JP2002319819A - 低いサイドローブ(sidelobes)を有する2重偏波アンテナ - Google Patents

低いサイドローブ(sidelobes)を有する2重偏波アンテナ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線通信システムで使用することができる、
低いイメージローブおよびグレーティングローブを有す
る2重偏波アンテナを提供すること。 【解決手段】 衛星無線通信システムで使用可能な、低
いサイドローブを有する2重偏波アンテナ。アンテナ
は、給電源11によって照射される反射器アセンブリ1
2を備え、反射器アセンブリ12は、直交して偏波さ
れ、それぞれが周波数の異なる2つの電磁波を反射する
前部反射器15と、直交して偏波された電磁波の1つを
反射する補助反射器16と、補助反射器16を通過する
直交して偏波された電磁波を全て回折する偏向表面13
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低い放射サイドロ
ーブを有する、2つの直交偏波電磁波を反射するように
構成された2重偏波アンテナに関する。
【0002】本アンテナは、より詳細には、一方の偏波
が水平であり、他方の偏波が垂直である直交偏波を採用
している衛星無線通信システムで利用することができ
る。
【0003】
【従来の技術】この技術は、たとえば、参照により本明
細書に組み込まれる米国特許第4,757,323号な
どの従来技術でよく知られている。この特許は、通信衛
星用の2重偏波同一領域2周波アンテナを製造する方法
を開示している。アンテナは、電磁エネルギーを集束さ
せ、通信リンクに沿って方向付ける働きをする。
【0004】アンテナは、反射器およびホーン・タイプ
のソースを有する。反射器は2つの電磁波を反射する。
これらの電波は、互いに直交するように偏波され、地球
表面上で同一の地理的有効範囲を得られるように周波数
が異なる。
【0005】反射器の中央部分は第1および第2の直交
グリッドの両方に共通する領域によって構成されてお
り、直交偏波された両電波を反射する。一方、中央第2
のグリッドの外側の周縁部分は、低周波数の偏波電波の
みを反射する。低周波数の電波について第1のグリッド
によって得たのと同じ区域有効範囲を高周波数の電波で
も得られるように中央グリッドの面積および形状を決定
することによって、同一の区域有効範囲を得る。
【0006】電磁エネルギーの偏波方向を保持するこ
と、および前記所望の偏波方向および衛星の有効ペイロ
ード(useful payload)の残りの部分に
干渉を発生させるグレーティングおよびサイド・ローブ
成分の発生を防止することが、通常必要である。
【0007】多数のアンテナ素子を有する、たとえば幾
つかのアンテナ素子を有するアンテナによって、アンテ
ナの放射パターンに、すなわち所望の方向に望ましくな
いグレーティングローブが発生することが従来技術の欠
点である。また、グレーティングローブは、アンテナの
放射パターンにおける望ましくないサイドローブであ
る。
【0008】一方、異なる偏波の電磁波を反射するため
には2つの反射器を採用するべきであるが、両方の反射
器用に単体の支持構造を構築し、それによってアンテナ
の総重量を保持することが望ましい。このような支持構
造の共有には、偏波電波をそれぞれ所望の方向に向ける
所望の反射器上に、偏波された電磁波がそれぞれ照射す
るようにするソースの位置決めが必要である。
【0009】その上、ある反射器の存在が第2の反射器
とそれに付随するソースの間での電磁エネルギーの伝播
に干渉しないように、反射器のアセンブリを構成しなけ
ればならない。
【0010】複数の反射器を有する複合アンテナ構造に
現在使用可能な構成方法は、支持構造の重量が望む以上
に大きいという問題を生じる。
【0011】手短に言えば、従来技術は、同一の有効範
囲領域について、それぞれ異なる周波数の2つの直交偏
波を反射するために2つのグリッドを備える中央領域を
与えている。この領域は、2重グリッドでの直交偏波の
反射に起因するグレーティングとサイドローブの両方を
提示する。同様に、単一のグリッドによって形成された
反射領域もまた、衛星の有効ペイロードの残りの部分に
有害な影響を有する可能性のあるサイドローブの形成に
有利に働く。
【0012】したがって、グレーティングおよびサイド
ローブが低減された2重偏波アンテナを開発する必要が
ある。2重偏波アンテナは、同一の有効範囲領域に対し
て、それぞれ異なる周波数および偏波の2つの直交偏波
を反射する中央反射領域と、ある偏波を反射し、直交偏
波に対して透過性である周縁部領域を有する。アセンブ
リの総重量を軽くするために、アンテナは単一の構造に
取り付けなければならない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記に述べた欠点を克
服するために、本発明は、無線通信システムで使用する
ことができる、低いイメージローブおよびグレーティン
グローブを有する2重偏波アンテナを提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記に述べたアンテナ
は、たとえば、ホーンタイプの給電ソースによって照射
される反射器アセンブリを備える。反射器アセンブリ
は、直交して偏波された、それぞれ周波数、および偏波
の異なる2つの電磁波を反射するように構成される前部
反射器(front reflector)と、直交し
て偏波された電磁波の1つを反射するように構成された
補助反射器、および、補助反射器を通過する、直交偏波
された電磁波を回折するように構成された偏向表面(d
eflecting surface)を備える。
【0015】前部反射器は、支持表面上に配設された連
続する金属表面であり、衛星の有効ペイロードの残りの
部分に干渉を発生させる可能性のあるサイドローブの形
成を許すことなく、また反射器で熱エネルギーを消散さ
せることなく、2つの直交偏波を反射することができ
る。この反射器が連続的であるため、前部反射器でRF
損失が低減される。
【0016】補助反射器は、ワイヤと平行な偏波の反射
を可能にし、ワイヤと平行な偏波と直交して偏波された
電波をフィルタリングする目的で、前部反射器の周りに
リングを形成するように配置された、一様に離間した1
組の金属ワイヤによって形成される。
【0017】前述の電磁波は、自由空間に向けて補助反
射器を横切る直交偏波を全て偏向し、サイドローブの形
成を最小化する、付随する偏向表面によって偏向され
る。
【0018】アンテナは、その構成を簡単にする単一の
グリッドを備える。反射器アセンブリの熱弾性の挙動
は、随意に強化することができるので、より適切であ
る。
【0019】添付の図面をもとにした以下の説明の中
で、本発明のより詳細な説明を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に示す、本発明の2重偏波を
有するアンテナは、2つの直交偏波された電磁波、すな
わち、鉛直軸に沿って偏波された一つの電波と水平軸に
沿って偏波された他の電波、の給電ホーン11によって
照射される、反射器アセンブリ12を備える。
【0021】給電ホーン11は、ブラケット取付け(図
1に図示せず)を用いて反射アセンブリ12の最下部
(焦点)と対向して配置されている。給電ホーン11
は、支持表面14から所定の距離だけ離れている。給電
ホーン11の配置によって、反射器アセンブリ12で2
つの面を区別することができる。すなわち、一方の面、
凹面は、給電ホーン11と対向しており、他方の面、凸
面は、第1の面と対向している。
【0022】反射器アセンブリ12は、一般に放物面状
の支持表面14を備え、特にそれと対向して凹面上に前
部反射器15が存在する。前部反射器15は、地球表面
上の同一の地理的領域を覆うことができるように、直交
して偏波され、それぞれ周波数の異なる2つの電磁波を
反射するミッションを有する。
【0023】上記に述べたことから、一実施形態では、
支持表面14は、ある曲率を有する、たとえば放物線状
の形状であるということが推論できる。他の実施形態で
は、支持表面14は、たとえば平らな円盤である。
【0024】支持表面14の中央の円形の領域は、金属
付着などの連続的で、導電性の表面でインプリントされ
ている。この領域は、前部反射器15を形成しており、
放物線の焦点上に中心を置いている。この表面15は、
2つの直交偏波電波を完全に反射するという利点を与え
る。それゆえ、前部反射器15は、イメージローブが発
生して熱消散が減少するのを防ぐ。同様に、衛星の有効
ペイロードの残りの部分と干渉する可能性のある、RF
寄生放射を低減させる。
【0025】前部反射器15の周縁部の周囲に、前部反
射器に隣接する同心環の形状の補助反射器16がある。
補助反射器16は、単一のグリッド反射器を形成する、
平行に並んだ複数のワイヤによって形成されている。ワ
イヤ間の間隔は、2つの直交偏波のうちの一方、すなわ
ち主偏波を反射し、したがって、それに直交する偏波に
対して透過性である、という目的で選択される。
【0026】支持表面14は、反射器アセンブリ12の
寸法安定性を維持するに十分な剛性をそこなうことな
く、できる限り薄く作ることが望ましい。図2では、補
助反射器16が前部反射器15と同心の表面であるのを
見ることができる。単一のグリッド反射器16は、支持
表面14の凹面上に在り、正確に前部反射器15のない
領域上に載っている。
【0027】グリッドの配列によって、2つの直交偏波
の一方をフィルタリングし、適切な所望の直交偏波の反
射を保証する。
【0028】図1に戻ると、補助反射器16は、グリッ
ド16の構成に付随するサイドローブの形成を最小化す
る、付随する偏向表面13を備える。偏向表面13は、
回折を改善する様々な形状をもつことができる。たとえ
ば、エンボス加工されたMLI(多層インシュレーショ
ン)を使用してもよい。
【0029】図3は、偏向表面13をアンテナに固く締
結する目的で、偏向表面13を支持表面14に固定する
方法を詳細に示している。すなわち、偏向表面13を、
前部反射器15と補助反射器16によって形成される分
離縁部の下方で、凸面によって支持表面14に締結す
る。
【0030】偏向表面13の配設は、熱エネルギーが自
由空間に消散するのを可能にする目的で、給電ホーン1
1と支持表面14の焦点を通過する軸に対してある角度
をもつようにする。これは、フィルタリングされた直交
偏波電波、すなわち望ましくない偏波を外に反射するた
めである。したがって、支持表面14は、偏向表面13
を用いて偏向された直交偏波に対して透過性である。
【0031】偏向表面13は、前部反射器15と補助反
射器16を接合している縁部と接触している。したがっ
て、偏向表面13は、支持表面14の後側に配置されて
いる。同様に、偏向表面は連続した表面であり、すなわ
ちグリッドではない。
【0032】図3に戻ると、図3は反射器アセンブリ1
2の取り付けの詳細、特に前部反射器15が補助反射器
16および偏向表面13と接合している領域を示す。
【0033】図1に戻ると、本発明の反射器アセンブリ
12が衛星に搭載される場合には、前記アセンブリは、
第1の熱制御手段17、すなわち、支持アセンブリ12
を囲む熱遮蔽17によって熱の影響に対して保護され
る。
【0034】図4に示す別の実施形態では、反射器アセ
ンブリ12は、反射器アセンブリ12の安定性を確実に
するという特定の役目を有する、第1の機械的支持アセ
ンブリ41を備える。
【0035】第1の機械的支持アセンブリ41は、支持
表面14の凸面に接合されている。同様に、第1の機械
的支持アセンブリ41は、第1の機械的支持アセンブリ
41および支持表面14の凸面に熱遮蔽を提供する、第
2の熱制御手段42によって囲まれている。
【0036】同様に、図5は、本発明のさらなる実施形
態を示している。この場合では、反射器アセンブリ12
は、反射器アセンブリ12の安定性を確実にするという
特定のタスクをまた有する、第2の機械的支持アセンブ
リ51を備える。
【0037】第2の機械的支持アセンブリ51もまた、
支持表面14の凸面に接合されている。同様の方法で、
第3の熱制御手段52が、反射器アセンブリ12の凸面
の熱遮蔽を提供する。
【0038】上記に述べたことは、中央に置かれたアン
テナ設計、支持表面14の中央での給電だけでなく、ホ
ーン11が反射器アセンブリ12からずれ、電波を遮蔽
しないオフセット設計にも適用される。このことは、従
来技術でよく知られている。
【0039】2つの電波は、極めて近接した周波数であ
る可能性がある。後者の場合も、同じ利点を有する2重
偏波アンテナがある。唯一の違いは両方の偏波に対して
同一の有効範囲を得ていないことである。
【0040】他の実施形態では、給電ホーン11が、い
くつかの独立したホーンを備えることができる。従っ
て、ホーン群は、単一の給電部のみではなく、焦点平面
内にいくつかの独立した給電部群を含む、マルチビーム
有効範囲を生成する。ホーン群は、たとえば、単一の給
電部のかわりにBFN(beam forming n
etwork)などの、より複雑な給電にも適用され
る。
【0041】反射器アセンブリ12の外側部分の設計
は、ダイクロイックタイプ(周波数フィルタ)であるこ
ともある。このような設計は、2つの電波が直交する必
要がないという、追加の利点がある。システムの設計に
よって必要となる場合は、同一の偏波のものであってよ
い。
【0042】上記に記載した本発明の実施形態は、例示
的なものにすぎず、変更を行ってもよいことを当業者に
は理解されたい。したがって、本発明は、ここに開示し
た実施形態に制限されるものではなく、添付の特許請求
の範囲によって定義されたものにのみ制限されるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンテナの図2の線AA´に沿っ
た断面図である。
【図2】本発明によるアンテナの平面図である。
【図3】本発明による支持アセンブリの詳細図である。
【図4】本発明によるアンテナの第2の実施形態の垂直
方向断面図である。
【図5】本発明によるアンテナの第3の実施形態の垂直
方向断面図である。
【符号の説明】
11 給電ホーン 12 反射器アセンブリ 13 偏向表面 14 支持表面 15 前部反射器 16 補助反射器 17 第1の熱制御手段 41 第1の機械的支持アセンブリ 42 第2の熱制御手段 51 第2の機械的支持アセンブリ 52 第3の熱制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヤン−マルク・バサレ フランス国、31100・トウールーズ、リ ユ・カルベラツク・21 (72)発明者 ジヤツク・モレル フランス国、31270・キユノー、リユ・ド ウ・ラ・フランソワ、20 Fターム(参考) 5J020 AA03 AA07 BA10 BA14 BA18

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給電ホーン(11)によって照射される
    反射器アセンブリ(12)を備え、低減されたサイドロ
    ーブを有する2重偏波アンテナであって、反射器アセン
    ブリ(12)が、直交して偏波された周波数の異なる2
    つの電磁波を反射するように構成された前部反射器(1
    5)と、直交して偏波された電磁波の1つを反射するよ
    うに構成された補助反射器(16)と、補助反射器(1
    6)を通過する直交偏波された電磁波を回折するように
    構成された偏向表面(13)とを備えることを特徴とす
    る2重偏波アンテナ。
  2. 【請求項2】 前部反射器(15)が、給電ホーン(1
    1)に面する支持表面(14)の面の中央領域に配設さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の2重偏波アンテ
    ナ。
  3. 【請求項3】 支持表面(14)が、焦点が給電ホーン
    (11)に対向する放物面型の表面であることを特徴と
    する請求項2に記載の2重偏波アンテナ。
  4. 【請求項4】 前部反射器(15)が連続した表面であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の2重偏波アンテ
    ナ。
  5. 【請求項5】 補助反射器(16)が、前部反射器(1
    5)の周縁部の周りで、給電ホーン(11)に面する支
    持表面(14)の面の最上部に配置されることを特徴と
    する請求項2に記載の2重偏波アンテナ。
  6. 【請求項6】 補助反射器(16)が、均一に離間さ
    れ、かつ平行に位置合わせされた一群のワイヤによって
    形成されることを特徴とする請求項5に記載の2重偏波
    アンテナ。
  7. 【請求項7】 偏向表面(13)が、給電ホーン(1
    1)に面する支持表面(14)の面に対向する面上で、
    補助反射器(16)および前部反射器(15)によって
    形成される分離縁部に沿って配置されることを特徴とす
    る請求項2に記載の2重偏波アンテナ。
  8. 【請求項8】 偏向表面(13)が、連続した表面であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の2重偏波アンテ
    ナ。
  9. 【請求項9】 第1の熱制御手段(17)が、反射器ア
    センブリ(12)を囲むように構成されることを特徴と
    する請求項1に記載の2重偏波アンテナ。
  10. 【請求項10】 アンテナが、無線通信システムで使用
    するように構成された衛星に搭載されることを特徴とす
    る請求項1に記載の2重偏波アンテナ。
  11. 【請求項11】 アンテナが、無線通信システムで使用
    するように構成された地上局に取り付けられることを特
    徴とする請求項1に記載の2重偏波アンテナ。
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