JP2002332257A - 3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−プロペノイック酸をプロポリスから抽出・精製する方法 - Google Patents

3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(3−メチル−2−ブテニル)フェニル]−2−プロペノイック酸をプロポリスから抽出・精製する方法

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JP2002332257A JP2001141501A JP2001141501A JP2002332257A JP 2002332257 A JP2002332257 A JP 2002332257A JP 2001141501 A JP2001141501 A JP 2001141501A JP 2001141501 A JP2001141501 A JP 2001141501A JP 2002332257 A JP2002332257 A JP 2002332257A
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propolis
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Katsuhiro Hayashi
勝廣 林
Tatsuhiko Suzuki
建彦 鈴木
Sadaaki Yukimura
定昭 幸村
Shigeko Oishi
誠子 大石
Kunio Yagi
國夫 八木
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BIOMEDEIKUSU KK
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BIOMEDEIKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 生理活性を有する 3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビ
ス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック
酸をプロポリスから抽出・精製する、高収率低コスト方
法の提供。 【解決手段】 親水性有機溶媒又は親水性有機溶媒と水
との混合溶媒によりプロポリス抽出物を得る工程と、疎
水性有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液に上記のプロ
ポリス抽出物を分配処理して有機相を分取し、溶媒を留
去して残渣を得る工程と、残渣を順相系シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、n-ヘキサン-酢酸エチル-
メタノール混合溶媒又はクロロホルム-メタノール混合
溶媒により所望画分を得、濃縮物を得る工程と、濃縮物
を逆相系シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
水-メタノール混合溶媒により所望画分を得、溶媒を留
去するか、上記の濃縮物を再結晶処理する工程とを具備
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医学的に有用な生
理活性物質である 3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル
-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸をプロポリ
スから抽出・精製する方法に係る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】上記の化合物は一般名がア
ルテピリン (Artepillin) C と称されている自体公知の
物質であって胆汁分泌促進作用 ["Chem. Pharm.Bull.",
Vol. 36, No.2, pages 769 - 775 (1988)]、抗菌作用
["Biosci. Biotechnol. Biochem.", Vol. 58, No. 5, p
ages 945 - 946 (1994)]、発毛促進作用 (特開平 6 - 3
12918 号公報)、抗腫瘍作用 (特開平 7 - 330596 号公
報) 及び抗酸化作用 (特開平 8 - 268885 号公報) 等の
薬理作用を有していることが知られている。
【0003】上記の物質は Astereae baccharis 属の植
物 (キク科植物) から初めて単離された物質であるが
["Phytochemistry", Vol. 20, pages 281 - 286 (198
1)]、蜜蜂の巣の強化に用いられており花芽や樹皮から
集めた成分と蜜蜂の唾液とがミックスされて赤みを呈し
ている樹脂状物質であって「蜂蝋」、「蜂やに」とも称
されているプロポリス (Propolis) 中にも存在してい
る。
【0004】上記の3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチ
ル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸の化学合
成法は特開昭 60 - 163841 号公報に開示されており、
プロポリスからの抽出・精製法に関しては特開平 6 - 2
56177 号及び同 7 - 330596号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】上記の
従来技術の内で、化学合成法は上記公開特許公報におけ
る第 5 頁の「実施例 4」に記載されており、21.8% の
収率で得られるとされているが、本発明者等が追試した
処、目的物質以外の副生成物が多量に生成し、合成法と
して利用するに適するものとは認められなかった。一
方、上記の抽出・精製法は何れも大量調製手段として制
限のあるセファデックス LH-20 カラム (ファルマシア
バイオテク 社製) や高速液体クロマトグラフィー (HPL
C) カラムを使用する必要性がある点及びプロポリス原
料からの精製収率が低い (計算によれば、前者の場合で
0.33%、後者の場合には 0.13%) 点に課題がある。換言
すれば、上記化合物は有用な生理活性を有しているにも
拘わらず、利用するに足る有効な化学合成法及び抽出・
精製法は現在の処、共に存在しないのが実情である。
【0006】従って、本発明の目的は比較的低コストに
て実施できる点で有利な、3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3
-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸を
プロポリスから抽出・精製する方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決し目的を達成する手段】本発明によれば、
3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェ
ニル]-2-プロペノイック酸をプロポリスから抽出・精製
する方法において、(1) 親水性有機溶媒又は親水性有機
溶媒と水との混合溶媒によりプロポリスの粉砕物を抽出
処理し、不溶物を濾別し、溶媒を留去することによりプ
ロポリス抽出物を得る第 1 工程と、(2) 疎水性有機溶
媒とアルカリ水溶液との混合液に上記のプロポリス抽出
物を分散させ、分配後に有機溶媒相を分取し、溶媒を留
去することにより残渣を得る第 2 工程と、(3) 上記の
残渣を順相系シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、n-ヘキサン-酢酸エチル-メタノール混合溶媒又はク
ロロホルム-メタノール混合溶媒により溶出させて所望
画分を得、該画分から溶媒を留去することにより濃縮物
を得る第 3 工程と、(4) 上記の濃縮物を逆相系シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、水-メタノール
混合溶媒により溶出させて所望画分を得、該画分から溶
媒を留去するか、或いは上記の濃縮物を脂肪族炭化水素
系溶媒とハロゲン系溶媒との混合溶媒により再結晶処理
することにより3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-
ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸を得る第 4 工
程とを備えていることを特徴とする、抽出・精製法によ
り既述の課題が解決すると共に、上記の目的が達成され
る。
【0008】本発明による抽出・精製法の原料であるプ
ロポリスは世界各地において産出されるが、採取される
地域の気候、植生の相違等により含有成分に差異の生じ
る場合がある ["Z. Naturforsch.", Vol. 50c, pages 1
67 - 172 (1995)] ので、3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-
メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸の含
有量が高いもの、即ちキク科の Astereae baccharis
植物が広く分布している南アメリカ地域、殊にブラジル
産のプロポリスが好ましい。
【0009】本発明による抽出・精製法の第 1 工程に
おいて使用される親水性有機溶媒としてはエタノール、
メタノール、プロパノール、2- プロパノール、ブタノ
ール、アセトニトリル及びアセトンを例示することがで
きる。これらの親水性有機溶媒と水との混合溶媒を用い
る場合には、親水性有機溶媒が 50% (V/V) 又はそれ以
上を占めているのが好ましい。本発明による抽出・精製
法の第 2 工程は、3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル
-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸が有機酸で
あるにも拘わらず疎水性有機溶媒と弱アルカリ水溶液又
は低濃度の強アルカリ水溶液とを用いて分配する場合に
はアルカリ水溶液側に移行し難い性質を有することを新
たに見出したことに基づくものであり、この分配処理に
より当該化合物を有機溶媒側に保持させ、一方プロポリ
ス中に多量に存在している他の有機酸 (桂皮酸、カフェ
酸、p-クマル酸等) をアルカリ水溶液側に移行させるこ
とにより分離効率の向上を図るものである。この第 2
工程において使用される疎水性有機溶媒としてはジエチ
ルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタ
ン及びベンゼン並びにこれらの混合物を例示することが
できるが、環境等への影響を考慮に入れるとハロゲン系
溶媒や芳香族系溶媒よりもジエチルエーテル及び酢酸エ
チルが好ましい。一方、第 2 工程において使用される
アルカリ水溶液を調製するためのアルカリ剤としては炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを例示する
ことができる。尚、疎水性有機溶媒-アルカリ水溶液に
よる分配処理において相分離性を高める目的で少量の塩
化ナトリウム、塩化カリウム等を添加することができ
る。第 3 工程における順相系シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにおいて使用される担体としては Silica
gel BW-127ZH (富士シリシア化学社製) 及び Silica ge
l 60 107734 (E. Merck 社製) を例示することができる
が、一般のカラムクロマトグラフィー用順相シリカゲル
を用いることも可能である。このカラムクロマトグラフ
ィーにおける展開溶媒としては、n-ヘキサンと酢酸エチ
ルとメタノールとの混合溶媒又はクロロホルムとメタノ
ールとの混合溶媒を用いることができ、シリカゲル担体
の吸着特性、試料中の目的物と夾雑物の分離性等により
混合溶媒の混合組成を適宜調整して使用するのが望まし
い。第 4 工程における逆相系シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにおいて使用される担体としては Chromat
orex-ODS DM1020T (富士シリシア化学社製)、COSMOSIL
75C18-PREP (ナカライテスク社製) 及び Wakogel 100C1
8 (和光純薬工業社製) 等の汎用低圧カラムクロマトグ
ラフィー用 ODS ゲルを用いることが可能である。この
カラムクロマトグラフィーにおける展開溶媒としてはメ
タノール量の割合が 60 - 90% (V/V) である水-メタノ
ール混合溶媒を用い、ODSゲル担体の吸着特性、試料中
の目的物と夾雑物の分離性等により混合組成を適宜調整
して使用するのが望ましい。尚、第 4 工程において、
上記のカラムクロマトグラフィーに代わる再結晶処理に
際し、脂肪族炭化水素系溶媒としては n-ヘキサン、n-
ペンタン又は石油エーテル若しくはこれらの混合物を例
示することができ、ハロゲン系溶媒としてはジクロロメ
タン、クロロホルム及びこれらの混合物を例示すること
ができる。本工程に使用される再結晶溶媒である脂肪族
炭化水素系溶媒とハロゲン系溶媒との混合組成は、試料
中における目的物質と夾雑物との存在割合、当該混合溶
媒への夾雑物の溶解性等を考慮に入れて適宜調整され
る。
【0010】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に且つ
具体的に説明する。
【0011】実施例 (A) 第 1 工程 (操作例 1) ブラジル産プロポリス塊 1kg をカッターミキサー [エ
フエムアイ社製「ロボクープ」(商標)] により粉砕し、
その内の 500g を採取し、含水エタノール [エタノール
濃度 : 70%(V/V)] 3.5 リットルにて室温撹拌下に 1 日
間抽出処理し、不溶物を濾別し、次いで減圧下に溶媒を
留去することにより 70%-エタノール抽出物 260g を得
た。下記の条件で HPLC 分析した処、該抽出物は 3-[4-
ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-
2-プロペノイック酸を 11% の割合で含有していた。 HPLC 分析条件 : 装置 : LC-4A 高速液体クロマトグラフ装置 (島津製作
所製)、 カラム : 東ソー TSKgel-ODS80TM,内径 4.6mm x 150m
m、5μm、 溶離液 : 水-メタノール-酢酸 = 33 : 64 : 3 (V/V)、
流速 : 1ml/min、温度 : 37℃、 検出波長 : UV 275nm
【0012】(A') 第 1 工程 (操作例 2) 上記の (A) 項において調製されたプロポリス粉砕物 10
g をメタノール 100mlにて室温撹拌下に 1 日間抽出処
理し、不溶物を濾別し,次いで減圧下に溶媒を留去する
ことによりメタノール抽出物 5.8g を得た。上記の条件
によるHPLC 分析によれば、該抽出物は 3-[4-ヒドロキ
シ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペ
ノイック酸を 9.7% の割合で含有していた。
【0013】(A'') 第 1 工程 (操作例 3) 上記の (A) 項において調製されたプロポリス粉砕物 10
g を含水 2-プロパノール [2-プロパノール濃度 : 70%
(V/V)] 100mlにて室温撹拌下に 1 日間抽出処理し、不
溶物を濾別し、次いで減圧下に溶媒を留去することによ
り70%-2-プロパノール抽出物 5.5g を得た。上記の条件
で HPLC 分析した処、該抽出物は 3-[4-ヒドロキシ-3,5
-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイッ
ク酸を 9.4% の割合で含有していた。
【0014】(B) 第 2 工程 [分配例 a - k (後記の表
1 参照)] 第 1 工程の操作例 1 において得られた 70%-エタノー
ル抽出物を用い且つ疎水性有機溶媒とアルカリ水溶液と
の混合・分配に関する検討を種々の条件下で試みた (後
記の表 1 参照、但し第 2 工程の分配例 a 及び f にお
いては、アルカリ水溶液の代わりに通常用いられる精製
水が使用されている)。
【0015】表 1 において分配例 b として示されてい
る場合に関連して具体的な操作方法を示せば次の通りで
ある。70%-エタノール抽出物 1g を酢酸エチル 35ml に
分散させ、0.12M-炭酸水素ナトリウム水溶液 20ml 及び
10ml にて各 1 回分配処理した。分別したアルカリ水
溶液相については合せ、酢酸エチル 10ml にて更に 1回
分配処理し、得られた酢酸エチル相を先に得られた酢酸
エチル相に合せ、更にこの酢酸エチル相を飽和食塩水に
より洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた後に濃
縮乾固することにより酢酸エチル抽出物 0.53g を得
た。尚、分配例a 並びに c - k における分配処理操作
方法も上記と同様である。
【0016】分配結果は下記の表 1 に示されている通
りであり、水溶液として精製水を用いる場合よりもアル
カリ水溶液を使用した場合の方が、有機溶媒抽出物中の
3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェ
ニル]-2-プロペノイック酸含有率が高く且つ 70%-エタ
ノール抽出物に含有されていた該化合物の殆どが有機溶
媒相に移行し、該化合物の精製が確認された。
【0017】
【表1】
【0018】(C) 第 3 工程 上記の第 2 工程 (表 1 における分配例 i に該当) に
より得られたジエチルエーテル抽出物 5g につきシリカ
ゲル BW-127ZH 担体 (富士シリシア化学社製)250g を充
填したカラムを用いるクロマトグラフィーに付し、n-ヘ
キサン-酢酸エチル-メタノールの混合溶媒 [初期混合比
80 : 19.3 : 0.7 〜 終期混合比 70 :29 : 1 (V/V)]
を用いて溶出させ、溶媒を留去することにより所望の画
分 1.1gを得た。この画分中の 3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビ
ス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック
酸含有率は 78% であった。
【0019】(D) 第 4 工程 (操作例 1) 上記の第 3 工程において得られた画分 1g につき Chro
matorex-ODS DM1020T担体 (富士シリシア化学社製) 300
g を充填したカラムを用いるクロマトグラフィーに付
し、含水メタノール [メタノール濃度 : 77% (V/V)] を
用いて溶出させ、溶媒を留去することにより所望の 3-
[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニ
ル]-2-プロペノイック酸 0.76g (原料プロポリスからの
収率 : 3.8%) を得た。この収率は本明細書の冒頭にお
いて紹介した特開平 6 - 256177 号及び同 7 - 330596
号公報に開示されている方法による収率である 0.33%
及び0.13% と比較する場合に、それぞれ約 12 倍及び 3
0 倍であり、有意に高いものと云うことができる。
【0020】この化合物の物理化学的性質は下記の通り
であり、該データは文献 ["Biosci.Biotechnol. Bioche
m.", Vol. 58, No. 5, pages 945 - 946 (1994)] 及び
特開昭 60 - 163841 号公報に記載されているデータと
の整合性が高い。
【0021】融点 : 97 - 98℃ 分子量 : 300 分子式 : C19H24O3 高分解能質量分析 : FABMS (Pos.) m/z : 301 (M + H+) 核磁気共鳴スペクトル (CDCl3) :1 H (270 MHz) δ ppm :1.78 (3H x 2, s),1.79 (3H x
2, s),3.35 (2H x 2, m),5.31 (1H x 2, m),6.29 (1H,
d, J = 16.2 Hz),7.20 (1H x 2, s),7.70 (1H, d, J =
16.2 Hz)13 C (68 MHz) δ ppm :17.9 (q), 25.8 (q), 29.5 (t),
114.2 (d), 121.3 (d), 126.4 (s), 127.7 (s),128.4
(s), 135.2 (s), 147.4 (d), 155.4 (s), 172.8 (s) 赤外線吸収スペクトル (KBr 錠剤法) : νmax (cm-1) : 3456, 3000 - 2500 (br), 1674, 1626,
1601 薄層クロマトグラフィー : 順相系シリカゲルプレート、HPTLC Silica gel 60 F254
Art 105628 (E. Merck 社製) 展開溶媒 : クロロホルム-メタノール = 20 : 1 (V/V) 検出波長 : UV 254nm Rf : 0.49 逆相系シリカゲルプレート、HPTLC RP-18WF254s Art 11
3124 (E. Merck 社製) 展開溶媒 : 含水メタノール [メタノール濃度 80% (V/
V)] 検出波長 : UV 254nm Rf : 0.48
【0022】上記の物理化学的データの取得に使用され
た機器は下記の通りである。 融点 : 柳本製作所 : ミクロ融点測定装置 高分解能質量分析 : 日本電子 : JEOL・JMS700 高分解能質量分析装 置 核磁気共鳴スペクトル : 日本電子 : JEOL-EX270 核磁気共鳴装置 赤外線吸収スペクトル : 島津製作所 : FTIR-8300 赤外線分光光度計
【0023】(D') 第 4 工程 (操作例 2) 上記の第 3 工程において得られた画分 1g につき n-ヘ
キサンとジクロロメタンの混合溶媒 [9 : 1 (V/V)] 6m
l を用いて再結晶処理することにより所望の 3-[4-ヒド
ロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プ
ロペノイック酸0.50g を針状結晶として得た。原料プロ
ポリスからの収率は、上記の操作例 1の場合よりも低く
2.5% であったが、この値は従来技術方法と比較する場
合には7.6 又は 19 倍であって有意に高く且つ本操作例
は再結晶処理法であるために操作例 1 のクロマトグラ
フ法よりも操作が簡便である点において優れている。
【0024】
【発明の効果】有用な生理活性作用を有するも生産性が
支障となって実際上利用されていなかった 3-[4-ヒドロ
キシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]-2-プロ
ペノイック酸が,本発明による抽出・精製法を使用する
ことによりプロポリスから簡便に且つ大量に得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 誠子 愛知県犬山市天神町1−17 しろひがしマ ンション 1棟305号 (72)発明者 八木 國夫 愛知県名古屋市名東区西里町2−21 Fターム(参考) 4D056 AB18 AC03 AC04 AC06 AC08 AC09 AC11 AC21 BA04 CA06 CA14 CA15 CA18 CA21 CA25 CA31 CA39 4H006 AA02 AD15 AD16 BB11 BB12 BB14 BB15 BB16 BB17 BE10 BE11 BE12 BJ50 BN30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-
    ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸をプロポリス
    から抽出・精製する方法において、 (1) 親水性有機溶媒又は親水性有機溶媒と水との混合溶
    媒によりプロポリスの粉砕物を抽出処理し、不溶物を濾
    別し、溶媒を留去することによりプロポリス抽出物を得
    る第 1 工程と、 (2) 疎水性有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液に上記
    のプロポリス抽出物を分散させ、分配後に有機溶媒相を
    分取し、溶媒を留去することにより残渣を得る第 2 工
    程と、 (3) 上記の残渣を順相系シリカゲルカラムクロマトグラ
    フィーに付し、n-ヘキサン-酢酸エチル-メタノール混合
    溶媒又はクロロホルム-メタノール混合溶媒により溶出
    させて所望画分を得、該画分から溶媒を留去することに
    より濃縮物を得る第 3 工程と、 (4) 上記の濃縮物を逆相系シリカゲルカラムクロマトグ
    ラフィーに付し、水-メタノール混合溶媒により溶出さ
    せて所望画分を得、該画分から溶媒を留去することによ
    り3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フ
    ェニル]-2-プロペノイック酸を得る第 4 工程とを備え
    ていることを特徴とする、抽出・精製法。
  2. 【請求項2】 3-[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-
    ブテニル)フェニル]-2-プロペノイック酸をプロポリス
    から抽出・精製する方法において、 (1) 親水性有機溶媒又は親水性有機溶媒と水との混合溶
    媒によりプロポリスの粉砕物を抽出処理し、不溶物を濾
    別し、溶媒を留去することによりプロポリス抽出物を得
    る第 1 工程と、 (2) 疎水性有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液に上記
    のプロポリス抽出物を分散させ、分配後に有機溶媒相を
    分取し、溶媒を留去することにより残渣を得る第 2 工
    程と、 (3) 上記の残渣を順相系シリカゲルカラムクロマトグラ
    フィーに付し、n-ヘキサン-酢酸エチル-メタノール混合
    溶媒又はクロロホルム-メタノール混合溶媒により溶出
    させて所望画分を得、該画分から溶媒を留去することに
    より濃縮物を得る第 3 工程と、 (4) 上記の濃縮物を脂肪族炭化水素系溶媒とハロゲン系
    溶媒との混合溶媒により再結晶処理することにより3-[4
    -ヒドロキシ-3,5-ビス(3-メチル-2-ブテニル)フェニル]
    -2-プロペノイック酸を得る第 4 工程とを備えているこ
    とを特徴とする、抽出・精製法。
  3. 【請求項3】 第 1 工程において使用される親水性有
    機溶媒がエタノール、メタノール、プロパノール、2-プ
    ロパノール、ブタノール、アセトニトリル及びアセトン
    並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とす
    る、請求項 1又は 2 に記載の抽出・精製法。
  4. 【請求項4】 第 2 工程において使用される疎水性有
    機溶媒がジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホル
    ム、ジクロロメタン及びベンゼン並びにこれらの混合物
    から選択されることを特徴とする、請求項 1 又は 2 に
    記載の抽出・精製法。
  5. 【請求項5】 第 2 工程において使用されるアルカリ
    水溶液を調製するためのアルカリ剤が炭酸水素ナトリウ
    ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
    ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナ
    トリウム及び水酸化カリウムから選択されることを特徴
    とする、請求項 1 又は 2 に記載の抽出・精製法。
  6. 【請求項6】 第 4 工程において使用される脂肪族炭
    化水素系溶媒が n-ヘキサン、n-ペンタン又は石油エー
    テル若しくはこれらの混合物から選択され且つハロゲン
    系溶媒がジクロロメタン、クロロホルム又はこれらの混
    合物から選択されることを特徴とする、請求項 2 に記
    載の抽出・精製法。
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