JP2002326287A - 樹脂ベルトの製造方法およびそれにより製造された転写ベルト - Google Patents

樹脂ベルトの製造方法およびそれにより製造された転写ベルト

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JP2002326287A JP2002049813A JP2002049813A JP2002326287A JP 2002326287 A JP2002326287 A JP 2002326287A JP 2002049813 A JP2002049813 A JP 2002049813A JP 2002049813 A JP2002049813 A JP 2002049813A JP 2002326287 A JP2002326287 A JP 2002326287A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂ベルトを、生産性よくかつ低コストで製
造することが可能であり、しかも、樹脂ベルト全体に亘
って厚さの均一性を向上させることができる製造方法を
提供すること。 【解決手段】 心棒部材に熱可塑性のシート状フィルム
を2周巻き付けた状態で管状型部材に嵌め込み、加熱に
より前記シート状フィルムを互いに熱溶着させる樹脂ベ
ルトの製造方法において、シート状フィルムの巻き始め
と巻き終わり部とが、周方向に対し隙間を持たせて核心
棒部材に巻き付けられて、熱膨張により核巻き始め部と
巻き終わり部とが、周方向に対して少なくとも同じ位置
になるように、該シート状フィルムを加熱し熱溶着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂ベルトの製造
方法および樹脂ベルトに関する。具体的には、精密部品
を所定の位置に高精度に位置精度を保証して搬送するの
に用いられる搬送用ベルトや、物品を包装、収納する収
納用密閉包体のための環状ベルトや、画像形成装置の機
能部品として使用される樹脂ベルトの製造方法および樹
脂ベルトに関する。特に、肉厚、円筒度、真円度等の形
状を高精度に成形され、電子写真式複写機、レーザープ
リンタ等の画像形成装置の構成要素として使用されるの
に適した抵抗制御無端樹脂ベルトおよび無端樹脂ベルト
の製造方法に関する。なお、本明細書中では、チューブ
状のフィルム成形体等も樹脂ベルトに含まれるものとし
て説明する。
【0002】
【従来の技術】従来の樹脂ベルトの製造方法としては、
主に以下の4通りの方法がある。
【0003】インフレーション法に代表される押出熱
溶融成形法 樹脂またはその前駆体を溶液状態にして、管状型の内
面あるいは外面上に所定量塗布し、脱溶媒処理(必要に
応じて熱処理)した後に剥離を行うキャスト法 シート状フィルムを芯体に巻き付けて、シート両端を
溶着して中空管状体の内面にライニングする方法(特開
昭63−34120号公報、特開昭63−34121号
公報等に開示) シート状フィルムを巻き始め部と巻き終わり部とを重
ね合わせるように円柱部材に巻き付けた状態で、管状型
部材内に嵌め込み、その後で全体を加熱して、シート状
フィルムの重なり部分を接合することによって、シート
状フィルムから樹脂ベルトを形成する方法(特開平8−
187773号に開示) なお、この方法では、使用する円柱部材と管状型部材
の熱膨張係数を、円柱部材>管状型部材とすることで、
でき上がるベルト形状を高精度に制御できることが既に
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の方法
(押出熱溶融成形法)では、インフレーション法等によ
り製造された無端樹脂ベルトは、成形工程のフィルムの
巻き取り時に潰されて、フィルムの折り目ができる。こ
の樹脂ベルトを画像形成装置の転写装置に用いた場合、
フィルムの折り目が、正常な画像形成に対し不都合を生
じる場合がある。
【0005】また、従来の方法(キャスト法)では、
均一な厚さのフィルムを得るために、溶液の濃度管理や
乾燥雰囲気の調整、さらに乾燥工程での溶媒処理等を行
わなければならず、製造工程が煩雑で製造コストが高い
という問題がある。
【0006】また、従来の方法(中空管状体の内面に
ライニングする方法)では、厚さの均一なラjイニング
層を得ることが可能であるが、それから管状フィルムを
得るためには、中空管状体内面から剥離させなければな
らず、ライニング層と中空管状体の内面との密着性が強
いため、層厚を保ちつつ剥離することが非常に難しい。
【0007】さらに、従来の方法(シート状フィルム
を巻き重ねて接合する方法)では、シート状フィルムの
巻き始め部と巻き終わり部の位置が重なり合うため、重
なり部分だけ厚さが若干厚いという問題を有している。
【0008】そこで本発明の目的は、ベルト全体の厚さ
の均一性を向上させることができ、生産性よく低コスト
で高精度化が可能な樹脂ベルトの製造方法および樹脂ベ
ルトを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、心棒部材に熱
可塑性のシート状フィルムを巻き付けた状態で管状型部
材内に嵌め込み、シート状フィルムを互いに熱溶着させ
る樹脂ベルトの製造方法において、シート状フィルム
は、その巻き始め部と巻き終わり部とが、周方向に対し
隙間を持たせて心棒部材に巻き付けられている状態で、
管状型部材内に嵌め込められており、熱膨張により巻き
始め部と巻き終わり部とが、周方向に対して少なくとも
同じ位置になるように、シート状フィルムを加熱し熱溶
着することを特徴とするものである。
【0010】本発明による樹脂ベルトの製造方法におい
ては、心棒部材にシート状フィルムを巻き付ける際、巻
き始め部と巻き終わり部とが、周方向に対し重ねあわな
いようにさせることによって、熱溶着したとき、フィル
ムの繋ぎ部分が厚くなり過ぎるのを防止し、また、シー
ト状フィルムを加熱し熱溶着する過程で、熱膨張によ
り、その巻き始め部と巻き終わり部とが、周方向に対し
て少なくとも同じ位置になる程度に、その巻き始め部と
巻き終わり部を予め、周方向に対し隙間を持たせて心棒
部材に巻き付けておくことにより、熱溶着したとき、フ
ィルムの繋ぎ部分が薄くなり過ぎるのを防止し、樹脂ベ
ルト全体に亘って厚さの均一性を向上させることがで
き、しかもこの樹脂ベルトを、生産性よく、低コスト
で、高精度に製造することができたものである。心棒部
材は円柱部材であってもよい。
【0011】シート状フィルムを前記心棒部材に2周巻
き付け、シート状フィルムの膜厚をtとすると、シート
状フィルムの巻き始め部と巻き終わり部との隙間は周方
向に対し20t〜200tとすることが好ましい。
【0012】本発明に用いるシート状フィルムの材料と
しては、熱可塑性樹脂材料であればどのようなものでも
使用できる。すなわち、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン−1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポ
リエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド系材料、ポリ
エーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマ
ー、ポリアミド酸等のすべての熱可塑性樹脂材料および
これらの混合樹脂、またその混合樹脂により形成された
熱可塑性エラストマーも使用可能である。
【0013】また、前記した各種の樹脂材料に、耐熱補
強や導電性や熱伝導性を付与するなどの目的で、有機物
または無機物の少なくとも1種の微粉末を配合して形成
したフィルム、あるいは様々な倍率で遠心強化したフィ
ルムなども、本発明のシート状フィルムとして使用し得
る。なお、有機物の微粉末としては、例えば、縮合型ポ
リイミド粉末、イオン導電系材料などが使用でき、無機
物の微粉末としては、カーボンブラック粉末、酸化マグ
ネシウム粉末、フッ化マグネシウム粉末、酸化ケイ素粉
末、酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アル
ミニム粉末、酸化チタン粉末等の無機球状微粒子が使用
でき、さらに、炭素繊維やガラス繊維等の繊維状粒子
や、チタン酸カリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のウ
ィスカー状粉末など、あらゆる形状、大きさの微粉末が
使用され得る。ただし、これらの微粉末の配合量は、総
合量でベース樹脂に対して5〜70wt%程度にするこ
とが好ましい。
【0014】なお、図8に示す画像形成装置などに使用
する場合、樹脂ベルトの体積抵抗率は10〜1013
Ωcmとなるようにすることが好ましい。
【0015】本発明により製造される樹脂ベルトは、画
像形成装置用の転写ベルトまたは中間転写ベルトとして
有効である。
【0016】すなわち、本発明の樹脂ベルトを、画像形
成装置の、ドラム上のトナーを紙に転写する転写ユニッ
トや、カラーに潜像する際に4原色を混色する中間転写
ユニットに用いると、高精細画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0018】図1は本実施形態の樹脂ベルト製造工程に
おいて、に示すように、シート状フィルム1を巻き付け
て環状にする工程を示し、巻き始め部Aと巻き終わり部
Bとの隙間を持たせた状態で、円柱部材2に熱可塑性シ
ート状フィルム1を巻き付け、次に、図2に示すように
管状型部材3内に嵌め込んだ状態で加熱してシート状フ
ィルム1の重なり部分を含め、互いに溶着させることに
よって形成されたものである。これによると、樹脂ベル
ト全体に亘って厚さの均一性を向上させることができ、
製造工程があまり煩雑でなく、しかも製造コストを低く
抑えられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0020】[実施例1]本実施例においては、前記の
通り、シート状フィルム1を巻きつける心棒部材である
円柱部材2(本明細書中では円筒形状のものも含めて円
柱部材と称する。)と、前記シート状フィルム1および
円柱部材2に被せる中空状の管状型部材3を用いてい
る。
【0021】本実施例では、ポリフッ化ビニリデン樹脂
(PVDF樹脂)からなる熱可塑性シート状フィルム1
を用いている。この熱可塑性シート状フィルム1は、不
図示の熱溶融押出成形機により厚さ50μmのフィルム
として混練成形され、内添剤としてケッチェンブラック
粒子を混入され、体積抵抗値が1010Ωcmとなるよ
うに形成され、縦1890mm×横330mmのシート
状に切断されたものである。
【0022】本実施例の円柱部材2は、肉厚15mmの
アルミニウム材により形成された中空の部材であり、そ
の外径寸法は300.00mm、内径寸法は270.0
0mm、長さは350mm、熱膨張係数は管状型部材の
熱膨張係数より大きく、2.40×10−5(/℃)で
ある。
【0023】一方、管状型部材3は、ステンレス鋼から
なり、その内面にはシート状フィルム1との離型性を考
慮して、ニッケルメッキコート処理が施されている。こ
の管状型部材3の外径寸法は320.00mm、内径寸
法は300.60mm、長さは350mm、熱膨張係数
は1.20×10−5(/℃)である。
【0024】また、本実施例においては、円柱部材2と
管状型部材3の寸法は、後述する加熱工程での加熱の
際、すなわち加熱温度200℃のときに、円柱部材2の
外径と管状型部材3の内径寸法の差が100μmになる
ように設計されている。
【0025】次に、本実施例による樹脂ベルトの製造方
法について説明する。
【0026】まず、図1に示すように、円柱部材2の外
周面に、シート状フィルム1を2周巻き付ける。そし
て、図3に示すように、シート状フィルム1の巻き始め
部Aの位置と巻き終わり部Bとの隙間dが10mmとな
るようにする。
【0027】次に、シート状フィルム1が巻き付けられ
た円柱部材2を、管状型部材3の中空部内に挿入する。
その状態を図2に示している。
【0028】続いて加熱工程に移行する。図5に示す円
柱部材2およびシート状フィルム1および管状型部材3
の嵌合体を、図4に示す加熱炉7内に挿入配置する。こ
の加熱炉7は、内部温度が図示しない温度センサーと温
度制御装置により制御されるものである。本実施例で
は、円柱部材2とシート状フィルム1と管状型部材3の
嵌合体を200±5℃で60分加熱する。
【0029】なお、本実施例においては加熱方法として
加熱炉内に放置する方法を採ったが、例えば特願平11
−332065号に示されているように、ランプヒータ
ーを回転して加熱する方法を用いてもよく、前記した嵌
合体が昇温できればいかなる加熱方法を採用してもよ
い。
【0030】加熱炉7内での加熱工程において、円柱部
材2とシート状フィルム1と管状型部材3の嵌合体は、
図5〜7に示されるように変化する。
【0031】図5に示すように、加熱前の状態におい
て、シート状フィルム1は円柱部材2と管状型部材3の
間に位置し、円柱部材2の外径と管状型部材3の内径と
の隙間は0.60mm(片側300μm)であった。
【0032】この状態から、円柱部材2と管状型部材3
とシート状フィルム1の嵌合体は、加熱炉7内で加熱さ
れ、それぞれの温度が上昇する。円柱部材2と管状型部
材3はそれぞれの熱膨張係数に応じて膨張し始める。ま
た、シート状フィルム1は温度上昇に伴い軟化し始め
る。管状型部材3より円柱部材2の熱膨張係数が大きい
ため、昇温過程において、図6に示すように管状型部材
3と円柱部材2との隙間が非加熱時より狭まってくる。
【0033】所定の加熱温度に達したとき、円柱部材2
と管状型部材3との隙間は、所望の大きさ0.2mm
(片側100μm)になる。そこで、さらに軟化したシ
ート状フィルム1は、円柱部材2と管状型部材3の熱膨
張係数の大きさの違いにより生じる応力で、段差が潰さ
れて所望のフィルム厚(隙間と実質的に同じ厚さ)にな
る。特に、シート状フィルムの繋ぎ部分は、加熱工程に
おいて応力を受けるため、図7に示すように溶着して接
合状態になる。これによって、樹脂ベルトの厚さが全周
にわたって均一になる。
【0034】前記した加熱工程を60分間行った後、円
柱部材2と管状型部材3とシート状フィルム1の嵌合体
を加熱炉7から取り出して、室温まで冷却する。冷却工
程において各部材が室温程度に温度降下したところで、
管状型部材3から、円柱部材2およびシート状フィルム
1を取り外し、さらにシート状フィルム1を円柱部材2
から剥離する。
【0035】こうして得られたシート状フィルム1から
なる樹脂ベルトのフィルム繋ぎ部分の厚さは、100μ
m±10μmであり、樹脂ベルト全体にわたって厚さの
変動が小さい無端ベルトができる。
【0036】次に、この方法により製造した樹脂ベルト
の使用形態の一例について説明する。本実施例では、前
記した方法により製造された樹脂ベルトの幅方向両端
に、蛇行防止用のゴム製のリブ部材(図示せず)を接着
し、図8に示す画像形成装置(複写機、レーザービーム
プリンター等)のトナー担持体の搬送および画像転写用
の転写ベルト9として使用する。
【0037】図8に示す画像形成装置は、回転可能な感
光ドラム10を有し、この感光ドラム10の周囲に、帯
電チャージャー11と、レーザー光を使用する光書込装
置12と、トナーを収容する現像器13とが配置されて
いる。また、前記した本発明の樹脂ベルトである転写ベ
ルト9が、4つのローラー(図8には2つのローラー1
5,16のみ図示されている)に張架されて横向きに配
置されており、この転写ベルト9の一部に近接して転写
帯電器20が設けられている。さらに、転写紙19の進
行方向に関して下流側(図8左側)には、定着装置21
および定着フィルム22が配置されている。
【0038】このような構成の画像形成装置において、
感光ドラム10は一定速度Vfで矢印方向に回転駆動さ
れる。まず、この感光ドラム10の表面が、帯電チャー
ジャー11により一様に帯電させられ、レーザー光を用
いた光書込装置12により静電潜像が形成される。そし
て、静電潜像部分に、現像器13から電荷付与されたト
ナー14が付着し、トナー像として顕像化される。
【0039】一方、転写ベルト9は感光ドラムと同様に
一定速度Vfで矢印方向にで循環し、転写紙19は、転
写帯電器20の作用により転写ベルト9に電気的に吸着
されて一定速度Vfで搬送される。この転写紙19が転
写領域に達すると、感光ドラム10上に顕像化されたト
ナー14が、転写帯電器20により転写紙19に転写さ
れる。その後、転写紙19はさらに下流側(図8左側)
に搬送され、定着装置21および定着フィルム22によ
りトナー像が定着される。
【0040】以上説明した構成において、転写ベルト9
は、ベルトの表面精度およびその厚さの均一性の精度が
非常に高く、シート状フィルム1の重なり部分の厚さや
形状寸法も他部分と同等であるため、転写ベルト9内で
の吸着電荷の発生および移動が非常に滑らかで、感光ド
ラム10から転写紙19へのトナー14の転写特性が良
好であり、非常に高画質を得ることができた。さらに、
転写紙19の転写ベルト9への吸着性も安定しているた
め、非常に高い搬送性が得られた。なお、反射光を使用
する光書込装置12を用いても差し支えない。
【0041】[実施例2]本実施例では、シート状フィ
ルムの隙間部分をさらに最適化することで、樹脂ベルト
の厚さをより高精度に制御できる。なお、本実施例にお
いて、シート状フィルム端部の隙間の位置関係以外につ
いては、熱可塑性シート状フィルム1、円柱部材2、管
状型部材3の材料および寸法、また樹脂ベルトの製造工
程は全て実施例1と実質的に同様であるので説明は省略
する。
【0042】本実施形態では、シート状フィルム1の巻
き始め部Aと巻き終わり部Bの位置関係を次の通り設定
した。シート状フィルム1の巻き始め部Aと巻き終わり
部Bとの隙間を周方向に対し、表1に示すように2.5
mmとしている。すなわち、巻き始め部Aと巻き終わり
部Bとの間に、周方向に関して2.5mmの隙間が存在
するようにしている。これにより作製された樹脂ベルト
の繋ぎ目部分の膜厚は100μm±5μm未満となり、
厚さの精度がより向上した。なお、巻き始め部Aと巻き
終わり部Bとの間の隙間量を1.0mm、5.0mmと
した際の、フィルム繋ぎ目部分の厚さ、及び画像評価の
結果も表1に示す。
【0043】[比較例1]実施例1において、シート状
フィルム1を2周巻いた後の巻き始め部Aと巻き終わり
部Bとの隙間を周方向に対し15mmとしている。すな
わち、巻き始め部Aと巻き終わり部Bとの間に、周方向
に関して15mmの隙間が存在するようにしている。こ
の隙間はシート状フィルムの厚さの200倍を超えてい
る。
【0044】本比較例において製造した樹脂ベルトのフ
ィルム繋ぎ合わせ部分の厚さは85μmとなってしま
い、繋ぎ合わせ部分が部分的に15μmも薄くなってい
る。このように本比較例では、厚さの精度が著しく悪化
した。これを図8に示す市販の画像形成装置の転写ベル
ト9として使用すると、ベルト膜厚の薄い部分の抵抗値
が低下し、ベルト上に吸着されるトナー量にムラが生じ
たため転写紙上に画像が形成されていない領域が10m
m幅で生じ明らかな画質の劣下が認められた。
【0045】[比較例2]実施例1において、シート状
フィルム1の巻き始め部Aと巻き終わり部Bとの間に隙
間が無くAとBが同位置にある状態、すなわち、巻き始
め部Aと巻き終わり部Bとが、周方向に対して0mmに
なるようにしている。
【0046】本比較例において製造した樹脂ベルトの重
なり部分の厚さは115μmとなってしまい、重なり部
分が部分が実施例1に比較して5μm程度厚くなってい
る。このように本比較例では、厚さの精度が若干悪化し
た。これを図8に示す画像形成装置の転写ベルト9とし
て使用すると、比較例1と同様に、画像の非形成領域が
5mm幅で生じ明らかな画質の劣下が認められた。
【0047】[比較例3]実施例1において、シート状
フィルム1の巻き始め部Aと巻き終わり部Bとの隙間が
無く、巻き始め部Aと巻き終わり部Bとが、周方向に対
して3mmだけ重なるようにしている。本比較例におい
て製造した樹脂ベルトの重なり部分の厚さは120μm
となってしまい、重なり部分が部分的に20μmも厚く
なっている。このように本比較例では、厚さの精度が著
しく悪化した。これを図8に示す画像形成装置の転写ベ
ルト9として使用すると、比較例1と同様に、画像の非
形成領域が10mm幅で生じ明らかな画質の劣下が認め
られた。
【0048】
【表1】
【0049】 ◎:画像非形成領域 0mm ○:画像非形成領域 1mm以下 △:画像非形成領域 1〜5mm ×:画像非形成領域 5mm以上
【0050】
【発明の効果】本発明によると、樹脂ベルトを、生産性
よくかつ低コストで製造することが可能であり、しか
も、樹脂ベルト全体に亘って厚さの均一性を向上させる
ことができる。従って、この樹脂ベルトを、画像定着作
用を行う定着装置や転写または中間転写作用を行う転写
装置または中間転写装置等に用いることにより、高精細
画像が得られる画像形成装置の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円柱部材にシート状フィルムを巻き付けた状態
の説明図である。
【図2】円柱部材にシート状フィルムを巻き付け、その
上に管状型部材を被せた状態の説明図である。
【図3】円柱部材の外周面に巻き付けたシート状フィル
ムの両端の繋ぎ目説明図である。
【図4】加熱炉の概略図である。
【図5】円柱部材、シート状フィルム、および管状型部
材の非加熱時の状態を示す説明図である。
【図6】円柱部材、シート状フィルム、および管状型部
材の加熱時の状態を示す説明図である。
【図7】円柱部材、シート状フィルム、および管状型部
材の所定温度における状態を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態の樹脂ベルトを転写ベルトとし
て使用している画像形成装置の説明図である。
【符号の説明】
1 シート状フィルム 2 円柱部材(心棒部材) 3 管状型部材 7 加熱炉 9 転写ベルト 10 感光ドラム 11 帯電チャージャー 12 光書込装置 13 現像器 14 トナー 15,16 駆動ローラー 17,18 従動ローラー 19 紙(転写紙) 20 帯電器 21 定着装置 22 定着フィルム A 巻き始め部 B 巻き終わり部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H200 FA02 FA04 FA09 FA13 FA19 HA03 HB13 HB22 JA02 JB06 JB23 JB43 JB45 JB46 JB47 JC03 JC13 JC15 JC16 JC17 LC09 MA04 MA20 MB04 MC18 4F209 AA16 AC03 AE03 AG16 AG23 AH12 AP06 NA16 NB01 NG02 NK01 4F213 AA16 AC03 AG16 AJ08 WA03 WA15 WA34 WB01 WC03 WE02 WE06 WE07 WE16 WF01 WF37 WK01 WK03 WW06 WW15 WW21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心棒部材に熱可塑性のシート状フィルム
    を2周巻き付けた状態で管状型部材内に嵌め込み、加熱
    により前記シート状フィルムを互いに熱溶着させる樹脂
    ベルトの製造方法において、該シート状フィルムは、そ
    の巻き始め部と巻き終わり部とが、周方向に対し隙間を
    持たせて該心棒部材に巻き付けられている状態で、該管
    状型部材内に嵌め込められており、熱膨張により該巻き
    始め部と巻き終わり部とが、周方向に対して少なくとも
    同じ位置になるように、該シート状フィルムを加熱し熱
    溶着することを特徴とする樹脂ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記心棒部材が円柱部材であることを特
    徴とする請求項1に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シート状フィルムの膜厚をtとする
    と、前期隙間が、20t〜200tであることを特徴と
    する請求項1に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記心棒部材の熱膨張係数が前記管状型
    部材の熱膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シート状フィルムが、ポリフッ化ビ
    ニリデン(PVDF)であることを特徴とする請求項1
    に記載の樹脂ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂ベルトの体積抵抗率が10〜10
    13Ωcmであることを特徴とする請求項1に記載の樹
    脂ベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂ベ
    ルトの製造方法により製造されたことを特徴とする画像
    形成装置用の転写ベルト。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂ベ
    ルトの製造方法により製造されたことを特徴とする画像
    形成装置用中間転写ベルト。
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