JP2002326316A - フィルム積層体およびその製造方法 - Google Patents

フィルム積層体およびその製造方法

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JP2002326316A
JP2002326316A JP2001130568A JP2001130568A JP2002326316A JP 2002326316 A JP2002326316 A JP 2002326316A JP 2001130568 A JP2001130568 A JP 2001130568A JP 2001130568 A JP2001130568 A JP 2001130568A JP 2002326316 A JP2002326316 A JP 2002326316A
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curl
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film laminate
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JP2001130568A
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Bungun Kiku
文軍 鞠
Tatsuhiko Oshiro
達彦 尾城
Takatoshi Akatsuka
孝寿 赤塚
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Nippon Mektron KK
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Nippon Mektron KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歪みやカールの発生を極めて簡便な制限や条
件だけで抑止でき、ICカードやFPCの製造に最適な
フィルム積層体を提供する。 【解決手段】 フィルム厚さ方向へ残留応力が分布して
いるプラスチックフィルムの横幅寸法Wの中心を通る縦
長さ方向の縦軸線A−A、または横幅寸法Wの方向の横
軸線B−Bのそれぞれ左右の対称位置において2つの対
称形のフィルム片を切り取る。残留応力のために切り取
り後にカールを生じた一方のフィルム片と他方のフィル
ム片とを互いに略X字型、あるいは略O字型にセットし
て貼り合わせ、フィルム厚さ方向に分布する残留応力を
相殺して成形することにより、湾曲歪みやカールの無い
平面性に優れたフィルム積層体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的に歪みやカ
ールの発生がなく平面性に優れたフィルム積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムには、しばしばそ
の厚さ方向に製造工程で生じた残留応力が残っている。
例えば、ポリイミドフィルムの場合、ポリイミドの前駆
体としてのポリアミック酸の溶液をスチールベルト上に
塗工し、乾燥させてフィルム化する。その後、フィルム
化したものをスチールベルトから剥がし、加熱してポリ
イミド化する工程を経て製造されている。この場合、乾
燥工程では、形成されたフィルムがスチールベルトに向
き合う側の裏面ではそのスチールベルト面に密着して固
定されているが、反対側のフィルム表面では空気に接触
した自由空間となっているため、溶媒を乾燥する工程で
収縮が生じる。そのようにして生じたフィルムの表裏面
における収縮の有無の差から、フィルムのスチールベル
ト面に向き合う裏面側に大きな残留応力が残り、フィル
ムを湾曲形状に歪ませていわゆるカールさせる原因とな
る。
【0003】ところで、ICカードのごとき各種電子カ
ード類とか、電子回路をパターン形成したFPC(フレ
キシブルプリント配線基板)などに代表されるように、
それらはプラスチックフィルム製品であるが、機能面を
考えれば、使用される基材のプラスチックフィルムに歪
みやカールが実質的に発生せず、平面性を確保できるこ
とは重要な製造条件の一つである。
【0004】従来、そうしたプラスチックフィルムの歪
みやカールの発生を抑える多くの技術が提案されてい
る。例えば、特開平11−254576号公報に記載の
フィルム構造体の場合、特定の二軸配向フィルムの2枚
以上をラミネートして積層するものである。使用するに
好適な二軸配向フィルム積層体として、圧縮弾性率が3
00mg/μm2以下か、あるいはフィルム面内のあら
ゆる方向において150℃で熱処理したときの熱収縮率
の最大値と最小値との差が0.3%以下のものを用いる
ことを重要な要件としており、それを満足すれば製造後
のフィルム積層体に歪みやカールを生じないことが開示
されている。
【0005】上記公報に記載の技術の場合、フィルム積
層体に歪みやカールの発生を抑えるために、使用するに
好適な二軸配向フィルムの製造条件として、熱収縮率や
熱膨張係数などを厳しく制限している。結果、カールを
生じない所望のフィルム積層体を製造するうえで、極め
て厳しい制限や条件を満足することを余儀なくされる問
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
のプラスチックフィルムのように熱膨張率や熱収縮率の
大小に制限されず、広範囲のプラスチックフィルムを基
材に用いることが可能で、歪みやカールの発生を極めて
簡便な制限や条件だけで抑止でき、ICカードやFPC
の製造に最適なフィルム積層体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるフィルム
積層体は、横幅寸法Wと縦方向への長さ寸法Lを有し厚
さ方向に残留応力が分布するプラスチックフィルムを基
材にして、この基材フィルムの横幅寸法Wの中心を通る
縦長さ方向の縦軸線A−Aから左右の対称位置におい
て、または横幅寸法Wの方向の横軸線B−Bから左右の
対称位置においてカールが生じた一方のフィルム部分と
他方のフィルム部分とを互いにカール方向が相反する背
中合わせにしたセット状態から積層するか、または互い
にカール方向が対向する向かい合わせにしたセット状態
から積層してなっていることを特徴とする。
【0008】以上の構成により、基材フィルムの縦軸線
A−Aから対称に、または横軸線B−Bから対称に2つ
のフィルム片を切り取って材料取りし、基材フィルムの
厚さ方向に分布している残留応力のために裁断後にカー
ルを生じた一方のフィルム片と他方のフィルム片とを互
いにカール方向が相反する背中合わせにして略X字型に
セット後、貼り合わせて積層することによりフィルム積
層体を得る。基材フィルムのそうした特定方向から2つ
のフィルム片を材料取りすることにより、貼り合わせ後
のフィルム積層体から湾曲歪みやカールの発生を抑える
ことができる。また、カール方向を対向する向かい合わ
せにして略O字型にセット後、貼り合わせて積層して得
たフィルム積層体の場合も湾曲歪みやカールの無いもの
が得られる。このように2つの対称形のフィルムを切り
取り、積層する代わりに、縦軸線A−Aまたは横軸線B−B
から左右対称に折り曲げたフィルム部分について、積層
が行われてもよい。縦軸線A−Aから折り曲げた場合に
は、連続的な貼り合わせを可能とする。
【0009】また、かかるフィルム積層体の製造は、任
意の熱収縮率および熱膨張係数を有しフィルム厚さ方向
へ残留応力が分布しているプラスチックフィルムを基材
にして用い、この基材フィルムの横幅寸法Wの中心を通
る縦長さ方向の縦軸線A−Aから左右の対称位置におい
て、または横幅寸法Wの方向の横軸線B−Bから左右の
対称位置において、カールを生じた一方のフィルム部分
と他方のフィルム部分とを互いにカール方向が相反する
背中合わせの略X字型にセットして、背中合わせに面す
る側の片面に熱硬化性溶剤系の接着剤を塗工した後に加
熱による溶剤乾燥工程を経てから貼り合わせるか、また
は互いにカール方向が対向する向かい合わせの略O字型
にセットして、対向して面する側の片面に熱硬化性溶剤
系の接着剤を塗工した後に加熱による溶剤乾燥工程を経
て貼り合わせることにより、前記フィルム厚さ方向に分
布する残留応力を相殺して成形することによって行われ
る。このように2つの対称形のフィルムを切り取り、積
層する代わりに、縦軸線A−Aまたは横軸線B−Bから左右
対称に折り曲げたフィルム部分について、積層が行われ
てもよい。縦軸線A−Aから折り曲げた場合には、連続的
な貼り合わせを可能とする。
【0010】以上の製造方法により、使用する基材フィ
ルムは任意の熱収縮率と熱膨張係数を有し、またフィル
ム厚さ方向へ残留応力が分布しているにもかかわらず、
特定方向から材料取りした対称形の2つのフィルム片を
略X字型または略O字型に対向させて貼り合わせて積層
する際、例えばその貼り合わせに使用する熱硬化性溶剤
系の接着剤を加熱乾燥すると収縮や膨張による熱歪みが
生じるが、2つのフィルム片を略X字型または略O字型
に対向させて貼り合わせて積層することにより、製造後
のフィルム積層体としては湾曲歪みやカールの無いもの
が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるフィルム積
層体とその製造方法の実施の形態について、図面を参照
して詳細に説明する。
【0012】はじめに、湾曲歪みやカールを発生しない
本実施の形態のフィルム積層体を製造するうえで、その
基材として使用されるプラスチックフィルムの熱収縮率
や熱膨張係数に制限されないことが大きな利点となって
いる。すなわち、通常方式で製造されたプラスチックフ
ィルム製品をそのまま簡便に使用でき、フィルム厚さ方
向に残留応力が分布している基材フィルムであっても、
そのフィルム厚さに特別制限を受けることなく、好まし
くは実用に供される10〜200μmのものが使用でき
る。図1に示すように、そうしたフィルム厚さで所要の
横幅寸法Wと縦方向に長く所定の長さ寸法Lを有し、こ
の場合図示例のように、ロール巻きした基材フィルム1
が本発明にかかるフィルム積層体を製造用に準備され
る。
【0013】かかる基材フィルム1を用いて、図2
(b)に示す第1実施の形態のフィルム積層体20、図
3(b)に示す第2実施の形態のフィルム積層体21、
図5(b)に示す第3実施の形態のフィルム積層体2
2、そして図6(b)に示す第4実施の形態のフィルム
積層体23といった4種類のラミネート構造体を製造す
ることができる。
【0014】まず、第1実施の形態を示す図1および図
2(a),(b)において、フィルム積層体20を製造
するにあたって、基材フィルム1の横幅寸法Wの中心を
通り縦長さ寸法Lに延びる縦軸線A−Aから左右の対称
位置において、所定の縦横寸法を有する矩形状の2枚の
フィルム片2,3を切り取る。そうした基材フィルム1
における特定方向と特定位置での切り取りによる材料取
りに際して、フィルム厚さ方向に分布している残留応力
のために切り取り裁断後のそれら2枚のフィルム片2,
3には湾曲歪みやカールが生じる。図2(a)に示すよ
うに、カールしたそれら2枚一組のフィルム片2,3を
歪みの向きを相反させた背中合わせとして、ほぼ「X字
型」の形状となるような組立体としてセットする。以
下、説明の便宜のために、そのようにセットした2枚組
のフィルム片2,3を縦軸X型フィルム2,3と呼ぶ。
【0015】セット後の縦軸X型フィルム2,3の二枚
組は互いに接着剤で貼り合わせることにより、図2
(b)に示すラミネート構造体のフィルム積層体20が
製造される。
【0016】次に、第2実施の形態を示す図1および図
3(a),(b)において、フィルム積層体21を製造
するにあたって、図1に示す基材フィルム1から切り取
られた2枚組のフィルム片2,3を、図3(a)に示す
ように、今度は歪みの向きを向かい合わせにしてほぼ
「O字型」の形状となるような組立体としてセットす
る。以下、そのようにセットした2枚組のフィルム片
2,3を縦軸O型フィルム2,3と呼び、上記縦軸X型
フィルム2,3と区別する。
【0017】したがって、この場合もセット後の縦軸O
型フィルム2,3による二枚組を互いに接着剤で貼り合
わせることにより、図3(b)に示すラミネート構造体
のフィルム積層体21が製造される。
【0018】次に、第3実施の形態を示す図4および図
5(a),(b)において、フィルム積層体22を製造
するにあたって、基材フィルム1を横幅寸法Wの方向に
設定した横軸線B−Bから左右の対称位置において、所
定の縦横寸法を有する矩形状のフィルム片4,5による
二枚組を切り取る。この場合も基材フィルム1からの切
り取りによる材料取りで、それまでフィルム厚さ方向へ
分布していた残留応力のためにそれら二枚組のフィルム
片4,5には湾曲歪みやカールが生じる。図5(a)に
示すように、切り取りによってカールしたそれら二枚組
のフィルム片4,5を歪みの向きを相反させた背中合わ
せにしてほぼ「X字型」の形状となるような組立体とし
てセットする。以下、説明の便宜のために、そのように
セットした二枚組のフィルム片4,5を横軸X型フィル
ム4,5と呼ぶ。
【0019】セット後の横軸X型フィルム4,5による
二枚組を互いに接着剤で貼り合わせることにより、図5
(b)に示すラミネート構造体のフィルム積層体22が
製造される。
【0020】次に、第4実施の形態を示す図4および図
6(a),(b)において、フィルム積層体23を製造
するにあたって、図4に示す基材フィルム1から横軸線
B−Bから対称位置で切り取られた二枚組のフィルム片
4,5を、今度は図6(a)に示すように、歪みの向き
を向かい合わせにしてほぼ「O字型」の形状となるよう
な組立体としてセットする。以下、そのようにセットし
た二枚組のフィルム片4,5を横軸O型フィルム4,5
と呼び、上記横軸X型フィルム4,5と区別する。
【0021】したがって、この場合もセット後の横軸O
型フィルム4,5による二枚組を互いに接着剤で貼り合
わせることにより、図6(b)に示すラミネート構造体
のフィルム積層体23が製造される。
【0022】ここで、上記のように、縦軸線A−Aと横
軸線B−Bから対称位置という特定位置にて切り取り後
にX型とO型に対向セットされる各フィルム片2,3お
よび4,5のそれぞれ二枚組からなる4種類のフィルム
積層体20,21,22,23を貼り合わせてラミネー
トするにあたり、使用される接着剤に特に限定はない
が、耐熱性や作業性を考慮して熱硬化性の溶剤系が好ま
しく、たとえばウレタン系、エポキシ系、アクリル系、
シリコーン系、そしてこれらの数種を混合したものを用
いることができる。
【0023】そうした接着剤を縦軸X型と縦軸O型のフ
ィルム2,3、そして横軸X型と横軸O型のフィルム
4,5のそれぞれ二枚組の対面する片面に塗工するが、
そのコーティング方式としては、コンマコータ、リバー
スロールコータ、グラビアコータを採用することができ
る。
【0024】塗工後、接着剤の乾燥は使用する溶剤の種
類によって異なるが、通常は溶剤の沸点よりも20〜4
0℃高い温度下で、1〜4分の間に残存溶剤がほぼ完全
になくなるような条件が選ばれる。
【0025】貼り合わせて積層するラミネート構造体と
する条件としては、温度50〜200℃、圧力1〜50
kg/cm2の範囲で行うのが好ましい。
【0026】また、ラミネート成形して製造後のフィル
ム積層体200〜23に対して硬化処理されるが、その
硬化条件としては、接着剤の種類や組成、塗布後のコー
ティング厚さによって異なり、常温あるいは加熱条件
下、例えば120〜200℃で1〜10時間の範囲内が
好ましい。
【0027】次に、上記第1〜第4実施の形態で製造さ
れた各フィルム積層体20〜23に対して、湾曲歪みや
カールの有無と実測値について評価するために、各フィ
ルム積層体20〜23から縦横寸法30×150(m
m)の測定サンプル20a,21a,22a,23aを
作成し、250℃の焼成炉で5分間熱処理してから、図
7に示すように、それら各測定サンプルを水平にセット
した平坦面を有するガラス板6上に載置する。各測定サ
ンプルの外周縁のガラス板6の表面上からの垂直距離に
よる「反り」を実測し、反りの最も大きい方向を「カール
高さh:mm」として評価する。
【0028】実施例1 フィルム積層体を作成する基材フィルム1として、フィ
ルム厚さ50μmの2milポリイミドフィルムを用い
た。この基材フィルム1は、長さ寸法L方向の熱膨張係
数が35×10-6(1/℃)であり、横幅寸法W方向の
熱膨張係数が45×10-6(1/℃)である。
【0029】かかる基材フィルム1から、縦軸線A−A
の左右に対称形二枚組の縦軸X型と縦軸O型のフィルム
2,3を切り取ってセットするとともに、横軸線B−B
の左右に対称形二枚組の横軸X型と横軸O型のフィルム
4,5を切り取ってセットする。
【0030】これら4種類の縦軸X型,縦軸O型フィル
ム2,3と横軸X型,横軸O型フィルム4,5のそれぞ
れ二枚組を貼り合わせる接着剤にはエポキシ系を用い、
そのエポキシ系接着剤を10〜40μmの厚さで二枚組
フィルムの各対向面に塗工した。塗工後、焼成炉で13
0℃の温度により3分間加熱処理を行って乾燥させた。
ラミネート工程では、縦軸X型とO型のフィルム2,
3、また横軸X型とO型フィルム4,5のそれぞれ二枚
組に対して、仮貼り作業と本貼り作業に区分して段階的
に貼り合わせた。仮貼り作業では100℃で加熱し、2
0kg/cm2の圧力を10秒間かけて仮貼りする。本
貼り作業では165℃で加熱し、20kg/cm2の圧
力を90秒間かけて本貼りした。
【0031】上記本貼り作業を終えてラミネート工程を
終了することにより、4種類のフィルム積層体20,2
1,22,23が作成される。これら各フィルム積層体
20,21,22,23,に対して、さらに140℃で
4時間硬化作業を行った。
【0032】そのようにして作成されたフィルム積層体
20,21,22,23から縦横寸法30×150(m
m)の測定サンプルを切り取って採取し、250℃のオ
ーブン中で5分間熱処理してから、水平にセットした平
坦面を有するガラス板6上に載置し、カール高さh(m
m)を実測した。
【0033】その結果から、縦軸X型,縦軸O型フィル
ム2,3による2種類のフィルム積層体20,21と、
横軸X型,横軸O型フィルム4,5による2種類のフィ
ルム積層体22,23から採取したサンプルのカール高
さhはいずれも「ゼロ:0mm」であり、湾曲歪みやカ
ールが発生していない平面性を備えたものであることが
理解される。
【0034】実施例2 フィルム積層体を作成する基材フィルム1として、この
場合も上記実施例1で示されたものと同様なフィルム厚
さ50μmの2milポリイミドフィルムを用いた。
【0035】図8に示すように、かかる基材フィルム1
を横幅寸法Wそのままで用い、長さ方向Lで所要長さに
裁断後、縦軸線A−Aを中心線にして矢印(イ)方向へ
「山折り」することにより、左右対称形の縦軸X型フィ
ルム7,8に折り曲げてセットする。また、図9に示す
ように、同じく基材フィルム1を横幅寸法Wそのままで
用い、長さ方向Lで所要長さに裁断後、縦軸線A−Aを
中心線にして今度は矢印(ロ)方向へ「谷折り」するこ
とにより、左右対称形の縦軸O型フィルム7,8に折り
曲げてセットする。
【0036】次に、図10に示すように、上記基材フィ
ルム1に設定した横軸線B−Bを中心にしてその左右の
長さL方向へ同等な長さに振り分けて裁断し、その横軸
線B−Bを中心線にして矢印(ハ)方向へ「山折り」す
ることにより、左右対称形の横軸X型フィルム9,10
に折り曲げてセットする。また、図11に示すように、
同じく基材フィルム1に設定した横軸線B−Bを中心線
にしてその左右の長さL方向へ同等な長さで振り分けて
裁断し、その横軸線B−Bを中心線にして今度は矢印
(ニ)方向へ「谷折り」することにより、左右対称形の
横軸O型フィルム9,10に折り曲げてセットする。
【0037】それら横軸X型と横軸O型フィルム9,1
0の2種類において、それらの二枚組を貼り合わせる接
着剤にエポキシ系を用い、そのエポキシ系接着剤を25
μmの厚さで連続的にフィルム対向面に塗工した。塗工
後、焼成炉で120〜130℃の温度により3分間加熱
処理を行って乾燥させた。乾燥後の二枚組の貼り合わせ
はロールラミネート方式を採用し、横軸X型と横軸O型
フィルム9,10の二枚組の対向面をロールで連続的に
貼り合わせ、165℃で圧力20kg/cm2によって
60秒間押圧して接着した。そのようにして成形された
フィルム積層体をさらに130℃の温度で4時間、硬化
処理した。
【0038】そのようにして作成されたフィルム積層体
から縦横寸法30×150(mm)の測定サンプルを切
り取って採取し、250℃のオーブン中で5分間熱処理
してから水平にセットした平坦面を有するガラス板上に
載置し、カール高さh(mm)を実測した結果を示す。
【0039】その結果から、図10および図11で示さ
れた縦軸X型と縦軸O型のフィルム9,10による2種
類のいずれのフィルム積層体にあっても、それらから採
取した測定サンプルのカール高さhはいずれも「ゼロ:
0mm」であり、湾曲歪みやカールが発生していない平
面性を備えたものであった。
【0040】比較例 図1に示されるような基材フィルム1を用い、上記実施
例1,2のように縦軸X型とO型、また横軸X型とO型
の二枚組フィルムを特定方向と特定位置から裁断してフ
ィルム積層体を成形するのではなく、基材フィルム1を
単体としてそれから30×150mmの大きさの測定サ
ンプルを縦軸線A−Aと横軸線B−Bの各方向から採取
し、それをオーブン中で250℃の温度で5分間熱処理
した。
【0041】かかる比較例のフィルムを水平にセットし
たガラス板上に載置してカール高さhを測定したとこ
ろ、縦軸線A−A方向から採取した測定サンプルのフィ
ルムではカール高さh20mmが測定され、横軸線B−
B方向から採取した測定サンプルのフィルムではカール
高さh10mmを測定した。
【0042】
【発明の効果】本発明にかかるフィルム積層体は、基材
フィルムの縦軸線A−Aから対称に、または横軸線B−
Bから対称に2つのフィルム部分を材料取りし、フィル
ム厚さ方向に分布している基材フィルムの残留応力のた
めに裁断後にカールを生じた一方のフィルム部分と他方
のフィルム部分とを互いにカール方向が相反する背中合
わせにして略X字型にセット後、貼り合わせて積層する
ことによりフィルム積層体を得るが、基材フィルムのそ
うした特定方向から2つのフィルム部分を材料取りする
ことにより、貼り合わせ後のフィルム積層体から湾曲歪
みやカールの発生を抑えることができ、また、カール方
向を対向する向かい合わせにして略O字型にセット後、
貼り合わせて積層して得たフィルム積層体の場合も湾曲
歪みやカールの無いものが得られる。
【0043】また、本発明にかかるフィルム積層体の製
造方法は、使用する基材フィルムは任意の熱収縮率と熱
膨張係数を有し、またフィルム厚さ方向へ残留応力が分
布しているにもかかわらず、特定方向から材料取りした
対称形の2つのフィルム部分を略X字型または略O字型
に対向させて貼り合わせて積層する際、その貼り合わせ
に使用する熱硬化性溶剤系の接着剤を加熱乾燥すると収
縮や膨張による熱歪みが生じるが、2つのフィルム片を
略X字型または略O字型に対向させて貼り合わせて積層
することにより、製造後のフィルム積層体としては湾曲
歪みやカールの無いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフィルム積層体を製造するため
に用いられる基材フィルムを示す斜視図である。
【図2】同図(a),(b)は、第1実施の形態として
基材フィルムから切り取った対称形の2つの縦軸X型フ
ィルムをセットした状態を示す斜視図と、それら2つの
縦軸X型フィルムを貼り合わせて製造されるフィルム積
層体を示す斜視図である。
【図3】同図(a),(b)は、第2実施の形態として
基材フィルムから切り取った対称形の2つの縦軸O型フ
ィルムをセットした状態を示す斜視図と、それら2つの
縦軸O型フィルムを貼り合わせて製造されるフィルム積
層体を示す斜視図である。
【図4】本発明にかかるフィルム積層体を製造するため
に用いられる基材フィルムを示す斜視図である。
【図5】同図(a),(b)は、第3実施の形態として
基材フィルムから切り取った対称形の2つの横軸X型フ
ィルムをセットした状態を示す斜視図と、それら2つの
横軸X型フィルムを貼り合わせて製造されるフィルム積
層体を示す斜視図である。
【図6】同図(a),(b)は、第4実施の形態として
基材フィルムから切り取った対称形の2つの横軸O型フ
ィルムをセットした状態を示す斜視図と、それら2つの
横軸O型フィルムを貼り合わせて製造されるフィルム積
層体を示す斜視図である。
【図7】上記4種類のフィルム積層体からそれぞれ測定
サンプルを切り取って採取し、平坦面のガラス板上に載
置セットして反りによるカール高さhを測定する態様を
示す側面断面図である。
【図8】本発明にかかるフィルム積層体の第5実施の形
態を示すものとして、基材フィルムを縦軸線A−Aから
山折りして縦軸X型フィルムをセットする態様を示す斜
視図である。
【図9】その第5実施の形態において基材フィルムを縦
軸線A−Aから谷折りして縦軸O型フィルムをセットす
る態様を示す斜視図である。
【図10】本発明にかかるフィルム積層体の第6実施の
形態を示すものとして、基材フィルムを横軸線B−Bか
ら山折りして横軸X型フィルムをセットする態様を示す
斜視図である。
【図11】その第6実施の形態において基材フィルムを
横軸線B−Bから谷折りして横軸O型フィルムをセット
する態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2,3 縦軸X型と縦軸O型の裁断フ
ィルム 4,5 横軸X型と横軸O型の裁断フ
ィルム 6 カール測定用のガラス板 7,8 山折りまたは谷折りした縦軸
X型と縦軸O型のフィルム 9,10 山折りまたは谷折りした横軸
X型と横軸O型のフィルム 20,21,22,23 フィルム積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾城 達彦 茨城県牛久市小坂町1927−61 (72)発明者 赤塚 孝寿 茨城県牛久市南5−6−14 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK49 AK53H AT00A AT00B BA02 BA11 EH46 EH462 EJ17 EJ172 EJ42 EJ422 GB90 JL04 4F211 AA40 AG03 AH37 TA03 TC05 TJ30 TN46 TN56 TW06 TW26 TW33 TW37 5B035 AA08 BA05 BB09 CA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横幅寸法Wと縦方向への長さ寸法Lを有
    し厚さ方向に残留応力が分布するプラスチックフィルム
    を基材にして、この基材フィルムの横幅寸法Wの中心を
    通る縦長さ方向の縦軸線A−Aから左右の対称位置にお
    いて、または横幅寸法Wの方向の横軸線B−Bから左右
    の対称位置において、カールが生じた一方のフィルム部
    分と他方のフィルム部分とを互いにカール方向が相反す
    る背中合わせにしたセット状態から積層するか、または
    互いにカール方向が対向する向かい合わせにしたセット
    状態から積層してなっていることを特徴とするフィルム
    積層体。
  2. 【請求項2】 2つの対称形のフィルム片を切り取り、
    切り取ったフィルム片について積層が行われた請求項1
    記載のフィルム積層体。
  3. 【請求項3】 縦軸線A−Aから左右対称位置において折
    り曲げたフィルム部分について積層が行われた請求項1
    記載のフィルム積層体。
  4. 【請求項4】 任意の熱収縮率および熱膨張係数を有し
    フィルム厚さ方向へ残留応力が分布しているプラスチッ
    クフィルムを基材にして用い、この基材フィルムの横幅
    寸法Wの中心を通る縦長さ方向の縦軸線A−Aから左右
    の対称位置において、または横幅寸法Wの方向の横軸線
    B−Bから左右の対称位置において、カールを生じた一
    方のフィルム部分と他方のフィルム部分とを互いにカー
    ル方向が相反する背中合わせの略X字型にセットして、
    背中合わせに面する側の片面に接着剤を塗工し、貼り合
    わせるか、または互いにカール方向が対向する向かい合
    わせの略O字型にセットして、対向して面する側の片面
    に接着剤を塗工し、貼り合わせることにより、前記フィ
    ルム厚さ方向に分布する残留応力を相殺して積層するこ
    とを特徴とするフィルム積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 2つの対称形のフィルム片を切り取り、
    切り取ったフィルム片について積層が行われる請求項4
    記載のフィルム積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 縦軸線A−Aから左右対称位置において折
    り曲げたフィルム部分について積層が行われる請求項4
    記載のフィルム積層体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100450766C (zh) * 2005-06-15 2009-01-14 赵荣祥 纯平护卡膜及其生产方法
JP2013130667A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Konica Minolta Advanced Layers Inc 垂直配向型液晶表示装置

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