JP2002319182A - 情報記録担体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録担体及びその製造方法

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JP2002319182A
JP2002319182A JP2001122383A JP2001122383A JP2002319182A JP 2002319182 A JP2002319182 A JP 2002319182A JP 2001122383 A JP2001122383 A JP 2001122383A JP 2001122383 A JP2001122383 A JP 2001122383A JP 2002319182 A JP2002319182 A JP 2002319182A
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JP2001122383A
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Tetsuya Kondo
哲也 近藤
Masaki Mochizuki
聖樹 望月
Makoto Itonaga
誠 糸長
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録マークに与えるクロストークを低減し、
記録密度を向上させる情報記録担体及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 情報記録担体9は、支持体に形成された
グルーブとランドとを交互に有する微細パターン3上に
記録層7と、透光層8とが順次積層され、かつ前記グル
ーブは、前記グルーブを分断する領域にアドレスピット
APが形成されている。また、このアドレスピットAP
は、グルーブ形成用情報からアドレス情報に切り換え、
このアドレス情報に基づき、このグルーブ形成用のエネ
ルギー線を用いて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的手段によっ
て記録及び/又は再生を行う情報記録担体及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録担体を相対運動させて情
報を読み出すシステムがあり、システムの再生には光学
的手段、磁気的手段、静電容量的手段などが用いられて
いる。このうち光学的手段によって記録及び/又は再生
を行うシステムは日常生活に深く浸透している。例えば
波長650nmの光を利用した円盤状再生専用型情報記
録担体としては、画像情報が予め記録されているDVD
ビデオ、プログラム等が予め記録されているDVD−R
OM、音楽情報が予め記録されているDVDオーディ
オ、SACD等が知られている。
【0003】また、記録・再生型情報記録担体として
は、相変化を利用したDVD−RAM、DVD+RW
が、光磁気を利用したASMO、iD等がある。一方、
情報記録担体の記録密度を上げるために、レーザの波長
を短くし、青紫色の発光を実現する研究が長年続けられ
てきた。近年発明された第2高調波発振素子や窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子(例えば特許277840
5号公報に記載)は、波長λが350〜450nm近傍
で発光するために、記録密度を大幅に高める重要な発光
素子になり得る。また、この近傍の波長に対応した対物
レンズの設計も進んでおり、特にNA(開口数)をDV
Dで使用されるNA0.6を越えて、0.7以上とした
対物レンズが開発中である。
【0004】このように波長λを350〜450nmに
短縮し、NAを0.7以上とした情報記録担体再生装置
の開発が進められており、これらの技術により現在のD
VDの記録容量を遙かに越える光ディスクシステムを開
発することが期待できる。また、青紫色レーザーと高い
NAを前提として設計された、飛躍的に高い記録密度を
有する情報記録担体の出現が望まれる。そのような記録
再生型ディスクの一例として、本発明人は特願2001
−82278号においてアドレスピットをグルーブに伴
った、ランド記録方式を提案している。
【0005】図12は、特願2001−82278号で
提案した情報記録担体の断面構造を示す図である。即
ち、情報記録担体11は、凹凸状の微細パターン10が
形成された支持体6上に順次形成された記録層7と、透
光層8とから少なくともなるものであり、例えば支持体
6は、この上に形成されている記録層7及び透光層8を
機械的に保持する機能を有するベース(例えば射出成形
されたポリカーボネート)であり、記録層7は、情報を
読み出し、あるいは情報を記録ないしは書き換える機能
を有した薄膜層(例えば相変化記録材料や色素材料、光
磁気材料)であり、透光層8は収束した再生光を光学的
歪みの少ない状態で記録層7に導く機能を有する層(例
えばポリカーボネートシート)である。記録または再生
は、この透光層8を通して、ランドLのみに選択的に情
報が記録される。
【0006】図13は、従来の情報記録担体における微
細パターンの構造を示す図である。なお、図13は、ユ
ーザーによる記録が行われた状態を示す。ここで、微細
パターン10は微視的に略平行な溝連続体からなり、凸
部であるランドLと、凹部であるグルーブGからなり、
グルーブG同士は、互いに平行を保ち、トラックピッチ
Pで形成されている。ここでグルーブGとは、「これで
わかる光ディスク」(特許庁編、社団法人発明協会20
00年発行)に記載された表4.4−1の定義に従った
もので、グルーブGは、「基板表面に記録トラックを形
成するために、あらかじめ螺旋状または同心円状に設け
られた凹状溝」である。
【0007】そして、記録又は再生に必要とされるアド
レスは、グルーブG内に、それを切断する有限の長さを
有するアドレスピットAPとして埋め込まれている。な
おアドレスピットAPの高さは、ランドLの高さと略同
じとして形成されている。そして、ユーザーによるデー
タ書き込みはランドL内で行われ、各種長さのマークM
が記録される。ここで、アドレスピットAPは、その長
さAPLが複数種類あっても、単一種類であってもよ
く、特にその長さがAPL<λ/NAである場合には、
隣接する記録マークMの読み取りへの干渉が最小限に抑
えられる。なおここでλは記録または再生するレーザー
波長を表し、NAは記録または再生に使用するピックア
ップの対物レンズ開口数を表す。
【0008】このようにして、埋め込まれたアドレスピ
ットAPは、公知の2分割ディテクター、または4分割
ディテクターによってプッシュプル再生すれば検出する
ことが容易であり、記録時に正確な所望のアドレスに合
わせて記録することができる。微細パターン10は、図
示はしないが、記録または再生時にクロックを抽出する
ために、グルーブG同士は、共に平行を正確に保ちなが
ら蛇行していてもよいものである。特に情報記録担体1
1がディスク状である場合には、平行を保って蛇行した
結果、蛇行は角速度一定(constant angular velocit
y、CAV)で記録されており、ディスク面内全域で同
じ角速度が保たれている。また別の例として、半径毎に
異なるゾーンを形成し、そのゾーン内では一定角速度で
ありながらも、各ゾーン間では角速度が異なるようにな
っている構成も取り得る。
【0009】本発明人は、実際にこのような情報記録担
体11を試作したところ、その記録容量が、理論限界よ
りも随分低いことを発見した。これを分析した結果、ア
ドレスピットAPが記録マークMに与えるクロストーク
が非常に多く、これが記録密度低下につながっているこ
とが分かった。すなわちアドレスピットAPをプッシュ
プル再生がぎりぎり可能なほど、十分短く形成すること
が必要である。このためには、ランドLとアドレスピッ
トAPを同時に形成することが要求される。ランドLと
アドレスピットAPを同時に形成する方法としては、レ
ーザ等に代表されるエネルギー線ビームを2本用意し、
それぞれをトラックピッチPの半分の位置(P/2)に
配置し、一方をランドL専用、他方をアドレスピットA
P専用として用いる方法がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アドレ
スピットAP部分では、2つのビームの合成となるため
に、その長さAPLは必然的に長いものになってしまっ
ていた。この長さを短くするために、アドレスピットA
P形成のためのエネルギーを減じると、ランドLとの接
続ができなくなり、ほどよい制御ができないという問題
もあった。そこで、本発明は、上記した問題点を解消す
べく、記録マークに与えるクロストークを低減し、記録
密度を向上させる情報記録担体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
支持体に形成されたグルーブとランドとを交互に有する
微細パターン上に記録層と、透光層とが順次積層され、
かつ前記グルーブは、前記グルーブを分断する領域にア
ドレスピットが形成されたことを特徴とする情報記録担
体を提供する。第2の発明は、基体上にポジ型のエネル
ギー線感応層を塗布する工程と、このポジ型のエネルギ
ー線感応層にエネルギー線を照射して、交互に形成され
るグルーブとランド、及び前記グルーブを分断する領域
にアドレスピットを有する第1微細パターンを形成する
工程と、この第1微細パターン上にメッキ層を形成する
工程と、このメッキ層を前記基体から剥離して、第2微
細パターンを有するメッキ型を作製する工程と、このメ
ッキ型を支持体上に転写して第3微細パターンを形成し
た後、この第3微細パターン上に記録層、透光層を順次
形成する工程と、からなる情報記録担体の製造方法にお
いて、前記アドレスピットは、前記グルーブ形成用情報
からアドレス情報に切り換え、このアドレス情報に基づ
き、前記グルーブ形成用のエネルギー線を用いて形成し
たことを特徴とする情報記録担体の製造方法を提供す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1乃
至図11を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態
における情報記録担体の製造方法の(基板準備工程)を
示す図である。図2は、本発明の実施形態における情報
記録担体の製造方法の(エネルギー線感応膜形成工程)
を示す図である。図3は、本発明の実施形態における情
報記録担体の製造方法の(微細パターン形成工程)を示
す図である。図4は、本発明の実施形態における情報記
録担体の製造方法の(メッキ形成工程)を示す図であ
る。図5は、本発明の実施形態における情報記録担体の
製造方法の(メッキ型形成工程)を示す図である。図6
は、本発明の実施形態における情報記録担体の製造方法
の(支持体形成工程)を示す図である。図7は、本発明
の実施形態における情報記録担体の製造方法の(記録層
形成工程)を示す図である。図8は、本発明の実施形態
における情報記録担体の製造方法により作製された情報
記録担体を示す図である。図9は、本発明の実施形態に
おける情報記録担体の製造方法により形成される微細パ
ターンを示す平面図である。図10は、微細パターン記
録を行う第1のエネルギー線照射装置を示す図である。
図11は、微細パターン記録を行う第2のエネルギー線
照射装置を示す図である。従来例と同一構成には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0013】(基体準備工程)まずは、図1に示すよう
に、平坦な基体1を準備する。基体1は、表面が光学グ
レード並みにフラットに仕上げられ、酸化珪素や、無ア
ルカリガラス、7913ガラスなどのセラミック基板、
珪素、モリブデン、タングステンやこれらの合金(酸化
物、窒化物、炭化物の例を含む)を表面に有した金属基
板などから選ばれる。
【0014】(エネルギー線感応膜形成工程)図2に示
すように、この平坦な基体1表面にポジ型のエネルギー
線感応膜2を片面に塗布する。エネルギー線感応膜2
は、エネルギー線の照射を受けて、分解または重合する
性質を持つ材料である。特にポジ型とは、エネルギー線
の照射を受けて、分解する方向に作用する性質を有する
ものであり、その分解過程は1ステップであっても、複
数ステップ(例えば2または3ステップ、あるいはそれ
以上)であっても良い。
【0015】ここで、エネルギー線感応膜2の1〜3以
上ステップ分解過程について以下に説明する。1ステッ
プ分解過程の代表例としては、エネルギー線が、高照度
の遠紫外線である場合には、ポリカーボネート樹脂やポ
リスチレン樹脂などをエネルギー線感応膜2として用い
ることができ、表面の昇華または爆発現象により、穴を
形成させることができる。また、1ステップ分解過程の
別の例としては、エネルギー線が、高照度のg線(43
6nm)である場合には、酸化テルル薄膜を用いること
ができ、表面の昇華により穴を形成することができる。
【0016】2ステップ分解過程の代表例としては、エ
ネルギー線が、紫外線である場合、クレゾールノボラッ
ク樹脂とナフトキノンジアジドの混合材料からなる膜を
エネルギー線感応膜2として用いることができる。表面
への照射により、ナフトキノンジアジドが化学的に分解
してクレゾールノボラック樹脂の不溶化を解除する。こ
の段階では穴が開かないが、続いてアルカリ現像液を表
面に流すことによって、照射部分が溶解し、穴を形成す
ることができる。
【0017】3ステップ分解過程の代表例としては、エ
ネルギー線が、遠紫外線や電子線である場合、ポリヒド
ロキシスチレン樹脂と、オニウム塩などから酸発生剤膜
をエネルギー線感応膜2として用いることができる。表
面への照射により、酸発生剤が化学的に分解して酸を発
生させる。この段階では穴が開かないが、続いて加熱す
ることによって、酸が膜内を拡散して、ポリヒドロキシ
スチレン樹脂を分解する。続いて、アルカリ現像液を表
面に流すことによって、照射部分が溶解し、穴を形成す
ることができる。
【0018】(微細パターン形成工程)続いて、図10
或いは図11に示すエネルギー線照射装置30、40を
用いて、図示しないプロセッサをON、OFFさせて、
ポジ型のエネルギー線感応性膜2上に収束エネルギー線
を照射して、グルーブG及びアドレスピットAPを形成
して、図3及び図9に示す微細パターン3を形成する。
【0019】ここで、収束エネルギー線照射を行う第1
及び第2エネルギー線照射装置30、40について図1
0及び図11を用いて説明する。まずは、第1のエネル
ギー線照射装置30について図10を用いて説明する。
第1のエネルギー線照射装置30は、平坦な基体1を支
持する平坦基体支持ユニット110と、エネルギー線照
射ユニット120と、このエネルギー線照射ユニット1
20を稼動させる相対運動付与ユニット100とからな
る。平坦基体支持ユニット110はエネルギー線感応膜
2を表面に有した平坦な基体1を設置し、少なくともエ
ネルギー線照射により記録を行う間、支持できるユニッ
トである。具体的には高精度に研磨されたテーブルが該
当し、それに基体1が設置できるように固定機構(ねじ
止め、真空吸着、静電吸着など)が付与されたものであ
る。
【0020】エネルギー線照射ユニット120は、エネ
ルギー線を出射するエネルギー線源121と、このエネ
ルギー線を情報記録に相応しいビーム形状に整形或いは
信号変調するビーム整形器122と、このビーム整形器
122で整形或いは信号変調されたエネルギー線を平坦
基体支持ユニット110上に設置された平坦な基体1上
に導く反射鏡123とからなる。また、アドレス情報に
従って反転信号を生成、送信するプロセッサ(図示せ
ず)が、ビーム整形器122に接続される。この際、平
坦基体支持ユニット110と反射鏡123との間にエネ
ルギー線を収束させるためのレンズ(図示せず)を設置
するようにしても良い。
【0021】このエネルギー線源121は、波長10〜
1500nmの電磁波(γ線、X線、極端紫外線、遠紫
外線、紫外線、可視光、赤外線など)や、粒子線(α
線、β線、陽子線、中性子線、電子線など)を出射す
る。エネルギー線源121の具体例としては、エネルギ
ー線源121が紫外線から遠紫外線(例えば364n
m、355nm、351nm、325nm、275n
m、266nm、257nm、248nm、244nm
などの波長)を出射する照射装置などがある。ビーム整
形器122の具体例としては、電気光学結晶素子による
変調器(EOM)や音響光学結晶素子による変調器(A
OM)、または電気光学結晶素子による偏向器(EO
D)や音響光学結晶素子による偏向器(AOD)などが
ある。また、エネルギー線源121が電子線の照射装置
の場合には、ビーム整形器122は、ブランキング電極
やビーム偏向器となる。
【0022】反射鏡123は、平坦な基体1にエネルギ
ー線を導くためのものであるので、エネルギー線を直
接、基体1に照射できる構成である場合には不要であ
る。なお、必要な場合には、アドレス情報受信から反転
送信するまでの時間を遅延させたり、短縮あるいは伸張
させたりする回路をプロセッサ(図示せず)に内蔵また
はプロセッサとビーム整形器122の間に設置してもよ
い。
【0023】相対ユニット100は、モーターやリニア
ドライブ等からなり、回転、X軸方向移動、Y軸方向移
動、Z軸方向移動又はこれらの複合移動を行うことがで
きる。また、この相対ユニット100は、エネルギー線
照射ユニット120側又は平坦基体支持ユニット110
側のどちらか一方、又はこれらの両方に配置される。こ
こでは、エネルギー線照射ユニット120側に配置さ
れ、このエネルギー線照射ユニット120を相対運動さ
せる。
【0024】次に、第2のエネルギー線照射装置40に
ついて、図11を用いて説明する。第2のエネルギー線
照射装置40は、第1のエネルギー線照射装置30にお
いて、相対ユニット100を平坦基体支持ユニット11
0側に配置したものであり、この平坦基体支持ユニット
110を稼動させて、基体1を相対運動させるようにし
たものである。
【0025】次に、具体的に、収束エネルギー線のスポ
ットESを用いて微細パターン3を形成する方法につい
て図9を用いて説明する。第1のエネルギー線照射装置
30を用いた場合には、基体1を平坦基体支持ユニット
110上に載置し、エネルギー線照射ユニット120の
エネルギー線源121から1本のエネルギー線を出射
し、この1本のエネルギー線をビーム整形器122で整
形或いは信号変調して反射鏡123で反射した後、相対
ユニット100を相対運動させて、エネルギー線照射ユ
ニット120を稼動させながら、基体1のエネルギー線
感応膜2を照射する。
【0026】そして、アドレス情報がOFFとなってい
る時には、プロセッサをONにし、グルーブ形成用情報
に基づいて、収束したエネルギー線のスポットをES
(以下、単にスポットESという)を基体1のエネルギ
ー線感応膜2に照射して、グルーブGの一部分G1を形
成する(エネルギー線感応膜2を分解する)。続いて、
アドレス情報がONとなった時には、プロセッサをOF
Fにし、グルーブ形成用情報からアドレス情報に切り換
えられたエネルギー線をエネルギー線感応膜2に断続的
に照射して、アドレスピットAPを形成する(エネルギ
ー線感応膜2を分解しない)。
【0027】この後、再びアドレス情報がOFFとなっ
た時には、プロセッサを再度ONにし、アドレス情報か
らグルーブ形成用情報に切り換えられたエネルギー線を
エネルギー線感応膜2に照射して、グルーブGの一部分
G3を形成する(エネルギー線感応膜2を分解する)。
このようにして、グルーブG1、G3及びアドレスピッ
トAPを形成する。上記したと同様の操作を繰り返すこ
とによって微細パターン3を形成する。
【0028】次に、第2のエネルギー線照射装置40を
用いた場合には、相対ユニット100を相対運動させ
て、平坦基体支持ユニット110を稼動させながら行う
以外は、第1のエネルギー線照射装置30を用いた場合
と同様に行って図9に示す微細パターン3を形成する。
【0029】グルーブGをライン状に形成するには、前
記したように、平坦基体支持ユニット110かエネルギ
ー線照射ユニット120のどちらか一方を稼動させるこ
とによって形成できる。また、均一なトラックピッチP
も、同様にして、この相対運動を利用して行うことがで
きる。
【0030】このように、1本のエネルギー線によって
行われるために、微細パターン3におけるグルーブGと
アドレスピットAPとの相互距離は極めて正確となる。
また、2つのエネルギー線による合成ではないために、
アドレスピットAPの長さは、エネルギー線の解像度に
よって決まる。このため、2つのエネルギー線を用いる
場合よりも1本のエネルギー線の解像度を向上させるこ
とにより、短いアドレスピットAPを形成することがで
きる。
【0031】なお、(エネルギー感応膜形成工程)にお
いて説明したとおり、ポジ型のエネルギー線感応膜2の
分解過程は、1ステップまたは複数ステップを取りう
る。従って、1ステップのポジ型のエネルギー線感応膜
2を使用した場合には、エネルギー線照射を行った直後
に微細パターン3が形成されるが、複数ステップの場合
には、しかるべき所定の処理(例えば2ステップの場合
にはアルカリ現像処理、3ステップの場合には加熱及び
アルカリ現像処理)を行うことにより、微細パターン3
が形成される。即ち、ポジ型のエネルギー線感応膜2の
表面には、グルーブG及びアドレスピットAPが凹部と
して、ランドLが凸部として形成される。
【0032】(メッキ層形成工程)次に、図4に示すよ
うに、微細パターン3が形成された基体1上にメッキ層
4を形成する。ポジ型のエネルギー線感応性膜2または
平坦な基体1が導電体である場合には、ポジ型エネルギ
ー線感応性膜2上に直接メッキを施して、メッキ層4を
形成する。また、ポジ型のエネルギー線感応性膜2、平
坦基体1の一方が不導体や半導体である場合には、前処
理としてポジ型エネルギー線感応性膜2表面上に薄い導
電膜(図示せず)を施し、その後にメッキを施してメッ
キ層4を形成する。
【0033】なお、以下では、薄い導電膜は、メッキ層
4の一部分と考えることにする。メッキ層4としては、
厚さ100〜500μmのニッケル、コバルトなどを用
いることができる。薄い導電膜は、厚さ10〜300n
mのニッケル、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・
リン合金、ニッケル・ボロン合金、ニッケル・リン・ボ
ロン合金、金、銀、銀・パラジウム合金、銀・パラジウ
ム・銅合金などを用いることができる。必要に応じて、
メッキ層4のポジ型のエネルギー線感応性膜2とは反対
側に補強板を接着してもよい。そのような補強板として
は、ガラス、アルミ、ステンレスなどの0.3〜20m
m程度の板を用いることができる。
【0034】(メッキ型形成工程)次に、図5に示すよ
うに、ポジ型のエネルギー線感応膜2が形成された基体
1からメッキ型5を剥離して微細パターン3Aを有する
メッキ型5を作製する。この剥離は、ポジ型のエネルギ
ー線感応性膜2とメッキ型5との間から物理的に行う。
前記した薄い導電膜を有する場合には、薄い導電膜とメ
ッキ層4の間で剥離を行う。この剥離を化学的に行う
と、メッキ型5に付着したポジ型のエネルギー線感応性
膜2の残さを低減でき、欠陥の少ない微細パターン3A
を有するメッキ型5を得ることができる。
【0035】なお、基体1から剥離されたメッキ型5の
微細パターン3Aは、(微細パターン形成工程)で形成
された微細パターン3とは、凹凸関係が逆となってい
る。すなわち、グルーブGとアドレスピットAPは凸状
となり、ランドLは、凹状となる。なお、後続の(支持
体成形工程)を考慮して、メッキ型5の微細パターン3
Aの形状は保持したまま、メッキ型5の全体形状を修正
加工してもよい。
【0036】(支持体成形工程)次に、図6に示すよう
に、このメッキ型5を支持体6上に転写して微細パター
ン3Bを形成する。図6に示すように、この工程には、
公知の射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、2P成形な
どを用いることができる。なお、支持体6に形成された
微細パターン3Bは、(メッキ型形成工程)における微
細パターン3Aとは、凹凸関係が逆であり、基体1に形
成された微細パターン3と同一である。
【0037】(記録層形成工程)次に、図7に示すよう
に、支持体6の微細パターン3B上に記録層7を形成す
る。記録層7は、情報を読み出し、あるいは情報を記録
ないしは書き換える機能を有した薄膜層である。この記
録層7の材料としては、相変化材料に代表される記録前
後において反射率変化や屈折率変化を生じる材料、ある
いは光磁気材料に代表される記録前後においてカー回転
角変化を生じる材料、あるいは色素材料に代表される記
録前後において屈折率変化や深さ変化を生じる材料があ
る。
【0038】相変化材料の具体例としては、インジウ
ム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビス
マス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、アル
ミニウム、シリコン、パラジウム、錫、砒素などの合金
(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物
の例を含む)を用いることができ、特にGeSbTe
系、AgInTeSb系、CuAlSbTe系、AgA
lSbTe系などの合金が好適である。これらの合金に
微量添加元素としてCu、Ba,Co,Cr,Ni,P
t,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,Mn,Z
n,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,S
n,Ti、V、Ge、Se、S、As、Tl、In、P
d、Pt、Niの群から選ばれる少なくとも1種以上の
元素を合計で0.01原子%以上10原子%未満含有す
ることもできる。
【0039】なお、各元素の組成は、例えばGeSbT
e系としてGe2Sb2Te5、Ge1Sb2Te4、 Ge
SbTe系にSn、In等の金属を添加した系、AgI
nSbTe系として、Ag4In4Sb66Te26、Ag4
In4Sb64Te28、Ag2In6Sb64Te28、Ag3
5Sb64Te28、Ag2In6Sb66Te26、AgIn
SbTe系にCu、Fe、Ge等の金属や半導体を添加
した系、CuAlSbTe系、AgAlSbTe系など
がある。
【0040】また、光磁気材料の具体例としては、テル
ビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジ
ム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウ
ム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パ
ラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、
錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化
物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にT
bFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表さ
れるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適
である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記
録層7としてもよい。
【0041】また、色素材料の具体例としては、ポルフ
ィリン色素、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフ
タロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フル
ギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用い
ることができる。これら記録層7の形成方法としては、
気相成膜法または液層成膜法を用いることができる。気
相成膜法の代表例としては抵抗加熱型や電子ビーム型の
真空蒸着、直流スパッタリングや高周波スパッタリン
グ、反応性スパッタリング、 イオンビームスパッタリ
ング、イオンプレーティング、CVD法等を用いること
ができる。また、液層成膜法の代表例としては、スピン
コート法や浸漬引き上げ法等を用いることができる。
【0042】(透光層形成工程)次に、図8に示すよう
に、記録層7上に透光層8を形成して情報記録担体9を
作製する。透光層8は、収束した再生光を光学的歪みの
少ない状態で記録層7に導く機能を有する材料から構成
される。例えば、再生波長λにおいて透過率を70%以
上、望ましくは80%以上有した材料を好適に用いるこ
とができる。この透光層8は、光学的な異方性が少な
く、具体的には複屈折が90度(垂直)入射ダブルパス
にて±100nm以下、望ましくは±50nm以下とし
た厚み50〜120μmのシート状材料が用いられる。
【0043】このような特性を有する材料としてポリカ
ーボネートやポリメチルメタクリレート、三酢酸セルロ
ース、二酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、
脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどを用い
ることができる。
【0044】なお、透光層8は、剛性の高い材料を用い
ることもでき、例えば透明セラミック(例えばソーダラ
イムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、石英ガラス)や熱硬化性樹脂、エネルギー線硬化樹
脂(例えば紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬
化樹脂)、湿気硬化樹脂、2液混合硬化樹脂が好適に用
いられる。また、透光層8は、単層に限らず、これら材
料を組み合わせた複数層からなってもよい。
【0045】透光層8の形成方法は、シート状材料の単
層で構成する場合には熱融着が用いられ、各種硬化性樹
脂の単層で構成する場合には場合には、スピンコート、
スクリーン印刷、ロールコート、ナイフコートなどを用
いることができる。またシート状材料と各種硬化性樹脂
の2層で構成する場合には、各種硬化性樹脂をシート状
材料と記録層7の間に挟み、スピン振り切り貼り合わせ
する方法などが挙げられる。
【0046】以上のように、本発明の実施形態によれ
ば、グルーブGとアドレスピットAPとの相互距離を正
確にして、かつアドレスピットAPの長さを短くできる
ので、記録マークMに与えるクロストークが低減され、
記録密度を向上させることができる。
【0047】なお、本発明の実施形態では、基本的な部
分のみについて説明したが、用途に応じて種々変形や機
能追加が可能である。例えば、情報記録担体9を2枚準
備し、支持体6同士を互いに対向させて貼り合わせても
よい。また、情報記録担体9の透光層8上に、記録層7
と透光層8をセットでもう一層ずつ重ねてもよい。この
ようにすれば、情報記録担体9の容量を約2倍に増すこ
とができる。また、記録層7と透光層8のセットの積層
を複数回繰り返して、多層の情報記録担体としてもよ
い。
【0048】記録層7は、図面上単層で示したが、記録
特性や再生特性を向上させる目的や保存安定性向上の目
的等で、複数の薄膜材料で構成してもよい。例えば補助
膜として、例えばシリコン、タンタル、亜鉛、マグネシ
ウム、カルシウム、アルミニウム、クロム、ジルコニウ
ムなどの合金(酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ
化物の例を含む)や高反射膜(アルミニウム、金、銀な
ど)を併用して積層してもよい。更に、図示しないが、
透光層8の記録層7とは反対側に公知の静電気防止層、
潤滑層、ハードコート層などを形成してもよい。
【0049】図示しないが、支持体6の記録層7とは反
対側にレーベル印刷を施してもよい。記録に用いる所定
領域以外に、情報記録担体9を認識するためのホログラ
ムや目視可能な微細パターンを形成してもよい。情報記
録担体9は、再生装置への装着性やハンドリング上の保
護性を向上するために、情報記録担体全体をカートリッ
ジに入れた構成としてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、グルーブとアドレスピ
ットとの相互距離を正確にして、かつアドレスピットの
長さを短くできるので、記録マークに与えるクロストー
クが低減され、記録密度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(基板準備工程)を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(エネルギー線感応膜形成工程)を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(微細パターン形成工程)を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(メッキ形成工程)を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(メッキ型形成工程)を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(支持体形成工程)を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法の(記録層形成工程)を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法により作製された情報記録担体を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における情報記録担体の製造
方法により形成される微細パターンを示す平面図であ
る。
【図10】微細パターン記録を行う第1のエネルギー線
照射装置を示す図である。
【図11】微細パターン記録を行う第2のエネルギー線
照射装置を示す図である。
【図12】特願2001−82278号で提案した情報
記録担体の断面構造を示す図である。
【図13】従来の情報記録担体における微細パターンの
構造を示す図である。
【符号の説明】
1…基体、2…エネルギー線感応膜、3…微細パター
ン、4…メッキ層、5…メッキ型、6…支持体、7…記
録層、8…透光層、9…情報記録担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 聖樹 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 糸長 誠 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 Fターム(参考) 5D029 KB03 5D075 EE03 FG11 FG17 FG18 GG16 5D121 AA02 BB01 BB21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に形成されたグルーブとランドとを
    交互に有する微細パターン上に記録層と、透光層とが順
    次積層され、かつ前記グルーブは、前記グルーブを分断
    する領域にアドレスピットが形成されたことを特徴とす
    る情報記録担体。
  2. 【請求項2】基体上にポジ型のエネルギー線感応層を塗
    布する工程と、 このポジ型のエネルギー線感応層にエネルギー線を照射
    して、交互に形成されるグルーブとランド、及び前記グ
    ルーブを分断する領域にアドレスピットを有する第1微
    細パターンを形成する工程と、 この第1微細パターン上にメッキ層を形成する工程と、 このメッキ層を前記基体から剥離して、第2微細パター
    ンを有するメッキ型を作製する工程と、 このメッキ型を支持体上に転写して第3微細パターンを
    形成した後、この第3微細パターン上に記録層、透光層
    を順次形成する工程と、からなる情報記録担体の製造方
    法において、 前記アドレスピットは、前記グルーブ形成用情報からア
    ドレス情報に切り換え、このアドレス情報に基づき、前
    記グルーブ形成用のエネルギー線を用いて形成したこと
    を特徴とする情報記録担体の製造方法。
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