JP2002329506A - 燃料電池用セル板、その製造方法および燃料電池スタック - Google Patents

燃料電池用セル板、その製造方法および燃料電池スタック

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JP2002329506A
JP2002329506A JP2001134691A JP2001134691A JP2002329506A JP 2002329506 A JP2002329506 A JP 2002329506A JP 2001134691 A JP2001134691 A JP 2001134691A JP 2001134691 A JP2001134691 A JP 2001134691A JP 2002329506 A JP2002329506 A JP 2002329506A
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cell
substrate
electrode
electrode layer
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Mitsugi Yamanaka
貢 山中
Noritoshi Sato
文紀 佐藤
Naoki Hara
直樹 原
Keiko Kushibiki
圭子 櫛引
Masaharu Hatano
正治 秦野
Itaru Shibata
格 柴田
Tatsuhiro Fukuzawa
達弘 福沢
Makoto Uchiyama
誠 内山
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02E60/50Fuel cells
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でしかも高電圧型の固体電解質型燃料電
池を得ることができる燃料電池用セル板とその製造方
法、およびこのようなセル板からなる燃料電池スタッ
ク、さらにはこのようなセル板やスタックを用いた固体
電解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】 基板1に形成された複数の開口部5を覆
うように第1の電極層2と、固体電解質層3と、第2の
電極層4を積層して、同一セル板内に複数の単セルを形
成し、第1の電極層2を隣接する単セルの第2の電極層
4に順次電気的に連結することによって同一セル板内の
これら単セルを直列に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質を用
い、電気化学反応により電気エネルギーを得る固体電解
質型燃料電池(SOFC)に係わり、さらに詳しくは電
極と固体電解質を積層した、より高い電圧を得るための
セル構造と、このような構造を備えたセル板の製造方
法、さらにはこのようなセル板を備えた燃料電池スタッ
クおよび固体電解質型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、酸素イオンあるいはプロト
ンなどのイオン導電性を有する固体電解質を多孔質の空
気極と燃料極とで挟んだ構造を有し、空気極側に酸素ガ
スを含む酸化性ガス、燃料極側に水素や炭化水素ガスを
含む還元性ガスを供給し、これらのガスが固体電解質を
介して電気化学的に反応することにより、起電力を生じ
る電池である。
【0003】しかし、単体の燃料電池(単セル)で得られ
る起電力は、1.12V程度と小さく、しかも出力電流
の増加に伴って低下するため、家庭用電源や自動車用電
源として用いるには、複数の単セルを直列に接続して、
電圧を高くしなければならない。
【0004】このような燃料電池のひとつである固体電
解質型燃料電池(以下、SOFCと略称する)の単セル
を大別すると、円筒の周囲に電極と固体電解質が被覆さ
れた構造の円筒型と、固体電解質や電極が平板状に形成
された構造を備えた平板型の二種類がある。
【0005】円筒型の単セルを組み合わせた円筒型SO
FCは、単セルの発電部の面積(固体電解質の面積)を大
きくするのが難しく、また単セルを接続した際の単位体
積当たりの発電密度が低いため、これを如何に向上させ
るかが基本的な課題となっている。これに対して、平板
型の単セル(単電池板)を組み合わせた平板型SOFC
は、電池の単位体積当たりの発電密度を高くするうえで
有利な構造であり、移動体の電源に適したSOFCであ
る。従来の平板型SOFCでは、単電池板が、第1の電
極と固体電解質と第2の電極が積層された一枚の板構造
をしているため、出力電圧を高くするためには、単電池
板を電圧に応じて複数枚積層して、スタック化しなけれ
ばならない。
【0006】一方、燃料電池の出力性能を向上させるた
めに、固体電解質の厚さを1ないし2μmと薄くして、
固体電解質の電気抵抗の低減を図り、図6に示すような
一枚の単電池板50に、第1の電極51と固体電解質5
2と第2の電極53を積層し、単電池板50に開口部5
4を形成することにより複数の燃料電池セルを形成し、
その単電池板50を積層して、燃料電池を構成すること
が提案されている(特開平8−64216号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合でも、出力電圧を高くするためには、単電池板を電圧
に応じて複数枚積層してスタック化しなければならず、
大型化が避けられないという問題点があった。例えば、
自動車用電源として300V程度の電圧を得るには、3
00枚以上の単電池板の積層が必要となり、製造工程も
繁雑化する。
【0008】さらに、上記のような構造の単電池板を用
いた場合、単電池板の面積を大きくし、大出力電力を得
る場合には、複数の燃料電池セルが、単電池板内で並列
に電気接続されるため、電流値が高くなり、第1の電
極、及び、第2の電極の電気抵抗による出力ロスを低減
するには、電極の厚みを厚くしなければならないという
問題点があった。また、電極の厚みを厚くした場合は、
燃料ガス、あるいは、酸化性ガスを電極に効率良く供給
するためには、多孔質性を十分に確保しなければならな
いという問題点があった。この電気抵抗ロスを低減する
ために電極の厚みを厚くすることと、ガス透過性を確保
するために電極のガス透過率を確保することは相反する
ことであり、これらの両立が難しいという問題点があっ
た。そこで、一枚の単電池板での出力電圧を高くすると
共に、電極の厚みを薄くして電極材料の使用量の増加を
避けることが課題となっていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、従来の固体電解質型燃料電池
のセル構造における上記課題に鑑みてなされたものであ
って、小型でしかも高電圧型のSOFCを得ることがで
きる燃料電池用セル板とその製造方法、およびこのよう
なセル板からなる燃料電池スタック、さらにはこのよう
なセル板やスタックを用いた固体電解質型燃料電池を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる燃料電池
用セル板は、第1の電極と固体電解質と第2の電極から
なる複数組の単セルを基板上に積層してなる固体電解質
型燃料電池のセル板であって、前記基板に形成された複
数の開口部のそれぞれを覆うように第1の電極層と固体
電解質層と第2の電極層がこの順序に積層されて個々の
単セルが形成され、隣接する単セルの第1の電極層と第
2の電極層とが順次直列に接続されている構成、あるい
は第1の電極と固体電解質と第2の電極からなる複数組
の単セルを基板上に積層してなる固体電解質型燃料電池
のセル板であって、前記基板に形成された複数の開口部
を覆うように第1の電極層と固体電解質層と第2の電極
層がこの順序に積層されて個々の単セルが形成され、複
数の単セル群を一単位として、隣接する単セルの第1の
電極層と第2の電極層とが順次直列に接続されている構
成としており、燃料電池用セル板におけるこのような構
成を前述した従来の課題を解決するための手段としたこ
とを特徴としている。
【0011】本発明に係わる燃料電池用セル板実施の好
適な形態としては、基板と第1の電極層との間に電気絶
縁層が形成されている構成とし、他の好適形態として
は、上記基板がシリコンである構成とし、さらに他の好
適形態としては、上記電気絶縁層がシリコン酸化物、シ
リコン窒化物、燐珪酸ガラス(PSG)、燐硼珪酸ガラ
ス(BPSG)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マ
グネシアからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料
を含有する構成としたことを特徴としている。
【0012】本発明に係わる燃料電池用セル板の製造方
法は、上記のような燃料電池用セル板の製造に好適なも
のであって、以下の〜の工程、すなわち :基板に開口部を形成するためのマスク層を基板の一
方の面に形成する工程、 :前記基板の他方の面に電気絶縁層を形成する工程、 :工程より後でかつ下記工程より前に実施され、
前記基板に開口部を形成する工程、 :工程で形成された電気絶縁層上に第1の電極層を
パターン形成する工程、 :工程で形成された第1の電極層上に固体電解質層
をパターン形成する工程、 :工程で形成された固体電解質層上に第2の電極層
をパターン形成する工程、 :工程より後に実施され、前記基板に形成された開
口部を覆っている電気絶縁層を除去する工程、を含む構
成としたことを特徴としている。
【0013】本発明に係わる燃料電池スタックは、本発
明に係わる上記燃料電池用セル板を複数枚積層してなる
構成とし、本発明に係わる燃料電池スタックの好適な実
施形態としては、積層された燃料電池用セル板それぞれ
の端部電極が同一種類である構成とし、また他の実施形
態として、隣接する燃料電池用セル板における単セルの
第1および第2の電極層の積層位置が逆になっている構
成としている。
【0014】さらに、本発明に係わる固体電解質型燃料
電池は、本発明に係わる上記燃料電池用セル板または燃
料電池スタックを用いてなる構成としたことを特徴と
し、固体電解質型燃料電池におけるこのような構成を前
述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0015】
【発明の作用】本発明に係わる燃料電池用セル板は、基
板に形成された複数の開口部に単セルが形成されている
ことに特徴があり、開口部を覆うように第1の電極層
と、発電機能を発現するのに必要な電解質層と、第2の
電極層が積層されてそれぞれの単セルが構成され、これ
ら単セルの第1の電極層と第2の電極層とが順次電気的
に接続されて、複数の単セルが同一セル板内で直列に接
続された構造になっている。したがって、一枚のセル板
で出力電圧が高いものとなると共に、各単セルがセル板
内で直列に電気接続されているので、セル板内の電流値
が高くならず、両電極の厚さを大きくしなくても、電気
抵抗による出力ロスが低減され、しかも電極の厚さが薄
いので燃料ガスや酸化性ガスが効率よく電極に供給され
ることになる。なお、固体電解質は、基板に形成された
開口部のそれぞれ1個ごとに、あるいは複数の開口部に
またがって形成することができ、一枚のセル板におい
て、用途に応じた出力電圧を備えた燃料電池用セル板が
得られることになる。
【0016】第1の電極層は燃料極と空気極のうちの一
方の電極とすることができ、第2の電極層は燃料極と空
気極のうちの他方の電極とすることができる。燃料極材
料としては、例えば公知のニッケル、ニッケルサーメッ
ト、白金などを使用することができるが、これらのみに
限定されるものではない。また、空気極材料としては、
例えば、La1−xSrMnO、La1−xSr
CoOなどのペロブスカイト型酸化物、銀などを使用
することができるが、これらのみに限定されるものでは
ない。
【0017】固体電解質としては、公知のNd
Sm、Y、Gd、Scなどを
固溶した安定化ジルコニア(ZrO)や、CeO
Bi 、LaGaOなどを主成分とする材料を使
用することができるが、必ずしもこれらのみに限定され
るものではない。
【0018】本発明に係わる燃料電池用セル板に用いる
基板としては、平滑性に優れ、開口部形成工程における
加工性に優れたものを使用することが望ましく、例え
ば、シリコンウェハ、多結晶Si基板、MgO基板、ア
ルミナ基板、石英基板、耐熱性ガラス基板、窒化アルミ
ニウム基板などを使用することができる。
【0019】基板としてシリコン(シリコンウェハ)を
使用した場合、シリコンは、高純度で高抵抗なものにお
いても、300℃を越えると電気的に導体となるため、
第1の電極層と固体電解質層と第2の電極層を形成する
前に、当該基板上にシリコン酸化物、シリコン窒化物、
燐珪酸ガラス(PSG)、燐硼珪酸ガラス(BPS
G)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアか
らなる群から選ばれた少なくとも1種の材料を含有する
電気絶縁層を形成する。この電気絶縁層は、基板である
シリコンウェハと固体電解質層との応力緩和層としても
機能する。
【0020】また、基板としては、ニッケル、ステンレ
ススチール等の金属材料を用いることもでき、この場合
にも、上述と同様の材料からなる電気絶縁層を当該基板
と第1の電極層の間に形成する。この電気絶縁層も同時
に、基板である金属材料板と固体電解質層との応力緩和
層として機能する。
【0021】なお、基板として石英、耐熱性ガラス、ア
ルミナ、窒化アルミニウム等の電気絶縁材料を用いた場
合には、第1の電極層と固体電解質層と第2の電極層を
基板上に直接形成することができるが、この場合にも上
記同様の材料からなる電気絶縁層を基板上に形成して応
力緩和層としてもよい。
【0022】本発明に係わる燃料電池用セル板の製造方
法は、マスク層形成工程、絶縁層形成工程、開口
部形成工程、第1電極層形成工程、固体電解質層形
成工程、第2電極層形成する工程、電気絶縁層除去
工程からなり、半導体の量産技術を利用して、基板状に
マスク層や絶縁層を形成した上で、固体電解質層や電極
層を成膜したり、エッチングによって開口部を形成した
りするようにしているので、上記構造を備えた燃料電池
用セル板の精度および生産性が大幅に向上することにな
る。
【0023】上記工程において、基板の一方の面にマス
ク層を形成する工程と他方の面に絶縁層を形成する工
程は、どちらを先に実施してもよく、マスク層と電気
絶縁層を同一の材料を用いて同時に形成することも可能
である。本発明の製造方法は、電気絶縁膜上に、第1の
電極層、固体電解質層、第2の電極層をパターン形成す
るところに特徴があり、基板を加工する工程は、第1
の電極層を形成する工程、固体電解質層を形成する工
程および第2の電極層を形成する工程の前でも後で
も限定されるものではない。また、固体電解質層を形成
する工程および第2の電極層を形成する工程は、第
1の電極層下層の電気絶縁層を基板裏面より除去する工
程よりも前でも後でもよい。
【0024】本発明において、マスク層および電気絶縁
層は、熱酸化法により形成し、フォトリソグラフィー法
によって所望のパターンに形成することができる。ま
た、化学気相成長(CVD)法、ゾルゲル法、塗布法等
によって、所望のパターンを形成することも可能であ
る。基板の加工は、シリコンウェハを用いた場合には、
水酸化カリウムを主成分とする溶液やヒドラジンを主成
分とする溶液を用いた公知の湿式エッチングによって所
望のパターンに開口部を形成することができる。あるい
は、ドライエッチング法や、レーザー加工法も用いるこ
とも可能である。
【0025】固体電解質層を形成する方法としては、マ
スクを用いた蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティン
グ法等により所望のパターンで形成することができる。
また、第1の電極層、第2の電極層も、マスクを用いた
蒸着法、スパッタ法、溶射法、塗布法、スプレー法によ
り所望のパターンで形成することができる。
【0026】本発明に係わる燃料電池スタックは、直列
に接続された複数の単セルを備えて、高出力電圧が得ら
れる上記燃料電池用セル板を複数積層してなるものであ
るから、積層数に係わりなく出力電圧が高いものとな
る。
【0027】このとき、燃料電池スタックの積層された
それぞれのセル板端部の電極を同一種類の電極とするこ
とが望ましく、これによって正負の出力端子をセル板の
一端側と多端側とにそれぞれ設置することができ、外部
の電気配線が単純化されることになる。また、当該燃料
電池スタックの隣接するセル板内における各燃料電池セ
ル(単セル)の第1の電極と第2の電極の積層構成を互
いに逆にすることも好ましく、これによりガス流路を形
成したセパレーターをセル板間に設置する必要がなくな
り、SOFCがよりコンパクトなものとなる。
【0028】本発明に係わる固体電解質型燃料電池は、
本発明に係わる上記燃料電池用セル板あるいは燃料電池
スタックを使用したものであるから、出力電圧が高くコ
ンパクトなものとなる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0030】実施例1 図1は、この実施例に係わる燃料電池用セル板の完成し
た状態を示すものであって、これは、100mm角のS
i基板1に2mm角程度の開口部5を持つ単セルが10
個×10個形成されたうちの、隣接する2個のセルを示
したものである。
【0031】電気絶縁層1aが形成された基板1には、
開口部5が形成されており、開口部を覆うように第1の
電極層2、固体電解質層3、第2の電極層4が形成さ
れ、隣接するセルが電気的に直列に接続されるように、
第1の電極層2と第2の電極層4が接続されている。
【0032】図2は、上記燃料電池用セル板の製造過程
を順次示すものであり、まず、図2(a)に示すよう
に、Si基板1の両面に電気絶縁層1a、例えばシリコ
ン窒化膜を減圧CVD法によって200nm厚程度に形
成する。次に、このSi基板裏面側におけるシリコン窒
化膜1aの所望の領域をフォトリソグラフィー法、及
び、CFガスを用いたケミカルドライエッチングによ
り除去し、シリコンエッチング口を形成する。次いで、
シリコンエッチング液、例えば、ヒドラジンを用いて8
0℃程度の温度でエッチングを行ない、Si基板1の表
面に開口部5を形成するとともに、シリコン窒化膜1a
のダイアフラムを形成する。
【0033】次に、図2(b)に示すように、例えば蒸
着マスクを用いて、電子ビーム蒸着法によりNi等など
からなる第1の電極層(燃料極)2a,2bを500n
m厚程度、シリコン窒化膜1aからなるダイアフラムを
覆うように形成したのち、図2(c)に示すように、イ
ットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの固体電解質
層3a,3bを高周波スパッタ法により蒸着マスクを用
いて、第1の電極層2a,2bの一部、すなわち図中左
側端部が露出するように形成する。
【0034】そして、図2(d)に示すように、La
1−xSrMnOからなる第2の電極層(空気極)
4a,4bを高周波スパッタ法により蒸着マスクを用い
て、固体電解質層3a,3bを覆うと共に、第2の電極
層4bの図中右側端部が隣接する単セルの第1電極層2
aの左側端部と重なるように形成する。そして、再度、
CFガスを用いたケミカルドライエッチングによりS
i基板1の裏面よりエッチングを行ない、第1の電極層
2a,2bの裏面にあるシリコン窒化膜ダイアフラムを
除去し、第1の電極層2a,2bを表出させる。
【0035】以上の工程を経て形成された単セルを備え
た燃料電池用セル板Aを燃料電池スタックとして積層す
るため、セパレーター6を別途用意した。このセパレー
ター6は、100mm角のSi基板の両面にダイシング
ソーを用いてガス流路6aが加工形成されたものであ
る。そして、上下段に端板7を配設すると共に、セル板
Aの両面に上記セパレーター6を公知の方法でシール8
を介して積層することによって、第3図に示すように、
3枚のセル板Aとその間に積層された3枚のセパレータ
ー6からなる燃料電池スタックを形成した。
【0036】次に、前記燃料電池スタックを組み込んで
固体電解質型燃料電池とし、当該燃料電池を電気炉中に
設置した。セル板Aの上面に形成されたセパレータ流路
6aに空気を、セル板Aの下面に積層したセパレーター
6の流路6aには水素ガスを流し、電気炉温度700℃
として発電特性を評価した。100個のセルが直列に接
続されていることから、開放電圧として95Vの出力電
圧が得られた。
【0037】以上のように、複数の燃料電池セル(単セ
ル)が同一セル板内で電気的に直列に接続された構成と
したことにより、一枚のセル板で出力電圧の高電圧化を
図ることができる。
【0038】実施例2 実施例1と同様の基板1を用いて、実施例1における第
1の電極層と第2の電極層を入れ替えてセル板Bを作製
した、すなわち、基板1であるシリコンウェハ上に、電
気絶縁層であるシリコン窒化膜を減圧CVD法により2
00nm厚程度形成し、次いで、Si基板1の表面に開
口部5を形成するとともに、シリコン窒化膜のダイアフ
ラムを形成した。次に、第1の電極層2として空気極で
あるLa 1−xSrMnOを高周波スパッタ法によ
り蒸着マスクを用いて、500nm厚程度、ダイアフラ
ムを覆うように形成し、固体電解質3としてYSZを高
周波スパッタ法により蒸着マスクを用いて、第1の電極
層2の一部が露出するように形成し、さらに、第2の電
極層4として燃料極であるNiを蒸着マスクを用いて電
子ビーム蒸着法により蒸着マスクを用いて形成し、電解
質層3を覆い、隣接する単セルにおける第1の電極層2
の端部に重なるように形成する。そして、再度、CF
ガスを用いたケミカルドライエッチングによりSi基板
1の裏面側よりエッチングを行ない、第1の電極層2の
裏面にあるシリコン窒化膜ダイアフラムを除去し、第1
の電極層2を表出させて、実施例1における第1の電極
層2と第2の電極層3の材質を入れ替えたセル板を作製
した。
【0039】そして、以上のように形成した単セルを備
えたセル板Bと、実施例1で作製したセル板Aを用い
て、燃料電池スタックとして積層する。図4に示すよう
に、公知の方法で、セル板Aとセル板Bとを交互に積層
して作製した燃料電池スタックは、実施例1で作製した
燃料電池スタックと同等の開放電圧が得られた。さら
に、この実施例に係わる燃料電池スタックは、実施例1
のものに比較して、セパレーター6が不要となり、同程
度の出力を得る場合には、コンパクト化が可能となり、
積層されたセル板端部の電極が同一種類の電極となるよ
うに積層することにより外部への出力の取り出しを簡便
に行なうことができる。
【0040】実施例3 図5は、この第3の実施例に係わる燃料電池用セル板の
完成した状態を示すものであって、100mm角のSi
基板1に、2mm角程度の開口部5を持つセルが10個
×10個形成されており、このうちの2個×2個のセル
群を一単位として、隣接する2個のセル群を示したもの
である。電気絶縁層1aが形成された基板1には、開口
部5が形成されており、一セル群の4個の開口部を覆う
ように第1の電極層2(2a,2b)、固体電解質層3
(3a,3b)、第2の電極層4(4a,4b)が形成
され、隣接するセル群同士がが電気的に直列に接続され
るように、第1のセル群の第1の電極層2aとこれに隣
接する第2のセル群の第2の電極層4が実施例1と同様
に重ねられて接続されている。
【0041】この実施例に係わるセル板は、実施例1と
同様のプロセスを経て作製され、別途用意したセパレー
ター6とを積層して燃料電池スタックとし、実施例1と
同様の方法により出力電圧を測定したところ、25個の
セル群が直列に接続されていることから、開放電圧とし
て23.7Vの出力が得られた。
【0042】以上のように、この実施例においては、複
数個の燃料電池セル(単セル)が同一セル板内で複数の
セル群を一単位として電気的に直列に接続された構成と
したことにより、一枚のセル板で用途に応じた出力電圧
を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係わる燃料電池用セル板は、基
板に形成された複数の開口部を覆うように第1の電極層
と固体電解質層と第2の電極層が積層されて単セルが構
成され、これら単セルの第1の電極層と第2の電極層と
が順次電気的に接続されて、複数の単セルが同一セル板
内で直列に接続された構造になっていることから、一枚
のセル板で高出力電圧化が可能となるとともに、単セル
がセル板内で直列に接続されているため、セル板内にお
ける電流値が高くならず、第1および第2の電極の厚み
を厚くすることなく、電気抵抗による出力ロスを低減さ
せることができ、電極の厚みを薄くすることによって電
極のガス透過性を確保し、燃料ガスおよび酸化性ガスを
両電極に効率よく供給することができるというきわめて
優れた効果をもたらすものである。
【0044】本発明に係わる燃料電池用セル板の製造方
法は、マスク層形成工程、絶縁層形成工程、開口
部形成工程、第1電極層形成工程、固体電解質層形
成工程、第2電極層形成する工程、電気絶縁層除去
工程からなり、半導体の量産技術を利用したものである
から、上記構造の燃料電池用セル板を高い生産性のもと
に高精度に製造することができるという極めて優れた効
果がもたらされる。
【0045】本発明に係わる燃料電池スタックにおいて
は、直列に接続された複数の単セルを備えた高出力電圧
の上記燃料電池用セル板を複数積層してあるから、積層
数に依存することなく出力電圧を大幅に向上させること
ができ、本発明に係わる固体電解質型燃料電池において
は、本発明に係わる上記燃料電池用セル板あるいは燃料
電池スタックを使用したものであるから、コンパクトで
しかも出力電圧の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる燃料電池用セル
板の外観を示す斜視図である。
【図2】(a)ないし(d)は図1に示した燃料電池用
セル板の製造工程を順次説明する斜視図である。
【図3】図1に示した燃料電池用セル板からなる燃料電
池スタックの構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係わる燃料電池スタッ
クの構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係わる燃料電池用セル
板の外観を示す斜視図である。
【図6】従来の燃料電池用セル板の外観を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
A,B 燃料電池用セル板 1 基板 1a 電気絶縁層 2,2a,2b 第1の電極層 3,3a,3b 固体電解質層 4,4a,4b 第2の電極層 5 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/24 H01M 8/24 R (72)発明者 原 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 櫛引 圭子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 秦野 正治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 柴田 格 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 福沢 達弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 内山 誠 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB00 BB04 CC01 CV00 EE11 EE12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と固体電解質と第2の電極か
    らなる複数組の単セルを基板上に積層してなる固体電解
    質型燃料電池のセル板であって、 前記基板に形成された複数の開口部のそれぞれを覆うよ
    うに第1の電極層と固体電解質層と第2の電極層がこの
    順序に積層されて個々の単セルが形成され、 隣接する単セルの第1の電極層と第2の電極層とが順次
    直列に接続されていることを特徴とする燃料電池用セル
    板。
  2. 【請求項2】 第1の電極と固体電解質と第2の電極か
    らなる複数組の単セルを基板上に積層してなる固体電解
    質型燃料電池のセル板であって、 前記基板に形成された複数の開口部を覆うように第1の
    電極層と固体電解質層と第2の電極層がこの順序に積層
    されて個々の単セルが形成され、 複数の単セル群を一単位として、隣接する単セルの第1
    の電極層と第2の電極層とが順次直列に接続されている
    ことを特徴とする燃料電池用セル板。
  3. 【請求項3】 基板と第1の電極層との間に電気絶縁層
    が形成されていることを特徴とする請求項1または記載
    の燃料電池用セル板。
  4. 【請求項4】 前記基板がシリコンであることを特徴と
    する請求項3記載の燃料電池用セル板。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁層がシリコン酸化物、シリ
    コン窒化物、燐珪酸ガラス、燐硼珪酸ガラス、アルミ
    ナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアからなる群から
    選ばれた少なくとも1種の材料を含有することを特徴と
    する請求項3または4記載の燃料電池用セル板。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃
    料電池用セル板の製造方法であって、以下の工程〜 :基板に開口部を形成するためのマスク層を基板の一
    方の面に形成する工程、 :前記基板の他方の面に電気絶縁層を形成する工程、 :工程より後でかつ下記工程より前に実施され、
    前記基板に開口部を形成する工程、 :工程で形成された電気絶縁層上に第1の電極層を
    パターン形成する工程、 :工程で形成された第1の電極層上に固体電解質層
    をパターン形成する工程、 :工程で形成された固体電解質層上に第2の電極層
    をパターン形成する工程、 :工程より後に実施され、前記基板に形成された開
    口部を覆っている電気絶縁層を除去する工程、 を含むことを特徴とする燃料電池用セル板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃
    料電池用セル板を複数枚積層してなることを特徴とする
    燃料電池スタック。
  8. 【請求項8】 積層された燃料電池用セル板それぞれの
    端部電極が同一種類であることを特徴とする請求項7記
    載の燃料電池スタック。
  9. 【請求項9】 隣接する燃料電池用セル板における単セ
    ルの第1および第2の電極層の種類が逆になっているこ
    とを特徴とする請求項7記載の燃料電池スタック。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    燃料電池用セル板を用いてなることを特徴とする固体電
    解質型燃料電池。
  11. 【請求項11】 請求項7ないし9のいずれかに記載の
    燃料電池スタックを用いてなることを特徴とする固体電
    解質型燃料電池。
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