JP2002320543A - スプーン及びスプーンセット - Google Patents
スプーン及びスプーンセットInfo
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- JP2002320543A JP2002320543A JP2001128377A JP2001128377A JP2002320543A JP 2002320543 A JP2002320543 A JP 2002320543A JP 2001128377 A JP2001128377 A JP 2001128377A JP 2001128377 A JP2001128377 A JP 2001128377A JP 2002320543 A JP2002320543 A JP 2002320543A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 乳幼児が使用するスプーンに関して、食品を
容易にすくうことができ、食品を口に運んだ後は困難な
く引き出せるようにしたスプーンを提供すること。 【解決手段】 一方向に長い柄部31と、この柄部の先
端に設けられた匙本体32とを備えるスプーンであって
前記匙本体32は、食品を収容するための凹面33を有
しており、この匙本体が、前記柄部の長手方向に沿った
仮想の中心軸C1に対して、前記凹面33側に略10度
の傾斜角度を備える。
容易にすくうことができ、食品を口に運んだ後は困難な
く引き出せるようにしたスプーンを提供すること。 【解決手段】 一方向に長い柄部31と、この柄部の先
端に設けられた匙本体32とを備えるスプーンであって
前記匙本体32は、食品を収容するための凹面33を有
しており、この匙本体が、前記柄部の長手方向に沿った
仮想の中心軸C1に対して、前記凹面33側に略10度
の傾斜角度を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、母乳や
ミルク以外の食品を摂取する時期において、母親等の介
助者から食品を与えられる状態から乳幼児が自らスプー
ンを使用するレベルに発達する過程において使用するた
めの、乳幼児の手や手掌及び口腔等の発達段階に適合し
た食事の道具として好適なスプーンとスプーンセットに
関するものである。
ミルク以外の食品を摂取する時期において、母親等の介
助者から食品を与えられる状態から乳幼児が自らスプー
ンを使用するレベルに発達する過程において使用するた
めの、乳幼児の手や手掌及び口腔等の発達段階に適合し
た食事の道具として好適なスプーンとスプーンセットに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば生後9か月から36か月程
度の乳幼児が、家庭内で離乳食や通常の食品を自ら摂取
する練習を行う場合においては、乳幼児用に小さく作っ
たスプーン等の洋食器が使用されている。このような乳
幼児用のスプーンは、一般に、乳幼児が使用しやすいよ
うに、通常の大人用のスプーンを単に小さく構成しただ
けで、その形態において特に工夫はなく、このような小
型のスプーンを乳幼児に使用させている。
度の乳幼児が、家庭内で離乳食や通常の食品を自ら摂取
する練習を行う場合においては、乳幼児用に小さく作っ
たスプーン等の洋食器が使用されている。このような乳
幼児用のスプーンは、一般に、乳幼児が使用しやすいよ
うに、通常の大人用のスプーンを単に小さく構成しただ
けで、その形態において特に工夫はなく、このような小
型のスプーンを乳幼児に使用させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乳幼児
は手や手掌及び口腔等の発達段階の途中にあり、例え
ば、スプーンの柄の部分と、匙本体の部分とが同一の軸
線上にあると、きわめて使いにくい。例えば、所定の器
に収容された食品をスプーンによりすくい取る場合に
は、匙本体の部分が所定角度傾斜していないと、すくい
とりにくく、特に、スプーンを保持するための手や指先
の細かな操作を行うことが難しい乳幼児には、使用しに
くい。
は手や手掌及び口腔等の発達段階の途中にあり、例え
ば、スプーンの柄の部分と、匙本体の部分とが同一の軸
線上にあると、きわめて使いにくい。例えば、所定の器
に収容された食品をスプーンによりすくい取る場合に
は、匙本体の部分が所定角度傾斜していないと、すくい
とりにくく、特に、スプーンを保持するための手や指先
の細かな操作を行うことが難しい乳幼児には、使用しに
くい。
【0004】また、スプーンで食品をすくって、これを
口腔内に入れた後、スプーンを引き出す時は、柄の部分
に対して匙本体とが大きく傾斜している場合には、柄の
分を握った手を上方に大きく引き上げなければならな
い。ところが、離乳期頃の乳幼児においては、肩や肘、
手首、指先等の間接を、それぞれ調整しながら動かすこ
とができず、上腕を一体として動かそうとしてしまうた
め、スプーンを引き上げることに伴い、顎を上げてしま
い、食品を上手く口腔内に取り込むことができないとい
う問題があった。
口腔内に入れた後、スプーンを引き出す時は、柄の部分
に対して匙本体とが大きく傾斜している場合には、柄の
分を握った手を上方に大きく引き上げなければならな
い。ところが、離乳期頃の乳幼児においては、肩や肘、
手首、指先等の間接を、それぞれ調整しながら動かすこ
とができず、上腕を一体として動かそうとしてしまうた
め、スプーンを引き上げることに伴い、顎を上げてしま
い、食品を上手く口腔内に取り込むことができないとい
う問題があった。
【0005】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたもので、乳幼児等が使用するスプーンに関
して、食品をすくって、自らの口腔まで運び、口腔内に
取り込む際に、細かい操作が行えなくても、すくいやす
く、また、口唇を閉じる力が弱く、口腔内から匙本体を
引き抜く動作を上手く行えなくても、食品を取り込みや
すいスプーンと、乳幼児等の手や手掌及び口腔等の発達
段階の進行に合わせて、さらに適した形態のスプーンを
使用可能としたスプーンセットを提供することを目的と
している。
めになされたもので、乳幼児等が使用するスプーンに関
して、食品をすくって、自らの口腔まで運び、口腔内に
取り込む際に、細かい操作が行えなくても、すくいやす
く、また、口唇を閉じる力が弱く、口腔内から匙本体を
引き抜く動作を上手く行えなくても、食品を取り込みや
すいスプーンと、乳幼児等の手や手掌及び口腔等の発達
段階の進行に合わせて、さらに適した形態のスプーンを
使用可能としたスプーンセットを提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明にあっては、一方向に長い柄部と、この柄部の先端
に設けられた匙本体とを備えるスプーンであって前記匙
本体は、食品を収容するための凹面を有しており、この
匙本体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に
対して、前記凹面側に略10度の傾斜角度を備える構成
とした、スプーンにより、達成される。
発明にあっては、一方向に長い柄部と、この柄部の先端
に設けられた匙本体とを備えるスプーンであって前記匙
本体は、食品を収容するための凹面を有しており、この
匙本体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に
対して、前記凹面側に略10度の傾斜角度を備える構成
とした、スプーンにより、達成される。
【0007】請求項1の構成によれば、匙本体が、前記
柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対して、ほとん
ど傾斜していない場合は、所定の器に収容された食品を
匙本体の部分ですくいとりにくい。また、傾斜が大き過
ぎる場合にも、食品を口に運んだ後で、スプーンをうま
く扱えなくなる。そこで、本発明者はこれらの弊害をと
もに除去するのに適切な傾斜角度を種々検討した結果、
匙本体を、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に
対して、前記凹面側に略10度傾斜させたものである。
ここで、略10度とは、8度ないし12度程度である。
このスプーンは、好ましくは、乳幼児等の要介助者が自
ら使用するスプーンである。
柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対して、ほとん
ど傾斜していない場合は、所定の器に収容された食品を
匙本体の部分ですくいとりにくい。また、傾斜が大き過
ぎる場合にも、食品を口に運んだ後で、スプーンをうま
く扱えなくなる。そこで、本発明者はこれらの弊害をと
もに除去するのに適切な傾斜角度を種々検討した結果、
匙本体を、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に
対して、前記凹面側に略10度傾斜させたものである。
ここで、略10度とは、8度ないし12度程度である。
このスプーンは、好ましくは、乳幼児等の要介助者が自
ら使用するスプーンである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記匙本体の幅が、ほぼ20ミリメートル以上で2
5ミリメートル以下とされていることを特徴とする。請
求項2の構成によれば、この匙本体の幅は、約9か月か
ら2才程度の乳幼児の口の両端部である口角の間の距離
のほぼ3分の2程度に対応しており、匙本体の先端を口
腔内にほぼ垂直に向けて差し入れる場合に好適である。
つまり、匙本体の幅が、20ミリメートルより小さい
と、手指の発達が未熟なため、匙本体を口に運ぶことが
難しく、また口唇をすぼめるように閉じることを誘発し
てしまい、口唇をしっかり閉じて食品をとり込めないと
いう弊害があり。25ミリメートルより大きいと口腔内
に入れにくいので、口唇の横,すなわち口角の位置から
匙本体を入れる行為を誘発し、望ましくない。また、口
唇が閉じにくいため、食品を取り込めず、口からスムー
ズに引き出せないという弊害がある。
て、前記匙本体の幅が、ほぼ20ミリメートル以上で2
5ミリメートル以下とされていることを特徴とする。請
求項2の構成によれば、この匙本体の幅は、約9か月か
ら2才程度の乳幼児の口の両端部である口角の間の距離
のほぼ3分の2程度に対応しており、匙本体の先端を口
腔内にほぼ垂直に向けて差し入れる場合に好適である。
つまり、匙本体の幅が、20ミリメートルより小さい
と、手指の発達が未熟なため、匙本体を口に運ぶことが
難しく、また口唇をすぼめるように閉じることを誘発し
てしまい、口唇をしっかり閉じて食品をとり込めないと
いう弊害があり。25ミリメートルより大きいと口腔内
に入れにくいので、口唇の横,すなわち口角の位置から
匙本体を入れる行為を誘発し、望ましくない。また、口
唇が閉じにくいため、食品を取り込めず、口からスムー
ズに引き出せないという弊害がある。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2のい
ずれかの構成において、前記匙本体の深さがほぼ3ミリ
メートル以上で4.5ミリメートル以下とされているこ
とを特徴とする。請求項3の構成によれば、この匙本体
の深さは、約9か月から2才程度の乳幼児がその口腔の
大きさに応じて摂取できる食品の大きさもしくは量と対
応している。つまり、匙本体の深さが、3ミリメートル
より浅いと、一回の動作で摂取できる食品の量が少なく
なるだでなく、匙本体を水平にして口まで運ぶことが難
しいため、動きの途中で食品を落としてしまうという弊
害があり、4.5ミリメートルより深いと口唇を閉じる
力が弱いために、上唇を匙本体の深さに合わせて、そら
せることができず、匙本体上の食品を口腔に取り込むこ
とができずに匙本体上に食品が残ってしまう。匙本体上
に食品が残ると、乳幼児は繰り返し歳児本体を口腔内に
入れて引き抜く動きが見られるだけでなく、歯を使っ
て、食品をこそぎ取ろうとする好ましくない動きを誘発
してしまうという弊害がある。
ずれかの構成において、前記匙本体の深さがほぼ3ミリ
メートル以上で4.5ミリメートル以下とされているこ
とを特徴とする。請求項3の構成によれば、この匙本体
の深さは、約9か月から2才程度の乳幼児がその口腔の
大きさに応じて摂取できる食品の大きさもしくは量と対
応している。つまり、匙本体の深さが、3ミリメートル
より浅いと、一回の動作で摂取できる食品の量が少なく
なるだでなく、匙本体を水平にして口まで運ぶことが難
しいため、動きの途中で食品を落としてしまうという弊
害があり、4.5ミリメートルより深いと口唇を閉じる
力が弱いために、上唇を匙本体の深さに合わせて、そら
せることができず、匙本体上の食品を口腔に取り込むこ
とができずに匙本体上に食品が残ってしまう。匙本体上
に食品が残ると、乳幼児は繰り返し歳児本体を口腔内に
入れて引き抜く動きが見られるだけでなく、歯を使っ
て、食品をこそぎ取ろうとする好ましくない動きを誘発
してしまうという弊害がある。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、前記柄部の前記匙本体と反対の
端部に略球状のつまみ部を備えることを特徴とする。請
求項4の構成によれば、乳幼児には、指先で長いものの
先端を摘む傾向が認められる。このような行動の傾向を
利用して、柄部の先端に指先,特に親指,人指し指,中
指の3本の指でつまみやすい形状として、柄部の端部に
略球状の形状を形成している。これにより、乳幼児は、
この球状先端を摘むことで、掌全体でなく、指先を用い
て柄部を掴む行動を促し、所謂、ペングリップによる正
しい持ち方へ移行するための訓練することができる。
ずれかの構成において、前記柄部の前記匙本体と反対の
端部に略球状のつまみ部を備えることを特徴とする。請
求項4の構成によれば、乳幼児には、指先で長いものの
先端を摘む傾向が認められる。このような行動の傾向を
利用して、柄部の先端に指先,特に親指,人指し指,中
指の3本の指でつまみやすい形状として、柄部の端部に
略球状の形状を形成している。これにより、乳幼児は、
この球状先端を摘むことで、掌全体でなく、指先を用い
て柄部を掴む行動を促し、所謂、ペングリップによる正
しい持ち方へ移行するための訓練することができる。
【0011】請求項5の発明は、請求項4の構成におい
て、前記つまみ部の表面が弾性材料により形成されてい
ることを特徴とする。請求項5の構成によれば、前記つ
まみ部の表面が弾性材料により形成されているので、乳
幼児が指先で摘んだ際にすべりにくく、掴みやすい。
て、前記つまみ部の表面が弾性材料により形成されてい
ることを特徴とする。請求項5の構成によれば、前記つ
まみ部の表面が弾性材料により形成されているので、乳
幼児が指先で摘んだ際にすべりにくく、掴みやすい。
【0012】請求項6の発明は、請求項4または5の構
成において、前記つまみ部が球状に形成されていて、そ
の直径がほぼ10ミリメートル以上15ミリメートル以
下とされていることを特徴とする。請求項6の構成によ
れば、乳幼児の小さな指先によりつまみやすく、ペング
リップで握る柄部と同等の大きさとすることで、柄部を
ペングリップで保持する行動を促しやすい。また、つま
み部の直径がほぼ10ミリメートル以上15ミリメート
ルとされることで、柄をペングリップで握った際の違和
感を低減でき、好ましい。
成において、前記つまみ部が球状に形成されていて、そ
の直径がほぼ10ミリメートル以上15ミリメートル以
下とされていることを特徴とする。請求項6の構成によ
れば、乳幼児の小さな指先によりつまみやすく、ペング
リップで握る柄部と同等の大きさとすることで、柄部を
ペングリップで保持する行動を促しやすい。また、つま
み部の直径がほぼ10ミリメートル以上15ミリメート
ルとされることで、柄をペングリップで握った際の違和
感を低減でき、好ましい。
【0013】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれかの構成において、前記柄部の断面形状が、前記匙
本体の幅方向に長い楕円もしくは長円形状でなることを
特徴とする。請求項7の構成によれば、前記柄部の断面
形状が、例えば断面多角形であると、角があるために握
る際の妨げになる。また、前記柄部の断面形状が、匙本
体の幅方向に長い楕円もしくは長円とされることによ
り、乳幼児がこの柄部を握って保持した時に、匙本体の
凹面をほぼ水平方向に保持することとなり、正しく位置
決めされる。ここで、「長い楕円もしくは長円」には、
断面長方形や菱形等の角部を面とりした形態も含まれ
る。
ずれかの構成において、前記柄部の断面形状が、前記匙
本体の幅方向に長い楕円もしくは長円形状でなることを
特徴とする。請求項7の構成によれば、前記柄部の断面
形状が、例えば断面多角形であると、角があるために握
る際の妨げになる。また、前記柄部の断面形状が、匙本
体の幅方向に長い楕円もしくは長円とされることによ
り、乳幼児がこの柄部を握って保持した時に、匙本体の
凹面をほぼ水平方向に保持することとなり、正しく位置
決めされる。ここで、「長い楕円もしくは長円」には、
断面長方形や菱形等の角部を面とりした形態も含まれ
る。
【0014】請求項8の発明は、請求項1ないし7のい
ずれかの構成において、前記柄部の表面の少なくとも一
部が弾性材料により形成されていることを特徴とする。
請求項8の構成によれば、前記柄部の表面の少なくとも
一部が摩擦抵抗の大きな弾性材料により形成されている
ので、乳幼児が握って保持した際に滑りにくく、保持し
やすい。
ずれかの構成において、前記柄部の表面の少なくとも一
部が弾性材料により形成されていることを特徴とする。
請求項8の構成によれば、前記柄部の表面の少なくとも
一部が摩擦抵抗の大きな弾性材料により形成されている
ので、乳幼児が握って保持した際に滑りにくく、保持し
やすい。
【0015】上記目的は、請求項9の発明にあっては、
一方向に長い柄部と、この柄部の先端に設けられた匙本
体とを備えるスプーンであって、前記匙本体は、食品を
収容するための凹面を有しており、この匙本体が、前記
柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対して、前記凹
面側に略10度の傾斜角度を備える構成とした、第1の
スプーンと、一方向に長い柄部と、この柄部の先端に設
けられた匙本体とを備えるスプーンであって前記匙本体
は、食品を収容するための凹面を有しており、この匙本
体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対し
て、ほとんど傾斜しない構成とした、第2のスプーンと
を備える、スプーンセットにより、達成される。このス
プーンは、好ましくは、乳幼児等の要介助者が自ら使用
するスプーンである。
一方向に長い柄部と、この柄部の先端に設けられた匙本
体とを備えるスプーンであって、前記匙本体は、食品を
収容するための凹面を有しており、この匙本体が、前記
柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対して、前記凹
面側に略10度の傾斜角度を備える構成とした、第1の
スプーンと、一方向に長い柄部と、この柄部の先端に設
けられた匙本体とを備えるスプーンであって前記匙本体
は、食品を収容するための凹面を有しており、この匙本
体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対し
て、ほとんど傾斜しない構成とした、第2のスプーンと
を備える、スプーンセットにより、達成される。このス
プーンは、好ましくは、乳幼児等の要介助者が自ら使用
するスプーンである。
【0016】請求項9の構成によれば、乳幼児がスプー
ンを使用して、自ら固形の食品を摂取しはじめる9か月
から2才程度の頃までは、第1のスプーンを使用するこ
とで、その匙本体の適切な傾斜に基づいて食品をすくう
ことができ、食品を口に運んだ後も、適切な動きで匙本
体を口腔から引き出して食事をすることができる。次い
で、乳幼児が食具を使用して、食品を摂取する行為が食
事の主な形態となった2才程度となった時には、柄部の
軸線と一致した匙本体を備える第2のスプーンを使用す
ることで、健常な大人の使い方に近いスプーンの使い方
を練習することができる。すなわち、乳幼児は、第1の
スプーンにより初めてスプーンのボウル状の匙本体で食
品をすくって口に運び、匙本体を口腔からひきだすとい
う食事における反復動作を経験し、この経験に基づい
て、さらに手や手掌及び口腔等の発達段階の進んだ状態
において、このような身体的な成長に基づいて、匙本体
が柄部に対して傾斜していないスプーンを扱う練習をす
ることができる。この場合、前記第2のスプーンは、匙
本体が柄部に対して傾斜していない構成である点を除い
て、請求項2から請求項8に規定されるあらゆる特徴を
備えたスプーンとして構成することができる。
ンを使用して、自ら固形の食品を摂取しはじめる9か月
から2才程度の頃までは、第1のスプーンを使用するこ
とで、その匙本体の適切な傾斜に基づいて食品をすくう
ことができ、食品を口に運んだ後も、適切な動きで匙本
体を口腔から引き出して食事をすることができる。次い
で、乳幼児が食具を使用して、食品を摂取する行為が食
事の主な形態となった2才程度となった時には、柄部の
軸線と一致した匙本体を備える第2のスプーンを使用す
ることで、健常な大人の使い方に近いスプーンの使い方
を練習することができる。すなわち、乳幼児は、第1の
スプーンにより初めてスプーンのボウル状の匙本体で食
品をすくって口に運び、匙本体を口腔からひきだすとい
う食事における反復動作を経験し、この経験に基づい
て、さらに手や手掌及び口腔等の発達段階の進んだ状態
において、このような身体的な成長に基づいて、匙本体
が柄部に対して傾斜していないスプーンを扱う練習をす
ることができる。この場合、前記第2のスプーンは、匙
本体が柄部に対して傾斜していない構成である点を除い
て、請求項2から請求項8に規定されるあらゆる特徴を
備えたスプーンとして構成することができる。
【0017】請求項10の発明は、請求項9の構成にお
いて、前記第2のスプーンの重心が、前記第1のスプー
ンの重心よりも前記匙本体よりに位置するように設定さ
れていることを特徴とする。請求項10の構成によれ
ば、乳幼児が成長に伴い、様々な食品を摂取するに当た
り、重心が匙本体側にある事で、匙本体が自然に食品に
向かい、例えば、滑りやすい食品を掬ったり、大きな食
品を適当な大きさに切断する等の細かな操作を行う事が
容易となる。
いて、前記第2のスプーンの重心が、前記第1のスプー
ンの重心よりも前記匙本体よりに位置するように設定さ
れていることを特徴とする。請求項10の構成によれ
ば、乳幼児が成長に伴い、様々な食品を摂取するに当た
り、重心が匙本体側にある事で、匙本体が自然に食品に
向かい、例えば、滑りやすい食品を掬ったり、大きな食
品を適当な大きさに切断する等の細かな操作を行う事が
容易となる。
【0018】請求項11の発明は、請求項10の構成に
おいて、前記第1のスプーンの前記匙本体が、プラスチ
ック素材で形成され、前記第2のスプーンの前記匙本体
が、金属材料により形成されていることを特徴とする。
請求項11の構成によれば、第2のスプーンの匙本体は
第1のスプーンの匙本体よりも重くなることから、スプ
ーンの重心をより匙本体側に位置させることができる。
さらに、離乳食が完了期になり、大人と変わらない硬さ
の食品を食べはじめた際に、食品を切るといった使い方
をしやすい。また、噛む力が強くなるのにともなって、
匙本体に傷がつくことを防止できる。
おいて、前記第1のスプーンの前記匙本体が、プラスチ
ック素材で形成され、前記第2のスプーンの前記匙本体
が、金属材料により形成されていることを特徴とする。
請求項11の構成によれば、第2のスプーンの匙本体は
第1のスプーンの匙本体よりも重くなることから、スプ
ーンの重心をより匙本体側に位置させることができる。
さらに、離乳食が完了期になり、大人と変わらない硬さ
の食品を食べはじめた際に、食品を切るといった使い方
をしやすい。また、噛む力が強くなるのにともなって、
匙本体に傷がつくことを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下
に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下
に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0020】図1ないし図6は、本発明の実施形態にか
かるスプーンを示しており、特に、第1のスプーンの実
施形態の構成を示している。図1は、スプーン30の概
略斜視図、図2は図1のスプーン30の概略平面図、図
3は図1のスプーン30の凹面を上に向けた概略側面
図、図4は図2のスプーン30の凹面を上に向けたA−
A線概略断面図、図5は図2のスプーン30の匙本体の
断面図であり、(a)はB−B線断面図、(b)はC−
C線断面図、図6はスプーン30の柄部の断面図であ
り、(a)は図2のD−D線断面図、(b)は図3のF
−F線断面図、をそれぞれ表している。
かるスプーンを示しており、特に、第1のスプーンの実
施形態の構成を示している。図1は、スプーン30の概
略斜視図、図2は図1のスプーン30の概略平面図、図
3は図1のスプーン30の凹面を上に向けた概略側面
図、図4は図2のスプーン30の凹面を上に向けたA−
A線概略断面図、図5は図2のスプーン30の匙本体の
断面図であり、(a)はB−B線断面図、(b)はC−
C線断面図、図6はスプーン30の柄部の断面図であ
り、(a)は図2のD−D線断面図、(b)は図3のF
−F線断面図、をそれぞれ表している。
【0021】図1ないし図3において、スプーン30
は、一方向に長い柄部31と、この柄部31の先端に設
けられ、凹面33を備える匙本体32とを備えている。
このスプーン30は、例えば、その匙本体32と、図3
に示すように、これと一体になった柄部31は、全て軽
量な材料,例えば、合成樹脂により、形成されており、
例えば、ポリプロピレンで成形されている。
は、一方向に長い柄部31と、この柄部31の先端に設
けられ、凹面33を備える匙本体32とを備えている。
このスプーン30は、例えば、その匙本体32と、図3
に示すように、これと一体になった柄部31は、全て軽
量な材料,例えば、合成樹脂により、形成されており、
例えば、ポリプロピレンで成形されている。
【0022】匙本体32は、柄部31と同じ材料で軽量
に形成されており、上面に凹面33を備えるボウル状に
形成されている。また、この匙本体32は、柄部31の
長手方向に沿った仮想の中心軸C3に対して、凹面33
を上に向けた時に、起きる方向に傾斜しており、この傾
斜角度θは、略10度の傾斜角度とされている。これに
より、後述するように、このスプーン30の使用時期の
乳幼児が、所定の器に収容された食品を匙本体32です
くいとりやすく、食品を口に運んだ後で、スプーン30
をうまく扱えるようにされている。
に形成されており、上面に凹面33を備えるボウル状に
形成されている。また、この匙本体32は、柄部31の
長手方向に沿った仮想の中心軸C3に対して、凹面33
を上に向けた時に、起きる方向に傾斜しており、この傾
斜角度θは、略10度の傾斜角度とされている。これに
より、後述するように、このスプーン30の使用時期の
乳幼児が、所定の器に収容された食品を匙本体32です
くいとりやすく、食品を口に運んだ後で、スプーン30
をうまく扱えるようにされている。
【0023】また、このスプーン30の匙本体32は、
図2においてその幅W2が、ほぼ22ミリメートル以上
で25ミリメートル以下とされている。この幅W2は、
使用者である乳幼児が、約9か月から2才程度の乳幼児
であることを想定しており、その口の両端部である口角
の間の距離のほぼ3分の2程度に対応している。これに
より、匙本体32の先端を口腔内にほぼ垂直に向けて差
し入れる場合に好適である。つまり、匙本体32の幅
が、20ミリメートルより小さいと、手指の発達が未熟
なため、匙本体を口に運ぶことが難しく、また口唇をす
ぼめるように閉じることを誘発してしまい、口唇をしっ
かり閉じて食品をとり込めないという弊害がある。25
ミリメートルより大きいと口腔内に入れにくいので、口
唇の横,すなわち口角の位置から匙本体を入れる行為を
誘発し、望ましくない。また、口唇が閉じにくいため、
食品を取り込めず、口からスムーズに引き出せないとい
う弊害がある。
図2においてその幅W2が、ほぼ22ミリメートル以上
で25ミリメートル以下とされている。この幅W2は、
使用者である乳幼児が、約9か月から2才程度の乳幼児
であることを想定しており、その口の両端部である口角
の間の距離のほぼ3分の2程度に対応している。これに
より、匙本体32の先端を口腔内にほぼ垂直に向けて差
し入れる場合に好適である。つまり、匙本体32の幅
が、20ミリメートルより小さいと、手指の発達が未熟
なため、匙本体を口に運ぶことが難しく、また口唇をす
ぼめるように閉じることを誘発してしまい、口唇をしっ
かり閉じて食品をとり込めないという弊害がある。25
ミリメートルより大きいと口腔内に入れにくいので、口
唇の横,すなわち口角の位置から匙本体を入れる行為を
誘発し、望ましくない。また、口唇が閉じにくいため、
食品を取り込めず、口からスムーズに引き出せないとい
う弊害がある。
【0024】さらに、匙本体32の凹面33の曲率は、
乳幼児が匙本体32に食品をすくいとって一度に口腔内
に取り入れる食品の量や口唇を閉じて、すくった食品を
取り込むことができる深さに対応して決定されており、
図5(a)に示すように、例えば、中央部の曲率33a
は、半径17mm、図5(b)に示すように、先端部の
曲率33bは半径29mm程度とされている。そして、
図5(a)に示すように、匙本体32の最大深さh1は
3mm程度とされている。
乳幼児が匙本体32に食品をすくいとって一度に口腔内
に取り入れる食品の量や口唇を閉じて、すくった食品を
取り込むことができる深さに対応して決定されており、
図5(a)に示すように、例えば、中央部の曲率33a
は、半径17mm、図5(b)に示すように、先端部の
曲率33bは半径29mm程度とされている。そして、
図5(a)に示すように、匙本体32の最大深さh1は
3mm程度とされている。
【0025】さらに、スプーン30では、柄部31の匙
本体32と反対の端部に略球状のつまみ部35を備えて
いる。このつまみ部35は、図示のようなほぼ完全な球
形だけでなく、半球状や楕円状等種々の形態で構成する
ことができる。このつまみ部35は、次のような乳幼児
の手の機能の特徴に考慮して形成されている。すなわ
ち、乳幼児には、指先で長いものの先端を摘む傾向が認
められる。このような行動の傾向を利用して、柄部の先
端に指先,特に親指,人指し指,中指の3本の指でつま
みやすい形状として、柄部の端部に略球状の形状を形成
している。これにより、乳幼児は、つまみ部35である
球状先端を摘むことで、掌全体でなく、指先を用いて柄
部を掴む行動を促し、所謂、ペングリップによる正しい
持ち方を訓練することができる。この点については、後
で、さらに詳しく説明する。
本体32と反対の端部に略球状のつまみ部35を備えて
いる。このつまみ部35は、図示のようなほぼ完全な球
形だけでなく、半球状や楕円状等種々の形態で構成する
ことができる。このつまみ部35は、次のような乳幼児
の手の機能の特徴に考慮して形成されている。すなわ
ち、乳幼児には、指先で長いものの先端を摘む傾向が認
められる。このような行動の傾向を利用して、柄部の先
端に指先,特に親指,人指し指,中指の3本の指でつま
みやすい形状として、柄部の端部に略球状の形状を形成
している。これにより、乳幼児は、つまみ部35である
球状先端を摘むことで、掌全体でなく、指先を用いて柄
部を掴む行動を促し、所謂、ペングリップによる正しい
持ち方を訓練することができる。この点については、後
で、さらに詳しく説明する。
【0026】また、柄部31のつまみ部35の表面は弾
性材料により形成されている。つまり、図4に示されて
いるように、柄部31の匙本体32とは反対の端部側1
1bは、その表面全体が、例えばエラストマー等の弾性
材料により、被覆されている。この実施形態では、弾性
材料としてのエラストマーは、例えば、JIS−K62
53(ISO7619)A型における、硬度60程度の
素材が選択されている。これにより、つまみ部35は、
乳幼児が指先で摘んだ際にすべりにくく、掴みやすいよ
うにされている。また、この球状のつまみ部35の直径
は、例えば、10ミリメートル以上15ミリメートル以
下とされている。これにより、乳幼児の小さな指先によ
りつまみやすい大きさに設定されている。
性材料により形成されている。つまり、図4に示されて
いるように、柄部31の匙本体32とは反対の端部側1
1bは、その表面全体が、例えばエラストマー等の弾性
材料により、被覆されている。この実施形態では、弾性
材料としてのエラストマーは、例えば、JIS−K62
53(ISO7619)A型における、硬度60程度の
素材が選択されている。これにより、つまみ部35は、
乳幼児が指先で摘んだ際にすべりにくく、掴みやすいよ
うにされている。また、この球状のつまみ部35の直径
は、例えば、10ミリメートル以上15ミリメートル以
下とされている。これにより、乳幼児の小さな指先によ
りつまみやすい大きさに設定されている。
【0027】また、スプーン30の柄部31の断面形状
は、図6(a)及び図6(b)に示されているように、
匙本体32の幅W2の方向(図2のY方向)に長い楕円
もしくは長円形状とされている。すなわち、柄部31の
断面形状が、例えば断面4角形等であると、角があるた
めに、後述するような乳幼児による握り方の練習の妨げ
になることを避けるためである。また、柄部31の断面
形状が、図2のY方向に長い楕円もしくは長円とされる
ことにより、乳幼児がこの柄部31を保持した時に、匙
本体32の凹面33は上に向くこととなり、正しく位置
決めすることができるようになっている。ここで、柄部
31の太さは、楕円断面において、短軸で8mm程度、
長軸で10mm程度とされており、太すぎると指を柄部
の周囲にまわすことができないため、手掌全体で握るこ
とを誘発してしまい、細すぎると柄部を握ることができ
ないという問題がある。このため、柄部31の外周が、
25mm乃至40mmとすることが好ましい。また、上
述したように柄部の端部側31b表面が弾性材料により
形成されているので、乳幼児がペングリップで保持した
際に滑りにくく、保持しやすいようになっている。そし
て、このスプーン30では、図2において、柄部31の
長さL8が例えば、70mm程度とされ、全長L7が9
8mm程度とされている。この場合、柄部31の長さL
8は、60mmないし75mmであることが好ましい。
柄部31の長さL8が75mmより長いと、乳幼児は、
柄部31の先端を掴む傾向があるため操作しにくくな
る。柄部31の長さL8が60mmより短いと、手掌の
幅に比べて柄部31の長さが小さくなり、握って操作す
ることが困難となる。
は、図6(a)及び図6(b)に示されているように、
匙本体32の幅W2の方向(図2のY方向)に長い楕円
もしくは長円形状とされている。すなわち、柄部31の
断面形状が、例えば断面4角形等であると、角があるた
めに、後述するような乳幼児による握り方の練習の妨げ
になることを避けるためである。また、柄部31の断面
形状が、図2のY方向に長い楕円もしくは長円とされる
ことにより、乳幼児がこの柄部31を保持した時に、匙
本体32の凹面33は上に向くこととなり、正しく位置
決めすることができるようになっている。ここで、柄部
31の太さは、楕円断面において、短軸で8mm程度、
長軸で10mm程度とされており、太すぎると指を柄部
の周囲にまわすことができないため、手掌全体で握るこ
とを誘発してしまい、細すぎると柄部を握ることができ
ないという問題がある。このため、柄部31の外周が、
25mm乃至40mmとすることが好ましい。また、上
述したように柄部の端部側31b表面が弾性材料により
形成されているので、乳幼児がペングリップで保持した
際に滑りにくく、保持しやすいようになっている。そし
て、このスプーン30では、図2において、柄部31の
長さL8が例えば、70mm程度とされ、全長L7が9
8mm程度とされている。この場合、柄部31の長さL
8は、60mmないし75mmであることが好ましい。
柄部31の長さL8が75mmより長いと、乳幼児は、
柄部31の先端を掴む傾向があるため操作しにくくな
る。柄部31の長さL8が60mmより短いと、手掌の
幅に比べて柄部31の長さが小さくなり、握って操作す
ることが困難となる。
【0028】本実施形態の第1のスプーンとしてのスプ
ーン30は、以上のように構成されており、以下のよう
に使用される。ここで、スプーン30の使用方法を説明
する前に、乳幼児の手や手掌の運動機能の発達とスプー
ンやスプーン等の食具の掴み方の関係について説明す
る。図7は、スプーン30の柄部31のような長い物や
部分Bを乳幼児が掴む場合に、指先の運動能力が未発達
であると、図7のような「パームグラスプ」と呼ばれる
掌を使った持ち方がされる。図7(a)は、パームグラ
スプの状態を正面から見た図、図7(b)は、パームグ
ラスプの状態を背面から見た図である。
ーン30は、以上のように構成されており、以下のよう
に使用される。ここで、スプーン30の使用方法を説明
する前に、乳幼児の手や手掌の運動機能の発達とスプー
ンやスプーン等の食具の掴み方の関係について説明す
る。図7は、スプーン30の柄部31のような長い物や
部分Bを乳幼児が掴む場合に、指先の運動能力が未発達
であると、図7のような「パームグラスプ」と呼ばれる
掌を使った持ち方がされる。図7(a)は、パームグラ
スプの状態を正面から見た図、図7(b)は、パームグ
ラスプの状態を背面から見た図である。
【0029】次に、指先が少し動くようになり、図8に
示すように、人刺し指と親指がパームグラスプの握り状
態からすこし外れて、「フォンガーグラスプ」という握
り方をするようになる。しかしながら、スプーンやスプ
ーン等の等の食具の持ち方としては、パームグラスプも
フォンガーグラスプも、匙本体の角度の調整や向きの変
化を行うという細かな動きをするためには不適当で、一
般の大人が食具を使用する際に行うペングリップに移行
させないと、これらの食具を上手に使用することができ
ない。すなわち、ペングリップでは、図9に示されてい
るように、掌をほとんど使わず、人指し指、親指、中指
の主として3本の指の腹部や側部を保持対象である長い
部分Bに当接させ、指の動きにより、より自由にこれを
コントロールすることができるからである。
示すように、人刺し指と親指がパームグラスプの握り状
態からすこし外れて、「フォンガーグラスプ」という握
り方をするようになる。しかしながら、スプーンやスプ
ーン等の等の食具の持ち方としては、パームグラスプも
フォンガーグラスプも、匙本体の角度の調整や向きの変
化を行うという細かな動きをするためには不適当で、一
般の大人が食具を使用する際に行うペングリップに移行
させないと、これらの食具を上手に使用することができ
ない。すなわち、ペングリップでは、図9に示されてい
るように、掌をほとんど使わず、人指し指、親指、中指
の主として3本の指の腹部や側部を保持対象である長い
部分Bに当接させ、指の動きにより、より自由にこれを
コントロールすることができるからである。
【0030】図10は、スプーン30を手Hを用いて正
しくペングリップした様子を示している。この図では、
手Hの人指し指、親指、中指の3本の指を用いて、スプ
ーン30の柄部31の匙本体32よりの部分31aを保
持する様子を示している。乳幼児の摂食行動の訓練の段
階では、このようなペングリップによる握り方を学習す
る必要があり、また、ペングリップで、図示のように匙
本体32に近い箇所を保持すると匙本体32を制御しや
すい。
しくペングリップした様子を示している。この図では、
手Hの人指し指、親指、中指の3本の指を用いて、スプ
ーン30の柄部31の匙本体32よりの部分31aを保
持する様子を示している。乳幼児の摂食行動の訓練の段
階では、このようなペングリップによる握り方を学習す
る必要があり、また、ペングリップで、図示のように匙
本体32に近い箇所を保持すると匙本体32を制御しや
すい。
【0031】しかしながら、図7または図8のような握
り方しかできない乳幼児に、いきなり図10のようなペ
ングリップを実行することは困難であることから、スプ
ーン30を用いることで、例えば、先ず、図11のよう
な握り方を練習することができる。図11では、乳幼児
の性向として、長いものの端部をつかもうとする傾向が
あることを利用している。特に、このような行動の傾向
を利用して、柄部の先端の球状のつまみ部35を指先,
特に親指,人指し指,中指の3本の指で積極的につまむ
ように促すことができ、つまみ部35を図示のようにペ
ングリップの形態で摘むようにさせる。これを繰り返す
ううちに、次第に、柄部31の部分も同じ掴み方で保持
する練習を実現することができ、やがて図10に示すよ
うなペングリップを実行することができるようになる。
り方しかできない乳幼児に、いきなり図10のようなペ
ングリップを実行することは困難であることから、スプ
ーン30を用いることで、例えば、先ず、図11のよう
な握り方を練習することができる。図11では、乳幼児
の性向として、長いものの端部をつかもうとする傾向が
あることを利用している。特に、このような行動の傾向
を利用して、柄部の先端の球状のつまみ部35を指先,
特に親指,人指し指,中指の3本の指で積極的につまむ
ように促すことができ、つまみ部35を図示のようにペ
ングリップの形態で摘むようにさせる。これを繰り返す
ううちに、次第に、柄部31の部分も同じ掴み方で保持
する練習を実現することができ、やがて図10に示すよ
うなペングリップを実行することができるようになる。
【0032】図12は、スプーン30の柄部31の匙本
体32と反対の端部側11bをペングリップで保持して
いる様子を示している。図10の保持の仕方から発展し
て、次第にこのような位置を保持するようになれば、匙
本体32から距離を置いた位置を保持できるようにな
る。これにより、匙本体32をより自由に動かすことが
できので好ましい。また、この端部側31bは上述した
ように、表面にエラストマーを施し、滑りにくくなって
いるので、このような保持の仕方をすれば、指先の力が
不足し勝ちな乳幼児にとって、スプーン30を落とした
りすることなく、使用することができる。
体32と反対の端部側11bをペングリップで保持して
いる様子を示している。図10の保持の仕方から発展し
て、次第にこのような位置を保持するようになれば、匙
本体32から距離を置いた位置を保持できるようにな
る。これにより、匙本体32をより自由に動かすことが
できので好ましい。また、この端部側31bは上述した
ように、表面にエラストマーを施し、滑りにくくなって
いるので、このような保持の仕方をすれば、指先の力が
不足し勝ちな乳幼児にとって、スプーン30を落とした
りすることなく、使用することができる。
【0033】さらに、スプーン30を使用して、ペング
リップの練習を行うことにより、図13のような摂食行
動の改善を行うことができる。図13は、乳幼児が摂食
行動により口Mに食品を取り込む際のスプーン30の口
唇Mへの差し入れ方を示す図である。図13の(1)で
は、口唇Mに対して、匙本体32が寝ている状態,つま
り横になっている状態である。これは、例えば、図7,
図8で説明したパームグラスプやフォンガーグラスプで
なければ保持できない場合に、乳幼児は、スプーン30
を持った手の肩や肘、手首の動きをそれぞれ調整しなが
ら動作することができず、上腕を一体に動かそうとする
こととあいまって、このような不適切な方法で食品を口
に運ぶことが観察される。
リップの練習を行うことにより、図13のような摂食行
動の改善を行うことができる。図13は、乳幼児が摂食
行動により口Mに食品を取り込む際のスプーン30の口
唇Mへの差し入れ方を示す図である。図13の(1)で
は、口唇Mに対して、匙本体32が寝ている状態,つま
り横になっている状態である。これは、例えば、図7,
図8で説明したパームグラスプやフォンガーグラスプで
なければ保持できない場合に、乳幼児は、スプーン30
を持った手の肩や肘、手首の動きをそれぞれ調整しなが
ら動作することができず、上腕を一体に動かそうとする
こととあいまって、このような不適切な方法で食品を口
に運ぶことが観察される。
【0034】これに対して、図10ないし図12のよう
な練習をすることで、ペングリップでスプーン30を保
持できるようになった場合には、手首や指先を動かし
て、匙本体30を口唇に運ぶことができるようになるた
め、スプーン30の匙本体32の向きを制御できるよう
になり、図13の(2)や(3)に示すように、匙本体
32を口唇Mにほぼ垂直に向けて、大人と同様な食品の
運び方と、口への差し入れ方を実現することができるよ
うになる。
な練習をすることで、ペングリップでスプーン30を保
持できるようになった場合には、手首や指先を動かし
て、匙本体30を口唇に運ぶことができるようになるた
め、スプーン30の匙本体32の向きを制御できるよう
になり、図13の(2)や(3)に示すように、匙本体
32を口唇Mにほぼ垂直に向けて、大人と同様な食品の
運び方と、口への差し入れ方を実現することができるよ
うになる。
【0035】図14は、スプーン30が保持した食品を
口腔内に取り込む場合の取り込み方を示している。図1
4(a)は、スプーン30が保持した食品を大きく開け
た口M内の単純に落とし込む状態、図14(b)は、ス
プーン30が保持した食品を歯Tをつかって、削りとる
ように受容する状態、図14(c)は、スプーン30が
保持した食品を口唇Mで抑えて、口腔内に取り込む様子
をそれぞれ示している。
口腔内に取り込む場合の取り込み方を示している。図1
4(a)は、スプーン30が保持した食品を大きく開け
た口M内の単純に落とし込む状態、図14(b)は、ス
プーン30が保持した食品を歯Tをつかって、削りとる
ように受容する状態、図14(c)は、スプーン30が
保持した食品を口唇Mで抑えて、口腔内に取り込む様子
をそれぞれ示している。
【0036】スプーン30を正しく保持できずに、スプ
ーン30と口Mとの関係が図13の(1)や(2)のよ
うな差し入れ方となると、スプーン30の匙本体32の
向きが横向きに近くなることから、匙本体32を口唇か
ら内部に十分受容できない。このため、図14(a)ま
たは図14(b)のように、不適切な摂食行動となって
しまう。したがって、スプーン30を乳幼児が自ら保持
して食べる練習をすることにより、手首や指先を細かく
制御しながら動かせるように発達することに伴い、スプ
ーン30の口Mに対する向きを、図13(3)に示すよ
うにすることができ、しかも、口唇を閉じる力が強くな
るのとあいまって、図14(c)に示すように、食品を
正しく口腔内に取り込むことができる。
ーン30と口Mとの関係が図13の(1)や(2)のよ
うな差し入れ方となると、スプーン30の匙本体32の
向きが横向きに近くなることから、匙本体32を口唇か
ら内部に十分受容できない。このため、図14(a)ま
たは図14(b)のように、不適切な摂食行動となって
しまう。したがって、スプーン30を乳幼児が自ら保持
して食べる練習をすることにより、手首や指先を細かく
制御しながら動かせるように発達することに伴い、スプ
ーン30の口Mに対する向きを、図13(3)に示すよ
うにすることができ、しかも、口唇を閉じる力が強くな
るのとあいまって、図14(c)に示すように、食品を
正しく口腔内に取り込むことができる。
【0037】この場合、上述したように、スプーン30
の匙本体32は、図2においてその幅W1が、ほぼ20
ミリメートル以上で25ミリメートル以下とされている
ことで、スプーン30の口Mに対する向きを、図13
(3)に示すようにして、口腔内に匙本体32を正しく
差し入れることができる。また、匙本体32の凹面33
の深さが上述したように設定されていることで、図14
(c)に示すように、食品を口腔内に容易に取り込むこ
とができる。
の匙本体32は、図2においてその幅W1が、ほぼ20
ミリメートル以上で25ミリメートル以下とされている
ことで、スプーン30の口Mに対する向きを、図13
(3)に示すようにして、口腔内に匙本体32を正しく
差し入れることができる。また、匙本体32の凹面33
の深さが上述したように設定されていることで、図14
(c)に示すように、食品を口腔内に容易に取り込むこ
とができる。
【0038】図15は、本実施形態の第2のスプーン4
0を示す斜視図であり、図16は、図15の第2のスプ
ーン40の概略側面図、図17は、図15のスプーン4
0の概略縦断面図である。この第2のスプーン40は、
第1のスプーン30と比較すると、共通点が多く、スプ
ーン40は、一方向に長い柄部41と、この柄部41の
先端に設けられた凹面43を備える匙本体42とを備え
ている。このスプーン40は、例えば、その匙本体32
が、スプーン30と異なり、より重い材料である金属材
料,例えば、ステンレスにより形成されている。柄部4
1は、軽量な材料,例えば、合成樹脂により、形成され
ており、例えば、ポリプロピレンで成形されている。
0を示す斜視図であり、図16は、図15の第2のスプ
ーン40の概略側面図、図17は、図15のスプーン4
0の概略縦断面図である。この第2のスプーン40は、
第1のスプーン30と比較すると、共通点が多く、スプ
ーン40は、一方向に長い柄部41と、この柄部41の
先端に設けられた凹面43を備える匙本体42とを備え
ている。このスプーン40は、例えば、その匙本体32
が、スプーン30と異なり、より重い材料である金属材
料,例えば、ステンレスにより形成されている。柄部4
1は、軽量な材料,例えば、合成樹脂により、形成され
ており、例えば、ポリプロピレンで成形されている。
【0039】この柄部41は、スプーン30の柄部31
より長く設定され、例えば、図16において、柄部41
の長さL9は80mm程度とされている。また、匙本体
42の長さL10は32mm程度であり、これは、スト
ッパ部45から匙本体42の先端までの長さと一致して
いる。ストッパ部45により、乳幼児がこのストッパ部
45の僅かな段部を口唇に当てることで、口腔内の奥に
匙本体42を入れてしまう危険を防ぎ、安全性を確保で
きるとともに口腔の奥に食品を落とし込んでしまう事も
防ぐことができるため、口腔にとり込んだ食品を咀嚼
し、嚥下するという正しい食品の摂取を促すことができ
る。また、柄部41の表面は、スプーン30の柄部31
と同様に、各端部側41a,41bのうち一方の端部側
41bの表面は弾性材料で覆われて、同様の作用を発揮
するようにされている。
より長く設定され、例えば、図16において、柄部41
の長さL9は80mm程度とされている。また、匙本体
42の長さL10は32mm程度であり、これは、スト
ッパ部45から匙本体42の先端までの長さと一致して
いる。ストッパ部45により、乳幼児がこのストッパ部
45の僅かな段部を口唇に当てることで、口腔内の奥に
匙本体42を入れてしまう危険を防ぎ、安全性を確保で
きるとともに口腔の奥に食品を落とし込んでしまう事も
防ぐことができるため、口腔にとり込んだ食品を咀嚼
し、嚥下するという正しい食品の摂取を促すことができ
る。また、柄部41の表面は、スプーン30の柄部31
と同様に、各端部側41a,41bのうち一方の端部側
41bの表面は弾性材料で覆われて、同様の作用を発揮
するようにされている。
【0040】スプーン40がスプーン30と比べて特に
異なっているのは、匙本体42が、柄部41の長さ方向
に沿った仮想の中心軸C4と一致している点である。つ
まり、匙本体42が、柄部41の長さ方向に沿った仮想
の中心軸C4に対して、傾斜していないことである。こ
れにより、通常のスプーンと同様に使用されるようにな
っている。また、乳幼児用のスプーン等には、通常、キ
ャラクター等のデザインが付与されることが多く、乳幼
児は、このキャラクター印刷面を上にして使用する傾向
がある。このため、例えば図16の柄部41の上面に
「キャラクター等の印刷等を付してもよい。
異なっているのは、匙本体42が、柄部41の長さ方向
に沿った仮想の中心軸C4と一致している点である。つ
まり、匙本体42が、柄部41の長さ方向に沿った仮想
の中心軸C4に対して、傾斜していないことである。こ
れにより、通常のスプーンと同様に使用されるようにな
っている。また、乳幼児用のスプーン等には、通常、キ
ャラクター等のデザインが付与されることが多く、乳幼
児は、このキャラクター印刷面を上にして使用する傾向
がある。このため、例えば図16の柄部41の上面に
「キャラクター等の印刷等を付してもよい。
【0041】このような特徴でなるスプーン40は、ス
プーン30とセット販売されること等により、乳幼児の
発達段階に応じて、スプーン30を最初に用い、その後
スプーン40を使うことで、発達段階に適合した摂食訓
練が実現できる。すなわち、スプーン30は、手や手掌
等の運動機能がかなり不十分な段階で、上述したよう
に、先ず食品を匙本体32の上にすくい取り、これを口
に運んだ後は、匙本体32をうまく口腔内から引き出す
訓練を行わせることを実現し、これと同時に、スプーン
30をペングリップで保持する訓練を行わせることをね
らいとしている。
プーン30とセット販売されること等により、乳幼児の
発達段階に応じて、スプーン30を最初に用い、その後
スプーン40を使うことで、発達段階に適合した摂食訓
練が実現できる。すなわち、スプーン30は、手や手掌
等の運動機能がかなり不十分な段階で、上述したよう
に、先ず食品を匙本体32の上にすくい取り、これを口
に運んだ後は、匙本体32をうまく口腔内から引き出す
訓練を行わせることを実現し、これと同時に、スプーン
30をペングリップで保持する訓練を行わせることをね
らいとしている。
【0042】このような訓練ができた後では、乳幼児
は、ペングリップでスプーン40を持つことができるよ
うになりはじめ、手首の動きによって、かなり自由にそ
の匙本体42の向き等をコントロールできる。図19
は、食品を収容した容器C1に対して、スプーン30の
動く軌跡を矢印で示している。スプーン30を使用する
段階では、乳幼児は、図19の矢印に示すように、直線
的な動きで食品をすくおうとする。
は、ペングリップでスプーン40を持つことができるよ
うになりはじめ、手首の動きによって、かなり自由にそ
の匙本体42の向き等をコントロールできる。図19
は、食品を収容した容器C1に対して、スプーン30の
動く軌跡を矢印で示している。スプーン30を使用する
段階では、乳幼児は、図19の矢印に示すように、直線
的な動きで食品をすくおうとする。
【0043】これに対して、スプーン40は、図20に
示すように、食品を収容した容器C2に対して、例え
ば、スプーン30について図9で説明したように、ペン
グリップで保持したスプーン40の場合は、スプーン3
0と比べて、重心が匙本体42側に位置されている。つ
まり、匙本体42は金属製で重くなっており、この匙本
体42は、自然と食品の方向に向きやすくなっている。
示すように、食品を収容した容器C2に対して、例え
ば、スプーン30について図9で説明したように、ペン
グリップで保持したスプーン40の場合は、スプーン3
0と比べて、重心が匙本体42側に位置されている。つ
まり、匙本体42は金属製で重くなっており、この匙本
体42は、自然と食品の方向に向きやすくなっている。
【0044】これにより、乳幼児は、手首の動きによっ
て、匙本体の動く軌跡を図16の矢印で示すような曲線
的な軌跡で移動させることによって、匙本体42の凹面
43上にはその湾曲に沿って食品を載せることができ
る。
て、匙本体の動く軌跡を図16の矢印で示すような曲線
的な軌跡で移動させることによって、匙本体42の凹面
43上にはその湾曲に沿って食品を載せることができ
る。
【0045】このように、スプーン30とスプーン40
とを乳幼児の発達段階に応じて、順番に使用することに
より、その発達段階に無理なく、食品を摂取させなが
ら、大人と同様にスプーンを使用する能力を身につける
訓練を行うことができる。さらに、この時期の乳幼児
は、大人と同様の硬さの固形の食品を食べるようになっ
ており、このスプーンでは、匙本体側に重心があること
で、固定食品を適切な大きさに切断し、その後でこれを
すくう等の操作も行いやすい。
とを乳幼児の発達段階に応じて、順番に使用することに
より、その発達段階に無理なく、食品を摂取させなが
ら、大人と同様にスプーンを使用する能力を身につける
訓練を行うことができる。さらに、この時期の乳幼児
は、大人と同様の硬さの固形の食品を食べるようになっ
ており、このスプーンでは、匙本体側に重心があること
で、固定食品を適切な大きさに切断し、その後でこれを
すくう等の操作も行いやすい。
【0046】本発明は、上述の実施形態に限定されな
い。上述の実施形態では、スプーンの使用対象者として
乳幼児について、その手や掌、腕等の発達の過程で、第
1のスプーンと第2のスプーンとを段階的に使用するこ
とについて説明したが、例えば、自らスプーンを使える
が、手や腕に障害がある人の介助等において、リハビリ
の過程でも、これと共通した状態となる場合がある。こ
のようなリハビリに第1のスプーンと第2のスプーンと
を段階的に用いてもよい。また、これとは逆に、高齢者
等において、上記身体機能の発達段階を逆にたどる場合
もある。この場合は、上述した順序を逆にして、第2の
スプーンから第1のスプーンへ使用を移すようにしても
よく、大人の使用の場合には、それに合わせて匙本体の
大きさ等を改変することにより、対応することができ
る。このような場合も本発明の範囲に含まれる。上述の
実施形態や変形例の構成の一部は、必要により省略する
ことができるし、相互に組み合わせたり、他の開示され
ない構成と組み合わせることも可能である。
い。上述の実施形態では、スプーンの使用対象者として
乳幼児について、その手や掌、腕等の発達の過程で、第
1のスプーンと第2のスプーンとを段階的に使用するこ
とについて説明したが、例えば、自らスプーンを使える
が、手や腕に障害がある人の介助等において、リハビリ
の過程でも、これと共通した状態となる場合がある。こ
のようなリハビリに第1のスプーンと第2のスプーンと
を段階的に用いてもよい。また、これとは逆に、高齢者
等において、上記身体機能の発達段階を逆にたどる場合
もある。この場合は、上述した順序を逆にして、第2の
スプーンから第1のスプーンへ使用を移すようにしても
よく、大人の使用の場合には、それに合わせて匙本体の
大きさ等を改変することにより、対応することができ
る。このような場合も本発明の範囲に含まれる。上述の
実施形態や変形例の構成の一部は、必要により省略する
ことができるし、相互に組み合わせたり、他の開示され
ない構成と組み合わせることも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、乳
幼児等が使用するスプーンに関して、食品をすくって、
自らの口腔まで運び、口腔内に取り込む際に、細かい操
作が行えなくても、すくいやすく、また、口唇を閉じる
力が弱く、口腔内から匙本体を引き抜く動作を上手く行
えなくても、食品を取り込みやすいスプーンと、乳幼児
等の手や手掌及び口腔等の発達段階の進行に合わせて、
さらに適した形態のスプーンを使用可能としたスプーン
セットを提供することができる。
幼児等が使用するスプーンに関して、食品をすくって、
自らの口腔まで運び、口腔内に取り込む際に、細かい操
作が行えなくても、すくいやすく、また、口唇を閉じる
力が弱く、口腔内から匙本体を引き抜く動作を上手く行
えなくても、食品を取り込みやすいスプーンと、乳幼児
等の手や手掌及び口腔等の発達段階の進行に合わせて、
さらに適した形態のスプーンを使用可能としたスプーン
セットを提供することができる。
【図1】本実施形態のスプーン(第1のスプーン)の概
略斜視図である。
略斜視図である。
【図2】図1のスプーンの概略平面図である。、図5は
図6は
図6は
【図3】図1のスプーン30の凹面を上に向けた概略側
面図である。
面図である。
【図4】図2のスプーン30の凹面を上に向けたA−A
線概略断面図
線概略断面図
【図5】図2のスプーン30の匙本体の断面図であり、
(a)はB−B線断面図、(b)はC−C線断面図であ
る。
(a)はB−B線断面図、(b)はC−C線断面図であ
る。
【図6】スプーン30の柄部の断面図であり、(a)は
図2のD−D線断面図、(b)は図3のF−F線断面図
である。
図2のD−D線断面図、(b)は図3のF−F線断面図
である。
【図7】長い部材もしくは部分の握り方としてのパーム
グラスプを示し、(a)は正面図、(b)は背面図であ
る。
グラスプを示し、(a)は正面図、(b)は背面図であ
る。
【図8】長い部材もしくは部分の握り方としてのフィン
ガーグラスプを示す図である。
ガーグラスプを示す図である。
【図9】長い部材もしくは部分の握り方としてのペング
リップを示す図である。
リップを示す図である。
【図10】スプーン30をペングリップで保持した様子
を示す概略斜視図である。
を示す概略斜視図である。
【図11】スプーン30のつまみ部を保持した様子を示
す概略斜視図である。
す概略斜視図である。
【図12】スプーン30をペングリップで保持した様子
を示す概略斜視図である。
を示す概略斜視図である。
【図13】乳幼児が摂食行動により口Mに食品を取り込
む際のスプーン30の口唇Mへの差し入れ方を示す図で
ある。
む際のスプーン30の口唇Mへの差し入れ方を示す図で
ある。
【図14】スプーンで保持した食品を口腔内に取り込む
場合の取り込み方を示しており、(a)は、スプーンが
保持した食品を大きく開けた口M内の単純に落とし込む
状態、(b)は、スプーンが保持した食品を歯Tをつか
って、削りとるように受容する状態、(c)は、スプー
ンが保持した食品を口唇Mで抑えて、口腔内に取り込む
様子をそれぞれ示す説明図である。
場合の取り込み方を示しており、(a)は、スプーンが
保持した食品を大きく開けた口M内の単純に落とし込む
状態、(b)は、スプーンが保持した食品を歯Tをつか
って、削りとるように受容する状態、(c)は、スプー
ンが保持した食品を口唇Mで抑えて、口腔内に取り込む
様子をそれぞれ示す説明図である。
【図15】本実施形態の第2のスプーン40を示す概略
斜視図である。
斜視図である。
【図16】図15の第2のスプーン40の概略側面図で
ある。
ある。
【図17】図15の第2のスプーン40の概略縦断面図
である。
である。
【図18】図15の第2のスプーン40の匙本体の概略
縦断面図である。
縦断面図である。
【図19】食品を収容した容器C1に対して、スプーン
の動く軌跡を矢印で示す説明図である。
の動く軌跡を矢印で示す説明図である。
【図20】食品を収容した容器C2に対して、スプーン
の動く軌跡を矢印で示す説明図である。
の動く軌跡を矢印で示す説明図である。
30・・・(第1の)スプーン、31・・・柄(部)、
32・・・匙本体、33・・・凹面、35・・・つまみ
部、40・・・(第2の)スプーン、41・・・柄
(部)、42・・・匙本体、43・・・凹面。
32・・・匙本体、33・・・凹面、35・・・つまみ
部、40・・・(第2の)スプーン、41・・・柄
(部)、42・・・匙本体、43・・・凹面。
Claims (11)
- 【請求項1】 一方向に長い柄部と、この柄部の先端に
設けられた匙本体とを備えるスプーンであって前記匙本
体は、食品を収容するための凹面を有しており、この匙
本体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の中心軸に対
して、前記凹面側に略10度の傾斜角度を備える構成と
したことを特徴とする、スプーン。 - 【請求項2】 前記匙本体の幅が、ほぼ20ミリメート
ル以上で25ミリメートル以下とされていることを特徴
とする、請求項1に記載のスプーン。 - 【請求項3】 前記匙本体の深さがほぼ3ミリメートル
以上で4.5ミリメートル以下とされていることを特徴
とする、請求項1または2のいずれかに記載のスプー
ン。 - 【請求項4】 前記柄部の前記匙本体と反対の端部に略
球状のつまみ部を備えることを特徴とする、請求項1な
いし3のいずれかに記載のスプーン。 - 【請求項5】 前記つまみ部の表面が弾性材料により形
成されていることを特徴とする、請求項4に記載のスプ
ーン。 - 【請求項6】 前記つまみ部が球状に形成されていて、
その直径がほぼ10ミリメートル以上12ミリメートル
以下とされていることを特徴とする、請求項4または5
のいずれかに記載のスプーン。 - 【請求項7】 前記柄部の断面形状が、前記匙本体の幅
方向に長い楕円もしくは長円形状でなることを特徴とす
る、請求項1ないし6のいずれかに記載のスプーン。 - 【請求項8】 前記柄部の表面の少なくとも一部が弾性
材料により形成されていることを特徴とする、請求項1
ないし7のいずれかに記載のスプーン。 - 【請求項9】 一方向に長い柄部と、この柄部の先端に
設けられた匙本体とを備えるスプーンであって、 前記匙本体は、食品を収容するための凹面を有してお
り、この匙本体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の
中心軸に対して、前記凹面側に略10度の傾斜角度を備
える構成とした、第1のスプーンと、 一方向に長い柄部と、この柄部の先端に設けられた匙本
体とを備えるスプーンであって 前記匙本体は、食品を収容するための凹面を有してお
り、この匙本体が、前記柄部の長手方向に沿った仮想の
中心軸に対して、ほとんど傾斜しない構成とした、第2
のスプーンと、 を備えることを特徴とする、スプーンセット。 - 【請求項10】 前記第2のスプーンの重心が、前記第
1のスプーンの重心よりも前記匙本体よりに位置するよ
うに設定されていることを特徴とする、請求項9に記載
のスプーンセット。 - 【請求項11】 前記第1のスプーンの前記匙本体が、
プラスチック素材で形成され、前記第2のスプーンの前
記匙本体が、金属材料により形成されていることを特徴
とする、請求項10に記載のスプーンセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128377A JP2002320543A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | スプーン及びスプーンセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128377A JP2002320543A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | スプーン及びスプーンセット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002320543A true JP2002320543A (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=18977079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001128377A Pending JP2002320543A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | スプーン及びスプーンセット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002320543A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010214074A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Kaori Nakajima | 乳児及び幼児の成長段階に合わせ使用出来るスプーン |
JP2011078446A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Combi Corp | 離乳食用スプーン |
CN109464049A (zh) * | 2018-12-19 | 2019-03-15 | 潘振锋 | 一种提馅勺 |
-
2001
- 2001-04-25 JP JP2001128377A patent/JP2002320543A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010214074A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Kaori Nakajima | 乳児及び幼児の成長段階に合わせ使用出来るスプーン |
JP2011078446A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Combi Corp | 離乳食用スプーン |
CN109464049A (zh) * | 2018-12-19 | 2019-03-15 | 潘振锋 | 一种提馅勺 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070611 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070809 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071015 |