JP2002322658A - 石材固定用アンカー及びそれを用いた石材一体化ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 コンクリートブロック表面に固定して一体化
する石材に異形棒鋼を強固に固定することができる石材
固定用アンカーおよび及びそれを用いて石材とコンクリ
ートブロックを強固に一体化した石材一体化ブロックを
提供する。 【解決手段】 コンクリートブロックの表面に石材８を
貼り付けるため、石材８に固定する石材固定用アンカー
において、先端部に外側に末広がりのコーン部２が形成
されている異形棒鋼１と、異形棒鋼１に挿入され、軸方
向にほぼ中間部からコーン部側に間隔をおいて複数の拡
開片５が形成されているスリーブ３からなる。拡開片５
の表面に凹凸６が形成して密着力を高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブロック積み擁壁
に使用するコンクリートブロックに天然御影石などの自
然石、石板などの石材を固定するための石材固定用アン
カー及びそれを用いて石材とコンクリートブロックを一
体化した石材一体化ブロックに関する。

【０００２】

【従来の技術】河川の護岸、切土部あるいは土留部など
の擁壁に、自然環境と調和させるために、天然御影石な
どの自然石の板、石などの石材をコンクリートブロック
表面に設けて一体化した石材一体化ブロックが使用され
ている。

【０００３】石材をコンクリートブロック表面に一体化
させる方法として、石材の裏全面に接着剤を塗ってコン
クリートブロックに貼り付ける方法が使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、石材の
裏面に接着剤を塗って一体化する方法は、作業に手間が
掛かかるという問題がある。また、接着剤の劣化により
石材がコンクリートブロックから剥がれるおそれがあ
る。

【０００５】そこで、本発明は、コンクリートブロック
表面に固定して一体化する石材に異形棒鋼を強固に固定
することができる石材固定用アンカーおよび及びそれを
用いて石材とコンクリートブロックを強固に一体化した
石材一体化ブロックを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の石材固定用アン
カーは、コンクリートブロックの表面に石材を一体化す
るために、石材に固定される異形棒鋼からなる石材固定
用アンカーであって、一方の先端部に外側に末広がりの
コーン部が形成されている異形棒鋼と、異形棒鋼に挿入
され、前記コーン部に押し込まれて拡開して石材の孔の
内壁に密着する複数の拡開片が形成されているスリーブ
とからなることを特徴とする。拡開片の表面には凹凸を
形成して密着性を高めることができる。

【０００７】本発明の石材一体化ブロックは、前記石材
固定用アンカーが、前記スリーブが異形棒鋼に挿入され
コーン部に押し込まれて前記拡開片が拡開して石材の孔
の内壁に密着して固定された石材がコンクリートブロッ
クの表面に一体化されていることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の石材固定用アンカ
ーを示し、（ａ）は全体図、（ｂ）は石材に固定された
状態を示す図、図２は本発明のスリーブの別実施例を示
し、（ａ）は正面図、（ｂ）は側面図である。

【０００９】図１（ａ）において、コンクリートとの付
着力を増すために表面に節状の突起が形成された異形棒
鋼１の石材固定側の先端には、外側に末広がりのコーン
部２が形成されている。

【００１０】異形棒鋼１には、スリーブ３が挿入され
る。スリーブ３には、軸方向にスリーブ３のほぼ中間部
からテーパー部２側に間隔をおいてスリット４により複
数の拡開片５が形成されている。拡開片５の数は、２つ
又はそれ以上とし、図２に示すように、４つの拡開片５
で石材に強固に固定することができる。

【００１１】コーン部２の外径は、基端から先端に向か
うに従ってスリーブ３の内径より大きくなるように形成
する。

【００１２】スリーブ３の表面には、スリーブ２の拡開
片５と石材８の孔８ａの摩擦力を増すため、凹凸６を形
成してもよい。凹凸６は図１に示すように複数の溝を刻
んだり、あるいは図２（ａ）に示すように間隔をおいて
リング状の凹凸を形成してもよい。

【００１３】次に本発明の石材固定用アンカーの使用方
法について説明する。

【００１４】図３は護岸用あるいは擁壁用の石材一体化
ブロックを示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、
（ｃ）は正面図である。

【００１５】コンクリートブロック７の表面に石材８が
一体化される。石材一体化ブロックは、接合ピン９によ
り位置決めされて積み重ねられ、護岸あるいは擁壁が構
築される。

【００１６】石材８を水平状態に置いた後、石材８に形
成された孔８ａに異形棒鋼１のコーン部２の先端が孔８
ａの底に着座するまで挿入する。次いで、スリーブ３の
ヘッドをハンマーなどで叩き、スリーブ３を孔内に押し
込んで行く。スリーブ３が孔内に押し込まれるに従っ
て、スリーブ３の拡開片５がコーン部２の末広がりの外
径により開きながら、図１（ｂ）に示すように、孔８ａ
の内面に押し付けられ押し込まれる。その結果、コーン
部２により拡開片５が押し広げられて孔８ａの内面に強
固に密着される。

【００１７】その後、石材固定用アンカーが固定された
石材８を型枠内にセットして、石材８の裏面にコンクリ
ートを流し込んでブロックを形成する。異形棒鋼はコン
クリートブロックに深く埋め込むほど付着力が高くな
る。

【００１８】図４は本発明の石材一体化ブロックの別実
施例を示す図である。本実施例では、コンクリートブロ
ック７に玉石１０を一体化した例である。

【００１９】玉石１０に形成された孔に異形棒鋼１のコ
ーン部の先端が孔１０ａの底に着座するまで挿入する。
次いで、スリーブ３のヘッドをハンマーなどで叩き、ス
リーブ３を孔内に押し込んで行く。スリーブ３が孔内に
押し込まれるに従って、スリーブ３の拡開片がコーン部
の末広がりの外径により開きながら、孔１０ａの内面に
押し付けられ押し込まれる。コーン部２により拡開片５
が押し広げられて孔１０ａの内面に強固に密着される。
その後、玉石１０を枠にセットして、玉石１０の裏面に
コンクリートを流し込んでブロックを形成する。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、異形棒鋼に通したスリーブの
拡開片を異形棒鋼のコーン部で押し拡げることにより、
スリーブが石材の孔に強固に密着するため、石材が異形
棒鋼から抜けるのを防止することができる。また、異形
棒鋼とスリーブとの組合せなので、簡単な構造で異形棒
鋼と石材を固定することができる。

【００２１】また、本発明の石材固定用アンカーは、ス
リーブを叩くだけで異形棒鋼を石材に固定することがで
きるので、固定作業を簡単にすることができる。

【００２２】また、本発明の石材一体化ブロックは、石
材に固定した石材固定用アンカーをコンクリートブロッ
クに強固に固定するので、石材がコンクリートブロック
から剥がれることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の石材固定用アンカーを示し、（ａ）は
全体図、（ｂ）は石材に固定された状態を示す図であ
る。

【図２】本発明のスリーブの別実施例を示し、（ａ）は
正面図、（ｂ）は側面図である。

【図３】石材一体化ブロックを示し、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図４】本発明の石材一体化ブロックの別実施例を示す
図である。

【符号の説明】

１：異形棒鋼 ２：コーン部 ３：スリーブ ４：スリ
ット ５：拡開片 ６：凹凸 ７：コンクリートブロッ
ク ８：石材 ８ａ：孔 ９：接合ピン １０：玉石
１０ａ：孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートブロックの表面に石材を一
   体化するために、石材に固定される異形棒鋼からなる石
   材固定用アンカーであって、 一方の先端部に外側に末広がりのコーン部が形成されて
   いる異形棒鋼と、 異形棒鋼に挿入され、前記コーン部に押し込まれて拡開
   して石材の孔の内壁に密着する複数の拡開片が形成され
   ているスリーブとからなることを特徴とする石材固定用
   アンカー。
2. 【請求項２】 前記拡開片の表面に凹凸が形成されてい
   ることを特徴とする請求項１記載の石材固定用アンカ
   ー。
3. 【請求項３】 請求項１記載の石材固定用アンカーが、
   前記スリーブが異形棒鋼に挿入されコーン部に押し込ま
   れて前記拡開片が拡開して石材の孔の内壁に密着して固
   定された石材がコンクリートブロックの表面に一体化さ
   れていることを特徴とする石材一体化ブロック。