JP4325989B2 - スプーン - Google Patents

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Description

この発明は、高齢者や、障害者等の要介護者等もしくは幼児等のスプーンを使用するための訓練を要する人や、通常のスプーンが困難または困難を感じる人を対象したスプーンに関するものである。
従来、例えば、哺乳期から離乳期にかけての乳幼児が、食品をこぼさずに、無理なく摂取する訓練を行うことができるスプーンとしては、本出願人が提案した学習用スプーンが知られている(特許文献1参照)。
この学習用スプーンは、スプーン本体を乳幼児の開いた口の中にさし入れる際に適切な位置にとどめるための位置決め手段とを備えることで、スプーン本体の食品を載せたボウル部を、その程度口の中にいれたらよいかの目安を提供し、あわせて、一回の動作で口腔内に入れる食品を量を調整できるようにしたものである。
これにより、口や唇の動きが未発達な幼児のスプーンによる食品摂取の訓練を効果的に促進しようとするものである。
特開平11−174947号公報
ところで、本出願人の継続した研究によると、上記位置決め手段の形態には、なお改良の余地があり、さらに、要介助者を対象して、機能回復等の目的で使用される他のスプーン等の用途についても、なお改良の余地があることが判明した。
例えば、一般に介護用に使用されるスプーンは、スプーン本体の部分が柄部に対して、特殊な角度で傾いていたり、把持部である柄の部分の太さが極端に太いもの等が多く、このようなスプーンを用いて、機能回復の訓練等を行い、特殊なスプーンの使用に慣れてしまうと、訓練の最終段階において、通常のスプーンを使用することへの移行が、かえって難しくなる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、通常のスプーンと極端に異なる構造とせずに、しかも、訓練に必要とされる特殊な形態を巧みに実現したスプーンを提供することを目的とする。
上記目的は、請求項1の発明にあっては、把持するための長尺の柄部と、この柄部の先端に設けられたスプーン本体とを備えており、前記スプーン本体は、その先端側に設けられ下方に凹状とされたボウル部と、このボウル部より奥側で上方に突出した口唇案内部とが、連続した曲線状に一体に接続されており、前記口唇案内部は、平面視において、幅方向の中央部が前記ボウル部先端方向に突出し、幅方向の両端部が前記中央部よりも前記柄部側に位置する曲面を備える、スプーンにより、達成される。
請求項1の構成によれば、スプーン本体は、下方に凹状とされたボウル部を有しており、ボウル部は、食品を載置するのに適している。この凹状となったボウル部より奥側には、上方に突出した口唇案内部が設けられている。この口唇案内部の位置で、口を閉じる際に、口唇案内部が口唇の動きを案内する。この場合、口唇案内部は、ボウル部との間が連続した曲線状に形成されていることから、上側の口唇がこのような形態の口唇案内部と接触しながら閉じられることで、ボウル部に載置された食品の取り残しが生じない。また、ボウル部により決められた容積に対応した量の食品を確実に一回の口唇の動作で摂取することで、予め前記容積を決めておけば、使用者に適した量の食品を確実に摂取させることができる。このことは、ボウル部の容積が、通常のスプーンのボウル部と比較した場合に、口唇案内部が存在する分だけ制限されているので、食品をすくい取る際にも、その量に大きなバラツキを生じることがなく、この点においても正確な量の食品を扱うことができる。そして、口唇案内部は、平面視において、幅方向の中央部がボウル部先端方向に突出し、幅方向の両端部が中央部よりも柄部側に位置する曲面を備える。このため、スプーンを口唇に正対させずに斜めから口腔内に挿入したとしても、口唇案内部に上唇を確実に接触させることができる。したがって、口唇案内部に接触させた上唇を、口唇案内部の形状に沿わせながら閉じることができ、口唇の動きを案内するという口唇案内部の機能を有効に発揮させることができる。特に、被介助者が自らスプーンを使って食事を行う場合、通常、スプーンを口唇に正対するように運ぶわけではなく、スプーンを利き腕側の斜め方向から口腔内に挿入することになる。このような場合であっても口唇案内部の機能を有効に発揮させることができる。また、介助者の介助によって摂食する場合、介助者の位置関係によって斜め方向から口腔内にスプーンが挿入されても、同様に、口唇案内部の機能を有効に発揮させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記口唇案内部と前記ボウル部とが接する接続部付近の平面視における曲面と、前記ボウル部の先端部の平面視における曲面とが、近似した曲率から形成されていることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、口唇案内部とボウル部とが接する接続部付近の平面視における曲面と、ボウル部の先端部の平面視における曲面とが、近似した曲率から形成されている。ところで、上述のように、口唇案内部は上方に突出しているため、スプーンを口腔内に挿入すると、口唇は口唇案内部の位置で規制される。そうすると、口唇案内部とボウル部とが接する接続部付近と先端部の平面視における曲面は、近似した曲率から形成されているため、先端部から口腔内へスプーンを挿入する際、先端部から接続部付近までの距離、すなわち口腔内におけるボウル部の挿入寸法は、その挿入位置或いは角度に拘わらず略同等になる。したがって、スプーンの口腔内への挿入位置或いは角度にかかわらず、ボウル部に載置された食品の量や性状等の影響を受けることなく、上唇によってこすり取ることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記スプーン本体を口腔内に挿入し、前記口唇案内部の頂部に上唇が接触したとき、前記ボウル部が、口腔内において上顎の両犬歯を結んだ箇所よりも、口唇側に位置する構成としたことを特徴とする。
請求項3の構成によれば、口腔内にスプーン本体をさし入れる時、上記口唇案内部を利用すると、食品を収容したボウル部は、口腔内において上顎の両犬歯を結んだ箇所よりも口唇側に位置することができる。これにより、食品を口腔内の適切な位置に置くことができる。特に、介助者がスプーンを使って食事を行う場合に、被介助者の口腔の奥に入れてしまう事を防ぎ、食品を口唇で取り込み、咀嚼し、嚥下するという動作を効果的に促すことができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成において、前記柄部が、細く形成され、その断面形状において、ほぼ楕円もしくは長円形状とされており、スプーン全体における重心が前記スプーン本体側に位置していることを特徴とする。
請求項4の構成によれば、敢えて、障害者用のスプーン等に見られる太い形状の柄を採用しないことで、柄をつかむ使用者に、掌(てのひら)全体を使用するようなパームグラスプやフィンガーグラスプによる握り方をさせないで、箸を使用する際のようなペングリップにより握るように誘導する。これにより、訓練の進展により、箸などのより操作の難しい食具の使用につなげる訓練に役立てることができる。
また、柄部を握る際の方向性を明確にすることで、スプーン本体の角度が回動することで傾斜した姿勢とされてしまうことを防止できる。
さらに、重心がスプーン本体側に位置するように、柄部を比較的軽量な素材や中空構造等とすることで、常にスプーン本体が食品に向かう姿勢をとりやすくし、スプーンを使用して食品をすくう動作をおこないやすくすることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成において、前記柄部の上面には、少なくとも前記柄部の下面の形態と異なる形態を有することによる識別手段を設けたことを特徴とする
請求項5の構成によれば、スプーンの使用経験が乏しい幼児等における正しいスプーンの上下方向の向きを学習させる手掛かりになるとともに、目の悪い人に対して、スプーンの上下方向の向きを知らせる役割を果たす。さらに、被介助者に食品が近づけられていることを認識させる助けともなる。特に、上面の識別手段が突起や窪み、あるいは下面とは異なる材質、柄部とは異なる色等により形成されていると、視覚に重い障害がある人でも、スプーンの上下方向の向きを識別することができる。
以上述べたように、本発明によれば、通常のスプーンと極端に異なる構造とせずに、しかも、訓練に必要とされる特殊な形態を巧みに実現したスプーンを提供することができる。
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1及び図2は、本発明の実施形態によるスプーンを示す概略斜視図であり、図1はボウル部を上に向けた状態を示すスプーンの先端側の概略斜視図、図2はボウル部を下に向けた状態を示すスプーンの先端側の概略斜視図である。図3は図1のスプーンの全体を示す概略平面図、図4は図1のスプーンの全体を示す概略側面図、図5は図1のスプーンの柄部のA−A線概略断面図である。
これらの図において、スプーン10は、食品をすくうためのボウル部14を備えるスプーン本体11と、スプーン本体11を先端に固定した長尺の柄部12とを有している。
上記柄12は、ある程度折れにくく強度と耐久性を備えた比較的軽い材料が使用されており、例えばポリプロピレンや、PET樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等の樹脂や、中空としたステンレス鋼等により形成されている。なお、樹脂を使用する場合、自動食器洗い乾燥機等を使用することを考慮すると、耐熱性の高いものを使用することが好ましい。
スプーン本体11は、特に、金属により形成されており、本実施形態では、ステンレス鋼(SUS)を成形して形成している。これにより、スプーン本体11の周縁部端縁は、ある程度のエッジ仕上げをすることができ、例えば、食品をすくうだけでなく、適切な食品のすくい量を得るために、比較的軟らかい食品では、スプーン本体の側縁や先端で、食品を切断する上でも便利である。
図6は、図4のスプーン本体11の拡大側面図である。また、図7は、図6の各切断線に沿った概略端面図であり、具体的には、図7(a)は図6のB−B線切断端面図でボウル部14の最大幅を示す、図7(b)は図6のC−C線切断端面図で、ボウル部14の後端であり、例えば液体状の食品をすくった際における液面が位置する柄12側の端部を示す、図7(c)は図6のD−D線切断端面図で、口唇案内部13の頂部を示している。また、図8は図6の箇所の概略断面図である。
これらの図を参照して、スプーン10のスプーン本体11について説明する。
スプーン本体11の先端側には、ボウル部14が形成され、このボウル部14の奥側(図6の右方)には、口唇案内部13が形成されている。
ボウル部14は、スプーン10を食品をすくう場合の正しい位置に保持した際に、上を向いた凹部である。図6に示すボウル部14の深さHDは、約2mm乃至4mmが適切であり、3mmが最も適していることが確認されている。このボウル部14の深さは、食品を摂取する者が、その上唇を変形させることによりほぼ完全に食品をこそげとることができること、及び十分な量の食品を載せることができることを条件とする。そして、深過ぎると食品をきれいに全てとることが出来ず、浅過ぎると容量が不足してしまう。特に、本実施形態では、後述する口唇案内部13の形態との関係で、食品をこそげとることが容易であるようにした結果、極端に浅くしなくても、3mm程度の深さとすることで、一回の摂取構造で、残さずに、ほぼ完全に食品を摂取できるようにしたものである。
また、スプーン本体11は、図1や図3に示すように、ほぼ楕円形を呈するように構成されている。
スプーン本体11の幅W1は、すなわち、スプーン本体の形状にあわせて唇を変形する能力と関連している。つまり、リハビリ等の点でそのような能力を訓練している者にとって、スプーン本体11の幅W1が広過ぎると、これに合わせて唇を変形できないので、スプーン本体11を十分口腔内に入れることができない。これに対して、スプーン本体11の幅W1が狭過ぎると、上唇と下唇を閉じたときに、隙間を生じて食物をこぼしやすく、また、後述する食品の適切な容量を確保しにくくなる。このような点を実験により確認すると、スプーン本体11の幅W1は、ほぼ25mmないし35mmで、特に30mmが適している。
また、この幅W1は、スプーン本体11全体ではなく、少なくとも、口腔内に差し入れられるボウル部14の幅としてもよい。
次に、ボウル部14の先端から奥行き方向の寸法は、以下のように定められている。すなわち、口唇案内部13は、例えば介助者が、このスプーン10のスプーン本体11に食品を載せて、使用者の口腔内にスプーン10を差し入れるときに、必要以上に深く入らないように位置決めするための手段であるとともに、食品をこそげとる際に、適切に口唇の動きを案内する手段である。このような目的に適合させるために、具体的には、図6に示すスプーン本体11の先端から、口唇案内部13の最高部13aまでの寸法LDは、ほぼ28mmないし38mmが適しており、36mmが最も適している。
ここで、ボウル部14と口唇案内部13との間は、図8の符号15に示されてるように、急激に変化することがないなだらかな曲線(曲面)状の壁部で接続されるように構成されている。すなわち、図8において、ボウル部14は、上方に向かって凹状となる曲面であり、口唇案内部13は、上方に向かって凸となる曲面であるから、その壁部15は、異なる方向の曲面が出会う箇所である。この壁部15は、ボウル部14の奥側の端部であり、この位置では、まだ上方に向かって凹状の曲面は続いている。そして、この曲面は、そのまま連続して口唇案内部13の先端側の壁部を形成し、口唇案内部13の最高部13aまでが、ボウル部14における上方に向かう凹状の曲面に連続するようになっている。
これにより、食品を摂取する際に、使用者の口唇がこのような段差等のないなだらかな曲面の口唇案内部13と接触しながら閉じられることで、ボウル部14に載置された食品の取り残しが生じない。また、ボウル部14により決められた容積に対応した量を食品を確実に一回の口唇の動作で摂取することで、予めその容積を決めておけば、使用者に適した量の食品を確実に摂取させることができる。このことは、ボウル部14の容積が、通常のスプーンのボウル部と比較した場合に、口唇案内部13が存在する分だけ制限されているので、食品をすくい取る際にも、その量に大きなバラツキを生じることがなく、この点においても正確な量を食品を扱うことができる。
さらに、口唇案内部13は、上述のような壁部15を備えるとともに、図1に示すように、平面視において、幅方向の両端部13b,13bが、これらの間の領域と比較して、ボウル部14の先端方向に突出するような曲面を備えている。
これにより、後述するように、スプーン10を使用する者が、口を閉じた際に、口唇の両端、すなわち口角よりの箇所が、口唇案内部13の両端部13b,13bに位置し、口唇の先端が、スプーン本体11の奥側に入り込んだ領域に接触する。つまり、口唇案内部13が上述のような形状とされていると、口唇案内部13の形成する壁部15は口唇の形状と沿うことになり、口唇との間で隙間を生じて、その間に食品が取り残されたりすることがない。このため、口唇により食品をこすり取る際に、取り残しを生じることなく、特に、食物摂取における口唇の動きがまだ十分でない幼児や、口唇の動きが不十分な高齢者、障害者等においても、支障なく食物を摂取することができる。
また、図3及び図5に示すように、スプーン10の柄部12は、比較的細く長く形成されている。これにより、障害者用のスプーン等にしばしば見られる太い形状の柄を採用しないことで、柄部12をつかむ使用者に、掌(てのひら)全体を使用した握り方をさせないで、箸を使用する際のようなペングリップにより握るように誘導する。これにより、訓練の進展により、箸などのより操作の難しい食具の使用につなげる訓練に役立てることができる。
また、これにより、柄部12を細くすることで、重量配分が柄部12側に偏ることを防止できる。このため、使用者がスプーン10を持った際には、ヘッド部であるスプーン本体11側に重心がよることから、自然にスプーン本体11を食品に向かわせることになり、使用しやすい。
しかも、柄部12の断面は、図5に示されているように、ほぼ楕円もしくは長円形状、または断面形状において長手方向を有する直方体の角を面取りし曲面形状としたもの等とされている。これにより、柄部12を握る際の方向性を明確にして、スプーン本体11の角度が回動することで傾斜した姿勢とされてしまうことを防止できる。
ここで、上述したように、スプーン本体11の一部である口唇案内部13は、上方に突出しているが、図6ないし図8の各図から理解されるように、その裏側は凹状とされている。すなわち、スプーン本体11を金属板を変形加工することで形成した結果、このような異形の部分を形成しても、例えば、樹脂等の成形品のように、その容積を極端に大きくしない造形を得ることができる。このため、スプーン本体11側に重心を置きながら、なおかつ全体重量を極端に増大させないで、丈夫で剛性に優れたスプーン本体11とすることができる。
さらに、柄部12の図4における上面には、識別手段21を形成している。識別手段21は、スプーン10の向き、特に、スプーン本体11の上下の方向性を理解させる目印として機能する。このため、識別手段21は、柄部12の上面と下面を区別させる機能を備えることを条件に、種々の形態で実現できる。すなわち、識別手段21は、柄部12の下面の形態と異なる形態、例えば、柄部12の図4における上面に、柄部12の材料と一体もしくは別体に設けた突起や凸部、あるいは柄部12の上面に設けた、凹所、有底の孔等で形成することができる。また、上面全体あるいは一部の材質を下面の材質と異ならせたり、表面をザラザラに処理して形成することができる。さらに、識別手段21は、これらの突起等とともに、特定の形の着色をしてもよいし、突起等を採用せず、特定の形状の着色のみを施してもよく、あるいは、柄部12の図1における上面全体を下面と異なる着色にしたりして、上面と下面と区別できればよい。
すなわち、識別手段21が立体的特徴を備えていれば、視覚が不自由な使用者が識別するのに役立つ。また、視覚できる使用者であれば、立体的特徴は必要なく、色彩だでけでも区別することができる。さらに、幼児等が使用者である場合には、キャラクター等の特に注意を引く形態を識別手段21として採用することで、スプーン10の向きを識別させて学習させやすい。
図9は、スプーン10の使用状態を示す概略断面図である。
使用者もしくは介助者は、スプーン10の柄部12を持って、使用者に適した食品をスプーン本体11にすくいとる(図示せず)。
この場合、スプーン本体11のボウル部14は、上述の寸法に設定されていることから、食品を過不足ない量すくい取ることができる。
次いで、介助者は、使用者の口腔内に、図9に示すように、スプーン10の本体11を差し入れる。この時、介助者は、スプーン本体11の口唇案内部13の壁部15を使用者の上唇UMの前端に軽く当てる。
これにより、スプーン本体11は口腔内Sへの差し入れ量に関して、位置決めされる。つまり、介助者は口唇案内部13がスプーン本体11の上面に形成されていることから、使用者を見下ろす角度から容易に凸部を視認でき、しかも口唇案内部13は壁部15を備えていることから、この口唇案内部15が使用者の上唇の前端に当接した軽い手掛かりからも、きわめて容易に口腔内への差し入れ量を制御できる。また、介助者を介さずに、使用者自身がスプーン10を使用する場合においても、上唇が口唇案内部13に接触した感触により挿入位置を把握することができる。
そして、この位置にて、図10に示すように、ボウル部14は、使用者の口腔内Sにおいて上顎の両犬歯DT,DTを結んだ箇所よりも口唇側に位置するので、このボウル部14に載せられた食品は使用者の口腔の運動において、適切に口腔の奥側に運ぶことができる。
すなわち、上述したように、口唇案内部13において、図6に示すスプーン本体11の先端から、口唇案内部13の最高部13aまでの寸法LDは、ほぼ32mmないし38mmとされ、35mm程度とされている。これにより、上述したように、口唇案内部15が使用者の上唇UMの前端に当接した状態では、図10に示されているように、ボウル部14が、使用者の口腔内Sにおいて上顎の両犬歯DT,DTを結んだ箇所よりも口唇側に位置することができる。
この状態において、柄12の方向へ引き抜きつつ、使用者が口唇を閉じると、特に、口唇案内部13は、壁部15がなだらかな曲面によりボウル部14の底面と接続されており、しかも、口唇案内部13の両端部13b,13bがボウル部14の先端方向に突出し、幅方向中央部が両端部13b,13bよりも奥側に位置する曲面で形成されているため、ボウル部14における食品の収容量や固形物・ペースト状物等の食品の性状にかかわらず、口腔内に食品が取り込まれることになる。
このため、口唇案内部13の形成する壁部15は口唇UMの形状と一致しているので、口唇UMにより食品をこすり取る際に、取り残しを生じることなく、特に、食物摂取における口唇の動きがまだ十分でない幼児や、口唇の動きが不十分な高齢者、障害者等においても、支障なく食物を摂取することができる。
図11ないし図14は、本発明の第2の実施形態に係るスプーン30についての図であり、図11はスプーン30の概略平面図、図12はスプーン30の概略側面図、図13(a)は図11のE−E線切断断面図、図13(b)は図11のF−F線切断断面図である。また、図14はスプーン30を口腔内に取り込んだ際の位置関係を示す図である。
これらの図において、図1ないし図10のスプーン10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
このスプーン30が第1の実施形態と主に異なるのは、口唇案内部13の形状についてである。
すなわち、スプーン30における口唇案内部13は、図11に示すように、平面視において、幅方向の中央部13dがボウル部14の先端方向(図11の左方向)に突出し、幅方向の両端部13e,13eが中央部13dよりも柄部12側に位置する曲面を備えている。
この口唇案内部13における曲面は、スプーン30を、正面側からだけでなく、斜めから口腔内に挿入したときも、正面側からと同様に、口唇が口唇案内部13の中央部13d付近に当接できるように、平面視において略均一な曲面から形成されている。具体的には、図14に示される挿入角度θを左右それぞれ約45度程度の範囲内で、スプーン30を口腔内Sに挿入したとき、どの角度から挿入された場合においても、均等に口唇案内部13の壁部15の略中央部13d付近に口唇UMが当接されるように、口唇案内部13が形成されている。この時、図11に示す口唇案内部13の壁部15における平面方向の半径r1が、12mm〜18mmの範囲、ここでは15mm程度となるように形成されている。
また、口唇案内部13は、壁部15の厚み方向の曲面が、いずれの位置においても略同様の曲率を有するように形成されている。本第2の実施形態における壁部15は、図13(a)及び図13(b)に示されるように、中央部13dに位置する壁部15の厚み方向における半径r3と、両端部13e,13eに位置する壁部15の厚み方向における半径r3’とが、それぞれ15mmとなるように形成されており、ボウル部14における口唇案内部13側の壁部15の曲面半径r4も15mmとされ、連続的な曲面状に連接されている。
また、スプーン30は、図12に示される口唇案内部13とボウル部14とが接する接続部26付近の平面視における曲面(図11の28の曲線)と、ボウル部14の先端部14aの平面視における曲面とは、図11に示されるように、近似した曲率から形成されている。本第2の実施形態において、接続部26付近の平面方向の曲面と、先端部14aの平面方向の曲面は、それぞれ半径15mm程度となるように設計されており、それぞれの曲面の半径が12mm〜18mmの範囲とされることが好ましい。このため、先端部14aから接続部26付近までの距離は、長手方向の縦断面のいずれの位置においても略同等とされている。すなわち、スプーン本体11の部分拡大図である図11の一点鎖線内の図、及び図13に示すように、例えば先端部14aの幅方向中央から接続部26付近の幅方向中央までの距離L1も、先端部14aの幅方向両端から接続部26付近の幅方向両端までの距離L2も略同様の25mm程度とされており、20mm〜27mmの範囲とされていることが好ましい。
本第2の実施形態は以上のように構成され、口唇案内部13の幅方向の中央部13dがボウル部14の先端方向に突出し、幅方向の両端部13e,13eが中央部13dよりも柄部12側に位置する曲面を備えることで、スプーン30を斜めから口腔内に挿入したとしても、正面側から挿入した際と同様に、口唇案内部13に口唇UMを確実に接触させることができる。
すなわち、本発明の第1の実施形態では、図1に示されるように、口唇案内部13は幅方向の両端部13b,13bが、ボウル部14の先端方向に突出しているため、図10に示されるように、介助者の介助により、被介助者の正面からスプーン10を口唇UMに正対するように挿入する場合は、上述した第1の実施形態の機能を十分に発揮する。ところが、被介助者が自らスプーンを使用する場合や、介助者が被介助者の斜めに位置した状態において摂食させる場合、図14に示すように、スプーン30は、口唇UMの口角側から斜めになるように口腔内に取り込まれることとなる。この場合、口唇案内部13の幅方向の両端部13b,13bの一方に口唇UMが当接してしまい、口腔内にスプーン10を十分に挿入できずに却って食品を取り残す恐れがある。しかし、口唇案内部13を本第2の実施形態の上述した形状とすることで、図14に示すように、所定の角度をもってスプーン30を挿入しても、口唇UMを口唇案内部13の略中央付近に確実に接触させることができる。従って、被介助者自らスプーン30を使用する場合等であっても、口唇UMが口唇案内部13に確実に接触され、口唇案内部13のなだらかな曲面を有する壁部15に沿って口唇UMが案内され、ボウル部14に載置された食品をこすり取ることができる。
また、本第2の実施形態では、通常、スプーンによる摂食を行う際の挿入角度に対応して、スプーン30の口腔内への挿入角度θが、左右それぞれ45度程度の範囲内から挿入した場合、口唇案内部13の略中央部13d付近に口唇UMが当接されるようになっている。換言すれば、図14に示す挿入角度θが左右45度の範囲ならば、口唇UMの中央付近が口唇案内部13の略中央部13dに配置され、両端部13e,13eによって阻害されない設計とされている。この45度の角度は、健常者或いは一般成人がスプーンを口唇に運ぶ際に一般的にとっている角度である。したがって、被介助者が自らスプーン30を使用する場合において、通常の角度の範囲で挿入したとき、確実に口唇案内部13の機能によって摂食することができる。
さらに、上述のように、スプーン30の長手方向に沿った壁部15の縦断面が、いずれの位置においても同様の曲率で形成されるようにした曲面を有している。このため、口唇UMは、スプーン30の挿入位置や角度θごとに変わることなく口唇案内部13に同様に案内され、食品をこすり取ることができる。
しかも、接続部26付近の平面方向の曲面と先端部14aの平面方向の曲面とは、近似した曲率となっているため、先端部14aから接続部26付近までの距離は、長手方向の縦断面のいずれの位置においても略同じ距離となっている。このため、スプーン30を口唇に正対するようにして先端部14aから口腔内Sに挿入する場合、先端部14aから接続部26付近までの距離、すなわち口腔内Sにおけるボウル部14の挿入寸法は、先端部14aの挿入位置に拘わらず略同等になる。また、上述のように斜めからスプーン30を挿入した場合であっても、スプーン30を口唇に正対するように挿入した場合と比べ、ボウル部14の挿入寸法を大幅に変えることがない。したがって、スプーン30の口腔内Sへの挿入位置或いは角度にかかわらず、ボウル部14に載置された食品の量を変わりなくこすり取ることができ、またスプーン30を口唇内から抜き取る際も抜き取り易い。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、ボウル部14の平面形状は、長楕円形のみならず、やや角張った形態でもよい。
また、利き腕に応じて選択できるよう、口唇案内部13は、ボウル部14の先端側から見て、左右(図3、図11の上下)のいずれか一方に形成されていてもよい。
なお、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
本発明によるスプーンの第1の実施形態を示す概略斜視図で、ボウル部を上に向けた状態を示す図。 本発明によるスプーンの第1の実施形態を示す概略斜視図で、ボウル部を下に向けた状態を示す図。 図1のスプーンの全体を示す概略平面図。 図1のスプーンの全体を示す概略側面図。 図1のスプーンの柄部の断面図。 図4のスプーン本体11の拡大側面図。 図6の各切断線に沿った概略端面図であり、(a)は図6のB−B線切断端面図、(b)は図6のC−C線切断端面図、(c)は図6のD−D線切断端面図。 図6の箇所の概略断面図。 スプーン10の使用状態を示す概略断面図。 図9の使用状態の概略平面図。 本発明の第2の実施形態に係るスプーンの概略平面図。 本発明の第2の実施形態に係るスプーン概略側面図。 図11の各切断線に沿った概略断面図であり、(a)は図11のE−E線切断断面図、(b)は図11のF−F線切断断面図。 本発明の第2の実施形態に係るスプーンを口腔内に取り込んだ際の位置関係を示す図。
符号の説明
10,21・・・スプーン、11・・・スプーン本体、12・・・柄部、13・・・口唇案内部、14・・・ボウル部、15・・・壁部、21・・・識別手段。

Claims (5)

  1. 把持するための長尺の柄部と、
    この柄部の先端に設けられたスプーン本体と
    を備えており、
    前記スプーン本体は、
    その先端側に設けられ下方に凹状とされたボウル部と、このボウル部より奥側で上方に突出した口唇案内部とが、連続した曲線状に一体に接続されており
    前記口唇案内部は、平面視において、幅方向の中央部が前記ボウル部先端方向に突出し、幅方向の両端部が前記中央部よりも前記柄部側に位置する曲面を備える
    ことを特徴とする、スプーン。
  2. 前記口唇案内部と前記ボウル部とが接する接続部付近の平面視における曲面と、前記ボウル部の先端部の平面視における曲面とが、近似した曲率から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプーン。
  3. 前記スプーン本体を口腔内に挿入し、前記口唇案内部の頂部に上唇が接触したとき、前記ボウル部が、口腔内において上顎の両犬歯を結んだ箇所よりも、口唇側に位置する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のスプーン。
  4. 前記柄部が、細く形成され、その断面形状において、ほぼ楕円もしくは長円形状とされており、スプーン全体における重心が、前記スプーン本体側に位置していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスプーン。
  5. 前記柄部の上面には、少なくとも前記柄部の下面の形態と異なる形態を有することによる識別手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスプーン。
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