JP2012506494A - 耐摩耗性が向上した滑り軸受け及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性が向上した滑り軸受け及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、焼結体の形態で製造される耐磨耗性の向上した滑り軸受けに関し、特に、高表面圧、低速、揺れなどの過酷な滑り条件下において、主に鉄系材質からなる軸との摩擦及び磨耗特性に優れ、潤滑油の給油周期を延長することができると共に、硬度に優れ、荷重移送能力、塑性変形抑制及び疲労強度を向上させることができるブッシュ型滑り軸受けに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼結体の形態で製造される耐磨耗性の向上した滑り軸受けに関し、特に、内部に挿入された軸が円滑に回転可能なブッシュ型滑り軸受けに関する。より詳しくは、本発明は、焼結体として製造され、優れた耐磨耗性及び耐荷重性を有すると共に、給油周期を延長できる耐磨耗性に優れたブッシュ型滑り軸受け及びその製造方法に関する。
一般に、産業機械及び建設機械は、多数の可動部及び軸回転部を有している。この可動部には、軸受けが設けられ、特に軸回転部には、通常、軸と軸孔との間に配置され、軸と軸孔との間の摩擦抵抗を低減させる、ブッシュ型滑り軸受けが設けられるが、このような装置においては、一定期間ごとに潤滑油を補給することが行われる。
従来、このようなブッシュ型滑り軸受けとして、主に真鍮又は鉄系の軸受けが使用されている。
最近、給油間隔(給油周期)を延長し、又は、給油すること無しに使用できる軸受けであって、前記ブッシュ型滑り軸受けを焼結体として製造した後、これに潤滑油を含浸することにより、潤滑油を頻繁に供給することなく軸と軸孔との間の摩擦抵抗を低減させることができるオイルレス型滑り軸受けが導入使用されている。
前述のような軸受けは、主に多量の軟質な銅(Cu)粒子を、鉄(Fe)から形成されるマルテンサイトに分散させることで緻密化が保持されるようになっているが、高表面圧及び高温の滑り条件下で潤滑膜が割れる場合、前記軸受けは、相対材である鉄(Fe)系合金から形成される軸との摩擦によって焼着する。
上記の問題点を改善するため、軸受けに種々の潤滑油を含浸させる試みが行われている。一例として、韓国特許第0261369号には、260cSt〜950cSt範囲内の粘度を有する潤滑油を軸受けに含浸させることが提案されている。
しかし、このような従来の軸受けは、高表面圧及び低速の条件下で使用される場合、例えば、3kgf/mm〜8kgf/mm程度の高表面圧、及び1cm/sec〜5cm/sec程度の低速の環境下で使用されると、摩擦熱によって軸受け及びその周辺の温度が急に上昇して潤滑油の粘度が低下する。これにより、鉄系材質の軸とこの軸と同材質の軸受けとの間で金属間接触が発生し、軸受けの摩擦特性が低下するという問題が発生する。
上記の問題発生を防止するためには、軸受けに潤滑油を頻繁に補給する必要があるが、この場合は、補給頻度が短くなるという問題が発生する。
このように、前記軸受けに含浸する潤滑油は、一般に高温及び高表面圧の条件下で劣化し易くなり、単に潤滑油を含浸しただけでは、潤滑機能が十分に発揮できないため、このような状態では、当然、金属間接触が発生する。
なお、上記のように金属間接触による金属間の磨耗挙動から観察すると、摩擦時に発生する高温による金属間焼着現象及び高表面圧による金属の塑性変形現象が発生し、これにより、軸受けの異常磨耗だけでなく相対材である軸の異常磨耗が招来され、軸と軸受けシステム全体の損傷が生じ易い。特に、塑性変形が発生すると、鉄(Fe)から形成されるマルテンサイトに分散させた軟質粒子である銅(Cu)の硬度が低いため、変形がひどくなり、これによって、軸受けの磨耗が加速される。
したがって、本発明は、軸と軸受けとの摩擦時、低摩擦の特性を示しながら高表面圧下で塑性変形が発生しない低摩擦及び高表面圧特性を有する耐磨耗性焼結体を開発し、この焼結体を用いて滑り軸受けを製造することにより、軸受けの耐磨耗性を向上させると共に軸受けの給油周期を延長させることにある。
本発明の一態様においては、全質量に対して、銅(Cu)7質量%〜20質量%、錫(Sn)1質量%〜7質量%、炭素(C)0.2質量%〜2.0質量%、ニッケル(Ni)0.3質量%〜4質量%、ホウ素(B)0.01質量%〜0.4質量%及び残量の鉄(Fe)を含む滑り軸受け用組成物を焼結して形成された滑り軸受けを提供する。なお、本発明による滑り軸受けは、焼結により焼結体の形態で製造されているので、「滑り軸受け焼結体」とも呼ぶ。
本発明に係る滑り軸受けは、内径部を備えたボディを有し、この内径部には軸が回転可能に挿入される、ブッシュ(bush)型滑り軸受けであることができる。本発明に係る滑り軸受けに適用される軸としては、特に制限されないが、鉄又は金属で形成することができる。
本発明の好適な一例によれば、前記滑り軸受け組成物は、全質量に対して、クロム(Cr)0.02質量%〜0.6質量%、モリブデン(Mo)0.05質量%〜0.5質量%、バナジウム(V)0.01質量%〜0.3質量%、タングステン(W)0.05質量%〜0.5質量%、マンガン(Mn)0.01質量%〜0.05質量%及びシリコン(Si)0.02質量%〜0.2質量%からなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
本発明において、前記滑り軸受け用組成物の構成成分である、銅(Cu)、錫(Sn)、炭素(C)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、マンガン(Mn)及びシリコン(Si)は、粉末状で使用することができ、それぞれの市販品を購入して使用することができる。上記の構成成分は、別々の粉末として使用することがき、2つ以上の成分が合金形態で存在する合金粉末を購入して使用することもできる。合金粉末を使用する場合は、合金粉末における各成分の比率を計算して成分別に添加量を決定する必要がある。
本発明の好適な一例によれば、前記錫(Sn)は、銅と錫との合金(Cu−Sn)粉末状で含まれてもよい。前記銅と錫との合金は、青銅として知られている。なお、錫(Sn)は、その含量が少ないため、銅−錫合金により十分量が供給されるが、銅(Cu)は、銅−錫合金により十分量が供給されないことがあり得る。銅−錫合金により銅が十分に供給されない場合は、銅粉末を別に添加したり、銅と他の金属との合金を添加することができる。なお、本発明の好適な一例によれば、前記銅−錫合金において、前記錫の含量は、20質量%〜50質量%であってもよい。
また、他の例として、ホウ素(B)は、炭素と結合したBCのような炭化物の形態で提供してもよく、又は、ニッケル(Ni)と結合したB−Ni形態のホウ化物として提供してもよい。更に、前記ホウ素は、クロム(Cr)と結合したB−Cr形態のホウ化物、シリコン(Si)と結合したB−Si形態のホウ化物として提供してもよい。
本発明に係る前記滑り軸受けは、成形及び焼結の際に、適度な気孔を有することが好ましく、一例として、前記滑り軸受けは、全体積に対して、15体積%〜25体積%の気孔を内部に形成してもよい。
また、本発明に係る前記滑り軸受けの気孔には潤滑油が含浸されることで、軸受けの使用時における軸との摩擦を低減することができる。したがって、本発明によれば、前記滑り軸受けは、全体積に対して、15体積%〜25体積%の潤滑油を内部に含むことができる。
本発明に係る滑り軸受けに適用される潤滑油としては、特に制限されないが、当業者であれば、必要に応じて適切な潤滑油を選択して使用することができる。商業的に利用可能な潤滑油を使用できることはいうまでもない。
本発明の好適な一例によれば、前記気孔に含浸可能な潤滑油としては、40℃で80cSt〜1000cSt範囲の動粘度及び150〜280の粘度指数を有する潤滑油を使用することができる。より好ましくは、前記滑り軸受けには、80cSt〜240cSt範囲の動粘度及び150〜280の粘度指数を有する潤滑油を使用することができる。
また、必要により種々の添加剤を前記潤滑油に添加することにより、滑り軸受けが適用される特定の条件に合うように潤滑油の物性を向上させることができる。
本発明の好適な一例によれば、前記潤滑油は、ジチオリン酸亜鉛、リン酸アミン、ジチオカルバメート、硫黄化合物、リン化合物及びホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の耐磨耗性極圧性添加剤を更に含むことができる。前記耐磨耗性極圧性添加剤は、含浸される潤滑油の総体積に対して、0.4体積%〜6.8体積%添加することができる。
更に、前記潤滑油は、黒鉛、二硫化モリブデン(MoS)、ポリテトラフルオロエチレン及びテフロン(登録商標)からなる群から選択される少なくとも1つの固体潤滑剤を更に含むこともできる。前記固体潤滑剤は、含浸される潤滑油の総体積に対して、1.5体積%〜25体積%添加されてもよい。
前記潤滑油に、前記耐磨耗性極圧性添加剤と前記固体潤滑剤とを共に添加して使用できることはいうまでもない。
また、本発明は、ブッシュ型滑り軸受けの製造方法を提供する。本発明の製造方法は、全質量に対して、銅(Cu)7質量%〜20質量%、錫(Sn)1質量%〜7質量%、炭素(C)0.2質量%〜2.0質量%、ニッケル(Ni)0.3質量%〜4質量%、ホウ素(B)0.01質量%〜0.4質量%及び残量の鉄(Fe)を含む滑り軸受け組成物用粉末を調製し(S10)、前記用意した粉末を混合し(S20)、前記混合した粉末を加圧して軸挿入用の内径部を備えたブッシュ型軸受けの加圧成形体を製造し(S30)、前記成形体を1,000℃〜1,150℃の温度で15分間〜50分間加熱しながら焼結して焼結体を製造し(S40)、前記焼結体を浸炭熱処理、窒化熱処理及び高周波熱処理からなる群から選択される少なくとも1つの熱処理方法で処理して微細組織を硬化させ(S50)、そして前記硬化された焼結体に潤滑油を含浸させる(S60)ことを含む。
本発明の好適な一例によれば、全粉末質量に対して、クロム(Cr)0.02質量%〜0.6質量%、モリブデン(Mo)0.05質量%〜0.5質量%、バナジウム(V)0.01質量%〜0.3質量%、タングステン(W)0.05質量%〜0.5質量%、マンガン(Mn)0.01質量%〜0.05質量%及びシリコン(Si)0.02質量%〜0.2質量%からなる群から選択される少なくとも1種の粉末を、前記粉末調製段階で更に含むことができる。
前記滑り軸受け用組成物の構成成分である銅(Cu)、錫(Sn)、炭素(C)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、マンガン(Mn)及びシリコン(Si)は、粉末状で使用されるが、それぞれの市販品を購入して使用することができる。前記構成成分は、別々の粉末として使用してもよく、2つ以上の成分が合金形態で存在する合金粉末を購入して使用してもよい。合金粉末を使用する場合は、合金粉末における各成分の比率を計算して成分別に添加量を決定する必要がある。
本発明の好適な一例によれば、前記錫(Sn)は、銅と錫との合金(Cu−Sn)粉末形態で含まれることができる。
また、前記成形体の製造ステップでは、成形体の内部気孔率が15%〜25%となるように製造することができる。
本発明に係る滑り軸受けは、高温及び高表面圧下でも最適の摩擦特性を維持することができ、耐磨耗性に優れ、かつ給油周期が延長される効果を奏することができる。また、本発明に係る滑り軸受けを使用する場合は、互いに接触して駆動する軸と軸受けとが優れた耐磨耗性を有すると共に、耐荷重性が増大して塑性変形に対する抵抗性が向上する。
本発明に係る滑り軸受けは、特に鉄又は鋼鉄で形成された軸に有利に適用できる。その理由は、本発明の滑り軸受けは、特に鉄又は鋼鉄材質との滑り性に優れているためである。
図1は、本発明の一例に係るブッシュ型の耐磨耗性滑り軸受けを示す断面図である。 図2は、本発明の一例に従って焼結体として製造された耐磨耗性滑り軸受けの焼結体組織の例を示す顕微鏡写真である。 図3は、本発明の一例に従って焼結体として製造された耐磨耗性滑り軸受けの焼結体組織の例を示す顕微鏡写真である。 図4は、本発明の一例に従い焼結体として製造された耐磨耗性滑り軸受けの製造工程の一例を示す工程図である。
以下、本発明に係る滑り軸受け及びその製造方法を、実施形態などを挙げてより詳しく説明する。
本発明に係る耐磨耗性滑り軸受けの一例であって、図1に示すようなブッシュ型滑り軸受け10は、内径部11が形成されたボディ12を備え、前記ボディ12の内径部11には、軸20が回転自在に挿入される。
具体的には、本発明の一例による滑り軸受けは、全質量に対して、銅(Cu)7質量%〜20質量%、錫(Sn)1質量%〜7質量%、炭素(C)0.2質量%〜2.0質量%、ニッケル(Ni)0.3質量%〜4質量%、ホウ素(B)0.01質量%〜0.4質量%及び残量の鉄(Fe)を含む滑り軸受け用組成物を焼結して製造される焼結体の形態を有する。
本発明の好適な一例によれば、前記滑り軸受け用組成物は、全質量に対して、クロム(Cr)0.02質量%〜0.6質量%、モリブデン(Mo)0.05質量%〜0.5質量%、バナジウム(V)0.01質量%〜0.3質量%、タングステン(W)0.05質量%〜0.5質量%、マンガン(Mn)0.01質量%〜0.05質量%及びシリコン(Si)0.02質量%〜0.2質量%からなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
本発明において、前記構成成分である、銅(Cu)、錫(Sn)、炭素(C)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、マンガン(Mn)及びシリコン(Si)は、粉末状で使用されるが、それぞれの市販品を購入して使用することができる。上記の構成成分は、別々の粉末として使用してもよく、2つ以上の成分が合金形態で存在する合金粉末を購入して使用してもよい。合金粉末を使用する場合は、合金粉末における各成分の比率を計算して成分別に添加量を決定する必要がある。
前記滑り軸受け10を焼結するための組成物については、各成分を粉末状にしてそれぞれの質量比で用意した後、成形及び焼結して前記滑り軸受け10を製造することができる。
本発明の滑り軸受けは、鉄(Fe)、銅(Cu)及び錫(Sn)を主材にした軸受けであることができる。
鉄(Fe)は、本発明に係る滑り軸受けの主材料である。
銅(Cu)は、鉄(Fe)系の焼結合金に添加され、鉄(Fe)粉末の結合剤としての役割を果たすと共に低摩擦特性を維持させる役割を果たす。前記銅の含量が7質量%を下回る場合は、低摩擦特性が悪化し、20質量%を上回る場合は、焼結体の硬度が低くなる可能性がある。
前記錫(Sn)は、軟質の銅(Cu)及び鉄(Fe)の主材粒子の緻密化及び合金化を維持する役割を果たすと共に、焼結時、銅(Cu)と反応して液状となった後、銅−錫(Cu−Sn)間の金属間化合物を形成させて軟質の銅(Cu)を強化させる。錫(Sn)の含量は、銅の含量とも関連があり、錫(Sn)の含量は、合金の緻密化及び合金化、焼結性、強度などを考慮して、粉末の総質量に対して、1質量%〜7質量%程度であってもよい。
また、焼結体内にCu−Sn間の金属間化合物を生成させるためには、錫(Sn)を銅−錫(Cu−Sn)合金の形態で添加することが効率的である。即ち、本発明の好適な一例によれば、前記錫(Sn)は、銅と錫との合金(Cu−Sn)粉末形態で含まれることができる。前記銅と錫との合金(Cu−Sn)粉末においては、錫(Sn)の含量が25質量%〜50質量%であってもよい。
錫(Sn)は、その含量が少ないため、銅−錫合金により十分量が供給されるが、銅(Cu)は、銅−錫合金により十分量が供給されないことがあり得る。銅−錫合金により銅が十分に供給されない場合は、銅粉末を別に添加したり、銅と他の金属との合金を添加することもできる。
また、銅(Cu)粉末と銅−錫(Cu−Sn)合金粉末との合計含量が、粉末の総質量に対して、27質量%を上回ると、鉄(Fe)粒子の含量低下による硬度低下が発生することがあり、また、銅(Cu)粉末と銅−錫(Cu−Sn)合金粉末との合計含量が8質量%を下回ると、鉄(Fe)粒子の緻密化及び合金化が低下し、剛性が低下する可能性がある。したがって、銅(Cu)粉末と銅−錫(Cu−Sn)合金粉末との合計含量は、粉末の総質量に対して、8質量%〜27質量%の範囲であることが好ましい。
ニッケル(Ni)は、軸の主材料であるといえる鉄系材料との低摩擦特性に優れている。ニッケル(Ni)の含量が0.3質量%を下回る場合は、その量が十分でないため、低摩擦特性が十分に得られなくなり、4質量%を上回る場合は、鉄(Fe)と銅(Cu)及び鉄(Fe)と銅−錫(Cu−Sn)合金との緻密化及び合金化が妨げられ、焼結密度が低下することがある。なお、前記ニッケル(Ni)は、ニッケル単独成分の粉末形態で使用されてもよく、他の成分、例えば、ホウ素(B)、クロム(Cr)、シリコン(Si)などとの合金粉末の形態で使用されてもよい。合金粉末の形態で使用される場合は、焼結性が向上することがある。
ホウ素(B)は、硬度を強化させる強化粒子であるホウ化物を形成する成分である。このホウ素(B)の含量が0.01質量%を下回る場合は、ホウ化物の形成が十分に行われなくなり、0.4質量%を上回る場合は、材料自体が脆性になって、得られる焼結体の面圧特性が低下する。前記ホウ素(B)は、ホウ素(B)単独の粉末状に使用されてもよく、本発明の好適な一例によれば、焼結過程で分解してホウ素(B)を提供し得るクロム(Cr)、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)との合金粉末の形態で使用されてもよい。場合によっては、BC等の炭化物又は他のホウ化物の形態で製造されることができる。即ち、前記ホウ素(B)は、ホウ素単独、BC形態の炭化物、B−Ni形態のホウ化物、B−Cr形態のホウ化物及びB−Si形態のホウ化物からなる選択される少なくとも1つの形態で提供されてもよい。
前記炭素(C)は、通常、黒鉛として提供されてもよく、一部は炭化物として提供されてもよい。前記炭素(C)は、固体の鉄(Fe)に添加して加熱により鉄を硬化させるために添加されるものである。その含量が0.2質量%を下回ると、熱処理による固溶硬化の効果が非常に小さく、2質量%を上回ると、焼結過程において黒鉛状態で残留し、焼結に悪影響を与えることがある。
クロム(Cr)とシリコン(Si)は、前記ニッケル(Ni)及びホウ素(B)との合金を形成することで合金粉末形態で添加されることができる。
前記クロム(Cr)は、微細炭化物を形成させる元素であって、0.02質量%未満の量で添加されると、その効果が非常に小さく、0.6質量%を超えて添加されると、材料が脆性になる可能性がある。
前記シリコン(Si)は、前記ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、クロム(Cr)などと混合して合金粉末を製造する際、その溶融温度を下げる役割を果し、それで、粉末を円滑に製造するために添加される。本発明の好適な一例において、粉末製造のためには、滑り軸受け焼結用組成物の総質量に対して、0.02質量%〜0.2質量%が添加されることが好ましい。
クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、シリコン(Si)粉末は、工具鋼粉末に分類され、これらは、鉄(Fe)粒子のみからなるマトリックスのマルテンサイトに比べてより硬質な粒子であって、鉄(Fe)を主材とした合金に添加して分散させることによってマトリックスの塑性変形を低減させると共に耐磨耗性を向上させる役割を果たすことができる。なお、前記工具鋼粉末の含量範囲は、硬度上昇、耐磨耗性の効果、焼結性などを考慮して定められ、その含量が範囲を下回る場合は、硬度及び耐磨耗性の向上が十分でなく、その含量が範囲を上回る場合は、含量が大きくなるほど軸受けの相対材を攻撃する特性が大きくなり、更には、焼結性能の低下を招来する。
図2及び図3には、本発明の一例に従って焼結体の形態で製造された滑り軸受けの内部組織を金属顕微鏡で撮影した写真が示されている。同図から、前記焼結体30には、相対材である軸の主材料の鉄系合金との摩擦特性に優れたニッケル(Ni)系材質が含まれたNi−Fe系の合金31、高硬度を形成させるホウ化物32、多数の気孔34及びCu−Snの金属間化合物35が形成されていることがわかる。場合によっては、硬質合金36が含まれることがある。
前記焼結体30に形成された多数の気孔34は、潤滑油を含浸させるための空間として機能し、このような気孔は、粉末組成物の成形及び焼結過程で形成される。この気孔34に潤滑油が含浸されることで、軸受けがより優れた潤滑特性を得ることができる。このような潤滑油には、耐磨耗性極圧性添加剤を更に添加することができ、また、固体潤滑剤を更に含むことができる。このような耐磨耗性極圧性添加剤又は固体潤滑剤によって軸受けの潤滑特性を向上させることができる。
本発明の好適な一例によれば、前記滑り軸受けには、軸受けの総体積に対して、15体積%〜25体積%程度の気孔が形成されることができ、その結果、前記軸受けは、軸受けの全体積に対して、15体積%〜25体積%程度の潤滑油を含むことができる。
前記気孔が、軸受けの全体積に対して15体積%未満である場合は、十分量の潤滑油を含むことができなくなり、気孔が25体積%を超える場合は、軸受けの硬度が低下して摩擦磨耗による塑性変形が発生し、軸受けの破損が引き起こされることがある。
本発明の好適な一例によれば、潤滑油として、動粘度が40℃で80cSt〜1,000cSt、より好ましくは、80cSt〜240cSt程度の範囲を有し、150〜280の粘度指数を有するものを使用することができる。動粘度が80cStを下回ると、べたつきがひどくなって軸受けに適用した場合に潤滑油の摩擦面への流れ込みが円滑に行われない。また、粘度が1,000cStを上回ると、薄すぎて気孔内に止まらなくなる。粘度は、好ましくは、240cSt以下である。
また、本発明の滑り軸受けにおいては、含浸される潤滑油の粘度指数を高くすることにより、潤滑油の含浸された軸受け10が、過酷な環境下、例えば、3kgf/mm〜8kgf/mm程度の高表面圧及び0.5cm/sec〜8cm/sec程度の低速条件下での使用によって温度が急に上昇しても、潤滑油は、一定の粘度を維持することができる。
特に、高温条件下でも一定の粘度が維持されると、滑り軸受け10の温度が急に上昇しても滑り軸受け10の摩擦特性及び耐磨耗性の低下が発生しない。また、高温条件下でも潤滑油が一定の粘度を維持することで、軸受け10の温度が急に上昇しても潤滑油が軸受け10の気孔34から漏れ出すことがなく、一時的に漏れた場合でも気孔34に含浸されるようになる。このように、潤滑油が軸受け10の気孔34から漏れ出すことがないので、潤滑油の含浸時間が長くなり、潤滑油の給油周期を延長させることができる。
なお、前記潤滑油には、金属表面と反応して薄い被膜を形成する作用をする耐磨耗性極圧性添加剤を添加することができる。前記耐磨耗極圧性添加剤は、軸20の表面と反応して薄い被膜を形成することで、軸20と軸受け10との直接的な接触が防止される。特に、軸20と軸受け10との直接的な接触を防止することで、軸20と軸受け10との摩擦抵抗が著しく減少し、軸20と軸受け10との摩擦抵抗が著しく減少することで、軸受け10の耐磨耗性能が向上する効果が得られる。本発明では、前記耐磨耗極圧性添加剤として、例えば、ジチオリン酸亜鉛、リン酸アミン、ジチオカルバメート、硫黄化合物、リン化合物及びホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。本発明の好適な一例によれば、前記耐磨耗極圧性添加剤は、含浸される潤滑油の総体積に対して0.4体積%〜6.8体積%添加されることができる。
また、前記潤滑油には、固体潤滑剤を更に含むことができる。前記固体潤滑剤は、粒子結晶自体の内部滑り性、粒子間の滑り性及び粒子と摩擦面との滑り性などによって潤滑作用を行い得る固体粉末又は鱗状固体状態の潤滑剤である。このような固体潤滑剤としては、例えば、黒鉛、二硫化モリブデン(MoS)のような硫化物系又はポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標)などのような樹脂系のものが挙げられ、これらのいずれか1つ以上を選択して使用することができる。なお、このような固体潤滑剤の効果を得るためには、含浸される潤滑油の総体積に対して1.5体積%〜25体積%の固体潤滑剤を添加することが好ましい。
本発明の滑り軸受けを製造するための製造工程については、図4に基づいて説明する。
先ず、滑り軸受け組成物用粉末を用意する。具体的には、全質量に対して、銅(Cu)7質量%〜20質量%、錫(Sn)1質量%〜7質量%、炭素(C)0.2質量%〜2.0質量%、ニッケル(Ni)0.3質量%〜4質量%、ホウ素(B)0.01質量%〜0.4質量%及び残量の鉄(Fe)を粉末状にして用意する。
必要によっては、前記粉末の総質量に対して、クロム(Cr)0.02質量%〜0.6質量%、モリブデン(Mo)0.05質量%〜0.5質量%、バナジウム(V)0.01質量%〜0.3質量%、タングステン(W)0.05質量%〜0.5質量%、マンガン(Mn)0.01質量%〜0.05質量%及びシリコン(Si)0.02質量%〜0.2質量%からなる群から選択される少なくとも1つの粉末を更に用意して使用することができる。
上記の成分としては、市販の粉末状製品を使用することができる。なお、この粉末製品は、それぞれの成分を別に購入して使用してもよく、合金形態の粉末を使用してもよい。合金形態の粉末を使用する場合、合金に含まれた各成分の含量を考慮して各構成成分の含量を計算する必要がある。
例えば、Ni、Si、B及びCrは、2つ以上の成分の合金となっている種々の市販の粉末状合金製品を使用することができる。錫(Sn)としては、粉末状のCu−Sn合金を使用することができ、場合によっては、Cr、Mo、V、W、Mn、Siが更に添加された合金形態の粉末状製品を使用することもできる。
このように調製した粉末を、湿式又は乾式混合法を用いて混合した後(S20)、加圧工程において成形体を製造する(S30)。
なお、前記成形体の形状としては、特に制限はなく、スライドする相対材の形状に合わせて成形すればよい。例えば、ブッシュ型滑り軸受けを製造する場合は、環状のブッシュ形態で成形体を製造することができる。但し、製品の特性上、気孔率が15%〜25%となり得るように加圧する必要がある。この時、適用される加圧圧力は、300kg/cm〜5,000kg/cmである。
次に、前記成形体は、酸化を防止するため、真空又はガス雰囲気下で1,000℃〜1,150℃の温度で15分間〜50分間加熱して焼結することにより、焼結体を製造する(S40)。
次に、得られた焼結体を、浸炭熱処理、窒化熱処理及び高周波熱処理からなる群から選択される少なくとも1つの熱処理方法で微細組織を硬化させる(S50)。
次いで、硬化された前記焼結体に潤滑油を真空含浸させる(S60)。
本発明によって焼結体の形態で製造された滑り軸受けは、高表面圧及び高温の条件下においても、塑性変形の防止及び低摩擦特性が維持されるため、給油周期が延長されることができる。
また、前記焼結体を内径部とし、外径部を金属系母材と接合した状態で使用しても、ピン又はシャフトと接触する箇所が同様な焼結体である場合、同様な効果が得られる。
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明をより詳しく説明する。
<実施例1〜3及び比較例1〜7> 滑り軸受けの製造
下記の表1に示す組成で滑り軸受け用組成物粉末を用意し、ステアリン酸系の潤滑剤を用いて粉末を混合した後、3,000kg/cmの圧力で加圧して環状のブッシュ型成形体を製造した。表1に記載の成分粉末は、いずれも市販品を使用した。例えば、鉄粉末としては、ホガナス(Hoganas)社製の粉末、銅と銅−錫合金(Cu30Sn;錫が30質量%含有された銅−錫合金)としては、(株)昌星製の粉末、Cとしては、市販の黒鉛製品、NiとBは、ホガナス社製のB−Ni製品、Si、Cr、Mo、V、W、Mnは、工具鋼粉末を使用した。
この時、実施例1〜3及び比較例1〜7の成形体を2つずつ製造し、それぞれグループ1とグループ2とに区分した。
次いで、前記成形体をガス雰囲気の炉で1,100℃の温度で25分間同様に加熱して焼結することで焼結体を製造した。1,100℃の焼結温度及び維持時間は、実施例1〜3及び比較例1〜7のいずれの試料に対しても適合した。
この時、前記1,100℃の温度で焼結した後、前記実施例1〜3及び比較例1〜7の焼結体をそれぞれ2グループに分け、1つのグループでは、900℃で浸炭熱処理を施し、もう1つのグループでは浸炭熱処理を施さなかった。
<試験例1> 硬度測定
上記の実施例1〜3及び比較例1〜7で製造したブッシュ型軸受けに対して硬度を測定した。硬度の測定は、通常の焼結体の硬度測定に使用される硬度測定器を用いて行った。なお、前記実施例1〜3及び比較例1〜7において、焼結後、900℃で浸炭熱処理を行ったグループと前記浸炭熱処理を行わなかったグループとを別々に硬度測定を行った。その結果を表2に示す。
比較例1では、従来の組成でFeのマトリックスを強化させる合金ではあるが、Cuを強化させるSnが含まれていないため、硬度が非常に低い。
比較例2では、従来の組成にNiとBの粉末が含まれているが、Bの拡散によるホウ化物の形成で、硬度が比較例1に比べては向上したが、Snが含まれていないため、硬度上昇幅が非常に小さい。
比較例3では、Cu−Sn合金粉末及びNiとBとの粉末が含まれているが、Cu−Sn合金の量が多すぎるため、Feの含量が低くなり、結果として硬度が低下した。
比較例4では、Cu−Sn合金粉末及びNiとBとの粉末が含まれていて硬度が上昇したが、Niの含量が低く、Ni−Bの混合量が少ないため、硬度の上昇幅が小さい。
比較例5では、Cu−Sn合金粉末及びNiとBとの粉末が含まれていて硬度が上昇したが、NiとBの含量が高いため、気孔の形成が十分でなく、脆性が発生した。
比較例6では、Cu−Sn合金粉末と、Cr、Mo、V、W、Mn及びSiの粉末とが含まれていて硬度が上昇したが、NiとBが含まれていないため、硬度の上昇は小さい。
比較例7では、Cu−Sn合金粉末及びNiとBとの粉末に加え、Cr、Mo、V、W、Mn及びSiの粉末が含まれていて硬度が上昇したが、Cr、Mo、V、W及びMn含量が多すぎるため、焼結性が低下し、結果として気孔の形成が十分でなかった。
以上のように、本発明に係る実施例1〜3では、各粉末の特性が発揮され、比較例1〜7に比べて優れた硬度及び適切な気孔が得られた。
また、上記の試験結果から分かるように、浸炭熱処理前に比べて浸炭熱処理後は、遥かに優れた硬度が得られる。したがって、本発明の組成では、浸炭熱処理工程のような硬化熱処理を行った後は、荷重支え力に優れながらも高表面圧でも塑性変形が防止できることが分かる。
<試験例2> 摩擦磨耗特性試験
上記の実施例1〜3及び比較例1〜7で製造されたブッシュ型滑り軸受けに対して摩擦磨耗特性試験を行った。前記摩擦磨耗特性試験は、上記で得られた軸受けをブッシュとして使用し、その内部にピンを取り付けて試験を行う専用試験機を用いて摩擦係数を測定した。焼着現象が発生し、摩擦係数が0.3以上となる周期を給油周期と設定した。また、磨耗量は、試験完了後、軸受け内部の表面粗さを測定して高さ差異で評価した。
摩擦磨耗特性試験は、前記実施例1〜3及び比較例1〜7で製造されたグループのうち、焼結後、900℃で浸炭熱処理を行ったグループのみに対して行った。具体的に、試験条件として、高表面圧条件は、通常のブッシュ使用条件である、2kg/cm〜5kg/cmより高い10kg/cmの圧力を維持しながら行った。速度は、5cm/secにした。使用温度は、グリースの粘度を一定に維持した状態で、効果を把握するため、50℃に維持した。グリースとしては、リチウム系のグリースを用いて、試験前に1回のみ注入した。
表3には、上記の試験条件で焼結体自体の磨耗量と給油周期を評価するため、潤滑油を含浸しないで行った試験結果が示されている。
表4には、上記の試験条件において、潤滑油の含浸、耐磨耗性極圧性添加剤及び固体潤滑剤の使用による試験結果が示されている。本試験において、潤滑油としては、動粘度221cSt及び600cStの鉱油を使用し、耐磨耗性極圧性添加剤としては、ジチオリン酸亜鉛を、固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン(MoS)を使用した。
上記の表3及び4に示す試験結果によれば、本発明に係る軸受けでは、従来の軸受けである比較例1などの軸受けに比べて遥かに優れた耐磨耗特性を示し、給油周期が長くなり、給油周期向上の効果が得られた。
特に、表4から分かるように、実施例1と比較例1との試験結果を比較すると、比較例1の軸受けは、潤滑油、耐磨耗性極圧性添加剤及び固体潤滑剤が添加されているにもかかわらず、潤滑油、耐磨耗性極圧性添加剤及び固体潤滑剤が添加されていない本発明の実施例1で製造された軸受けに比べて、給油周期が短い。
また、本発明の実施例1では、潤滑油、耐磨耗性極圧性添加剤及び固体潤滑剤を添加した場合、給油周期が長くなった。なお、添加される潤滑油としては、合成油と耐磨耗極圧性添加剤としてリン酸アミン、ジチオカルバメート及び硫黄化合物、並びに固体潤滑剤として黒鉛(C)など、上記の成分の他、他の成分によっても効果が得られることはいうまでもない。
したがって、本発明に係る軸受け焼結体によって製造された軸受けを使用すると、鉄系材質である軸との摩擦特性が改善されると共に、焼結体のマトリックスであるFe粒子には、高強度のホウ化物が形成され、Cuには、Cu−Sn金属間化合物が形成され、これによって、高表面圧でも塑性変形が防止される。また、硬質合金を一定量添加する場合、他の組成との組み合わせで硬度及び摩擦性能を更に向上することができる。
本発明は、滑り軸受けの製造に適用され、本発明に係る軸受けは、種々の機械に適用できる。
10 軸受け
11 内径部
12 ボディ
20 軸
30 焼結体
31 Ni−Fe系合金
32 ホウ化物
33 Cu
34 気孔
35 Cu−Snの金属間化合物
36 軟質合金

Claims (11)

  1. 全質量に対して、銅(Cu)7質量%〜20質量%、錫(Sn)1質量%〜7質量%、炭素(C)0.2質量%〜2.0質量%、ニッケル(Ni)0.3質量%〜4質量%、ホウ素(B)0.01質量%〜0.4質量%及び残量の鉄(Fe)を含む滑り軸受け用組成物を焼結して形成される滑り軸受け。
  2. 滑り軸受けが、内径部を備えたボディを有し、前記内径部に軸が回転できるように挿入される、ブッシュ型のものである請求項1に記載の滑り軸受け。
  3. 滑り軸受け用組成物が、全質量に対して、クロム(Cr)0.02質量%〜0.6質量%、モリブデン(Mo)0.05質量%〜0.5質量%、バナジウム(V)0.01質量%〜0.3質量%、タングステン(W)0.05質量%〜0.5質量%、マンガン(Mn)0.01質量%〜0.05質量%及びシリコン(Si)0.02質量%〜0.2質量%からなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項1に記載の滑り軸受け。
  4. 滑り軸受け用組成物において、錫(Sn)を銅−錫の合金(Cu−Sn)粉末状で含み、前記銅−錫合金における前記錫の含量が、20質量%〜50質量%である請求項1から3のいずれかに記載の滑り軸受け。
  5. 滑り軸受けが、全体積に対して、15体積%〜25体積%の気孔を内部に有する請求項1に記載の滑り軸受け。
  6. 気孔が潤滑油を含浸し、前記潤滑油が、40℃で80cSt〜240cSt範囲の動粘度と150〜280の粘度指数を有する請求項5に記載の滑り軸受け。
  7. 潤滑油が、ジチオリン酸亜鉛、リン酸アミン、ジチオカルバメート、硫黄化合物、リン化合物及びホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の耐磨耗性極圧性添加剤を、潤滑油の総体積に対して0.4体積%〜6.8体積%含む請求項6に記載の滑り軸受け。
  8. 潤滑油が、黒鉛、二硫化モリブデン(MoS)、ポリテトラフルオロエチレン及びテフロン(登録商標)からなる群から選択される少なくとも1種の固体潤滑剤を、潤滑油の総体積に対して、1.5体積%〜25体積%含む請求項6又は7に記載の滑り軸受け。
  9. 全質量に対して、銅(Cu)7質量%〜20質量%、錫(Sn)1質量%〜7質量%、炭素(C)0.2質量%〜2.0質量%、ニッケル(Ni)0.3質量%〜4質量%、ホウ素(B)0.01質量%〜0.4質量%及び残量の鉄(Fe)を含む滑り軸受け用組成物粉末を調製し;
    前記粉末を混合し;
    前記混合した粉末を加圧して軸挿入用の内径部を備えたブッシュ型軸受けの加圧成形体を製造し;
    前記加圧成形体を、1,000℃〜1,150℃の温度で15分間〜50分間加熱しながら焼結して焼結体を形成し;
    浸炭熱処理、窒化熱処理及び高周波熱処理からなる群から選択される少なくとも1つの熱処理方法で前記焼結体を熱処理して微細組織を硬化させ;そして
    硬化された前記焼結体に潤滑油を含浸させることを含むブッシュ型滑り軸受けの製造方法。
  10. 滑り軸受け用組成物が、全質量に対して、クロム(Cr)0.02質量%〜0.6質量%、モリブデン(Mo)0.05質量%〜0.5質量%、バナジウム(V)0.01質量%〜0.3質量%、タングステン(W)0.05質量%〜0.5質量%、マンガン(Mn)0.01質量%〜0.05質量%及びシリコン(Si)0.02質量%〜0.2質量%からなる群から選択された少なくとも1種の粉末を更に含む請求項9に記載の滑り軸受けの製造方法。
  11. 滑り軸受け用組成物が、錫(Sn)を銅−錫合金(Cu−Sn)粉末状で含み、前記銅−錫合金における前記錫の含量が、20質量%〜50質量%である請求項9又は10に記載の滑り軸受けの製造方法。
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