JP2002332484A - 光応答性材料 - Google Patents

光応答性材料

Info

Publication number
JP2002332484A
JP2002332484A JP2001138757A JP2001138757A JP2002332484A JP 2002332484 A JP2002332484 A JP 2002332484A JP 2001138757 A JP2001138757 A JP 2001138757A JP 2001138757 A JP2001138757 A JP 2001138757A JP 2002332484 A JP2002332484 A JP 2002332484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
aromatic compound
substituent
ring
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001138757A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensuke Morita
健介 森田
Ken Kawada
憲 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001138757A priority Critical patent/JP2002332484A/ja
Publication of JP2002332484A publication Critical patent/JP2002332484A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 感度が高く、光照射による複屈折の変化が大
きい光応答性材料を提供する。 【解決手段】 一般式Iの四環系芳香族化合物を含む光
応答性材料: [LおよびLは独立に−CH=CH−または−C≡
C−であり;Lは単結合、−CH−CH−、−C
H=CH−または−C≡C−であり;ベンゼン環A、
B、CおよびDの一つ以上は、置換基を有し、一つ以上
の置換基はスルホ、カルボキシルまたはそれらの塩であ
り、二つの置換基が結合して環を形成してもよい]。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光に応答して複屈
折に差を生じ、複屈折の差を画像形成に利用できる光応
答性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光照射による二重結合の異性化や二量化
のような光に応答する化学反応を利用して、リオトロピ
ック液晶の状態を変化させた例が知られている。例え
ば、Langmuir(1996年),12(20)、p4960−4965には、光
反応性を有しない化合物からなるリオトロピック液晶に
光反応性化合物を添加し、光照射することによって、リ
オトロピック液晶の相転移温度を変化させられることが
報告されている。また、繊維学会誌(1990年)、46
(4)、p150−154に、側鎖に光反応性の基を導入した高分
子化合物からなるリオトロピック液晶の性質が、UV光
照射によって変化することが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で提案され
ている光応答性材料は、光に対する感度が低い。また、
光照射による複屈折の変化が小さく、画像形成に利用す
るには不充分であった。本発明の目的は、感度が高く、
光照射による複屈折の変化が大きい光応答性材料を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(6)の光応答性材料により達成された。
(1)式(I)で表される四環系芳香族化合物を含むこ
とを特徴とする光応答性材料:
【0005】
【化5】
【0006】[式中、L1 およびL3 は、それぞれ独立
に、−CH=CH−または−C≡C−であり;L2 は、
単結合、−CH2 −CH2 −、−CH=CH−または−
C≡C−であり;そして、ベンゼン環A、B、Cおよび
Dの少なくとも一つは、置換基を有し、少なくとも一つ
の置換基は、スルホ、カルボキシルまたはそれらの塩で
あり、二つの置換基が結合して環を形成していてもよ
い]。(2)式(I)で表される四環系芳香族化合物が
リオトロピック液晶性を示す(1)に記載の光応答性材
料。(3)式(I)で表される四環系芳香族化合物に加
えて、リオトロピック液晶を含む(1)に記載の光応答
性材料。(4)四環系芳香族化合物が、式(II)で表さ
れる(1)に記載の光応答性材料:
【0007】
【化6】
【0008】[式中、L2 は、単結合、−CH2 −CH
2 −、−CH=CH−または−C≡C−であり;そし
て、ベンゼン環A、B、CおよびDの少なくとも一つ
は、置換基を有し、少なくとも一つの置換基は、スル
ホ、カルボキシルまたはそれらの塩であり、二つの置換
基が結合して環を形成していてもよい]。(5)四環系
芳香族化合物が、式(III)で表される(4)に記載の光
応答性材料:
【0009】
【化7】
【0010】[式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
に、スルホ、カルボキシルまたはそれらの塩であり;そ
して、ベンゼン環A、B、CおよびDは、さらに置換基
を有してもよく、二つの置換基が結合して環を形成して
いてもよい]。(6)四環系芳香族化合物が、式(IV)
で表される(5)に記載の光応答性材料:
【0011】
【化8】
【0012】[式中、Mは、カチオンであって、Mが解
離していてもよく;そして、ベンゼン環A、B、Cおよ
びDは、さらに置換基を有していてもよく、二つの置換
基が結合して環を形成していてもよい]。
【0013】
【発明の実施の形態】式(I)の四環系芳香族化合物
は、リオトロピック液晶中で用いることが好ましい。四
環系芳香族化合物自体がリオトロピック液晶性を有する
ことが好ましい。四環系芳香族化合物がリオトロピック
液晶性を有しない場合には、他のリオトロピック液晶性
化合物と併用しても良い。併用するリオトロピック液晶
性化合物としては、例えば、分子の両端にそれぞれ親水
性基と疎水性基を有する「両親媒性化合物」、水溶性が
付与された芳香環を有する「クロモニック化合物」、セ
ルロース誘導体、ポリペプチド、核酸など主鎖が棒状骨
格を有する「高分子化合物」を用いることができる(液
晶便覧頁、特開平10−333154号公報、Mol.Crys
t..Liq.Cryst.,1993Vol.225,293-310参照)。四環系芳
香族化合物を用いて形成するリオトロピック液晶は、水
溶液または有機溶媒(例、DMF)の溶液の状態で、光
応答性材料の作製に用いることができる。有機溶媒溶液
よりも水溶液の方が好ましい。
【0014】
【化9】
【0015】式(I)において、L1 およびL3 は、そ
れぞれ独立に、−CH=CH−または−C≡C−であ
る。L1 およびL3 は、それぞれ、−CH=CH−であ
ることが好ましい。−CH=CH−の二重結合は、シス
型よりもトランス型の方が好ましい。
【0016】式(I)において、L2 は、単結合、−C
2 −CH2 −、−CH=CH−または−C≡C−であ
る。L2 は、単結合、−CH=CH−または−C≡C−
であることが好ましく、単結合または−CH=CH−で
あることがさらに好ましく、−CH=CH−であること
が最も好ましい。−CH=CH−の二重結合は、シス型
よりもトランス型の方が好ましい。
【0017】式(I)において、ベンゼン環A、B、C
およびDの少なくとも一つは、置換基を有する。置換基
の例には、ハロゲン原子、アミノ、ヒドロキシル、スル
ホ(およびその塩)、カルボキシル(およびその塩)、
ホスフィニル(およびその塩)、ホスホノ(およびその
塩)、ホスフィニルオキシ(およびその塩)、ホスホノ
オキシ(およびその塩)、カルバモイル、スルファモイ
ル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO
−R、−O−CO−R、−CO−O−R、−NH−CO
−R、−CO−NH−R、−SO−R、−SO2 −R、
−NH−SO2−R、−SO2 −NH−R、−NH−R
および−NR−NH−Rが含まれる。Rは、脂肪族基、
芳香族基または複素環基である。
【0018】本明細書において、脂肪族基は、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基および置換アルキニル基を含む。脂肪
族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。
脂肪族基の炭素原子数は、1乃至15であることが好ま
しく、1乃至10であることがさらに好ましい。置換ア
ルキル基、置換アルケニル基および置換アルキニル基の
置換基の例には、ハロゲン原子、アミノ、ヒドロキシ
ル、スルホ(およびその塩)、カルボキシル(およびそ
の塩)、ホスフィニル(およびその塩)、ホスホノ(お
よびその塩)、ホスフィニルオキシ(およびその塩)、
ホスホノオキシ(およびその塩)、カルバモイル、スル
ファモイル、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−
R、−O−CO−R、−CO−O−R、−NH−CO−
R、−CO−NH−R、−SO−R、−SO2 −R、−
NH−SO2 −R、−SO2 −NH−R、−NH−Rお
よび−NR−NH−Rが含まれる。Rは、脂肪族基、芳
香族基または複素環基である。置換アルキル基には、エ
ポキシアルキル基も含まれる。
【0019】本明細書において、芳香族基は、アリール
基と置換アリール基とを含む。アリール基および置換ア
リール基のアリール部分は、フェニルまたはナフチルで
あることが好ましく、フェニルであることがさらに好ま
しい。置換アリール基の置換基の例には、ハロゲン原
子、アミノ、ヒドロキシル、スルホ(およびその塩)、
カルボキシル(およびその塩)、ホスフィニル(および
その塩)、ホスホノ(およびその塩)、ホスフィニルオ
キシ(およびその塩)、ホスホノオキシ(およびその
塩)、カルバモイル、スルファモイル、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−O−CO−
R、−CO−O−R、−NH−CO−R、−CO−NH
−R、−SO−R、−SO2 −R、−NH−SO2
R、−SO2 −NH−R、−NH−Rおよび−NR−N
H−Rが含まれる。Rは、脂肪族基、芳香族基または複
素環基である。本明細書において、複素環基は、無置換
の複素環基と置換複素環基とを含む。複素環基の複素環
は、芳香族性を有することが好ましい。芳香族性複素環
は不飽和複素環であって、一般に最多二重結合を有す
る。複素環は、5員環または6員環であることが好まし
い。複素環に、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が
縮合していてもよい。置換複素環基の置換基の例は、置
換アリール基の置換基の例と同様である。
【0020】式(I)において、少なくとも一つの置換
基は、スルホ、カルボキシルまたはそれらの塩である。
スルホおよびカルボキシルは、プロトンが解離していて
もよい。スルホまたはカルボキシルと塩を形成するカチ
オンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン
(例、カルシウムイオン)、アンモニウムイオンおよび
有機アンモニウムイオン(1級〜3級アミンのイオンお
よび4級アンモニウムイオン)が含まれる。アルカリ金
属イオンが特に好ましい。スルホ、カルボキシルまたは
それらの塩である置換基の数は、二個、四個または六個
であることが好ましく、二個または四個であることがさ
らに好ましい。
【0021】式(I)において、ベンゼン環A、B、C
およびDの少なくとも二つが置換基を有することが好ま
しい。また、少なくとも二つの置換基がスルホ、カルボ
キシルまたはそれらの塩であることも好ましい。式
(I)において、ベンゼン環BおよびCが、それぞれ、
スルホ、カルボキシルまたはそれらの塩で置換されてい
ることも好ましく、ベンゼン環BおよびCが、それぞ
れ、スルホまたはその塩で置換されていることがさらに
好ましい。ベンゼン環BおよびCの置換位置は、L2
結合している炭素原子の隣の炭素原子(L2 に対してo
−位)であることが特に好ましい。
【0022】芳香族化合物の用途によっては、重合性基
をベンゼン環A、B、CおよびDの置換基として導入す
ることが好ましい場合もある。重合性基としては、アル
ケニル基、置換アルケニル基およびエポキシアルキル基
が好ましく、アルケニル基および置換アルケニル基がさ
らに好ましい。重合性基を導入する場合は、少なくとも
二つの重合性基をベンゼン環A、B、CおよびDの置換
基とすることが好ましい。
【0023】式(I)において、二つの置換基が結合し
て環を形成していてもよい。形成する環は、ベンゼン環
(A、B、CまたはD)の縮合環となることが好まし
い。形成する環には、芳香族環、脂肪族環および複素環
が含まれる。形成する環は、芳香族環であることが好ま
しく、ベンゼン環であることがさらに好ましい。ただ
し、二つの置換基は結合しない(環を形成しない)方が
好ましい。
【0024】好ましい四環系芳香族化合物を、下記式
(II)で表す。
【0025】
【化10】
【0026】式(II)において、L2 は、単結合、−C
2 −CH2 −、−CH=CH−または−C≡C−であ
る。L2 は、単結合、−CH=CH−または−C≡C−
であることが好ましく、単結合または−CH=CH−で
あることがさらに好ましく、−CH=CH−であること
が最も好ましい。−CH=CH−の二重結合は、シス型
よりもトランス型の方が好ましい。
【0027】式(II)において、ベンゼン環A、B、C
およびDの少なくとも一つは、置換基を有る。置換基の
定義および例は、式(I)と同様である。式(II)にお
いて、少なくとも一つの置換基は、スルホ、カルボキシ
ルまたはそれらの塩である。スルホ、カルボキシルおよ
びそれらの塩の定義は、式(I)と同様である。式(I
I)において、二つの置換基が結合して環を形成してい
てもよい。形成する環の定義は、式(I)と同様であ
る。
【0028】より好ましい四環系芳香族化合物を、下記
式(III)で表す。
【0029】
【化11】
【0030】式(III)において、R1 およびR2 は、そ
れぞれ独立に、スルホ、カルボキシルまたはそれらの塩
である。スルホ、カルボキシルおよびそれらの塩の定義
は、式(I)と同様である。式(III)において、ベンゼ
ン環A、B、CおよびDは、さらに置換基を有してもよ
い。置換基の定義および例は、式(I)と同様である。
式(III)において、二つの置換基が結合して環を形成し
ていてもよい。形成する環の定義は、式(I)と同様で
ある。
【0031】さらに好ましい四環系芳香族化合物を、下
記式(IV)で表す。
【0032】
【化12】
【0033】式(IV)において、Mは、カチオンであっ
て、Mが解離していてもよい。カチオンの定義および例
は、式(I)におけるスルホまたはカルボキシルと塩を
形成するカチオンと同様である。式(IV)において、ベ
ンゼン環A、B、CおよびDは、さらに置換基を有して
いてもよい。置換基の定義および例は、式(I)と同様
である。式(IV)において、二つの置換基が結合して環
を形成していてもよい。形成する環の定義は、式(I)
と同様である。
【0034】以下に、式(I)で表される四環系芳香族
化合物の例を示す。
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】
【化21】
【0044】
【化22】
【0045】
【化23】
【0046】
【化24】
【0047】
【化25】
【0048】
【化26】
【0049】
【化27】
【0050】
【化28】
【0051】
【化29】
【0052】
【化30】
【0053】
【化31】
【0054】
【化32】
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
【0057】
【化35】
【0058】式(I)で表される四環系芳香族化合物
は、例えば、下記式(V)で表されるスチレン、エチニ
ルベンゼンまたはそれらの誘導体と、下記式(VI)で表
される4,4’−ジハロゲノビフェニル、ジ(4−ハロ
ゲノフェニル)エタン、ジ(4−ハロゲノフェニル)エ
チレン、ジ(4−ハロゲノフェニル)アセチレンまたは
それらの誘導体とを反応させることによって合成でき
る。
【0059】
【化36】
【0060】式(V)において、L1 は、−CH=CH
−または−C≡C−である。式(V)において、ベンゼ
ン環Aは、置換基を有していてもよい。ベンゼン環Aの
置換基については、式(I)におけるベンゼン環Aおよ
びDの置換基と同様である。式(VI)において、L
2 は、単結合、−CH2 −CH2 −、−CH=CH−ま
たは−C≡C−である。式(VI)において、ベンゼン環
BおよびCは、置換基を有していてもよい。ベンゼン環
BおよびCの置換基については、式(I)におけるベン
ゼン環BおよびCの置換基と同様である。式(VI)にお
いて、Xは、ハロゲン原子である。
【0061】式(VI)の化合物に対して、式(V)の化
合物を2倍モル量用いることで、同一の置換基を二つ導
入することができる。また、式(VI)の化合物の一つの
ハロゲン原子だけを式(V)の化合物で置換し、得られ
た化合物を単離し、別の式(V)の化合物で残ったハロ
ゲン原子を置換してもよい。
【0062】芳香環に結合したハロゲン原子をsp2炭
素またはsp結合炭素で置換する反応は、広く知られて
いる。上記の反応もその応用である。パラジウム化合物
を触媒として用い、塩基存在下で反応を進行させること
が好ましい。反応溶媒としては、有機溶媒(例、酢酸エ
チル、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチレングリコール、エチレングリコールジメチ
ルエーテル)または無機溶媒(例、水)が用いられる。
反応溶媒の使用量は、質量比で、式(VI)の化合物の1
倍から50倍が好ましい。
【0063】塩基の例には、炭酸カリウム、水酸化ナト
リウム、ピペリジン、ピリジン、トリエチルアミンが含
まれる。塩基が液体の場合は、液体塩基が反応溶媒とし
て機能することもできる。塩基の使用量は、モル比で式
(VI)の化合物の1倍から10倍が好ましい。ただし、
液体塩基を反応溶媒として機能させる場合には、さらに
多くの量を使用することができる。触媒として用いるパ
ラジウム化合物の例には、(Ph3 P)2 PdCl2
Pd(PPh3 4 、Pd−CおよびPd(OAc)2
が含まれる。上記Phはフェニル、Acはアセチルであ
る。一価の銅化合物(例、CuI、CuBr)や有機リ
ン化合物(例、トリフェニルホスフィン)を添加する
と、反応が良好に進行する場合もある。触媒や他の添加
剤の使用量は、式(VI)の化合物の0.1乃至100モ
ル%であることが好ましい。反応温度は、20乃至12
0℃であることが好ましい。反応時間は、6分乃至10
0時間であることが好ましい。
【0064】上記の反応で合成した化合物に対して、さ
らに反応(例えば、置換基の付加反応)を実施してもよ
い。また、対イオンを加えて塩を形成することもでき
る。
【0065】前記式(V)で表されるスチレン、エチニ
ルベンゼンまたはそれらの誘導体は、ハロゲノベンゼン
またはその誘導体と、エチレン、アセチレンまたはそれ
らの誘導体とを反応させ、必要に応じて脱保護すること
により、合成することができる。
【0066】前記式(VI)で表される4,4’−ジハロ
ゲノビフェニル、ジ(4−ハロゲノフェニル)エタン、
ジ(4−ハロゲノフェニル)エチレン、ジ(4−ハロゲ
ノフェニル)アセチレンまたはそれらの誘導体は、下記
式(VII)で表される4,4’−ジアミノビフェニル、ジ
(4−アミノフェニル)エタン、ジ(4−アミノフェニ
ル)エチレン、ジ(4−アミノフェニル)アセチレンま
たはそれらの誘導体に対して、ザンドマイヤー反応を行
うことによって合成することができる。
【0067】
【化37】
【0068】式(VII)において、L2 は、単結合、−C
2 −CH2 −、−CH=CH−または−C≡C−であ
る。式(VII)において、ベンゼン環BおよびCは、置換
基を有していてもよい。ベンゼン環BおよびCの置換基
については、式(I)におけるベンゼン環BおよびCの
置換基と同様である。
【0069】四環系芳香族化合物(23)は、公知の方
法(例えば、Z. Electrocchem. Angew. Phys. Chem.;
9; 1903年,p416-419, Helv. Chim. Acta.; 9; 1926年;p
949記載)に従い、環外に単結合を有するアミンを合成
し、その後、後述する実施例1と同様の反応を行うこと
により合成できる。四環系芳香族化合物(37)は、公
知の方法(例えば、J. Chem. Soc.; 93;1908年;p1724記
載)に従い、環外に二重結合を有するニトロ体を合成し
て還元し、その後、後述する実施例1と同様の反応を行
うことにより四環系芳香族化合物(37)を合成でき
る。四環系芳香族化合物(38)は、公知の方法(例え
ば、J. Amer. Chem. Soc.;46;1924年;p1921記載)に従
い、環外に単結合を有するニトロ体を合成して還元し、
その後、後述する実施例1と同様の反応を行うことによ
り合成できる。四環系芳香族化合物(39)は、公知の
方法(例えば、J. Chem. Soc.; 93;1908年;p1724記載)
に従い、環外に二重結合を有するニトロ体を合成して還
元し、その後、後述する実施例1と同様の反応を行うこ
とにより四環系芳香族化合物(39)を合成した。
【0070】
【実施例】[実施例1] 四環系芳香族化合物(1)の合成 水64mlに水酸化ナトリウム2.16g(54ミリモ
ル)を溶解させ、さらに下記の化合物(a)10g(2
7ミリモル)を加えて溶解させた。なお、化合物(a)
は、アニリン誘導体として市販の試薬である。40質量
%臭化水素酸20mlを加え氷冷した。30分後、亜硝
酸ナトリウム3.72g(54ミリモル)を水16ml
溶解させたものを加えて、氷冷しながら2時間攪拌し
た。臭化銅10.14g(70.2ミリモル)を40質
量%臭化水素酸56mlに加えて70℃で攪拌している
ところへ、上の反応液を滴下した。発泡がおさまったら
放冷し、結晶を慮取して、水洗いして、下記の化合物
(b)6.8g(13.6ミリモル)を得た。
【0071】
【化38】
【0072】化合物(b)3g(6ミリモル)とエチニ
ルベンゼン1.98マイクロリットル(18ミリモル)
をジメチルホルムアミド(DMF)18mlに加え、窒
素気流下で攪拌した。(Ph3 P)2 PdCl2 210
mg(0.30ミリモル)とヨウ化銅(I)114mg
(0.6ミリモル)およびトリエチルアミン7mlを加
え、窒素気流の代わりに窒素風船を接続して90℃のオ
イルバス中で、10時間攪拌した。放冷後、反応液に1
N塩酸水を加えて、酸性にし、セファデックスカラムで
生成して、水2分子を含む四環系芳香族化合物 (1)
1.4g(2.4ミリモル)を得た。1 HNMR(重DMSO):δ=8.22(s、2
H)、7.97(s、2H)、7.71(d、2H)、
7.69〜7.53(m、6H)、7.53〜7.39
(m、6H) 元素分析:H4.59%(理論値4.20%)、C6
1.72%(理論値62.49%)、N0.3%以下
(理論値0%)
【0073】[実施例2] 四環系芳香族化合物(9)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(9)を
合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.19(s、2
H)、7.97(s、2H)、7.65(d、2H)、
7.60〜7.40(br、6H)、6.90〜7.0
0(m、4H)、4.09(q、4H)、1.37
(t、6H)
【0074】[実施例3] 四環系芳香族化合物(10)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(10)
を合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.19(s、2
H)、7.90(s、2H)、7.61(d、2H)、
7.50(m、3H)、7.40(t、2H)、7.1
1(d、2H)、6.99(t、2H)、3.90
(s、6H)
【0075】[実施例4] 四環系芳香族化合物(11)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(11)
を合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.20(s、2
H)、7.95(s、2H)、7.66(d、2H)、
7.51(m、6H)、6.96(d、4H)、3.8
1(s、6H)
【0076】[実施例5] 四環系芳香族化合物(12)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(12)
を合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.20(s、2
H)、7.91(s、2H)、7.68(d、2H)、
7.55(d、2H)、7.33(t、2H)、7.1
4(m、4H)、6.98(d、2H)、3.81
(s、6H)
【0077】[実施例6] 四環系芳香族化合物(13)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(13)
を合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.20(s、2
H)、7.91(s、2H)、7.67(d、2H)、
7.51(m、6H)、7.25(d、4H)、2.6
0(t、4H)、1.59(m、4H)、1.40〜
1.20(m、8H)、0.89(t、6H)
【0078】[実施例7] 四環系芳香族化合物(14)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(14)
を合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.22(s、2
H)、7.99(s、2H)、7.83(d、4H)、
7.77(d、4H)、7.70(d、2H)、7.5
9(d、2H)
【0079】[実施例8] 四環系芳香族化合物(15)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(15)
を合成した。1 HNMR(重DMSO):δ=8.25(s、2
H)、8.23(s、2H)、8.15〜7.82
(m、8H)、7.82〜7.40(m、10)
【0080】[実施例9] 四環系芳香族化合物(16)の合成 実施例1と同様の方法で、四環系芳香族化合物(16)
を合成した。1 HNMR(重水):δ=8.04(s、2H)、7.
94(s、2H)、7.86(d、2H)、7.80〜
7.55(m、10H)
【0081】[実施例10] 四環系芳香族化合物(21)の合成 公知の方法(例えば、Z. Electrocchem. Angew. Phys.
Chem.; 9; 1903, 416-419, Helv. Chim. Acta.; 9; 192
6,949 記載)に従い、環外に三重結合を有するアミンを
合成し、その後、実施例1と同様の反応を行うことによ
り四環系芳香族化合物(21)を合成した。
【0082】[実施例11] 四環系芳香族化合物(4)の合成 酢酸カリウム200mg(2.0ミリモル)をメタノー
ル5mlに溶解し、攪拌しながら四環系芳香族化合物
(1)200mg(0.37ミリモル)を加えた。5分
間加熱攪拌した後、放冷した。結晶を濾取して、メタノ
ールで洗い、水3分子を含む四環系芳香族化合物
(4)150mg(0.24ミリモル)を得た。 元素分析:H3.98%(理論値3.61%)、C5
3.43%(理論値53.71%)、N0.3%以下
(理論値0%)、K12.2%(理論値11.66%)
【0083】[実施例12] 四環系芳香族化合物(29)の合成 公知の方法(例えば、Bull. Soc. Chim. Fr. 4, 49(193
1)1047-1049)により合成した下記化合物(c)1.3
g(2.75ミリモル)に対して、実施例1と同様の反
応を行うことにより、四環系芳香族化合物(29)10
0mg(0.194ミリモル)を得た。1 HNMR(重DMSO):δ=7.99(s、2
H)、7.57(m、4H)、7.50〜7.0(m、
10H)
【0084】
【化39】
【0085】[実施例13] 四環系芳香族化合物(33)の合成 実施例1で合成した化合物(b)1g(2ミリモル)と
スチレン687マイクロリットル(6ミリモル)とをジ
メチルホルムアミド(DMF)8mlに加え、窒素気流
下で攪拌した。Pd(OAc)2 9mg(0.04ミリ
モル)、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン4
8.7mg(0.16ミリモル)およびトリエチルアミ
ン1.39ml(10ミリモル)を加え、窒素気流の代
わりに窒素風船を接続して90℃のオイルバス中で、7
時間攪拌した。放冷した後、反応液に1N塩酸水を加え
て、酸性にし、セファデックスカラムで生成して、四環
系芳香族化合物(33)0.6g(1.08ミリモル)
を得た。1 HNMR(重DMSO):δ=8.19(s、2
H)、8.02(s、2H)、7.70〜7.52
(m、8H)、7.45〜7.10(m、10H)
【0086】[実施例14] 光応答性材料の製作 化合物(33)200mgを1N水酸化ナトリウム75
0μlに溶解させた。そのうち10μlをスライドガラ
ス上に取り、カバーガラスを載せた。UVランプ(UV
P社製UVGL−25)を用いて波長366nmのUV
光を5分間照射し、クロスニコル下で観察すると、光を
照射した部分が複屈折を失って暗部となった像が形成さ
れた。前述のLangmuir(1996年),12(20)p4960−496
5や繊維学会誌(1990年)、46(4)p150−154に記載の
リオトロピック液晶では、上記の露光条件では、像を形
成できなかった。
【0087】
【発明の効果】本発明によって、光に対する感度が高
く、露光部と非露光部の複屈折の差の大きい光応答性材
料が得られた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で表される四環系芳香族化合物
    を含むことを特徴とする光応答性材料: 【化1】 [式中、L1 およびL3 は、それぞれ独立に、−CH=
    CH−または−C≡C−であり;L2 は、単結合、−C
    2 −CH2 −、−CH=CH−または−C≡C−であ
    り;そして、ベンゼン環A、B、CおよびDの少なくと
    も一つは、置換基を有し、少なくとも一つの置換基は、
    スルホ、カルボキシルまたはそれらの塩であり、二つの
    置換基が結合して環を形成していてもよい]。
  2. 【請求項2】 式(I)で表される四環系芳香族化合物
    がリオトロピック液晶性を示す請求項1に記載の光応答
    性材料。
  3. 【請求項3】 式(I)で表される四環系芳香族化合物
    に加えて、リオトロピック液晶を含む請求項1に記載の
    光応答性材料。
  4. 【請求項4】 四環系芳香族化合物が、式(II)で表さ
    れる請求項1に記載の光応答性材料: 【化2】 [式中、L2 は、単結合、−CH2 −CH2 −、−CH
    =CH−または−C≡C−であり;そして、ベンゼン環
    A、B、CおよびDの少なくとも一つは、置換基を有
    し、少なくとも一つの置換基は、スルホ、カルボキシル
    またはそれらの塩であり、二つの置換基が結合して環を
    形成していてもよい]。
  5. 【請求項5】 四環系芳香族化合物が、式(III)で表さ
    れる請求項4に記載の光応答性材料: 【化3】 [式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、スルホ、
    カルボキシルまたはそれらの塩であり;そして、ベンゼ
    ン環A、B、CおよびDは、さらに置換基を有してもよ
    く、二つの置換基が結合して環を形成していてもよ
    い]。
  6. 【請求項6】 四環系芳香族化合物が、式(IV)で表さ
    れる請求項5に記載の光応答性材料: 【化4】 [式中、Mは、カチオンであって、Mが解離していても
    よく;そして、ベンゼン環A、B、CおよびDは、さら
    に置換基を有していてもよく、二つの置換基が結合して
    環を形成していてもよい]。
JP2001138757A 2001-05-09 2001-05-09 光応答性材料 Withdrawn JP2002332484A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001138757A JP2002332484A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 光応答性材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001138757A JP2002332484A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 光応答性材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002332484A true JP2002332484A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18985644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001138757A Withdrawn JP2002332484A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 光応答性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002332484A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7070838B2 (en) 2003-06-23 2006-07-04 Chisso Petrochemical Corporation Liquid crystalline compound, liquid crystal composition and their polymers
US20100187514A1 (en) * 2007-06-21 2010-07-29 Yuki Nakano Organic thin film transistor and organic thin film light- emitting transistor

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7070838B2 (en) 2003-06-23 2006-07-04 Chisso Petrochemical Corporation Liquid crystalline compound, liquid crystal composition and their polymers
US20100187514A1 (en) * 2007-06-21 2010-07-29 Yuki Nakano Organic thin film transistor and organic thin film light- emitting transistor
JP5329404B2 (ja) * 2007-06-21 2013-10-30 出光興産株式会社 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜発光トランジスタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109776419B (zh) 含有吡唑啉基团的硫鎓盐及其制备方法和应用
EA002452B1 (ru) Способы и промежуточные соединения, пригодные для получения антифолатов
JPH06298731A (ja) 複素環化合物の製造方法
JP2002167340A (ja) オニウム塩誘導体の製造方法及び新規オニウム塩誘導体
JP2547638B2 (ja) スルホアルキル置換ヒドロキシルアミン類の製造方法
JPH09505344A (ja) キラルなネマチック液晶性組成物
JP2002332484A (ja) 光応答性材料
SU747426A3 (ru) Способ получени дитиенилалкиламинов или их солей
JP7079494B2 (ja) 新規化合物とその合成方法
JP2002179644A (ja) 四環系芳香族化合物
JPS62181249A (ja) ポリフルオロアルキルチオメチル化合物と、その製造方法と、その界面活性剤への応用またはその前駆体
JP2648961B2 (ja) ベンゾチアゾリウム化合物及びその製造方法
US5248811A (en) Process for producing sulfoalkyl-substituted hydroxylamines
JP4118645B2 (ja) カリックス[4]アレーン誘導体混合物の製造方法
JP2802706B2 (ja) 複素環化合物の製造方法
JPH07242651A (ja) スルホニルハライド化合物及び置換スルホンアミド化合物の製造方法
JP3265477B2 (ja) 6,7−ジ置換−2−ヘテラ−2,3−ジヒドロフエナレン化合物及びその製造方法
JP3266358B2 (ja) アルキルスルホナート誘導体の製造方法
CN1128137C (zh) 吲哚类化合物及其合成方法
JP4105821B2 (ja) ジアゾ化合物
JPS603376B2 (ja) カルコン誘導体及びその製造方法
JPH04139170A (ja) 置換ピリジンスルホニルカーバメート系化合物及びその製造方法並びに置換ピリジンスルホンアミド系化合物の製造方法
KR970007343B1 (ko) 1-(2-클로로)스티릴-4-(2-시아노)스티릴벤젠과 1,4-비스(2-시아노스티릴)벤젠 혼합물의 제조방법
JP3676840B2 (ja) トリフェニレン誘導体
JPH03123750A (ja) 光学活性な液晶性化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080805