JP2002327369A - 親水化処理方法及び電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

親水化処理方法及び電池用セパレータの製造方法

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JP2002327369A
JP2002327369A JP2001128131A JP2001128131A JP2002327369A JP 2002327369 A JP2002327369 A JP 2002327369A JP 2001128131 A JP2001128131 A JP 2001128131A JP 2001128131 A JP2001128131 A JP 2001128131A JP 2002327369 A JP2002327369 A JP 2002327369A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質体の内部を含めた多孔質体全体に、耐
久性の優れた親水化処理を連続して実施することのでき
る、安価な親水化処理方法、及び電池用セパレータの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の親水化処理方法は、誘電体を担
持した一対の電極を、前記誘電体同士が対向するように
配置した放電処理装置の前記誘電体によって、多孔質体
を挟持した状態で、前記電極間に交流電圧を印加するこ
とにより放電を発生させて、前記多孔質体に放電を作用
させた後、温度50℃以上の雰囲気下で、前記放電を作
用させた多孔質体を界面活性剤溶液と接触させる方法で
ある。また、本発明の電池用セパレータの製造方法は、
誘電体を担持した一対の電極を、前記誘電体同士が対向
するように配置した放電処理装置の前記誘電体によっ
て、多孔質体を挟持した状態で、前記電極間に交流電圧
を印加することにより放電を発生させて、前記多孔質体
に放電を作用させた後、温度50℃以上の雰囲気下で、
前記放電を作用させた多孔質体を界面活性剤溶液と接触
させる方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水化処理方法及び
電池用セパレータの製造方法に関する。本発明の親水化
処理方法及び電池用セパレータの製造方法によれば、耐
久性のある親水化を多孔質体全体に対して、安価に行う
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来、放電による多孔質体の表面処理方
法としては、例えば、コロナ放電、低圧グロー放電、或
いは大気圧グロー放電を利用する方法などが知られてい
た。
【0003】しかしながら、コロナ放電を利用する方
法、低圧グロー放電を用いる方法、または、大気圧グロ
ー放電を用いる方法を用いると、例えば、多孔質体を親
水化することはできるが、得られた親水性の効果は長く
持続するものではなく、熱により、その親水性の効果が
容易に低下する欠点があった。また、多孔質体の内部は
ほとんど親水化されないという問題もあった。
【0004】特開平10−338760号公報には、大
気圧下で、一対の電極間に、界面活性剤を含浸した多孔
体を介在させた状態で前記電極に高周波/高電圧を印加
し、前記多孔体表面および各孔の内部空間でプラズマを
発生させることにより、多孔体を改質処理する方法が開
示されている。この改質処理方法によれば、親水性また
は親油性を付与することができ、しかも、その耐久性に
優れた多孔体を得ることができる。しかしながら、この
方法においては、含浸工程、乾燥工程、放電工程、洗浄
工程、乾燥工程と工程が多くなるため、コストが高くな
る欠点があった。また、乾燥工程を経た後に放電工程と
しているものの、放電工程で電極が汚れやすいため、長
時間の放電処理を連続して行うことが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、多孔質体の内部を含めた多孔質体全体に、耐久性の
優れた親水化処理を連続して実施することのできる、安
価な親水化処理方法、及び電池用セパレータの製造方法
を提供することにある。
【0006】
【発明を解決するための手段】前記の目的は、本発明方
法による、誘電体を担持した一対の電極を、前記誘電体
同士が対向するように配置した放電処理装置の前記誘電
体によって、多孔質体を挟持した状態で、前記電極間に
交流電圧を印加することにより放電を発生させて、前記
多孔質体に放電を作用させた後、温度50℃以上の雰囲
気下で、前記放電を作用させた多孔質体を界面活性剤溶
液と接触させることによって達成することができる。こ
のように放電を作用させた多孔質体を温度50℃以上の
雰囲気下で界面活性剤溶液と接触させると、放電の作用
により生成したペルオキサイドが開裂してラジカルを生
成しやすく、界面活性剤と反応して多孔質体に強固に固
定化され、耐久性に優れる親水化処理を実施することが
できる。なお、この親水化処理方法によれば、放電を作
用させる段階において多孔質体には界面活性剤溶液が付
与されていないため、電極を汚すことなく、連続して親
水化処理を実施することができる。また、従来よりも乾
燥工程を省略することができるため、より安価に親水化
処理をすることができる。更に、前記のような方法によ
り放電を発生させると、多孔質体の表面から内部まで均
一にペルオキサイドが形成されるため、界面活性剤も多
孔質体の表面から内部まで均一に強固に固定化され、多
孔質体全体に耐久性のある親水性を付与することができ
る。
【0007】なお、前記界面活性剤溶液がリン酸エステ
ル系アニオン活性剤であると、生成したラジカルと反応
しやすく、反応したリン酸エステル系アニオン活性剤が
強固に固定化され、親水性の耐久性に優れている。
【0008】本発明の電池用セパレータの製造方法は、
誘電体を担持した一対の電極を、前記誘電体同士が対向
するように配置した放電処理装置の前記誘電体によっ
て、多孔質体を挟持した状態で、前記電極間に交流電圧
を印加することにより放電を発生させて、前記多孔質体
に放電を作用させた後、温度50℃以上の雰囲気下で、
前記放電を作用させた多孔質体を界面活性剤溶液と接触
させる方法である。このように放電を作用させた多孔質
体を温度50℃以上の雰囲気下で界面活性剤溶液と接触
させると、放電の作用により生成したペルオキサイドが
開裂してラジカルを生成しやすく、界面活性剤と反応し
て多孔質体に強固に固定化され、初期及び長期の親水性
に優れる電池用セパレータを製造することができる。な
お、この電池用セパレータの製造方法によれば、放電を
作用させる段階において多孔質体には界面活性剤溶液が
付与されていないため、電極を汚すことなく、連続して
電池用セパレータを製造することができる。また、従来
よりも乾燥工程を省略することができるため、より安価
に電池用セパレータを製造することができる。更に、こ
のような方法により放電を発生させると、多孔質体の表
面から内部まで均一にペルオキサイドが形成されるた
め、界面活性剤も多孔質体の表面から内部まで均一に強
固に固定化され、多孔質体全体に耐久性のある親水性を
もった電池用セパレータを製造することができる。
【0009】なお、前記界面活性剤溶液がリン酸エステ
ル系アニオン活性剤であると、生成したラジカルと反応
しやすく、反応したリン酸エステル系アニオン活性剤が
強固に固定された、耐久性のある親水性を有する電池用
セパレータを製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法により処理することの
できる多孔質体は、任意の有機材料及び/又は無機材料
からなることができる。本発明方法によれば、多孔質体
が有機材料であるか、無機材料であるかを問わず、親水
化処理することができる。
【0011】有機材料としては、各種の有機高分子化合
物、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、フッ素化エチレンプロピレン共重合体(FE
P)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、またはフッ
化ビニリデン−トリフルロエチレン共重合体などを挙げ
ることができる。
【0012】無機材料としては、各種セラミック(例え
ば、アルミナ、シリカ、もしくはシリカアルミナなど)
を挙げることができる。
【0013】本発明で親水化することのできる多孔質体
としては、例えば、繊維質型多孔質体、フィルム型多孔
質体、または発泡型多孔質体などを挙げることができ
る。繊維質型多孔質体は、例えば、織物、編物、繊維状
ポーラスフィルム、不織布或いはこれらの複合体である
ことができる。不織布としては、例えば、乾式不織布
(例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、
ニードルパンチ不織布、バインダ接着不織布、熱融着不
織布、もしくは水流絡合不織布)または湿式不織布など
を挙げることができる。フィルム型多孔質体としては、
穴あきフィルムなどを挙げることができる。また、発泡
型多孔質体としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリ
エステル系、またはポリウレタン系などの樹脂からなる
開放気泡型発泡体などを挙げることができる。
【0014】本発明の親水化処理方法は、特に有機材料
からなる繊維質型多孔質体の処理に適用することがで
き、例えば、不織布(例えば、電池用セパレータ、貼付
材用基布、または加湿用基材などとして使用することの
できる不織布)の親水化処理に適用することができる。
【0015】特に、電池用セパレータとして使用するこ
とのできる不織布としては、これに限定されるわけでは
ないが、例えば、ポリオレフィン系繊維、すなわち、ポ
リエチレン、エチレン系共重合体、ポリプロピレン、プ
ロピレン系共重合体、ポリブテン、ブテン系共重合体、
ポリメチルペンテン、またはペンテン系共重合体を樹脂
成分として1つ以上含む繊維からなり、例えば、流体流
絡合法(特に水流絡合法)、熱融着法、もしくはメルト
ブロー法、またはこれら方法を併用して形成された不織
布を1層以上有するものを使用することができる。
【0016】本発明の親水化処理方法においては、まず
上述のような多孔質体に対して放電を作用させることに
より、ペルオキサイドを発生させる。この放電を発生さ
せる方法として、誘電体を担持した一対の電極を、誘電
体同士が対向するように配置した放電処理装置の誘電体
によって、前記多孔質体を挟持した状態で、電極間に交
流電圧を印加することにより発生させる方法を採用する
ことによって、多孔質体全体に耐久性のある親水化処理
を実施することが可能となった。つまり、このような方
法により放電を発生させると、多孔質体の表面から内部
まで均一にペルオキサイドが形成されるため、界面活性
剤も多孔質体の表面から内部まで均一に強固に固定化さ
れ、耐久性のある親水性を付与することができる。
【0017】この放電処理装置を用いた場合の放電処理
方法について、放電処理装置の模式的断面図である図1
をもとに説明する。
【0018】図1に示すように、平板状電極からなる一
対の電極21,22を対向するように配置する。電極2
1は、その対向表面側に誘電体41を担持し、電極22
も、その対向表面側に誘電体42を担持している。この
ような放電処理装置の誘電体41,42によって、多孔
質体11を挟持する。電極21及び電極22の大きさ
を、誘電体41及び誘電体42の大きさよりも小さくな
るようにすると、両電極21,22の端部間でスパーク
放電が生じないので好ましい。また、電極21又は電極
22の大きさが誘電体41又は誘電体42の大きさと同
じ場合には、電極21,22の周囲に誘電性材料からな
る被覆材(例えば、ビニールテープ)などを設けること
により、両電極21,22の端部間のスパーク放電を防
ぐことができる。図1の放電処理装置においては、電極
21を交流電源51に接続し、電極22をアースしてい
る。なお、逆に、電極22に交流電源51を接続し、電
極21をアースしてもよい。
【0019】このような放電処理装置において、交流電
源51から交流電圧を印加すると、多孔質体11の内部
空隙で放電が発生し、ペルオキサイドが生成される。多
孔質体11の内部空隙で発生したペルオキサイドは後段
の工程により開裂してラジカルを生じ、界面活性剤と反
応して多孔質体に強固に固定される。
【0020】本発明方法における放電処理工程におい
て、交流電源51により放電を発生させるために印加す
る交流電圧の下限は、誘電体41,42を含めた電極間
の距離などに依存するので、特に限定されるものではな
いが、好ましくは0.25kVp以上、より好ましくは
0.5kVp以上である(kVpは、交流電圧の最大値
ピークから0までの電圧差を示す)。電圧が0.25k
Vp未満になると実質的に放電が起こらなくなるからで
ある。また、交流電圧の上限は多孔質体11の損傷が生
じることのない電圧である限り、特に限定されるもので
はない。
【0021】前記交流電圧の周波数の上限は、特に限定
されるものではないが、好ましくは100kHz、より
好ましくは50kHzである。周波数が100kHzを
越えると、誘電加熱により多孔質体11が過熱状態にな
って破壊する恐れが生じるからである。また、周波数を
50kHz以下とすると、誘電体41,42及び電極2
1,22が加熱されにくいので、長時間、安定して放電
処理することができる。周波数の下限は、好ましくは
0.1kHz、より好ましくは0.5kHz、更に好ま
しくは1kHzである。周波数が0.1KHz未満にな
ると、放電効率が低下することがあるからである。周波
数を1KHz以上とすると、処理効率が高く、処理時間
が短くなる。
【0022】前記交流の出力は、各電極21,22の形
状、または使用する誘電体41,42もしくは多孔質体
11の素材または厚さなどに依存するので特に限定され
るものではないが、一対の電極21,22が、多孔質体
11を一定の領域で挟んで処理する場合(図1及び後述
の図4のような場合)、0.5〜5W/cmであるこ
とが好ましい。また、一対の21,22が、多孔質体1
1を線状に挟んで処理する場合(後述の図2、図3、図
5、図6のような場合)には、前記交流の出力は、0.
1〜9W/cmであることが好ましく、0.1〜6W/
cmであることがより好ましい。なお、多孔質体11を
線状に挟んで処理する場合であって、複数本の電極を使
用する場合(後述の図3、図5、図6のような場合)に
は、前記の交流出力の範囲は電極一本あたりの値を意味
する。本発明方法における放電処理工程において、交流
の出力が前記範囲より低い場合には、多孔質体11の放
電しやすい場所で主に放電が生じ、多孔質体全体を均一
に処理することができないことがある。また、交流の出
力が前記範囲より高い場合には、アーク放電により多孔
質体11に穴があくことがある。
【0023】印加電圧の波形は、特に限定されるもので
はなく、例えば、正弦波、三角波、又は矩形波などを挙
げることができる。
【0024】本発明において放電処理装置に用いること
のできる電極21,22の材料は、特に限定するもので
はないが、比抵抗が10Ω・cm以下(好ましくは1
0Ω・cm以下)の導電体を用いることができ、例え
ば、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウ
ム、チタン、タングステンなど)、導電性金属酸化物、
カーボン、或いは金属粉末やカーボン粉末などの導電剤
とゴムとを複合した導電性ゴムなどを使用することがで
きる。また、電極21,22の形状は平板状電極に限定
されず、例えば、シート状電極、ベルト状電極、又は円
柱状電極を用いることができる。
【0025】本発明において、放電処理装置に用いるこ
とのできる誘電体41,42を構成する材料としては、
例えば、ガラス(例えば、石英、パイレックス(登録商
標)、テンパックスなど)、セラミック(例えば、アル
ミナなど)、ゴム(例えば、シリコーンゴム、クロロプ
レンゴムなど)、あるいは熱可塑性樹脂(例えばポリテ
トラフルオロエチレン、ポリエステルなど)を使用する
ことができる。これらの中でも、ガラス、セラミックは
耐久性に優れているため好適に使用できる。この誘電体
41,42の厚さは特に限定されるものではないが、
0.05mm〜5mm程度であるのが好ましい。誘電体
41,42の厚さが0.05mm未満であると、機械的
強度が低下して絶縁破壊が生じやすくなり、5mmを越
えると放電させるために高い電圧が必要となるためであ
る。
【0026】本発明の放電処理装置による放電はペルオ
キサイドが発生しやすい酸素存在下で実施するのが好ま
しい。この酸素以外の気体として、例えば、窒素、ヘリ
ウムやアルゴンなどの不活性ガスが存在していることが
できる。製造上、空気中で実施すると、連続的に放電処
理することができるため好適である。なお、不活性ガス
などを使用する場合には、不活性ガスなどが散逸しない
ように、密閉された容器中で実施するのが好ましい。
【0027】このような放電処理装置によると、多孔質
体11の一対の電極21,22に挟まれた部分にペルオ
キサイドが発生し、界面活性剤が強固に結合しやすいた
め、少なくとも一方の電極の形状を調整することによっ
て、部分的に親水化処理を実施することができる。例え
ば、電極の一方を平板状電極とし、電極のもう一方を部
分的に突出した凸部を有する電極を使用すると、電極の
凸部と同じパターンに部分的に親水化処理することがで
きる。このように部分的に親水化処理した多孔質体11
を電池用セパレータとして使用すると、親水化処理した
部分で電解液を保持することができ、親水化処理してい
ない部分は気体の透過性に優れているため、密閉型二次
電池のセパレータとして好適に使用することができる。
【0028】本発明において使用できる放電処理装置は
上述のものに限定されず、図2に示すように、一対の電
極21,22が円柱状電極であっても良いし、図3に示
すように、大きな直径を有する円柱状電極22に対し
て、小さな直径を有する複数個の円柱状電極21a〜2
1eを対向させるように配置したものであっても良い
し、図4に示すように、円柱状電極22とベルト状電極
23とを対向させるように配置したものであっても良い
し、図5に示すように、平板状電極22と複数個の円柱
状電極21a〜21eを対向させるように配置したもの
であっても良いし、図6に示すように、ベルト状電極2
3と複数個の円柱状電極21a〜21eを対向させるよ
うに配置したものであっても良い。
【0029】上述のようにして放電を多孔質体に対して
作用させた後、温度50℃以上の雰囲気下で、前記放電
を作用させた多孔質体を界面活性剤溶液と接触させて、
界面活性剤を多孔質体と強固に結合させる。このよう
に、温度50℃以上の雰囲気下であると、ペルオキサイ
ドの開裂により効率的にラジカルが生成されるため、界
面活性剤が多孔質体と強固に結合し、耐久性のある親水
化処理を実施することができる。より好ましい雰囲気温
度は60℃以上であり、更に好ましい雰囲気温度は80
℃以上である。なお、雰囲気温度の上限は多孔質体が変
質しない温度であれば良く、特に限定するものではな
い。
【0030】なお、雰囲気温度は、放電処理した多孔質
体自体が50℃以上の温度であっても、界面活性剤溶液
自体が50℃以上の温度であっても、いずれも50℃以
上の温度であっても良い。
【0031】また、放電を作用させた多孔質体と界面活
性剤溶液との接触方法は、特に限定されるものではない
が、例えば、放電を作用させた多孔質体を界面活性剤溶
液中に浸漬する方法、放電を作用させた多孔質体に界面
活性剤溶液を散布又は塗布する方法、などにより実施す
ることができる。
【0032】なお、この界面活性剤は親水性を付与でき
るものであれば特に限定されず、例えば、カルボン酸塩
系アニオン活性剤、硫酸エステル塩系アニオン活性剤、
スルホン酸塩系アニオン活性剤、リン酸エステル系アニ
オン活性剤、第1級アミン塩系カチオン活性剤、第2級
アミン塩系カチオン活性剤、第3級アミン塩系カチオン
活性剤、第4級アンモニウム塩系カチオン活性剤、アミ
ノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、ポ
リエチレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アル
コール型非イオン界面活性剤などを挙げることができ
る。これらの中でも、リン酸エステル系アニオン活性剤
を用いると、耐久性に優れる親水化処理を実施すること
ができる。
【0033】このリン酸エステル系アニオン活性剤とし
て、ポリオキシエチレンアルキル(アルキル炭素数は5
〜25)リン酸エステル又はその塩(例えば、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルリン酸
エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸
エステル、ポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸
エステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン
酸エステル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル
リン酸エステルなど)、ジアルキルエーテルリン酸エス
テル又はその塩(例えば、ジラウリルエーテルリン酸エ
ステルナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルリン酸エス
テルナトリウムなど)、トリアルキルエーテルリン酸エ
ステル(例えば、トリラウリルエーテルリン酸エステ
ル、トリセチルエーテルリン酸エステル、トリステアリ
ルエーテルリン酸エステル、トリオレイルエーテルリン
酸エステルなど)などを例示することができる。これら
の中でも、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル
塩(特に、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル
アルカリ金属塩)を用いると、親水性の耐久性を一層高
めることができるため、好適に使用できる。
【0034】なお、界面活性剤は単独で、又は混合した
状態で使用することができる。
【0035】本発明において、この界面活性剤濃度は特
に限定されるものではないが、0.5〜50重量%程度
であるのが好ましく、1〜30重量%程度であるのがよ
り好ましい。界面活性剤の濃度が0.5重量%未満であ
ると、耐久性のある親水化処理を実施することが難し
く、耐久性のある親水化を得るためには長時間の浸漬時
間を必要とする傾向がある。活性剤濃度が50重量%よ
りも高いと、耐久性のある親水化処理を短時間で行うこ
とができるが、洗浄工程で大量の水が必要となる傾向が
ある。
【0036】このように界面活性剤と接触させた多孔質
体はそのまま使用しても良いが、未反応の界面活性剤な
どを除去するために、水洗し、乾燥するのが好ましい。
【0037】以上、多孔質体を親水化処理する方法につ
いて述べたが、本発明の電池用セパレータは上述のよう
な親水化処理方法と全く同様にして電池用セパレータを
製造することができる。このようにして製造された電池
用セパレータは親水性の耐久性に優れ、電解液の保持性
に優れているため、ニッケル−カドニウム電池やニッケ
ル−水素電池用のセパレータとして好適に使用すること
ができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0039】(実施例1)多孔質体として、ポリプロピ
レン/ポリエチレン分割繊維100%からなるスラリー
を湿式抄造した後、水流絡合処理により分割繊維を分割
させるとともに、絡合させた不織布(幅=180mm、
長さ=350mm、厚さ=0.3mm)を用いた。
【0040】放電処理装置として、全体が非多孔質のポ
リテトラフルオロエチレンシート誘電体(大きさ:18
0×250mm、厚さ:0.1mm)をそれぞれ担持し
た、ステンレス板(150×200mm)からなる平板
状電極が対向するように配置されたもの(ポリテトラフ
ルオロエチレンシートは平板状電極からはみでている)
を用意した。なお、一方の平板状電極は交流電源に接続
し、他方の平板状電極はアースした。
【0041】次いで、放電処理装置の誘電体により前記
不織布を狭持した状態で、大気圧下かつ空気中で、平板
状電極に交流電圧(交流電圧:10KVp、周波数:2
0kHz、出力:600W、波形:正弦波)を印加し
て、不織布の内部空隙で放電を発生させ、30秒間処理
した。
【0042】次いで、この放電処理した不織布を、温度
60℃に維持されたポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸エステルカリウム塩10重量%界面活性剤溶液
(花王(株)製、エレクトロストリッパーF)中に5分
間浸漬した。その後、軽く水洗した後、未反応の界面活
性剤を除去するために、60℃の水で1時間洗浄して、
親水化処理不織布を得た。この親水化処理不織布は面密
度(1mあたりの質量)が1重量%増加していた。
【0043】この親水化処理不織布に水を1滴滴下した
ところ、瞬時に濡れる親水性の優れるものであった。更
に、この親水化処理不織布を100℃の熱湯で1時間煮
沸し、次いで100℃の乾燥機で1時間乾燥した後に、
水を1滴滴下した場合であっても、瞬時に濡れる、全体
が親水化処理された親水性の耐久性に優れるものであっ
た。
【0044】(比較例1)放電処理した不織布を界面活
性剤溶液に浸漬しなかったこと以外は前記実施例1と同
様の操作を繰り返して放電処理不織布を得た。この放電
処理不織布は面密度が全く増加していなかった。
【0045】この放電処理不織布に水を1滴滴下したと
ころ、徐々に濡れる親水性のやや劣るものであった。ま
た、この放電処理不織布を100℃の熱湯で1時間煮沸
し、次いで100℃の乾燥機で1時間乾燥した後に、水
を1滴滴下しても、全く濡れない、親水性の耐久性のな
いものであった。
【0046】(比較例2)界面活性剤溶液の温度を30
℃にしたこと以外は前記実施例1と同様の操作を繰り返
して、低温親水化不織布を得た。この低温親水化不織布
は面密度が全く増加していなかった。
【0047】この低温親水化不織布に水を1滴滴下した
ところ、徐々に濡れる親水性のやや劣るものであった。
また、この低温親水化不織布を100℃の熱湯で1時間
煮沸し、次いで100℃の乾燥機で1時間乾燥した後
に、水を1滴滴下しても、全く濡れない、親水性の耐久
性のないものであった。
【0048】(比較例3)放電処理を行わなかったこと
以外は前記実施例1と同様の操作を繰り返して、界面活
性剤処理不織布を得た。この界面活性剤処理不織布は面
密度が全く増加していなかった。
【0049】この界面活性剤処理不織布に水を1滴滴下
したところ、徐々に濡れる親水性のやや劣るものであっ
た。また、この界面活性剤処理不織布を100℃の熱湯
で1時間煮沸し、次いで100℃の乾燥機で1時間乾燥
した後に、水を1滴滴下しても、全く濡れない、親水性
の耐久性のないものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の親水化方法によれば、多孔質体
に耐久性の優れた親水化を施すことができる。なお、本
発明の親水化方法によれば、電極を汚すことなく、連続
して親水化処理を実施することができる。また、より安
価に親水化処理をすることができる。更に、多孔質体の
内部を含む全体を親水化処理することができる。
【0051】本発明の電池用セパレータの製造方法によ
れば、初期及び長期の親水性に優れる電池用セパレータ
を提供できる。なお、電極を汚すことなく、連続して電
池用セパレータを製造することができる。また、より安
価に電池用セパレータを製造することができる。更に、
電池用セパレータ(多孔質体)の内部を含む全体が電解
液の保持性に優れる電池用セパレータを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用できる放電処理装置の模式的断
面図
【図2】 本発明で使用できる別の放電処理装置の模式
的断面図
【図3】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の
模式的断面図
【図4】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の
模式的断面図
【図5】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の
模式的断面図
【図6】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の
模式的断面図
【符号の説明】
11 ・・ 多孔質体 21、21a、21b、21c、21d、21e、2
2、23 ・・ 電極 41、41a、41b、41c、41d、41e、4
2、43、44、44a・・ 誘電体 51 ・・ 交流電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体を担持した一対の電極を、前記誘
    電体同士が対向するように配置した放電処理装置の前記
    誘電体によって、多孔質体を挟持した状態で、前記電極
    間に交流電圧を印加することにより放電を発生させて、
    前記多孔質体に放電を作用させた後、温度50℃以上の
    雰囲気下で、前記放電を作用させた多孔質体を界面活性
    剤溶液と接触させることを特徴とする、親水化処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤溶液がリン酸エステル系
    アニオン活性剤であることを特徴とする請求項1に記載
    の親水化処理方法。
  3. 【請求項3】 誘電体を担持した一対の電極を、前記誘
    電体同士が対向するように配置した放電処理装置の前記
    誘電体によって、多孔質体を挟持した状態で、前記電極
    間に交流電圧を印加することにより放電を発生させて、
    前記多孔質体に放電を作用させた後、温度50℃以上の
    雰囲気下で、前記放電を作用させた多孔質体を界面活性
    剤溶液と接触させることを特徴とする、電池用セパレー
    タの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤溶液がリン酸エステル系
    アニオン活性剤であることを特徴とする請求項3に記載
    の電池用セパレータの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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