JP2002328187A - 発電機能付き時計 - Google Patents

発電機能付き時計

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JP2002328187A JP2001402097A JP2001402097A JP2002328187A JP 2002328187 A JP2002328187 A JP 2002328187A JP 2001402097 A JP2001402097 A JP 2001402097A JP 2001402097 A JP2001402097 A JP 2001402097A JP 2002328187 A JP2002328187 A JP 2002328187A
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昌史 井出
Takashi Akiyama
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Masami Kikuchi
正美 菊池
Yuichi Akiba
雄一 秋葉
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浩司 中川
Koichi Hoshino
浩一 星野
Takashi Toida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時計の装飾性の向上と多機能性を改善する。 【解決手段】 透過容易軸と直交する振動面を持つ直線
偏光は反射する反射型偏光板9,10と、光の透過を変
調する光変調機能部として液晶セル39を有し、その反
射型偏光板9,10と液晶セル39によって液晶表示パ
ネル30を構成し、その液晶表示パネル30の下側(後
ろ側)に太陽電池41を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示パネル
を用いて時・分・秒などの時刻情報や、日付け・曜日・
月・年などのカレンダ情報をデジタルで表示する時計、
および時針,分針,秒針等の指針を用いて時刻情報をア
ナログ的に表示する時計に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示表示パネルを用いて、時・分・
秒などの時刻情報や、日付け・曜日・月・年などのカレ
ンダー情報をデジタル表示する時計は、従来から水晶発
振回路を備えた腕時計や置き時計に多用されている。時
刻情報やカレンダー情報を、液晶を使用してデジタル表
示するときは、液晶セルの上下にそれぞれ上偏光板と下
偏光板を配置し、電界を印加すると光学特性が変化する
液晶のもつ性質を利用して、所定の表示を行なってい
る。さらに、置き時計や壁掛け時計においては、装飾性
を重視する人形等が定刻にいろいろ動作を行うカラクリ
時計、または液晶表示装置と組み合わせ、定刻または使
用者の設定時刻に動物等が色々な動作を行う時計が開発
され、装飾性と多機能性が重要となっている。
【0003】また、人形等の動作を定刻になると観察者
に開放する幕の開閉は、現在機械式で行われている。そ
のため、限られた動きとなり、または長期の使用により
劣化等が発生する。さらに、キャラクター表示を行うた
めに、上述したような液晶表示パネルを利用する場合が
ある。このような液晶表示パネルを用いた時計では、一
般的なノーマリホワイト・モードでは、白地に黒表示で
時刻情報やカレンダー情報をデジタル表示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに白地に黒表示で時刻情報やカレンダー情報をデジタ
ル表示するだけでは、デザイン的に変化がなく、おもし
ろ味にも欠け、消費者に飽きられてしまい、デジタル表
示式の時計の消費は落ち込んでいる。そこで、デザイン
的に変化があるデジタル表示式の時計が要望されてい
る。さらに、時計の時刻表示部の一部あるいは全面を、
使用する環境あるいは、時計の内部状況に応じて遮蔽す
る方法の検討はあるが、薄型化と制御性に関して充分と
はいえない状況である。また、時計の使用者の操作や、
タイマまたは通信による外部からの信号により、時計の
時刻表示部を遮蔽と開放を制御したり、時刻表示部自体
の一部をシャッタにして、情報の表示と非表示を行うよ
うなことも要望されているが、時計のデザイン性の問題
が克服できていない。さらに、からくり人形などを用い
た置き時計や壁掛け時計の場合でも、人形等の動作を定
刻になると観察者に開放する幕あるいは扉の開閉は、現
在機械式で行われている。そのため、限られた動きとな
り、しかも長期の使用による劣化等の問題がある。
【0005】この発明は、このような課題を解決して、
デザイン的に変化があるデジタル式あるいはアナログ
式、またはデジタル式とアナログ式を併用するコンビネ
ーション時計等を提供することを第1の目的とする。さ
らに、時計を使用する環境や使用者からの制御信号また
は時計の内部状況等により、時刻表示部を遮蔽あるいは
開放できるようにし、時計のデザイン性を改善すると同
時に、変化に富んだ時計を提供することを第2の目的と
する。そしてからくり人形などを用いた置き時計や壁掛
け時計の場合でも、表示部すなわち人形等の設置された
舞台を、機械的な手段を使用せずに必要により開閉でき
るようにし、斬新なデザインの時計を提供できるように
することも第3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による発電機能
付き時計は、上記の目的を達成するため、透過容易軸と
直交する振動面を持つ直線偏光は反射する反射型偏光板
と、光の透過を変調する光変調機能部とを有する時計で
あって、上記反射型偏光板と光変調機能部との下側に太
陽電池を配設したものである。このような発電機能付き
時計において、上記光変調機能部が液晶パネルを備え、
上記液晶パネルに上記太陽電池の発電量又は電気蓄積量
を表示するための表示領域を設けるとよい。さらに、上
記光変調機能部が、上記太陽電池の発電量又は電気蓄積
量に従って上記表示領域を制御する機能を有するとよ
い。あるいは、上記表示領域に反射領域と透過領域とを
設け、上記光変調機能部が、上記太陽電池の発電量又は
電気蓄積量に従って上記反射領域と上記透過領域との面
積比を可変する機能を有するようにしてもよい。
【0007】また、上記の発電機能付き時計において、
上記光変調機能部が、上記反射型偏光板の透過容易軸と
それに直交する反射容易軸へのそれぞれの光の入射比率
を可変して、上記太陽電池に入射する光を可変する機能
を有するようにするとよい。あるいは、上記光変調機能
部が、上記太陽電池の発電量又は電気蓄積量に従って、
上記反射型偏光板の反射強度と透過強度とを可変するよ
うにしてもよい。また、上記の発電機能付き時計におい
て、上記表示領域を上記太陽電池の手前側に配置し、上
記光変調機能部による上記表示領域の変化により、上記
太陽電池の受光条件が変化するようにしてもよい。さら
に、上記光変調機能部が、太陽電池の発電量又は電気蓄
積量が低下するに従って上記表示領域の透過率が大きく
なるように制御し、上記太陽電池への入射光量を増加す
るようにするとよい。また、上記反射型偏光板を上記液
晶パネルの下側に配設するとよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明を実施するための
最良の形態を図面を参照しながら説明する。 〔第1の実施形態:図1乃至図3〕図1はこの発明の第
1の実施形態を示す腕時計の平面図、図2は図1のA−
A線に沿う模式的な断面図である。時計ケース1には、
風防ガラス2と裏蓋3とが装着されており、時刻表示部
は、電気回路と指針軸8を駆動するためのステッピング
モータ等を有する回路基板4と、二次電池5と、指針軸
8に連結する時針6および分針7からなる。なお、指針
軸8は時針用と分針用の軸が同心状に嵌入している。
【0009】さらに、時針6と回路基板4との間には、
第1の偏光板9として反射型偏光板を配設している。そ
の反射型偏光板9の裏蓋3側(裏側)には、半透過性の
セラミックス基板の表面外周部付近に「1〜12」の時
刻文字が印刷された文字板10を備えている。その文字
板10の裏面側には、補助光源12としてエレクトロル
ミネッセントライト(EL)を配置する。この補助光源
12は、補助光源用端子13により回路基板4に接続し
ており、腕時計の外部環境を後述するセンサにより検知
し、必要な時に自動的に点灯する。
【0010】また、時計ケース1の風防ガラス2の外周
部上面側には、第2の偏光板14として高透過率の吸収
型偏光板を配置している。この第2の偏光板14は、薄
型の強化ガラスにサンドイッチされ、偏光板保持リング
15に固定されている。そして、その偏光板保持リング
15が時計ケース1の側壁と機械的に回転可能に嵌合し
ており、この腕時計の使用者により任意に回転操作でき
るようになっている。偏光板保持リング15には、回転
操作を容易にするために、全周にわたって多数の凸部2
1が形成されている。ここで、第1の偏光板9として用
いる反射型偏光板は、透過容易軸に平行な方向の振動面
をもつ直線偏光は透過し、透過容易軸に直交する方向の
振動面をもつ直線偏光は反射する機能をもつ偏光板であ
る。また、第2の偏光板14として使用する吸収型偏光
板は、透過容易軸に平行な方向の振動面をもつ直線偏光
は透過し、透過容易軸に直交する方向の振動面をもつ直
線偏光は吸収する機能をもつ偏光板である。
【0011】したがって、この反射型偏光板と吸収型偏
光板の透過容易軸のなす角度を可変するように、第2の
偏光板14を回動することにより、第1の偏光板9であ
る反射型偏光板に入射する光に対して、その透過容易軸
とそれに直交する反射容易軸への光の入射比率を可変
し、第1の偏光板9による透過光と反射光の比率、すな
わち反射強度と透過強度を可変することができる。この
実施形態に使用する反射型偏光板は、実際には、例えば
住友スリーエム株式会社から販売されているのオプティ
カルフィルムDBEF(商品名)を使用する。
【0012】この腕時計によれば、時計ケース1に嵌合
した偏光板保持リング15を回転操作することにより、
第2の偏光板14を回転させて、文字板10上の第1の
偏光板9との互いの透過容易軸のなす角度を0°(全面
透過)から90°(全面反射)まで、可変することがで
きる。それによって、文字板10上の時刻表示部が全て
見える状態から次第に反射比率が増し、半透過半反射状
態を経て、全面反射(文字板10が見えなくなる)ま
で、表示領域の状態を変えることができる。例えば、X
日は全反射、X+1日は半透過、X+2日は全透過等、
文字板10上の第2の偏光板14を回転することによ
り、腕時計のデザインを変えることができる。
【0013】ここで、図3を用いてこの第1の偏光板9
と第2の偏光板14とによるシャッタ機能について説明
する。第2の偏光板14を回転することにより、第1の
偏光板9と第2の偏光板14の透過容易軸のなす角度が
変化し、第1の偏光板9である反射型偏光板に入射する
光の透過容易軸に沿う光と反射容易軸に沿う光の比率が
変化する。それによって、図3に示すように、第1の偏
光板9の透過容易軸と第2の偏光板14の透過容易軸と
が直交(交差角90°)し、全面反射する(a)の状況
から、70°のときの反射量がいくぶん減少して黒味が
増加する(b)の状況、45°のときの半反射半透過の
(c)の状況、30°のときの反射性が低下して黒味も
低下する(d)の状況、20°のときの透過率がかなり
高い(e)の状況、0°のときの透過率が最大となる
(f)の状況まで、時刻表示部の状況が変化する。
【0014】この場合、第1の偏光板9への入射光が全
面反射する(a)の状況では、文字板10と時刻文字1
1と時針6と分針7とはほとんど認識できなくなる。す
なわち、第2の偏光板14の裏側はほとんど遮蔽され
る。さらに、第1の偏光板9と第2の偏光板14の透過
容易軸のなす角度により、反射率の低下と透過率の増加
が可能であり、全反射(a)と全透過(f)では、第1
の偏光板9と第2の偏光板14とによるシャッタ機能に
よるシャッタの開閉に相当し、さらにその中間状態で
は、半反射や半透過状態、すなわちシャッタの中間状態
となる。この説明のように、第1の偏光板9と第2の偏
光板14による反射性と透過性の制御により、第2の偏
光板14の裏側に配置した時刻表示部等の呈示のオン・
オフまたは中間の状態にすることをシャッタ機能と称す
る。
【0015】なお、この第1の実施形態では、第2の偏
光板を腕時計の使用者が回転操作するようにしたが、こ
の偏光板を分針あるいは時針の回転に連動して回転させ
るようにしたり、制御スイッチの操作によりモータで回
転させるようにしても、シャッタ機能は充分有効であ
る。また、上述の説明では腕時計の実施形態について説
明したが、時刻表示部の大きさや時計ケース1の形状な
どを変えれば、置き時計や掛け時計にも同様に適用する
ことができる。
【0016】〔第2の実施形態:図4,図5〕次に、こ
の発明の第2の実施形態を図4および図5によって説明
する。この実施形態は、シャッタ機能を第1の偏光板9
と第2の偏光板14と液晶セル39との相互作用により
行なうものである。液晶セル39を利用することによ
り、電気的にシャッタ機能を可変できる。また、時刻表
示部は、シャッタ機能部と同一の液晶表示パネルを利用
する。そのため、腕時計の薄型化が可能になる。図4は
その第2の実施形態を示す腕時計の平面図であり、図5
はそのB−B線に沿う模式的な断面図である。
【0017】この実施形態に用いる液晶表示パネルは、
時刻表示部と光変調機能部の両方に利用するため、文字
情報を多くし、さらにシャッタ機能を充実するため、マ
トリクス型の液晶表示パネルを採用する。図5に示す液
晶セル39と共に液晶表示パネル30を構成する偏光板
として、液晶セル39の裏面側に配置する第1の偏光板
9は反射型偏光板を採用し、液晶セル39の表面側に配
置する第2の偏光板14は吸収型偏光板を採用する。さ
らに、このマトリクス型の液晶表示パネル30はシャッ
タ機能を有し、図4に示すように、第1の表示領域31
には文字情報を表示し、第2の表示領域32ではシャッ
タが機能し、重要な情報を遮蔽する全面反射状態を示し
ている。
【0018】このように、この液晶表示パネル30は、
大きく分けて第1の表示領域31と第2の表示領域32
に2分割されており、シャッタが機能している時の消費
電力を極力低減するために、図4に示す状態では、第2
の表示領域32には電圧を印加していない。また、この
実施形態ではマトリクス型の液晶表示パネル30を用い
ているため、文字で時刻を表示するデジタル式時刻表示
部または針によって時刻を示すアナログ式時刻表示部を
液晶表示パネルにより表現することができる。そのた
め、マトリクス型の液晶表示パネル30の電極配置は、
円形に広がる配置を採用し、さらに、上下の2分割した
片側の領域においても、アナログ式時刻表示部として利
用可能とした。また、表示の一部を遮蔽(シャット)す
る場合には、マトリクス型の液晶表示パネル30の上下
の内一方だけが表示可能になるものとした。
【0019】この腕時計の時計ケース1には、図5に示
すように風防ガラス1と裏蓋3とが装着されており、時
刻表示部は、回路基板4と二次電池5とマトリクス型の
液晶表示パネル30と、それを回路基板4に接続するゼ
ブラゴム38とからなる。そして、マトリクス型の液晶
表示パネル30により時刻表示を行なう。また、マトリ
クス型の液晶表示パネル30は、風防ガラス2側より、
第2の偏光板14としての吸収型偏光板と、液晶セル3
9と、第1の偏光板9としての反射型偏光板とからな
る。
【0020】液晶セル39は、それぞれ対向する内面に
透明な電極を形成した第1の基板33と第2の基板35
をシール材36を介して張り合わせ、その隙間に液晶3
4を封入している。シール材36には導電粒を含み、マ
トリクス型の液晶表示パネル30の消費電力を低減する
ために、この液晶セル39の各画像を形成する電極に対
してスイッチング素子を設けている。そのスイッチング
素子は、三端子型と二端子型のスイッチング素子があ
り、スイッチング素子を設けることにより、液晶34に
電圧を印加する信号を間欠的にできる。
【0021】さらに、液晶34を配向処理するために第
1の基板33とその内面に形成した第1の電極上と、第
2の基板35とその内面に形成した第2の電極上とに
は、配向膜を塗布して配向処理を施し、液晶34は入射
する直線偏光が第1の基板33から第2の基板35へ液
晶34を透過する間に90゜ツイストするツイステッド
ネマティク(TN)型の液晶セルを構成している。ま
た、第1の偏光板9には反射型偏光板を用い、第2の偏
光板14には透過型偏光板を用いて、第1の偏光板9と
第2の偏光板14の透過容易軸が互いにほぼ平行するよ
うに配置した。すなわち、液晶セル39への電力の供給
が停止した場合には、液晶表示パネル30は、第2の偏
光板14を透過した直線偏光が液晶セル39によって9
0°ツイストされ、第1の偏光板9に入射する光の偏光
方向がその透過容易軸に直交する方向となるため、第1
の偏光板9の反射型偏光板によって全反射され、金属調
の反射面の表示にすることができる。
【0022】また、第2の偏光板14には、液晶表示パ
ネル30を構成するシール材36と加工端等を遮蔽する
ために、遮蔽板37を設ける。たとえば、遮蔽板37に
カラー偏光板を使用し、さらに、そのカラー偏光板上に
時刻を示す数字を印刷することにより、色彩の豊かな時
刻表示が可能となる。さらに、液晶表示パネル30と回
路基板4とを接続するために、導電粒と絶縁体との積層
からなるゼブラゴム38を使用する。マトリクス型の液
晶表示パネル30の電極群を図4で上下に2分割してい
るために、ゼブラゴム38は上下と縦の3方向より回路
基板4に接続している。
【0023】また、暗い環境にてこの腕時計を使用する
場合に用いる補助光源12は、エレクトロルミネッセン
トランプ(EL)を使用し、回路基板4と補助光源用端
子13により接続し、腕時計の薄型化を図った。さら
に、補助光源12と第1の偏光板9である反射型偏光板
とに間隙を設け、補助光源12の非点灯時には、マトリ
クス型の液晶表示パネル30の表示として、反射部と暗
い表示部との2値のコントラスト比が大きくなるように
した。また、図4には、上側の第1の表示領域31には
各種の情報を表示し、下側の第2の表示領域32には、
電気蓄積量の低下のために全面表示を停止して反射部と
した状況を示している。さらに、腕時計のシャッタ機能
は、第1の表示領域31または第2の表示領域32の2
分割のみではなく、マトリクス型の液晶表示パネル30
を使用しているため、液晶表示パネル30への制御信号
により、色々な部分のシャッタも可能となる。
【0024】〔第3の実施形態:図6,図7〕つぎに、
この発明の第3の実施形態を図6および図7によって説
明する。この第3の実施形態は、光変調機能部として液
晶表示パネル30を構成する偏光板を両方とも反射型偏
光板を採用し、さらに、発電機能素子として太陽電池を
設けた構成を説明する。また、太陽電池への入射光量の
強弱と電気蓄積量の大小により、反射型偏光板を利用す
る液晶表示パネルの透過率の大きな透過領域と反射率の
大きな反射領域の比率を可変するシャッタ機能と、太陽
電池の発電量の表示と電気蓄積量の低下による危険信号
を行なうと同時に、太陽電池の発電量の制御も行なう実
施形態である。
【0025】この腕時計の時計ケース1には、図7に示
すように、風防ガラス2と裏蓋3が装着されており、時
刻表示部は、回路基板4と、指針軸8を駆動するステッ
ピングモータ等の電源となる二次電池5と、指針軸8に
連結する時針6と分針7等からなる。さらに、回路基板
4上には、発電素子として光のエネルギーを電気エネル
ギーに変換する太陽電池41を配設し、接続端子42に
よって接続している。この実施形態における液晶表示パ
ネル30は、前述の第2の実施形態に用いた液晶表示バ
ネル30と殆ど同じ構成であるが、第1,第2の偏光板
9,14として、いずれも反射型偏光板を採用した。そ
して、その第1の偏光板9である反射型偏光板と第2の
偏光板14である反射型偏光板とは、互いに透過容易軸
をほぼ直交させて配置した。
【0026】さらに、この液晶表示パネル30の中央部
には、指針軸8を貫通するための指針軸孔40を設けて
おり、その指針軸孔40の周囲にもシール材36を設け
て補強している。また、液晶セル39内に封入する液晶
34には、第1の基板33から第2の基板35へ180
°から260゜ツイストする、スーパーツイステッド・
ネマティク(STN)液晶を用いている。そして、第1
の偏光板9である反射型偏光板上には、液晶表示パネル
30を構成するシール材36と加工端と指針軸孔40の
周囲を遮蔽するために、遮蔽板37を設けている。
【0027】さらに、液晶表示パネル30と回路基板4
とを接続するために、導電粒と絶縁体との積層からなる
ゼブラゴム38を使用する。また、図6に示すように、
液晶表示パネル30には、指針軸孔40を中心に時間の
「12」と同じ個数の12個に分割した第1の表示領域
20aから第12の表示領域20lまでからなる円形の
表示領域20を有する。この表示領域20の分割された
各表示領域20a〜20lは、個別に第1の偏光板9に
よる反射光量と透過光量の比率を制御できる。さらに、
第2の偏光板14上には、時刻を表す「1」から「1
2」までの時刻文字11を印刷してある。
【0028】この第3の実施形態の腕時計によれば、電
気蓄積量の低下により、太陽電池41への光の入射を強
くするために、液晶表示パネル30の反射領域と透過領
域の比率を可変するシャッタ機能を動作させ、透過領域
の比率を大きくする。そのため、第1の表示領域20a
から第12の表示領域20lへ、液晶表示パネル30の
シャッタを開閉する。また液晶セル39への印加電圧が
小さい程透過率が向上するため、液晶表示パネル30の
消費電力を小さくし、かつ液晶表示パネル30の透過率
を大きくできるため、発電機能素子として太陽電池41
を用いる場合には、液晶表示パネル30のシャッタ機能
が非常に有効に働く。
【0029】また、太陽電池41の表面に干渉膜を形成
しておくことにより、液晶表示パネル30の透過率が大
きくなった状態において、各表示領域において虹色のよ
うに色々な色を、太陽電池41からの反射によって表示
することが可能になる。さらに、第1の偏光板9とカラ
ーフィルタまたはカラー偏光板との組み合わせによっ
て、カラー表示が可能になる。そして、図6に示した表
示領域20の各表示領域によってカラーフィルタの色を
変えることにより、液晶表示パネル30のシャッター機
能と併用して、太陽電池41の発電量あるいは電気蓄積
量の表示をすることも可能である。
【0030】以上の説明から明らかなように、腕時計の
液晶表示パネル30に反射型偏光板を採用することが、
腕時計の特殊性により非常に有効である。さらに、発電
機能素子の発電量または電気蓄積量に応じて反射型偏光
板を用いる液晶表示パネル30の反射率と透過率を制御
することにより、腕時計の装飾性を低減することなく、
発電量または電気蓄積量の表示を行なうことが可能にな
り、発電機能素子を有する腕時計の応用範囲を拡大する
ことに貢献できる。特に、その発電機能素子が太陽電池
の場合には、太陽電池に入射する光の強度を可変するこ
とにより、電気蓄積量を平均化することができる。さら
に、液晶表示パネルのモードの選定により、装飾性の向
上と、電気蓄積量または発電量の表示と、液晶表示パネ
ルの駆動電力を低減し、かつ太陽電池への入射光の強度
の調整が可能となる。
【0031】また、発電機能素子として太陽電池を採用
し、反射型偏光板を有する液晶表示パネルを使用する場
合には、太陽電池が一般的には不透明であり、発電には
光の入射が必要なため、反射型偏光板を有する液晶表示
パネルの透過部を利用し、太陽電池へ光を入射させると
ともに、風防ガラス2側より太陽電池41までに光を遮
蔽するものをできるだけ除くことが必要となる。そのた
め、この実施形態においては、暗い環境にて腕時計を使
用する場合に用いる補助光源を、反射型偏光板を有する
液晶表示パネル30と回路基板4との間の太陽電池41
の周辺に配置し、太陽電池41の反射特性と第1の偏光
板9の反射特性を利用し、反射型偏光板を有する液晶表
示パネル30の透過部から補助光源の光を観察者側に出
射する方法を採用した。第1の偏光板9である反射型偏
光板を太陽電池41に面する側に配置することは、反射
型偏光板の反射特性を利用することができるため有効で
ある。また、この実施形態でも腕時計への適用を説明し
たが、表示部の大きさや時計ケース1の形状等を変えれ
ば、この実施形態を置時計や掛時計にも同様に適用する
ことができる。
【0032】〔第4の実施形態:図8,図9〕次に、こ
の発明の第4の実施形態を図8,図9によって説明す
る。この第4の実施形態は、液晶表示パネル30を時刻
表示部より風防ガラス側に配置した構造のものである。
図8はその第4の実施形態を示す腕時計の平面図であ
り、図9は図8におけるD−D線に沿う模式的な断面図
である。この腕時計の時計ケース1には、図9に示すよ
うに、風防ガラス2と裏蓋部3を装着している。そし
て、風防ガラス2側より、液晶表示パネル30として、
第2の偏光板14である高透過率の吸収型偏光板と、液
晶セル39と、第1の偏光板9である反射型偏光板を配
設している。
【0033】液晶セル39は、図5に示した第1の実施
形態に使用したものと同様に構成されている。この液晶
表示パネル30を時針6あるいは分針7上で保持する必
要があるため、時計ケース1に固定されている上押え4
4および下押え46と、リング状のゴムパッキン45と
により、液晶表示パネル30を上下より保持して時計ケ
ース1に固定する。さらに、回路基板4と液晶表示パネ
ル30との接続をコネクタ47により行なう。コネクタ
47により液晶表示パネル30に所定の駆動信号を印加
する。図8に示すように、時刻表示部上にキャラクタ表
示を行う文字表示部43を設置でき、さらに、液晶表示
パネル30は、電圧無印加時に透明となる。
【0034】液晶表示パネル30を風防ガラス2側に配
置する場合には、第2の偏光板14として反射型偏光板
を使用すると反射率が高く、その裏側の時刻表示部の視
認性が低下するため、第2の偏光板14には吸収型偏光
板を採用する方が良い。さらに、腕時計の装飾性の向上
のためには、液晶表示パネル30の透過率の向上と無色
性が重要であることが分かった。そのため、この実施形
態においては、第2の偏光板14に高透過率の吸収型偏
光板を採用するとともに、可視域での無色性を重視し
た。さらに、液晶セル39内の液晶34には、第1の基
板33から第2の基板35へ約90゜ツイストする、ツ
イステッドネマティク(TN)型の液晶を用いている。
【0035】そして、第2の偏光板14である吸収型偏
光板と第1の偏光板9である反射型偏光板とは、その透
過容易軸を互いにほぼ直交させるように配置し、電圧無
印加時に透明度が高くなるようにした。さらに、液晶表
示パネル30の裏側には、指針軸8を駆動するための回
路基板4と、二次電池5と、指針軸8に連結する時針6
と分針7からなる時刻表示部が設けられている。さら
に、回路基板4には、発電素子として光のエネルギーを
電気エネルギーに変換する太陽電池41を配設してい
る。また、時針6および分針7と太陽電池41との間に
は、太陽電池41の表面を遮蔽するために白色の文字板
10を配設している。この文字板10も高透過率のセラ
ミック製のものを採用した。
【0036】このように、この実施形態の腕時計は、時
針6および分針7上の風防ガラス2側に液晶表示パネル
30を配置して表示を行うため、情報の認識性が非常に
向上する。さらに、電池蓄積量の低下により表示を停止
し、電気蓄積量の低下を低減することと、液晶表示パネ
ル30の透過率の向上により、太陽電池41の発電効率
を向上し、水晶の振動または時針6または分針7の停止
を防止することができる。さらに、図8に示した腕時計
においても、液晶表示パネル30を全面一括でシャッタ
の開閉を行なうことにした。図8は文字表示を示す状況
を示したが、この実施形態においては、第1の偏光板9
と第2の偏光板14とが時刻表示部の風防ガラス2側に
配置されているため、そのシャッタ機能により時刻表示
部を完全遮蔽することができる。
【0037】電気蓄積量の枯渇または時刻の遅れが発生
した場合に、そのシャッタ機能により、時刻表示部を遮
蔽すると共に、液晶表示パネル30により入射光を反射
し、時刻表示の異常を使用者に知らせることが可能であ
る。また、液晶表示パネル30の表示を金属調の反射板
にすることができる。そのため、腕時計の液晶表示パネ
ル30を鏡としても利用することができる。さらに、置
き時計に適用する場合にも、時計の液晶表示パネル30
を観察者の使用する高さに設置することにより、鏡とし
ても利用することができる。
【0038】また、発電機能素子として太陽電池41を
用いたが、この実施形態のシャッタ機能を利用する場合
には、ロータの回転運動等の運動エネルギーを電気エネ
ルギーに変換する機械的な発電手段または温度差を電気
エネルギーに変換する発電機能素子を使用する場合にお
いても、発電機能素子の発電状況によりその反射比率あ
るいは透過比率を制御することができる。例えば、時刻
表示の誤差発生、または電気蓄積量が枯渇した後に発電
を再開した時、時刻表示部の再稼動による時刻の誤差が
発生した際に、液晶表示パネル30への反射型偏光板の
応用によるシャッタ機能により、装飾性を高め、さらに
使用者への時刻の再調整の必要性を呈示することができ
る。
【0039】〔第5の実施形態:図10乃至図12〕つ
ぎに、この発明の第5の実施形態を図10乃至図12に
よって説明する。この実施形態は、シャッタ機能を第
1,第2の偏光板9,14と液晶セル39との相互作用
により行なうものである。液晶セル39を利用すること
により、電気的にシャッタ機能を可変できる。また、時
刻表示部は、シャッタ機能部と同一の液晶表示パネルを
利用する。そのため、腕時計の薄型化が可能になる。ま
た、この腕時計には、外部信号を検知する送受信アンテ
ナ53が設置されている。図10はこの第5の実施形態
の腕時計を示す平面図であり、図11はそのE−E線に
沿う模式的な断面図である。図12はその腕時計に設け
た電気回路の構成を示すブロック図である。
【0040】この第5の実施形態に用いる液晶表示パネ
ル30は、時刻表示部と光変調機能部の両方に利用する
ため、文字情報を多くし、さらにシャッタ機能を充実す
るため、マトリクス型の液晶表示パネル30を採用す
る。液晶セル39と共に液晶表示パネル30を構成する
偏光板は、第1の偏光板9は反射型偏光板を採用し、第
2の偏光板14は吸収型偏光板を採用する。さらに、マ
トリクス型の液晶表示パネル30はシャッタ機能を有
し、図10に示すように、液晶表示パネル30の全ての
表示領域は、詳細な表示が可能であるが、便宜上、第1
の表示領域22は、すでにシャッタ機能により反射特性
の金属調の表示に変化しているものとする。さらに、外
部の信号を送受信アンテナ53によって受信し、図12
に示す受信回路64により信号処理され、液晶表示パネ
ル駆動回路62を制御して、液晶表示パネル30の表示
状態が決定される。
【0041】この腕時計の時計ケース1には、図11に
示すように風防ガラス2と裏蓋3とが装着されており、
時刻表示部は、回路基板4および二次電池5と、マトリ
クス型の液晶表示パネル30と、液晶表示パネル30と
回路基板4とを接続するゼブラゴム38等からなる。そ
して、マトリクス型の液晶表示パネル30により時刻表
示を行う。また、マトリクス型の液晶表示パネル30
は、風防ガラス2側より、第2の偏光板14としての吸
収型偏光板と、液晶セル39と、第1の偏光板9として
の反射型偏光板とからなる。液晶セル39は、図5に示
した第1の実施形態に使用したものと同様に構成されて
いる。液晶セル39に封入されている液晶34は、第1
の基板33から第2の基板35へ90゜ツイストする、
ツイステッドネマティク(TN)型の液晶を用いてい
る。
【0042】また、第1の偏光板9と第2の偏光板14
は、その透過容易軸がほぼ平行するように配置した。し
たがつて、液晶セル39への電力の供給が停止した場合
には、液晶表示パネル30は、第2の偏光板14を透過
して液晶セル39で90°ツイストされた直線偏光は、
第1の偏光板9の透過容易軸と直交する方向に振動面を
もつため、殆ど全て反射されるから、金属調の反射特性
の表示にすることができる。また、第2の偏光板14に
は、液晶表示パネル30を構成するシール材36と加工
端等を遮蔽するために、遮蔽板37を設ける。そして、
遮蔽板37にカラー偏光板を使用し、そのカラー偏光板
上に時刻を示す数字を記載することにより、色彩の豊か
な時刻表示が可能になる。
【0043】さらにまた、液晶表示パネル30と回路基
板4とを接続するために、導電粒と絶縁体との積層から
なるゼブラゴム38を利用する。また、暗い環境にて腕
時計を使用する場合に用いる補助光源12は、エレクト
ロルミネッセントランプ(EL)を使用し、回路基板4
と補助光源用端子13により接続し、腕時計の薄型化を
図った。さらに、補助光源12であるELの液晶セル3
9と対向する面には有機蓄光材を塗布してある。そのた
め、この腕時計の環境が暗くなるとその有機蓄光材から
の発光が先ずあり、その後必要に応じて補助光源12を
点灯する。
【0044】また、この実施施形態においては、外部の
信号により補助光源12と液晶表示パネル30のシャッ
タ機能とが連動し、シャッタ機能と文字表示を可変する
ため、特に若い腕時計の使用者へ非常に主張力のある機
能となる。さらに、この腕時計のシャッタ機能は、図1
0に示す第1の表示領域22内の第2の表示領域54,
55に、横に徐々に移動するカーテン方式のシャッタ表
示をなす。また、この腕時計には、表示のモードを可変
するためのモードスイッチ51と補助光源のオン・オフ
と、送信のオン・オフを行なうスイッチ52と、時刻合
わせを回転にて行ない、シャッタ機能の制御をプッシュ
・プルにて行う制御スイッチ50を有する。
【0045】次に、図12のブロック図によって、この
腕時計に設けられる電気回路について説明する。電池5
から各回路ブロックへ電流が供給され、基準パルス発生
手段(OSC)60と時間信号発生手段61が作動す
る。また、基準パルス発生手段(OSC)60が発生す
る基準パルス信号を利用して送信回路63と受信回路6
4が稼動する。さらに、図10に示した制御スイッチ5
0の操作によって、送信回路63が作動して送受信アン
テナ53に信号を供給し、外部へ信号を発信する。ま
た、外部からの信号は、送受信アンテナ53から取り込
まれ、受信回路64により検波されて、液晶表示パネル
駆動回路62へ制御信号が出力され、液晶表示パネル3
0のシャッタ機能が制御される。
【0046】例えば、ページャウオッチのように、特定
周波数の電波信号を受信回路64によって検知し、その
検知信号によって液晶表示パネル30のシャッタ機能を
制御することもできる。この実施形態では、図10に示
すように、腕時計の中央部の表示部54,55が外部の
信号にてスクロール方式(カーテン方式)でシャッタを
表示し、送信者からのメッセージがシャッタの間欠的オ
ン・オフにより伝達される。例えば、初期がA、つぎに
Mがシャッター54の開口部に相当し、メッセージとし
ては、AM10:00に会うの<AM>の部分が間欠的
に表示されている状態を示している。この表示部54,
55には、シャッタを構成する第1の偏光板(反射型偏
光板)9と光変調機能部である液晶セル39に対して、
観察者と反対側(裏面側)に、視認可能な情報(写真,
文字,図形,絵など)を形成したフイルムを設けること
ができる。それによって、そのフイルム上の情報が、液
晶セル39の制御によってシャッタに覆われて見えなく
なったり、シャッタが開いて見えるようになったりす
る。
【0047】以上説明した腕時計において、液晶表示パ
ネル30の裏側には、視認可能な情報を形成したフィル
ム、カラーフィルタ、発電機能素子、補助光源等を設置
する実施形態を説明したが、シャッタ機能の開閉のとき
に、アナログ式時刻表示部の輪列の機械稼動部をシャッ
タの開口部で呈示することも、腕時計のデザイン性の向
上には重要である。さらに、シャッタの開閉部が時間と
ともに移動することにより、腕時計のデザイン性の向上
が可能になる。この実施形態でも、腕時計への適用に関
して述べたが、表示部の大きさや時計ケース1の形状等
を適当に変更することにより、置時計や掛時計にも同様
に適用することができる。
【0048】〔第6の実施形態:図13〕以下に、この
発明を置時計あるいは掛時計に適用した実施の形態につ
いて説明する。まず、この発明の第6の実施形態である
置時計を図13に示す。この置時計は、図1および図2
に示したこの発明の第1の実施形態の腕時計の時刻表示
部を大きくして、その時計ケース1を円筒状に形成し、
置時計の木製,石製,金属製あるいは樹脂製のケース1
00にはめ込んだ物に相当する。したがって、図13に
おいて、図1および図2と対応する部分には同一の符号
を付し、その説明は省略する。時計内部のアナログ表示
機構や、第1,第2の偏光板の配置や種類なども第1の
実施形態と同じであり、偏光板保持リング15を回転操
作することにより、時刻表示部の表示が全面ミラー状に
なったり、透明になって時針6と分針7による時刻情報
がよく見えるようになったりする。
【0049】〔第7の実施形態:図14,図15〕つぎ
に、本発明の第7の実施形態について図14および図1
5によって説明する。この実施形態は、この発明の掛時
計への応用であり、その時刻表示部は図8および図9に
よって説明した第3の実施形態の腕時計と同様に構成す
る。その時刻表示部の下側には、カラクリ人形16,1
7,18(5体)を備えたカラクリ人形ユニット19を
設けている。このカラクリ人形ユニット19のシャッタ
機能を偏光板と液晶セルとの相互作用により行うように
したものである。図14はその掛時計の正面図、図15
は図14のF−F線に沿う模式的な断面図である。
【0050】この掛時計は木製等の時計ケース200
に、時計ユニットのケース1とカラクリ人形ユニット1
9のケース101が嵌め込まれている。カラクリ人形ユ
ニット19は、図15に示すように、ケース101に風
防ガラス102と裏蓋103とが装着されて密封されて
いる。その内部に、5体のカラクリ人形の16,17,
18とその動作機構(図示を省略)が設けられており、
内部へのごみ等の進入を防ぎ、カラクリ人形16,1
7,18の汚れを防止している。そして、風防ガラス1
02とカラクリ人形の16,17,18との間に、風防
ガラス102側から、第2の偏光板114としての高透
過率の吸収型偏光板と、液晶セル139と、第1の偏光
板109としての反射型偏光板とからなる液晶表示パネ
ル130を配設している。
【0051】液晶セル139は、それぞれ対向する内面
に透明な電極を形成した第1の基板133と第2の基板
135とをシール材136を介して張り合わせ、その隙
間に液晶134を封入して構成した、ツイスト角90°
のツイストネマティック型液晶セルである。第1の偏光
板109としての反射型偏光板は、住友スリーエム株式
会社から販売されているオプティカルフィルムDBEF
(商品名)を使用する。この第1の偏光板(反射型偏光
板)109と第2の偏光板(吸収型偏光板)114と
は、その透過容易軸が互いにほぼ平行するように配置さ
れる。
【0052】さらに、カラクリ人形16,17,18と
裏蓋103との間に、この掛時計の使用環境が暗い状態
の際にカラクリ人形16,17,18を照明するための
補助光源112と、液晶表示パネル130およびカラク
リ人形16,17,18の作動機構を駆動制御するため
の回路基板104とを設けている。補助光源112は、
色彩性と多色性を重視し、赤,青,緑のライトエミッテ
ッドダイオード(LED)を平面的に配列したアレイを
採用した。液晶表示パネル130と回路基板104と
は、ゼブラゴム138によって接続する。液晶表示パネ
ル130の観察者側には、カラクリ人形16,17,1
8の演出効果を向上するために、遮蔽板137を設けて
いる。遮蔽板137は、濃い紫や金色等のものを設ける
ことにより、カラクリ人形16,17,18の高級感を
向上することができる。
【0053】この第7の実施形態に用いる液晶表示パネ
ル130は、カラクリ人形ユニット19内のカラクリ人
形16,17,18の各人形(5体の)を遮蔽するシャ
ッタ機能をもつため、5分割している。その各部分は、
回路基板104からの信号により、個々に電気的に制御
可能である。例えば、図14で右側のカラクリ人形1
6、17,18のみを遮蔽することも可能である。また
は時間的に右側から左側(あるいは左側から右側)の人
形へ遮蔽部がシフトすることも簡単にできる。この実施
形態においては、第1の偏光板109の反射型偏光板に
より金属光沢のあるシャッタ機能を有する。
【0054】このように、この実施形態では、カラクリ
人形ユニット19内のカラクリ人形16,17,18の
観察者側に対し、液晶表示パネル130による金属調の
反射特性と透過特性を有する電子式のシャッタを設ける
ことができ、電子式シャッタのため、カラクリ人形1
6,17,18の動きに合わせて簡単にシャッタの遮蔽
部と透過部を可変できるのみならず、補助光源112の
発光色の制御および時間に合わせてシャッタの開閉を制
御することが可能であり、カラクリ人形16,17,1
8の演出に変化を持たせることができる。
【0055】〔第8の実施形態:図16〕次に、図16
はこの発明の第8の実施形態を示す掛時計の正面図であ
る。この掛時計は、図8および図9に示した第3の実施
形態と同様な、時針6と分針7と文字板10によるアナ
ログ表示式の時刻表示部と風防ガラスとの間に、下側の
偏光板が反射型偏光板である液晶表示パネル30を配置
しもので、時計ケース300にその時計ユニットを嵌め
込んでいる。その液晶表示パネル30には、時刻表示部
上にスケジュール等のキャラクタ表示を行なう文字表示
部43を設けている。時計ケース300の表面の一部に
送受信用のアンテナ53を設けており、図12に示した
ような回路によって、外部からの特定の周波数の信号を
検知し、その検知信号によって液晶表示パネル30を制
御して、その時刻表示面の反射あるいは透過状態を任意
に可変することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば時計の時刻表示部の手前側か後ろ側、あるい時刻表
示部の少なくとも一部に反射型偏光板を配置することに
より、変化に飛んだ金属調の反射特性と透過特性を利用
する表示ができ、時計のデザイン性の改善と斬新なデザ
インへの発展が可能となる。また、時計の時刻表示部に
対して電気的に制御できるシャッタ機能を持たせること
ができる。液晶表示パネルの表示の一部あるいは全部を
シャッタの開閉に寄与させることが可能になり、その液
晶表示パネルの電極パターン形状またはマトリクス型液
晶表示パネルの利用により、扇型、同心円状、フラッシ
ング型のシャッタ機能と自由化が広がり、時計の表示イ
メージを改善できる。
【0057】さらに、掛時計の装飾用または高付加価値
用に設けるカラクリ人形の観察者側に用いるシャッタに
も、反射型偏光板を利用した液晶表示パネルを適用し
て、時計の高付加価値化へ貢献することができる。さら
に、発電機能素子を備えた腕時計に反射型偏光板を有す
る光変調機能部を採用して、シャッタ機能を充実化する
ことにより、発電機能素子の発電状況、電気蓄積量の状
況の表示と、電気蓄積量の枯渇による腕時計の停止後の
シャッタ機能との連動による処理が可能になる。特に、
時刻表示部より風防ガラス側に光変調機能部を配置する
場合には、全面シャッタ閉による、時刻表示部の誤認識
を防止できる。また、反射型偏光板の一部あるいは、裏
蓋側にカラーフィルタ、色フィルム、色偏光板などを設
けることにより、色彩感豊かなシャッタが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す腕時計の平面
図である。
【図2】図1のA−A線に沿う模式的な断面図である。
【図3】同じく第1の実施形態である腕時計のシャッタ
機能を説明するための図である。
【図4】この発明の第2の実施形態を示す腕時計の平面
図である。
【図5】図4のB−B線に沿う模式的な断面図である。
【図6】この発明の第3の実施形態を示す腕時計装置の
平面図である。
【図7】図6のC−C線に沿う模式的な断面図である。
【図8】この発明の第4の実施形態を示す腕時計の平面
図である。
【図9】図8のD−D線に沿う模式的な断面図である。
【図10】この発明の第5の実施形態を示す腕時計の平
面図である。
【図11】図10のE−E線に沿う模式的な断面図であ
る。
【図12】同じくこの発明の第5の実施形態の腕時計に
用いる電気回路の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の第6の実施形態を示す置時計の正
面図である。
【図14】この発明の第7の実施形態を示す掛時計の正
面図である。
【図15】図14のF−F線に沿う模式的な断面図であ
る。
【図16】この発明の第8の実施形態を示す掛時計の正
面図である。
【符号の説明】
1:時計ケース 2,102:風防ガラス 3,103:裏蓋 4,104:回路基板 5:二次電池 6:時針 7:分針 8:指針軸 9,109:第1の偏光板 10:文字板 11:時刻文字 12,112:補助光源 13:補助光源用端子 14,114:第2の偏光板 15:偏光板保持リング 20:表示領域 21:凸部 30:液晶表示パネル 31:第1の表示領域 32:第2の表示領域 33,133:第1の基板 34,134:液晶 35,135:第2の基板 36,136:シール材 37,137:遮蔽板 38,138:ゼブラゴム 39,139:液晶セル 40:指針軸孔 41:太陽電池 42:接続端子 43:文字表示部 44:上押え 45:ゴムパッキン 46:下押え 47:コネクタ 50:制御スイッチ 53:送受信アンテナ 60:OSC 61:時間信号発生手段 62:液晶表示パネル駆動回路 63:送信回路 64:受信回路 100,101:ケース 200,300:時計ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G04C 10/04 G04C 10/04 C 5C080 G09G 3/20 G09G 3/20 A 5F051 612 612C 3/36 3/36 H01L 31/04 H01L 31/04 P (72)発明者 秋山 貴 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 菊池 正美 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 秋葉 雄一 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 中川 浩司 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 星野 浩一 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 戸井田 孝志 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社所沢事業所内 Fターム(参考) 2F002 AA00 AA02 AB04 AB06 AC01 AC03 AE00 BB04 DA00 EA01 EA02 EA04 EB01 EB04 EB11 EB12 ED02 ED04 EE08 EF01 EH04 GA06 2F084 AA00 BB06 CC03 EE02 EE13 FF01 HH06 HH23 JJ07 LL03 2H088 EA27 HA07 HA08 HA12 HA18 JA05 JA13 2H091 FA08X FA08Z FA14Z FD08 GA12 GA13 HA07 HA10 LA16 5C006 AF63 AF64 BB15 BB28 BF38 BF45 EC13 5C080 AA10 BB05 DD16 DD21 DD30 JJ01 JJ02 JJ06 KK49 5F051 BA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過容易軸と直交する振動面を持つ直線
    偏光は反射する反射型偏光板と、光の透過を変調する光
    変調機能部とを有する時計であって、 前記反射型偏光板と前記光変調機能部との下側に太陽電
    池を配設したことを特徴とする発電機能付き時計。
  2. 【請求項2】 前記光変調機能部は液晶パネルを備え、
    前記液晶パネルには前記太陽電池の発電量又は電気蓄積
    量を表示するための表示領域が設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の発電機能付き時計。
  3. 【請求項3】 前記光変調機能部は、前記太陽電池の発
    電量又は電気蓄積量に従って前記表示領域を制御する機
    能を有することを特徴とする請求項2に記載の発電機能
    付き時計。
  4. 【請求項4】 前記表示領域は反射領域と透過領域とを
    備え、前記光変調機能部は、前記太陽電池の発電量又は
    電気蓄積量に従って前記反射領域と前記透過領域との面
    積比を可変する機能を有することを特徴とする請求項2
    に記載の発電機能付き時計。
  5. 【請求項5】 前記光変調機能部は、前記反射型偏光板
    の透過容易軸とそれに直交する反射容易軸のそれぞれへ
    の光の入射比率を可変して、前記太陽電池に入射する光
    を可変する機能を有することを特徴とする請求項1に記
    載の発電機能付き時計。
  6. 【請求項6】 前記光変調機能部は、前記太陽電池の発
    電量又は電気蓄積量に従って、前記反射型偏光板の反射
    強度と透過強度とを可変する機能を有することを特徴と
    する請求項1に記載の発電機能付き時計。
  7. 【請求項7】 前記表示領域は前記太陽電池の手前側に
    配置し、前記光変調機能部による前記表示領域の変化に
    より、前記太陽電池の受光条件が変化するようにした請
    求項2に記載の発電機能付き時計。
  8. 【請求項8】 前記光変調機能部は、太陽電池の発電量
    又は電気蓄積量が低下するに従って、前記表示領域の透
    過率が大きくなるように制御し、前記太陽電池への入射
    光量を増加するようにした請求項7に記載の発電機能付
    き時計。
  9. 【請求項9】 前記反射型偏光板は前記液晶パネルの下
    側に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の
    発電機能付き時計。
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