JP2008167795A - 果汁等飲料製造ラインの殺菌および殺菌洗浄方法 - Google Patents

果汁等飲料製造ラインの殺菌および殺菌洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱湯消毒を用いることなく、アリシクロバチルス属菌に対する殺菌を有効に行える方法を提供することにある。
【解決手段】 果汁等飲料製造ラインにおいて、弱酸性常温又は加温洗浄水に10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン管内静止または流動下に管内の耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌消毒することを特徴とする果汁等飲料製造ラインの殺菌方法、及びある種の果汁種等から別種の果汁種等に交換するに当たり、弱酸性常温または加温洗浄水に有効塩素濃度10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン内に静止又は流動下に管内の耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌するとともに、前製造の果汁臭等を消去することを特徴とする果汁等飲料製造ラインの殺菌洗浄方法にある。
【選択図】図1

Description

本発明は果汁等飲料製造ラインの殺菌消毒方法、特に耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌するとともに、要すれば同時に前製造の果汁等の残香を洗浄消去する方法に関する。
近年、飲料メーカーなどを中心に耐熱性好酸性菌の汚染の問題が注目されてきており、現在、酸性飲料ラインではスチーム又は末端温度約85°Cとなる熱湯で10分間洗浄し、植物性果汁ラインでは、苛性ソーダ洗浄後水温60°Cでリンスするのが一般的である。また、製造果汁種の交換時のフレバー間の消臭には次亜塩素酸ソーダのオーバーナイト浸積後、清水でリンスするのが一般的である。
特開2006−61053号公報
しかしながら、熱湯洗浄では配管ステンレスにクラックが入りやすく、また、稼働までに冷却時間を要するため、ライン稼働率を低減させている。しかも土壌や果実から分離される芽胞形成グラム陽性桿菌アリシクロバチルス属菌の侵入による臭気成分(グアイヤコール)の産生による飲料変敗が製品品質に深刻な問題を引き起こすようになってきているが、通常のパスツール殺菌(90°C)では死滅しないため、果汁等飲料製造ラインでの解決すべき急務となっている。
さらに、フレバー間の消臭にはオーバーナイト浸積という長時間を必要としているため、稼働率を低下させるか、或いは各フレバーに専用ラインが必要となり、設備コストを引き上げている。
本発明は、熱湯消毒を用いることなく、アリシクロバチルス属菌に対する殺菌を有効に行える方法を鋭意研究の結果、洗浄水が弱酸性であれば、有効塩素濃度10ppm、好ましくは30ppmという低濃度の次亜塩素酸であっても上記アリシクロバチルス属菌を殺菌することができることを見出して完成したもので、
果汁等飲料製造ラインにおいて、弱酸性常温または加温洗浄水に有効塩素濃度10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン内に静止または流動下に管内の耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌消毒することを特徴とする果汁等飲料製造ラインの殺菌方法にある。
また、本発明方法はフレバー間の消臭にも有効であることに着目してなされたもので、果汁等飲料製造ラインにおいて、ある種の果汁種等から別種に交換するに当たり、弱酸性常温または加温洗浄水に有効塩素濃度10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン内に静止または流動下に管内の耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌するとともに、前製造の果汁臭等を消去することを特徴とする果汁等飲料製造ラインの殺菌洗浄方法にある。
本発明によれば、耐熱性好酸性菌の1種がパスツール殺菌においても死滅しない芽胞形成グラム陽性桿菌であるアリシクロバチルス属菌であっても、これを検出限界まで滅菌することができる。洗浄水中の次亜塩素酸濃度を高めることにより必要な殺菌時間を短縮することができ、200ppmでは接触10分で検出限界以下に低減することができる。したがって、本発明によれば、クラック発生の原因となる熱湯を使用することなく、果汁等飲料ラインの殺菌が可能である。しかも、フレバー間の消臭にオーバーナイトに渡る浸積の必要がなくなるので、ラインの稼働率は飛躍的に増大する。
また、耐熱性好酸性菌を滅菌または殺菌することができるので、アリシクロバチルス属菌の侵入による臭気成分(グアイヤコール)の産生による飲料変敗が起こらない。
以下、本発明を具体的実施例に基づき、具体的に説明する。
〔実験例1〕
以下の実験では、環境中のTABを分離し、TABに対する本発明の殺菌方法の有効性を検証した。
1.実験方法
(1)耐熱性好酸性菌の単離
土壌5gにYSG液体培地45mlを加え、45〜50°Cで3日間前培養を行った。この溶液の一部をYSG寒天培地に塗抹し、さらに45〜50°Cで培養して発現したコロニーを得た。得られたコロニーをグラム染色及びWirtz法にて染色し、芽胞の有無を確認した。グラム染色法にて染色し、グラム陽性桿菌の栄養体(染色)と芽胞(染色されない)を確認した。また、Wirtz法にて染色し、薄緑色に染色された芽胞を確認した。 また、30°C培養法(YSG培地に接種し、30°C、5日間培養後、コロニーの形成が認められない)により、アリシクロバチルス(Alicyclobacillus)属菌であることを確認した。
(2)芽胞液の調整
得られたコロニーから釣菌してYSG寒天培地に画線培養し、45〜50°Cで5日間培養した。このコロニーを滅菌生理食塩水に懸濁したものを菌浮遊液とした。顕鏡により90%以上が芽胞の状態で存在していることを確認した。
(3)殺菌効果の測定
試験液として、pH6.0、有効塩素濃度200,100,50,30,10ppmに調整した次亜塩素酸水溶液を用い、対象に滅菌蒸留水を用いた。三角フラスコに試験液50mlを分収したものに菌浮遊液0.1mlを添加し、定速攪拌を行った。この一部を経時的に分収し、サンプリングを行い、適宜滅菌生理食塩水で10段階希釈した後、YSG寒天培地に平板塗抹した。45〜50°Cで3日間培養した後、発現したコロニーを計測し、生菌数を求めた。
(4)結果
TABに対する本発明方法の殺菌効果を図1に有効塩素濃度毎に示す。
接触30分後において、有効塩素濃度10ppmで3.1log,30ppmで3.8log,50ppmで4.8log,100ppmで5.2log,200ppmで6.5logの生菌数が減少し、有効塩素濃度が上昇するにつれて、殺菌効果が向上することが認められた。特に、有効塩素濃度200ppmでは接触10分で検出限界以下とすることが可能であった。 実際の使用条件におけるTABの菌量は、本実験条件よりもはるかに少ないと考えられるため、実使用上の有効塩素濃度および接触時間について更に検討した。
〔実験例2〕
以下の実験では、耐熱性好酸性菌(TAB)に本発明方法を用い、接触時間と殺菌効果との関係を調査した。
1.実験方法
試験液として、pH6.0、有効塩素濃度100,50,30,10ppmに調整した次亜塩素酸水溶液を用いた。三角フラスコに試験液50mlを分収したものに前試験で使用した芽胞液0.1mlを添加し、24時間定速攪拌を行った。この一部を経時的に分収し、サンプリングを行い、適宜滅菌生理食塩水で10段階希釈した後、YSG寒天培地に平板塗抹した。45〜50°Cで3日間培養した後、発現したコロニーを計測し、生菌数を求めた。
2.結果
図2に本発明方法の殺菌効果を示す。
TABは、有効塩素濃度100ppmでは1時間、50ppmでは2時間、30ppmでは4時間の接触で検出限界以下となった。10ppmでも24時間接触後は検出限界以下であった。
上記実験ではpH6.0の各種濃度の弱酸性次亜塩素酸水溶液を用いたが、pH4.0以上7.0未満の弱酸性次亜塩素酸を有効に使用することができ、これらは次のようにして調整できる。通常、次亜塩素酸ソーダを含む水溶液を(株)HSP製ステリミキサーなどを用い、現場で製造する。
塩酸酸性の、次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造するにあたっては、pHが4以下に下がると、塩素ガスの発生が認められるので、30%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下の希塩酸を用い、20%以下、好ましくは12%以下の次亜塩素酸ソーダ水溶液と混合し、pH4以上6.5以下、好ましくはpH5以上6以下の領域内で有効塩素濃度3000〜10000ppmまで水により希釈することにより、塩素の発生もなく、高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造し、これを希釈して10ppm〜200ppmの所定の次亜塩素酸ソーダ水溶液を用いることができる。特に、次亜塩素酸ソーダ水溶液を調製する場合は、pHが下がり過ぎないようにpH調整剤を用いるのが好ましく、有効塩素に影響を与えない無機系の、例えば炭酸水素カリウムまたはナトリウム塩が添加されてもよい。また、直接、10ppm〜200ppmの濃度で生成させ、使用することもできる。
本発明は、弱酸性常温または加温洗浄水に10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン内に静止または流動下にパスツール殺菌においても死滅しない芽胞形成グラム陽性桿菌であるアリシクロバチルス属菌を検出限界まで死滅させることができるので、果汁飲料製造ラインにおいて、アリシクロバチルス属菌の侵入による臭気成分(グアイヤコール)の産生による飲料変敗が起こらない処理を実現させることができる。
また、本発明によれば、クラック発生の原因となる熱湯を使用することなく、果汁飲料ラインの殺菌が可能であり、しかもフレバー間の消臭がオーバーナイトの浸積作業を要することなく、実現することができるから、ラインの稼働率を極めて向上させることができる。
よって、広く果汁飲料、コーヒ飲料等の製造ラインに利用して有効である。なお、製造ラインには貯蔵槽との付属設備を含む。
TABに対する本発明方法の殺菌効果を有効塩素濃度毎に残存生菌数で示す図である。 本発明方法の殺菌効果を有効塩素濃度毎に検出限界以下となるまでの接触時間数で示す図である。

Claims (3)

  1. 果汁等飲料製造ラインにおいて、弱酸性常温または加温洗浄水に有効塩素濃度10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン内に静止または流動下に管内の耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌することを特徴とする果汁等飲料製造ラインの殺菌方法。
  2. 耐熱性好酸性菌の1種が芽胞形成グラム陽性桿菌アリシクロバチルス属菌である請求項1記載の果汁等飲料製造ラインの殺菌方法。
  3. 果汁等飲料製造ラインにおいて、ある種の果汁種等から別種の果汁種等に交換するに当たり、弱酸性常温または加温洗浄水に有効塩素濃度10ppm以上の次亜塩素酸を含ませ、これをライン内に静止または流動下に管内の耐熱性好酸性菌(TAB)を殺菌するとともに、前製造の果汁臭等を消去することを特徴とする果汁等飲料製造ラインの殺菌洗浄方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002332017A (ja) * 2001-05-01 2002-11-22 Toyo Seikan Kaisha Ltd 食品包装容器または食品充填システムの殺菌方法および装置
JP2005200627A (ja) * 2003-07-14 2005-07-28 Kao Corp Cip用洗浄剤組成物

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