JP2000302797A - アクテオシドの抽出法 - Google Patents

アクテオシドの抽出法

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純 渡辺
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浩一 葛西
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亮太 鐘ヶ江
Toshiaki Ariga
敏明 有賀
Kouichirou Tobe
光一朗 戸邉
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 コショウ科コショウ属植物原料からアク
テオシドを抽出することを特徴とするアクテオシドの抽
出法。 【効果】 本発明によれば、アクテオシドを効率よく抽
出することができるので、本発明は、産業上極めて有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクテオシドの抽
出法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクテオシド(1−O−α−L−ラムノ
ピラノシル−(1→3)−β−D−(4−カフェオイ
ル)−グルコピラノシド)は、植物中に広く含まれてい
る化合物の一種で、ホスホリパーゼA2阻害作用(特開
平7−223964号公報)、5−リポキシゲナーゼ阻
害作用(特開平8−59685号公報)等の生理作用を
有することが知られており、免疫抑制剤、抗アレルギー
剤、抗糖尿病剤としての応用が期待されている。
【0003】アクテオシドの合成は、極めて困難である
ことから、その生産は、植物等からの抽出に限定されて
いる。従来、生薬である地黄(特開平3−271227
号公報)、シソ科植物のチョロギ(薬学雑誌、1990
年、110巻、932−935頁)、ハマウツボ科植物
のホンオニク(Biol.Pharm.Bull.、1996年、19
巻、1580−1585頁)等からアクテオシドが得ら
れている。しかしながら、その含有量は、0.002%
〜0.08%と極微量である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効率的なア
クテオシドの抽出法を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、前
記した課題を解決するため、鋭意研究した結果、コショ
ウ科コショウ属植物中に多量のアクテオシドが存在して
いることを見い出し、この知見に基づき本発明を完成し
た。即ち本発明は、コショウ科コショウ属植物原料から
アクテオシドを抽出することを特徴とするアクテオシド
の抽出法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においてアクテオシドの抽出に用いられる
植物原料としては、コショウ科コショウ属植物に属する
マティコ(Piper aduncum)、コショウ(Piper nigru
m)、キンマ(Piper betle)、フウトウカズラ(Piper
kadsura)、インドナガコショウ(Piper longum)、カ
バ(Piper methysticum)、ジャワナガコショウ(Piper
retrofractum)等が挙げられる。そして、アクテオシ
ドを抽出するには、前記植物体原料の如何なる部分を用
いてもよく、その含有量の点で、例えば、マティコ地上
部が特に好ましい。
【0007】前記植物体原料からアクテオシドを抽出す
るには、前記植物体原料そのまま、もしくはその粉砕物
(それらは、生、乾燥物の何れでもよい)を、水もしく
は有機溶剤等の溶媒またはそれらの混合溶媒を用いて抽
出することによって行なうことができる。その有機溶剤
としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、
酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。これらの溶媒
の中でも、水もしくはエタノール等の親水性有機溶剤、
または水と親水性有機溶剤との混合溶媒が好ましく、ま
た、抽出率及び安全性の点で水が特に好適である。
【0008】前記した溶媒を用いてアクテオシド抽出物
を得るには、如何なる方法を用いてもよく、例えば、前
記した植物体を原料とし、これを破砕した後、それらの
破砕物を前記した溶媒で公知の方法を用いて処理するこ
とにより得ることができる。具体的には、原料の1〜1
00倍量(重量比)、好ましくは3〜20倍量(重量
比)の溶媒で、温度0℃以上、好ましくは10℃〜その
溶媒の沸点以下の温度条件下で、攪拌しつつ1分間〜8
週間、好ましくは10分〜1週間抽出処理をすることに
より得ることができる。また、必要により加熱還流しな
がら抽出する方法を用いてもよい。
【0009】上記のアクテオシド抽出物からアクテオシ
ドを精製するには、公知の天然有機化合物類の分離また
は精製に用いられる方法を用いることができる。例え
ば、活性炭、シリカゲル、化学修飾シリカゲル、ポリマ
ー系担体等を用いた脱吸着、あるいはクロマトグラフィ
ー、液−液抽出、分別沈殿等の手法により、アクテオシ
ドを精製することができる。また必要により、適宜抽出
液から溶媒を除去した残渣をそのまま、または水に溶解
して石油エーテル、エーテル、クロロホルム等の有機溶
剤で抽出し、得られた有機溶剤に移行する脂溶性成分を
除去してもよい。具体的には、例えば、前記粗抽出物を
ODS−カラムクロマトグラフィーに供し、22.5%
(v/v)エタノール−水混合溶媒で溶出する。クロマ
トグラフィーによって分離された目的画分を集め、濃縮
・乾固すると、純度約95%のアクテオシド画分が得ら
れる。得られたアクテオシド画分をさらに35%(v/
v)アセトニトリル−水混合溶媒を溶出溶媒としたOD
S−HPLCに供し、目的画分を集め、濃縮・乾固する
ことにより、高純度のアクテオシドを得ることができ
る。
【0010】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例(マティコからのアクテオシドの抽出) 乾燥したマティコ地上部4kgを25Lの水に加え、攪
拌下、90℃に加熱しながら1時間抽出処理した。不溶
物をグラスフィルターを用いた吸引濾過により除去し、
濾液を得た。濾液を減圧濃縮し、内容量18LのYMC GE
L ODS-AM120-S50(YMC社製)カラムクロマトグラフ
ィーに付し、10%(v/v)エタノール−水混合溶媒
で不要な成分を溶出させた後、22.5%(v/v)エ
タノール−水混合溶媒で溶出し、目的の成分を含む画分
を得、ロータリーエバポレーターにより濃縮後、凍結乾
燥して純度約95%のアクテオシド40gを得た。前記
の如くして得られたアクテオシド1gを水に溶解し、TS
K GEL ODS-80(東ソー社製)の内径20mm×25cm
のカラムを用いたHPLCに供し、35%(v/v)ア
セトニトリル−水混合溶媒で溶出し、ロータリーエバポ
レーターにより濃縮後、凍結乾燥して純度99.8%の
アクテオシド890mgを得た。このものの理化学的性
質は、Chem.Pharm.Bull.、1984年、32巻、300
9頁記載のアクテオシドの理化学的性質と一致した。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、アクテオシドを効率よ
く抽出することができるので、本発明は、産業上極めて
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7028 A61K 31/70 607 35/78 35/78 C (72)発明者 有賀 敏明 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 戸邉 光一朗 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 Fターム(参考) 4C057 AA05 BB03 DD02 JJ19 4C086 AA04 EA08 ZB13 ZB15 ZC35 4C088 AB12 AC02 BA09 ZB08 ZB13 ZC35

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コショウ科コショウ属植物原料からアク
    テオシドを抽出することを特徴とするアクテオシドの抽
    出法。
  2. 【請求項2】 コショウ科コショウ属植物原料がマティ
    コである請求項1記載のアクテオシドの抽出法。
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