JP2002319404A - 二次電池用正極導電材料及びその製造方法 - Google Patents
二次電池用正極導電材料及びその製造方法Info
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- JP2002319404A JP2002319404A JP2001123810A JP2001123810A JP2002319404A JP 2002319404 A JP2002319404 A JP 2002319404A JP 2001123810 A JP2001123810 A JP 2001123810A JP 2001123810 A JP2001123810 A JP 2001123810A JP 2002319404 A JP2002319404 A JP 2002319404A
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 充放電サイクル寿命と放電電圧が優れた性能
を有する二次電池用正極導電材料及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】高耐熱性高分子材料を、嫌気性雰囲気中で
黒鉛化した結晶化度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分
とする二次電池用正極導電材料およびその製造方法。
を有する二次電池用正極導電材料及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】高耐熱性高分子材料を、嫌気性雰囲気中で
黒鉛化した結晶化度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分
とする二次電池用正極導電材料およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二次電池用正極
導電材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは高耐
熱性高分子材料を黒鉛化してなる黒鉛粉末を必須成分と
する二次電池用正極導電材料及びその製造方法に関す
る。この発明の二次電池用正極導電材料によれば、電解
液の酸化分解を抑制することが可能である。
導電材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは高耐
熱性高分子材料を黒鉛化してなる黒鉛粉末を必須成分と
する二次電池用正極導電材料及びその製造方法に関す
る。この発明の二次電池用正極導電材料によれば、電解
液の酸化分解を抑制することが可能である。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の発達に伴ってパソコン,携
帯電話等の普及が、今後益々増大することが予想される
が、これに伴い携帯用機器の電源である二次電池の高エ
ネルギ密度化,高容量化が益々要求されている。特に非
水電解液を用いたリチウム二次電池は電池電圧が高く、
高エネルギ−密度である。
帯電話等の普及が、今後益々増大することが予想される
が、これに伴い携帯用機器の電源である二次電池の高エ
ネルギ密度化,高容量化が益々要求されている。特に非
水電解液を用いたリチウム二次電池は電池電圧が高く、
高エネルギ−密度である。
【0003】従来、二次電池としては特開昭63−58
761号公報に記載のようなボタン電池、もしくは特開
平4−161756号公報のような巻型の電池が知られ
ている。これらの電池においては、正負電極物質が金属
板からなる集電体上に塗布形成され、この両電極板の間
にセパレ−タ−を設置し、電解液に浸漬することによ
り、電池が構成されている。
761号公報に記載のようなボタン電池、もしくは特開
平4−161756号公報のような巻型の電池が知られ
ている。これらの電池においては、正負電極物質が金属
板からなる集電体上に塗布形成され、この両電極板の間
にセパレ−タ−を設置し、電解液に浸漬することによ
り、電池が構成されている。
【0004】従来の電池は電極の導電剤として黒鉛ある
いは非晶質炭素系のカ−ボンブラックが用いられてい
る。しかし、出力密度が低すぎるといった問題がある。
パソコン、携帯電話、携帯用ビデオ機器、電気自動車等
の電源として電池を搭載するには出力密度の高い電池が
必要である。また、これら機器の起動時には大電流が消
費されるため、急速放電に耐える電池性能が要求され
る。また大型電池においても、例えば電気自動車などで
は発進時には極めて大きな出力が必要であり、良好な急
速放電性能が要求される。電極に黒鉛あるいは非晶質炭
素を用いた場合、充分な放電特性が得られていない。
いは非晶質炭素系のカ−ボンブラックが用いられてい
る。しかし、出力密度が低すぎるといった問題がある。
パソコン、携帯電話、携帯用ビデオ機器、電気自動車等
の電源として電池を搭載するには出力密度の高い電池が
必要である。また、これら機器の起動時には大電流が消
費されるため、急速放電に耐える電池性能が要求され
る。また大型電池においても、例えば電気自動車などで
は発進時には極めて大きな出力が必要であり、良好な急
速放電性能が要求される。電極に黒鉛あるいは非晶質炭
素を用いた場合、充分な放電特性が得られていない。
【0005】例えば、放電レ−トを0.325C(4時
間率)から2C(30分率)に上げると放電容量は20
〜30%程度低下する。このように放電レ−トを上げる
と、それに伴いサイクル特性も低下し、満足できる電池
寿命が得られなくなる。このような放電特性を左右する
要因は、正極の電極内の電子伝導性が最も支配的である
と考えられる。電極内の電子伝導性の向上を図るには導
電剤である黒鉛あるいは非晶質炭素の量を増加させれば
よいが、その場合、電極に占める導電剤の割合が大きく
なるため、電池の重要な特性の一つである体積エネルギ
密度が低下する。すなわち、高い体積エネルギ密度を保
ちながら、電極内の電子伝導性を向上させることが、実
用的な電池を開発する上で重要である。
間率)から2C(30分率)に上げると放電容量は20
〜30%程度低下する。このように放電レ−トを上げる
と、それに伴いサイクル特性も低下し、満足できる電池
寿命が得られなくなる。このような放電特性を左右する
要因は、正極の電極内の電子伝導性が最も支配的である
と考えられる。電極内の電子伝導性の向上を図るには導
電剤である黒鉛あるいは非晶質炭素の量を増加させれば
よいが、その場合、電極に占める導電剤の割合が大きく
なるため、電池の重要な特性の一つである体積エネルギ
密度が低下する。すなわち、高い体積エネルギ密度を保
ちながら、電極内の電子伝導性を向上させることが、実
用的な電池を開発する上で重要である。
【0006】リチウム二次電池に関しては、正極材料と
しては、正極活物質、フッ化ビニリデン樹脂(PVd
F)やポリ塩化ビニルなどのバインダ−及び導電剤が使
用されている。導電剤としては、低黒鉛化炭素粒子、高
黒鉛化炭素粒子が使用されている。
しては、正極活物質、フッ化ビニリデン樹脂(PVd
F)やポリ塩化ビニルなどのバインダ−及び導電剤が使
用されている。導電剤としては、低黒鉛化炭素粒子、高
黒鉛化炭素粒子が使用されている。
【0007】前記の低黒鉛化炭素質材料は、電解液との
反応性が低い、樹枝状金属リチウムが生成しづらく、充
放電容量が一般に低く、また真密度が低いため体積当た
りの充放電容量が低いという難点を有し、高エネルギ−
密度の二次電池を実現することは達成されていない。
反応性が低い、樹枝状金属リチウムが生成しづらく、充
放電容量が一般に低く、また真密度が低いため体積当た
りの充放電容量が低いという難点を有し、高エネルギ−
密度の二次電池を実現することは達成されていない。
【0008】一方、高黒鉛化炭素粒子は、低黒鉛化炭素
粒子と比較して高い充放電容量を有することから、特に
性能の優れた二次電池用電極として期待されている。
粒子と比較して高い充放電容量を有することから、特に
性能の優れた二次電池用電極として期待されている。
【0009】しかしながら、従来公知の二次電池用電極
は電解液の酸化分解が生じるため、依然電池性能が十分
でなく、さらに電池性能の高いものが望まれている。
は電解液の酸化分解が生じるため、依然電池性能が十分
でなく、さらに電池性能の高いものが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、電
解液の酸化分解を抑制でき、充放電サイクル寿命と放電
電圧が優れた性能を有する二次電池用正極導電材料及び
その製造方法を提供することである。
解液の酸化分解を抑制でき、充放電サイクル寿命と放電
電圧が優れた性能を有する二次電池用正極導電材料及び
その製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、高耐熱性高
分子材料を嫌気性雰囲気中で炭素化、黒鉛化した結晶化
度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分とする二次電池用
正極導電材料に関する。また、この発明は、炭素元素に
対するホウ素元素の割合が0.01〜10質量%になる
量のホウ素系化合物を含有する黒鉛前駆体物を、加熱、
黒鉛化して得られる、結晶化度が90%以上の黒鉛粉末
を必須成分として含有する二次電池用正極導電材料に関
する。
分子材料を嫌気性雰囲気中で炭素化、黒鉛化した結晶化
度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分とする二次電池用
正極導電材料に関する。また、この発明は、炭素元素に
対するホウ素元素の割合が0.01〜10質量%になる
量のホウ素系化合物を含有する黒鉛前駆体物を、加熱、
黒鉛化して得られる、結晶化度が90%以上の黒鉛粉末
を必須成分として含有する二次電池用正極導電材料に関
する。
【0012】さらに、この発明は、高耐熱性高分子材料
を炭化し、炭素元素に対するホウ素元素の割合が0〜1
0質量%、好適には0.01〜7質量%になる量のホウ
素系化合物を含有させた黒鉛前駆体物を、加熱、黒鉛化
した結晶化度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分として
含有させる二次電池用正極導電材料の製造方法に関す
る。
を炭化し、炭素元素に対するホウ素元素の割合が0〜1
0質量%、好適には0.01〜7質量%になる量のホウ
素系化合物を含有させた黒鉛前駆体物を、加熱、黒鉛化
した結晶化度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分として
含有させる二次電池用正極導電材料の製造方法に関す
る。
【0013】上記の製造過程によって得られる黒鉛粉末
は、高耐熱性高分子材料の分子構造内に含まれ且つ炭素
化過程において脱離することなく黒鉛結晶内に炭素原子
と置換する形で留まる窒素原子と、添加された化合物か
ら固溶する形で黒鉛結晶内に炭素原子と置換する形で入
り込んだホウ素原子を構成要素として含む。このことに
より、通常の炭素原子のみからなる黒鉛材料と異なる表
面状態及び表面電子状態を有し、その結果、充放電時の
電解液の分解を抑制する効果を奏する。
は、高耐熱性高分子材料の分子構造内に含まれ且つ炭素
化過程において脱離することなく黒鉛結晶内に炭素原子
と置換する形で留まる窒素原子と、添加された化合物か
ら固溶する形で黒鉛結晶内に炭素原子と置換する形で入
り込んだホウ素原子を構成要素として含む。このことに
より、通常の炭素原子のみからなる黒鉛材料と異なる表
面状態及び表面電子状態を有し、その結果、充放電時の
電解液の分解を抑制する効果を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を次に示
す。 1) 黒鉛粉末が、0.1〜3質量%の窒素元素を含む
上記の二次電池用正極導電材料。 2) 黒鉛粉末が、0.01〜5質量%のホウ素元素を
含み、かつ0.1〜3質量%の窒素元素を含む上記の二
次電池用正極導電材料。
す。 1) 黒鉛粉末が、0.1〜3質量%の窒素元素を含む
上記の二次電池用正極導電材料。 2) 黒鉛粉末が、0.01〜5質量%のホウ素元素を
含み、かつ0.1〜3質量%の窒素元素を含む上記の二
次電池用正極導電材料。
【0015】3)高耐熱性高分子が、高剛性のポリイミ
ドフィルムを与えるポリイミドである上記の二次電池用
正極導電材料。 4)高耐熱性高分子が、高剛性のポリイミドフィルムを
与えるポリイミドである上記の二次電池用正極導電材料
の製造方法。 5)高耐熱性高分子材料が、ポリイミドの粉末である上
記の二次電池用正極導電材料の製造方法。
ドフィルムを与えるポリイミドである上記の二次電池用
正極導電材料。 4)高耐熱性高分子が、高剛性のポリイミドフィルムを
与えるポリイミドである上記の二次電池用正極導電材料
の製造方法。 5)高耐熱性高分子材料が、ポリイミドの粉末である上
記の二次電池用正極導電材料の製造方法。
【0016】この発明における高耐熱性高分子材料とし
て、芳香族酸成分と芳香族ジアミンとを重縮合し加熱に
よって高分子量でかつ高耐熱性の高分子、好適にはポリ
イミドフィルムまたはポリイミド粉末が挙げられる。
て、芳香族酸成分と芳香族ジアミンとを重縮合し加熱に
よって高分子量でかつ高耐熱性の高分子、好適にはポリ
イミドフィルムまたはポリイミド粉末が挙げられる。
【0017】前記のポリイミドフィルムは、例えば、ポ
リイミド前駆体の有機溶媒溶液の流延物を350〜55
0℃で加熱、乾燥することによって得ることができる。
前記のポリイミド粉末は、例えば、ポリイミド前駆体の
有機溶媒溶液を160〜300℃まで昇温してイミド化
させてポリイミド粉末を微細な粒子として析出させ、反
応混合物からポリイミド粉末を濾集することによって、
あるいは前記のポリイミド前駆体の有機溶媒溶液を非溶
解性溶媒に投入するなどして分離したポリイミド前駆体
粒子を160〜300℃で加熱、乾燥してイミド化を完
了させることによって、ポリイミド平均粒径が3〜20
μ程度のポリイミド粉末として得ることができる。
リイミド前駆体の有機溶媒溶液の流延物を350〜55
0℃で加熱、乾燥することによって得ることができる。
前記のポリイミド粉末は、例えば、ポリイミド前駆体の
有機溶媒溶液を160〜300℃まで昇温してイミド化
させてポリイミド粉末を微細な粒子として析出させ、反
応混合物からポリイミド粉末を濾集することによって、
あるいは前記のポリイミド前駆体の有機溶媒溶液を非溶
解性溶媒に投入するなどして分離したポリイミド前駆体
粒子を160〜300℃で加熱、乾燥してイミド化を完
了させることによって、ポリイミド平均粒径が3〜20
μ程度のポリイミド粉末として得ることができる。
【0018】前記のポリイミド前駆体とは、テトラカル
ボン酸成分と芳香族ジアミン成分をN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミドな
どの有機溶媒中、重合して得られたポリアミック酸或い
はその部分的にイミド化したものであり、熱処理或いは
化学処理することで閉環してポリイミドとすることがで
きる。ポリイミドとは、後述のイミド化率が約50%以
上、好適には約75%以上、特に好ましくはイミド化率
90%以上の高耐熱性ポリマ−である。
ボン酸成分と芳香族ジアミン成分をN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミドな
どの有機溶媒中、重合して得られたポリアミック酸或い
はその部分的にイミド化したものであり、熱処理或いは
化学処理することで閉環してポリイミドとすることがで
きる。ポリイミドとは、後述のイミド化率が約50%以
上、好適には約75%以上、特に好ましくはイミド化率
90%以上の高耐熱性ポリマ−である。
【0019】テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分は、上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、
対数粘度(30℃、濃度;0.35g/100mL N
MP)が0.33以上、特に0.35〜7であるポリイ
ミド前駆体が製造される。また、重合を約80℃以上の
温度で行った場合に、部分的に閉環してイミド化したポ
リイミド前駆体が製造される。
分は、上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、
対数粘度(30℃、濃度;0.35g/100mL N
MP)が0.33以上、特に0.35〜7であるポリイ
ミド前駆体が製造される。また、重合を約80℃以上の
温度で行った場合に、部分的に閉環してイミド化したポ
リイミド前駆体が製造される。
【0020】芳香族ジアミンとしては、例えば、次式 H2N−R(r1)m−A−(r2)nR'−NH2 (ただし、前記一般式において、RまたはR'は、直接
結合あるいは二価の芳香族、r1、r2は、水素、低級ア
ルキル、低級アルコキシなどの置換基であり、Aは、直
接結合、あるいはO、S、CO、SO2、SO、CH2、
C(CH3)2などの二価の基であり、mおよびnは1〜
4の整数である。)で示される芳香族ジアミン化合物が
好ましい。
結合あるいは二価の芳香族、r1、r2は、水素、低級ア
ルキル、低級アルコキシなどの置換基であり、Aは、直
接結合、あるいはO、S、CO、SO2、SO、CH2、
C(CH3)2などの二価の基であり、mおよびnは1〜
4の整数である。)で示される芳香族ジアミン化合物が
好ましい。
【0021】前記芳香族ジアミン化合物の具体例として
は、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエ−テル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジ
アミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジエトキシ−
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルなどが挙げられ
る。前記の一般式H2N−R−NH2で示される芳香族ジ
アミン成分としては、ジアミノピリジンであってもよ
く、具体的には、2,6−ジアミノピリジン、3,6−
ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4
−ジアミノピリジンなどが挙げられる。芳香族ジアミン
成分は上記の各芳香族ジアミンを2種以上組み合わせて
使用してもよい。この芳香族ジアミンで最も好ましく
は、1,4−ジアミノベンゼンまたはそれを含む混合物
である。
は、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエ−テル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジ
アミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジエトキシ−
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルなどが挙げられ
る。前記の一般式H2N−R−NH2で示される芳香族ジ
アミン成分としては、ジアミノピリジンであってもよ
く、具体的には、2,6−ジアミノピリジン、3,6−
ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4
−ジアミノピリジンなどが挙げられる。芳香族ジアミン
成分は上記の各芳香族ジアミンを2種以上組み合わせて
使用してもよい。この芳香族ジアミンで最も好ましく
は、1,4−ジアミノベンゼンまたはそれを含む混合物
である。
【0022】テトラカルボン酸成分としては、3,
3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン酸、ピロ
メリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオ
エ−テル、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸、あるい
はそれらの酸無水物、塩またはエステル化誘導体などの
テトラカルボン酸類を挙げることができる。また、テト
ラカルボン酸成分は、上記の各テトラカルボン酸類の混
合物であってもよい。このテトラカルボン酸成分のう
ち、最も好ましいのは、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物またはその混合物である。
3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン酸、ピロ
メリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオ
エ−テル、ジシクロヘキシルテトラカルボン酸、あるい
はそれらの酸無水物、塩またはエステル化誘導体などの
テトラカルボン酸類を挙げることができる。また、テト
ラカルボン酸成分は、上記の各テトラカルボン酸類の混
合物であってもよい。このテトラカルボン酸成分のう
ち、最も好ましいのは、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物またはその混合物である。
【0023】前記ポリイミド前駆体は、前記有機溶媒に
1〜60質量%、好ましくは1%〜30質量%の割合で
溶解してポリイミド前駆体の有機溶媒溶液に調製される
(重合溶液をそのまま用いても良い)。また、調製され
たポリイミド前駆体の有機溶媒溶液の溶液粘度は10〜
10000ポイズ、好ましくは40〜3000ポイズで
ある。前記ポリイミド前駆体の有機溶媒溶液にはホウ素
系化合物を添加してもよい。このホウ素系化合物として
は、ホウ素あるいはホウ素の酸化物、水酸化物、炭化物
が挙げられる。
1〜60質量%、好ましくは1%〜30質量%の割合で
溶解してポリイミド前駆体の有機溶媒溶液に調製される
(重合溶液をそのまま用いても良い)。また、調製され
たポリイミド前駆体の有機溶媒溶液の溶液粘度は10〜
10000ポイズ、好ましくは40〜3000ポイズで
ある。前記ポリイミド前駆体の有機溶媒溶液にはホウ素
系化合物を添加してもよい。このホウ素系化合物として
は、ホウ素あるいはホウ素の酸化物、水酸化物、炭化物
が挙げられる。
【0024】この発明においては、前記の高耐熱性高分
子材料を、フィルムの場合には裁断して、嫌気性雰囲気
下で、最高温度1000〜1500℃の熱処理を施すこ
とによりを炭化し、ホウ素系化合物を0〜10質量%、
好適には0.01〜10質量%含有させた黒鉛前駆体物
を、加熱、黒鉛化して結晶化度が90%以上の黒鉛粉末
を必須成分として含有させることが必要である。
子材料を、フィルムの場合には裁断して、嫌気性雰囲気
下で、最高温度1000〜1500℃の熱処理を施すこ
とによりを炭化し、ホウ素系化合物を0〜10質量%、
好適には0.01〜10質量%含有させた黒鉛前駆体物
を、加熱、黒鉛化して結晶化度が90%以上の黒鉛粉末
を必須成分として含有させることが必要である。
【0025】前記の嫌気性雰囲気とは、酸素など酸化活
性の気体がないことが必要であり、嫌気性気体にはアル
ゴン、ヘリウム、窒素などが適当である。特にアルゴン
雰囲気下が好ましい。前駆体を炭化する際、分解物がス
ム−ズに留去するように、また、いったん蒸発した分解
物が再び沈着しないように、嫌気性雰囲気ガスの気流中
でおこなうのが好ましい。
性の気体がないことが必要であり、嫌気性気体にはアル
ゴン、ヘリウム、窒素などが適当である。特にアルゴン
雰囲気下が好ましい。前駆体を炭化する際、分解物がス
ム−ズに留去するように、また、いったん蒸発した分解
物が再び沈着しないように、嫌気性雰囲気ガスの気流中
でおこなうのが好ましい。
【0026】また、高耐熱性高分子材料、特にポリイミ
ドフィルムまたはポリイミド粉末は徐々に炭化するのが
好ましく、分解物を急激に逸散すると、炭素分が留去し
てしまい、炭化収率が低くなることがあって好ましくな
い。また、構造の欠陥もできやすい。そのためには、昇
温速度が15℃以下、特に1〜10℃/分程度の充分遅
い速度で昇温することが好ましい。
ドフィルムまたはポリイミド粉末は徐々に炭化するのが
好ましく、分解物を急激に逸散すると、炭素分が留去し
てしまい、炭化収率が低くなることがあって好ましくな
い。また、構造の欠陥もできやすい。そのためには、昇
温速度が15℃以下、特に1〜10℃/分程度の充分遅
い速度で昇温することが好ましい。
【0027】このようにして得られた黒鉛前駆体である
炭化物に、嫌気性雰囲気下で、温度2600〜3500
℃の熱処理を行なうことにより、高い結晶化度の黒鉛粉
末を作成することができる。特に、この発明の二次電池
用電極のための黒鉛粉末を得るには、、加熱と同時に圧
力を加えながら処理するのが望ましく、特に等方加圧の
装置で加熱するのが好ましい。
炭化物に、嫌気性雰囲気下で、温度2600〜3500
℃の熱処理を行なうことにより、高い結晶化度の黒鉛粉
末を作成することができる。特に、この発明の二次電池
用電極のための黒鉛粉末を得るには、、加熱と同時に圧
力を加えながら処理するのが望ましく、特に等方加圧の
装置で加熱するのが好ましい。
【0028】黒鉛化する前に、ホウ素化合物を添加し、
等方圧雰囲気下で高温にすることによって高い高結晶化
度の黒鉛膜を得ることができるので好ましい。ホウ素化
合物はポリイミド成形材料を形成する時のポリイミド前
駆体溶液に加えてもよい。前記ホウ素系化合物として
は、ホウ素あるいはホウ素の酸化物、水酸化物、炭化物
が挙げられる。これはホウ素が、六角網面の炭素と固溶
体を形成し、該網面内を拡散移動することにより、網面
の持つ歪みを解消するためであると考えられている。特
に、炭化ホウ素は黒鉛結晶が著しく成長し始める温度領
域である2450℃付近に融点を持つこと、及びその組
成中に炭素、ホウ素以外の元素を持たないことから、黒
鉛結晶の成長を促進する効果が高く好適に用いる事が出
来る。
等方圧雰囲気下で高温にすることによって高い高結晶化
度の黒鉛膜を得ることができるので好ましい。ホウ素化
合物はポリイミド成形材料を形成する時のポリイミド前
駆体溶液に加えてもよい。前記ホウ素系化合物として
は、ホウ素あるいはホウ素の酸化物、水酸化物、炭化物
が挙げられる。これはホウ素が、六角網面の炭素と固溶
体を形成し、該網面内を拡散移動することにより、網面
の持つ歪みを解消するためであると考えられている。特
に、炭化ホウ素は黒鉛結晶が著しく成長し始める温度領
域である2450℃付近に融点を持つこと、及びその組
成中に炭素、ホウ素以外の元素を持たないことから、黒
鉛結晶の成長を促進する効果が高く好適に用いる事が出
来る。
【0029】ホウ素系化合物の添加方法は、耐熱性樹脂
フィルムに、固体または溶液状態でで添加してもよい。
塗布法によりフィルム面上に塗布する。塗布法による場
合は、例えばホウ素においてはホウ酸をエタノ−ルで溶
かして用いるなど、塩や塩化物などの化合物として適当
な溶媒で溶解させ液状物として塗布することができる。
また、ポリイミド前駆体溶液に、ホウ素化合物を添加し
てもよい。また、金属ホウ素を蒸着することもできる。
ホウ素化合物の添加量は、炭素元素成分に対するホウ素
元素の比率が1〜10質量%になる量が好ましい。
フィルムに、固体または溶液状態でで添加してもよい。
塗布法によりフィルム面上に塗布する。塗布法による場
合は、例えばホウ素においてはホウ酸をエタノ−ルで溶
かして用いるなど、塩や塩化物などの化合物として適当
な溶媒で溶解させ液状物として塗布することができる。
また、ポリイミド前駆体溶液に、ホウ素化合物を添加し
てもよい。また、金属ホウ素を蒸着することもできる。
ホウ素化合物の添加量は、炭素元素成分に対するホウ素
元素の比率が1〜10質量%になる量が好ましい。
【0030】このようにして得られる黒鉛材料は、結晶
化度が90%以上である。黒鉛の結晶化度が90%より
低い場合は、電子伝導性が低いので、二次電池の電極用
導電剤には適当ではない。
化度が90%以上である。黒鉛の結晶化度が90%より
低い場合は、電子伝導性が低いので、二次電池の電極用
導電剤には適当ではない。
【0031】黒鉛がフィルム状の場合には、黒鉛を粉砕
することにより、黒鉛粉末を作製してもよい。粉砕する
手段は特に限定しないが、ボ−ルミル、チュ−ブミル、
衝撃微粉機、アトマイザ−、ハンマ−ミル、ディスイン
テグレ−タ、らいかい機等があるが、好ましくは、ボ−
ルミル、ハンマ−ミル、ディスインテグレ−タ、らいか
い機などが好ましい。黒鉛の結晶が摩擦によって、無定
形になってしまうのを抑制するため、強く摩擦のかから
ない手段が好ましい。
することにより、黒鉛粉末を作製してもよい。粉砕する
手段は特に限定しないが、ボ−ルミル、チュ−ブミル、
衝撃微粉機、アトマイザ−、ハンマ−ミル、ディスイン
テグレ−タ、らいかい機等があるが、好ましくは、ボ−
ルミル、ハンマ−ミル、ディスインテグレ−タ、らいか
い機などが好ましい。黒鉛の結晶が摩擦によって、無定
形になってしまうのを抑制するため、強く摩擦のかから
ない手段が好ましい。
【0032】二次電池の正電極は、正極活物質、フッ化
ビニリデン樹脂(PVdF)やポリ塩化ビニルなどのバ
インダ−と導電剤としての黒鉛粉末を溶媒を介して混練
しペ−スト状とし、金属製の集電体上に塗布、乾燥する
ことにより、形成することができる。
ビニリデン樹脂(PVdF)やポリ塩化ビニルなどのバ
インダ−と導電剤としての黒鉛粉末を溶媒を介して混練
しペ−スト状とし、金属製の集電体上に塗布、乾燥する
ことにより、形成することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例によりこの発明を具体的に説明
するが、この発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の各例において、格子定数、結晶化度、結
晶子サイズ、窒素元素及びホウ素元素の定量は以下によ
って求めたものである。
するが、この発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の各例において、格子定数、結晶化度、結
晶子サイズ、窒素元素及びホウ素元素の定量は以下によ
って求めたものである。
【0034】C軸格子定数 (002)面、(101)面の面間隔より、グラファイ
ト結晶の格子定数を求めた。 結晶化度 グラファイト膜の結晶化度は、グラファイト膜を粉にし
て、X線回折を測定し、Ruland法により測定し
た。
ト結晶の格子定数を求めた。 結晶化度 グラファイト膜の結晶化度は、グラファイト膜を粉にし
て、X線回折を測定し、Ruland法により測定し
た。
【0035】結晶子サイズ (002)面、(101)面のピ−クの半値幅より、S
hellerの式に従って求めた。 窒素元素及びホウ素元素の定量 X線光電子分光装置を用いて、破砕した黒鉛粉末のES
CA測定を行うことにより原子濃度(at.%)を求め
た。
hellerの式に従って求めた。 窒素元素及びホウ素元素の定量 X線光電子分光装置を用いて、破砕した黒鉛粉末のES
CA測定を行うことにより原子濃度(at.%)を求め
た。
【0036】実施例1〜3 1)ポリイミドフィルムの作成 酸二無水物として、対称性ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物(s−BPDA)を、ジアミン成分としてパラ
フェニレンジアミン(PDA)を用い、s−BPDAに
対するジアミン成分のモル比が0.994で且つ該モノ
マー成分の合計重量が18質量%になるようにN,N−
ジメチルアセトアミドに溶解し、温度40℃、10時間
重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポ
リイミド前駆体溶液を、ステンレス基板上に厚みが約1
00〜180μmになるように流延し、大気中で80℃
から180℃までの熱処理を行いゲル化を行った。その
後ゲル化したフィルムをピンテンタ−に張り直し固定し
た状態で、大気中にて120℃から450℃までの熱処
理を行うことにより、フィルムの膜厚み、分子の面配向
性の異なるフィルムを作製した。
二無水物(s−BPDA)を、ジアミン成分としてパラ
フェニレンジアミン(PDA)を用い、s−BPDAに
対するジアミン成分のモル比が0.994で且つ該モノ
マー成分の合計重量が18質量%になるようにN,N−
ジメチルアセトアミドに溶解し、温度40℃、10時間
重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポ
リイミド前駆体溶液を、ステンレス基板上に厚みが約1
00〜180μmになるように流延し、大気中で80℃
から180℃までの熱処理を行いゲル化を行った。その
後ゲル化したフィルムをピンテンタ−に張り直し固定し
た状態で、大気中にて120℃から450℃までの熱処
理を行うことにより、フィルムの膜厚み、分子の面配向
性の異なるフィルムを作製した。
【0037】2)炭化フィルムの作製 1)で得られたポリイミドフィルムをカッターなどで数
cm程度の大きさに裁断し、そのポリイミドフィルム片
をアルミナルツボ内に入れて電気炉内に静置し、窒素ガ
ス気流中で10℃/分の速度で20℃から1400℃ま
で昇温し、1400℃で120分保持した。得られた炭
素化片は光沢を呈しており、脆性的であった。X線回折
により得られた結果では、炭素化片はわずかに結晶の様
相を示し、ル−ランド法(Ruland)により求めた
結晶化度は10〜40%であった。
cm程度の大きさに裁断し、そのポリイミドフィルム片
をアルミナルツボ内に入れて電気炉内に静置し、窒素ガ
ス気流中で10℃/分の速度で20℃から1400℃ま
で昇温し、1400℃で120分保持した。得られた炭
素化片は光沢を呈しており、脆性的であった。X線回折
により得られた結果では、炭素化片はわずかに結晶の様
相を示し、ル−ランド法(Ruland)により求めた
結晶化度は10〜40%であった。
【0038】3)炭化ホウ素粉末混合及び粉砕 2)で得られた炭素化片に粒径が5μm以下の炭化ホウ
素(B4C)粉末を質量比が2質量%になる量を投入
し、振動ボ−ルミル用ポットに仕込んだ。ポット中に純
水を適量加え、湿式振動ボ−ルミルによって混合、粉砕
を行った。得られたスラリ−状物を延伸分離、乾燥を行
うことにより、炭化物と炭化ホウ素の混合粉末を得た。
素(B4C)粉末を質量比が2質量%になる量を投入
し、振動ボ−ルミル用ポットに仕込んだ。ポット中に純
水を適量加え、湿式振動ボ−ルミルによって混合、粉砕
を行った。得られたスラリ−状物を延伸分離、乾燥を行
うことにより、炭化物と炭化ホウ素の混合粉末を得た。
【0039】4)溶液析出ポリイミド粒子炭素化物の作
製 酸二無水物としてs−BPDAを、ジアミン成分として
PDAを用い、s−BPDAに対するPDAのモル比が
0.994で且つ該モノマ−成分の合計質量が18質量
%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解
し、温度40℃、10時間重合を行ってポリイミド前駆
体溶液を得た。この溶液を200〜300℃の温度で攪
拌することにより溶液中のポリアミック酸の熱イミド化
を行い、溶液に不溶なポリイミドを粒子として析出させ
た。得られたポリイミド粒子は分離、洗浄、乾燥を十分
に行った。
製 酸二無水物としてs−BPDAを、ジアミン成分として
PDAを用い、s−BPDAに対するPDAのモル比が
0.994で且つ該モノマ−成分の合計質量が18質量
%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解
し、温度40℃、10時間重合を行ってポリイミド前駆
体溶液を得た。この溶液を200〜300℃の温度で攪
拌することにより溶液中のポリアミック酸の熱イミド化
を行い、溶液に不溶なポリイミドを粒子として析出させ
た。得られたポリイミド粒子は分離、洗浄、乾燥を十分
に行った。
【0040】この粒子をアルミナルツボ内に入れて電気
炉内に静置し、窒素ガス気流中で10℃/分の速度で2
0℃から1400℃まで昇温し、1400℃で120分
保持することにより、炭素粒子を得た。X線回折により
得られた結果では、炭素粒子はわずかに結晶の様相を示
し、ル−ランド法(Ruland)により求めた結晶化
度は7〜30%であった。
炉内に静置し、窒素ガス気流中で10℃/分の速度で2
0℃から1400℃まで昇温し、1400℃で120分
保持することにより、炭素粒子を得た。X線回折により
得られた結果では、炭素粒子はわずかに結晶の様相を示
し、ル−ランド法(Ruland)により求めた結晶化
度は7〜30%であった。
【0041】5)黒鉛粉末の作製 3)および4)で得られた炭化物と炭化ホウ素の混合粉
末に、熱間等方圧プレス装置(HIP)で黒鉛化熱処理
を施した。混合粉末を蓋付きの炭素ルツボ内に仕込み、
HIPチャンバ−内にセットした。アルゴンガスで加圧
しながら10〜20℃/分の速度で昇温し、2800℃
で2000気圧の条件で1.5時間保持し、その後は徐
々に減圧しながら炉冷した。得られた粉末(試料1、試
料2、試料3)はいずれも灰色がかった黒色を呈してい
た。
末に、熱間等方圧プレス装置(HIP)で黒鉛化熱処理
を施した。混合粉末を蓋付きの炭素ルツボ内に仕込み、
HIPチャンバ−内にセットした。アルゴンガスで加圧
しながら10〜20℃/分の速度で昇温し、2800℃
で2000気圧の条件で1.5時間保持し、その後は徐
々に減圧しながら炉冷した。得られた粉末(試料1、試
料2、試料3)はいずれも灰色がかった黒色を呈してい
た。
【0042】6)黒鉛粉末のキャラクタリゼ−ション 得られた黒鉛粉末は、X線回折及び走査型電子顕微鏡
(SEM)観察により評価した。また、水銀圧入法によ
り黒鉛粉末の比表面積を評価した。
(SEM)観察により評価した。また、水銀圧入法によ
り黒鉛粉末の比表面積を評価した。
【0043】7)電解液中での酸化分解挙動の測定 上記5)で得られた粉末10mgに10質量%のポリフ
ッ化ビニリデン(PVdF)をバインダ−として用いて
電極を作製し、これを試験極に、リチウムメタルを対極
および参照極に、1MLiPF6/ポリカ−ボネ−ト
(PC)を電解液として用いて三極式ガラスセルを作製
し、定電位法で電流−電位曲線を測定することにより、
電解液中での試験極周りの酸化分解挙動を調べた。測定
は、10mV/秒、電位スイ−プを自然電位〜6Vの範
囲で行った。電位が上昇するにつれ電流値が高くなる
が、閾値を5mAとして酸化電位を評価した。表1にポ
リイミド由来の炭素粉末の作製条件と性状、及び評価さ
れた酸化電位、図1に酸化分解挙動の測定結果を示す。
いずれのポリイミド焼成品も通常のカ−ボン導電材料で
あるKS6[TIMCAL LTD.(旧 LONZA)製]に比べて、
電解液の酸化電位は高くなった。結果をまとめて表1に
示す。
ッ化ビニリデン(PVdF)をバインダ−として用いて
電極を作製し、これを試験極に、リチウムメタルを対極
および参照極に、1MLiPF6/ポリカ−ボネ−ト
(PC)を電解液として用いて三極式ガラスセルを作製
し、定電位法で電流−電位曲線を測定することにより、
電解液中での試験極周りの酸化分解挙動を調べた。測定
は、10mV/秒、電位スイ−プを自然電位〜6Vの範
囲で行った。電位が上昇するにつれ電流値が高くなる
が、閾値を5mAとして酸化電位を評価した。表1にポ
リイミド由来の炭素粉末の作製条件と性状、及び評価さ
れた酸化電位、図1に酸化分解挙動の測定結果を示す。
いずれのポリイミド焼成品も通常のカ−ボン導電材料で
あるKS6[TIMCAL LTD.(旧 LONZA)製]に比べて、
電解液の酸化電位は高くなった。結果をまとめて表1に
示す。
【0044】比較例1 比較のためし、標準的な市販の黒鉛質導電材料について
評価した。結果をまとめて表1に示す。
評価した。結果をまとめて表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】また、図1に実施例1〜3および比較例1
の導電性電極による電解液の酸化分解挙動測定結果を示
す。図1によれば、試料1、2、3、特に、試料1、2
では、4〜5.5Vの測定領域でのベ−ス電流が試料4
に比べて低くなっている。これは比表面積の違いの他に
表面構造が異なることによる活性の違いによると考えら
れる。これは電解液の酸化分解という観点からすると有
利な特性であり、実用領域における電解液の劣化を抑制
する効果が得られことを示す。
の導電性電極による電解液の酸化分解挙動測定結果を示
す。図1によれば、試料1、2、3、特に、試料1、2
では、4〜5.5Vの測定領域でのベ−ス電流が試料4
に比べて低くなっている。これは比表面積の違いの他に
表面構造が異なることによる活性の違いによると考えら
れる。これは電解液の酸化分解という観点からすると有
利な特性であり、実用領域における電解液の劣化を抑制
する効果が得られことを示す。
【0047】
【発明の効果】この発明によれば、酸化電位が高く、電
解液の酸化分解が抑制された改良され、充放電サイクル
寿命と放電電圧を有する二次電池用正極導電材料を得る
ことができる。
解液の酸化分解が抑制された改良され、充放電サイクル
寿命と放電電圧を有する二次電池用正極導電材料を得る
ことができる。
【図1】図1は、実施例1〜3および比較例1の導電性
電極による電解液の酸化分解挙動測定結果を示すグラフ
である。図1において、縦軸は設定電位を示し、横軸は
その時に流れた電流値を示す。
電極による電解液の酸化分解挙動測定結果を示すグラフ
である。図1において、縦軸は設定電位を示し、横軸は
その時に流れた電流値を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 EA03 EB02 EC02 EC06 5H050 AA07 BA16 BA17 CA15 EA01 EA24 FA17 GA02 HA01 HA13
Claims (8)
- 【請求項1】 高耐熱性高分子材料を嫌気性雰囲気中で
炭素化、黒鉛化した結晶化度が90%以上の黒鉛粉末を
必須成分とする二次電池用正極導電材料。 - 【請求項2】 黒鉛粉末が、0.1〜3質量%の窒素元
素を含む請求項1記載の二次電池用正極導電材料。 - 【請求項3】 黒鉛粉末が、0.01〜5質量%のホウ
素元素を含み、かつ0.1〜3質量%の窒素元素を含む
請求項1記載の二次電池用正極導電材料。 - 【請求項4】 高耐熱性高分子が、高剛性のポリイミド
フィルムを与えるポリイミドである請求項1記載の二次
電池用正極導電材料。 - 【請求項5】 炭素元素に対するホウ素元素の割合が
0.01〜10質量%になる量のホウ素系化合物を含有
する黒鉛前駆体物を、加熱、黒鉛化して得られる、結晶
化度が90%以上の黒鉛粉末を必須成分として含有する
二次電池用正極導電材料。 - 【請求項6】 高耐熱性高分子材料を炭化し、炭素元素
に対するホウ素元素の割合が0〜10質量%、好適には
0.01〜7質量%になる量のホウ素系化合物を含有さ
せた黒鉛前駆体物を、加熱、黒鉛化した結晶化度が90
%以上の黒鉛粉末を必須成分として含有させる二次電池
用正極導電材料の製造方法。 - 【請求項7】 高耐熱性高分子が、高剛性のポリイミド
フィルムを与えるポリイミドである請求項6記載の二次
電池用正極導電材料の製造方法。 - 【請求項8】 高耐熱性高分子材料が、ポリイミドの粉
末である請求項6記載の二次電池用正極導電材料の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001123810A JP2002319404A (ja) | 2001-04-23 | 2001-04-23 | 二次電池用正極導電材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001123810A JP2002319404A (ja) | 2001-04-23 | 2001-04-23 | 二次電池用正極導電材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002319404A true JP2002319404A (ja) | 2002-10-31 |
Family
ID=18973299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001123810A Pending JP2002319404A (ja) | 2001-04-23 | 2001-04-23 | 二次電池用正極導電材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002319404A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009098986A1 (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-13 | Asahi Glass Company, Limited | 蓄電素子電極形成用水性ペースト |
JP2015155366A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | 深▲セン▼市貝特瑞新能源材料股▲ふん▼有限公司 | 天然黒鉛のボールミリングによる機械的改質方法及び改質天然黒鉛系負極材料 |
US9831521B2 (en) | 2012-12-28 | 2017-11-28 | Ricoh Company, Ltd. | Nonaqueous electrolytic storage element |
-
2001
- 2001-04-23 JP JP2001123810A patent/JP2002319404A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009098986A1 (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-13 | Asahi Glass Company, Limited | 蓄電素子電極形成用水性ペースト |
US9831521B2 (en) | 2012-12-28 | 2017-11-28 | Ricoh Company, Ltd. | Nonaqueous electrolytic storage element |
JP2015155366A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | 深▲セン▼市貝特瑞新能源材料股▲ふん▼有限公司 | 天然黒鉛のボールミリングによる機械的改質方法及び改質天然黒鉛系負極材料 |
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