JP2002333008A - フリクションヒンジ用摩擦部材 - Google Patents

フリクションヒンジ用摩擦部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体部と反復開閉する蓋部とを有する小型O
A機器等のフリクションヒンジにおいて、摺動部材の摩
耗がなく、回転トルクの変化の生じない摩擦部材を提供
する。 【解決手段】 ブラケットと、ブラケットの軸受孔に回
転自在に装着された回転シャフトと、回転シャフトに貫
通され共に回転可能な少なくとも1個のワッシャー状摩
擦部材と、摩擦部材をブラケットに圧接させる付勢手段
を備えたフリクションヒンジ用のワッシャー状摩擦部材
を、パーライト組織の鉄合金相と銅相との混合組織中に
固体潤滑剤粒子が分散した金属顕微鏡組織を呈し、有効
多孔率が5〜25体積%である焼結合金からなり、その
気孔に潤滑剤を含浸した部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、本体部と反復開
閉する蓋部とを有する小型OA機器、例えばノート型パ
ソコンなどの、キーボート部とディスプレー部を結合し
開閉および任意の角度に保持することができるようなフ
リクションヒンジ等に用いられる摩擦部材に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のヒンジとして、ブラケットに設
けた軸受部に回転シャフトを回転自在に挿入し、そのブ
ラケットの両側または片側にワッシャー状の摩擦部材
(フリクションプレート)を回転シャフトと共に回転可
能に設け、そしてフリクションプレートを皿ばね等の付
勢手段によりブラケットに圧接させて、ブラケットと回
転シャフトとの間にフリクショントルクを生じさせるよ
うにした構造のものがある。このようなヒンジは、ブラ
ケットを例えばキーボード部側に固定し、回転シャフト
をディスプレー部側に固定して用いれば、所定の回転ト
ルクを与えたときディスプレー部を開閉することがで
き、また任意の角度に開いた状態て静止させることがで
きる。このようなフリクションヒンジは、ブラケットは
炭素鋼やステンレス鋼製で、相手部材の摩擦部材はブラ
ケットと同じ材料或いはリン青銅で作られ、それらの摺
動部にはグリースが塗布されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような小型OA機
器、例えばノート型パソコン等のヒンジは、開閉を繰り
返しても各摺動部材の摩耗がなく、回転トルクに変化を
生じないことが要求される。摩擦摺動部材の摩耗は摩擦
に変化をもたらし、回転トルクが変わることにより、開
閉の感触が変わり、或いは、回転トルクが増加した場合
は、ディスプレー部を開く際にキーボード部が共に持ち
上がるようになったり、回転トルクが減少した場合に
は、ディスプレー部を所望の角度に保持できない状態が
起こる。また、摩耗粉は潤滑グリースやヒンジの周囲を
汚染したり、パソコン内にこぼれ落ちた場合は機器を故
障させる原因になるおそれがある。一方、摺動部へのグ
リース塗布は潤滑のために不可欠であるが、塗布作業が
繁雑であり、周囲の余剰なグリースは、機器を構成する
樹脂製構造物の変質を助長することになり、また、摺動
部のグリースが消費された際、周辺からの補給が不確実
であり、長期にわたって潤滑性能を確保できなくなるお
それがある。この発明は、このような課題を背景とし、
長期にわたって、より安定した回転トルクを維持できる
ヒンジを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明のフリクション
ヒンジ用摩擦部材は、金属顕微鏡組織がパーライト組織
の鉄合金相と銅相または銅−鉄合金相の混合組織中に固
体潤滑剤粒子が分散しており、有効多孔率が5〜25体
積%である焼結合金からなり、その気孔に潤滑剤を含浸
したものである。前記固体潤滑剤粒子とは、黒鉛、また
は黒鉛及び二硫化モリブデンである。焼結合金は、C
u:3〜30質量%、C:1.5〜4質量%を含有して
いる鉄基材料であり、より好ましくはCu:10〜20
質量%、C:3〜4質量%、残部が実質的にFeからな
る鉄基材料である。また、前記潤滑剤とは、フッ素オイ
ル、炭化水素系合成油、あるいは極圧ギヤ油等の極圧潤
滑剤であるが、後者の極圧潤滑剤が好ましい。前記極圧
潤滑剤(extreme pressure lubricant、 EP lubrican
t)とは、日本潤滑学会編「潤滑用語集」(1992.3.30、
養賢堂発行、p.24)に記載されているように、高い接
触圧力により油膜破断の生じるような条件下の潤滑に用
いられる潤滑油、グリースなどの総称で、極圧添加剤
(extreme pressure agent、 EPagent)を添加して耐荷
重能を向上させた極圧ギヤ油(EPギヤ油、 EP gear o
il)、酸化防止剤、さび止め剤などを含む添加タービン
油に極圧添加剤をさらに添加して極圧潤滑性能を向上さ
せた極圧タービン油(EP turbine oil)、あるいは塩
素、硫黄、リン等の極圧添加剤を添加して極圧性をもた
せた極圧グリース(EPグリース、 EP grease)、前記
極圧ギヤ油とワックスとを混合したワックス等をいう。
【0005】
【発明の実施の形態】1.焼結合金からなる摩擦部材 この発明の摩擦部材は鉄粉、銅粉または銅箔粉、黒鉛
粉、及び二硫化モリブデン粉を原料粉とする。これらの
原料粉を所定の割合で混合し、圧粉成形し、鉄に炭素が
拡散し銅が溶融しない温度、すなわち1000℃程度で
焼結する。焼結体は平坦度を向上させるためにサイジン
グすることが好ましい。また、摺動する面を研磨面とし
たものも、安定した摺動摩擦を示す。摩擦摺動面となる
端面に同心円状或いは放射状の溝を設けておくと、潤滑
剤の収容及び摩耗粉の収容をする余地となるので好まし
い。
【0006】焼結合金は、金属顕微鏡組織がパーライト
組織の鉄粒子が主体で、その粒子間に銅が分散し、さら
に黒鉛、または黒鉛と二硫化モリブデンとが分散したも
のである。パーライト組織の鉄粒子は、焼結合金の骨格
をなしており、適度の硬さをもっており耐摩耗性があ
り、相手部材を攻撃し難いという性状に基づいている。
鉄の結合炭素量は、Fe−C系において0.4〜0.8質
量%程度とし、特に0.6質量%程度が耐摩耗性に優れ
相手材を攻撃し難いので好ましい。炭素の供給源は、原
料粉を混合して得られる混合粉に添加する黒鉛粉であ
り、焼結によって鉄粒子に拡散される。
【0007】混合粉に添加した黒鉛粉の残余は、焼結合
金中に固体潤滑剤粒子として残留し混合組織中に分散さ
れる。焼結合金中の固体潤滑剤粒子としては、黒鉛のみ
でもよいが、二硫化モリブデン粉も一緒に添加すると耐
摩耗性が向上する。二硫化モリブデン粉の量は、コスト
の点から、黒鉛粉の4分の1程度とすることが好まし
い。また、混合粉に含まれる黒鉛粉または黒鉛粉と二硫
化モリブデン粉の量が4質量%を越えると、これらの偏
析が起こりやすくなり、混合粉の見掛け密度が低くな
り、粉末の流動性が悪くなり、また焼結体の強度が低下
するので好ましくない。焼結合金中の固体潤滑剤粒子の
量が1質量%より少ないと摩耗しやすくなり、摩擦が不
安定になる。このようなことから、固体潤滑剤粒子が黒
鉛のみの場合、焼結合金中の結合炭素量と合わせた炭素
量は1.5質量%以上とし、前記混合粉中の固体潤滑剤
粉末の最大添加量は4質量%の範囲である。
【0008】焼結合金中のCuの含有量は、3〜30質
量%の範囲であり、より好ましくは10〜20質量%で
ある。Cuは、焼結により極わずかに鉄と合金化する
が、殆どはCuとして残留し、金属顕微鏡組織は、鉄合
金粒子の間に銅粒子が点在した状態となる。Cuは、銅
粉、銅箔粉、または銅被覆黒鉛粉の形で添加することが
できる。Cuの成分は、合金の強度を高め、相手材との
なじみ性をよくし、耐摩耗性を向上する。焼結金属のC
uの含有量が3質量%に満たないと、相手部材と凝着を
起こしやすくなり、摺動量の増加に伴い、摩耗が速くな
り、相手部材を摩耗させやすく、摩擦力が上昇して変化
が大きくなる。また、Cuの含有量が30質量%を越え
た場合も耐摩耗性が悪くなる。このような焼結合金が良
好な摺動摩擦特性を維持できる理由は、前述のパーライ
ト鉄粒子、銅相、及び固体潤滑剤粒子のそれぞれの性質
が交互に作用しており、パーライト組織の鉄合金相が強
度、耐摩耗性及び適度な摩擦特性をもつ骨格となり、比
較的軟質な銅相が点在することにより相手部材とのなじ
み性及び適度な摩擦特性を発揮し、かつ固体潤滑剤粒子
の分散によって摺動潤滑性及び耐摩耗性が向上するため
であると考えられる。
【0009】このような焼結合金からなる摩擦部材は、
油やワックス等が含浸する気孔を有しており、その有効
多孔率は5〜25体積%である。有効多孔率が小さいも
のは含油能が低く、潤滑性が乏しくなり、摩擦力が過度
に上昇する原因になる。有効多孔率が大きいものは焼結
合金の密度が低く、耐摩耗性が劣る。なお、有効多孔率
はより好ましくは15〜20体積%である。
【0010】2.気孔に含浸する潤滑剤 潤滑剤としては、極圧潤滑剤が摩擦係数の変化が少なく
良好な摺動摩擦を示す。その他の潤滑剤としては、フッ
素オイルや炭化水素系合成油でもよい。フッ素系オイル
としては、例えばアウジモンド社製の商品名フォンブリ
ンM30が挙げられ、炭化水素系合成油としては、昭和
シェル石油(株)製の商品名テラス68が挙げられる。
【0011】極圧潤滑剤は、前記の極圧添加剤入りのギ
ヤ油やタービン油、これらの潤滑油とワックスとの混合
物、極圧添加剤入りのグリースなどである。いずれの形
態の極圧潤滑剤でもよいが、含浸作業性がよく、使用中
に摺動面にしみ出しやすい液状の極圧潤滑剤が望まし
い。極圧潤滑剤は、摩擦部材の気孔中に含浸しているた
め、摩擦面を長期間にわたって潤滑し、安定した摩擦特
性を持続する。また、従来のグリースによる潤滑のよう
に、ヒンジ内に余分な潤滑剤を充填する必要がないの
で、ヒンジの組み立てが容易となり、周囲を汚染するお
それも少なくすることができる。極圧潤滑剤の含浸は、
ギヤ油やタービン油では摩擦部材を油中に浸漬して含浸
するか、通常の減圧含浸を行い、ワックスやグリースは
極圧潤滑剤を加熱溶融して減圧含浸する。
【0012】
【実施例】1.好ましい摩擦部材の実施例 (摩擦部材の製作) 下記の原料粉を準備する。 (1)鉄粉 粒度100メッシュ以下 (2)銅粉 粒度200メッシュ以下 (3)黒鉛粉 粒度250メッシュ以下 (4)銅被覆黒鉛粉 Cu:50質量% (5)二硫化モリブデン粉 粒度250メッシュ以下 (6)銅被覆二硫化モリブデン粉 Cu:50質量% (7)ステアリン酸亜鉛粉(成形潤滑剤) これらの原料粉を所定割合で混合する。銅被覆黒鉛粉
は、焼結中に鉄粉への浸炭を少なくし、遊離黒鉛を多く
することができる。上記原料粉を一緒に混合する方法で
もよいが、鉄粉に微量の低粘度油を加えて混合した後、
黒鉛粉を混合して付着させ、その後に銅粉を混合する手
順とすることもできる。鉄粉に、Cuの量が3〜30質
量%、黒鉛量または黒鉛と二硫化モリブデン量が1.5
〜4質量%となるように、銅粉、黒鉛粉、銅被覆黒鉛
粉、二硫化モリブデン粉、銅被覆二硫化モリブデン粉の
中から組み合わせて混合する。二硫化モリブデン粉を添
加する場合、黒鉛粉の添加量は、鉄のパーライト組織を
形成するのに必要な少なくとも約0.5質量%以上とさ
れる。摩擦部材の特性とコストを考慮した好ましい配合
は、質量で鉄粉78.6%、銅粉16%、黒鉛2.4%、
銅被覆黒鉛粉3%とし、成形潤滑剤をこれらに対して1
%添加する。
【0013】この混合粉を金型を用いてワッシャー形状
に圧縮成形する。成形密度は6.4〜6.8g/cm
度とする。ワッシャー状摩擦部材は、シャフトにはめ込
まれる内孔が小判形で、端面に放射状に溝を設ける。こ
れは成形金型にて造形する。この成形体を還元性ガス雰
囲気中で加熱し最高温度約1000℃で焼結する。焼結
体は、前記の好ましい原料配合としたものの場合、組成
が、Cu:約17.5質量%、C(全炭素量):約3.8
質量%、鉄との結合炭素量が約0.6質量%(全体組成
中では約0.47質量%)、及び遊離黒鉛量(フリーカ
ーボン量):約3.3質量%であり、鉄相はパーライト
組織であって、銅相が鉄相の約5分の1の面積を占め、
鉄相を囲みまたは鉄相に分散した金属顕微鏡組織を呈す
る。前記の全炭素量は、用いた黒鉛粉の不純物が2.5
質量%の場合である。ついで、焼結体を金型を用いてサ
イジングし、寸法および形状を整える。サイジングされ
た摩擦部材は、密度が6.6g/cmの場合は、有効
多孔率が約15体積%である。摩擦部材の摩擦面を研磨
やラッピングを行い、表面気孔量を少なくする工程を加
えてもよい。また、後述の潤滑剤を焼結体に予め含浸し
てサイジングすることもできる。
【0014】(潤滑剤の含浸)潤滑剤は、極圧潤滑剤が
好ましく、より好ましくは極圧ギヤ油(EP gear oil)
である。例えば、温度40℃における粘度460cSt
(4.6cm/s)のギヤ油(出光興産(株)製、ダフ
ニー・スーパ・ギヤ460)が一例として挙げられる。
これら潤滑剤は真空含浸装置で含浸する。
【0015】2.ヒンジ試験装置 図1は、本発明の実施例で用いたフリクションヒンジの
断面図である。軸受孔1aがあるブラケット1(オース
テナイト系ステンレス鋼、SUS304製)が図示して
いない基盤に固定されている。可動軸3は、大径部3
a、断面が小判形をした軸部3b、ねじ部3cからなっ
ている。摩擦部材2a、2bはブラケット1を挟んで配
置され、摩擦部材2bの外側には座金5a、板ばね4及
び座金5bを付設し、ナット6により締め付けられ、こ
れらは可動軸3と一体に回転する。板ばね4は摩擦部材
2a、2bをブラケット1に圧接させる付勢手段であ
り、ブラケット1と摩擦部材2a、2bとに所定の摩擦
力が生ずる。可動軸3を角度180度の領域内で往復揺
動させ、所定回数揺動させたのちに、ロックトルク(静
止トルク)を測定して、その変化量によりロックトルク
の安定性を評価する。試験方法は、ヒンジ装置のナット
6を締め付けて、ロックトルク(静止トルク)の初期値
を50kgf・mmに設定する。そして、可動軸3を角
度180度の範囲内で2万回往復開閉し、千回、5千
回、1万回、2万回におけるロックトルクの測定を行い
また摺動部の状態を観察する。
【0016】3.ヒンジ試験特性 前記の好ましい焼結合金の場合、2万回時のロックトル
クは、初期値と殆ど変わりなく、摩擦部材の摩耗量は3
μm以下で、ブラケットの摩耗が認められないものとな
る。焼結合金のCu含有量が10質量%程度までは特性
値の変化が認められないが、Cu含有量がそれより少な
いものは、摩擦部材の摩耗が多くなる傾向があり、Cu
含有量が3質量%より少ないものでは、往復揺動回数が
増加するにつれロックトルクが低下する。摩擦面の観察
から、Cu含有量の少ない摩擦部材は、ブラケットとの
凝着が起こりやすくなっているものと思われる。焼結合
金のCu含有量が多いものが、耐摩耗やトルク変動が少
なくなる。ただし、Cu含有量が30質量%を越えるも
のでは、往復揺動回数が増加するにつれロックトルクが
低下し、摩耗しやすくなる。摩擦面の観察によると、銅
相が塑性流動して鉄相の役割を減少させ、表面の気孔を
封孔させるためであると思われる。黒鉛の一部を二硫化
モリブデンに置換した焼結合金は、摩耗、トルク変動共
に良好なものとなる。固体潤滑剤粒子の含有量が多いも
のほど、安定したロックトルクを維持する。焼結合金の
固体潤滑剤粒子の含有量が1質量%程度までは、耐摩
耗、トルク変動は少ないが、それより少なくなると、ブ
ラケットとの凝着摩耗が認められるようになり、特性が
不安定である。これらのことから、摩擦部材に適する焼
結合金は、Cu含有量が3〜30質量%の範囲内とし、
より好ましくは10〜20質量%であり、鉄相はFe−
C系における結合炭素量が0.6質量%前後のパーライ
ト組織を呈し、固体潤滑剤粒子としての遊離炭素は1〜
3.5質量%程度とし、そのために全炭素量が1.5〜4
質量%、より好ましくは3〜4質量%である。
【0017】従来の例として、摩擦部材2a、2bをス
テンレス鋼(SUS304)板を切削加工したもの、リ
ン青銅板を切削加工したものをヒンジに組み立て、それ
ぞれ摺動部に極圧グリース(出光興産(株)製ダフニー・
モリブデングリース)を塗布したものについて、同様に
揺動試験を行う。これらのヒンジは、揺動回数を重ねる
と、摺動面のグリース潤滑が悪くなりロックトルクが増
加したり、あるいは低下したりして変動が大きくなる。
摩擦部材がリン青銅製のものが摩耗が比較的速い。摩耗
粉は、グリースを混濁し、潤滑性をさらに劣化させる。
【0018】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明のフリ
クションヒンジ用摩擦部材を用いれば、ヒンジの開閉感
触及びロックトルクの変化が少ないものとなるから、ノ
ート型パソコンなどの小型OA機器に用いれば、長期に
わたって初期と同じ機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いたフリクションヒンジの断面図で
ある。
【符号の説明】 1 ブラケット 1a 軸受孔 2a 摩擦部材 2b 摩擦部材 3 可動軸 3a 大径部 3b 軸部 3c ねじ部 4 板ばね 5a 座金 5b 座金 6 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 103/06 C10M 103/06 C 125/04 125/04 169/04 169/04 C22C 38/00 304 C22C 38/00 304 // C10N 10:02 C10N 10:02 10:12 10:12 10:16 10:16 30:06 30:06 40:02 40:02 50:08 50:08 Fターム(参考) 3J105 AA03 AB11 AB17 AB31 AC07 BA31 BB54 BB55 DA06 4H104 AA04A AA08C AA19A FA01 FA06 FA08 LA03 PA01 QA11 RA03 4K018 AA29 AB07 AC01 BA02 BA14 BA20 CA02 FA02 FA11 FA42 HA04 KA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラケットと、ブラケットの軸受孔に回
    転自在に装着された回転シャフトと、該回転シャフトが
    貫通し、かつ共に回転可能な少なくとも1個のワッシャ
    ー状摩擦部材と、摩擦部材をブラケットに圧接させる付
    勢手段を備えたフリクションヒンジにおける前記摩擦部
    材が、パーライト組織の鉄合金相と銅相との混合組織中
    に固体潤滑剤粒子が分散した金属顕微鏡組織を呈し、有
    効多孔率が5〜25体積%である焼結合金からなり、そ
    の気孔に潤滑剤を含浸してなるフリクションヒンジ用摩
    擦部材。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤が極圧潤滑剤である請求項1
    に記載のフリクションヒンジ用摩擦部材。
  3. 【請求項3】 前記固体潤滑剤粒子が黒鉛、または黒鉛
    及び二硫化モリブデンからなる請求項1または請求項2
    に記載のフリクションヒンジ用摩擦部材。
  4. 【請求項4】 前記焼結合金がCu:3〜30質量%、
    C:1.5〜4質量%を含有する鉄基材料である請求項
    1から3の何れかに記載のフリクションヒンジ用摩擦部
    材。
  5. 【請求項5】 前記焼結合金の組成がCu:10〜20
    質量%、C:3〜4質量%、残部が実質的にFeの鉄基
    材料である請求項4に記載のフリクションヒンジ用摩擦
    部材。
  6. 【請求項6】 ノート型パソコンのヒンジに用いられる
    請求項1から5の何れかに記載のフリクションヒンジ用
    摩擦部材。
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