JP2002322967A - 燃料噴射ポンプ駆動装置 - Google Patents

燃料噴射ポンプ駆動装置

Info

Publication number
JP2002322967A
JP2002322967A JP2001129226A JP2001129226A JP2002322967A JP 2002322967 A JP2002322967 A JP 2002322967A JP 2001129226 A JP2001129226 A JP 2001129226A JP 2001129226 A JP2001129226 A JP 2001129226A JP 2002322967 A JP2002322967 A JP 2002322967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
gear
drive
plunger
tappet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001129226A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Masuda
宏司 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Diesel Engine Co Ltd filed Critical Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Priority to JP2001129226A priority Critical patent/JP2002322967A/ja
Publication of JP2002322967A publication Critical patent/JP2002322967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つのカム軸にカムが1つのみ設けられてい
る場合においても、カム軸に設けたギヤとこのギヤに噛
み合い動力を伝達するギヤとの間で発生する歯打ち音を
低減させることができる燃料噴射ポンプ駆動装置を提供
することである。 【解決手段】 戻しばねを備えたプランジャータペット
を前記戻しばねの弾性力に抗してリフトするカムにおい
て、前記プランジャータペットを下降させ始める際に、
プランジャータペットからカムに掛かる押圧力によりカ
ム軸の回転方向と同じ方向にカム軸に微少なトルクが掛
かるようにカムプロフィールを形成し、前記カムギヤと
前記駆動ギヤとが、前記プランジャータペットのリフト
時に当接している駆動側歯面とは反対側の反駆動側歯面
でゆるやかに当接するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射ポンプを
駆動するカム軸に設けたカムギヤと、このカムギヤに噛
み合いカム軸に動力を伝達する駆動ギヤとの間で生じる
歯打ち音を低減させる機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8(a)及び図8(b)は、従来の燃
料噴射ポンプ駆動装置のカム90とプランジャータペッ
ト91の一部縦断側面図である。図8(a)ではカム9
0がプランジャータペット91をトップ位置までリフト
した状態を示しており、図8(b)では図8(a)の状
態よりも下り側に角度rだけカム90が回転した状態を
示している。カム90を備えたカム軸92には、図示し
ない駆動機構(駆動軸に設けた駆動ギヤ)により動力が
伝達され、カム軸92は回転可能となっている。
【0003】プランジャータペット91は図示しない戻
しばねによりカム90側(下方)へ常時付勢されており
常にカム90を押圧している。カム90がプランジャー
タペット91をリフトする際には、カム90(カム軸9
2)はこの戻しばねの押圧力に抗して回転し、トップ位
置(図8(a)で示す位置)を過ぎると今度はカム軸9
2は回転方向にプランジャータペット91からトルク
(正方向のトルク)を受ける。その際、カム軸92に動
力を供与する駆動軸に設けた駆動ギヤとカム軸92に設
けたカムギヤとがバックラッシ分だけ相対移動し、歯打
ち音が発生する。
【0004】図9は、図8(a)に示すカム軸92にか
かるトルクの変動の様子を示したグラフである。ここで
はプランジャータペット91をリフトする時にカム軸9
2にかかるトルクが負方向のトルクであると定義してい
る。トルクが負から正に転じた直後のP点において歯打
ち音が発生する。すなわちP点とは、カム軸92に正の
トルクが作用し、上述した2つのギヤがバックラッシ分
だけ相対移動してプランジャータペット92をリフトす
るときとは反対側の歯面同士(反駆動側歯面同士)が衝
突するカム軸92の回転角度に相当する。
【0005】1本のカム軸に対して複数のカム及びプラ
ンジャータペット仕組みを持つ従来の燃料噴射ポンプで
は、特開平5−263727号の発明に示されているよ
うにカム軸にかかる複数のトルクを互いに相殺させ、歯
車の歯打ち音を低減させることができる。1つのカム軸
にカムが複数個設けられていれば、上述した正方向のト
ルクは位相差を設けて互いに相殺することができる。
【0006】また、特開2000−145573号に示
されるように、カム軸にかかるトルクの上にクランク軸
の回転変動による駆動ギヤの回転変動をも複数カムによ
り相殺することもできるが、1つのカム軸にカムが1つ
のみ設けられている場合には、正方向トルクによる歯車
のバックラッシ分の急激な相対移動を避けることができ
ず、歯打ち音の発生を抑制することは困難である。
【0007】近年は高性能低エミッション化のために燃
料噴射圧が高くなる傾向があり、これに伴いポンプ駆動
トルクも増大する傾向がある。このため駆動ギヤとカム
ギヤの間の歯打ち音(騒音)は益々大きくなる。モノプ
ランジヤーと呼ばれる1本のカム軸に対して1組のプラ
ンジャータペットを持つ燃料噴射ポンプは、複数のカム
やプランジャータペットを持つ燃料噴射ポンプに比べて
トルクの変動が大きく、特に1つのカムが複数のローブ
を持ちかつ1組のプランジャータペットを持つ分配形の
燃料噴射ポンプでは、1つのカムローブに割り当てられ
るカムの角度領域が狭くなり、従来技術によるトルク低
減策では歯打ち音を低減するのは困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明で
は、1つのカム軸にカムが1つのみ設けられている場合
においても、カム軸に設けた歯車とこの歯車に噛み合い
動力を伝達する歯車との間で発生する歯打ち音を低減さ
せる燃料噴射ポンプ駆動装置を提供することを課題とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1の発明では、戻しばねを備えたプランジャータ
ペットを前記戻しばねの弾性力に抗してリフトするカム
において、前記戻しばねにより前記カムを押圧しながら
前記プランジャータペットをトップ位置から下降させ始
める際のカム軸に設けたカムギヤと前記カムギヤに噛み
合う駆動ギヤとの間で生じる歯打ち音を低減させるため
に、前記プランジャータペットを下降させ始める際に、
プランジャータペットからカムに掛かる押圧力によりカ
ム軸の回転方向と同じ方向にカム軸に微少なトルクが掛
かるようにカムプロフィールを形成し、前記カムギヤと
前記駆動ギヤとが、前記プランジャータペットのリフト
時に当接している駆動側歯面とは反対側の反駆動側歯面
でゆるやかに当接するようにした。請求項2の発明では
請求項1の発明において、前記微少なトルクを生じさせ
るカム軸の回転角度範囲を、前記プランジャータペット
のトップ位置から、前記カムギヤと前記駆動ギヤとが、
前記反駆動側歯面が当接する位置までとし、前記両ギヤ
が前記反駆動側歯面で噛み合った後にカム軸に大きなト
ルクが掛かるようにカムプロフィールを形成した。請求
項3の発明では請求項1又は請求項2の発明において、
1本のカム軸にローブ部を1つ備えたカムを1つ設け
た。請求項4の発明では請求項1又は請求項2の発明に
おいて、1本のカム軸に複数のローブ部を備えたカムを
1つ設け、前記カムで1組のプランジャータペットをリ
フトさせるようにした。請求項5の発明では請求項1〜
4のいずれかの発明において、前記カムギヤの方が先に
進むようにばね力が作用するシザーズギヤ若しくはフリ
クションギヤを前記カムギヤに設けた。請求項6の発明
では、戻しばねを備えたプランジャータペットを前記戻
しばねの弾性力に抗してリフトするカムにおいて、前記
戻しばねにより前記カムを押圧しながら前記プランジャ
ータペットを下降させ始める際のカム軸に設けたカムギ
ヤと前記カムギヤに噛み合う駆動ギヤとの間で生じる歯
打ち音を低減させるために、前記プランジャータペット
を下降させ始める際には、プランジャータペットからカ
ムに掛かる押圧力によりカム軸にトルクが掛からないよ
うにカムプロフィールを形成し、かつ、前記カムギヤに
シザーズギヤ又はフリクションギヤを設け、前記プラン
ジャータペットを下降させ始める際のプランジャータペ
ットからの押圧力によるトルクが前記カムギヤに掛かり
始める前に前記シザーズギヤ又はフリクションギヤによ
り前記カムギヤと前記駆動ギヤとが、前記プランジャー
タペットのリフト時に当接している駆動側歯面とは反対
側の反駆動側歯面でゆるやかに当接させるようにした。
請求項7の発明では請求項5又は請求項6の発明におい
て、前記カムギヤに、駆動ギヤのみを噛み合わせた。
【0010】
【発明の実施の形態】(請求項1〜3の発明の実施例)
図1は、請求項1の発明による燃料噴射ポンプ駆動装置
100(以下、単に駆動装置100と呼ぶ。)の斜視図
である。駆動装置100は、3つのローブ部(第1ロー
ブ部9,第2ローブ部10,第3ローブ部11)を有す
るカム1を備えたカム軸5,戻しばね4を備え常にカム
1を押圧するプランジャータペット2,カム軸5に設け
たカムギヤ6,及び駆動軸8を中心に回転しかつカムギ
ヤ6と噛み合う駆動ギヤ7等で構成されている。プラン
ジャータペット2の下端にはタペットローラ3が設けて
あり、このタペットローラ3がカム1と当接し、カム1
が回転するとタペットローラ3は回転しながらカム1を
押圧する。
【0011】図3(a)は、図1のカム1の代わりに1
つのローブ部19を備えたカム18をカム軸5に設けた
際のカム18とプランジャータペット2の一部縦断側面
略図である。都合上、先ず図1のカム軸5に図3のカム
18を備えた場合における動作を説明し、その後にロー
ブ部を3つ備えた図1のカム1の動作について説明す
る。
【0012】図3(a)に示すカム18は、カム軸5と
一体に軸芯5aを中心に矢印Aで示す方向(正方向)に
駆動軸8(図1)から動力が伝達されて回転駆動されて
いる。ローブ部19は、実線で示すカムプロフィールを
形成している。一点鎖線の円弧の半径Rは、軸芯5a
(回転中心)からカム18のトップ位置までの長さと同
じである。また、比較のため、従来のカムのカムプロフ
ィールの一部を示している。
【0013】図3(a)に示すように、カム18のロー
ブ部19のカムプロフィールは、従来のカムのカムプロ
フィールよりも大きく、かつ半径Rよりも小さく形成さ
れている。カム18のトップ位置から下り側の角度r
におけるローブ部19のカムプロフィールと半径Rとの
差はLdとなる。また、カム18の基部20の半径をR
bとすると、最大値Lmaxは、ローブ部19の半径R
と基部20の半径Rbの差になるので、 Lmax=R−Rb・・・・・(1) となる。
【0014】図2の駆動ギヤ7の歯16とカムギヤ6の
歯13,14とで形成される(生じる)バックラッシ
は、このLmaxとLdとが Ld/Lmax≦0.1・・・・・(2) を満たすようにローブ部19のカムプロフィールを形成
することにより、図4(a)に示すようにカム18がト
ップ位置から角度rだけ下り側へ回転した際にプラン
ジャータペット2(タペットローラ3)から受ける正方
向トルクを極めて微少にすることができる。
【0015】つまり、カム18の回転角度がrより小
さいときには接触点法線方向とカム軸芯が極めて近いた
め、カム18にはプランジャータペット2がカム1へ及
ぼす押圧力Fによる極めて小さな正方向トルクしか作
用しない。
【0016】プランジャータペット2から受ける正方向
トルクが微少になることにより、駆動ギヤ7の歯16と
カムギヤ6の歯14の間の距離(バックラッシ)がゆる
やかに縮まり、歯16と歯14とが静かに当接し、図2
の状態(ただし、後述するシザーズギヤ50はないもの
とする)となる。
【0017】また、図4(b)に示すようにカム18が
角度rを超えて例えば角度rまで回転したとき(つ
まり、歯16と歯14とが当接した後)に、カム18は
プランジャータペット2から大きな正方向トルクを受け
る。
【0018】つまり、カム18の回転角度が大きくなっ
た角度rでは、接触点法線方向とカム軸芯とがある程
度離れているので、カム18は押圧力Fによりプラン
ジャータペット2から大きな正方向トルクを受ける。
【0019】図3(b)は、カム18が1回転する際の
プランジャータペット2から受けるトルクの大きさを示
すグラフである。トップ位置から角度rまでは正方向
のトルクはゆるやかに増しているが、角度rを超える
と急激に正方向のトルクが大きくなっている。
【0020】吸排気タペット(図示せず)をカム軸5上
に設けることにより、吸排気タペットから供給されるト
ルクでプランジャータペット2によるトルクを相殺して
歯打ち音を低減させることもできるが、カム18のカム
プロフィールを式(2)を満たすように形成することに
より、カム軸5上にプランジャータペット2以外にカム
軸5にトルクを与えるものが設けられていない場合にお
いても、良好に歯打ち音を低減させることができる。
【0021】(請求項4の発明の実施例)次にカム軸5
に設けたカム1が、複数のローブ部を有する場合につい
て説明する。図5(a)は、図1に示すカム1及びプラ
ンジャータペット2の一部縦断側面略図である。また、
図6は、カム1がトップ位置から下り側へ角度rだけ
回転した状態のカム1とプランジャータペット2の一部
縦断側面略図である。
【0022】図3のカム18と比較して図5(図1)の
カム1は、ローブ部が複数になったことにより基部の占
める割合が小さくなっている。したがって、1つのロー
ブ部(例えばローブ部9)が通り過ぎた後、次のローブ
部(ローブ部10)によりプランジャータペット2のリ
フトが開始されるまでの間隔(回転角度)が狭くなる。
【0023】したがって、図6に示す角度rをあまり
大きく設定すると、次に迎えるローブ部がプランジャー
タペット2に対してタペットローラ3以外の箇所で干渉
してしまい、カム1は円滑に回転できなくなってしま
う。
【0024】しかし、上述した式(2)を満たすLma
xとLdとを設定してローブ部のカムプロフィールを形
成することにより、カム1にローブ部を最高3つまで設
けることができる。1つのカム1に3つのローブ部を備
えることにより、カム軸5が1回転する間にプランジャ
ータペット2が3往復し、図示しない分配弁で3つの気
筒へ燃料を分配することができる。
【0025】図5(b)は、カム1がローブ部9のトッ
プ位置から1回転する際のプランジャータペット2から
カム1にかかるトルクの変動を示すグラフである。正側
のトルクの山に付した符号9,10,11は、それぞれ
カム1のローブ部9,10,11の符号に対応してい
る。図5(b)のグラフから、トルクが正方向に増加し
始める際には、山9,10,11のいずれにおいてもゆ
るやかにトルクが増加しているのがわかる。
【0026】(請求項5〜7の発明の実施例)図2は、
図1のD部詳細図である。図2に示すように、軸芯8a
を中心に矢印Cで示す方向に駆動ギヤ7が回転する。駆
動ギヤ7の歯16の駆動面16aにはカムギヤ6(歯1
2〜14の3つの歯のみを表示)に設けたシザーズギヤ
50の歯26が当接しており(つまり噛み合ってお
り)、カムギヤ6とシザーズギヤ50は軸芯5aを中心
に矢印Bで示す方向に回転する。
【0027】なお、駆動ギヤ7がシザーズギヤ50と噛
み合って動力を伝達する際には、シザーズギヤ50の歯
25,26及び27とカムギヤ6の歯12,13及び1
4とが重なり、駆動ギヤ7の歯16の駆動面16aには
シザーズギヤ50の歯26とカムギヤ6の歯13が同時
に当接して動力が伝達される。
【0028】そして、プランジャータペット2をトップ
位置までリフトし終えると、駆動ギヤ7によるカムギヤ
6及びシザーズギヤ50への動力の伝達が終了し、カム
ギヤ6及びシザーズギヤ50は無トルク状態となる。こ
の無トルク状態においてシザーズギヤ50の歯26が駆
動ギヤ7の歯16の駆動面16aに当接したままカムギ
ヤ6の歯13,14が駆動ギヤ7の歯15,16の反駆
動面15b,16bにそれぞれ当接するまで矢印B方向
にシザーズギヤ50よりも先に進み(回転し)、図2に
示す状態となる。
【0029】このようにカムギヤ6の方をシザーズギヤ
50よりも回転方向(矢印Bで示す方向)に先に進めさ
せると、シザーズギヤ50の方をカムギヤ6よりも先に
進めカムギヤ6を常に駆動ギヤ7の駆動側歯面(16a
等)に当接させる場合と比較してシザーズギヤ50は格
段に小さなばね定数のものを採用することができる。
【0030】また、シザーズギヤ50の代わりにフリク
ションギヤを採用する場合は、カムギヤ6の回転を駆動
ギヤ7の回転より速くするために、フリクションギヤの
歯数をカムギヤ6より1つ多くする。
【0031】図2のカムギヤ6に、細線で示すシザーズ
ギヤ50(又はフリクションギヤ50)を設け、プラン
ジャータペット2(図1)のリフト中において、つまり
カム軸5に負方向のトルクが作用しているときには、カ
ムギヤ6の歯13とシザーズギヤ50の歯26とがそれ
ぞれ駆動ギヤ7の歯16に当接している。
【0032】プランジャータペット2がトップ位置でカ
ム1が無トルク状態のときに、シザーズギヤ50のばね
力によりカムギヤ6の歯13,14を駆動ギヤ7の歯1
5,16の反駆動側歯面15b,16bにそれぞれゆる
やかに当接させ(つまり、カムギヤ6をシザーズギヤ5
0よりバックラッシ分だけ進角させ)ることにより、プ
ランジャータペット2がトップ位置を過ぎ、プランジャ
ータペット2によりカム1(カム軸5)に正方向トルク
が作用する際における歯打ち音の発生を効果的に抑制す
ることができる。
【0033】図7は、プランジャータペット2によるカ
ム1への押圧力によりカム軸5に生じるトルクがカム軸
5の回転により変動する様子を示すグラフである。図7
からわかるように、プランジャータペット2をリフトし
ている間(つまりトルクが負の間)は、シザーズギヤ5
0はトルク値の変動に影響は及ぼさず、トップ位置から
トルク値が正になるとシザーズギヤなしのときよりも歯
打ち位置が速やかに訪れる。つまり歯打ち音が低減さ
れ、かつトップ位置から歯打ち位置までのカム軸5の回
転角度が小さくなる。トップ位置から歯打ち位置までの
カム軸5の回転角度を小さくすることができると、同一
のカムに歯打ち音を低減させるカムプロフィールを備え
た複数のローブ部を形成し易くなるというメリットが生
まれる。
【0034】また、図1に示すようにカムギヤ6には駆
動ギヤ7のみを噛み合わせ、カムギヤ6は、駆動ギヤ7
以外から外力を受けないようにする。このようにするこ
とにより、カムギヤ6と駆動ギヤ7の噛み合いが、他か
ら影響を受けることを回避することができ、不規則なタ
イミングで歯打ち音が発生することを防止することがで
きる。
【0035】カム軸に複数のカムを備えた燃料噴射ポン
プ駆動装置では、従来は互いにトルクを相殺することに
より歯打ち音を低減させていたところ、請求項1〜7の
発明では、複数のカムにおけるトルク変動を個々に制御
することにより歯打ち音を低減することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明では、プランジャータペ
ット2をトップ位置から下降させ始める際に、プランジ
ャータペット2からカム1に掛かる押圧力によりカム軸
5の回転方向と同じ方向にカム軸5に微少なトルクが掛
かるようにカムプロフィールを形成し、カム軸5に設け
たカムギヤ6と、このギヤと噛み合う駆動ギヤ7とがゆ
るやかに当接するようにしたので、プランジャータペッ
ト2を下降させ始める際のカムギヤ6と駆動ギヤ7との
間で生じる歯打ち音を低減させることができる。
【0037】つまりプランジャータペット2から受ける
カム軸5の正方向トルクが微少になることにより、駆動
ギヤ7の歯16とカムギヤ6の歯14の間の距離(バッ
クラッシ)がゆるやかに縮まり、図2に示すように歯1
6と歯14とを静かに当接させることができるので、歯
打ち音を低減させることができる。
【0038】請求項2の発明では、微少なトルクを生じ
させるカム軸5の回転角度範囲(角度r)を、プラン
ジャータペット2のトップ位置からカムギヤ6と駆動ギ
ヤ7とがプランジャータペット2のリフト時に当接して
いる駆動側歯面(15a,16a)とは反対側の反駆動
側歯面(15b,16b)で当接する位置までとし、両
ギヤ6,7が反駆動側歯面(15b,16b)で噛み合
った後にカム軸5に大きなトルクが掛かるようにカムプ
ロフィールを形成したので、バックラッシ分の両ギヤ
6,7の相対移動により反駆動側歯面(15b,16
b)が当接して発生する歯打ち音を良好に低減させるこ
とができる。
【0039】従来は、1本のカム軸にローブ部を1つ備
えたカムを1つ設けた場合において歯打ち音を低減させ
ることは困難であったが、請求項3の発明では、図3に
示すように1本のカム軸5にローブ部(ローブ部19)
を1つ備えたカム18を1つ設けた場合においても、プ
ランジャータペット2をリフトさせる際に当接している
駆動側歯面(15a,16a)とは反対側の反駆動側歯
面(15b,16b)が当接する直前のカムギヤ6と駆
動ギヤ7の相対的な移動をゆるやかにすることができる
カムプロフィールを形成するので、良好に歯打ち音を低
減させることができる。
【0040】カム軸5(図5)に複数のローブ部(第1
ローブ部9,第2ローブ部10,第3ローブ部11)を
備えた1つのカム1が設けられており、かつ1組のプラ
ンジャータペットを持つ分配形の燃料噴射ポンプでは、
1つのカムローブに割り当てられるカムの角度領域が狭
くなるが、請求項4の発明では、カム1に歯打ち音を低
減することができるカムプロフィールが形成されたロー
ブ部を3つまで備えることができる。
【0041】請求項5の発明では、歯打ち音を低減させ
ながらトップ位置から歯打ち位置までのカム軸5の回転
角度を小さくすることができるので、同一のカムに複数
のローブ部を形成し易くなる。したがって、カム軸5に
微少トルクが掛かる角度範囲(角度r)を小さくする
ことができ、多気筒機関に適した燃料噴射ポンプ駆動装
置を提供することができる。
【0042】請求項6の発明では、弱い弾性力のシザー
ズギヤ又はフリクションギヤで大きなトルクがかかる前
にゆるやかにカムギヤ6と駆動ギヤ7の当り面を駆動側
から反駆動側に移動させることができるので良好に歯打
ち音を低減させることができる。
【0043】また、カム1のトップ位置でトルクをゼロ
(無トルク状態)とし、シザーズギヤ50(又はフリク
ションギヤ)により、リフト時に当接している駆動側歯
面(16a)から反駆動側歯面(15b)に歯(13)
が移動しようとする時にカム1に加わるトルク(正トル
ク)を微小とすることができ、歯打ちによる騒音を低減
することができる。
【0044】請求項7の発明では、カムギヤ6には駆動
ギヤ7のみを噛み合わせ、カムギヤ6は、駆動ギヤ7以
外から外力を受けないようにすることにより、カムギヤ
6と駆動ギヤ7の噛み合いが、他から影響を受けること
を回避することができ、不規則なタイミングで歯打ち音
が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明による燃料噴射ポンプ駆動装
置の斜視図である。
【図2】 図1のD部詳細図である。
【図3】 (a)は、図1のカムの代わりに1つのロー
ブ部を備えたカムをカム軸に設けた際のカムとプランジ
ャータペットの一部縦断側面略図である。(b)は、カ
ム18が1回転する際のプランジャータペット2から受
けるトルクの大きさを示すグラフである。
【図4】 (a)は、図3(a)のカムがトップ位置か
ら微少角度回転した際のカムとプランジャータペットの
一部縦断側面略図である。(b)は、(a)よりもさら
に回転した状態のカムとプランジャータペットの一部縦
断側面略図である。
【図5】 (a)は、図1に示すカム及びプランジャー
タペットの一部縦断側面略図である。(b)は、カムが
1回転する際のプランジャータペットからカムにかかる
トルクの変動を示すグラフである。
【図6】 図5(a)のカムがトップ位置から微少角度
回転した際のカムとプランジャータペットの一部縦断側
面略図である。
【図7】 プランジャータペットによるカムへの押圧力
によりカム軸に生じるトルクがカム軸の回転により変動
する様子を示すグラフである。
【図8】 (a)は、従来の燃料噴射ポンプ駆動装置の
カムとプランジャータペットの一部縦断側面略図であ
る。(b)は、(a)のカムが微少角度回転した状態の
一部縦断側面略図である。
【図9】 従来の燃料噴射ポンプ駆動装置におけるカム
軸にかかるトルク変動の様子を示すグラフである。
【符号の説明】
1 カム 2 プランジャータペット 3 タペットローラ 4 戻しばね 5 カム軸 6 カムギヤ 7 駆動ギヤ 8 駆動軸 9〜11 第1〜第3ローブ部 12〜14 カムギヤの歯 15〜17 駆動ギヤの歯 15a,16a 駆動側歯面 15b,16b 反駆動側歯面 18 カム 19 ローブ部 20 基部 25〜27 歯 50 シザーズギヤ 100 燃料噴射装置駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F01L 1/08 F01L 1/08 A Fターム(参考) 3G016 BA37 CA08 GA04 3G066 AB02 BA22 CA01S CA09 CE04 3H075 AA03 BB03 BB19 BB21 CC17 DB32 3J030 EA02 EA04 EA07 EC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 戻しばねを備えたプランジャータペット
    を前記戻しばねの弾性力に抗してリフトするカムにおい
    て、前記戻しばねにより前記カムを押圧しながら前記プ
    ランジャータペットをトップ位置から下降させ始める際
    のカム軸に設けたカムギヤと前記カムギヤに噛み合う駆
    動ギヤとの間で生じる歯打ち音を低減させるために、 前記プランジャータペットを下降させ始める際に、プラ
    ンジャータペットからカムに掛かる押圧力によりカム軸
    の回転方向と同じ方向にカム軸に微少なトルクが掛かる
    ようにカムプロフィールを形成し、 前記カムギヤと前記駆動ギヤとが、前記プランジャータ
    ペットのリフト時に当接している駆動側歯面とは反対側
    の反駆動側歯面でゆるやかに当接するようにしたことを
    特徴とする燃料噴射ポンプ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記微少なトルクを生じさせるカム軸の
    回転角度範囲を、 前記プランジャータペットのトップ位置から、 前記カムギヤと前記駆動ギヤとが、前記反駆動側歯面が
    当接する位置までとし、 前記両ギヤが前記反駆動側歯面で噛み合った後にカム軸
    に大きなトルクが掛かるようにカムプロフィールを形成
    した請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射ポンプ駆動
    装置。
  3. 【請求項3】 1本のカム軸にローブ部を1つ備えたカ
    ムを1つ設けた請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射
    ポンプ駆動装置。
  4. 【請求項4】 1本のカム軸に複数のローブ部を備えた
    カムを1つ設け、前記カムで1組のプランジャータペッ
    トをリフトさせる請求項1に記載の燃料噴射ポンプ駆動
    装置。
  5. 【請求項5】 前記カムギヤの方が先に進むようにばね
    力が作用するシザーズギヤ若しくはフリクションギヤを
    前記カムギヤに設けた請求項1〜4のいずれかに記載の
    燃料噴射ポンプ駆動装置。
  6. 【請求項6】 戻しばねを備えたプランジャータペット
    を前記戻しばねの弾性力に抗してリフトするカムにおい
    て、前記戻しばねにより前記カムを押圧しながら前記プ
    ランジャータペットを下降させ始める際のカム軸に設け
    たカムギヤと前記カムギヤに噛み合う駆動ギヤとの間で
    生じる歯打ち音を低減させるために、 前記プランジャータペットを下降させ始める際には、プ
    ランジャータペットからカムに掛かる押圧力によりカム
    軸にトルクが掛からないようにカムプロフィールを形成
    し、かつ、前記カムギヤにシザーズギヤ又はフリクショ
    ンギヤを設け、 前記プランジャータペットを下降させ始める際のプラン
    ジャータペットからの押圧力によるトルクが前記カムギ
    ヤに掛かり始める前に前記シザーズギヤ又はフリクショ
    ンギヤにより前記カムギヤと前記駆動ギヤとが、前記プ
    ランジャータペットのリフト時に当接している駆動側歯
    面とは反対側の反駆動側歯面でゆるやかに当接するよう
    にしたことを特徴とする燃料噴射ポンプ駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記カムギヤに、駆動ギヤのみを噛み合
    わせた請求項5又は請求項6に記載の燃料噴射ポンプ駆
    動装置。
JP2001129226A 2001-04-26 2001-04-26 燃料噴射ポンプ駆動装置 Pending JP2002322967A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001129226A JP2002322967A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 燃料噴射ポンプ駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001129226A JP2002322967A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 燃料噴射ポンプ駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002322967A true JP2002322967A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18977784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001129226A Pending JP2002322967A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 燃料噴射ポンプ駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002322967A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016035298A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 株式会社デンソー 駆動装置
GB2536950A (en) * 2015-04-01 2016-10-05 Gm Global Tech Operations Llc Coupling assembly for coupling a camshaft-driven unit pump to a camshaft
DE102017103880A1 (de) 2016-03-23 2017-09-28 Denso Corporation Kraftstoffpumpe

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016035298A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 株式会社デンソー 駆動装置
GB2536950A (en) * 2015-04-01 2016-10-05 Gm Global Tech Operations Llc Coupling assembly for coupling a camshaft-driven unit pump to a camshaft
DE102017103880A1 (de) 2016-03-23 2017-09-28 Denso Corporation Kraftstoffpumpe
JP2017172451A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 株式会社デンソー 燃料ポンプ
CN107246344A (zh) * 2016-03-23 2017-10-13 株式会社电装 燃料泵
CN107246344B (zh) * 2016-03-23 2020-09-15 株式会社电装 燃料泵
US10788025B2 (en) 2016-03-23 2020-09-29 Denso Corporation Fuel pump

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3959713B2 (ja) バルブタイミング調整装置
CN100365250C (zh) 内燃机的气门机构
JP4480285B2 (ja) 内燃機関用燃料ポンプ
JP2006299867A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR20040084740A (ko) 내접 기어식 펌프
JP2002322967A (ja) 燃料噴射ポンプ駆動装置
US20110203397A1 (en) Gear
JP2007231909A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2006200391A (ja) 内燃機関のバルブリフト可変装置
JP7294745B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2002349672A (ja) ギアの騒音低減装置
JP2003322074A (ja) スタータ
JP2008286120A (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP2006009616A (ja) 内接歯車式ポンプ
JP2007107504A (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
EP0511679B1 (en) Cam shaft of fuel injection pump
JP2579345Y2 (ja) 外接型歯車ポンプ
JP2001263014A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3852298B2 (ja) フリクションギヤ装置及びその製造方法
JP2002364734A (ja) ギアの騒音低減装置
JPH04334759A (ja) スタータ
JP4296428B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2962058B2 (ja) 可変バルブタイミング機構
JPH0438127Y2 (ja)
JP2022178231A (ja) 歯打ち抑制装置