JP2002327604A - ガスタービン - Google Patents
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- F01D5/14—Form or construction
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Abstract
与えることにより動翼の先端部後縁付近のマッハ数を下
げて、ガスタービンの圧力損失を少なくしてタービン効
率を向上させる。 【解決手段】 本発明は、複数の段の動翼を含むタービ
ンと排気室との間に環状のディフューザを有していて前
記タービンと前記ディフューザと前記排気室とにより環
状のガスタービン通路を形成しており、該ガスタービン
通路に配置される前記複数の段の動翼は最終段動翼を含
んでおり、流体が前記ガスタービン通路内を前記排気室
に向かって流れるガスタービンにおいて、前記最終段動
翼の先端部後縁よりも前記流体の流れに対して下流にお
いて、前記ガスタービン通路の内壁から半径方向内側に
突出する環状の段差部を具備するガスタービンに関す
る。この段差部には半径方向内側に突出する突出部分を
設けてもよい。
Description
ガスタービン内のタービンとディフューザとの間の圧力
を局所的に増大させることにより熱効率を高めるように
したガスタービンに関する。
に、タービン入口温度および圧力比をさらに高めること
が一般的に望まれている。図6に従来技術におけるガス
タービンの長手方向部分断面図を示す。ガスタービン1
10は、空気を取り入れて圧縮する圧縮機130と、空
気の流れに対して圧縮機130の下流に設けられた少な
くとも一つの燃焼器140と、この燃焼器140の下流
に設けられたタービン150と、このタービンの下流に
設けられたディフューザ160と、ディフューザ160
の下流に設けられた排気室170とを含んでいる。ガス
タービン110の内部には、これら圧縮機130、ター
ビン150、ディフューザ160および排気室170に
よって環状のガスタービン通路180が形成されてい
る。
らなる圧縮機動翼および圧縮機静翼を含んでいる。ター
ビン150はタービン車室159内に複数の段からなる
動翼および静翼を含んでいる。図に示すように、圧縮機
130およびタービン150は同一の回転軸190上に
設けられている。このタービン150は、ガスタービン
通路180の内壁に設けられた複数の段の静翼と回転軸
190上に設けられた複数の段の動翼とを有している。
複数の段の動翼の各段においては、複数の動翼が回転軸
190周りに周方向にほぼ等間隔に配置されている。
進入した流体、例えば空気は、圧縮機130を通過して
圧縮される。次いで、この流体は燃焼器140内の燃料
と一緒に混合されて燃焼されると共に、複数の段、例え
ば四段の翼が取り付けられているタービン150を通過
して、ディフューザ160を通って排気室170から排
出される。
ン150およびディフューザ160付近の拡大図であ
る。図7にはタービン150の最終段の動翼151が示
されている。理解を容易にするために、この図は最終段
の動翼以外の翼を省略している。図7に示すように、動
翼151の先端部はガスタービン通路180の内壁に追
従するように略直線状に形成されている。図7に示すよ
うに、タービン150におけるガスタービン通路180
の内壁は空気の流れ(矢印Fで示す)に関して下流方向
に半径が増すように形成されており、ディフューザ16
0におけるガスタービン通路180の内壁も下流方向に
半径が増すように形成されている。従って、タービン1
50を通過する流体は回転軸190から半径方向外側に
広がりつつディフューザ160内に流入する。
温度および圧力を高めた場合には、タービン自体の機械
的負荷が増す。すなわち、動翼151の先端部付近にお
いては流体の速度が増すと共にマッハ数が増大する。特
に、図7に示すような最終段の動翼151の先端部後縁
156付近ではマッハ数が極めて高くなり、結果的に衝
撃波による圧力損失が大きくなる傾向にある。さらに、
このようにマッハ数が高くなることにより生じた衝撃波
によって、動翼の先端部が局所的に破損する場合があ
る。
開平11−148497号公報は、翼の腹側または背側
の形状を変更することにより、衝撃波による圧力損失を
少なくしている解決策を開示している。特開平05−3
21896号公報においては、背側または腹側の形状を
変更した翼、例えば動翼が開示されている。さらに、特
開平11−148497号公報においては、翼の最大厚
み位置を翼弦長の40%から60%の位置に変更した
翼、例えば動翼が開示されている。
た二つの従来技術においては翼の形状の一部、特に翼の
腹側または背側の形状のみが考慮されており、翼の先端
部の形状は考慮されていない。図6および図7に示すよ
うに、翼、特に動翼の先端部とガスタービン通路の内壁
とは隙間がほとんど存在しないように極めて密接して配
置されている。従って、衝撃波による圧力損失をさらに
少なくして効率を高めるためには、翼の腹側または背側
の形状だけでなく翼の先端部の形状と、これに隣接する
ガスタービン通路の内壁の形状との両方を考慮すべきで
ある。
ガスタービン通路の形状とを変更することにより、最終
段動翼の先端部後縁付近における衝撃波による圧力損失
をさらに少なくしてガスタービンの効率を高めることを
目的とする。
よれば、複数の段の動翼を含むタービンと排気室との間
に環状のディフューザを有していて前記タービンと前記
ディフューザと前記排気室とにより環状のガスタービン
通路を形成しており、該ガスタービン通路に配置される
前記複数の段の動翼は最終段動翼を含んでおり、流体が
前記ガスタービン通路内を前記排気室に向かって流れる
ガスタービンにおいて、前記ガスタービン通路の内壁の
前記最終段動翼の先端部後縁よりも前記流体の流れに対
して下流の部分に半径方向内側に突出する環状の段差部
を形成したガスタービンが提供される。
て、ガスタービン通路を流れる流体の流線が先端部後縁
と段差部の上流側端部との間において内方に曲げられて
流線変化が生じる。従って、流線変化が生じた部分で
は、圧力が高められてマッハ数が低下し、圧力損失が少
なくなってタービン効率を高めることができる。また、
マッハ数が低下することにより衝撃波の発生が少なくな
り、動翼の先端部が破損するのを妨げることができる。
ビンの中心軸線から前記段差部までの距離が、前記ター
ビンの中心軸線から前記最終段動翼の前記先端部後縁ま
での距離にほぼ等しくなっている。すなわち請求項2に
記載の発明によって、圧力を高めて圧力損失を少なくし
てタービン効率を高めることができる。
部の前記流体の流れに対して上流側に位置する上流側端
部が、前記最終段動翼の前記先端部後縁に隣接している
前記ガスタービンの前記内壁に位置している。すなわ
ち、請求項3に記載の発明によって、上流側端部と先端
部後縁との間がさらに狭くなるので、ガスタービン通路
を流れる流体の流線をさらに曲げることができる。従っ
て、マッハ数を低下させると共に圧力損失をさらに少な
くしてタービン効率をさらに高めることができる。
部が、前記段差部の前記流体の流れに対して上流側に位
置する前記上流側端部から前記タービンの中心軸線に対
してほぼ平行に延びる直線状部分を含んでいる。すなわ
ち請求項4に記載の発明によって、段差部を容易に形成
することができる。
部が、前記ガスタービンの前記内壁から前記最終段動翼
の前記先端部後縁よりも半径方向内側に突出する突出部
分を含んでいる。すなわち請求項5に記載の発明によっ
て、上流側端部と先端部後縁との間を通る流線が突出部
分に沿ってさらに曲がるので流線変化が大きくなる。従
って、マッハ数を低下させると共に圧力損失をさらに少
なくしてタービン効率をさらに高めることができる。
部分が前記直線状部分の下流に配置されている。すなわ
ち請求項6に記載の発明によって、流線を前記突出部分
に沿ってさらに曲げてタービン効率をさらに高めること
ができる。
段動翼が、前記最終段動翼の先端部前縁および先端部後
縁の間に上方に湾曲する湾曲部を有している。すなわ
ち、請求項7に記載の発明によって、湾曲部において、
流体の流線は半径方向内側に向かうよう曲がる。従っ
て、湾曲部付近における圧力が高くなって、マッハ数が
低下して圧力損失を少なくすると共にタービン効率をさ
らに高めることができる。
部の曲率最大点が、前記最終段動翼の軸線方向中心線よ
りも前記流体の流れに対して下流に位置している。すな
わち請求項8に記載の発明によって、前記曲率最大点と
前記先端部後縁との間において流線がさらに曲げられ
る。従って、湾曲部付近における圧力がさらに高くなっ
て、マッハ数が低下して圧力損失を少なくすると共にタ
ービン効率をさらに高めることができる。
の実施形態を説明する。以下の図面において同一の部材
には同一の参照符号が付けられている。図1は本発明の
第一の実施形態を示すガスタービンの長手方向部分断面
図である。前述した実施形態の場合と同様に、図1には
タービン50およびディフューザ60付近を拡大して示
している。タービン50は最終段の動翼51を含んでい
る。理解を容易にするために、この図は最終段の動翼以
外の翼を省略している。図1に示すように、タービン5
0におけるガスタービン通路80の内壁は空気の流れ
(矢印Fで示す)に関して下流方向に半径が増すように
形成されており、ディフューザ60におけるガスタービ
ン通路80の内壁も下流方向に半径が増すように形成さ
れている。
路80の内壁においては環状の段差部20が動翼51の
先端部後縁56よりも下流に設けられている。図1に示
す実施形態においては、この段差部20は動翼51の先
端部後縁56に最も近いガスタービン通路80の内壁の
一部から半径方向内側に先端部後縁56まで突出してい
る。段差部20の上流側端部21と先端部後縁56とは
互いに接触していない。次いで、この段差部20は段差
部20の上流側端部21から排気室70(図示しない)
に向かってディフューザ60におけるガスタービン通路
80内に下流方向に延びている。本実施形態において
は、段差部20は回転軸(図示しない)の中心軸線に対
してほぼ平行に延びる直線状部分22を有している。こ
の直線状部分22を有している場合には、段差部20を
容易に形成することができる。次いで、段差部20は屈
曲部23においてわずかに外方に曲がって、ディフュー
ザ60におけるガスタービン通路80の内壁に追従する
ように下流方向外側に延びている。
の中心軸線から段差部20の上流側端部21までの距離
は、この中心軸線から動翼51の先端部後縁56までの
距離にほぼ等しい。このように段差部20を設けること
によって、流体の流れ方向を示す流線が、段差部20と
先端部後縁56との間、特に上流側端部21と先端部後
縁56との間において大幅に湾曲するよう変化する。従
って、このような流線変化が生ずる部分において圧力が
局所的に増大する。それゆえ、段差部20と先端部後縁
56との間、特に上流側端部21と先端部後縁56との
間においては、マッハ数が低下して、圧力損失を少なく
することができる。
心軸線から上流側端部21までの距離と中心軸線から先
端部後縁56までの距離とがほぼ等しくなっている。し
かしながら、中心軸線から上流側端部21までの距離が
中心軸線から先端部後縁56までの距離よりも小さい場
合にも流線変化が生じうるので、同様にマッハ数を低下
させて圧力損失を少なくすることができる。さらに、中
心軸線から上流側端部21までの距離が、中心軸線から
先端部後縁56までの距離よりも大きくて中心軸線から
ディフューザ60におけるガスタービン通路80の内壁
までの距離よりも小さい場合にも、流線変化が生じうる
ので、同様にマッハ数を低下させて圧力損失を少なくす
ることができる。
タービンの長手方向部分断面図である。前述した実施形
態における段差部20においては上流側端部21から中
心軸線に対してほぼ平行に延びる直線状部分22が形成
されていたが、本実施形態における段差部20は内方に
さらに突出する突出部分24を有している。すなわち、
段差部20内において、中心軸線から上流側端部21ま
での距離が中心軸線から先端部後縁56までの距離より
も小さくなるよう突出する突出部分が存在している。本
実施形態においては、この突出部分24が段差部20の
直線状部分22よりも下流に存在している。
20を設けることによって、流体の流れ方向を示す流線
が、段差部20と先端部後縁56との間を通って突出部
分24に沿ってさらに大幅に内方に向かって湾曲するよ
う変化する。従って、このような流線変化が生ずる部分
において圧力が局所的に増大する。それゆえ、段差部2
0と先端部後縁56との間においては、マッハ数がさら
に低下して、圧力損失をさらに少なくすることができ
る。
線状部分22を有することなしに、突出部分24を上流
側端部21に隣接するように配置することもできる。こ
の場合には、さらに大きい流線変化が生じるので、圧力
損失をさらに少なくして、タービン効率をさらに高める
ことができる。また、前述した第一の実施形態と同様
に、中心軸線から上流側端部21までの距離が中心軸線
から先端部後縁56までの距離よりも小さい場合、およ
び中心軸線から上流側端部21までの距離が中心軸線か
ら先端部後縁56までの距離よりも大きくて中心軸線か
らディフューザ60の内壁までの距離よりも小さい場合
にも、流線変化が生じうるのでマッハ数を低下させて、
圧力損失を少なくして、タービン効率を高めることがで
きる。
ービンの最終段動翼の先端部付近の拡大図である。従来
技術における最終段動翼151の先端部前縁と先端部後
縁との間は略直線状になっているが、本実施形態におけ
る最終段動翼51の先端部前縁54と先端部後縁56と
の間には半径方向外側に湾曲する湾曲部57が設けられ
ている。
は、湾曲部57の下流において、流体の流線は半径方向
内側に向かうよう曲がる。従って、先端部後縁56付近
における流線が従来技術の場合よりも曲がり、結果的に
圧力が高まると共にマッハ数が下がって、圧力損失を少
なくすることができる。
7の形状の曲率が最大になっている曲率最大点58は、
最終段動翼51の軸線方向中心線59よりも流体の流れ
に対して下流側に位置している。従って、湾曲部57に
おける曲率最大点58が軸線方向中心線59よりも上流
側またはこの軸線方向中心線59上に位置している場合
の流線変化よりも、本実施形態の場合の流線変化は大き
い。それゆえ、本実施形態の場合はマッハ数をさらに下
げて、圧力損失をさらに少なくすることができる。
二の実施形態と本実施形態とを組み合わせることによっ
て、圧力損失をさらに少なくしてタービン効率をさらに
高めることができる。さらに、本発明に基づくタービン
の翼およびディフューザにおけるガスタービン通路の形
状を、圧縮機の翼および圧縮機におけるガスタービン通
路の形状にも適用することができる。
を示す図である。図4において横軸はガスタービンの軸
線方向長さ、縦軸は回転軸の中心軸線からの距離を示し
ている。図4内の太線は従来技術のガスタービン、細線
は本発明の第一の実施形態に基づく(直線状部分22の
みを備えている)ガスタービン、点線は本発明の第二の
実施形態に基づく(直線状部分22の下流に突出部分2
4を備えている)ガスタービンをそれぞれ示している。
スタービンのタービン効率上昇量を示している。本発明
によってガスタービンの効率は、第一の実施形態の場合
に0.13%向上させることができ、第二の実施形態の
場合に0.20%向上させることができた。
ービン通路を流れる流体の流線を曲げて、マッハ数を低
下させて圧力損失を少なくすると共にタービン効率を高
めることができるという共通の効果を奏しうる。さら
に、マッハ数の低下により衝撃波が少なくなり、動翼の
先端部の破損を少なくすることができるという共通の効
果も奏しうる。
明によれば、段差部の形状を変更することによって流体
の流線をさらに曲げて、圧力損失をさらに少なくすると
共にタービン効率をさらに高めることができるという効
果を奏しうる。さらに、請求項5および6に記載の発明
によれば、上流側端部と先端部後縁との間を通る流線が
突出部分に沿ってさらに曲がり、マッハ数を低下させる
と共に圧力損失をさらに少なくしてタービン効率をさら
に高めることができるという効果を奏しうる。さらに、
請求項7および8に記載の発明によれば、最終段動翼の
先端部後縁の下流において流体の流線を半径方向内側に
さらに曲げて、圧力損失をさらに少なくすると共にター
ビン効率をさらに高めることができることができるとい
う効果を奏しうる。
長手方向部分断面図である。
長手方向部分断面図である。
終段動翼の先端部付近の拡大図である。
ある。
ある。
断面図である。
フューザ付近の拡大図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 複数の段の動翼を含むタービンと排気室
との間に環状のディフューザを有していて前記タービン
と前記ディフューザと前記排気室とにより環状のガスタ
ービン通路を形成しており、該ガスタービン通路に配置
される前記複数の段の動翼は最終段動翼を含んでおり、
流体が前記ガスタービン通路内を前記排気室に向かって
流れるガスタービンにおいて、 前記ガスタービン通路の内壁の前記最終段動翼の先端部
後縁よりも前記流体の流れに対して下流の部分に半径方
向内側に突出する環状の段差部を形成したガスタービ
ン。 - 【請求項2】 前記タービンの中心軸線から前記段差部
までの距離が、前記タービンの中心軸線から前記最終段
動翼の前記先端部後縁までの距離にほぼ等しくなってい
る請求項1に記載のガスタービン。 - 【請求項3】 前記段差部の前記流体の流れに対して上
流側に位置する上流側端部が、前記最終段動翼の前記先
端部後縁に隣接している前記ガスタービンの前記内壁に
位置している請求項1または2に記載のガスタービン。 - 【請求項4】 前記段差部が、前記段差部の前記流体の
流れに対して上流側に位置する上流側端部から前記ター
ビンの中心軸線に対してほぼ平行に延びる直線状部分を
含んでいる請求項1から3のいずれか一項に記載のガス
タービン。 - 【請求項5】 前記段差部が、前記ガスタービンの前記
内壁から前記最終段動翼の前記先端部後縁よりも半径方
向内側に突出する突出部分を含んでいる請求項1から4
のいずれか一項に記載のガスタービン。 - 【請求項6】 前記突出部分が前記直線状部分の下流に
配置されている請求項5に記載のガスタービン。 - 【請求項7】 前記最終段動翼が、前記最終段動翼の先
端部前縁および先端部後縁の間に半径方向外側に湾曲す
る湾曲部を有している請求項1から6のいずれか一項に
記載のガスタービン。 - 【請求項8】 前記湾曲部の曲率最大点が、前記最終段
動翼の軸線方向中心線よりも前記流体の流れに対して下
流に位置している請求項7に記載のガスタービン。
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