JP2002324926A - 圧電体薄膜形成方法、及び圧電体薄膜の応用デバイス - Google Patents

圧電体薄膜形成方法、及び圧電体薄膜の応用デバイス

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JP2002324926A
JP2002324926A JP2001128481A JP2001128481A JP2002324926A JP 2002324926 A JP2002324926 A JP 2002324926A JP 2001128481 A JP2001128481 A JP 2001128481A JP 2001128481 A JP2001128481 A JP 2001128481A JP 2002324926 A JP2002324926 A JP 2002324926A
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Yuka Yamada
由佳 山田
Takehito Yoshida
岳人 吉田
Nobuyasu Suzuki
信靖 鈴木
Toshiharu Makino
俊晴 牧野
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性ガスの導入や基板の高温加熱を不要と
し、従来の方法よりも容易にターゲットと同一組成の圧
電体薄膜を得ること。 【解決手段】 ターゲット材107にレーザ光を照射し
て、ターゲット材からの脱離・射出物質を対向基板10
9に堆積させて薄膜を形成するレーザアブレーション法
において、目的とする薄膜と同一組成又はほぼ同じ組成
のターゲット材を用い、アブレーション時に反応室10
1内に雰囲気ガスを一定圧力で導入する。これにより、
反応性ガスの導入や基板の高温加熱を必要とすることな
く、より簡単にターゲット材と同一組成の圧電体薄膜を
得ることが可能となる。基板材料が限定されることもな
く、半導体プロセスとの整合性もとることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体薄膜形成方
法、及び圧電体薄膜の応用デバイスに関するものであ
り、特に、圧電フィルタ、圧電センサ等の圧電デバイス
及びそれに利用され得る圧電体薄膜の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ジルコン酸チタン酸鉛(PZT:Pb
(Zr,Ti)O3 )、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リ
チウム(LiNbO3 )等の圧電体化合物は、薄膜化し
てその圧電特性を利用して、圧電振動子、圧電フィル
タ、表面波フィルタ、圧電センサ、アクチュエータ等の
各種圧電デバイスに広く応用されている。特に、近年の
半導体技術の進歩による電子部品の集積化及び小型化に
伴い、圧電体デバイスも小型化、薄膜化に対する需要が
強く、数多くの研究がなされている。さらに、各種圧電
デバイス単体の作製のみならず、圧電デバイスと、その
出力信号を処理する処理回路等を同一の半導体基板上に
形成した複合デバイスの作製が検討されている。
【0003】このような圧電体薄膜の従来の作製方法と
しては、スパッタリング法、真空蒸着法、化学的気相堆
積(CVD)法、ゾルゲル法等が知られている。これら
の手法で、酸素等の欠損による組成ずれの無い結晶配向
性薄膜を得るためには、酸素等の反応性ガス雰囲気での
500℃以上の高温加熱あるいは熱処理が必要となる。
また、近年の薄膜化に伴い、膜厚が薄い(具体的には約
200nm)と、結晶性及び配向性が悪くなるという課
題が生じている。特に、基板としてシリコン(Si )基
板やガラス基板を使用した場合には、膜厚が約200n
mで、かつ配向性の優れた圧電体薄膜を基板上に形成す
ることは非常に困難である。
【0004】一方、レーザアブレーション法は、低ダメ
ージかつ非熱平衡性のプロセスであることから、不純物
の混入・結晶性・表面状態等が制御された薄膜の作製に
適している。またレーザアブレーション法は、レーザ光
の透過性により、種々のガス種、広い範囲のガス圧条件
下での成膜が可能である。また、この特性は、融点・蒸
気圧にあまり依存しないので、レーザアブレーション法
は、従来の熱平衡プロセス技術では困難とされていた、
融点・蒸気圧の異なる材料を同時に処理(蒸発・堆積)
することによる多元系材料の成膜への適用が期待されて
いる。例えば、特開平5−319993号公報では、圧
電体酸化物であるLiNbO3 薄膜の作製にレーザアブ
レーション法を用いることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
アブレーションによって化合物ターゲットの表面から射
出した物質は、ターゲット組成を保ったまま蒸気化され
ず、ターゲットを構成する元素として分散するため、真
空中で薄膜形成を行うと、蒸気圧が高い元素(ここでは
酸素)が欠損した状態で基板に到達することになる。こ
のため、例えばLiNbO3 薄膜の形成を行う場合に
は、LiやOの欠損が起り、得られた薄膜において、圧
電特性の劣化が生じ、圧電デバイスに応用していく上で
課題となる。そこで、上記のレーザアブレーション法を
用いたLiNbO3 薄膜形成の従来例においては、従来
の物理蒸着法と同様に、ターゲット中のLi/Nb組成
比を1より大きくするとともに、酸素(O2 )ガスの導
入と700℃の基板の高温加熱を必要としている。
【0006】このように成膜中に基板の高温加熱を行う
と、成膜材料と基板材料、あるいは成膜材料と基板表面
の下部電極との間の反応性が問題となり、さらに、O2
ガスを導入すると、半導体プロセス等において酸素を嫌
うプロセスとの整合性を取ることは難しい。したがっ
て、熱に弱い有機物上への形成や、熱拡散によるダメー
ジの大きいシリコンデバイス等への応用は困難であっ
た。特に、処理回路と同一半導体基板上への成膜におい
ては、薄膜材料が処理回路の形成領域に拡散されたり、
すでに半導体基板中にドープした不純物が再拡散されて
しまい、処理回路の性能が著しく低下してしまうという
問題がある。
【0007】さらに、薄膜形成工程において、成膜終了
後の基板冷却の際に薄膜に残留熱ストレスが発生する。
この残留熱ストレスは、成膜中の基板温度に比例して高
くなり、特に薄膜の膜厚が薄くなるとその圧電特性への
影響が大きな課題となる。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、反応性ガスの導入や基板の高温加熱を不要とし、
従来の方法よりも容易にターゲットと同一組成の結晶配
向性薄膜を得ることができる圧電体薄膜形成方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電体薄膜形成
方法は、ターゲット材及び基板を反応室内に配置し、前
記ターゲット材にビーム光を照射することにより前記タ
ーゲット材近傍に形成される高温高圧領域のサイズが最
適となるように、前記反応室に導入する雰囲気ガスの圧
力(P)及び、前記基板と前記ターゲット材との間の距
離(D)を調整し、前記反応室に前記圧力で前記雰囲気
ガスを導入しながら、前記ターゲット材にビーム光を照
射することにより励起し、脱離した前記ターゲット材に
含まれる物質を前記基板上に堆積して圧電体薄膜を形成
することを特徴とする。
【0010】かかる特徴を有する発明として、本発明の
請求項1に記載の発明は、ターゲット材及び基板を反応
室内に配置する工程と、前記反応室に一定圧力で雰囲気
ガスを導入しながら、前記ターゲット材にビーム光を照
射することにより励起し、脱離した前記ターゲット材に
含まれる物質を前記基板上に堆積して薄膜を形成する工
程とを具備する圧電体薄膜形成方法であって、前記ター
ゲット材にビーム光を照射することにより前記ターゲッ
ト材近傍に形成される高温高圧領域のサイズが最適とな
るように、前記反応室に導入する雰囲気ガスの圧力
(P)及び、前記基板と前記ターゲット材との間の距離
(D)を調整する工程を具備することを特徴とする圧電
体薄膜形成方法である。
【0011】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1において、前記雰囲気ガスの圧力(P)及び、前記基
板と前記ターゲット材との間の距離(D)は、PDn
一定(nは2〜3程度)にしたがって調整される方法で
ある。
【0012】これらの方法によれば、レーザ照射により
ターゲットから射出した物質(主に原子・イオン・クラ
スター)と雰囲気ガスとの相互作用(衝突、散乱、閉じ
込め効果)の最適化により、化学量論組成の保たれた結
晶配向性薄膜を形成することができる。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1または2において、前記雰囲気ガスが、不活性ガスで
ある方法である。この方法によれば、反応性ガスを導入
することなく圧電体薄膜を形成することができる。
【0014】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1から3のいずれかにおいて、前記雰囲気ガスが、不活
性ガスと反応性ガスの混合ガスであり、反応性ガスの割
合が50容量%以下である方法である。この方法によれ
ば、反応性ガスのみを用いた場合に比べて他のプロセス
との整合性をとることができる。
【0015】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1から4のいずれかにおいて、前記雰囲気ガスの圧力
が、0.001〜10Torrの範囲である方法であ
る。この方法によれば、ターゲット材と同一組成の圧電
体薄膜を好適に形成することができる。
【0016】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1から5のいずれかにおいて、前記雰囲気ガスの圧力を
変化させる工程を有する方法である。この方法によれ
ば、形成する圧電体薄膜の物性(結晶配向性等)を制御
することができる。
【0017】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1から6のいずれかにおいて、さらに、前記基板を50
0℃以下で加熱する工程を有する方法である。この方法
によれば、結晶配向性の優れた圧電体薄膜を好適に形成
することができる。
【0018】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1から7のいずれかに記載の圧電体薄膜形成方法におい
て、前記ターゲット材を構成する材料が、少なくても2
種類以上の組成から成る方法である。
【0019】ここで、ターゲット材を構成する材料は、
請求項9記載のように、AlN、ZnO、PbZrTi
3 (PZT)、BaTiO3 、LiNbO3 、及びL
iTaO3等の圧電体であることが好ましい。
【0020】本発明の請求項10に記載の発明は、基板
と、請求項1から9のいずれかに記載の方法で形成され
た圧電体薄膜と、一対の電極を備えていることを特徴と
する圧電薄膜振動子である。
【0021】本発明の請求項11に記載の発明は、基板
と、請求項1から9のいずれかに記載の方法で形成され
た圧電体薄膜と、一対の電極を備え、圧電体薄膜下部の
基板の一部が除去され空洞部分が形成されていることを
特徴とする圧電薄膜振動子である。
【0022】本発明の請求項12に記載の発明は、基板
と、少なくても2種類の薄膜を積層してなる多層膜と、
請求項1から9のいずれかに記載の方法で形成された圧
電体薄膜と、一対の電極を備えたことを特徴とする圧電
薄膜振動子である。
【0023】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項12記載の圧電薄膜振動子において、多層膜を構成す
る1種類の薄膜が、圧電体薄膜と同じ組成の薄膜である
ことを特徴とする圧電薄膜振動子である。
【0024】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項12記載の圧電薄膜振動子において、多層膜を構成す
る2種類の薄膜が、同じ組成で配向性の異なる薄膜であ
ることを特徴とする圧電薄膜振動子である。
【0025】以上の構成により、圧電薄膜振動子の小型
化、薄膜化を実現するとともに、処理回路との同一半導
体基板への形成も可能となる。
【0026】本発明の請求項15に記載の発明は、請求
項10から14のいずれかに記載の圧電薄膜振動子を用
いたフィルタである。以上の構成により、圧電フィルタ
の小型化を実現するとともに、半導体プロセスとの整合
性を図ることができる。
【0027】本発明の請求項16に記載の発明は、請求
項1から9のいずれかに記載の方法で形成された圧電体
薄膜と、一対の電極を備え、前記圧電体薄膜に変位を加
えると電圧が発生し、その電圧を測定することにより前
記変位の大きさを測定するセンサである。この構成によ
り、小型化を実現するとともに、半導体プロセスとの整
合性を図ることができる。
【0028】本発明の請求項17に記載の発明は、請求
項1から9のいずれかに記載の方法で形成された圧電体
薄膜と、一対の電極を備え、前記圧電体薄膜に電圧を加
えることにより変位を発生するアクチュエータである。
この構成により、小型化を実現するとともに、半導体プ
ロセスとの整合性を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
圧電薄膜振動子の原理的な構成及びその形成方法を、図
1から図4を用いて詳細に説明する。
【0030】本実施の形態においては、圧電体薄膜とし
てZnO薄膜を用いた圧電薄膜振動子について説明す
る。
【0031】図1は、圧電薄膜振動子の構造の断面図で
ある。図1において、11は(100)シリコン(S
i)基板、12及び13はSi基板11の両面に形成さ
れたシリコン窒化膜からなる絶縁層、14はSi基板1
1に形成された空隙領域、15は金(Au)薄膜からな
る下部電極、16はZnOからなる圧電体薄膜、17は
Au薄膜からなる上部電極である。
【0032】以上の構成を有する圧電薄膜振動子では、
圧電体薄膜16の下部に空隙領域14が形成されている
ことにより、下部への圧電損失が生じることなく、効率
的に圧力/電気変換動作を行うことができる。
【0033】次に、以上のように構成された圧電薄膜振
動子の製造方法について、図2を用いて具体的に説明す
る。まず、Si基板11の両面に、CVD法によりシリ
コン窒化膜よりなる絶縁層12及び13を形成した後、
絶縁層12上にレジスト層21を形成し、さらに写真製
版法を用いて開口22をレジスト層21に形成する(図
2(a))。このようにして形成したレジスト層21を
エッチングマスクとして、圧電体薄膜を堆積する位置の
Si基板11の上面部を異方性エッチングすることによ
り、空隙領域14を形成する(図2(b))。なお、こ
うして空隙領域14を形成した後、レジスト層21を除
去しておく。次に、蒸着法等で下部電極15としてAu
薄膜を選択的に形成し、その上に、圧電体薄膜16とし
て後述の方法でZnO薄膜を形成し、さらにその圧電体
薄膜16上に、上部電極17としてAu薄膜を蒸着法等
で形成する(図2(c))。
【0034】なお、ここでは、絶縁層12及び13とし
てシリコン窒化膜を用いたが、酸化珪素、酸化マグネシ
ウム、窒化チタン、酸化アルミニウム等の薄膜を用いる
ことができる。また、下部電極15及び上部電極17と
してAu薄膜を用いたが、アルミニウム、チタン/白
金、クロム/金、チタン/クロム等を用いることがで
き、下部電極と上部電極が異なる薄膜を用いてもよいこ
とはいうまでもない。
【0035】次に、本発明の圧電体薄膜形成方法につい
て述べる。圧電体薄膜16であるZnO薄膜の形成にお
いては、酸素欠損が生じたり配向性が悪いと圧電特性の
劣化を引き起こす。そこで、従来の製造方法では、化学
量論組成の保たれた結晶配向性薄膜を得るために、製膜
プロセス中に酸素等の反応性ガス導入と600℃以上の
基板加熱を必要としている。しかしながら、この酸素雰
囲気中での高温プロセスにより、前述のように、電極材
料が反応を起こしたり、薄膜応力が発生する等の課題が
生じる。
【0036】そこで、圧電体薄膜16を形成する方法と
して、本実施の形態では、希ガス(Ar,He等)雰囲
気中におけるレーザアブレーションを用いる。なお、レ
ーザアブレーション法とは、高いエネルギー密度(パル
スエネルギー:0.1J/cm2 程度又はそれ以上)の
レーザ光をターゲット材に照射し、被照射ターゲット材
表面を溶融・脱離させる方法である。
【0037】この方法の特徴は、非熱平衡性プロセスで
あることから、空間的・時間的選択励起が可能であるこ
とが挙げられる。特に、空間的選択励起性を有すること
から、従来の熱プロセスやプラズマプロセスにおいては
反応槽のかなり広い領域あるいは全体が熱やイオンに晒
されるのに対し、必要な物質源のみを励起することがで
きるので、不純物混入が抑制されたクリーンなプロセス
となる。したがって、不純物の混入・組成・結晶性等が
制御された薄膜の作製に適している。また、このレーザ
アブレーションプロセスは、レーザ光の透過性により、
種々のガス種、広い範囲のガス圧条件下での成膜が可能
である。さらに、この特性は融点・蒸気圧にあまり依存
しないので、レーザアブレーションプロセスは、従来の
熱平衡プロセス技術では困難とされていた、融点・蒸気
圧の異なる材料を同時に処理(蒸発・堆積)することに
よる多元系材料の成膜への適用が可能である。
【0038】図3は、本発明の圧電体薄膜形成方法に使
用する薄膜形成装置を示す図である。ここでは、酸化物
ターゲットを用いてレーザアブレーションを行うことに
より、均質な圧電体薄膜を形成する場合について説明す
る。
【0039】図3(a)において、101はターゲット
が配置される金属製の反応室を示す。反応室101の底
部には、反応室101内の空気を排気して反応室101
内を超真空にする超真空排気系102が設けられてい
る。反応室101には、この反応室101へ雰囲気ガス
を供給するガス導入ライン104が取り付けられてい
る。このガス導入ライン104には、反応室101へ供
給する雰囲気ガスの流量を制御するマスフローコントロ
ーラ103が取り付けられている。また、反応室101
の底部には、反応室101内の雰囲気ガスを排気するガ
ス排気系105が設けられている。
【0040】反応室101内には、ターゲット107を
保持するターゲットホルダー106が配置されている。
このターゲットホルダー106には、回転シャフトが取
り付けられており、この回転シャフトが図示しない回転
制御部の制御で回転(図3(a)中矢印S)することに
より、ターゲット107が回転するようになっている。
このターゲット107の表面に対向するようにして堆積
基板109が配置されている。この堆積基板109に
は、レーザ光の照射により励起されたターゲット107
から脱離・射出された物質が堆積される。なお、ここで
は、ターゲット107として、ZnO多結晶焼結体ター
ゲットを用いる。
【0041】反応室101の外側には、ターゲット10
7にエネルギービームとしてのレーザ光を照射するパル
スレーザ光源108が配置されている。反応室101の
上部には、レーザ光を反応室101内に導入するレーザ
導入窓110が取り付けられている。パルスレーザ光源
108から出射したレーザ光の光路上には、レーザ光源
108から近い順にスリット111,レンズ112,及
び反射鏡113が配置されており、パルスレーザ光源1
08から出射したレーザ光がスリット111により整形
され、レンズ112で集光され、反射鏡113で反射さ
れて、レーザ導入窓110を通って反応室101内に設
置されたターゲット107に照射されるようになってい
る。
【0042】上記構成を有する薄膜製造装置における動
作について説明する。反応室101の内部を、ターボ分
子ポンプを主体とする超高真空排気系102により到達
真空1.0×10-9Torr程度まで排気した後、マス
フローコントローラ103を経由して、ガス導入ライン
104より、Heガスの導入を行う。ここで、ドライロ
ータリーポンプもしくは高圧用ターボ分子ポンプを主体
としたガス排気系105の動作と連動することにより、
反応室101内の希ガス圧力を、0.01〜10Tor
r程度の範囲の一圧力値に設定する。
【0043】この状態で、自転機構を有するターゲット
ホルダー106に配置された、純度:4NのZnO多結
晶焼結体ターゲット107の表面に対して、パルスレー
ザ光源108からレーザ光を照射する。ここでは、アル
ゴン弗素(ArF)エキシマレーザ(波長:193n
m、パルス幅:12ns、エネルギー密度:1J/cm
2 、繰返し周波数:10Hz)を用いた。このとき、Z
nOターゲット107表面では、レーザアブレーション
現象が発生し、Zn,O,ZnO等のイオンあるいは中
性粒子(原子、分子、クラスター)が脱離し、当初はイ
オンで50eV、中性粒子で5eVのオーダーの運動エ
ネルギーを有し、主にターゲット法線方向に分子、クラ
スターレベルの大きさを維持して、射出して行く。そし
て、脱離物質は、雰囲気希ガス原子と衝突することによ
り、飛行方向が乱雑になるとともに、運動エネルギーが
雰囲気に散逸され、約3cm離れて対向した堆積基板1
09上に均質な薄膜として堆積する。堆積基板109と
しては、ガラス基板を用いた。なお、基板、ターゲット
温度とも積極的な制御は行っていない。
【0044】ここでは雰囲気ガスとして、Heガスを用
いているが、Ar,Kr,Xe等の他の不活性ガスを用
いてもよい。この場合、気体密度がHeガスの場合と同
等になるように圧力を設定すればよい。例えば、雰囲気
ガスとしてAr(気体密度:1.78g/l)を用いる
場合には、He(気体密度:0.18g/l)を基準と
すると0.1倍程度の圧力に設定すればよい。
【0045】あるいは、希ガス(Ar、He等)と酸化
性ガス(O2 ,O3 ,N2 O,NO 2 等)の混合ガスを
用いてもよい。この場合、酸化性ガスの混入割合は、5
0容量%以下で希ガスに対して混入すればよく、雰囲気
ガスの平均気体密度がHe希釈O2 ガスの場合と同等に
なるように圧力を設定すればよい。
【0046】上記の方法により、雰囲気ガスであるHe
ガスの圧力を変えながら堆積基板に形成した酸化亜鉛薄
膜(膜厚200nm)について、X線回折測定による結
晶構造と配向性の評価を行なった。その結果、Heガス
圧:0.5Torr以下で形成したサンプルでは、ブロ
ードなピークが観測され、アモルファス構造あるいは微
粒子の凝集体となっていると考えられる。一方、Heガ
ス圧:1.0Torr及び2.0Torrで形成したサ
ンプルでは、ZnO結晶構造に対応した回折ピークが観
測され、特に<001>軸が垂直に配向しているc軸配
向性が高くなっていた。また、Heガス圧:5.0To
rrで形成したサンプルでは、複数の回折ピークが観測
されており、各ピークの強度比が、粉末標準試料におけ
る各ピークの強度比と同様であることから、配向性の無
い構造となっていることがわかった。
【0047】以上の結果から、図2(c)の圧電体薄膜
16として、上記手法でHeガス圧:1.0Torrと
して、常温で(001)配向性ZnO薄膜を形成した。
【0048】さらに、レーザアブレーションにおける雰
囲気ガスの効果について考察を行う。レーザ照射により
ターゲット表面から射出した物質は、ターゲット組成を
保ったまま蒸気化されず、主に原子・イオンの状態で直
進性を保って伝播していく。しかしながら、雰囲気ガス
が存在すると、衝突により散乱したりエネルギーを奪わ
れ、薄膜形成における空間分布、堆積速度、堆積物質の
運動エネルギーの分布等に変化を生じさせる。これらの
変化は射出物質の種類、運動エネルギーにより異なり、
一般に、重い物質(ここではZn)の方が散乱を受けに
くいため、ガス雰囲気中でのレーザアブレーションにお
いても直進性を保つと考えられる。その結果、低ガス圧
で薄膜形成を行った場合、散乱を受けやすく蒸気圧も高
い酸素が欠損した状態で基板に到達する。
【0049】ターゲットから射出された原子やイオン
は、最初はそれぞれ異なる速度で進むが、雰囲気ガス圧
が高くなると、雰囲気ガスとの衝突・散乱を多く受ける
ことにより、その速度は均一化されつつ遅くなってい
く。その結果、図3(b)に示すように、射出物質はプ
ルームと呼ばれるプラズマ状態を形成する。このプルー
ム114内に閉じ込められて、低ガス圧で生じていた酸
素抜けが抑えられることになる。希ガス雰囲気中でのレ
ーザアブレーションにおいては、堆積薄膜中の酸素はタ
ーゲットから射出された酸素のみから供給されるため、
この効果は重要である。
【0050】一方、高圧ガス雰囲気中でレーザアブレー
ションを行うと、雰囲気ガスが圧縮され、その圧力と温
度が上昇してショックフロントが形成される。そこで、
酸化物形成におけるショックフロントの影響を考察す
る。圧力の増加は、体積及びモル数の減少をもたらす反
応であるZnOの形成を促進する。温度の上昇は、射出
物質の励起を熱的に促進する。しかしながら、温度の上
昇はZnOの生成エネルギーを増加する方向にも働くた
め、ZnOの形成が妨げられることになる。ショックフ
ロントが前進してターゲットからの距離が増加するとと
もに、圧力と温度は減少していく。また、生成エネルギ
ーは温度の減少とともに低くなる。以上の結果、高圧状
態と、生成エネルギーが十分に低い条件が満たされる高
温状態が同時に実現された領域が、ターゲットからある
距離のところで形成され、この領域内で酸化反応が促進
される。すなわち、この気相中の酸化促進領域で、化学
量論組成の保たれたZnOが形成されると考えられる。
【0051】さらに、結晶性については、従来の製造方
法で常温で作製した薄膜は、アモルファス構造となって
いる。これに対し、本実施の形態では、常温で形成した
薄膜において結晶性ZnO薄膜が得られている。また、
配向性については、Heガス圧:1.0〜2.0Tor
rでは強い配向性が見られたのに対し、5.0Torr
では配向性の無い構造となった。この結果は、ショック
フロントにより形成された酸化促進領域と堆積基板の位
置関係により以下のように説明できる(図4参照)。
【0052】すなわち、気相中の酸化促進領域におい
て、酸化反応が促進されてZnOの結晶核が生成された
後、さらなる飛行に伴い急激に冷やされて微結晶に成長
する。この酸化促進領域に接するように堆積基板が配置
されていると、基板表面が活性領域となり、気相で生成
された結晶核が基板上でのマイグレーションを伴うこと
で配向して結晶化すると考えられる(図4(b))。一
方、レーザ照射によりターゲットから射出した物質が形
成するプルームは雰囲気ガスとの衝突の影響を受けるた
め、プルームの大きさはガス圧依存性を有し、ガス圧が
高いほどその大きさは小さくなる。したがって、Heガ
ス圧が高くなると堆積基板がこの酸化促進領域の外に配
置された状態になり、気相中で大きく成長した微結晶が
凝集しつつ基板に到達するため、配向性を持たない構造
になる(図4(c))。本実施の形態におけるプロセス
条件では、Heガス圧:1.0〜2.0Torr程度の
場合に、堆積基板がショックフロントにより形成された
酸化促進領域に接するような配置になっていると考えら
れる。
【0053】以上のように、レーザアブレーションにお
いては、雰囲気ガス圧(P)とターゲット−基板間距離
(D)の間に相関関係がある。化学量論組成の保たれた
配向性薄膜を得るには、プルーム内に形成される上述の
酸化促進領域が基板に接するような条件とすることが望
ましい。具体的には、本実施の形態では、D=3cmと
しており、この場合にはP=1.0Torr程度で配向
性薄膜が得られている。Dをさらに大きくする場合に
は、プルームを大きくする、すなわちガス圧を低くすれ
ばよい。さらに、堆積薄膜の膜質は、ターゲットからの
射出物質が堆積基板に到達する時の速度に大きく依存す
る。このため、同様の膜質を得るには、上記速度が一定
になるプロセス条件として、PDn =一定という相関関
係があり、このnの値は2〜3程度とされている。した
がって、例えば、Dを2倍にした場合には、対応するガ
ス圧を1/4〜1/8程度とすればよい。
【0054】このように、本実施の形態の圧電体薄膜形
成方法では、蒸気圧が高い元素(ここでは酸素)を含む
材料で構成されたターゲット材を用いてレーザアブレー
ションを行う場合において、蒸気圧が高い元素が抜ける
ことにより化学量論組成がくずれてしまうことを防止す
るために、雰囲気ガスに蒸気圧が高い元素を含むガスを
用いて蒸気圧が高い元素を補う方法ではなく、雰囲気ガ
ス圧と、ターゲットと堆積基板との間の距離とを調整し
て適切な大きさのプルームを形成させることにより化学
量論組成の保たれた結晶配向性薄膜を形成する。すなわ
ち、適切な大きさのプルーム内で蒸気圧の高い元素の抜
けを防止して、堆積基板上にターゲット材とほぼ同じ組
成の薄膜を形成する。適切な大きさのプルームとは、上
述したように、プルーム内に形成される酸化促進領域が
堆積基板109の表面に接する程度の大きさである。し
たがって、本実施の形態に係る圧電体薄膜形成方法で
は、このような適切な大きさのプルームが形成されるた
めに十分な雰囲気ガス圧及びターゲット−堆積基板間距
離を適宜設定する。
【0055】この方法を利用すると、雰囲気ガスの圧力
を調整して、すなわちターゲット材からの脱離物質と雰
囲気ガス原子との間の衝突回数を調整して、プルーム内
に形成される高温高圧領域に閉じ込められる蒸気圧の高
い元素の割合を制御することにより、形成する薄膜の結
晶状態や欠損等を制御することが可能となる。
【0056】一方、希ガス(Ar、He等)と酸化性ガ
ス(O2 ,O3 ,N2 O,NO2 等)の混合ガスを用い
た場合には、酸素を含有しない不活性ガスにより反応槽
内の圧力を制御するとともに、その雰囲気にわずかに含
まれるO2 ガスにより、酸素欠損の量を制御できる。換
言すれば、レーザ照射によりターゲットから射出した物
質(主に原子・イオン・クラスター)が、不活性ガスと
の物理的相互作用(衝突、散乱、閉じ込め効果)と酸素
ガスとの化学的相互作用(酸化反応)を介して基板に到
達し、化学量論組成の保たれた酸化物薄膜が形成され
る。さらに、雰囲気ガス中のO2 分子は、エキシマレー
ザにより分解されて活性なO原子あるいはイオンとな
り、ターゲットからの射出物質の酸化が促進されている
と考えられる。
【0057】なお、ここでは常温で成膜を行っている
が、結晶性向上のために、500℃以下の基板加熱を行
うことも可能である。あるいは、形成直後の薄膜は、結
晶性が悪い、欠陥が存在する等の問題を生じることがあ
る。このような場合には、結晶性、純度等の膜質向上の
ために、堆積薄膜を酸素雰囲気中で酸化したり、窒素雰
囲気中で熱処理をすることが有効である。この際の熱処
理温度は500℃以下とすれば、電極材料あるいは薄膜
内応力による劣化を生じることもない。一例として、H
eガス圧:1.0Torrで形成したZnO薄膜に対し
て、O2 ガス中及びN2 ガス中で熱処理を行った。その
結果、いずれの場合にも結晶性の向上が確認された。
【0058】以上述べてきたように、本実施の形態の圧
電体薄膜形成方法により、O2 ガスの導入や基板加熱を
必要とすることなく、化学量論組成の保たれた結晶配向
性圧電体薄膜を形成することができた。この方法を用い
れば、圧電体薄膜を形成する基板材料が限定されること
も無いため、製造工程の簡略化と低コスト化を図ること
ができる。したがって、以上により得られた圧電体薄膜
を用いた圧電薄膜振動子により、従来にない高周波用フ
ィルタの実現が可能となる。また、本実施の形態で得ら
れた圧電体薄膜は、圧電フィルタ、表面波フィルタ、圧
電センサ、アクチュエータ等の各種圧電デバイスへの応
用を図ることができる。
【0059】特に、5GHzレベル以上の高周波フィル
タになると、圧電体薄膜の膜厚はλ/2にするため、1
00nm程度の薄膜化が要求される。これに対しても、
本実施の形態に係る圧電体薄膜形成方法を用いて膜厚1
00nmのZnO薄膜の形成を試みた結果、X線回折測
定でZnOの結晶構造に対応する回折ピークが観測さ
れ、100nmの膜厚でも結晶配向性が得られることを
確認しており、5GHzレベルに十分対応できる。
【0060】さらに、従来の圧電体薄膜作製のための酸
素雰囲気中での高温プロセスは、フィルタの半導体プロ
セスとの集積化を制限するものである。高周波デバイス
の開発においては、フィルタを半導体に集積化させるた
めのシリコンプロセスとの整合性が課題となっている。
すなわち、圧電体薄作製プロセスについても600℃以
下の低温化が不可欠となる。本実施の形態の方法では、
圧電体薄膜を500℃以下の低温で形成できるため、対
応可能である。
【0061】なお、以上の説明では、二元系の圧電体酸
化物である、ZnO薄膜を用いた圧電体薄膜形成方法に
ついて述べたが、薄膜材料としては、PZT、BaTi
3、LiNbO3 、及びLiTaO3 等の多元系の圧
電体酸化物を用いることも可能である。また、本実施の
形態に係わる方法は、蒸気圧が高い元素を含む材料や、
AlN等の窒化物にも同様に適用することができる。窒
化物薄膜の場合には、反応性ガスを用いる際には酸化性
ガスの代わりにN2 、NH3 等の窒素を含む反応性ガス
を用いればよい。
【0062】(実施の形態2)以下、本発明の圧電体薄
膜を用いた他の圧電薄膜振動子の原理的な構成及びその
形成方法を、図5を用いて詳細に説明する。
【0063】図5は、圧電薄膜振動子の構造の断面図で
ある。図5において、51はガラス基板であり、その上
に、Si薄膜52とZnO薄膜53を積層してなる多層
膜54が形成されている。さらに、55はAu薄膜から
なる下部電極、56はZnO薄膜からなる圧電体薄膜、
57はAu薄膜からなる上部電極である。
【0064】以上の構成において、その動作を説明す
る。この圧電薄膜振動子においては、圧電体薄膜56の
膜厚を、共振周波数(λ)の1/2とし、その下の多層
膜54を構成するSi薄膜およびZnO薄膜の膜厚をそ
れぞれλ/4とする。ここで、多層膜54の組み合わせ
としては、音響インピーダンスが高い材料(Al
2 3、TiO2 、Ag等)と低い材料(SiO2 、S
i、Al等)の組み合わせが好ましい。さらに、多層膜
を構成する薄膜の一つを圧電体薄膜と同じ組成とすれ
ば、使用する薄膜の種類を少なくすることができる。こ
こでは、ZnOが比較的音響インピーダンスが高いの
で、多層膜材料として用いた。以上の構成の圧電薄膜振
動子に波長:λの高周波が入力されると、圧電体薄膜5
6が共振し、下部の多層膜が形成されていることによ
り、下部への圧電損失が生じることもなく、効率的に圧
力/電気変換動作を行うことができる。
【0065】次に、以上のように構成された圧電薄膜振
動子の製造方法を述べる。まず、ガラス基板51上にS
i薄膜52及びZnO薄膜53を交互に積層し、多層膜
54を形成する。ここで、ZnO薄膜53の形成には、
図3の薄膜形成装置を用い、実施の形態1で述べた圧電
体薄膜形成方法を用いる。また、Si薄膜52について
も、ZnOターゲットの代わりに純Siターゲットを用
い、同様の手法で形成すればよい。この際、図3の薄膜
形成装置内のターゲットホルダーに複数のターゲットを
設置可能とし、ZnOと純Siターゲットを交互に使う
ことにより、効率的に多層膜を形成することができる。
あるいは、図3の薄膜形成装置に従来の蒸着装置を組み
合わせることにより、スパッタリング法等を用いてSi
薄膜52を形成してもよい。
【0066】次に、蒸着法等で下部電極55としてAu
薄膜を選択的に形成し、その上に、圧電体薄膜56とし
てのZnO薄膜を、これも実施の形態1で述べた圧電体
薄膜形成方法を用いて形成する。さらに、その圧電体薄
膜56上に、上部電極57としてAu薄膜を蒸着法等で
形成する。
【0067】なお、ここでは、下部電極55及び上部電
極57としてAu薄膜を用いたが、アルミニウム、チタ
ン/白金、クロム/金、チタン/クロム等を用いること
ができ、下部電極と上部電極が異なる薄膜を用いてもよ
いことはいうまでもない。
【0068】また、本実施の形態において、多層膜54
を構成する音響インピーダンスの低い材料の薄膜52と
して、AlやTaのように電極材料として使用できる材
料を用いれば、多層膜54の最上層を薄膜52とし、下
部電極55を兼ねる構造とすることができる。
【0069】さらに、圧電体薄膜及び多層膜の結晶性向
上のために、薄膜形成時に500℃以下の基板加熱を行
うことも可能である。あるいは、形成直後の薄膜は、結
晶性が悪い、欠陥が存在する等の問題を生じることがあ
る。このような場合には、結晶性、純度等の膜質向上の
ために、堆積薄膜を酸素雰囲気中で酸化したり、窒素雰
囲気中で熱処理をすることが有効である。この際の熱処
理温度は500℃以下とすれば、電極材料あるいは薄膜
内応力による劣化を生じることもない。一例として、H
eガス圧:1.0Torrで形成したZnO薄膜に対し
て、O2 ガス中で熱処理を行った結果、結晶性の向上が
確認された。
【0070】以上述べてきたように、本実施の形態の圧
電体薄膜及び多層膜形成方法により、O2 ガスの導入や
基板加熱を必要とすることなく、化学量論組成の保たれ
た結晶配向性薄膜を形成することができた。また、多層
膜を構成する薄膜の一つを圧電体薄膜と同じ組成とした
ため、使用する薄膜の種類を従来より少なくすることが
できた。この方法を用いれば、圧電体薄膜及び多層膜を
形成する基板材料が限定されることも無いため、製造工
程の簡略化と低コスト化を図ることができる。したがっ
て、以上により得られた薄膜を用いた圧電薄膜振動子に
より、従来にない圧電フィルタ、圧電センサ、アクチュ
エータ等の各種圧電デバイスの実現が可能となる。
【0071】特に、5GHzレベル以上の高周波フィル
タになると、圧電体薄膜の膜厚はλ/2にするため、1
00nm程度の薄膜化が要求される。これに対しても、
実施の形態1で述べたように、100nmの膜厚でも結
晶配向性が得られることを確認しており、5GHzレベ
ルに十分対応できる。
【0072】さらに、従来の圧電体薄膜作製のための酸
素雰囲気中での高温プロセスは、フィルタの半導体プロ
セスとの集積化を制限するものである。高周波デバイス
の開発においては、フィルタを半導体に集積化させるた
めのシリコンプロセスとの整合性が課題となっている。
すなわち、圧電体薄作製プロセスについても600℃以
下の低温化が不可欠となる。本実施の形態の方法では、
圧電体薄膜を500℃以下の低温で形成できるため、対
応可能である。
【0073】なお、以上の説明では、圧電体薄膜とし
て、二元系の圧電体酸化物であるZnO薄膜を用いた
が、薄膜材料としては、PZT、BaTiO3 、LiN
bO3 、及びLiTaO3 等の多元系の圧電体酸化物を
用いることも可能である。また、本実施の形態に係わる
方法は、蒸気圧が高い元素を含む材料や、AlN等の窒
化物にも同様に適用することができる。
【0074】(実施の形態3)以下、本発明の圧電体薄
膜を用いた他の圧電薄膜振動子の原理的な構成及びその
形成方法を詳細に説明する。
【0075】本実施の形態の圧電薄膜振動子の構造は、
図5と同様であり、実施の形態2で述べた圧電薄膜振動
子に対し、多層膜54の組み合わせを、Al薄膜52と
Al 2 3 薄膜53とする点が異なる。
【0076】以上の構成において、その動作は、実施の
形態2で述べた通りである。本実施の形態では、上述の
ように、多層膜54の組み合わせとして、音響インピー
ダンスが高い材料としてAl2 3 を選択し、また、音
響インピーダンスが低い材料としてAlを選択した。
【0077】次に、以上のように構成された圧電薄膜振
動子の製造方法を述べる。多層膜54の作製方法以外
は、実施の形態2で述べた作製方法と同様であるので省
略する。Al薄膜52及びAl2 3 薄膜53の形成に
おいては、従来の製造方法では、結晶配向性薄膜を得る
ために、製膜プロセス中に600℃以上の基板加熱を必
要としている。しかしながら、これらの薄膜を積層した
多層膜を形成する場合、この高温プロセスにより、薄膜
間での反応が起こる等の課題が生じる。さらに、多層膜
を構成する各層の形成に、異なる材料・プロセスを用い
ると、圧電薄膜振動子製造プロセスが複雑になる。
【0078】そこで、Al薄膜52及びAl2 3 薄膜
53を形成する方法として、実施の形態1で述べた、図
3の薄膜作製装置を用いたガス雰囲気中におけるレーザ
アブレーションを用いる。ここでは、ターゲット107
として高純度Alターゲットを用い、Al薄膜及びAl
2 3 薄膜を積層した多層膜を形成する場合について説
明する。
【0079】まず、Al薄膜を形成する場合の動作につ
いて説明する。反応室101の内部を、ターボ分子ポン
プを主体とする超高真空排気系102により到達真空
1.0×10-9Torr程度まで排気した後、マスフロ
ーコントローラ103を経由して、ガス導入ライン10
4より、Heガスの導入を行う。ここで、ドライロータ
リーポンプもしくは高圧用ターボ分子ポンプを主体とし
たガス排気系105の動作と連動することにより、反応
室101内の希ガス圧力を、0.001〜10Torr
程度の範囲の一圧力値に設定する。
【0080】この状態で、自転機構を有するターゲット
ホルダー106に配置された、純度:5N以上のAlタ
ーゲット107の表面に対して、パルスレーザ光源10
8からレーザ光を照射する。ここでは、アルゴン弗素
(ArF)エキシマレーザ(波長:193nm、パルス
幅:12ns、エネルギー密度:1J/cm2 、繰返し
周波数:10Hz)を用いた。このとき、Alターゲッ
ト107表面では、レーザアブレーション現象が発生
し、イオンあるいは中性粒子(原子、分子、クラスタ
ー)が脱離し、主にターゲット法線方向に分子、クラス
ターレベルの大きさを維持して、射出して行く。そし
て、脱離物質は、雰囲気希ガス原子と衝突することによ
り、飛行方向が乱雑になるとともに、運動エネルギーが
雰囲気に散逸され、約3cm離れて対向した堆積基板1
09上に均質な薄膜として堆積する。なお、基板、ター
ゲット温度とも積極的な制御は行っていない。
【0081】ここでは雰囲気ガスとして、Heガスを用
いているが、Ar,Kr,Xe等の他の不活性ガスを用
いてもよい。この場合、気体密度がHeガスの場合と同
等になるように圧力を設定すればよい。例えば、雰囲気
ガスとしてAr(気体密度:1.78g/l)を用いる
場合には、He(気体密度:0.18g/l)を基準と
すると0.1倍程度の圧力に設定すればよい。
【0082】次に、Al2 3 薄膜を形成する場合の動
作について説明する。Al薄膜を形成した後、反応室1
01の内部を、ターボ分子ポンプを主体とする超高真空
排気系102により再び到達真空1.0×10-9Tor
r程度まで排気した後、マスフローコントローラ103
を経由して、ガス導入ライン104より、O2 ガスの導
入を行う。ここで、ドライロータリーポンプもしくは高
圧用ターボ分子ポンプを主体としたガス排気系105の
動作と連動することにより、反応室101内の希ガス圧
力を、0.001〜10Torr程度の範囲の一圧力値
に設定する。この状態で、自転機構を有するターゲット
ホルダー106に配置された、純度:5N以上のAlタ
ーゲット107の表面に対して、パルスレーザ光源10
8からArFレーザ光を照射する。Alターゲット10
7表面からの脱離物質は、雰囲気ガスと衝突しつつ酸化
反応が生じることにより、約3cm離れて対向した堆積
基板109上に均質なAl2 3 薄膜として堆積する。
ここで、さらに、雰囲気ガス中のO2 分子はエキシマレ
ーザにより分解されて活性なO原子あるいはイオンとな
り、ターゲットからの射出物質の酸化が促進されてい
る。なお、基板、ターゲット温度とも積極的な制御は行
っていない。
【0083】ここでは雰囲気ガスとして、O2 ガスを用
いているが、他の酸化性ガス(O3,N2 O,NO
2 等)を用いてもよい。あるいは、希ガス(Ar、He
等)と酸化性ガス(O2 ,O3 ,N2 O,NO2 等)の
混合ガスを用いてもよい。この場合、雰囲気ガスの平均
気体密度がO2ガスの場合と同等になるように圧力を設
定すればよい。
【0084】以上の方法により堆積基板に形成したAl
薄膜及びAl2 3 薄膜(膜厚200nm)について、
常温で結晶配向性薄膜を得た。このように、本実施の形
態の多層膜形成方法では、一種類の高純度ターゲットを
用いてレーザアブレーションを行い、雰囲気ガス種及び
ガス圧を調整することにより、組成の異なる薄膜を積層
した多層膜を形成することができた。すなわち、この方
法を利用すると、雰囲気ガスの種類及び圧力を調整し
て、ターゲット材からの脱離物質と雰囲気ガスとの間の
物理的相互作用(衝突、散乱、閉じ込め効果)と化学的
相互作用(酸化反応)を調整することにより、形成する
薄膜の組成や結晶状態等を制御することが可能となる。
【0085】なお、レーザアブレーションにおいては、
実施の形態1で述べたように、雰囲気ガス圧(P)とタ
ーゲット−基板間距離(D)の間に相関関係がある。化
学量論組成の保たれた配向性薄膜を得るには、プルーム
内に形成される上述の酸化促進領域が基板に接するよう
な条件とすることが望ましい。具体的には、本実施の形
態では、D=3cmとしており、この場合にはP=0.
1Torr程度で配向性薄膜が得られている。Dをさら
に大きくする場合には、プルームを大きくする、すなわ
ちガス圧を低くすればよい。さらに、堆積薄膜の膜質
は、ターゲットからの射出物質が堆積基板に到達する時
の速度に大きく依存する。このため、同様の膜質を得る
には、上記速度が一定になるプロセス条件として、PD
n =一定という相関関係があり、このnの値は2〜3程
度とされている。したがって、例えば、Dを2倍にした
場合には、対応するガス圧を1/4〜1/8程度とすれ
ばよい。
【0086】さらに、ここでは常温で成膜を行っている
が、結晶性向上のために、薄膜形成時に400℃以下の
基板加熱を行うことも可能である。あるいは、形成直後
の薄膜は、結晶性が悪い、欠陥が存在する等の問題を生
じることがある。このような場合には、結晶性、純度等
の膜質向上のために、堆積薄膜を酸素雰囲気中で酸化し
たり、窒素雰囲気中で熱処理をすることが有効である。
この際の熱処理温度は400℃以下とすれば、多層膜の
劣化を生じることもない。
【0087】以上述べてきたように、本実施の形態の多
層膜形成方法により、基板加熱を必要とすることなく、
一種類の高純度ターゲットで、多層膜を形成することが
できた。この方法を用いれば、多層膜を形成する基板材
料が限定されることも無いため、製造工程の簡略化と低
コスト化を図ることができる。したがって、以上により
得られた薄膜を用いた圧電薄膜振動子により、従来にな
い圧電フィルタ、圧電センサ、アクチュエータ等の各種
圧電デバイスの実現が可能となる。
【0088】さらに、従来の圧電薄膜振動子作製のため
の酸素雰囲気中での高温プロセスは、フィルタの半導体
プロセスとの集積化を制限するものである。高周波デバ
イスの開発においては、フィルタを半導体に集積化させ
るためのシリコンプロセスとの整合性が課題となってい
る。すなわち、圧電薄膜振動子作製プロセスについても
600℃以下の低温化が不可欠となる。本実施の形態の
方法では、400℃以下の低温で形成できるため、対応
可能である。
【0089】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ターゲ
ット材にレーザ光を照射して、ターゲット材からの脱離
・射出物質を対向基板に堆積させて薄膜を形成するレー
ザアブレーション法において、目的とする薄膜と同一組
成又はほぼ同じ組成のターゲット材を用い、アブレーシ
ョン時に反応室内に雰囲気ガスを一定圧力で導入するこ
とにより、適切なプルームを形成してターゲット材と同
一組成の圧電体薄膜を得ることが可能となる。これによ
り、反応性ガスの導入や基板の高温加熱を必要とするこ
となく、従来の方法よりも容易にターゲット材と同一組
成の結晶配向性薄膜を得ることが可能となり、基板材料
が限定されることもなく、半導体プロセスとの整合性も
とることができる。
【0090】また、上記の圧電体薄膜形成方法により作
製した圧電体薄膜を用いた圧電デバイスは、従来にない
小型化・薄膜化を実現し、さらなる高周波での使用を可
能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る圧電薄膜共振子の
構造を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1に係る圧電薄膜共振子の
製造工程図
【図3】(a) 本発明の方法に使用する薄膜製造装置
を示す構成図 (b) 堆積基板とターゲットとの間における現象を説
明するための図
【図4】結晶構造制御のメカニズムを説明するための図
【図5】本発明の実施の形態2に係る圧電薄膜共振子の
構造を示す断面図
【符号の説明】
11 シリコン基板 12、13 絶縁層 14 空隙領域 15、55 下部電極 16、56 圧電体薄膜 17、57 上部電極 21 レジスト層 22 開口 101 反応室 102 超高真空排気系 103 マスフローコントローラ 104 ガス導入ライン 105 ガス排気系 106 ターゲットホルダー 107 ターゲット 108 パルスレーザ光源 109 堆積基板 110 レーザ導入窓 111 スリット 112 レンズ 113 反射鏡 114 プルーム 51 ガラス基板 52 シリコン薄膜 53 ZnO薄膜 54 多層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 9/17 H01L 41/22 A // B06B 1/06 41/18 101Z H02N 2/00 41/08 C (72)発明者 鈴木 信靖 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 牧野 俊晴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BB07 BC32 BC37 BC42 BC43 BE13 DA03 EA02 EA04 EA06 EF01 HA11 SA04 SA07 SA11 5D107 AA13 BB08 CC02 5J108 BB01 BB07 KK01 MM11

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲット材及び基板を反応室内に配置
    する工程と、前記反応室に一定圧力で雰囲気ガスを導入
    しながら、前記ターゲット材にビーム光を照射すること
    により励起し、脱離した前記ターゲット材に含まれる物
    質を前記基板上に堆積して薄膜を形成する工程とを具備
    する圧電体薄膜形成方法であって、前記ターゲット材に
    ビーム光を照射することにより前記ターゲット材近傍に
    形成される高温高圧領域のサイズが最適となるように、
    前記反応室に導入する前記雰囲気ガスの圧力(P)及
    び、前記基板と前記ターゲット材との間の距離(D)を
    調整する工程を具備することを特徴とする圧電体薄膜形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気ガスの圧力(P)及び、前記
    基板と前記ターゲット材との間の距離(D)は、PDn
    =一定(nは2〜3程度)にしたがって調整されること
    を特徴とする請求項1記載の圧電体薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記雰囲気ガスが、不活性ガスであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の圧電体薄膜形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記雰囲気ガスが、不活性ガスと反応性
    ガスの混合ガスであり、反応性ガスの割合が50容量%
    以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれかに記載の圧電体薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記雰囲気ガスの圧力が、0.001〜
    10Torrの範囲であることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の圧電体薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記雰囲気ガスの圧力を変化させる工程
    を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいず
    れかに記載の圧電体薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記基板を500℃以下で加熱
    する工程を具備することを特徴とする請求項1から6の
    いずれかに記載の圧電体薄膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記ターゲット材を構成する材料が、少
    なくとも2種類以上の組成から成ることを特徴とする請
    求項1から7のいずれかに記載の圧電体薄膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記ターゲット材を構成する材料が、A
    lN、ZnO、PbZrTiO3 (PZT)、BaTi
    3 、LiNbO3 、及びLiTaO3 等の圧電体であ
    ることを特徴とする請求項8記載の圧電体薄膜形成方
    法。
  10. 【請求項10】 基板と、請求項1から9のいずれかに
    記載の方法で形成された圧電体薄膜と、一対の電極を備
    えていることを特徴とする圧電薄膜振動子。
  11. 【請求項11】 基板と、請求項1から9のいずれかに
    記載の方法で形成された圧電体薄膜と、一対の電極を備
    え、圧電体薄膜下部の基板の一部が除去され空洞部分が
    形成されていることを特徴とする圧電薄膜振動子。
  12. 【請求項12】 基板と、少なくても2種類の薄膜を積
    層してなる多層膜と、請求項1から9のいずれかに記載
    の方法で形成された圧電体薄膜と、一対の電極を備えた
    ことを特徴とする圧電薄膜振動子。
  13. 【請求項13】 多層膜を構成する1種類の薄膜が、圧
    電体薄膜と同じ組成の薄膜であることを特徴とする、請
    求項12記載の圧電薄膜振動子。
  14. 【請求項14】 多層膜を構成する2種類の薄膜が、同
    じ組成で配向性の異なる薄膜であることを特徴とする、
    請求項12記載の圧電薄膜振動子。
  15. 【請求項15】 請求項10から14のいずれかに記載
    の圧電薄膜振動子を用いたフィルタ。
  16. 【請求項16】 請求項1から9のいずれかに記載の方
    法で形成された圧電体薄膜と、一対の電極を備え、前記
    圧電体薄膜に変位を加えると電圧が発生し、その電圧を
    測定することにより前記変位の大きさを測定する圧電セ
    ンサ。
  17. 【請求項17】 請求項1から9のいずれかに記載の方
    法で形成された圧電体薄膜と、一対の電極を備え、前記
    圧電体薄膜に電圧を加えることにより変位を発生するア
    クチュエータ。
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