JP2002361729A - 無端樹脂ベルトの製造方法 - Google Patents

無端樹脂ベルトの製造方法

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JP2002361729A
JP2002361729A JP2001166475A JP2001166475A JP2002361729A JP 2002361729 A JP2002361729 A JP 2002361729A JP 2001166475 A JP2001166475 A JP 2001166475A JP 2001166475 A JP2001166475 A JP 2001166475A JP 2002361729 A JP2002361729 A JP 2002361729A
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sheet
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endless resin
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Kazutaka Takeuchi
一貴 竹内
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状精度の高い無端樹脂ベルトを低コストで
製造することができる無端樹脂ベルトの製造方法を提供
すること。 【構成】 円柱部材2に熱可塑性シート状フィルム1を
n周巻き付け、該フィルム1の巻き始め部と巻き終わり
部とを重ね合わせた後、巻き付けたフィルム1の外側に
管状型部材3を嵌め合わせ、少なくとも該フィルム1を
加熱して各シート状フィルム1を溶着することによって
前記シート状フィルム1を無端樹脂ベルトとする無端樹
脂ベルトの製造方法において、前記加熱成形後に5℃/
min〜100℃/minで冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密部品を所定の
位置に高精度の位置精度を保証して搬送するのに用いる
搬送用ベルトや、物品を包装、収納する収納用密閉包体
等の環状、管状、筒状、リング状、ベルト状のフィルム
として用いられる無端樹脂ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂を用いた薄肉のベルト、チュ
ーブ、管状フィルムの製造方法としては、 インフレーション法に代表される押出熱溶融成形法 樹脂又はその前駆体を溶液状態にし、管状型の内面或
は外面上に所定量塗布し、脱溶媒処理(必要に応じては
熱処理)した後に剥離を行うキャスト方法等が既に知ら
れている。
【0003】又、 シート状フィルムを芯体に巻き付けて、シート両端を
溶着して中空管状体内面にライニングする方法 が特開昭63−34120号、特開昭63−34121
号公報等に提案されている。
【0004】更に、 特開平8−187773号公報に開示されているとよ
うに、シート状フィルムを巻き始めと終わりを重ね合わ
せるように円柱部材に巻き付け、この巻き付けたフィル
ムの外側に管状型部材を嵌み合わせ、その後、全体を加
熱して前記フィルムの重ね合わせ部を接合することによ
ってシート状フィルムを管状フィルムにする方法等が挙
げられる。この場合、使用する円柱部材と管状型部材の
熱膨張係数の関係を円柱部材>管状型部材とすることに
よって、でき上がるベルト形状を高精度に制御すること
が既に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとす課題】しかしながら、上記従来
の押出熱溶融成形法においては、インフレーション法
等により製造した無端樹脂ベルトを図10示す画像形成
装置の転写装置用樹脂ベルトとしての使用した場合、成
形におけるフィルムの巻き取り時に無端樹脂ベルトが潰
され、その際にできるフィルムの折り目が正常な画像形
成に対して不都合を生じる場合がある。
【0006】又、キャスト法に関しては、均一な厚み
のフィルムを得るために、溶液の濃度管理や乾燥雰囲気
の調整、更に乾燥工程での溶媒処理等を行わなければな
らず、コスト的にも問題がある。
【0007】又、前記の中空管状体内面にライニング
する方法においては、厚みの均一なライニング層を得る
ことが可能であるが、ここから管状フィルムを得るため
に、中空管状体内面から離脱する場合、中空管状体内面
との密着が強く、離脱することが非常に難しい。
【0008】更に、前記の円柱部材にシート状フィル
ムを巻き始めと巻き終わりが重なり合うように巻き、そ
の外側に管状型部材を嵌め込み、熱膨張により円柱部材
と管状型部材の隙間が狭まることを利用して重なり部分
の段差を潰し、無端樹脂ベルトを製造する方法において
は、成形後の冷却工程で液体状の冷媒を用いる場合、使
用する冷媒の沸点が成形温度より高い場合は問題ない
が、沸点が低い場合、各部材の冷却時(冷媒中への浸漬
工程)に前記円柱部材と管状型部材の隙間に浸入した冷
媒が各部材の保有する熱により突沸し、でき上がる無端
樹脂ベルト表面を粗らす要因となる。
【0009】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、形状精度の高い無端樹脂ベル
トを低コストで製造することができる無端樹脂ベルトの
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、円柱部材に熱可塑性シート状フィルムを
n周巻き付け、該フィルムの巻き始め部と巻き終わり部
とを重ね合わせた後、巻き付けたフィルムの外側に管状
型部材を嵌め合わせ、少なくとも該フィルムを加熱して
各シート状フィルムを溶着することによって前記シート
状フィルムを無端樹脂ベルトとする無端樹脂ベルトの製
造方法において、前記加熱成形後に5℃/min〜10
0℃/minで冷却することを特徴とする。
【0011】又、本発明は、円柱部材に熱可塑性シート
状フィルムをn周巻き付け、該フィルムの巻き始め部と
巻き終わり部とを重ね合わせた後、 巻き付けたフィルム
の外側に管状型部材を嵌め合わせ、少なくとも該フィル
ムを加熱して各シート状フィルムを溶着することによっ
て前記シート状フィルムを無端樹脂ベルトとする無端樹
脂ベルトの製造方法において、前記成形後の冷却に液体
状の冷媒中に浸漬する工程を用いる場合、前記円柱部材
及び管状型部材が液体状の冷媒の沸点以下の温度に達し
てから浸漬することを特徴とする。
【0012】更に、本発明は、円柱部材に熱可塑性シー
ト状フィルムをn周巻き付け、該フィルムの巻き始め部
と巻き終わり部とを重ね合わせた後、 巻き付けたフィル
ムの外側に管状型部材を嵌め合わせ、少なくとも該フィ
ルムを加熱して各シート状フィルムを溶着することによ
って前記シート状フィルムを無端樹脂ベルトとする無端
樹脂ベルトの製造方法において、第1の冷却工程を冷却
速度を5℃/min〜100℃/minで気体状の冷媒
を用いて行った後、液体状の冷媒の沸点以下まで冷却
し、第2の冷却工程を前記液体状の冷媒中に浸漬するこ
とによって行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0014】<実施の形態1>図1〜図10本発明の実
施の形態1を示す。
【0015】本発明方法においては、熱可塑性シート状
フィルム1を巻く心棒として中空状の円柱部材2を用
い、前記シート状フィルム1と円柱部材2を被せる中空
状の管状型部材3を用いた。ここで、前記管状型部材3
は前記円柱部材2を挿通する内径を有している。
【0016】本実施の形態において、前記熱可塑性シー
ト状フィルム1として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(以
下、PVDF樹脂)を使用しており、不図示の熱溶融押
出成形機により肉厚50μmのシート状フィルムとして
混練成形され、内添剤としてケッチェンブラック粒子を
混合し、体積抵抗値を1.0×1010Ω・cmに制御し
たものである。又、前記円柱部材2としては、肉厚15
mmのアルミニウム材を使用した。
【0017】管状型部材3の材質はステンレス鋼であ
り、その内面にはシート状フィルム1との離型性を考慮
して、ニッケルメッキコート処理が施されている。使用
したアルミニウム材の前記円柱部材2の熱膨張係数は
2.40×10-5(/℃)で、前記管状型部材3の熱膨
張係数は1.20×10-5(/℃)である。
【0018】尚、円柱部材2の外径寸法は300.00
mm、内径寸法は270.00mm、長さは350mm
とした。又、管状型部材3の外径寸法は320.00m
m、内径寸法は300.60mm、長さは350mmで
ある。
【0019】又、本実施の形態においては、上記円柱部
材2と管状型部材3の寸法は、後述する加熱工程での加
熱の際、即ち、加熱温度200℃のときに円柱部材2の
外径と管状型部材3の内径寸法の差が100μmになる
ように予め設計してある。
【0020】シート状フィルム1として、PVDF樹脂
を縦、横の寸法を1890.0mm×330mmのシー
ト状に切断したものを用意した。
【0021】先ず、図1に示すように、前記円柱部材2
の外周面2aに前記用意したシート状フィルム1を、そ
の両端部1a,1bが図2に示すように重なり合うよう
に2周巻き付けた。このときの重なり部A部の円周方向
長さは6mmであった。
【0022】次に、前記シート状フィルム1が巻き付い
た前記円柱部材2を、図3に示すように管状型部材3の
中空部分3aに挿入した。円柱部材2とシート状フィル
ム1及び管状型部材3の合体時の様子を図4に示す。そ
して、次に加熱工程に移行する。
【0023】前記円柱部材2とシート状フィルム1及び
管状型部材3を、図5に示す加熱炉7内に挿入設置す
る。尚、本実施の形態においては、加熱方法として加熱
炉内に放置する方法を採用したが、例えばランプヒータ
を使用し、回転させながら加熱しても良く、前記部材が
昇温できれば如何なる方法でも適当である。
【0024】前記加熱炉7内の温度は、不図示の温度セ
ンサと温度制御装置により制御されており、本実施の形
態では200±5℃であり、加熱時間は60minとし
た。
【0025】上記加熱炉7内での加熱工程において、前
記円柱部材2と管状型部材3及びシート状フィルム1は
図6〜図8に示すように変化する。
【0026】前記シート状フィルム1は円柱部材2と管
状型部材3の間に位置し、円柱部材2の外径と管状型部
材3の内径との隙間は、非加熱時には0.60mm(片
側300μm)であった。前記円柱部材2に巻き付けら
れた前記シート状フィルム1は、重なり部A部を有して
いる(図6)。
【0027】この状態から前記円柱部材2と管状型部材
3及びシート状フィルム1は、加熱炉7内で加熱され、
それぞれの部材の温度が上昇する。前記円柱部材2と管
状型部材3はそれぞれの熱膨張係数に応じて膨張し始め
る。又、前記シート状フィルム1は温度上昇に伴って軟
化し始める。前記管状型部材3より前記円柱部材2の熱
膨張係数が大きいため、昇温過程において、管状型部材
3と円柱部材2との隙間は非加熱時より狭まってくる
(図7)。
【0028】各部材が所定の温度に達したとき、前記円
柱部材2と前記管状型部材3との隙間は所望の大きさ
0.2mm(片側100μm)になる。
【0029】更に軟化した前記シート状フィルム1は、
円柱部材2と管状型部材3の熱膨張係数の大きさの違い
により生じる応力によって段差が潰され、所望のフィル
ム厚となる(隙間と同様な厚みになる)。特に、シート
状フィルムの重なり部A部は、加熱過程から応力が加わ
るために溶着して接合状態になり、膜厚が全周に亘って
均一な管状フィルムを得ることができる(図8)。
【0030】前記60minの加熱工程後、加熱炉7か
らシート状フィルム1と円柱部材2及び管状型部材3を
取り出した後、冷却工程に移行する(図9)。
【0031】本実施の形態では、冷却装置として2台の
不図示のスポットクーラーを使用し、上記シート状フィ
ルム1と円柱部材2及び管状型部材3を図9に示すよう
に回転させながら冷却する手法を使用した。尚、使用し
たスポットクーラーの送風能力は1.2m3 /min、
冷却エアー温度12℃である。
【0032】上記冷却工程での冷却は15分間行い(冷
却速度11.7℃/min)、前記各部材が室温になっ
たところで前記管状型部材3から前記円柱部材2及び前
記フィルム1を分離した。尚、取り出されたフィルムは
管状(円筒状)に成形されており、前記フィルム重なり
部A部の箇所も段差なく均一な厚みに成形されていた。
取り出した無端樹脂ベルトはその表面性も滑らかであ
り、肉厚精度、ベルトの円筒度、円心度も非常に高精度
であった。
【0033】次に、上記方法により製造した無端樹脂ベ
ルトの使用形態について説明する。
【0034】上記方法により製造された無端樹脂ベルト
の幅方向両端にゴム製の蛇行防止用リブ部材を接着し、
図10に示す画像形成装置(複写機、レーザービームプ
リンター等)のトナー担持体の搬送−画像転写用の転写
ベルト9として使用する例を示す。
【0035】図10において、感光ドラム10は矢印方
向にVfなる一定速度で回転駆動され、その表面は先ず
帯電チャージャー11により一様に帯電され、レーザー
光を用いた光書込装置12によって静電潜像が形成され
る。尚、前記光書込装置12に反射光を使用しても差し
支えない。
【0036】感光ドラム10の横には現像器13が配置
されており、この現像器13中にはトナー14が収容さ
れており、前記静電潜像部分に、電荷付与されたトナー
14が付着し、と静電潜像がトナー像として顕像化され
る。
【0037】前記転写ベルト9は4本のローラ15,1
6,17,18に張架されて横向きに配置されている。
この転写ベルト9は矢印方向にVfなる一定速度で回転
駆動され、転写紙19は、前記転写ベルト9上に矢印方
向に給紙され、紙吸着帯電器20により転写ベルト9に
吸着搬送される。このとき、転写紙19は転写ベルト9
と同速度Vfで搬送される。転写紙19が転写領域に達
すると、前記感光ドラム10上に顕像化されたトナー1
4を、転写帯電器20により、前記転写紙19に転写す
る。転写後、転写紙19は更に搬送され、定着装置21
へと導かれる。
【0038】前記転写ベルト9は、表面精度及びその膜
厚寸法の均一性の精度が非常に高いこと、シート状フィ
ルム1の重ね合わせ部分の膜厚も形状寸法も他と同等で
あること等から、転写ベルト9内での吸着電荷が非常に
滑らかに発生及び移動し、感光ドラム10から転写紙1
9へのトナー14の転写特性が良好であり、非常に高画
質を得ることができた。更に、転写紙19の転写ベルト
9への吸着性も安定していることから、非常に高い搬送
性を示した。
【0039】次に、シート状フィルム材料について説明
する。
【0040】本発明に使用できるフィルム材料は、熱可
塑性樹脂材料であればどのような材料でも使用に好適で
あり、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン−1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、
ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド系材料、ポ
リエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリ
マー、各種フッ素樹脂、ポリアミド酸等の全ての熱可塑
性樹脂材料及びそのブレンド樹脂、上記ブレンドで形成
した熱可塑性エラストマーも使用に更に好適である。
【0041】又、上記樹脂材料に耐熱補強、導電性、熱
伝導性付与等の目的で、有機、無機の微粉末の少なくと
も1種を配合したフィルム、或はあらゆる倍率で延伸強
化したフィルム等も使用し得る。
【0042】ここで、有機の微粉末として、例えば縮合
型ポリイミド粉末、イオン導電系材料等、又、無機微粉
末としては、カーボンブラック粉末、酸化マグネシウム
粉末、フッ化マグネシウム粉末、酸化ケイ素粉末、酸化
アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム
粉末、酸化チタン粉末等の無機球状微粒子、炭素繊維、
ガラス繊維等の繊維状粒子や、チタン酸カリウム、炭化
ケイ素、窒化ケイ素等のウィスカー状粉末等、あらゆる
形状及び大きさの微粉末を使用し得る。
【0043】又、これらの微粉末の配合量として、総合
量でベース樹脂に対して、5〜70wt%にすることが
好ましい。
【0044】<実施の形態2>本実施の形態は、冷却工
程に液体状の冷媒を使用することにより冷却工程の効率
化を図ったことを特徴とする。図11に本実施の形態を
示す。
【0045】本実施の形態で使用する熱可塑性シート状
フィルム1、円柱部材2、管状型部材3の材質及び寸
法、無端樹脂ベルトの作製工程は全て前記実施の形態1
と同様である。但し、冷却工程を下記のように2段階の
工程に分けている。
【0046】第1の冷却工程のおいては、加熱炉7内か
ら取り出したシート状フィルム1と円柱部材2及び管状
型部材3を実施の形態1と同様の方法により2台のスポ
ットクーラーを使用し、図9に示すように回転させなが
ら冷却する。そのとき、シート状フィルム1と円柱部材
2及び管状型部材3の温度が95℃まで下がるように9
分間冷却した(冷却速度も実施の形態1と同様)。
【0047】次に、第2の冷却工程として、図11に示
すように、20℃の水溶媒中に2分間浸潰し、各部材を
25℃まで冷却した(冷却速度35℃/min)。
【0048】上記冷却工程(合計11分)後、前記各部
材が室温近辺になったところで、前記管状型部材3から
前記円柱部材2と前記フィルム1を分離した。尚、取り
出されたフィルムは管状(円筒状)に成形されており、
前記フィルム重なり部A部の箇所も段差なく均一な厚み
に成形されていた。
【0049】取り出した無端樹脂ベルトはその表面性も
滑らかであり、肉厚精度、ベルトの円筒度、円心度も非
常に高精度であった。これにより得られる無端樹脂ベル
トの生産性は更に向上した。
【0050】<比較例1>図12に実施の形態2の比較
例を示す。
【0051】本比較例で使用する熱可塑性シート状フィ
ルム1、円柱部材2、管状型部材3の材質及び寸法、無
端樹脂ベルトの作製工程は全て実施の形態2と同様であ
るが、第1の冷却工程において、加熱炉7内から取り出
した上記シート状フィルム1と円柱部材2及び管状型部
材3を、2台のスポットクーラーを使用し、120℃ま
でしか冷却しなかった(冷却速度は実施の形態2と同
様、冷却時間は7分)。
【0052】次に、第2の冷却工程として20℃の水溶
媒中に浸潰したが、そのときに冷却水の突沸現象が確認
できた。各部材が25℃までなるように3分間冷却した
(冷却速度35℃/min)。
【0053】上記冷却工程(合計10分)後、前記各部
材が室温近辺になったところで、前記管状型部材3か
ら、前記円柱部材2及び前記フィルム1を分離した。
【0054】尚、取り出されたフィルムは管状(円筒
状)に成形されており、前記フィルム重なり部A部の箇
所も段差なく均一な厚みに成形されていたが、でき上が
った無端樹脂ベルトの表面性に図12に示すような相違
があった。これを、図10に示す転写ベルト9として使
用した場合、表面の微妙な凹凸が像トナー搬送時に微妙
なズレとなり、画像として見た場合、明らかに画質が劣
っていた。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、円柱部材に熱可塑性シート状フィルムをn周巻
き付け、該フィルムの巻き始め部と巻き終わり部とを重
ね合わせた後、巻き付けたフィルムの外側に管状型部材
を嵌め合わせ、少なくとも該フィルムを加熱して各シー
ト状フィルムを溶着することによって前記シート状フィ
ルムを無端樹脂ベルトとする無端樹脂ベルトの製造方法
において、前記加熱成形後に5℃/min〜100℃/
minで冷却するようにしたため、形状精度の高い無端
樹脂ベルトを低コストで製造することができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円柱部材にシート状フィルムを巻き付けた状態
を示す斜視図である。
【図2】円柱部材の外周面に巻き付けたフィルムの両端
の重なり部の説明図である。
【図3】管状型部材の斜視図である。
【図4】円柱部材にシート状フィルムを巻き、その上に
管状型部材を被せた状態を示す部分斜視図である。
【図5】加熱炉の斜視図である。
【図6】非加熱時の円柱部材とフィルム及び管状型部材
の状態の説明図である。
【図7】加熱時の円柱部材とフィルム及び管状型部材の
状態の説明図である。
【図8】所定温度時の円柱部材とフィルム及び管状型部
材の状態の説明図である。
【図9】スポットクーラによる冷却工程の説明図であ
る。
【図10】管状フィルムを転写ベルトとして使用した画
像形成装置要部の断面図である。
【図11】第2の冷却工程を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例と比較例の結果を示す図であ
る。
【符号の説明】 1 シート状フィルム 2 円柱部材 3 管状型部材 7 加熱炉 9 転写ベルト 10 感光ドラム 11 帯電チャージャー 12 光書込装置 13 現像器 14 トナー 15,16 駆動ローラ 17,18 従動ローラ 19 転写紙 20 帯電器 21 定着装置 22 定着フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 // B29L 29:00 B29L 29:00 Fターム(参考) 2H033 BA11 BA12 BE03 2H071 BA42 DA09 DA12 2H200 FA13 GA23 HA02 JA02 JB07 JB25 JB45 JB46 JC04 JC15 JC16 LC03 LC09 MA02 MA11 MA13 MA14 MA17 MA20 MB06 4F209 AA16 AC03 AG16 AH12 AK02 AR06 AR08 NA16 NB01 NG02 NG12 NL02 NW15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱部材に熱可塑性シート状フィルムを
    n周巻き付け、該フィルムの巻き始め部と巻き終わり部
    とを重ね合わせた後、巻き付けたフィルムの外側に管状
    型部材を嵌め合わせ、少なくとも該フィルムを加熱して
    各シート状フィルムを溶着することによって前記シート
    状フィルムを無端樹脂ベルトとする無端樹脂ベルトの製
    造方法において、 前記加熱成形後に5℃/min〜100℃/minで冷
    却することを特徴とする無端樹脂ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却工程に気体状の冷媒を使用する
    ことを特徴とする請求項1記載の無端樹脂ベルトの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記気体状の冷媒として冷却空気を使用
    することを特徴とする請求項2記載の無端樹脂ベルトの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 円柱部材に熱可塑性シート状フィルムを
    n周巻き付け、該フィルムの巻き始め部と巻き終わり部
    とを重ね合わせた後、 巻き付けたフィルムの外側に管状
    型部材を嵌め合わせ、少なくとも該フィルムを加熱して
    各シート状フィルムを溶着することによって前記シート
    状フィルムを無端樹脂ベルトとする無端樹脂ベルトの製
    造方法において、 前記成形後の冷却に液体状の冷媒中に浸漬する工程を用
    いる場合、前記円柱部材及び管状型部材が液体状の冷媒
    の沸点以下の温度に達してから浸漬することを特徴とす
    る無端樹脂ベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 円柱部材に熱可塑性シート状フィルムを
    n周巻き付け、該フィルムの巻き始め部と巻き終わり部
    とを重ね合わせた後、 巻き付けたフィルムの外側に管状
    型部材を嵌め合わせ、少なくとも該フィルムを加熱して
    各シート状フィルムを溶着することによって前記シート
    状フィルムを無端樹脂ベルトとする無端樹脂ベルトの製
    造方法において、 第1の冷却工程を冷却速度を5℃/min〜100℃/
    minで気体状の冷媒を用いて行った後、液体状の冷媒
    の沸点以下まで冷却し、第2の冷却工程を前記液体状の
    冷媒中に浸漬することによって行うことを特徴とする無
    端樹脂ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記円柱部材の熱膨張係数が前記管状型
    部材の熱膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1
    〜5の何れかに記載の無端樹脂ベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記無端樹脂ベルトが画像形成装置の転
    写、中間転写及び定着用のフィルム又はベルトとして使
    用されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載
    の無端樹脂ベルトの製造方法。
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