JP2002332017A - 食品包装容器または食品充填システムの殺菌方法および装置 - Google Patents

食品包装容器または食品充填システムの殺菌方法および装置

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JP2002332017A
JP2002332017A JP2001133890A JP2001133890A JP2002332017A JP 2002332017 A JP2002332017 A JP 2002332017A JP 2001133890 A JP2001133890 A JP 2001133890A JP 2001133890 A JP2001133890 A JP 2001133890A JP 2002332017 A JP2002332017 A JP 2002332017A
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food
surfactant
filling system
packaging container
disinfectant
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JP2001133890A
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Takeshi Iwashita
健 岩下
Chikako Haruhara
千加子 春原
Shigeru Sakai
繁 坂井
Kiyoaki Yoshikawa
清章 吉川
Tetsuya Okano
哲也 岡野
Noboru Matsuo
登 松尾
Shigeru Tamura
成 田村
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Kao Corp
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Kao Corp
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌剤の濃度を高くすることなく、また食品
充填システムのライン配管、機器、室内壁等に対する悪
影響の問題や刺激臭を生じることなく、短時間に食品包
装容器表面または食品充填システムのライン配管、機器
もしくは室内を殺菌することができる方法および装置を
提供する。 【解決手段】 食品包装容器表面または食品充填システ
ムのライン配管、機器もしくは室内の表面に次亜塩素酸
および次亜塩素酸塩から選ばれる一種以上と、界面活性
剤と、pH調整剤とを含有する水溶液として用いられる
殺菌剤を接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料水、ジュー
ス、ウーロン茶、ミルクコーヒー等各種飲食品が充填さ
れるPETボトル、プラスチックカップ等の食品包装容
器の表面または食品充填システムのライン配管、機器も
しくは室内の表面の殺菌方法および装置に関し、特に殺
菌剤の濃度を高くすることなく、幅広い菌種を短時間に
殺菌できる方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、過酸化水素が配合された過酢酸系
殺菌剤を用いてPETボトルを殺菌する場合、殺菌剤を
PETボトル内に充填することによりPETボトルを殺
菌することが行われている。この殺菌後には、PETボ
トルから充填された殺菌剤を排出するとともに、PET
ボトル内を無菌水によって洗浄し(洗浄工程)PETボ
トル内の殺菌剤を除去する。
【0003】上記洗浄工程後に過過酸化水素や過酢酸が
残留しないようにするためには、使用する過酸化水素や
過酢酸の濃度を低く抑えたいという要請がある。しかし
使用する過酸化水素や過酢酸の濃度を低く抑えると、殺
菌剤は強力な殺菌効果を発揮することができず、充分な
殺菌を行おうとする場合は、どうしても殺菌時間が長く
なってしまうという時間的な不経済性が問題となる。
【0004】上記従来技術の問題点を解決するPETボ
トルの殺菌方法として、特許第3080347号公報記
載の発明がある。この発明の殺菌方法は、過酸化水素が
配合れるとともに過酢酸の濃度が1000ppmないし
1500ppmの過酢酸系殺菌剤を60℃以上に加温
し、ノズルによってPETボトルの少なくとも内面に噴
射するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特許第3080347
号公報記載の発明は、殺菌剤を60℃以上に加温するこ
とにより、殺菌剤の濃度を高くすることなく短時間にP
ETボトルを殺菌することに成功した。しかし、この発
明において使用する殺菌剤は、過酸化水素を配合した過
酢酸系の殺菌剤であり、酸性が強いため、食品充填シス
テムに用いて殺菌を行ったあとの廃液の処理に、還元処
理やpH処理等を行わなければならず、コスト高になっ
てしまうという問題があった。また、上記殺菌剤は、過
酢酸系であるために刺激臭を有しており、保管や取扱い
が難しく、手軽に取り扱えるものではなかった。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ことを目的としてなされたものであって、殺菌剤の濃度
を高くすることなく、また食品充填システムのライン配
管、機器、室内壁等に対する悪影響の問題や刺激臭を生
じることなく、短時間に食品包装容器表面または食品充
填システムのライン配管、機器もしくは室内を殺菌する
ことができる方法および装置を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決する手段】上記目的を達成するため、本発
明者らは、殺菌対象表面に次亜塩素酸および次亜塩素酸
塩から選ばれる一種以上と、界面活性剤と、pH調整剤
とを含有する水溶液として用いられる殺菌剤を接触させ
ることにより、殺菌剤の濃度を高くすることなく、また
廃液処理や刺激臭といった問題の発生を極力抑え、幅広
い菌種を短時間に殺菌できることを発見し、本発明に到
達した。
【0008】上記目的を達成する本発明の食品包装容器
または食品充填システムの殺菌方法は、食品包装容器表
面または食品充填システムのライン配管、機器もしくは
室内の表面に次亜塩素酸および次亜塩素酸塩から選ばれ
る一種以上と、界面活性剤と、pH調整剤とを含有する
水溶液として用いられる殺菌剤を接触させることを特徴
とする。
【0009】本発明の一側面において、該殺菌方法にお
いては、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩から選ばれる一
種以上と、界面活性剤と、pH調整剤とを含有する水溶
液として用いられる殺菌剤を加温することを特徴とす
る。
【0010】本発明の他の側面においては、pH調整剤
が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸
化物、無機酸またはその塩および有機酸またはその塩か
らなる群から選ばれる一種以上であり、水溶液のpH4
〜8であることを特徴とする。
【0011】本発明の他の側面においては、該界面活性
剤は多価アルコール誘導体型界面活性剤であることを特
徴とする。
【0012】本発明の他の側面においては、該界面活性
剤は食品添加可能な界面活性剤であることを特徴を特徴
とし、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、大豆レシチン、卵黄レシチ
ン、植物レシチン等のレシチン、大豆サポニン、ビート
サポニンからなる群から選ばれる一種以上であることを
特徴とする。
【0013】本発明の他の側面においては、食品包装容
器表面または食品充填システムのライン配管、機器もし
くは室内の表面に界面活性剤と塩素系殺菌剤の混合物か
らなる殺菌剤を噴射、浸漬、噴霧等により接触させる殺
菌剤接触手段を備えることを特徴とする食品包装容器ま
たは食品充填システムの殺菌装置が提供される。
【0014】
【作用】本発明によれば、次亜塩素酸および次亜塩素酸
塩から選ばれる一種以上と、界面活性剤と、pH調整剤
とを含有する水溶液として用いられる殺菌剤を殺菌対象
表面に接触させることにより、殺菌剤の濃度を高くする
ことなく極めて短時間に殺菌を行うことができる。ま
た、次亜塩素酸などの塩素系殺菌剤はpHを中性付近に
調整することにより、塩素ガスの発生が抑制され安全で
かつ良好な殺菌効果を得ることができる上にこのような
塩素系殺菌剤と界面活性剤の混合物からなる殺菌剤のp
Hが中性付近にあるので、廃液処理に特別な処理を必要
とせず、更には刺激臭の発生もほとんどなく食品充填シ
ステムに使用することができる。そして、殺菌対象を食
品包装容器のみならず、食品充填システムのライン配
管、機器もしくは室内の表面に拡張することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において使用する殺菌剤
は、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩から選ばれる一種以
上と、界面活性剤と、pH調整剤とを含有する水溶液と
して用いられる殺菌剤からなるものである。本明細書に
おいて、「界面活性剤」とは、菌体表面の濡れ性を向上
させる多価アルコール誘導体型界面活性剤を意味し、そ
の成分としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アル
キルポリグリコシド等が挙げられる。また、「食品添加
可能な界面活性剤」とは、界面活性剤の中で法令により
食品添加物として認められたものを意味する。食品添加
可能な界面活性剤には大別して化学合成品と天然品とが
あり、化学合成品として使用可能なものにはポリグリセ
リン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステア
ロイル乳酸カルシウム、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル等が含まれ、天然品として使用可能なものには大
豆レシチン、卵黄レシチン、植物レシチン等のレシチ
ン、大豆サポニン、ビートサポニン等が含まれる。
【0016】また、最終使用水溶液中で次亜塩素酸およ
び次亜塩素酸塩から選ばれる一種以上を含有するものと
して、次亜塩素酸アルカリ金属塩、サラシ粉、ジクロロ
イソシアヌル酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤を使用する
ことができるが、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0017】食品添加可能な界面活性剤と塩素系殺菌剤
の配合比率は殺菌対象菌種、充填する食品の種類、包装
容器の種類等を考慮して適当な値に設定する。一例とし
て、PETボトルアセプテイック充填システムにおいて
飲料水用のPETボトル内外面およびキャップの内外面
の殺菌を行う場合、殺菌剤中の界面活性剤と塩素系殺菌
剤の有効塩素の濃度比を1:20から1:1の範囲とす
ることにより良好な殺菌効果を短時間で得ることができ
る。
【0018】本発明の混合殺菌剤は、塩素系殺菌剤のpH
を中性付近に調整するために、次亜塩素酸又はその塩に
対してpH調整剤を加えた後、界面活性剤を混合するこ
とが望ましい。塩素ガスの発生を抑制し、安全でかつ良
好な殺菌効果を得る観点からpH4〜8が好ましく、pH
5〜8がより好ましく、pH5〜7が特に好ましく、更
に特にpH6以上7未満が好ましい。この目的で使用す
るpH調整剤としては、アルカリ金属の水酸化物、アル
カリ土類金属の水酸化物、無機酸またはその塩および有
機酸またはその塩からなる群から選ばれる一種以上であ
る。アルカリ金属としては、アルカリ金属の水酸化物、
アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸又はその塩、有機
酸又はその塩等が挙げられる。これらの中でも殺菌効果
向上の観点から有機酸又はその塩が好ましい。アルカリ
金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム等が挙げられる。無機酸又はその塩としては、塩
酸、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム、硫酸マグネシウム、硝酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、リン酸三ナトリウム、
リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水
素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素
カリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。有機
酸又はその塩としては、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和二塩基酸又はその
塩や、フマル酸、マレイン酸等の不飽和二塩基酸又はそ
の塩、更にクエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、
グルコン酸等が挙げられる。好ましくは飽和二塩基酸又
はその塩、より好ましくは炭素数3〜10の飽和二塩基
酸又はその塩であり、製剤安定性の観点からは、特にコ
ハク酸又はその塩が好ましい。また、殺菌効果向上の観
点からは、有機酸またはその塩が好ましく、食品添加物
であるコハク酸、クエン酸、グルコン酸、L-酒石酸が好
ましい。
【0019】本発明の混合殺菌剤は、使用時に有効塩素
濃度が、1〜5000ppm、更に5〜2000ppm、特に5〜1000pp
mで用いられるのが好ましい。
【0020】殺菌対象菌種がたとえばBacillus cereus
の場合は、本発明の殺菌剤を常温で使用することにより
10秒程度の短時間の接触で充分な殺菌効果が挙げられ
るが、殺菌対象菌種がたとえばBacillus circulansやCh
aetomium sp. 等の場合は、殺菌剤を予め65℃以上に
加温することにより10秒程度の短時間で殺菌できるこ
とが判った。したがって多種にわたる菌種に対し充分な
殺菌効果を発揮するためには殺菌剤を予め65℃以上に
加温しておくことが好ましく、65〜100℃がより好
ましい。
【0021】本発明の殺菌対象となるものは、PETボ
トルおよびプラスチックキャップ、プラスチックカップ
および蓋材等の食品包装容器の内外表面である。
【0022】またPETボトルアセプテイック充填シス
テムにおいては、ボトルリンサーにおける無菌水ライ
ン、キャップ滅菌機におけるキャップ、キャップリンス
シュートの無菌水ライン、充填室内に設置された機器お
よび室内面等の各表面が殺菌対象となる。また、本発明
はPETボトルアセプテイック充填システムのほかプラ
スチックカップアセプテイック充填システム等のアセプ
テイック充填システム、さらにPETボトルホットパッ
ク充填システムにも適用することができる。
【0023】本発明の殺菌剤は次亜塩素酸および次亜塩
素酸塩から選ばれる一種以上と、食品添加可能な界面活
性剤と、pH調整剤との組み合わせで含有する水溶液と
して用いられる殺菌剤を使用する場合は、殺菌終了後食
品包装容器の内面に微量の殺菌剤が残存付着していても
特に人体に害はなく、充填される食品の種類によっては
殺菌工程後の無菌水による食品包装容器の洗浄工程を省
くことができ、製造工程の短縮および製造コストの節約
に多大の効果がある。
【0024】以下に、本発明にかかる殺菌方法を実施す
るための装置の一実施態様として、本発明をPETボト
ルアセプテイック充填システムに適用した場合の装置を
図1を参照して説明する。
【0025】図1において、PETボトルアセプテイッ
ク充填システム1はベルトコンベアー等によって構成さ
れるPETボトル搬送装置2を備え、またボトルの搬送
方向に上流側から下流側に向かって滅菌室3、充填室4
を備えている。滅菌室3および充填室4はそれぞれクラ
ス10000の無菌レベルに保たれている。滅菌室3内
には上流側からボトル滅菌機(殺菌剤循環装置)5およ
びボトルリンサー6が設けられており、充填室4内には
上流側からフイラー7、仮巻締機8およびキャッパー9
が設けられている。なお、20はオペレーションルーム
である。
【0026】本発明の殺菌剤接触手段を構成するボトル
滅菌機5は、PETボトルの内表面または内表面と外表
面の双方を殺菌するためのもので、食品添加可能な界面
活性剤と塩素系殺菌剤の混合殺菌剤をPETボトルの殺
菌対象表面に接触させるものである。ボトル滅菌機5に
は、配管11を介して混合殺菌剤供給タンク12から混
合殺菌剤が供給され、ボトル滅菌機5は、図2に示すよ
うに、配管11に取付けられた第一ノズル10および第
二ノズル20から混合殺菌剤を、倒立状態となっている
PETボトル30の底部内面31、底部外面32および
周壁内面33等の殺菌対象表面に噴射することにより殺
菌を行なう。また、ボトル滅菌機5は混合殺菌剤を充填
した混合殺菌剤槽にPETボトルを浸漬するか、あるい
は混合殺菌剤をPETボトルの殺菌対象表面に噴霧して
殺菌を行なうように構成してもよい。殺菌時間は10秒
〜80秒程度が好適である。また、PETボトル30
は、正立状態で混合殺菌剤と接触させても良い。
【0027】ボトルリンサー6には配管13を介して無
菌雰囲気内に設置された無菌水タンク14から無菌水が
供給される。ボトルリンサー6は無菌水噴射ノズル(図
示省略)を備え、殺菌が終了したPETボトルに無菌水
を噴射してPETボトル表面に残存する混合殺菌剤を洗
い落とす。その後、PETボトルを再び正立状態に戻し
ながらフィラー7に供給する。
【0028】フイラー7は、PETボトルに飲料水、ジ
ュース等の飲料を充填する装置であり、配管15を介し
て飲料タンク16から飲料が供給される。仮巻締機8に
は、キャップ供給装置(殺菌剤循環装置)17から排出
され、キャップ滅菌機18において混合殺菌剤により殺
菌され、キャップリンスシュート19により洗浄された
PETボトルキャップが供給される。仮巻締機8は、供
給されたキャップをフイラーから排出直後の充填済みP
ETボトルの頭部に載置し、キャップを軽く回転して仮
巻締を行なった後キャッパー9に送る。キャッパー9
は、キャップを固く巻き締めてPETボトルに固定す
る。
【0029】PETボトルはPETボトル供給源(図示
省略)からPETボトル搬送装置2により滅菌室3のボ
トル滅菌機5に供給され、混合殺菌剤が噴射、浸漬、噴
霧のいずれかの方法によりPETボトルの殺菌対象表面
に所定時間接触させられる。殺菌を終了したPETボト
ルは下流のボトルリンサー6に送られ、無菌水により混
合殺菌剤を洗い落とされる。次にPETボトルは充填室
4のフイラー7に送られ、飲料を充填される。飲料を充
填されたPETボトルは仮巻締機8においてキャップを
仮巻締めされた後キャッパー9においてキャップを最終
的に巻締められ、系外に搬送される。
【0030】以上は本発明をPETボトルアセプテイッ
ク充填システムに適用した実施の態様を示すものである
が、本発明をプラスチックカップ充填システムに適用す
る場合は、PETボトルをプラスチックカップ、、キャ
ップを蓋材、キャッパーをシーラーに変更すればよい
(仮巻締機は不要となる)。
【0031】
【実施例】(実施例1)本発明にかかる殺菌方法の有効
性を確認するため、PETボトル内面を殺菌対象面とし
て殺菌効果をもとめた。
【0032】次亜塩素酸および次亜塩素酸塩から選ばれ
る一種以上として次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した
ものにpH調整剤としてコハク酸を使用してpHを6.
3±0.3に調整した。また、界面活性剤として、食品
添加可能な界面活性剤の中からポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを使用し、混合した水溶液を表1、2中の濃度と
なるよう調整して使用した。なお、表1、2中の有効塩
素濃度はJIS K-0101ヨウ素法により測定した。また、
比較例として、pH調整剤を用いずpHが未調整の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液のみ(pH10)からなる殺菌
剤を使用した。
【0033】試験菌として、細菌芽胞であるBacillus c
ereus芽胞をPETボトル内面に10cfu/ボトル(目
標)となるように付着させ、下表1に示す試験条件でP
ETボトル内面を殺菌した。殺菌後のボトルに標準液体
培地を充填し、無菌キャップでキャッピング後1週間保
存した。保存後の培地を目視判定することにより付着菌
に対する殺菌効果を判定した。判定結果を表1に示す。
表中の+は付着菌生残あり、−は付着菌生残なしを示
す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例2)試験菌として細菌芽胞である
Bacillus circulans芽胞およびカビ胞子であるChaetomi
um sp.子のう胞子を選び、実施例1と同一の混合殺菌剤
を使用し、下表2に示す試験条件でPETボトルを殺菌
した。殺菌後のボトルにBacillus circulans芽胞の場合
は標準液体培地を充填し、Chaetomium sp.子のう胞子の
場合はポテトデキストロース標準液体培地を充填し、無
菌キャップをキャッピング後1週間保存し、保存後の培
地を目視判定した。判定結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
亜塩素酸および次亜塩素酸塩から選ばれる一種以上と、
界面活性剤と、pH調整剤とを含有する水溶液として用
いられる殺菌剤を殺菌対象表面に接触させることによ
り、殺菌剤の濃度を高くすることなく極めて短時間に殺
菌を行うことができる。また、このような塩素系殺菌剤
と界面活性剤の混合物からなる殺菌剤のpHを中性付近
に調整することにより、廃液処理に特別な処理を必要と
せず、更には刺激臭の発生もほとんどなく食品充填シス
テムに使用することができる。そして、殺菌対象を食品
包装容器のみならず、食品充填システムのライン配管、
機器もしくは室内の表面に拡張することができる。
【0038】さらに、本発明の殺菌剤は、充填される食
品の種類によっては殺菌工程後の無菌水による食品包装
容器の洗浄工程を省くことができ、製造工程の短縮およ
び製造コストの節約に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための装置の一実施態
様を模式的に示す図である。
【図2】本発明におけるプラスチックボトルの殺菌方法
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
5 ボトル滅菌機(殺菌剤接触装置) 6 ボトルリンサー 7 フイラー 8 仮巻締機 9 キャッパー
フロントページの続き (72)発明者 春原 千加子 神奈川県横浜市鶴見区矢向1丁目1番70号 東洋製罐株式会社技術本部内 (72)発明者 坂井 繁 神奈川県横浜市鶴見区矢向1丁目1番70号 東洋製罐株式会社技術本部内 (72)発明者 吉川 清章 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 岡野 哲也 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 松尾 登 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 田村 成 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Fターム(参考) 4C058 AA24 AA25 BB07 DD03 EE26 JJ07 JJ27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品包装容器表面または食品充填システム
    のライン配管、機器もしくは室内の表面に次亜塩素酸お
    よび次亜塩素酸塩から選ばれる一種以上と、界面活性剤
    と、pH調整剤とを含有する水溶液として用いられる殺
    菌剤を接触させることを特徴とする食品包装容器または
    食品充填システムの殺菌方法。
  2. 【請求項2】次亜塩素酸および次亜塩素酸塩から選ばれ
    る一種以上と、界面活性剤と、pH調整剤とを含有する
    水溶液として用いられる殺菌剤を加温することを特徴と
    する請求項1記載の殺菌方法。
  3. 【請求項3】pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、
    アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸またはその塩およ
    び有機酸またはその塩からなる群から選ばれる一種以上
    である請求項1または2記載の殺菌方法。
  4. 【請求項4】該殺菌剤はpH4〜8であることを特徴と
    する請求項1ないし3に記載の殺菌方法。
  5. 【請求項5】該界面活性剤が多価アルコール誘導体型界
    面活性剤である請求項1ないし4に記載の殺菌方法。
  6. 【請求項6】該界面活性剤は食品添加可能な界面活性剤
    であることを特徴とする請求項1ないし5に記載の殺菌
    方法。
  7. 【請求項7】該食品添加可能な界面活性剤はポリグリセ
    リン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ
    糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステア
    ロイル乳酸カルシウム、プロピレングリコール脂肪酸エ
    ステル、大豆レシチン、卵黄レシチン、植物レシチン等
    のレシチン、大豆サポニン、ビートサポニンからなる群
    から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項6
    に記載の殺菌方法。
  8. 【請求項8】食品包装容器表面または食品充填システム
    のライン配管、機器もしくは室内の表面に次亜塩素酸お
    よび次亜塩素酸塩から選ばれる一種以上と、界面活性剤
    と、pH調整剤とを含有する水溶液として用いられる殺
    菌剤を噴射、浸漬、噴霧等により接触させる殺菌剤接触
    手段を備えることを特徴とする食品包装容器または食品
    充填システムの殺菌装置。
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CN107961391A (zh) * 2016-10-19 2018-04-27 南京九溪生物科技有限公司 一种酿酒用酿酒坛的杀菌装置

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