煙処理剤をセメント製造原料の一部として資源化す
る方法である。先にも述べたように、塩素バイパス装置
によって塩素を除去するためには、熱ガス中に塩素と対
になって塩を生成し、しかもその塩がロータリーキルン
出口付近からプレヒーター下部の温度域(700〜1100
℃)でガス状となるような元素が塩素とともに存在する
必要がある。ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属
は、塩素と対になって塩を生成し、しかもその塩が700
〜1100℃の温度域でガス状となる。したがって、使用済
み排煙処理剤中にナトリウムやカリウムが適量存在すれ
ば、塩素バイパス装置を稼動することで容易にセメント
焼成熱ガス中から塩素を除去することができる。使用済
み排煙処理剤中のナトリウム、カリウムの量は、その合
計量が塩素と等モルになる量が好ましいが、使用済み排
煙処理剤に含まれる塩素のモル数の0.8〜2.0倍程度であ
れば問題ない。本発明の排煙処理剤を使用すれば、使用
済み排煙処理剤に含まれるナトリウム、カリウムの合計
量が、ごみ焼却プラント等から排出された時にすでに塩
素とほぼ等モルになり、塩素バイパス装置を付設したセ
メント製造装置に投入することにより、アルカリ金属お
よび塩素を塩素バイパス装置によって除去しながら、該
使用済み排煙処理剤をセメント製造原料の一部として資
源化することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明について説明す
る。なお、実施例中、特に断りがない限り、排ガスの体
積は標準状態での値とする。
【0018】セメント焼成工程のうち、プレヒーターの
最もロータリーキルン寄りにあるサイクロンの下部よ
り、焼成途中の粉体を抽出し無機粉体を得た。抽出位置
の温度は、1000℃であった。抽出した無機粉体の成分を
蛍光X線分析装置により分析した結果、酸化物質量とし
てCaOが65%、SiO2が14%、Al2O3が3.5%、Fe2O3が1.5
%含まれていた。次に、該無機粉体または消石灰(比較
例)と活性炭、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素カリウムを表1の通りに混合
し、ごみ焼却炉のバグフィルター直前より、表1に示す
量を吹き込み、煤塵と該排煙処理剤をバグフィルターに
て捕集し、使用済み排煙処理剤を得た。この際のバグフ
ィルター出口での有害物質濃度を表1に示す。得られた
使用済み排煙処理剤の成分を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】得られた使用済み排煙処理剤を、セメント
焼成炉の温度1000℃の位置から表3に示す量を投入し、
塩素バイパス装置を稼動させ、それ以外は通常通りの工
程でセメントクリンカを製造した。その結果、表3に示
す通り、いずれについてもセメント焼成炉排ガス中から
ダイオキシン類は検出されず、また実施例(実験例2〜
7)では、得られたクリンカも通常のクリンカと同等の
品質であった。しかし、比較例(実験例1)では、得ら
れたクリンカ中に塩素が多く残り、セメントクリンカと
しては不適切なものとなった。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、使用済みとなった排煙
処理剤を、成分調整や水洗処理を行うことなく、より単
純なプロセスでセメント製造に用いることができ、使用
済み排煙処理剤を用いたセメント製造の省力化を達成し
つつ、廃棄物の一層の減量に貢献できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/10 B09B 3/00 303Z 20/20 ZAB B09B 3/00 B01D 53/34 124Z ZAB 136A C04B 7/38 134E 7/60 Fターム(参考) 4D002 AA02 AA17 AA19 AA28 AB01 AC04 BA03 BA04 BA14 CA11 DA01 DA02 DA03 DA05 DA16 DA22 DA41 DA46 GA01 GB03 GB11 4D004 AA16 AA47 AB06 BA02 CA22 CB09 DA03 DA06 4G066 AA05B AA17B AA20B AA27B AA30B AA43B CA23 CA31 DA02 FA01 FA21 FA37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物質量基準でCaOを60〜70%、SiO2
    を10〜17%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉
    体100重量部と、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
    ム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた
    1種以上のアルカリ金属の炭酸塩15〜50重量部とを含む
    排煙処理剤。
  2. 【請求項2】 酸化物質量基準でCaOを60〜70%、SiO2
    を10〜17%、Al2O3を1〜5%、Fe2O3を1〜3%含む無機粉
    体75〜99質量%と活性炭1〜25質量%とからなる粉体100
    重量部と、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
    カリウムおよび炭酸水素カリウムから選ばれた1種以上
    のアルカリ金属の炭酸塩15〜50重量部とを含む排煙処理
    剤。
  3. 【請求項3】 無機粉体が、プレヒーターを含むセメン
    ト焼成工程のうち700〜1100℃の温度域から抽出された
    焼成途中の無機粉体である請求項1または2に記載の排
    煙処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の排煙処
    理剤を、排煙処理に使用した後に回収し、プレヒーター
    を含むセメント焼成工程のうち700〜1100℃の温度域の
    位置から該使用済み排煙処理剤を投入し、セメント製造
    原料の一部として資源化する使用済み排煙処理剤の処理
    方法。
  5. 【請求項5】 塩素バイパス装置を付設したセメント製
    造装置の、プレヒーターを含むセメント焼成工程のう
    ち、700〜1100℃の温度域の位置から使用済み排煙処理
    剤を投入し、該使用済み排煙処理剤に含まれるアルカリ
    金属および塩素を塩素バイパス装置によって除去しなが
    ら、該使用済み排煙処理剤をセメント製造原料の一部と
    して資源化する請求項4に記載の使用済み排煙処理剤の
    処理方法。
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