JP3104395B2 - 軸流圧縮機 - Google Patents

軸流圧縮機

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JP3104395B2
JP3104395B2 JP04123252A JP12325292A JP3104395B2 JP 3104395 B2 JP3104395 B2 JP 3104395B2 JP 04123252 A JP04123252 A JP 04123252A JP 12325292 A JP12325292 A JP 12325292A JP 3104395 B2 JP3104395 B2 JP 3104395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスタービン用あるいは
産業用の軸流圧縮機における性能向上に係り、特に高性
能低損失の軸流圧縮機ブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、軸流圧縮機の翼には、文献
「NASA,SP−36」に記述されているように、亜
音速用に開発されたNACA65翼が用いられている。
近年、軸流圧縮機の高圧力比・高効率化の必要性から、
翼列入口流れの高速化が図られており、高亜音速の翼列
に対しては、文献「ポンプ・送風機の理論と応用」JSME
第343回講演会(昭46)に記述されているように、
翼の背側と腹側をそれぞれ単一の円弧で構成した二重円
弧翼が用いられるようになっている。
【0003】従って、入口流れが高亜音速または超音速
の場合にも、高性能の翼形を開発することは重要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、翼列
入口のマッハ数が1に近くなると衝撃波による損失が非
常に大きくなり、効率が低下するという問題があった。
【0005】本発明はこれにかんがみてなされたもの
で、その目的とするところは、高亜音速または超音速の
入口流れを有する部分の翼形状の改良によって、衝撃波
による損失を低減し、高効率の軸流圧縮機を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、静翼
または動翼の背側または腹側を、翼弦長の中心より後縁
側で且つ背側スロート位置より後縁側に接続点を持つ少
なくとも2つの円弧で構成し、前記円弧のうち前縁側第
1番目の円弧の曲率半径が第2番目の円弧の曲率半径よ
り大きくなるようにすることによって、所期の目的を達
成するようにしたものである。
【0007】
【作用】すなわち、軸流圧縮機の静翼または動翼をこの
ように構成すると、翼列に発生する衝撃波面はスロート
より前縁側に移る。また、翼面上の流れについては、腹
側の急減速部分がなくなり、前縁側の増速の割合が小さ
くなり、最大マッハ数も小さくなる。こうした理由から
翼列の損失を低減でき、軸流圧縮機全体の効率が向上す
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1,2を用いて
説明する。図2は本発明を実施した多段軸流圧縮機の部
分横断面図を示すもので、図1は図2の断面AAにおけ
る動翼列4の円筒断面図である。多段軸流圧縮機は図2
に示すようにケーシング1とロータ5により構成される
環状流路2内のケーシング内面に取り付けられた静翼3
と動翼4を配置して回転するロータ5を有して構成さ
れ、ロータ5は別置のモータやタービンなどにより駆動
される。ロータ5の周りに取り付けられた動翼4の円筒
断面AAでの形状は、図1に示すように回転方向6に対
して隣りあう翼と同一であり、背側4aと腹側4bと前
縁部分4cと後縁部分4dとから構成されている。矢印
7は回転軸の方向を示し、矢印20は翼列入口での相対
的な流れの方向を示す。前記背側4a及び腹側4bはそ
れぞれ、滑らかに接続される二つの円弧9a,9b及び
10a,10bとから構成されており、その接続点は翼
弦長の中心8より後縁側で且つスロート14の背側位置
14aより後縁側に位置している。また、前縁側の円弧
の方が後縁側の円弧より曲率半径が大きくなっている。
静翼3については、回転しないという点以外は動翼4と
同様の構成になっているので、以下説明を省略する。
【0009】図3に、図1のように構成された動翼4の
翼列性能を評価するための一つの指標である全圧損失係
数を実験結果を用いて示す。グラフの横軸には翼列入口
でのマッハ数(M1)を取り、縦軸にはM1=0.8で
の全圧損失係数を1とした場合の値を取っている。翼列
入口のマッハ数M1が高くなると、全圧損失が増大し、
M1=0.8 における全圧損失係数に対して、M1=
1.0では1.3倍、M1=1.1 では2倍の値になる。
一方、翼の背側4aと腹側4bをそれぞれ単一の円弧で
構成した二重円弧翼(図7の細い実線)の場合、M1=
1.0では7.8倍、M1=1.1では11.8倍になる。
【0010】次にこの原因について説明する。翼列の入
口マッハ数M1が1.05 の場合の翼の背側,腹側に於
けるマッハ数分布の測定結果を図4に示す。グラフの横
軸は前縁を0、後縁を1として無次元化した場合の翼面
位置で、縦軸は各翼面位置でのマッハ数である。実験値
を表す点については、本発明の翼は黒丸が背側で、白抜
きの丸が腹側であり、二重円弧翼は黒く塗りつぶした四
角が背側で、白抜きの四角が腹側である。本発明による
翼の場合は、腹側の分布は平坦になっており、背側の前
縁側の増速の割合は小さく、急減速部の減速の程度も小
さい。一方、二重円弧翼の場合は、背側,腹側共に大き
な減速部分があり、前縁側の増速の割合が大きく、最大
マッハ数も高い。この違いを、図5に示す背側の曲率半
径の分布図によって示す。グラフの横軸は前縁を0後縁
を1として無次元化した場合の翼面位置で、縦軸は各翼
面位置での曲率半径であり、基準値としての二重円弧翼
の曲率半径を破線で表し、本発明の翼の曲率半径は実線
で表しており、曲率半径が大きく変わる部分が円弧の接
続点に相当する。本発明の翼の前縁側の円弧の曲率半径
は、二重円弧翼の円弧の曲率半径に対して大きくなって
いるので、前縁側の増速の割合が小さくなる。また、円
弧の接続点がスロート14の背側位置14aより後縁側
にあるので、スロート14より前縁側で増速の割合が大
きくなることはない。これらの理由から本発明による翼
の方が、最大マッハ数が低く、減速の程度も小さい。
【0011】さらに図6,7を用いて、可視化実験より
得られた衝撃波面(超音速から亜音速へ急減速する面)
の位置13の比較を示す。図6に示すように、本発明の
翼列に発生する衝撃波面13はスロート14より前縁側
にあり、また背側4aのみに付着している。これは図4
の背側のみに急減速部分が存在することに相当する。一
方、図7に示す二重円弧翼の場合は衝撃波面13はスロ
ート14より後縁側にあり、背側4a,腹側4bの両方
に付着している。
【0012】以上の説明のごとく、本発明は従来のもの
に比べ、翼面上の流れの前縁側の増速の割合が小さくな
り、最大マッハ数を低減でき、さらに翼列に発生する衝
撃波面13がスロート14より前縁側に移り、腹側の急
減速部分がなくるので、衝撃波による損失を低減でき、
軸流圧縮機の効率を向上できる。
【0013】前記実施例において、2つの円弧の接続点
11または12を翼長方向の先端側から根元側に向かっ
て前縁側に徐々に移動させてもよい。図8は本実施例に
よる動翼4で、矢印15は翼長方向を表し、上が先端
側、下が根元側である。また左が翼列の入口側すなわち
前縁側である。破線16は背側の円弧の接続点11を翼
長方向に連ねた曲線を表しており、入口マッハ数の高い
先端側では接続点11を後縁側にし、マッハ数が低くな
る根元側にいくにつれて、接続点11を前縁側に徐々に
移動させている。腹側の接続点12についても同様の変
化をさせているので、以下説明を省略する。
【0014】このように円弧の接続点を変化させる理由
について、図9を用いて説明する。図9は翼列の流れ計
算結果をもとに、入口マッハ数をパラメータとし円弧の
接続点11の位置を変化させた時の全圧損失係数を比較
したものである。グラフの横軸には円弧の接続点の位置
をとり、前縁を0、後縁を1として無次元化している。
縦軸は入口マッハ数M1=0.8 の場合に円弧の接続点
を変化させたときに得られた全圧損失係数の最小値を1
としている。グラフ中の実線はそれぞれ、各入口マッハ
数M1において円弧の接続点を変化させたときの値を示
す。また最小値となる点には印を施しており、M1=
0.7,0.8,0.9,1.0,1.1 の順にそれぞれ、
黒丸,四角,三角,罰点,白抜きの丸で表している。翼
列入口のマッハ数M1が低くなるにつれて、全圧損失係
数が最小となるような接続点の位置が後縁側から前縁側
にずれていくことから、入口マッハ数に応じて最適な点
を採用することによって翼全体としての損失を低くする
ことができる。
【0015】前記実施例において、前記静翼または動翼
の根元側の入り口マッハ数が低い範囲の翼形として二重
円弧翼またはNACA65翼を用いてもよい。図10は
本実施例による動翼4を図8と同様の方向から見たもの
である。入口マッハ数の高い先端側では本発明の翼形を
用い、根元側では二重円弧翼を用いている。図中の一点
鎖線19が本発明の翼と二重円弧翼の接続部分である。
本発明翼の二重円弧翼との接続部分近くでは、2つの円
弧の接続点は翼弦長の中心付近にあり、円弧の曲率半径
も殆ど同じにしているので、接続は滑らかである。この
ように翼を構成することの利点は入口マッハ数が低い部
分で従来技術を使うことによって、設計や製作のコスト
を節約できることにある。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明してきたように、静
翼または動翼の背側または腹側を、翼弦長の中心より後
縁側で且つ背側スロート位置より後縁側に接続点を持つ
少なくとも2つの円弧で構成することによって、翼列に
発生する衝撃波面をスロートより前縁側に移し、また翼
面上の流れについては腹側のマッハ数分布を平滑化し、
背側面の前縁側の増速の割合を抑制し、最大マッハ数を
下げるようにしたので、入口流れが高亜音速から超音速
の場合にも翼列の損失を低減でき、軸流圧縮機の効率を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の断面AAにおける動翼列4の円筒断面
図。
【図2】本発明を実施した多段軸流圧縮機の部分横断面
図。
【図3】翼列入口マッハ数に対する全圧損失係数の比
較。
【図4】M1=1.05 の時の翼面マッハ数分布。
【図5】背側の曲率半径分布図。
【図6】本発明翼列の可視化実験による図。
【図7】二重円弧翼の場合の可視化図。
【図8】本発明の翼の背側面の子午面射影図。
【図9】円弧の接続点の位置が全圧損失に及ぼす影響。
【図10】本発明の翼形と二重円弧翼を組み合わせた場
合の子午面射影図。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…環状流路、3…静翼、4…動翼、
5…ロータ、6…動翼回転方向、7…回転軸方向、8…
翼弦長中心、9a…背側の前縁側円弧、9b…背側の後
縁側円弧、10a…腹側の前縁側円弧、10b…腹側の
後縁側円弧、11…背側の円弧の接続点、12…腹側の
円弧の接続点、13…衝撃波面、14…スロート、14
a…スロートの背側位置、15…翼長方向、19…本発
明の翼と二重円弧翼の接続部分、20…翼列入口での流
れの方向。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状流路を構成するケーシング内面に取り
    付けられた複数の静翼列と、動翼列を配置して回転する
    軸流圧縮機において、前記静翼列または動翼列の少なく
    とも1列の翼の背側または腹側を、翼弦長の中心より後
    縁側で且つ背側スロート位置より後縁側に接続点を持つ
    少なくとも2つの円弧で構成し、前記円弧のうち前縁側
    第1番目の円弧の曲率半径を第2番目の円弧の曲率半径
    より大きくしたことを特徴とする軸流圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記接続点を翼先端断
    面から翼根元断面に向かって前縁側に徐々に移動させた
    ことを特徴とする軸流圧縮機。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記静翼または動翼の
    根元側の入り口マッハ数が低い範囲の翼形として二重円
    弧翼形を用いたことを特徴とする軸流圧縮機。
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