JP3726700B2 - Ect装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、医療分野の核医学に用いられるECT(Emission Computed Tomography)装置に係り、特に、放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出して得られた投影像からノイズを除去した吸収補正画像を再構成出力する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置は、吸収係数画像からノイズを除去するために次のようなフィルタ手段を備えている。
【0003】
例えば、従来のフィルタ手段の一実施形態として、検出された吸収画像情報を単純平滑化によってノイズ除去するフィルタ手段を備えている。この手段は、被検体の体軸周りから複数の投影角度で検出した吸収係数画像情報に基づいて作成されたサイノグラムを、断層ごとに補正テーブルを用いて画素間の距離に応じて重み付けを行って加算積分処理をし、ノイズ除去処理を行うものである。
【0004】
また、他の実施形態のフィルタ手段として、セグメント法を利用したものがある。つまり、得られた吸収係数画像情報における画素ごとの画素値をヒストグラムによって表し、このヒストグラムから人的経験則、もしくは画素値の分布度合いに応じてしきい値を設定し、このしきい値で分割した領域ごとにセグメント(所定の吸収画像係数を割り振る)処理を施してノイズの除去を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、単純平滑化によるフィルタ手段では、サイノグラムごとに画素間距離を一律に平滑化してしまうため、分解能のミスマッチが起こってしまう。例えば、心臓の吸収係数画像を得る場合、心臓部分は吸収係数が大きいので、本来図5の破線Gで示すように、心筋部分のエッジ部分E1およびE2が強調された吸収係数画像情報が得られなければならない。しかし、単純平滑化処理が施されてしまうと、画素値レベルにバイアスが生じ、実線Hで示すように、E1およびE2の部分のエッジが埋もれてしまうといった問題がある。
【0006】
また、後述のセグメント法によるフィルタ手段では、短時間のスキャンでγ線の検出カウントが少ない場合、画素ごとの画素値をヒストグラム化すると、画素値に極端な差が生じない。そのため、ヒストグラムのしきい値の判別が困難になる。つまり、誤った吸収係数値に変換される画素が生じ、定量性が損なわれるといった問題がある。
【0007】
そこで、医療業界では、短時間撮影の吸収係数画像情報からノイズを除去しても解剖学的境界である関心領域のエッジを保った鮮明な吸収係数画像を得ることができるECT装置の実現が熱望されている。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、短時間撮影で検出されたカウントの少ないγ線に基づいてノイズ除去を行うとともに、関心領域のエッジが鮮明となる吸収係数画像を出力することができるECT装置を提供することを主たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出し、光電変換した電気信号を出力するγ線検出手段と、被検体のない状態のブランク・スキャンと、被検体のある状態のトランスミッション・スキャンとから得られた吸収係数画像情報を導出する画像情報導出手段と、この画像情報導出手段から出力された吸収係数画像情報からノイズを除去するフィルタ手段と、このフィルタ手段でノイズ除去された吸収係数画像情報に基づいて被検体の吸収係数画像を再構成する画像再構成手段とを備えたECT装置において、前記フィルタ手段は、(a)画素ごとに近傍画素との距離の差分に応じて重み付けパラメータを変えながらノイズ除去処理をする第1フィルタ手段と、(b)画素ごとに近傍画素の画素値とを比較し、求められた差分に基づいて重み付けパラメータを変えながらノイズ除去処理する第2フィルタ手段とを備えたものである。
【0010】
また、(c)被検体のない状態のブランク・スキャンで得られた吸収係数画像情報と、被検体のある状態のトランスミッション・スキャンで得られた吸収係数画像情報とを比較し、画素ごとのノイズ分布範囲を推定するノイズ分布推定手段を備え、このノイズ分布推定手段で推定された画素ごとのノイズ分布範囲を、前記第2フィルタ手段における画素ごとのノイズ除去処理の重み付けに利用するものである。
【0011】
〔作用〕
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、画像情報導出手段で導出された吸収係数画像情報に基づいて、第1フィルタ手段で画素ごとに近傍画素との距離の差分に応じて重み付けパラメータが変えられながらノイズ除去が行われるとともに、第2フィルタ手段では画素ごとに近傍画素の画素値とが比較され、求められた差分に応じて重み付けパラメータが変えられながらノイズ除去が行われる。つまり、第1および第2フィルタ手段を用いてノイズ除去処理を施すことによって、関心領域のエッジ部分が保存され、エッジの強調された吸収係数画像が画像再構成手段によって再構成される。
【0012】
また、ブランク・スキャンとトランスミッション・スキャンとから得られた吸収係数画像情報に基づいて、ノイズ分布推定部から、画素ごとのノイズの分布が求められる。そして、この求められた画素ごとのノイズ分布は、第2フィルタ手段で画素ごとに重み付けを行う場合の重み付けパラメータに利用される。
【0013】
つまり、画素ごとに異なったノイズ分布範囲でノイズ除去処理が行われるので、γ線の吸収率の高いところ、つまり、ノイズの多いところでは重み付けを行う範囲を狭く選択してノイズ除去が行われ、ノイズの少ない領域では、重み付けの範囲が広く選択されてノイズ除去が行われる。そうすることで、ノイズ分布の多少に関わらず平滑化され、領域との境界が鮮明となった吸収係数画像情報が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態を説明する。
なお、この実施例では、ECT装置として、PET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)装置を例に採って説明する。
図1はPET装置の全体構成を示すブロック図である。
【0015】
この実施例のPET装置は、図1に示すように、放射性同位元素(RI)が投与された被検体Mから放射されるγ線を入射して光を生じる複数個のシンチレータブロック1が近接配置されているとともに、シンチレータブロック1から放出される光を受光して光電変換信号で出力する複数個のフォトマルチプライヤ2がシンチレータブロック1のγ線入射面の反対面側に配置されているγ線検出器3と、フォトマルチプライヤ2から出力される光電変換された電気信号に基づいて各シンチレータブロック1のγ線入射位置(画素)や、画素値を含む吸収係数画像情報を導出して出力する画像情報導出部4と、画像情報導出部4からの導出された吸収係数画像情報に基づいてノイズ除去および画像再構成処理を実行して被検体Mにおける関心部位のRI分布CT像(RI分布コンピュータ断層画像)を作成するデータ処理部5と、作成されたRI分布CT像などを表示するモニタ6とを備えている。なお、図示しないが、ブランク・スキャンとトランスミッション・スキャンを実行するときには被検体Mの代わりに線源が用いられる。
以下、この実施例装置の各部の構成を具体的に説明する。
【0016】
γ線検出器3では、各シンチレータブロック1のγ線入射面の反対面側にフォトマルチプライヤ2が配置されており、シンチレータブロック1およびフォトマルチプライヤ2が被検体Mの体軸周りを取り囲むようにしてリング状に配置されている。なお、γ線検出器3は、この発明のγ線検出手段に相当する。
【0017】
また、シンチレータブロック1が被検体Mを挟んで対向配置されており、ポジトロン放出型のRIのポジトロンの消滅により生じて反対方向に進む二つの(消滅)γ線が対向配置の関係にある二つのシンチレータブロック1へそれぞれ入射し、同時に検出される構成となっている。
【0018】
つまり、画像情報導出部4では、シンチレータブロック1の位置と検出タイミングをチェックし、γ線検出器3において被検体Mを挟んで対向配置の関係にある二つのシンチレータブロック1で同時にγ線が検出された時のγ線入射位置データのみを適正なデータとしてデータ処理部5に送る。このとき、二つのシンチレータブロック1の一方だけでγ線が検出された時は、ポジトロンの消滅により生じたγ線ではなくノイズとして扱われるので、データ処理部に送られずに棄却される構成となっている。なお、画像情報導出部4は、この発明の画像情報導出手段に相当する。
【0019】
その結果、この実施例のPET装置によれば、RIとしてポジトロン放出型のRIを被検体Mに投与してRI分布CT像を作成することができる。
【0020】
PET装置の場合、通常、撮影中、天板7が天板駆動部8の動きに従って被検体Mを載せたまま被検体Mの体軸Zと平行な方向に移動することにより、被検体Mにおける撮影断面(スライス面)が変化(走査)する構成となっている。
【0021】
なお、γ線検出器3は、撮影中、シンチレータブロック1およびフォトマルチプライヤ2が被検体Mの周りを回転しながらγ線を検出する回転型でもよいし、シンチレータブロック1およびフォトマルチプライヤ2が静止したままでγ線を検出する静止型でもよい。
【0022】
また、この実施例装置におけるγ線検出器3、画像情報導出部4、データ処理部部5、モニタ6、天板駆動部8などの連携動作の制御は、操作卓9の入力操作や撮影の進行に伴ってコントローラ10から適時に出力される指令信号に従って行われる構成となっている。
【0023】
γ線検出器3におけるシンチレータブロック1の具体的な配置としては、例えば、被検体Mの体軸Zと平行な方向にはシンチレータブロック1が2個並び、被検体Mの体軸Zを巡る方向にはシンチレータブロック1が多数個並ぶ配置形態が例示される。なお、シンチレータの配置は、上記配置形態に限定されるものではない。また、シンチレータブロック1とフォトマルチプライヤ2の間に光拡散用のライトガイド11が介設されている構成であってもよい。
【0024】
なお、実施例装置のγ線検出器3の場合、被検体Mの体軸Zを巡る方向にリング状に続くクリスタルピース1Pのラインが、ひとつのスライス断面に対応している。
【0025】
次に、この実施例装置の特徴的な構成を有するデータ処理部5について詳述する。
データ処理部5は、上述の画像情報導出部4で導出された吸収係数画像情報を蓄積するメモリ5aと、吸収係数画像情報に基づいて画素ごとのノイズの分布範囲を推定するノイズ分布推定部5bと、このノイズ分布推定部5bで求められた画素ごとノイズ分布範囲の情報を蓄積するノイズ分布情報蓄積部5cと、このノイズ分布情報蓄積部5cに蓄積された画素ごとのノイズ分布に基づいた重み付けで画素ごとにノイズ除去処理を施すフィルタ部5dと、このフィルタ部5dでノイズが除去された吸収係数画像情報に基づいてRI分布CT像を構成する画像再構成部5eとから構成されている。
【0026】
メモリ5aは、線源を用いた状態でのブランク・スキャン、RIを被検体に投与しない状態でのトランスミッション・スキャン、RIを被検体に投与した状態でのエミッション・スキャンのそれぞれを実行したときに、画像情報導出部4で導出されたそれぞれのγ線の入射位置と、これら入射位置に基づく画素ごとの画素値とからなる吸収係数画像情報が蓄積されている。
【0027】
ノイズ分布推定部5bは、メモリ5aに蓄積された吸収係数画像情報を参照し、画素ごとにノイズ分散の多い領域と、ノイズ分散の少ない領域との分布を区分して範囲付けるためのものである。この実施例の場合、ブランク・スキャンとトランスミッション・スキャンによるサイノグラムとを比較し、被検体に吸収されるγ線の吸収率に応じて分布が区分されるようになっている。なお、このノイズ分布推定部5bは、この発明のノイズ分布推定手段に相当する。
【0028】
例えば、画素ごとのノイズ分布範囲var(p)は、吸収係数0(ゼロ)の領域と所定の領域とを比較して決められるノイズの分布範囲としてのスケールファクタCと、逆投影法を利用し、検出器から時系列に複数の投影角度から検出されたそれぞれのサイノグラムを加算積分して求めた値の積から求まる。すなわち、次式(1)より画素ごとのノイズ分布範囲var(p)を知ることができる。
【0029】
【数1】
Figure 0003726700
【0030】
但し、filterはカーネル、ζはxcosθ+ysinθ、Nはトランスミッション・スキャン時の入射光数、s(ξ、θ)はサイノグラムである。
【0031】
次に、ノイズ分布情報蓄積部5cは、ノイズ分布推定部5bで求められた画素ごとのノイズ分布範囲の情報が蓄積されるようになっている。
【0032】
フィルタ部5dは、メモリに蓄積された吸収係数画像情報から画素ごとにその近傍画素の画素間距離との差分を求め、その差分に基づいてノイズ除去処理を行う第1フィルタ5d1と、画素ごとに近傍画素の画素値とを比較し、その差分に基づいてノイズ除去処理を行う第2フィルタ5d2とを備えている。
【0033】
例えば、図2に示すように、特定の画素pについてノイズ除去処理を行う場合、画素pから画素qに対し、画素pから各画素までの距離の差分を求める。求まった差分が大きければ重み付けパラメータgを小さくし、逆に、差分が小さければ重み付けパラメータgを大きくするようになっている。そして、全ての画素についての加算積分処理を第1フィルタ5d1で行うようになっている。
【0034】
同時に、第2フィルタ5d2では、画素pの画素値f(p)においても画素値f(q)を有する画素qの画素値に対し、画素pの画素値f(p)との差分を求める。求められた差分が大きければ重み付けパラメータhを小さくし、逆に差分が小さければ重み付けパラメータhを大きくするようになっている。そして、全ての近傍画素の画素値を加算積分処理するようになっている。
【0035】
そして、第1フィルタ5d1と第2フィルタ5d2の演算処理の積によって画素pから絶対値画素qまでのノイズ除去処理が行われるようになっている。すなわち、ノイズ除去処理によって得られる吸収係数画像の画素値f(p)は、非線形平滑化フィルタである次式(2)で表すことができる。
【0036】
【数2】
Figure 0003726700
【0037】
但し、gは画素間の距離に関する重み付けパラメータ、hは画素値の差に関する重み付けのパラメータであり、φgは画素の分布関数であって例えばφg=exp(−t2/2g2)、φhは画素値の分布関数であって例えばφh=exp(−t2/2h2)で表される。
【0038】
上述の式(2)の関係は、図2(a)に示す重み付けパラメータgおよびhによって決まる画素間距離に依存する重み付けAと、図2(b)に示す画素値の差に依存する重み付けBとの積で与えられる重み付けでノイズ除去処理が行われることを意味する。つまり、画素間距離、画素値の両方を参照してノイズ除去処理をすることによって、解剖学的境界である関心領域のエッジを明確に保つことができるようになっている。
このとき、重み付けパラメータhは、上述のノイズ分布推定部5bで求めたノイズ分布に応じて決めることができる。
【0039】
画像再構成部5eは、フィルタ部5dでノイズ除去処理された各画素の画素値に基づいて吸収補正されたRI分布CT像を再構成するようになっている。
【0040】
なお、この発明者は、従来の単純平滑化によるノイズ除去方法と、上述の実施例装置を模したシミュレーションを利用して比較実験を行った。
【0041】
このとき、γ線検出器で検出されたそれぞれのγ線のカウントは、4分間の場合は4個で、20分間の場合は32個であった。
先ず、それぞれのカウントに基づいて従来手法の単純平滑化によるノイズ除去処理を行い、さらに画像再構成処理を行った。その結果、γ線のカウントが4個の場合、図3(a)に示すように、ノイズが多数残存した不鮮明な再構成画像が出力された。他方カウントが32個の場合、図3(b)に示すように、画像からノイズが除去され、関心領域のエッジが鮮明な再構成画像が出力された。
【0042】
次に、この実施例装置を利用し、γ線のカウントが4個の場合を用いてノイズ除去処理および画像再構成処理を行ったところ、図3(c)に示す結果が得られた。この結果からも明らかなように、従来手法のγ線のカウントが32個の場合でノイズ除去処理を行ったときと同じレベルの再構成画像が出力された。
【0043】
すなわち、この発明者は、この実施例装置を利用することによって、関心領域のエッジを保持した吸収係数画像が得られるだけでなく、撮影時間(スキャン)が短くても、長時間撮影により得られた吸収係数画像情報に基づいて、ノイズ除去処理を行った場合と同じレベルの吸収係数画像を再構成することができることを確認している。
【0044】
次に、上述の構成を有する実施例装置の一巡の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
<ステップS1> ブランク・スキャンの実行
先ず、被検体の関心領域のγ線吸収率を求めるための初期準備として、外部線源を用いたブランク・スキャンを実行する。
【0045】
<ステップS2> トランスミッション・スキャンの実行
被検体を天板に載置し、放射性同位元素を被検体に投与しない状態で外部線源トランスミッション・スキャンを実行する。
【0046】
<ステップS3> ノイズ分布推定
ブランク・スキャンとトランスミッション・スキャンとから得られた吸収係数画像情報に基づいて吸収係数画像を再構成するときの逆投影法によるフィルタ演算式を利用し、画素ごとのノイズ分布範囲を推定する。この推定で、画素ごとの重み付けを行う範囲が決められる。つまり、放射性同位元素を被検体に投与してエミッション・スキャンを実行したときにノイズ除去処理をするフィルタが決定され、ノイズ分布情報としてノイズ分布情報蓄積部5cに蓄積される。
【0047】
<ステップS4> 吸収係数画像の再構成
吸収係数画像の再構成を行い、終了すれば次のステップS5に進む。
【0048】
<ステップS5> ノイズ除去処理
得られた吸収係数画像情報は、一旦メモリ5aに蓄積されるとともに、予めノイズ分布情報蓄積部5cに蓄積されたノイズ分布が画素ごとに割り振られる。そして、それぞれの画素について画素間の距離の差分に関する重み付けパラメータhと、画素値の差分に関する重み付けパラメータgとを逐次変えながら画素ごとにノイズ除去処理を施す。そして、このノイズ除去処理が施された画素値にもとづいて画像再構成部5eで吸収補正されたRI分布CT像が再構成される。
【0049】
<ステップS6> 画像の出力表示
再構成されたRI分布CT像は、任意にモニタ6へ出力表示する。
【0050】
この発明は、上記実施例の形態に限られるものではなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上記実施例では、リング型のPET装置について説明したが、この発明のECT装置は、リング型に限定されず、非リング型の装置であってもよいし、RIがポジトロン放出型でない通常のシングルフォトン型のRIを用いるSPECT装置であってもよい。
また、トランスミッションとエミッションを同時にスキャンする装置であってもよい。
【0051】
(2)上述の実施例では、ガウス形のノイズ除去処理を行っているが、ガウス形に限定されるものではない。
【0052】
(3)上述の実施例のフローチャートでは、エミッション・スキャンによって得られた吸収係数画像情報を、一旦メモリ5aに蓄積した後にノイズ除去処理を一括で行っているが、得られた吸収係数画像情報から逐次ノイズ除去処理を行うようにしてもよい。
【0053】
(4)上述のフィルタ処理は、2次元に限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、第1フィルタ手段で画素ごとに近傍画素との距離の差分を、第2フィルタで画素ごとに近傍画素との画素値との差分をそれぞれ求め、これらの差分に基づいて重み付けパラメータをそれぞれ変えながらノイズ除去処理を施すことによって、人体解剖学的境界である関心領域のエッジが保存されたままの状態でノイズが除去される。つまり、関心領域のエッジが強調された鮮明な吸収係数画像を再構成出力することができる。
【0055】
また、ノイズ分布推定手段で得られた画素ごとのノイズ分布範囲を第2フィルタ手段でノイズ除去処理する範囲に割り当てることによって、ノイズの取りこぼしが抑制されるとともに、広い範囲で一律にノイズ除去が行われないので、関心領域のエッジを確実に保持することができる。
【0056】
また、画素ごとに所定ノイズ分布範囲を参照してノイズ除去処理することによって、短時間の撮影よってγ線検出手段でカウントされた少ないγ線を利用した場合であっても、関心領域のエッジが強調されるとともに、画像全体からノイズが除去され鮮明な吸収係数画像情報を再構成出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るPET装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】この実施例装置により特定の画素からノイズ除去処理を実行するときの重み付け模式図であって、(a)は画素間距離に依存する重み付けの模式図、(b)は画素値に依存する重み付けの模式図である。
【図3】実験により得られた胸部のRI分布CT像を示す図であって、(a)はγ線のカウントが4個の場合を用いて従来法によりノイズ除去処理を行った図、(b)はγ線のカウントが32個の場合を用いて従来法によりノイズ除去処理を行った図、(c)はγ線のカウントが4個の場合を用いて、この実施例装置のシミュレーションによりノイズ除去処理を行った図である。
【図4】実施例装置の一巡の動作を示したフローチャートである。
【図5】従来手法によってノイズ除去処理を施すときの画素値のプロファイルと、理想的な画素値のプロファイルとを比較した図である。
【符号の説明】
3 … γ線検出器
4 … 画像情報導出部
5 … データ処理部
5a … メモリ
5b … ノイズ分布推定部
5c … ノイズ分布情報蓄積部
5d1 … 第1フィルタ
5d2 … 第2フィルタ
5e … 画像再構成部

Claims (1)

  1. 放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出し、光電変換した電気信号を出力するγ線検出手段と、被検体のない状態のブランク・スキャンと、被検体のある状態のトランスミッション・スキャンとから得られた吸収係数画像情報を導出する画像情報導出手段と、この画像情報導出手段から出力された吸収係数画像情報からノイズを除去するフィルタ手段と、このフィルタ手段でノイズ除去された吸収係数画像情報に基づいて被検体の吸収係数画像を再構成する画像再構成手段とを備えたECT装置において、前記フィルタ手段は、(a)画素ごとに近傍画素との距離の差分に応じて重み付けパラメータを変えながらノイズ除去処理をする第1フィルタ手段と、(b)画素ごとに近傍画素の画素値とを比較し、求められた差分に基づいて重み付けパラメータを変えながらノイズ除去処理する第2フィルタ手段とを備え、(c)被検体のない状態のブランク・スキャンで得られた吸収係数画像情報と、被検体のある状態のトランスミッション・スキャンで得られた吸収係数画像情報とを比較し、画素ごとのノイズ分布範囲を推定するノイズ分布推定手段を備え、このノイズ分布推定手段で推定された画素ごとのノイズ分布範囲を、前記第2フィルタ手段における画素ごとのノイズ除去処理の重み付けに利用することを特徴とするECT装置。
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