JP2021141186A - 圧電膜、圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法 - Google Patents

圧電膜、圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニオブ酸カリウムナトリウムからなる圧電膜の寿命をさらに長くする。【解決手段】ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜であり、Mnを含み、結晶の粒界に存在するMnが結晶の母相に存在するMnよりも多い。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電膜、圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法に関する。
圧電体は、センサ、アクチュエータ等の機能性電子部品に広く利用されている。圧電体の材料としては、鉛系材料、特に、組成式Pb(Zr1−xTi)Oで表されるPZT系の強誘電体が広く用いられている。PZT系の圧電体は鉛を含有しているため、公害防止の面等から好ましくない。そこで、鉛非含有の圧電体の材料として、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。近年、KNNのように鉛非含有の材料からなる圧電体の性能をさらに高めることが強く求められている。
特開2007−184513号公報 特開2008−159807号公報
本発明の目的は、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる圧電膜の寿命をさらに長くすることにある。
本発明の一態様によれば、
ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜であり、
Mnを含み、
結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電膜およびその関連技術が提供される。
本発明によれば、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる圧電膜の寿命をさらに長くすることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電デバイスの概略構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電積層体を作製する際の中間体(熱処理前の積層体)の断面構造の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電デバイスの概略構成の変形例を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)圧電積層体の構成
図1に示すように、本実施形態にかかる圧電膜を有する積層体(積層基板)10(以下、圧電積層体10とも称する)は、基板1と、基板1上に製膜された下部電極膜2と、下部電極膜2上に製膜された圧電膜(圧電薄膜)3と、圧電膜3上に製膜された上部電極膜4と、を備えている。
基板1としては、熱酸化膜またはCVD(Chemical Vapor Deposition)酸化膜等の表面酸化膜(SiO膜)1bが形成された単結晶シリコン(Si)基板1a、すなわち、表面酸化膜を有するSi基板を好適に用いることができる。また、基板1としては、図2に示すように、その表面にSiO以外の絶縁性材料により形成された絶縁膜1dを有するSi基板1aを用いることもできる。また、基板1としては、表面にSi(100)面またはSi(111)面等が露出したSi基板1a、すなわち、表面酸化膜1bまたは絶縁膜1dを有さないSi基板を用いることもできる。また、基板1としては、SOI(Silicon On Insulator)基板、石英ガラス(SiO)基板、ガリウム砒素(GaAs)基板、サファイア(Al)基板、ステンレス(SUS)等の金属材料により形成された金属基板を用いることもできる。単結晶Si基板1aの厚さは例えば300μm以上1000μm以下、表面酸化膜1bの厚さは例えば1nm以上4000nm以下とすることができる。
下部電極膜2は、例えば、白金(Pt)を用いて製膜することができる。下部電極膜2は、単結晶膜または多結晶膜(以下、これらをPt膜とも称する)となる。Pt膜を構成する結晶は、基板1の表面に対して(111)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、Pt膜の表面(圧電膜3の下地となる面)は、主にPt(111)面により構成されていることが好ましい。Pt膜は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて製膜することができる。下部電極膜2は、Pt以外に、金(Au)、ルテニウム(Ru)、またはイリジウム(Ir)等の各種金属、これらを主成分とする合金、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO、略称:SRO)またはニッケル酸ランタン(LaNiO、略称:LNO)等の金属酸化物等を用いて製膜することもできる。また、下部電極膜2は、上記各種金属または金属酸化物等を用いて製膜した単層膜であってもよく、あるいは、Pt膜とPt膜上に設けられたSROからなる膜との積層体や、Pt膜とPt膜上に設けられたLNOからなる膜との積層体等であってもよい。なお、基板1と下部電極膜2との間には、これらの密着性を高めるため、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、ニッケル(Ni)、ルテニウム酸化物(RuO)、イリジウム酸化物(IrO)等を主成分とする密着層6が設けられていてもよい。密着層6は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて製膜することができる。下部電極膜2の厚さは例えば100nm以上400nm以下、密着層6の厚さは例えば1nm以上200nm以下とすることができる。
圧電膜3は、例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ニオブ(Nb)を含み、組成式(K1−xNaNbOで表されるアルカリニオブ酸化物、すなわち、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)を用いて製膜することができる。上述の組成式中の係数x[=Na/(K+Na)]は、0<x<1の範囲内の大きさとする。係数y[=(K+Na)/Nb]は、例えば0.7≦y≦1.50の範囲内の大きさとすることが好ましい。圧電膜3は、KNNの多結晶膜(以下、KNN膜3とも称する)となる。KNNの結晶構造は、ペロブスカイト構造となる。KNN膜3は、スパッタリング法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、ゾルゲル法等の手法を用いて製膜することができる。KNN膜3の厚さは例えば0.5μm以上5μm以下である。
KNN膜3を構成する結晶は、基板1(基板1が例えば表面酸化膜1bまたは絶縁膜1d等を有するSi基板1aである場合はSi基板1a)の表面に対して(001)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、KNN膜3の表面(上部電極膜4の下地となる面)は、主にKNN(001)面方位により構成されていることが好ましい。基板1の表面に対して(111)面方位に優先配向させたPt膜上にKNN膜3を直接製膜することで、KNN膜3を構成する結晶を、基板1の表面に対して(001)面方位に優先配向させることが容易となる。すなわち、KNN膜3を構成する結晶群のうち80%以上の結晶を基板1の表面に対して(001)面方位に配向させ、KNN膜3の表面のうち80%以上の領域をKNN(001)面とすることが容易となる。
KNN膜3を構成する結晶群のうち半数以上の結晶が柱状構造を有していることが好ましい。KNN膜3を構成する結晶同士の境界、すなわちKNN膜3に存在する結晶粒界は、KNN膜3の厚さ方向に貫いていることが好ましい。例えば、KNN膜3では、その厚さ方向に貫く結晶粒界が、KNN膜3の厚さ方向に貫いていない結晶粒界(例えば基板1の平面方向に平行な結晶粒界)よりも多いことが好ましい。
KNN膜3を構成する結晶(結晶群)の平均粒径(以下、「KNN膜3の平均結晶粒径」とも称する)は、例えば100nm以上であることが好ましい。ここでいうKNN膜3の平均結晶粒径とは、基板1の平面方向におけるKNN膜3の断面での平均結晶粒径である。KNN膜3の平均結晶粒径は、走査型電子顕微鏡で撮影した画像(例えばSEM像)や、透過電子顕微鏡で撮影した画像(例えばTEM像)の視野を画像解析することで得ることができる。画像解析ソフトとして、例えばWayne Rasband製の「ImageJ」を用いることができる。
KNN膜3の平均結晶粒径を大きくすることで、KNN膜3における粒界密度を低くすることが可能となる。ここでいう粒界密度とは、基板1の平面方向におけるKNN膜3の断面内の結晶の粒界の合計長さを、断面積で割った値(=結晶粒の粒界の合計長さ/断面積)である。
KNN膜3の粒界密度を低くする観点からは、KNN膜3の平均結晶粒径は大きければ大きいほど好ましい。しかしながら、KNN膜3の平均結晶粒径がKNN膜3の厚さよりも大きくなると、圧電特性の面内均一性が低下する場合がある。したがって、圧電特性の面内均一性の低下抑制の観点から、KNN膜3の平均結晶粒径は、KNN膜3の厚さよりも小さいことが好ましい。
KNN膜3はマンガン(Mn)を含んでいる。加えて、KNN膜3では、結晶粒界にMnが存在しているとともに、結晶粒界に存在するMn(例えば結晶粒界に存在するMn粒子数)がKNN膜3を構成する結晶の母相に存在するMn(例えば母相に存在するMn粒子数)よりも多くなっている。このため、後述の圧電素子20(圧電デバイス30)に電界を印加した際、KNN膜3の結晶粒界に存在する酸素欠損の移動を抑制することが可能となる。
KNN膜3を構成する結晶(結晶粒)の内部や、結晶粒界には、所定の割合で酸素欠損(酸素空乏(Oxygen Vacancy))が存在している。これらの酸素欠損のうち、特にKNN膜3の結晶粒界に存在する酸素欠損が、圧電積層体10を加工することで作製される後述の圧電素子20(圧電デバイス30)に電界を印加した際に移動することがある。酸素欠損が移動し、電極膜(下部電極膜2または上部電極膜4)に到達すると、酸素欠損と電極膜中の金属とが反応して短絡(ショート)してしまう。そこで、本願発明者等は、KNN膜3の結晶粒界に存在する酸素欠損の移動の抑制について鋭意検討を行った。その結果、KNN膜3の結晶粒界にMnが存在していると、このMnがKNN膜3の結晶粒界に存在する酸素欠損と対になり、すなわち結晶粒界に存在するMnが酸素欠損をトラップし、結晶粒界に存在する酸素欠損の移動を抑制することができることが分かった。また、このような酸素欠損移動抑制効果は、結晶粒界に存在するMnによって得られるものの、KNN膜3を構成する結晶の母相(結晶の内部)に存在するMn(例えばKNN膜3を構成する結晶の格子中に組み込まれたMn)によっては得られにくいことも分かった。これらの知見は、本願発明者等の鋭意検討の結果、初めて見出された知見である。
KNN膜3中のMnの含有量は、KNN膜3(多結晶膜)中のニオブの量に対して例えば0.2at%以上2.0at%以下の範囲内であることが好ましい。すなわち、KNN膜3のMn濃度は0.2at%以上2.0at%以下であることが好ましい。ここでいうMn濃度とは、結晶粒界に存在しているMnと母相に存在しているMnとの合計濃度である。
KNN膜3のMn濃度が0.2at%以上であれば、KNN膜3中のMn含有量が微量であっても、結晶粒界に一定量以上のMnを存在させることできるとともに、結晶粒界に存在するMnを母相に存在するMnよりも多くすることが可能となる。その結果、上述の酸素欠損移動抑制効果を得ることができる。KNN膜3のMn濃度が2.0at%以下であることで、KNN膜3の比誘電率を、センサやアクチュエータ等の用途に好適な大きさとすることが可能となる。
KNN膜3は、銅(Cu)、リチウム(Li)、Ta、アンチモン(Sb)等のK、Na、Nb、Mn以外の元素を、Mnを上述の範囲内で添加することによる効果を損なわない範囲内、例えば5at%以下(上述の元素を複数種添加する場合は合計濃度が5at%以下)の範囲内で含んでいてもよい。
上部電極膜4は、例えば、Pt、Au、アルミニウム(Al)、Cu等の各種金属またはこれらの合金を用いて製膜することができる。上部電極膜4は、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法、金属ペースト法等の手法を用いて製膜することができる。上部電極膜4は、下部電極膜2のようにKNN膜3の結晶構造に大きな影響を与えるものではない。そのため、上部電極膜4の材料、結晶構造、製膜手法は特に限定されない。なお、KNN膜3と上部電極膜4との間には、これらの密着性を高めるため、例えば、Ti、Ta、TiO、Ni、RuO、IrO等を主成分とする密着層が設けられていてもよい。上部電極膜4の厚さは例えば100nm以上5000nm以下、密着層を設ける場合には密着層の厚さは例えば1nm以上200nm以下とすることができる。
(2)圧電デバイスの構成
図3に、本実施形態におけるKNN膜3を有するデバイス30(以下、圧電デバイス30とも称する)の概略構成図を示す。圧電デバイス30は、上述の圧電積層体10を所定の形状に成形することで得られる素子20(KNN膜3を有する素子20、以下、圧電素子20とも称する)と、圧電素子20に接続される電圧印加部11aまたは電圧検出部11bと、を少なくとも備えている。電圧印加部11aは、下部電極膜2と上部電極膜4との間(電極間)に電圧を印加するための手段であり、電圧検出部11bは、下部電極膜2と上部電極膜4との間(電極間)に発生した電圧を検出するための手段である。電圧印加部11a、電圧検出部11bとしては、公知の種々の手段を用いることができる。
電圧印加部11aを、圧電素子20の下部電極膜2と上部電極膜4との間に接続することで、圧電デバイス30をアクチュエータとして機能させることができる。電圧印加部11aにより下部電極膜2と上部電極膜4との間に電圧を印加することで、KNN膜3を変形させることができる。この変形動作により、圧電デバイス30に接続された各種部材を作動させることができる。この場合、圧電デバイス30の用途としては、例えば、インクジェットプリンタ用のヘッド、スキャナー用のMEMSミラー、超音波発生装置用の振動子等が挙げられる。
電圧検出部11bを、圧電素子20の下部電極膜2と上部電極膜4との間に接続することで、圧電デバイス30をセンサとして機能させることができる。KNN膜3が何らかの物理量の変化に伴って変形すると、その変形によって下部電極膜2と上部電極膜4との間に電圧が発生する。この電圧を電圧検出部11bによって検出することで、KNN膜3に印加された物理量の大きさを測定することができる。この場合、圧電デバイス30の用途としては、例えば、角速度センサ、超音波センサ、圧カセンサ、加速度センサ等が挙げられる。
(3)圧電積層体、圧電素子、圧電デバイスの製造方法
上述の圧電積層体10、圧電素子20、および圧電デバイス30の製造方法について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、まず、基板1を用意し、基板1のいずれかの主面上に、例えばスパッタリング法により密着層6(Ti層)および下部電極膜2(Pt膜)をこの順に製膜する。なお、いずれかの主面上に、密着層6や下部電極膜2が予め製膜された基板1を用意してもよい。
密着層6を設ける際の条件としては、下記の条件が例示される。
温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
雰囲気:アルゴン(Ar)ガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
形成時間:30秒以上3分以下、好ましくは45秒以上2分以下
下部電極膜2を製膜する際の条件としては、下記の条件が例示される。
温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
雰囲気:Arガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
製膜時間:3分以上10分以下、好ましくは4分以上8分以下、より好ましくは5分以上6分以下
続いて、下部電極膜2上、すなわち、KNN膜3の下面と接することとなる位置に、Mnを含む層を設ける。Mnを含む層としては、例えばMnを含むKNN層(Mnを含むKNN膜)が挙げられる。以下、下部電極膜2上に設けるMnを含む層を第1Mn層7とも称する。第1Mn層7は、単結晶層または多結晶層となる。第1Mn層7は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて設けることができる。第1Mn層7の厚さは例えば1nm以上200nm以下とすることができる。第1Mn層中のMn濃度については後述する。
第1Mn層7としてMnを含むKNN層を例えばスパッタリング法により製膜する場合、第1Mn層7の組成比は、例えばスパッタリング製膜時に用いるターゲット材の組成を制御することで調整可能である。ターゲット材は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、Mn粉末(又はMnO粉末)等を混合させて焼成すること等により作製することができる。ターゲット材の組成は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、Mn粉末(又はMnO粉末)等の混合比率を調整することで制御することができる。
第1Mn層7としてMnを含むKNN層を例えばスパッタリング法により設ける際の条件としては、下記の条件が例示される。なお、製膜時間は、第1Mn層の厚さによって適宜設定する。
放電パワー:2000W以上2400W以下、好ましくは2100W以上2300W以下
雰囲気:Arガス+酸素(O)ガス雰囲気
雰囲気圧力:0.2Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
ガスに対するArガスの分圧(Ar/O分圧比):30/1〜20/1、好ましくは27/1〜22/1
製膜温度:500℃以上600℃以下、好ましくは500℃以上600℃未満、より好ましくは550℃以上600℃未満
製膜速度:0.5μm/hr以上2μm/hr以下、好ましくは0.75μm/hr以上1.5μm/hr以下
第1Mn層7上にMnを含まないKNN膜(Mn非含有KNN膜)3Aを製膜する。Mn非含有KNN膜3Aを例えばスパッタリング法により製膜する場合、Mn非含有KNN膜3Aの組成比は、例えばスパッタリング製膜時に用いるターゲット材の組成を制御することで調整可能である。ターゲット材は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末等を混合させて焼成すること等により作製することができる。ターゲット材の組成は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末等の混合比率を調整することで制御することができる。Mn非含有KNN膜3Aを製膜する際の条件は、上述の第1Mn層7を設ける際の条件と同様の条件とすることができる。
Mn非含有KNN膜3A上、すなわち、Mn非含有KNN膜3Aの上面と接する位置に、Mnを含む層又はMnからなる層を設ける。Mnを含む層としては、例えばMnを含むKNN層(Mnを含むKNN膜)が挙げられる。以下、Mn非含有KNN膜3A上に設けるMnを含む層又はMnからなる層を第2Mn層8とも称する。第2Mn層8は、第1Mn層7とは異なり、Mn非含有KNN膜3Aの結晶構造に大きな影響を与えるものではない。そのため、第2Mn層8の材料、結晶構造、製膜手法は特に限定されない。第2Mn層8は、スパッタリング法、蒸着法、金属ペースト法等の手法を用いて設けることができる。第2Mn層8の厚さは例えば1nm以上200nm以下とすることができる。第2Mn層8がMnを含む層である場合の第2Mn層8中のMn濃度については後述する。
第2Mn層8としてMnを含む層を例えばスパッタリング法により設ける際の条件は、上述の第1Mn層7を設ける際の条件と同様の条件とすることができる。
また、第2Mn層8としてMnからなる層を形成する際の条件としては、下記の条件が例示される。
温度(基板温度):室温以上300℃以下、好ましくは室温以上100℃以下
放電パワー:100W以上500W以下、好ましくは150W以上300W以下、より好ましくは200W以上250W以下
雰囲気:Arガス雰囲気
雰囲気圧力:0.05Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.05Pa以上0.2Pa以下
形成時間:30秒以上3分以下、好ましくは45秒以上2分以下
第1Mn層7中のMn濃度、および第2Mn層8がMnを含む層である場合の第2Mn層8中のMn濃度は、後述の熱処理を行った際の第1Mn層7および第2Mn層8からのMnの拡散によって、熱処理後のKNN膜3中のMn濃度を0.2at%以上2.0at%以下の範囲内にすることができる濃度にそれぞれ調整されている。
そして、第2Mn層8上に、例えばスパッタリング法により上部電極膜4を製膜する。上部電極膜4を製膜する際の条件は、上述の下部電極膜2を製膜する際の条件と同様の条件とすることができる。これにより、図4に示すように、基板1、下部電極膜2、第1Mn層7、Mn非含有KNN膜3A、第2Mn層8、および上部電極膜4を有する積層体12が得られる。
その後、積層体12に対して所定の条件下で熱処理を行う。これにより、第1Mn層7および第2Mn層8中のMnがMn非含有KNN膜3Aへと拡散する。その結果、Mn非含有KNN膜3Aが、Mnを所定濃度で含む膜であって、結晶粒界にMnが存在するとともに結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3となる。
熱処理条件としては、下記の条件が例示される。
アニール温度(積層体の温度):600℃以上、好ましくは600℃以上800℃以下、より好ましくは650℃以上750℃以下
アニール時間:0.5時間以上12時間以下、好ましくは1時間以上6時間以下、より好ましくは2時間以上3時間以下
アニール雰囲気:大気又は窒素雰囲気
熱処理を行って、第1Mn層7および第2Mn層8中のMnがMn非含有KNN膜3Aへと拡散することで、第1Mn層7および第2Mn層8はほぼ消失する。その結果、基板1、下部電極膜2、KNN膜3、および上部電極膜4を有する圧電積層体10(図1参照)であって、Mnを含み、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3を有する圧電積層体10が得られる。なお、熱処理を行うことで、第1Mn層7および第2Mn層8は消失することが好ましいが、第1Mn層7および第2Mn層8は残っていてもよい。
そして、この圧電積層体10をエッチング等により所定の形状に成形する(所定のパターンに微細加工を行う)ことで、図3に示すような圧電素子20が得られ、圧電素子20に電圧印加部11aまたは電圧検出部11bを接続することで、圧電デバイス30が得られる。エッチング方法としては、例えば、反応性イオンエッチング等のドライエッチング法、所定のエッチング液を使用するウェットエッチング法を用いることができる。
圧電積層体10をドライエッチングにより成形する場合、圧電積層体10(例えば上部電極膜4)上に、ドライエッチングに対するエッチングマスクとしてのフォトレジストパターンをフォトリソグラフィプロセス等により形成する。エッチングマスクとして、クロム(Cr)膜、ニッケル(Ni)膜、白金(Pt)膜、Ti膜等の貴金属膜(メタルマスク)をスパッタリング法により形成してもよい。そして、エッチングガスとしてハロゲン元素を含むガスを用いて圧電積層体10(上部電極膜4、KNN膜3等)に対してドライエッチングを行う。なお、ハロゲン元素には、塩素(Cl)、フッ素(F)等が含まれる。ハロゲン元素を含むガスとしては、BClガス、SiClガス、塩素(Cl)ガス、CFガス、Cガス等を用いることができる。
圧電積層体10をウェットエッチングにより成形する場合、圧電積層体10(例えば上部電極膜4)上に、ウェットエッチングに対するエッチングマスクとしての酸化シリコン(SiO)膜等を形成する。そして、例えばキレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液中に圧電積層体10を浸漬させ、圧電積層体10(上部電極膜4、KNN膜3等)に対してウェットエッチングを行う。なお、キレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液としては、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸と、アンモニア水と、過酸化水素水とを混合したエッチング液を用いることができる。
(4)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)KNN膜3の結晶粒界にMn(例えばMnの粒子)が存在しているとともに、KNN膜3の結晶粒界に存在するMnがKNN膜3を構成する結晶の母相に存在するMnよりも多いことで、圧電積層体10を加工することで作製される圧電素子20(圧電デバイス30)に電界を印加した際、KNN膜3の結晶粒界に存在する酸素欠損の移動を抑制することが可能となる。これにより、電極膜(下部電極膜2または上部電極膜4)に到達する酸素欠損を低減したり、酸素欠損が電極膜に到達するまでの時間を長くしたりすることが可能となる。これらの結果、KNN膜3の寿命を長くすることが可能となる。例えば、圧電積層体10の温度が200℃となるように加熱した状態で、上部電極膜4に対して300kV/cmの正又は負の電界を印加する高加速寿命試験(Highly Accelerated Life Test、略称:HALT)を行った際、少なくとも一方の電界(正又は負の電界)印加条件における電界印加開始からKNN膜3が絶縁破壊に至るまでの時間を7600秒以上とすることが可能となる。なお、本実施形態では、KNN膜3に流れるリーク電流密度が30mA/cmを超えた時点でKNN膜3が絶縁破壊に至ったとみなしている。
本願発明者等は、Mn含有量が0.5at%(wt%)であって、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3のサンプル1〜5のそれぞれについて、上記条件下でHALTを行った。サンプル1〜5は上述の実施形態に記載の条件範囲内の同一の条件で作製している。HALTの測定結果は、サンプル1:24334.3秒、サンプル2:16080.0秒、サンプル3:22045.7秒、サンプル4:15831.4秒、サンプル5:7602.9秒であった。これらのHALTの数値は、1サンプルにつき0.5mmφ内の7箇所で測定した値の平均である。
本願発明者等は、Mn含有量が1.0at%(wt%)であって、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3のサンプル6〜10のそれぞれについて、上記条件下でHALTを行った。サンプル6〜10は、Mnの含有量(例えば、第1Mn層および第2Mn層の厚さ、第1Mn層および第2Mn層中のMn濃度)を調整したこと以外は、上述のサンプル1〜5と同じ条件で作製している。HALTの測定結果は、サンプル6:30737.1秒、サンプル7:25465.7秒、サンプル8:9822.9秒、サンプル9:24274.3秒、サンプル10:36154.3秒であった。これらのHALTの数値は、上記HALTの数値は、1サンプルにつき0.5mmφ内の7箇所で測定した値の平均である。
また、本願発明者等は、Mn含有量が0.5at%であって、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも少ないKNN膜のサンプル11〜15のそれぞれについて、上記条件下でHALTを行った。なお、サンプル11〜15は、第1Mn層および第2Mn層を形成することなく、KNN膜中におけるMn含有量が0.5at%となるように、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、MnO粉末を混合させて焼成することにより作製したターゲット材を用いて、下部電極膜上にKNN膜を製膜し、KNN膜上に上部電極膜を製膜して、圧電積層体を作製した。また、サンプル11〜15では、上述の実施形態に記載の熱処理は行っていない。HALTの測定結果は、サンプル11:6171.4秒、サンプル12:5648.6秒、サンプル13:4705.7秒、サンプル14:5284.3秒、サンプル15:3428.6秒であった。これらのHALTの数値は、1サンプルにつき0.5mmφ内の7箇所で測定した値の平均である。
また、本願発明者等は、Mn含有量が1.0at%であって、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも少ないKNN膜のサンプル16〜20のそれぞれについて、上記条件下でHALTを行った。なお、サンプル16〜20は、MnO粉末の混合比率を変更したこと以外は、上述のサンプル11〜15と同じ条件で作製している。HALTの結果は、サンプル16:5220.0秒、サンプル17:4311.4秒、サンプル18:7491.4秒、サンプル19:4782.9秒、サンプル20:4050.0秒であった。これらのHALTの数値は、1サンプルにつき0.5mmφ内の7箇所で測定した値の平均である。
このように、本願発明者等は、Mn含有量が所定範囲内であっても、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも少ない場合、上記HALTの寿命が7600秒未満となることを確認した。
(b)KNN膜3の平均結晶粒径が従来のKNN膜の平均結晶粒径よりも大きい、例えば100nm以上であることで、KNN膜3の粒界密度を低くすることが可能となる。これにより、例えば、KNN膜3を構成する結晶の内部および結晶粒界に存在する酸素欠損(KNN膜3中の全酸素欠損)に対するKNN膜3の結晶粒界に存在する酸素欠損の比率(=結晶粒界に存在する酸素欠損/全酸素欠損)を低くすることが可能となる。その結果、圧電デバイス30に電界を印加した際に移動するKNN膜3中の酸素欠損を確実に減らすことができ、KNN膜3の寿命をさらに長くすることが可能となる。
(c)KNN膜3の結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多く、かつ、KNN膜3の平均結晶粒径が大きい(例えば100nm以上である)ことで、KNN膜3の寿命をさらに長くすることが可能となる。なお、KNN膜3の結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いことで、KNN膜3の平均結晶粒径が大きくなくても(例えば100nm未満である場合であっても)、少なくとも上述の(a)の効果、すなわち上述の酸素欠損移動抑制効果を得ることができる。
(d)KNN膜3がMnを例えば0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含むことで、結晶粒界に存在するMnによる酸素欠損移動抑制効果を得ながら、KNN膜3の比誘電率が過大となることを抑制し、比誘電率をセンサやアクチュエータ等の用途に好適な大きさにすることが可能となる。
(5)変形例
本実施形態は上述の態様に限定されず、以下のように変形することもできる。また、これらの変形例は任意に組み合わせることができる。なお、以下の変形例等の説明において「KNN膜3」という場合、Mnを含有するKNN膜を意味する場合、Mn非含有のKNN膜を意味する場合、これらの両方を意味する場合を含むものとする。
(変形例1)
第1Mn層7または第2Mn層8のうちの少なくともいずれかの層を設ければよい。この場合、熱処理後のKNN膜3のMn濃度が0.2at%以上2.0at%以下となるように、第1Mn層7または第2Mn層8中のMn濃度等を調整する。本変形例においても、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3を得ることができ、上述の実施形態と同様の効果が得られる。しかしながら、KNN膜3の厚さ方向にわたって均一にMnを拡散させる観点から、第1Mn層7および第2Mn層8の両方を設けることが好ましい。
(変形例2)
KNN膜3と上部電極膜4との間に密着層を設ける場合は、密着層を設ける前に、第2Mn層8を設けることが好ましい。第2Mn層8は、KNN膜3と密着層との間、つまりKNN膜3の上面と接するように設けることが好ましい。第2Mn層8を密着層と上部電極膜4との間に設けると、密着層によって、第2Mn層8からKNN膜3へのMnの拡散が阻害される場合があるからである。なお、KNN膜3と上部電極膜4との間に密着層を設ける際の条件は、上述の密着層6を設ける際の条件と同様の条件とすることができる。本変形例においても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例3)
KNN膜3を製膜する際、Mn粉末(又はMnO粉末等)を混合したターゲット材を用い、Mnが添加(ドープ)されたKNN膜(Mn含有KNN膜)を製膜してもよい。ターゲット材中におけるMn粉末(又はMnO粉末等)の混合比率は、第1Mn層7、第2Mn層8からMn含有KNN膜へと拡散されるMnを考慮し、熱処理後のKNN膜3中のMn濃度が0.2at%以上2.0at%以下となる比率とする。Mn含有KNN膜を製膜する際の条件は、上述の実施形態と同様の条件とすることができる。本変形例においても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例4)
圧電積層体10は、下部電極膜2を備えていなくてもよい。すなわち、圧電積層体10は、基板1と、基板1上に製膜され、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜(圧電膜)3と、KNN膜3上に製膜された上部電極膜4(電極膜4)と、を備えて構成されていてもよい。
本変形例にかかる圧電積層体10は、基板1上にMn非含有KNN膜3Aを製膜し、Mn非含有KNN膜3A上にMnを含む層又はMnからなる層、すなわち第2Mn層8を設け、第2Mn層8上に電極膜4を製膜して積層体12を作製し、この積層体12に対して熱処理を行うことで得ることができる。各膜(層)を製膜する(設ける)際の条件は、上述の実施形態で示した各膜(層)の条件と同様の条件とすることができる。第2Mn層8に加えて、あるいは第2Mn層8に代えて、基板1とKNN膜3(Mn非含有KNN膜3A)との間にMnを含む層(すなわち第1Mn層7)を設けてもよい。
図5に、本変形例にかかる圧電積層体10を用いて作製した圧電デバイス30の概略構成図を示す。圧電デバイス30は、圧電積層体10を所定の形状に成形して得られる圧電素子20と、圧電素子20に接続される電圧印加部11aおよび電圧検出部11bと、を少なくとも備えて構成されている。本変形例では、圧電素子20は、電極膜4を所定のパターンに成形することで形成されたパターン電極を有している。例えば、圧電素子20は、入力側の正負一対のパターン電極4pと、出力側の正負一対のパターン電極4pと、を有している。パターン電極4p,4pとしては、くし型電極(Inter Digital Transducer、略称:IDT)が例示される。
電圧印加部11aをパターン電極4p間に接続し、電圧検出部11bをパターン電極4p間に接続することで、圧電デバイス30を表面弾性波(Surface Acoustic Wave、略称:SAW)フィルタ等のフィルタデバイスとして機能させることができる。電圧印加部11aによりパターン電極4p間に電圧を印加することで、KNN膜3の表面にSAWを励起させることができる。励起させるSAWの周波数の調整は、例えばパターン電極4pのパターンピッチを調整することで行うことができる。例えば、パターン電極4pとしてのIDTのピッチが短くなるほど、SAWの周波数は高くなり、上記ピッチが長くなるほど、SAWの周波数は低くなる。電圧印加部11aにより励起され、KNN膜3を伝搬してパターン電極4pに到達したSAWのうち、パターン電極4pとしてのIDTのピッチ等に応じて定まる所定の周波数(周波数成分)を有するSAWにより、パターン電極4p間に電圧が発生する。この電圧を電圧検出部11bによって検出することで、励起させたSAWのうち所定の周波数を有するSAWを抽出することができる。なお、ここでいう「所定の周波数」という用語は、所定の周波数だけでなく、中心周波数が所定の周波数である所定の周波数帯域を含み得る。
本変形例においても、KNN膜3において、その結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いことから、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例5)
下部電極膜2とKNN膜3との間に、KNN膜3を構成する結晶の配向を制御する配向制御層を設けてもよい。第1Mn層7を設ける場合は、下部電極膜2と第1Mn層7との間に配向制御層を設けることが好ましい。また、変形例4に記載のように下部電極膜2を設けない場合は、基板1とKNN膜3との間(第1Mn層7を設ける場合は基板1と第1Mn層7との間)に配向制御層を設けることが好ましい。配向制御層は、例えば、SRO、LNO、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、略称:STO)等の金属酸化物であって、下部電極膜2を構成する材料とは異なる材料を用いて形成することができる。配向制御層を構成する結晶は、基板1の表面に対して(100)面に優先配向していることが好ましい。
(変形例6)
上述の実施形態や変形例では、第1Mn層7、第2Mn層8を設け、熱処理を行うことで、Mn非含有KNN膜3A(KNN膜3)へMnを拡散させる場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、上述の実施形態や変形例に限定されない。例えば、第1Mn層7および第2Mn層8を設ける代わりに、あるいは、第1Mn層7および第2Mn層8のうち少なくともいずれかの層を設けることに加え、下部電極膜2および上部電極膜4(電極膜4)のうち少なくともいずれかの膜にMnを含ませてもよい。このとき、下部電極膜2の上面(KNN膜3と接する面)に近い側、好ましくは下部電極膜2の最上面にMnを含ませ、また上部電極膜4の下面(KNN膜3と接する面)に近い側、好ましくは上部電極膜4の最下面にMnを含ませることが好ましい。下部電極膜2および上部電極膜4に含ませるMn濃度は、熱処理後のKNN膜3のMn濃度を例えば0.2at%以上2.0at%以下とすることができる濃度とする。なお、本変形例において上部電極膜4にMnを含ませる場合、KNN膜3と上部電極膜4との間に密着層を設けないことが好ましい。上述したように、密着層によってKNN膜3へのMnの拡散が阻害される場合があるからである。その他の構成は、上述の実施形態や変形例と同様である。
本変形例においても、上述の実施形態と同様の熱処理を行うことで、下部電極膜2、上部電極膜4(電極膜4)中のMnをKNN膜3へと拡散させることができる。その結果、結晶粒界にMnが存在するKNN膜3を有する圧電積層体10を得ることができ、上述の実施形態および変形例と同様の効果が得られる。
(変形例7)
上述の実施形態や変形例では、第1Mn層7または第2Mn層8のうちの少なくともいずれかの層を設け、熱処理を行うことで、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3を作製する場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、上述の実施形態や変形例に限定されない。例えば、上述の第1Mn層7および第2Mn層8のいずれの層も設けることなく、以下に説明する製法で上述の圧電積層体10を作製することもできる。
まず、基板1が有する下部電極膜2上にMnが添加(ドープ)されたKNN膜3を製膜する。MnがドープされたKNN膜3を製膜する手法、条件は、上述の実施形態や変形例3に記載の手法、条件と同様とすることができる。その後、KNN膜3上に上部電極膜4を製膜する。密着層6、下部電極膜2、上部電極膜4を製膜する(設ける)際の条件は、上述の実施形態と同様の条件とすることができる。これにより、積層体12が得られる。その後、積層体12に対して所定の条件下で熱処理を行う。熱処理条件は、上述の実施形態と同様の条件とすることができる。熱処理を行った後、積層体12の温度が400℃になるまで20分以上かけて積層体12を冷却する。その後、積層体12の温度が室温(25℃)程度となるまで積層体12を冷却する。このように積層体12を冷却することで、結晶粒界に存在するMnが母相に存在するMnよりも多いKNN膜3を有する圧電積層体10が得られる。本変形例にかかる方法で作製した圧電積層体10も、上述の実施形態等と同様の効果が得られる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。但し、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、KNN膜3がMnを含み、KNN膜3を構成する結晶の粒界に存在するMnが結晶の母相に存在するMnよりも多い場合について説明したが、これに限定されない。例えば、KNN膜3がMnおよび銅(Cu)を含み、KNN膜3を構成する結晶の粒界に存在するMnおよびCu(例えば結晶粒界に存在するMnおよびCuの合計粒子数)が結晶の母相に存在するMnおよびCu(例えば母相に存在するMnおよびCuの合計粒子数)よりも多くなっていてもよい。この場合、KNN膜3は、CuおよびMnの合計濃度が例えば0.2at%以上2.0at%以下の範囲内の濃度となるように、CuおよびMnを含むことが好ましい。この場合であっても、上述の実施形態等と同様の効果が得られる。
また例えば、KNN膜3は、Mnに加えて、あるいはMnに変えて、Mnと同等の効果を奏する他の金属元素を、上述の酸素欠損移動抑制効果を得つつ、KNN膜3の比誘電率を適正な大きさとすることができる濃度で含んでいてもよい。この場合であっても、上述の実施形態および変形例と同様の効果が得られる。
また例えば、上述の圧電積層体10を圧電素子20に成形する際、圧電積層体10(圧電素子20)を用いて作製した圧電デバイス30をセンサまたはアクチュエータ等の所望の用途に適用することができる限り、圧電積層体10から基板1を除去してもよい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜であり、
Mnを含み、
結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電膜が提供される。
(付記2)
付記1の圧電膜であって、好ましくは、
200℃の温度下で前記圧電膜上に設けられた電極膜に対して300kV/cmの正又は負の電界を印加した際、少なくとも一方の電界印加条件における電界印加開始からリーク電流密度が30mA/cmを超えるまでの時間が7600秒以上である。
(付記3)
付記1または2の圧電膜であって、好ましくは、
平均粒径が100nm以上である結晶粒で構成されている。
(付記4)
付記1〜3のいずれかの圧電膜であって、好ましくは、
Mnの含有量が、前記多結晶膜中のニオブの量に対して0.2at%以上2.0at%以下の範囲内である。
(付記5)
本発明の一態様によれば、
基板と、
電極膜と、
ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜と、を備え、
前記圧電膜はマンガン(Mn)を含み、
前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電積層体が提供される。
(付記6)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜され、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜と、
前記圧電膜上に製膜された電極膜と、を備え、
前記圧電膜はMnを含み、
前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電素子または圧電デバイスが提供される。
(付記7)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜された下部電極膜と、
前記下部電極膜上に製膜され、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜と、
前記圧電膜上に製膜された上部電極膜と、を備え、
前記圧電膜はMnを含み、
前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電素子または圧電デバイスが提供される。
(付記8)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板上に、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜を製膜する工程と、
前記圧電膜上にMnを含む層又はMnからなる層を設ける工程と、
前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層上に電極膜を製膜する工程と、
前記基板と前記圧電膜と前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層と前記電極膜とを備える積層体に対して熱処理を行う工程と、を有し、
前記熱処理を行う工程を実施することで、前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層中のMnを前記圧電膜へと拡散させ、前記圧電膜を、Mnを含むとともに前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い膜とする圧電積層体の製造方法が提供される。
(付記9)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板上に下部電極膜を製膜する工程と、
前記下部電極膜上に、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜を製膜する工程と、
前記圧電膜上に上部電極膜を製膜する工程と、
前記基板と前記下部電極膜と前記圧電膜と前記上部電極膜とを備える積層体に対して熱処理を行う工程と、を有し、
前記圧電膜を製膜する工程を行う前に、前記圧電膜の下面と接するようにMnを含む層を設ける工程か、又は、前記圧電膜を製膜する工程を行った後に、前記圧電膜の上面と接するようにMnを含む層又はMnからなる層を設ける工程の少なくともいずれかを行い、
前記熱処理を行う工程を実施することで、前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層中のMnを前記圧電膜へと拡散させ、前記圧電膜を、Mnを含むとともに前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い膜とする圧電積層体の製造方法が提供される。
(付記10)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板上に、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜を製膜する工程と、
前記圧電膜上に、Mnを含む電極膜を製膜する工程と、
前記基板と前記圧電膜と前記電極膜とを備える積層体に対して熱処理を行う工程と、を有し、
前記熱処理を行う工程を実施することで、前記電極膜中のMnを前記圧電膜へと拡散させ、前記圧電膜を、Mnを含むとともに前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い膜とする圧電積層体の製造方法が提供される。
(付記11)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板上に下部電極膜を製膜する工程と、
前記下部電極膜上に、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜を製膜する工程と、
前記圧電膜上に上部電極膜を製膜する工程と、
前記基板と前記下部電極膜と前記圧電膜と前記上部電極膜とを備える積層体に対して熱処理を行う工程と、を有し、
前記下部電極膜を製膜する工程で前記下部電極膜にMnを含ませるか、又は、前記上部電極膜を製膜する工程で前記上部電極膜にMnを含ませ、
前記熱処理を行う工程を実施することで、前記下部電極膜または前記上部電極膜中のMnを前記圧電膜へと拡散させ、前記圧電膜を、Mnを含むとともに前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い膜とする圧電積層体の製造方法が提供される。
(付記12)
付記11の方法であって、好ましくは、
前記下部電極膜を製膜する工程では、前記下部電極膜の上面に近い側にMnを含ませ、かつ、前記上部電極膜を製膜する工程では、前記上部電極膜の下面に近い側にMnを含ませる。
1 基板
3 圧電膜
10 圧電積層体

Claims (7)

  1. ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜であり、
    Mnを含み、
    結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電膜。
  2. 200℃の温度下で、前記圧電膜上に設けられた電極膜に対して300kV/cmの正又は負の電界を印加した際、少なくとも一方の電界印加条件における電界印加開始からリーク電流密度が30mA/cmを超えるまでの時間が7600秒以上である請求項1に記載の圧電膜。
  3. 平均粒径が100nm以上である結晶粒で構成されている請求項1または2に記載の圧電膜。
  4. Mnの含有量が、前記多結晶膜中のニオブの量に対して0.2at%以上2.0at%以下の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電膜。
  5. 基板と、
    電極膜と、
    ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜と、を備え、
    前記圧電膜はMnを含み、
    前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電積層体。
  6. 基板と、
    前記基板上に製膜され、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜と、
    前記圧電膜上に製膜された電極膜と、を備え、
    前記圧電膜はMnを含み、
    前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い圧電素子。
  7. 基板上に、ニオブ酸カリウムナトリウムからなる多結晶膜である圧電膜を製膜する工程と、
    前記圧電膜上にMnを含む層又はMnからなる層を設ける工程と、
    前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層上に電極膜を製膜する工程と、
    前記基板と前記圧電膜と前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層と前記電極膜とを備える積層体に対して熱処理を行う工程と、を有し、
    前記熱処理を行う工程を実施することで、前記Mnを含む層又は前記Mnからなる層中のMnを前記圧電膜へと拡散させ、前記圧電膜を、Mnを含むとともに前記圧電膜を構成する結晶の粒界に存在するMnが前記結晶の母相に存在するMnよりも多い膜とする圧電積層体の製造方法。
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