JP2002323567A - Ect装置 - Google Patents

Ect装置

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JP2002323567A
JP2002323567A JP2001129536A JP2001129536A JP2002323567A JP 2002323567 A JP2002323567 A JP 2002323567A JP 2001129536 A JP2001129536 A JP 2001129536A JP 2001129536 A JP2001129536 A JP 2001129536A JP 2002323567 A JP2002323567 A JP 2002323567A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 関心領域のエッジを保存した状態でノイズを
除去するECT装置を提供する。 【解決手段】 放射性同位元素を被検体に投与したエミ
ッション・スキャンを吸収補正するにあたり、トランス
ミッション・スキャンにより得られた吸収係数画像に対
し画素ごとにノイズ分布範囲をノイズ分布推定部5bで
予め決めるとともに、この求められたノイズ分布範囲を
画素間距離に関してノイズ除去処理を行う第1フィルタ
5d1へ反映させる。そして、第1フィルタ5d1の画素
ごとの画素間距離と、第2フィルタ5d2の画素ごとの
画素値とに対するノイズ除去処理を同時に実行すること
によって、関心領域のエッジを保存した状態でノイズを
除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療分野の核医
学に用いられるECT(Emission Computed Tomograph
y)装置に係り、特に、放射性同位元素(RI)を投与
された被検体から放射されるγ線を検出して得られた投
影像からノイズを除去した吸収補正画像を再構成出力す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、吸収係数画像か
らノイズを除去するために次のようなフィルタ手段を備
えている。
【0003】例えば、従来のフィルタ手段の一実施形態
として、検出された吸収画像情報を単純平滑化によって
ノイズ除去するフィルタ手段を備えている。この手段
は、被検体の体軸周りから複数の投影角度で検出した吸
収係数画像情報に基づいて作成されたサイノグラムを、
断層ごとに補正テーブルを用いて画素間の距離に応じて
重み付けを行って加算積分処理をし、ノイズ除去処理を
行うものである。
【0004】また、他の実施形態のフィルタ手段とし
て、セグメント法を利用したものがある。つまり、得ら
れた吸収係数画像情報における画素ごとの画素値をヒス
トグラムによって表し、このヒストグラムから人的経験
則、もしくは画素値の分布度合いに応じてしきい値を設
定し、このしきい値で分割した領域ごとにセグメント
(所定の吸収画像係数を割り振る)処理を施してノイズ
の除去を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、単純平滑化によるフィルタ手段では、
サイノグラムごとに画素間距離を一律に平滑化してしま
うため、分解能のミスマッチが起こってしまう。例え
ば、心臓の吸収係数画像を得る場合、心臓部分は吸収係
数が大きいので、本来図5の破線Gで示すように、心筋
部分のエッジ部分E1およびE2が強調された吸収係数
画像情報が得られなければならない。しかし、単純平滑
化処理が施されてしまうと、画素値レベルにバイアスが
生じ、実線Hで示すように、E1およびE2の部分のエ
ッジが埋もれてしまうといった問題がある。
【0006】また、後述のセグメント法によるフィルタ
手段では、短時間のスキャンでγ線の検出カウントが少
ない場合、画素ごとの画素値をヒストグラム化すると、
画素値に極端な差が生じない。そのため、ヒストグラム
のしきい値の判別が困難になる。つまり、誤った吸収係
数値に変換される画素が生じ、定量性が損なわれるとい
った問題がある。
【0007】そこで、医療業界では、短時間撮影の吸収
係数画像情報からノイズを除去しても解剖学的境界であ
る関心領域のエッジを保った鮮明な吸収係数画像を得る
ことができるECT装置の実現が熱望されている。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、短時間撮影で検出されたカウントの
少ないγ線に基づいてノイズ除去を行うとともに、関心
領域のエッジが鮮明となる吸収係数画像を出力すること
ができるECT装置を提供することを主たる目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、放射性同位元素(RI)
を投与された被検体から放射されるγ線を検出し、光電
変換した電気信号を出力するγ線検出手段と、被検体の
ない状態のブランク・スキャンと、被検体のある状態の
トランスミッション・スキャンとから得られた吸収係数
画像情報を導出する画像情報導出手段と、この画像情報
導出手段から出力された吸収係数画像情報からノイズを
除去するフィルタ手段と、このフィルタ手段でノイズ除
去された吸収係数画像情報に基づいて被検体の吸収係数
画像を再構成する画像再構成手段とを備えたECT装置
において、前記フィルタ手段は、(a)画素ごとに近傍
画素との距離の差分に応じて重み付けパラメータを変え
ながらノイズ除去処理をする第1フィルタ手段と、
(b)画素ごとに近傍画素の画素値とを比較し、求めら
れた差分に基づいて重み付けパラメータを変えながらノ
イズ除去処理する第2フィルタ手段とを備えたものであ
る。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のECT装置において、(c)被検体のない状態
のブランク・スキャンと、被検体のある状態のトランス
ミッション・スキャンとから得られた吸収係数画像情報
とを比較し、画素ごとのノイズ分布範囲を推定するノイ
ズ分布推定手段を備え、このノイズ分布推定手段で推定
された画素ごとのノイズ分布範囲を、前記第1フィルタ
手段における画素ごとのノイズ除去処理の重み付けに利
用するものである。
【0011】〔作用〕請求項1に記載の発明の作用は次
のとおりである。すなわち、画像情報導出手段で導出さ
れた吸収係数画像情報に基づいて、第1フィルタ手段で
画素ごとに近傍画素との距離の差分に応じて重み付けパ
ラメータが変えられながらノイズ除去が行われるととも
に、第2フィルタ手段では画素ごとに近傍画素の画素値
とが比較され、求められた差分に応じて重み付けパラメ
ータが変えられながらノイズ除去が行われる。つまり、
第1および第2フィルタ手段を用いてノイズ除去処理を
施すことによって、関心領域のエッジ部分が保存され、
エッジの強調された吸収係数画像が画像再構成手段によ
って再構成される。
【0012】また、請求項2に記載の発明によれば、ブ
ランク・スキャンとトランスミッション・スキャンとか
ら得られた吸収係数画像情報に基づいて、ノイズ分布推
定部から、画素ごとのノイズの分布が求められる。そし
て、この求められた画素ごとのノイズ分布は、第2フィ
ルタ手段で画素ごとに重み付けを行う場合の重み付けパ
ラメータに利用される。
【0013】つまり、画素ごとに異なったノイズ分布範
囲でノイズ除去処理が行われるので、γ線の吸収率の高
いところ、つまり、ノイズの多いところでは重み付けを
行う範囲を狭く選択してノイズ除去が行われ、ノイズの
少ない領域では、重み付けの範囲が広く選択されてノイ
ズ除去が行われる。そうすることで、ノイズ分布の多少
に関わらず平滑化され、領域との境界が鮮明となった吸
収係数画像情報が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施形態を説明する。なお、この実施例では、ECT
装置として、PET(ポジトロン・エミッション・トモ
グラフィ)装置を例に採って説明する。図1はPET装
置の全体構成を示すブロック図である。
【0015】この実施例のPET装置は、図1に示すよ
うに、放射性同位元素(RI)が投与された被検体Mか
ら放射されるγ線を入射して光を生じる複数個のシンチ
レータブロック1が近接配置されているとともに、シン
チレータブロック1から放出される光を受光して光電変
換信号で出力する複数個のフォトマルチプライヤ2がシ
ンチレータブロック1のγ線入射面の反対面側に配置さ
れているγ線検出器3と、フォトマルチプライヤ2から
出力される光電変換された電気信号に基づいて各シンチ
レータブロック1のγ線入射位置(画素)や、画素値を
含む吸収係数画像情報を導出して出力する画像情報導出
部4と、画像情報導出部4からの導出された吸収係数画
像情報に基づいてノイズ除去および画像再構成処理を実
行して被検体Mにおける関心部位のRI分布CT像(R
I分布コンピュータ断層画像)を作成するデータ処理部
5と、作成されたRI分布CT像などを表示するモニタ
6とを備えている。なお、図示しないが、ブランク・ス
キャンとトランスミッション・スキャンを実行するとき
には被検体Mの代わりに線源が用いられる。以下、この
実施例装置の各部の構成を具体的に説明する。
【0016】γ線検出器3では、各シンチレータブロッ
ク1のγ線入射面の反対面側にフォトマルチプライヤ2
が配置されており、シンチレータブロック1およびフォ
トマルチプライヤ2が被検体Mの体軸周りを取り囲むよ
うにしてリング状に配置されている。なお、γ線検出器
3は、この発明のγ線検出手段に相当する。
【0017】また、シンチレータブロック1が被検体M
を挟んで対向配置されており、ポジトロン放出型のRI
のポジトロンの消滅により生じて反対方向に進む二つの
(消滅)γ線が対向配置の関係にある二つのシンチレー
タブロック1へそれぞれ入射し、同時に検出される構成
となっている。
【0018】つまり、画像情報導出部4では、シンチレ
ータブロック1の位置と検出タイミングをチェックし、
γ線検出器3において被検体Mを挟んで対向配置の関係
にある二つのシンチレータブロック1で同時にγ線が検
出された時のγ線入射位置データのみを適正なデータと
してデータ処理部5に送る。このとき、二つのシンチレ
ータブロック1の一方だけでγ線が検出された時は、ポ
ジトロンの消滅により生じたγ線ではなくノイズとして
扱われるので、データ処理部に送られずに棄却される構
成となっている。なお、画像情報導出部4は、この発明
の画像情報導出手段に相当する。
【0019】その結果、この実施例のPET装置によれ
ば、RIとしてポジトロン放出型のRIを被検体Mに投
与してRI分布CT像を作成することができる。
【0020】PET装置の場合、通常、撮影中、天板7
が天板駆動部8の動きに従って被検体Mを載せたまま被
検体Mの体軸Zと平行な方向に移動することにより、被
検体Mにおける撮影断面(スライス面)が変化(走査)
する構成となっている。
【0021】なお、γ線検出器3は、撮影中、シンチレ
ータブロック1およびフォトマルチプライヤ2が被検体
Mの周りを回転しながらγ線を検出する回転型でもよい
し、シンチレータブロック1およびフォトマルチプライ
ヤ2が静止したままでγ線を検出する静止型でもよい。
【0022】また、この実施例装置におけるγ線検出器
3、画像情報導出部4、データ処理部部5、モニタ6、
天板駆動部8などの連携動作の制御は、操作卓9の入力
操作や撮影の進行に伴ってコントローラ10から適時に
出力される指令信号に従って行われる構成となってい
る。
【0023】γ線検出器3におけるシンチレータブロッ
ク1の具体的な配置としては、例えば、被検体Mの体軸
Zと平行な方向にはシンチレータブロック1が2個並
び、被検体Mの体軸Zを巡る方向にはシンチレータブロ
ック1が多数個並ぶ配置形態が例示される。なお、シン
チレータの配置は、上記配置形態に限定されるものでは
ない。また、シンチレータブロック1とフォトマルチプ
ライヤ2の間に光拡散用のライトガイド11が介設され
ている構成であってもよい。
【0024】なお、実施例装置のγ線検出器3の場合、
被検体Mの体軸Zを巡る方向にリング状に続くクリスタ
ルピース1Pのラインが、ひとつのスライス断面に対応
している。
【0025】次に、この実施例装置の特徴的な構成を有
するデータ処理部5について詳述する。データ処理部5
は、上述の画像情報導出部4で導出された吸収係数画像
情報を蓄積するメモリ5aと、吸収係数画像情報に基づ
いて画素ごとのノイズの分布範囲を推定するノイズ分布
推定部5bと、このノイズ分布推定部5bで求められた
画素ごとノイズ分布範囲の情報を蓄積するノイズ分布情
報蓄積部5cと、このノイズ分布情報蓄積部5cに蓄積
された画素ごとのノイズ分布に基づいた重み付けで画素
ごとにノイズ除去処理を施すフィルタ部5dと、このフ
ィルタ部5dでノイズが除去された吸収係数画像情報に
基づいてRI分布CT像を構成する画像再構成部5eと
から構成されている。
【0026】メモリ5aは、線源を用いた状態でのブラ
ンク・スキャン、RIを被検体に投与しない状態でのト
ランスミッション・スキャン、RIを被検体に投与した
状態でのエミッション・スキャンのそれぞれを実行した
ときに、画像情報導出部4で導出されたそれぞれのγ線
の入射位置と、これら入射位置に基づく画素ごとの画素
値とからなる吸収係数画像情報が蓄積されている。
【0027】ノイズ分布推定部5bは、メモリ5aに蓄
積された吸収係数画像情報を参照し、画素ごとにノイズ
分散の多い領域と、ノイズ分散の少ない領域との分布を
区分して範囲付けるためのものである。この実施例の場
合、ブランク・スキャンとトランスミッション・スキャ
ンによるサイノグラムとを比較し、被検体に吸収される
γ線の吸収率に応じて分布が区分されるようになってい
る。なお、このノイズ分布推定部5bは、この発明のノ
イズ分布推定手段に相当する。
【0028】例えば、画素ごとのノイズ分布範囲var
(p)は、吸収係数0(ゼロ)の領域と所定の領域とを
比較して決められるノイズの分布範囲としてのスケール
ファクタCと、逆投影法を利用し、検出器から時系列に
複数の投影角度から検出されたそれぞれのサイノグラム
を加算積分して求めた値の積から求まる。すなわち、次
式(1)より画素ごとのノイズ分布範囲var(p)を
知ることができる。
【0029】
【数1】
【0030】但し、filterはカーネル、ζはxcosθ+
ysinθ、Nはトランスミッション・スキャン時の入射
光数、s(ξ、θ)はサイノグラムである。
【0031】次に、ノイズ分布情報蓄積部5cは、ノイ
ズ分布推定部5bで求められた画素ごとのノイズ分布範
囲の情報が蓄積されるようになっている。
【0032】フィルタ部5dは、メモリに蓄積された吸
収係数画像情報から画素ごとにその近傍画素の画素間距
離との差分を求め、その差分に基づいてノイズ除去処理
を行う第1フィルタ5d1と、画素ごとに近傍画素の画
素値とを比較し、その差分に基づいてノイズ除去処理を
行う第2フィルタ5d2とを備えている。
【0033】例えば、図2に示すように、特定の画素p
についてノイズ除去処理を行う場合、画素pから画素q
に対し、画素pから各画素までの距離の差分を求める。
求まった差分が大きければ重み付けパラメータgを小さ
くし、逆に、差分が小さければ重み付けパラメータgを
大きくするようになっている。そして、全ての画素につ
いての加算積分処理を第1フィルタ5d1で行うように
なっている。
【0034】同時に、第2フィルタ5d2では、画素p
の画素値f(p)においても画素値f(q)を有する画
素qの画素値に対し、画素pの画素値f(p)との差分
を求める。求められた差分が大きければ重み付けパラメ
ータhを小さくし、逆に差分が小さければ重み付けパラ
メータhを大きくするようになっている。そして、全て
の近傍画素の画素値を加算積分処理するようになってい
る。
【0035】そして、第1フィルタ5d1と第2フィル
タ5d2の演算処理の積によって画素pから絶対値画素
qまでのノイズ除去処理が行われるようになっている。
すなわち、ノイズ除去処理によって得られる吸収係数画
像の画素値f(p)は、非線形平滑化フィルタである次式
(2)で表すことができる。
【0036】
【数2】
【0037】但し、gは画素間の距離に関する重み付け
パラメータ、hは画素値の差に関する重み付けのパラメ
ータであり、φgは画素の分布関数であって例えばφg
exp(−t2/2g2)、φhは画素値の分布関数であ
って例えばφh=exp(−t 2/2h2)で表される。
【0038】上述の式(2)の関係は、図2(a)に示
す重み付けパラメータgおよびhによって決まる画素間
距離に依存する重み付けAと、図2(b)に示す画素値
の差に依存する重み付けBとの積で与えられる重み付け
でノイズ除去処理が行われることを意味する。つまり、
画素間距離、画素値の両方を参照してノイズ除去処理を
することによって、解剖学的境界である関心領域のエッ
ジを明確に保つことができるようになっている。このと
き、重み付けパラメータhは、上述のノイズ分布推定部
5bで求めたノイズ分布に応じて決めることができる。
【0039】画像再構成部5eは、フィルタ部5dでノ
イズ除去処理された各画素の画素値に基づいて吸収補正
されたRI分布CT像を再構成するようになっている。
【0040】なお、この発明者は、従来の単純平滑化に
よるノイズ除去方法と、上述の実施例装置を模したシミ
ュレーションを利用して比較実験を行った。
【0041】このとき、γ線検出器で検出されたそれぞ
れのγ線のカウントは、4分間の場合は4個で、20分
間の場合は32個であった。先ず、それぞれのカウント
に基づいて従来手法の単純平滑化によるノイズ除去処理
を行い、さらに画像再構成処理を行った。その結果、γ
線のカウントが4個の場合、図3(a)に示すように、
ノイズが多数残存した不鮮明な再構成画像が出力され
た。他方カウントが32個の場合、図3(b)に示すよ
うに、画像からノイズが除去され、関心領域のエッジが
鮮明な再構成画像が出力された。
【0042】次に、この実施例装置を利用し、γ線のカ
ウントが4個の場合を用いてノイズ除去処理および画像
再構成処理を行ったところ、図3(c)に示す結果が得
られた。この結果からも明らかなように、従来手法のγ
線のカウントが32個の場合でノイズ除去処理を行った
ときと同じレベルの再構成画像が出力された。
【0043】すなわち、この発明者は、この実施例装置
を利用することによって、関心領域のエッジを保持した
吸収係数画像が得られるだけでなく、撮影時間(スキャ
ン)が短くても、長時間撮影により得られた吸収係数画
像情報に基づいて、ノイズ除去処理を行った場合と同じ
レベルの吸収係数画像を再構成することができることを
確認している。
【0044】次に、上述の構成を有する実施例装置の一
巡の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。 <ステップS1> ブランク・スキャンの実行 先ず、被検体の関心領域のγ線吸収率を求めるための初
期準備として、外部線源を用いたブランク・スキャンを
実行する。
【0045】 <ステップS2> トランスミッション・スキャンの実行 被検体を天板に載置し、放射性同位元素を被検体に投与
しない状態で外部線源トランスミッション・スキャンを
実行する。
【0046】<ステップS3> ノイズ分布推定 ブランク・スキャンとトランスミッション・スキャンと
から得られた吸収係数画像情報に基づいて吸収係数画像
を再構成するときの逆投影法によるフィルタ演算式を利
用し、画素ごとのノイズ分布範囲を推定する。この推定
で、画素ごとの重み付けを行う範囲が決められる。つま
り、放射性同位元素を被検体に投与してエミッション・
スキャンを実行したときにノイズ除去処理をするフィル
タが決定され、ノイズ分布情報としてノイズ分布情報蓄
積部5cに蓄積される。
【0047】<ステップS4> 吸収係数画像の再構成 吸収係数画像の再構成を行い、終了すれば次のステップ
S5に進む。
【0048】<ステップS5> ノイズ除去処理 得られた吸収係数画像情報は、一旦メモリ5aに蓄積さ
れるとともに、予めノイズ分布情報蓄積部5cに蓄積さ
れたノイズ分布が画素ごとに割り振られる。そして、そ
れぞれの画素について画素間の距離の差分に関する重み
付けパラメータhと、画素値の差分に関する重み付けパ
ラメータgとを逐次変えながら画素ごとにノイズ除去処
理を施す。そして、このノイズ除去処理が施された画素
値にもとづいて画像再構成部5eで吸収補正されたRI
分布CT像が再構成される。
【0049】<ステップS6> 画像の出力表示 再構成されたRI分布CT像は、任意にモニタ6へ出力
表示する。
【0050】この発明は、上記実施例の形態に限られる
ものではなく、下記のように変形実施することができ
る。 (1)上記実施例では、リング型のPET装置について
説明したが、この発明のECT装置は、リング型に限定
されず、非リング型の装置であってもよいし、RIがポ
ジトロン放出型でない通常のシングルフォトン型のRI
を用いるSPECT装置であってもよい。また、トラン
スミッションとエミッションを同時にスキャンする装置
であってもよい。
【0051】(2)上述の実施例では、ガウス形のノイ
ズ除去処理を行っているが、ガウス形に限定されるもの
ではない。
【0052】(3)上述の実施例のフローチャートで
は、エミッション・スキャンによって得られた吸収係数
画像情報を、一旦メモリ5aに蓄積した後にノイズ除去
処理を一括で行っているが、得られた吸収係数画像情報
から逐次ノイズ除去処理を行うようにしてもよい。
【0053】(4)上述のフィルタ処理は、2次元に限
定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、第1フィルタ手段で画素ごと
に近傍画素との距離の差分を、第2フィルタで画素ごと
に近傍画素との画素値との差分をそれぞれ求め、これら
の差分に基づいて重み付けパラメータをそれぞれ変えな
がらノイズ除去処理を施すことによって、人体解剖学的
境界である関心領域のエッジが保存されたままの状態で
ノイズが除去される。つまり、関心領域のエッジが強調
された鮮明な吸収係数画像を再構成出力することができ
る。
【0055】また、請求項2に記載の発明によれば、ノ
イズ分布推定手段で得られた画素ごとのノイズ分布範囲
を第1フィルタ手段でノイズ除去処理する範囲に割り当
てることによって、ノイズの取りこぼしが抑制されると
ともに、広い範囲で一律にノイズ除去が行われないの
で、関心領域のエッジを確実に保持することができる。
【0056】また、画素ごとに所定ノイズ分布範囲を参
照してノイズ除去処理することによって、短時間の撮影
よってγ線検出手段でカウントされた少ないγ線を利用
した場合であっても、関心領域のエッジが強調されると
ともに、画像全体からノイズが除去され鮮明な吸収係数
画像情報を再構成出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るPET装置の全体構成
を示すブロック図である。
【図2】この実施例装置により特定の画素からノイズ除
去処理を実行するときの重み付け模式図であって、
(a)は画素間距離に依存する重み付けの模式図、
(b)は画素値に依存する重み付けの模式図である。
【図3】実験により得られた胸部のRI分布CT像を示
す図であって、(a)はγ線のカウントが4個の場合を
用いて従来法によりノイズ除去処理を行った図、(b)
はγ線のカウントが32個の場合を用いて従来法により
ノイズ除去処理を行った図、(c)はγ線のカウントが
4個の場合を用いて、この実施例装置のシミュレーショ
ンによりノイズ除去処理を行った図である。
【図4】実施例装置の一巡の動作を示したフローチャー
トである。
【図5】従来手法によってノイズ除去処理を施すときの
画素値のプロファイルと、理想的な画素値のプロファイ
ルとを比較した図である。
【符号の説明】
3 … γ線検出器 4 … 画像情報導出部 5 … データ処理部 5a … メモリ 5b … ノイズ分布推定部 5c … ノイズ分布情報蓄積部 5d1 … 第1フィルタ 5d2 … 第2フィルタ 5e … 画像再構成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G088 EE02 FF04 FF07 GG20 JJ02 KK33 LL08 LL11 LL12 5B057 AA08 BA03 CA02 CA08 CA12 CA16 CB02 CB08 CB12 CB16 CE02 CE06 DA20 DB02 DB09 DC23 DC32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性同位元素(RI)を投与された被
    検体から放射されるγ線を検出し、光電変換した電気信
    号を出力するγ線検出手段と、被検体のない状態のブラ
    ンク・スキャンと、被検体のある状態のトランスミッシ
    ョン・スキャンとから得られた吸収係数画像情報を導出
    する画像情報導出手段と、この画像情報導出手段から出
    力された吸収係数画像情報からノイズを除去するフィル
    タ手段と、このフィルタ手段でノイズ除去された吸収係
    数画像情報に基づいて被検体の吸収係数画像を再構成す
    る画像再構成手段とを備えたECT装置において、前記
    フィルタ手段は、(a)画素ごとに近傍画素との距離の
    差分に応じて重み付けパラメータを変えながらノイズ除
    去処理をする第1フィルタ手段と、(b)画素ごとに近
    傍画素の画素値とを比較し、求められた差分に基づいて
    重み付けパラメータを変えながらノイズ除去処理する第
    2フィルタ手段とを備えたことを特徴とするECT装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のECT装置において、
    (c)被検体のない状態のブランク・スキャンと、被検
    体のある状態のトランスミッション・スキャンとから得
    られた吸収係数画像情報とを比較し、画素ごとのノイズ
    分布範囲を推定するノイズ分布推定手段を備え、このノ
    イズ分布推定手段で推定された画素ごとのノイズ分布範
    囲を、前記第1フィルタ手段における画素ごとのノイズ
    除去処理の重み付けに利用することを特徴とするECT
    装置。
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